JP2000088955A - 運動補償回路及びレーダ装置 - Google Patents

運動補償回路及びレーダ装置

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JP2000088955A
JP2000088955A JP10256821A JP25682198A JP2000088955A JP 2000088955 A JP2000088955 A JP 2000088955A JP 10256821 A JP10256821 A JP 10256821A JP 25682198 A JP25682198 A JP 25682198A JP 2000088955 A JP2000088955 A JP 2000088955A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目標の運動による反射波のドップラーの変化
に基づく目標のレンジ移動量の補償誤差の影響で目標の
位相補償誤差が増大する問題を解決する。 【解決手段】 送信機で発生させた高周波パルスを送受
信アンテナ3を介して目標に照射し、受信機4で受信し
たエコーをレンジ圧縮手段5でパルス圧縮して距離方向
に高分解能なデータ列を得る処理を複数回(ヒット)繰
り返し、結果として得られるレンジプロフィールの時間
履歴(ヒストリ)において、各ヒットごとに総和手段1
01でレンジ方向のデータ列の総和を算出して、得られ
た参照データ列の区分周波数分析を区分周波数分析手段
15で行い、区分周波数分布のヒストリ上の各軌跡のド
ップラー移動量の推定結果を用いて位相補償を行い、さ
らに、レンジ補償回路でレンジ補償を行い、得られた位
相及びレンジ補償後のレンジプロフィールのヒストリの
クロスレンジ圧縮を行いISAR画像を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、移動する目標に
対して電波を送信し、目標からの反射波を受信して上記
目標の画像を得る際、目標の移動に伴う目標のレンジ及
びドップラー周波数の変化を補償する運動補償回路及び
当該運動補償回路を備えて高い分解能を得るためのレー
ダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のレーダ装置は、一般に高
分解能レーダ装置と呼ばれ、例えば、Donald R. Wehne
r, “High Resolution Radar”, Artech House, INC. 1
987, pp273-339に記載されているISAR(Inverse Syn
thetic Aperture Radar)、及び特開平7−92257号
公報に記載のものがある。
【0003】図10は上記文献に従って構成したレーダ
装置のブロック構成図である。図10において、1は送
信機、2は送受切換器、3は送受信アンテナ、4は受信
機、5はレンジ圧縮手段、6はレンジ補償回路、7は位
相補償回路、8はクロスレンジ圧縮回路、9はモニタ・
テレビ(以下、モニタTVと呼ぶ)、26は運動補償回
路である。
【0004】図11は、図10に示すレーダ装置のブロ
ック構成図におけるレンジ補償回路6の内容を記した構
成図である。図11において、10は振幅最大レンジビ
ン検出回路、11は平滑化回路、12はレンジ移動量推
定回路、13はレンジ補償手段である。
【0005】また、図12は、図10に示すレーダ装置
のブロック構成図における位相補償回路7の内容を記し
た構成図である。図12において、14は注目レンジビ
ン決定手段、15は区分周波数分析手段、16はドップ
ラー移動量推定回路、17は振幅最大周波数検出回路、
18は位相補償量算出手段、19は位相補償手段、25
はドップラー移動量推定手段である。
【0006】次に、上記構成に係るレーダ装置の動作原
理について、回転運動を行う目標を観測するジオメトリ
である図13、図13のジオメトリで観測した結果得ら
れたISAR画像の一例を示す図14、並進運動を行う
目標を観測するジオメトリである図15、レンジプロフ
ィールのヒストリの最大振幅検出結果の一例を示す図1
6、レンジ補償処理を施した後のレンジプロフィールに
おける最大振幅検出結果のヒストリの一例を示す図1
7、区分周波数分析手段15の処理内容を説明する図1
8、及び区分周波数分布のヒストリの最大振幅検出結果
の一例を示す図19の各図面を用いて説明する。
【0007】まず、ISARの画像再生の原理について
説明する。図13に示す通り、x−y平面の原点に設置
されたレーダ装置21で、レンジr0の点oを通り紙面
に垂直な軸を中心に角速度ωで反時計周りで回転する目
標20を観測するジオメトリを考える。
【0008】図10に示す構成において、まず、送信機
1では、時間とともに周波数が変化する信号(チャー
プ)に変調された高周波パルスを発生し、送受切換器2
を介して送受信アンテナ3に供給する。目標20で反射
された信号(エコー)は、送受信アンテナ3に入り、送
受切換器2を介して受信機4で復調される。
【0009】この復調された信号は、送信信号の瞬時周
波数に対しレーダ装置21と目標20の間の電波伝搬の
往復に要する時間分遅延したものであるから、レンジ圧
縮手段5において、送信信号s(t)を用いて受信信号
r(t)にマッチドフィルターをかけること、すなわ
ち、式(1)に示すように、送信信号s(t)の共役信
号s*(t)と受信信号r(t)とのコンボリューショ
ンを求めることにより、遅延に相当した時間にインパル
スv(t)(以下では、レンジプロフィールと呼ぶ)を
得ることができる。このことにより、レンジ分解能が向
上する。
【0010】
【数1】
【0011】レーダが送信を繰り返すごとに上記レンジ
圧縮された信号が得られるから、レーダの送信(ヒッ
ト)ごとにレンジ圧縮された信号をまとめることによ
り、レンジrとヒットhを軸とする二次元複素信号v
(h、r)(以下では、レンジプロフィールのヒストリ
と呼ぶ)が得られる。レンジrと時間tの間には、r=
(Δr/Δt)・tなる関係がある。ここで、Δtはサ
ンプリング間隔(=1/B、Bは送信帯域)、Δrはレ
ンジ分解能(=C/2B、Cは光速)である。
【0012】目標20が図15に示すような運動、すな
わち並進運動を行う場合には、レーダ装置21から目標
20までの距離の変化の影響を補償することにより、並
進運動を行う目標20を、等価的に、図13に示すよう
な回転運動を行う目標20とみなすことができる。レー
ダ21と目標20の間の距離の変化を補償するレンジ補
償回路6、位相補償回路7の動作は後述することにし、
以下では、目標20が回転運動を行うもの、もしくは何
等かの方法でレーダ装置21から目標20までの距離の
変化の影響を補償されたものとする。
【0013】クロスレンジ圧縮手段8では、レンジプロ
フィールのヒストリv(h、r)を、式(2)に従っ
て、各レンジごとに、ヒット方向にフーリエ変換するこ
とにより、レンジ、クロスレンジの両方について圧縮さ
れた複素信号u(c、r)を得る。ここに、cはクロス
レンジ(方位)方向を示す。
【0014】
【数2】
【0015】上式で、hnumはヒット数、rnumは
レンジビン数である。この処理は、クロスレンジ方向の
分解能を改善する効果がある。以下、この原理を説明す
る。
【0016】図13に示す運動を行う目標上のある部位
(例えば点a)で反射した信号のドップラー周波数fd
は次の式(3)で表される。
【0017】
【数3】
【0018】ここで、λは送信波長、xは反射を生じた
部位の回転半径、θ(h)は観測の基準となるLOS
(Line Of Sight)を基準とした目標部位の角度であ
る。式(3)により、同じ角度θ上の点では、回転軸か
らの距離xに比例して、目標上のそれぞれの部位からの
反射信号のドップラー周波数が変わる。従って、複素信
号u(c、r)は、回転軸によって定まる投影面に目標
を投影した画像を表していることになる。
【0019】レンジ圧縮手段5とクロスレンジ圧縮手段
8により、レンジ方向、クロスレンジ方向の両方につい
て分解能が向上した複素信号u(c、r)は、その絶対
値が目標のレーダ反射断面積に対応するから、モニタT
V9上のレンジr、クロスレンジcの二次元平面にu
(c、r)の絶対値またはその二乗に応じた輝度で表示
を行うことにより、図14に示すような、レンジとクロ
スレンジの両方について高分解能化された目標のISA
R画像22を表示することができる。ここで、画像上
で、例えばa点は、目標上でレーダに近い位置にあるの
で、レンジが小さく、かつ、回転運動によりレーダから
遠ざかる運動をしているのでドップラー周波数が小さく
なっている。
【0020】次に、上記説明で省略した、目標の並進運
動の影響を補償する処理について説明する。観測時間内
のt0、t1、t2という時間において、並進運動によ
り、図15のように位置が変化する目標20のISAR
画像を生成する場合、各ヒットごとに得られたレンジプ
ロフィールのヒストリv(h,r)をそのままヒット方
向にフーリエ変換するだけでは、目標上の各点(例えば
点a)が観測時間中にレンジ方向に移動するため、レン
ジ、クロスレンジ方向にきちんと圧縮されず、結果とし
て画像にぼけが生じてしまうのは、式(2)において、
各レンジごとにフーリエ変換を行うというその処理内容
より明らかである。従って、ぼけのない鮮明な画像を得
るためには、目標上の各々の点を観測時間中、同一レン
ジビン内に固定するための補償処理を必要とする。この
処理をレンジ補償処理と呼ぶ。
【0021】レンジ補償処理を行うレンジ補償回路6の
処理内容について説明する。目標が図15に示す運動を
行う場合について考える。ここで、電波の反射をする点
は、図中a、b、cの三点のみとし、このうち、b点と
c点は常に同じレンジビンにあるものとする。
【0022】図11に示すレンジ補償回路6の構成にお
いて、まず、レンジ移動量推定回路12によりレンジ追
尾を行う。レンジ移動量推定回路12の中の振幅最大レ
ンジビン検出回路10では、各ヒットごとに、レンジプ
ロフィールの振幅が最大となるレンジビンを検出する。
【0023】その結果の例を図16に示す。同図で横軸
はヒット、縦軸はレンジであり、図中太実線で示した部
分が、各ヒットのレンジプロフィールで振幅が最大とな
るレンジビンを示しているものとする。a、b、cは同
一目標上の点であり、実際は、図中の点線に示されるよ
うに、同じ変化率でレンジが変化しているはずである
が、見込み角の変化に従う各点のレーダ断面積の変化
や、同一レンジビン内に複数の反射点が存在する場合の
干渉などの影響で、観測時間中に各点の存在するレンジ
ビンの振幅が変動するため、振幅最大レンジビンの位置
の変化に不連続な部分が発生する。
【0024】この振幅最大レンジビンの位置の時間変化
に対して平滑化回路11では、例えば最小二乗法などを
用いて平滑化することにより、図中点線で示した、上述
の目標のレンジの実際の時間変化を得る事ができる。こ
のレンジの時間変化を観測時間中のレンジ方向の移動量
を表すレンジ移動量sで定義する。
【0025】レンジ補償手段13では、レンジ移動量推
定回路12で得られたシフト量から、各ヒットにおける
レンジ補償量sf(h)を式(4)により得る。
【0026】
【数4】
【0027】次に、式(4)で得られたレンジ補償量s
f(h)を用いて、各ヒットhにおけるレンジプロフィ
ールのヒストリv(h、r)をレンジ方向に補償し、レ
ンジ補償後のレンジプロフィールのヒストリv2(h、
r)を得る。レンジ補償後のレンジプロフィールのヒス
トリv2(h、r)で、各ヒットごとに、レンジプロフ
ィールの振幅が最大となるレンジビンを検出した結果
は、図17に示すようにそれぞれの点の反射信号が同一
レンジビンに並ぶ。
【0028】上記レンジ補償処理回路5によるレンジ補
償処理により、観測時間中の各点のレンジビンを超えた
距離変化については除去することができたが、レンジビ
ン内の距離変化については除去できていない。一般に、
目標が加速運動、旋回運動をする時は勿論の事、等速直
線運動を行う場合でも、進行方向がLOS軸に沿った方
向で無い限り、その距離変化は、線形な成分に加えて、
非線形な加速度成分も含む。このうちの加速度成分の影
響で、各点よりの反射信号のドップラー周波数(クロス
レンジ)に広がりが生じるため、結果として生成した画
像がクロスレンジ方向にぼけてしまう。上記加速度成分
を除去するための補償処理が位相補償処理である。
【0029】以下では、この位相補償処理を行う位相補
償回路7の処理内容について説明する。並進運動に伴う
上記加速度成分は、すべてのレンジビンに対してほぼ等
しく加わるため、ある一つのレンジビンに着目して、そ
のレンジビンに加わる加速度成分を推定し、その推定結
果を用いて、すべてのレンジビンの位相補償を行う。
【0030】図12に示す位相補償回路7の構成におい
て、注目レンジビン決定手段14では、レンジ補償後の
レンジプロフィールv2(h、r)の各レンジrにおけ
る平均電力を算出し、その値を最大とするレンジビンを
注目レンジビンとして、そのレンジビンの受信信号列w
(h)を出力する。例えば図15のジオメトリの例で
は、点b、cを含むレンジビンが注目レンジビンとして
選択されたものとする。
【0031】次に、区分周波数分析手段15では、式
(5)に従い、図18に示した注目レンジビンの受信信
号列w(h)23を長さΔhで区分フーリエ変換して区
分周波数分布のヒストリfs(h’,f)24を求め
る。
【0032】
【数5】
【0033】ドップラー移動量推定手段25では、得ら
れた区分周波数分布のヒストリfs(h’,f)の追尾
を行う。まず、振幅最大周波数検出回路17では、各ヒ
ットh’ごとに、周波数分布の振幅が最大となるドップ
ラービンを検出する。その結果の例を図19に示す。同
図で横軸はヒット、縦軸はドップラービンであり、図中
太実線で示した部分が、各ヒットの周波数分布で振幅が
最大となるドップラーを示しているものとする。見込み
角の変化に従うレーダ断面積の変化のため、振幅最大周
波数の位置が変動すること、および、周波数の折り返し
の影響で、その位置の変化に不連続な部分が発生する。
【0034】これに対し、レンジ補償回路6のレンジ移
動量推定回路12と同様に、平滑化回路11により平滑
化を行うことにより、図中点線で示した、上述の目標の
ドップラーの実際の時間変化を得ることができる。この
時間変化を観測時間中のドップラー方向の移動量を表す
シフト量sで定義する。位相補償量算出手段18では、
式(6)に従い、位相補償量ph(h)を計算する。
【0035】
【数6】
【0036】さらに、位相補償手段19では、位相補償
量算出手段18で得られた位相補償量ph(h)を用い
て、式(7)により、レンジ補償後のレンジプロフィー
ルのヒストリv2(h、r)の位相補償を行い、最終的
なレンジプロフィールのヒストリvL(h、r)を得
る。
【0037】
【数7】
【0038】以上の処理を経る事により、並進運動を行
う目標に関して、目標上の各点のレンジビンを超える移
動、位相の二次の変動を補償することができるため、並
進運動を伴わず、回転運動のみを行う目標と同様に鮮明
な高分解能画像が得られる。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のレーダ装置では、レンジ補償誤差が発生し
た場合に、その影響で位相補償誤差までが増大するた
め、ISAR画像の画質の劣化が生じやすいという問題
があった。
【0040】また、レンジ補償回路6によるレンジ補償
が終わった後に位相補償回路7による位相補償を行う必
要があるため、運動補償に要する時間が増大するという
問題があった。
【0041】さらに、レンジ補償において、レンジプロ
フィールのヒストリの振幅分布のみに着目して、位相の
情報を用いないため、レンジ補償の精度が悪いためIS
AR画像の画質の劣化が生じやすいという問題があっ
た。
【0042】また、位相補償の際に、ある一つの反射点
の軌跡のドップラー周波数の時間変化のみに着目して位
相補償量を推定するために、複数の反射点の軌跡が存在
して、その反射強度がそれぞれ時間の経過とともに変化
する場合に、位相補償量推定誤差が発生してISAR画
像の画質の劣化が生じやすいという問題があった。
【0043】この発明はかかる問題点を解消するために
なされたもので、目標の運動により生ずる反射波のドッ
プラーの変化に基づき目標の高分解能画像を得る際、目
標のレンジ移動量の補償誤差の影響で目標の位相補償誤
差が増大する問題を回避することができ、ISAR画像
の画質劣化の発生を抑えることができる可能な運動補償
回路及び運動補償回路を備えたレーダ装置を得ることを
目的とするものである。
【0044】
【課題を解決するための手段】この発明に係る運動補償
回路は、移動する目標に対して電波を送信し、上記目標
からの反射波を受信して上記目標の画像を得る際、上記
目標の移動に伴う上記目標のレンジ及びドップラー周波
数の変化を補償する運動補償回路であって、受信信号列
の入力に基づいて各時刻におけるレンジ方向に並ぶデー
タ列の総和を生成する総和手段と、当該総和手段の出力
を区分周波数分析して区分周波数分布のヒストリを得る
区分周波数分析手段と、当該区分周波数分析手段の出力
からドップラー移動量の推定を行うドップラー移動量推
定手段とからなるドップラー移動量推定回路と、上記ド
ップラー移動量推定回路からのドップラー移動量に基づ
いて上記受信信号列からドップラー周波数の時間変化成
分を除去した位相補償後の受信信号列を出力する位相補
償手段とを有する位相補償回路を備えたことを特徴とす
るものである。
【0045】また、受信信号列を入力して上記目標の移
動に伴う上記目標のレンジの変化を補償しレンジ補償後
の受信信号列を出力するレンジ補償回路をさらに備えた
ことを特徴とするものである。
【0046】また、上記レンジ補償回路は、上記位相補
償回路からの位相補償後の受信信号列を入力して当該受
信信号列上に残存する上記目標の移動に伴う上記目標の
レンジの変化を補償することを特徴とするものである。
【0047】また、上記レンジ補償回路は、受信した上
記反射波の受信信号列を入力して上記目標の移動に伴う
上記目標のレンジの変化を補償しレンジ補償後の受信信
号列を出力すると共に、上記位相補償回路は、上記レン
ジ補償回路からのレンジ補償後の受信信号列を入力して
位相補償し位相補償後の受信信号列を出力することを特
徴とするものである。
【0048】また、上記ドップラー移動量推定回路は、
上記反射波の受信信号列を入力してドップラー移動量の
推定を行うと共に、当該ドップラー移動量推定回路によ
るドップラー移動量の推定処理と平行して、上記反射波
の受信信号列を入力して各時刻におけるレンジ方向のレ
ンジ移動量を推定するレンジ移動量推定回路をさらに備
え、上記位相補償手段は、上記反射波の受信信号列を入
力して上記ドップラー移動量推定回路からのドップラー
移動量及び上記レンジ移動量推定回路からのレンジ移動
量に基づいて位相補償及びレンジ補償を同時に行い位相
補償及びレンジ補償された受信信号列を出力することを
特徴とするものである。
【0049】また、レンジプロフィールのヒストリの切
出し幅を蓄積する切出し幅蓄積手段をさらに備えると共
に、上記レンジ補償回路と上記位相補償回路のドップラ
ー移動量推定回路との間に、上記レンジ補償回路の出力
であるレンジ補償後のレンジプロフィールのヒストリ上
の各レンジの電力の比較により注目レンジビンを決定し
て注目レンジビン番号を出力する注目レンジビン決定手
段と、当該注目レンジビン決定手段からの注目レンジビ
ン番号と上記切出し幅蓄積手段からのレンジ方向の切出
し幅とに基づいて上記レンジ補償回路の出力であるレン
ジ補償後のレンジプロフィールのヒストリから注目レン
ジビン番号近傍のデータ列を切り出して切出し後のレン
ジプロフィールのヒストリを上記ドップラー移動量推定
回路に出力する切出し手段とをさらに備えたことを特徴
とするものである。
【0050】また、上記レンジ補償回路は、上記位相補
償回路の出力である位相補償後のレンジプロフィールの
ヒストリのレンジ移動量の値を想定するレンジ移動量想
定手段と、各レンジ移動量想定値ごとに上記位相補償後
のレンジプロフィールのヒストリのレンジ補償を行うレ
ンジ補償手段と、各レンジ移動量想定値ごとにレンジ補
償された、レンジ及び位相補償後のレンジプロフィール
のクロスレンジ圧縮を行いISAR画像を生成するクロ
スレンジ圧縮手段と、各レンジ移動量想定値ごとにクロ
スレンジ圧縮を行い得られたISAR画像のピーク電力
値を算出するピーク電力算出手段と、各レンジ移動量推
定値とその時の上記ISAR画像上のピーク電力値を蓄
積するピーク電力蓄積手段と、当該ピーク電力蓄積手段
に蓄積された各レンジ移動量想定値に対応するピーク電
力値の比較から上記位相補償後のレンジプロフィールの
ヒストリ上の各反射点の軌跡のレンジ移動量を推定する
蓄積データ比較手段とからなるピーク電力着目レンジ移
動量推定回路と、上記位相補償回路の出力である位相補
償後のレンジプロフィールのヒストリを入力して上記ピ
ーク電力着目レンジ移動量推定回路からの各レンジ移動
量想定値ごとにレンジ補償を行いレンジ補償後のレンジ
プロフィールのヒストリを出力するレンジ補償手段とを
有することを特徴とするものである。
【0051】また、上記レンジ補償回路は、上記位相補
償回路の出力である位相補償後のレンジプロフィールの
ヒストリのレンジ移動量の値を想定するレンジ移動量想
定手段と、各レンジ移動量想定値ごとに、上記位相補償
後のレンジプロフィールのヒストリのレンジ補償を行う
レンジ補償手段と、各レンジ移動量想定値ごとにレンジ
補償された、レンジ及び位相補償後のレンジプロフィー
ルのクロスレンジ圧縮を行ってISAR画像を生成する
クロスレンジ圧縮手段と、各レンジ移動量想定値ごと
に、クロスレンジ圧縮を行い得られたISAR画像のエ
ントロピーを算出するエントロピー算出手段と、各レン
ジ移動量推定値とその時の上記ISAR画像上のエント
ロピーを蓄積するエントロピー蓄積手段と、当該エント
ロピー蓄積手段に蓄積された各レンジ移動量想定値に対
応するエントロピーの比較から上記位相補償後のレンジ
プロフィールのヒストリ上の各反射点の軌跡のレンジ移
動量を推定する蓄積データ比較手段とからなるエントロ
ピー着目レンジ移動量推定回路と、上記位相補償回路の
出力である位相補償後のレンジプロフィールのヒストリ
を入力して上記エントロピー着目レンジ移動量推定回路
からの各レンジ移動量想定値ごとにレンジ補償を行いレ
ンジ補償後のレンジプロフィールのヒストリを出力する
レンジ補償手段とを有することを特徴とするものであ
る。
【0052】また、上記ピーク電力着目レンジ移動量推
定回路またはエントロピー着目レンジ移動量推定回路の
前段に、レンジプロフィールのヒストリの各ヒットごと
の振幅最大レンジビンを検出する振幅レンジビン検出回
路と、各ヒットごとの振幅最大レンジビンを平滑化する
平滑化回路とを有するレンジ移動量推定回路と、上記レ
ンジ移動量推定回路の誤差範囲をカバーするレンジ移動
量の探索範囲を設定する探索範囲設定回路とを有するレ
ンジ移動量推定前処理回路をさらに備えたことを特徴と
するものである。
【0053】また、上記ドップラー移動量推定手段は、
上記区分周波数分析手段の出力である区分ドップラー周
波数分布のヒストリの振幅検出を行う振幅検出手段と、
振幅検出された区分ドップラー周波数分布のヒストリの
二次元フーリエ変換を行う二次元フーリエ変換手段と、
二次元フーリエ変換により得られる、区分ドップラー周
波数分布のヒストリに対応する空間周波数分布の原点を
通るさまざまな積分経路を設定し、各積分経路に沿った
積分結果からドップラー移動量を推定する画像線積分手
段とからなることを特徴とするものである。
【0054】さらに、この発明に係るレーダ装置は、上
述した運動補償回路の他に、移動する目標に対して電波
を送信する送信手段と、上記目標からの反射波を受信す
る受信手段と、上記受信した反射波から得られた受信信
号列をレンジ圧縮してレンジ圧縮した受信信号列を上記
運動補償回路に出力するするレンジ圧縮手段と、上記運
動補償回路の出力である運動補償後のヒストリのクロス
レンジ圧縮を行いISAR画像を生成するクロスレンジ
圧縮手段とをさらに備えたことを特徴とするものであ
る。
【0055】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本実施の形
態1に係る運動補償回路及びレーダ装置の構成を示す図
である。図1において、図10に示す部分と同一部分は
同一符号を付してその説明は省略する。新たな符号とし
て、26Aは、移動する目標に対して電波を送信し、目
標からの反射波を受信して目標の画像を得る際、目標の
移動に伴う目標のレンジ及びドップラー周波数の変化を
補償する運動補償回路であり、位相補償回路7Aと、位
相補償後の受信信号列を入力して当該受信信号列上に残
存する目標の移動に伴う目標のレンジの変化を補償する
レンジ補償回路6とを備えている。
【0056】ここで、上記位相補償回路7Aは、受信信
号列の入力に基づいて各時刻におけるレンジ方向に並ぶ
データ列の総和を生成する総和手段101と、当該総和
手段101の出力を区分周波数分析して区分周波数分布
のヒストリを得る区分周波数分析手段15と、当該区分
周波数分析手段15の出力からドップラー移動量の推定
を行うドップラー移動量推定手段25とからなるドップ
ラー移動量推定回路16Aと、上記ドップラー移動量推
定回路16Aからのドップラー移動量に基づいて位相補
償量を算出する位相補償量算出手段18と、算出された
位相補償量に基づいて上記受信信号列からドップラー周
波数の時間変化成分を除去した位相補償後の受信信号列
を出力する位相補償手段19とを備えている。
【0057】次に、図1を用いて本実施の形態1の処理
内容を説明する。送信機1で高周波パルスを生成して目
標に照射し、受信信号をレンジ圧縮手段5でレンジ圧縮
するまでの処理は従来例と同一である。本実施の形態1
では、図1(a)中の運動補償回路26Aの構成に示さ
れているように、位相補償回路7Aによりレンジ圧縮手
段5で得られたレンジプロフィールのヒストリv(h,
r)の位相補償を行った後に、レンジ補償回路6Aによ
りレンジ補償を行う点が従来例と異なる。
【0058】まず、位相補償回路7A中の総和手段10
1では、各ヒットごとに、レンジプロフィールのヒスト
リ上のレンジ方向のデータ列を次式(8)により総和し
て、参照データ列w(h)を得る。
【0059】
【数8】
【0060】得られたデータ列w(h)には、各ヒット
における全反射点の受信信号が含まれるので、これを区
分周波数分析手段15で区分周波数分析して得られる区
分周波数分布のヒストリ上には、全反射点のドップラー
周波数の時間変化を表す軌跡が現れる。すなわち、以
下、従来技術と同様に、ドップラー移動量推定手段25
でドップラー移動量の推定を行い、得られたドップラー
移動量から位相補償量算出手段18で位相補償量を算出
し、得られた位相補償量を用いて位相補償手段19で位
相補償することで、レンジプロフィールのヒストリ上の
ドップラー周波数の時間変化成分を除去することができ
る。つまり、位相補償後のレンジプロフィールのヒスト
リv1(h,r)を得ることができる。
【0061】位相補償後のレンジプロフィールのヒスト
リv1(h,r)は、レンジプロフィールのヒストリv
(h,r)と比較して位相の分布が異なるのみで、振幅
分布は等しい。従来技術におけるレンジ補償回路6で
は、レンジ圧縮手段5の出力であるレンジプロフィール
のヒストリv(h,r)の振幅分布に着目してレンジ補
償を行うことから、ここでのレンジ補償回路6の動作は
従来方式と同一になる。すなわち、以上の処理により、
レンジプロフィールのヒストリ上の各反射点のレンジの
移動およびドップラー周波数の移動成分を除去できる。
【0062】運動補償回路26Aにより運動補償を行っ
た後のレンジプロフィールのヒストリをクロスレンジ圧
縮回路8でクロスレンジ圧縮してISAR画像を生成
し、これをモニタTV9で表示する処理は、従来の技術
と同一である。従来技術では、レンジ補償後のレンジプ
ロフィールのヒストリ上の、ある一つのレンジビンのみ
のデータ列を切出してこれを位相補償のための参照デー
タ列w(h)とした。そのため、レンジ補償誤差が発生
した場合には、ある注目する反射点の信号が参照データ
列の途中でとぎれてしまい、結果として位相補償の精度
まで劣化してしまうという問題があった。
【0063】本実施の形態1では、ある一つのレンジビ
ンのデータ列に着目するのではなく、全レンジビンのデ
ータ列に着目するため、上記のある反射点の信号がとぎ
れる問題が発生しない。すなわち、たとえ後段のレンジ
補償において、レンジ補償誤差が発生しても、その影響
を受けずに位相補償を行えるため、再生画像のぼけの発
生を従来方式より抑えることができるという効果があ
る。
【0064】実施の形態2.図2は、本実施の形態2に
おける運動補償回路26Bの構成を示す図である。図2
において、レンジ補償回路6は図11に示す従来例と同
一であり、また、位相補償回路7Aは、図1に示す実施
の形態1と同一である。
【0065】以下、図1及び図2を用いて、本実施の形
態2の処理内容を説明する。本実施の形態2における処
理は、運動補償回路26Bを除いて実施の形態1と同様
である。本実施の形態2では、運動補償回路26B内の
レンジ補償回路6と位相補償回路7Aの処理順序のみ
が、実施の形態1と異なる。まず、レンジ補償回路6で
は、レンジ圧縮手段5で得られたレンジプロフィールの
ヒストリv(h,r)に対して従来の技術と同様にレン
ジ補償を行う。
【0066】次に、位相補償回路7Aでは、図1(b)
に示した構成で位相補償を行う。レンジ補償後のレンジ
プロフィールのヒストリv1(h,r)に対して、総和
手段101で、実施の形態1と同様に各ヒットごとに全
レンジビンのデータ列を総和して、参照データ列w
(h,r)を生成する。以下、区分周波数分析手段15
から位相補償手段19までの処理は実施の形態1と同一
である。
【0067】すなわち、位相補償回路7Aの前段のレン
ジ補償回路6でレンジ補償誤差が存在した場合にも、レ
ンジ補償後の受信信号列を入力して総和手段101で参
照データ列を生成することで、誤差の影響を受けずに位
相補償を行えるため、実施の形態1と同様、再生画像の
ぼけの発生を従来方式より抑えることができるという効
果がある。
【0068】実施の形態3.図3は、本実施の形態3に
おける運動補償回路26Cの構成を示す図である。図3
において、新たな符号として、301はレンジ&位相補
償手段である。レンジ移動量推定回路12は図11と同
一であり、ドップラー移動量推定回路16Aは図1と同
一である。
【0069】以下、図1、図3、図12を用いて、本実
施の形態3の処理内容を説明する。本実施の形態3で
は、運動補償回路26の処理のみが実施の形態1と異な
る。従来の位相補償回路7では、図12に示したよう
に、注目レンジビン決定手段14で注目レンジビンを決
定し、このレンジビンのデータ列を参照データ列w
(h)としたため、位相補償回路7におけるドップラー
移動量推定回路16の前段には、レンジ補償回路6を必
ず必要とした。
【0070】しかし、ドップラー移動量推定回路16A
の構成を図1(b)のようにすることで、実施の形態1
同様、前段にレンジ補償回路6が存在する必要がなくな
る。つまり、レンジ移動量推定回路12、ドップラー移
動量推定回路16Aのいずれも、レンジ圧縮手段5の直
後に配置することが可能となる。すなわち、運動補償回
路26Cを、図3に示すように、レンジ移動量推定回路
12、ドップラー移動量推定回路16Aが並列になるよ
うに構成することができる。
【0071】いずれの移動量推定回路においても、従来
技術もしくは、実施の形態1と同様に、移動量を得るこ
とができる。レンジ移動量推定回路12で得られたレン
ジ移動量をs1、ドップラー移動量推定回路16Aで得
られたドップラー移動量をs2とする。レンジ&位相補
償手段301では、式(4)、(6)より、レンジ補償
量sf(h)、位相補償量ph(h) (h=0,1,
…,hnum−1)をそれぞれ得ることができる。そこ
で、レンジ&位相補償手段301では、これらの値を用
いて、次式(9)によりレンジ補償および位相補償を同
時に行い、レンジ及び位相補償後のレンジプロフィール
のヒストリvL(h,r)を得ることができる。
【0072】
【数9】
【0073】本実施の形態3では、運動補償回路26C
をドップラー移動量移動量推定回路16Aとレンジ移動
量推定回路12を並列に構成するので、実施の形態1、
実施の形態2と同様、レンジ移動量推定誤差の影響を受
けることなしに、ドップラー移動量を推定できるので、
再生画像のぼけの発生を従来方式より抑えることができ
るという効果がある。さらに、ドップラー移動量の推定
とレンジ移動量の推定を同時に並列して行うことで、運
動補償に要する時間を短縮できるという利点がある。ま
た、それぞれ得られたレンジ移動量とドップラー移動量
を用いて、レンジ補償と位相補償を一つの回路で同時に
行うので、構成が簡単になるという利点がある。
【0074】実施の形態4.図4は本実施の形態4の運
動補償回路26Dの構成を示す図である。図4におい
て、新たな符号として、7Bは本実施の形態4に係る位
相補償回路、401は注目レンジビン決定手段14から
の注目レンジビン番号と後述する切出し幅蓄積手段40
2からのレンジ方向の切出し幅とに基づいてレンジ補償
回路6の出力であるレンジ補償後のレンジプロフィール
のヒストリから注目レンジビン番号近傍のデータ列を切
り出して切出し後のレンジプロフィールのヒストリをド
ップラー移動量推定回路16Aに出力する切出し手段、
402はレンジプロフィールのヒストリの切出し幅を蓄
積する切出し幅蓄積手段である。なお、レンジ補償回路
6は図11と同一、注目レンジビン決定手段14は図1
2と同一であり、ドップラー移動量推定回路16A、位
相補償量算出手段18、位相補償手段19、26は図1
と同一である。
【0075】次に、図1、図4を用いて、本実施の形態
4の処理内容を説明する。本実施の形態4の運動補償回
路26Dの構成は、位相補償回路7Bの構成で、ドップ
ラー移動量推定回路16Aの前段に注目レンジビン決定
手段14と切出し手段401を配置している点のみが、
実施の形態2と異なる。レンジ圧縮手段5により得られ
たレンジプロフィールのヒストリv(h,r)に対し
て、レンジ補償回路6でレンジ補償を行う処理は、実施
の形態2もしくは従来の技術と同一である。
【0076】また、レンジ補償後のレンジプロフィール
のヒストリv2(h、r)に対して、注目レンジビン決
定手段14で、ドップラー移動量推定の際の参照データ
を切り出すレンジビンを決定する処理については、従来
の技術と同一である。注目するレンジビンをrpとす
る。実施の形態1〜3で述べたように、レンジ補償回路
6で得られたレンジ補償後のレンジプロフィールのヒス
トリv2(h,r)においては、数レンジビン程度のレ
ンジ補償誤差が残存じている可能性がある。従って、従
来方式のように、レンジビンrpのヒット方向のデータ
列をそのまま参照データにする方式では、同一の反射点
のエコーを追い続けることができなくなり、ドップラー
移動量推定誤差が発生する可能性がある。
【0077】そこで、切り出し手段401では、切り出
し幅蓄積手段402に蓄積された切り出し幅drpを用
いて、次式(10)により、レンジ補償後のレンジプロ
フィールのヒストリから、データを切り出す。
【0078】
【数10】
【0079】レンジ補償誤差が存在する場合にも、得ら
れたデータ列vp(h,r)には、注目する主要な反射
点のエコーが含まれている。以下、このデータ列vp
(h,r)をレンジプロフィールのヒストリとみなし
て、実施の形態1〜3と同様に総和手段101で参照デ
ータ列w(h)を生成して、ドップラー移動量を推定し
た後に位相補償を行う。
【0080】本実施の形態4では、実施の形態1〜3と
同様に、レンジ移動量推定誤差の影響で位相補償誤差が
大きくなる問題を回避できる。また、参照データ列w
(h)を生成する際に、各ヒットごとに全レンジビンの
データ列を用いるのではなく、注目するレンジビン近傍
の数レンジビンのみを用いて生成するので、耐雑音性能
が向上する。
【0081】実施の形態5.図5は本実施の形態5のレ
ンジ補償回路6Aの構成を示す図である。図5におい
て、新たな符号として、501は位相補償回路の出力で
ある位相補償後のレンジプロフィールのヒストリのレン
ジ移動量の値を想定するレンジ移動量想定手段、502
は各レンジ移動量想定値ごとにクロスレンジ圧縮を行っ
て得られたISAR画像のピーク電力値を算出するピー
ク電力算出手段、503は各レンジ移動量推定値とその
時の上記ISAR画像上のピーク電力値を蓄積するピー
ク電力蓄積手段、504はピーク電力蓄積手段503に
蓄積された各レンジ移動量想定値に対応するピーク電力
値の比較から位相補償後のレンジプロフィールのヒスト
リ上の各反射点の軌跡のレンジ移動量を推定する蓄積デ
ータ比較手段、505はピーク電力着目レンジ移動量推
定回路である。なお,クロスレンジ圧縮回路8は図1
と、レンジ補償手段13は図11と同一である。
【0082】次に、図1、図5を用いて、本実施の形態
5の処理内容を説明する。本実施の形態5では、図1の
レンジ補償回路の部分を図5の構成にしたところが、実
施の形態1と異なる。従来のレンジ補償方式において
は、レンジ圧縮手段5の直後にレンジ補償を行うため
に、対象となるレンジプロフィールのヒストリ上では、
各反射点のレンジビン移動とともに、ドップラー周波数
の移動が同時に発生していた。つまり、各反射点のエコ
ーの位相の変化には未知の二次以上の非線形成分が含ま
れていたため、従来方式では、レンジプロフィールのヒ
ストリ上の位相情報は無視して振幅分布のみに着目して
レンジ補償を行っていた。
【0083】これに対し、図1のように、レンジ補償の
前段に位相補償を行う場合には、対象となるレンジプロ
フィールのヒストリ上のドップラ−周波数の移動成分は
除去されているので、各反射点の位相変化はヒットに対
してリニアな関係にある。本実施の形態5では、この点
に着目し、レンジプロフィールのヒストリ上の振幅分布
に加えて、位相情報まで利用してレンジ補償を行う。
【0084】レンジ補償回路6Aには、前段の位相補償
回路7Aの出力である位相補償後のレンジプロフィール
のヒストリv1(h,r)が入力するものとする。ピー
ク電力着目レンジ移動量推定回路505内のレンジ移動
量想定手段501には、複数種類のレンジ移動量想定値
dk(k=0,1,…,K−1)が記憶されている。レ
ンジ補償手段13では、各レンジ移動量想定値dkごと
にそれを打ち消すためのレンジ補償を行いレンジ補償後
のレンジプロフィールのヒストリv2k(h,r)を得
る。クロスレンジ圧縮手段8では、各レンジ移動量想定
値dkごとに、クロスレンジ圧縮すなわち、ヒット方向
のフーリエ変換を行い、ISAR画像Imgk(c,
r) (c:クロスレンジビン=0,1,…,hnum
−1)を得る。
【0085】ピーク電力算出手段502では、各レンジ
移動量想定値dkごとに、ISAR画像Imgk(c,
r)中の各分解能セルの電力のうちの最大値Mxkを算
出する。ピーク電力蓄積手段503では、各レンジ移動
量dkとその時のMxkをついにして蓄積する。蓄積デ
ータ比較手段504では、得られたMxkの比較から、
レンジプロフィールのヒストリ上の各軌跡の真のレンジ
移動量dtrueを推定する。ここで、すでに位相補償
を行っていることから、想定レンジ移動量とレンジプロ
フィールのヒストリのレンジ移動量が等しい場合には、
各反射点は一点に結像することになり、結果として、画
像上の各反射点の電力が最大となる。すなわち、dtr
ueは、Mxkを最大とする想定レンジ移動量dkとし
て求めることができる。得られたレンジ移動量dtru
eを用いて、レンジプロフィールのヒストリv1(h、
r)のレンジ補償を行う処理については、実施の形態1
と同様である。
【0086】本実施の形態5では、クロスレンジ圧縮に
よりISAR画像を生成して画像上の各分解能セルの最
大電力を評価指標として、レンジ移動量の推定を行っ
た。これは、前段で位相補償を行って、各反射点の位相
変化をヒットに対してリニアにしたから可能となった処
理であり、従来方式の構成では不可能である。本実施の
形態5の効果としては、従来のレンジプロフィールのヒ
ストリの振幅分布の情報のみを用いてレンジ移動量を推
定していたのに対して、位相情報まで用いて推定を行う
ので、推定精度が向上するとともに、耐雑音性能も向上
する点が挙げられる。
【0087】実施の形態6.図6は本実施の形態6のレ
ンジ補償回路6Bの構成を示す図である。図6におい
て、新たな符号として、601は各レンジ移動量想定値
ごとにクロスレンジ圧縮を行い得られたISAR画像の
エントロピーを算出するエントロピー算出手段、602
は各レンジ移動量推定値とその時の上記ISAR画像上
のエントロピーを蓄積するエントロピー蓄積手段、60
3はエントロピー着目レンジ移動量推定回路であり、レ
ンジ補償手段13は、各レンジ移動量想定値ごとに位相
補償後のレンジプロフィールのヒストリのレンジ補償を
行い、クロスレンジ圧縮回路8は、各レンジ移動量想定
値ごとにレンジ補償された、レンジ及び位相補償後のレ
ンジプロフィールのクロスレンジ圧縮を行ってISAR
画像を生成し、蓄積データ比較手段504は、エントロ
ピー蓄積手段602に蓄積された各レンジ移動量想定値
に対応するエントロピーの比較から位相補償後のレンジ
プロフィールのヒストリ上の各反射点の軌跡のレンジ移
動量を推定する。なお、レンジ移動量想定手段501は
図5のものと同一である。
【0088】以下、図1、図5、図6を用いて、本実施
の形態6の処理内容を説明する。本実施の形態6では、
図1のレンジ補償回路6を図6のような構成にする点の
みが実施の形態1と異なる。また、実施の形態5との比
較で述べると、図5におけるピーク電力算出手段502
がエントロピー算出手段601に、ピーク電力蓄積手段
がエントロピー蓄積手段602になっている点のみが構
成上の変化である。
【0089】上述した実施の形態5では、位相補償後の
レンジプロフィールのヒストリv1(h,r)に対し
て、さまざまなレンジ移動量を想定し、各想定レンジ移
動量ごとにレンジ補償、クロスレンジ圧縮を行ってIS
AR画像を生成し、ISAR画像上の各分解能セルの最
大値の比較によりレンジ移動量を推定した。
【0090】ところで、分布の偏りを評価する指標にエ
ントロピーがある。エントロピーは、画像の情報量を定
量的に示す指標としてしばしば用いられ、ディジタル画
像を、その情報量を損なわずに符号化するために必要な
最も短い符号長を与えることが知られている。その定義
は式(11)で与えられる。
【0091】
【数11】
【0092】ここで、PWRは想定する画像の総電力で
ある。エントロピーはその定義からもわかるように、分
布が一様であれば、大きな値を示し、逆に分布に偏りが
有ると減少する。すなわち、実施の形態5でピーク電力
に着目したのと同様に、エントロピーを用いて画像の結
像度の評価を行うことができる。
【0093】エントロピー算出手段601では、各想定
レンジ移動量dkごとに得られたISAR画像Imgk
(h,r)を式(11)のt(x,y)とみなし、その
想定移動量に対応したエントロピーHk(k=0,1,
…,K−1)を算出する。エントロピー蓄積手段602
では、各レンジ移動量dkとその時のエントロピーHk
にマイナスを掛けた値(−Hk)を蓄積する。この値が
最大となる場合に、ISAR画像が最も結像しているこ
とになる。蓄積データ比較手段504では、エントロピ
ー蓄積手段602に蓄積された(−Hk)の値が最大と
なる想定レンジ移動量dkをレンジプロフィールのヒス
トリv1(h,r)のレンジ移動量の真値dtrueと
みなしてこれを出力する。レンジ補償手段13以降の処
理は、実施の形態5と同様である。
【0094】本実施の形態6では、クロスレンジ圧縮に
よりISAR画像を生成し、得られた画像のエントロピ
ーを評価指標としてレンジ移動量の推定を行った。これ
は、前段で位相補償を行って、各反射点の位相変化をヒ
ットに対してリニアにしたから可能となった処理であ
り、従来方式の構成では不可能である。本実施の形態6
の効果としては、従来のレンジプロフィールのヒストリ
の振幅分布の情報のみを用いてレンジ移動量を推定して
いたのに対して、位相情報まで用いて推定を行うので、
推定精度が向上するとともに、耐雑音性能も向上する点
が挙げられる。
【0095】実施の形態7.図7は本実施の形態7のレ
ンジ補償回路6Cの構成を示す図である。図7におい
て、新たな符号として、701はレンジ移動量推定回路
12の誤差範囲をカバーするレンジ移動量の探索範囲を
設定する探索範囲設定回路、702はピーク電力着目レ
ンジ移動量推定回路505(またはエントロピー着目レ
ンジ移動量推定回路)の前段に設けられたレンジ移動量
推定前処理回路であり、ここで、レンジ移動量推定回路
12は、図11と同様に、レンジプロフィールのヒスト
リの各ヒットごとの振幅最大レンジビンを検出する振幅
レンジビン検出回路10と、各ヒットごとの振幅最大レ
ンジビンを平滑化する平滑化回路11とを有する。レン
ジ補償手段13は図11と同一である。
【0096】次に図1、図5、図7、図11を用いて、
本実施の形態7の処理内容を説明する。本実施の形態7
では、図1のレンジ補償回路6を図7のような構成にす
る点のみが実施の形態1と異なる。また、実施の形態5
との比較で述べると、図5におけるピーク電力着目レン
ジ移動量推定回路505の前段にレンジ移動量推定前処
理回路702を設けた点が異なる。レンジ移動量推定前
処理回路702では、前段の位相補償回路7で位相補償
を行って得られたレンジプロフィールのヒストリv1
(h,r)に対して、従来方式を適用してレンジ移動量
を推定する。この結果をdrとする。
【0097】探索範囲設定回路701では、従来方式の
レンジ移動量推定誤差範囲をdr近傍のdr−de〜d
r+de(deは誤差範囲設定値)と設定し、この情報
をv1(h,r)と共にピーク電力着目レンジ移動量推
定回路505に送る。ピーク電力着目レンジ移動量推定
回路505では、実施の形態5の動作と同様にv1
(h,r)のレンジ移動量の想定値dkを設定してそれ
ぞれに対応したISAR画像を生成してピーク電力を評
価指標としてレンジ移動量真値dtrueを推定する
が、レンジ移動量の想定範囲を前述のdr−de〜dr
+deとする。dtrueが得られた後の処理について
は、実施の形態5と同一である。
【0098】本実施の形態7では、クロスレンジ圧縮に
よりISAR画像を生成して画像上の各分解能セルの最
大電力を評価指標として、レンジ移動量の推定を行っ
た。これは、前段で位相補償を行って、各反射点の位相
変化をヒットに対してリニアにしたから可能となった処
理であり、従来方式の構成では不可能である。本実施の
形態7の効果としては、従来のレンジプロフィールのヒ
ストリの振幅分布の情報のみを用いてレンジ移動量を推
定していたのに対して、位相情報まで用いて推定を行う
ので、推定精度が向上するとともに、耐雑音性能も向上
する点が挙げられる。また、レンジ移動量の推定の前処
理を行うことで、実施の形態5に比べて処理負荷を軽減
できるという利点も有する。
【0099】また、本実施の形態7では、実施の形態5
で示したピーク電力着目レンジ移動量推定回路505を
用いたが、実施の形態6で示したエントロピー着目レン
ジ移動量推定回路603を用いて構成しても同様の効果
を得られるのはいうまでもない。
【0100】実施の形態8.図8は本実施の形態8のド
ップラー移動量推定回路16Bの処理内容を示す図であ
る。図8において、新たな符号として、801は区分周
波数分析手段15の出力である区分ドップラー周波数分
布のヒストリの振幅検出を行う振幅検出手段、802は
振幅検出された区分ドップラー周波数分布のヒストリの
二次元フーリエ変換を行う二次元フーリエ変換手段、8
03は二次元フーリエ変換により得られる、区分ドップ
ラー周波数分布のヒストリに対応する空間周波数分布の
原点を通るさまざまな積分経路を設定し、各積分経路に
沿った積分結果からドップラー移動量を推定する画像線
積分手段、804は二次元フーリエ変換型移動量推定回
路である。なお、区分周波数分析手段15、総和手段1
01は図1と同一である。
【0101】以下、図1、図8、及び本実施の形態の動
作を示す図9を用いて、本実施の形態8の処理内容を説
明する。本実施の形態8では、実施の形態1で図1
(b)のように構成したドップラー移動量推定回路16
を図8のように構成した点が、実施の形態1と異なる。
レンジ圧縮手段5で得られたレンジプロフィールのヒス
トリv(h,r)に対して、総和手段101でドップラ
ー移動量推定のための参照データ列w(h)を生成する
区分周波数分析手段15でw(h)の区分フーリエ変換
を行い区分周波数分布のヒストリfs(h’、f)を算
出する手段については、実施の形態1と同一である。
【0102】二次元フーリエ変換型移動量推定回路80
4では、総和手段101で、全レンジビンのデータを用
いて参照データ列w(h)を生成したことで、参照デー
タ列に含まれる反射点の数が増加したこと、言い換える
と、区分周波数分布のヒストリ上で、各反射点のドップ
ラ−周波数の時間変化を表す軌跡の本数が増加したこと
を考慮に入れて、ドップラー移動量の推定を行う。
【0103】ここで、区分ドップラ−周波数分布のヒス
トリ上に現れる各反射点の軌跡間の関係について考える
と、これらは、いずれも同じ目標上の点であることか
ら、目標の並進運動によって発生するドップラ−移動量
はいずれも等しい。かつ、目標の距離変化成分を時間、
すなわちヒットに対するn次(n=0,1,2,…)の
変化の和として捉えた場合、一般に、高次の成分ほど小
さな値になる。特にドップラー周波数の場合、ヒットに
対する一次のドップラー変化成分は、二次の距離変化成
分によって発生し、二次以上のドップラー変化成分は、
三次以上の距離変化成分によって発生することと、区分
周波数分析では、周波数分析に用いるデータ長が短くな
るので周波数分解能が劣化することを考慮すると、各軌
跡は、少なくともドップラービンの精度では直線で表さ
れることが多い。
【0104】すなわち、以上の性質を踏まえると、各軌
跡のドップラー移動量の推定問題は、二次元平面上の複
数の、同じ傾きの直線を推定する問題に帰着させること
ができる。そこで、以下では、図9(a)に示す二次元
画像g(x,y) (x=0,1,…,xnum−1、
y=0,1,…,ynum−1)上の各反射点のy方向
の移動量dyを推定する問題を例に、処理内容を説明す
る。
【0105】まず、振幅検出手段801では、入力画像
g0(x,y)に対して、次式(12)で振幅検出を行
い、画像g(x,y)を得る。
【0106】
【数12】
【0107】次に、二次元フーリエ変換手段802で
は、画像g(x,y)に対して、次式(13)の二次元
フーリエ変換を適用して、空間周波数画像G0(fx,
fy)を得る。
【0108】
【数13】
【0109】二次元画像上の傾きa(=dy/xnu
m)の直線は、その画像を二次元フーリエ変換して得ら
れる空間周波数画像上では、原点を通り傾きが−1/a
の直線となる。ここで、空間周波数画像上のその直線の
fxすなわち、xに対応する空間周波数方向の移動量を
dfxとすると、その値は、fx、fy方向の空間周波
数分解能がそれぞれ1/xnum、1/ynumである
ことを考慮して、次式(14)で表される。
【0110】
【数14】
【0111】フーリエ変換の線形性から、元の画像上の
同じ移動量dyの直線は、いずれも、空間周波数画像上
の原点を通り、fx方向の移動量が−dyの直線上に変
換されることから、空間周波数画像上の定点(=原点)
を通る一本の直線の探索により、dyを推定できる。な
お、式(13)により得られる二次元フーリエ変換画像
G0(fx,fy)は、fxを右方向、yを上方向とし
た場合には、画像の左下が原点に対応する。G0(f
x、fy)の原点が画像の中心になるように、画像のシ
フトを行った結果をG(fx、fy)とし、これを図9
(b)に示す。
【0112】画像線積分手段803では、図9(b)の
空間周波数画像G(fx,fy)上の原点を通り、fx
方向の移動量がdfxk (k=0,1,…,K−1)
のK種類の積分経路kを、図9(c)のように設定し、
各経路に沿って空間周波数画像G(fx,fy)の振幅
値の線積分を行う。各経路ごとに得られた積分結果を示
したのが図9(d)である。積分経路と画像上の直線が
一致した時に、積分値はピーク値vmaxを取る。この
時の積分経路のfx方向の移動量をdcとすると、式
(14)より、元の画像上の各軌跡のy方向移動量dy
=−dcと得ることができる。画像線積分手段803
は、こうして得られたdyの値を出力する。以下、この
値を用いてレンジ補償手段13でレンジ補償を行う処理
については、実施の形態1と同様である。
【0113】本実施の形態8では、以上で説明したよう
に、参照データ列の区分周波数分析によって得られた区
分ドップラー周波数分布のヒストリ上の各反射点の軌跡
が、それぞれ同じ傾きの直線になるという性質に着目
し、さらに、二次元画像上の同じ傾きの任意の直線が、
空間周波数画像上で、原点を通り、元の画像上での傾き
に依存した傾きの一本の直線上に変換されるという性質
を利用して、ドップラー移動量推定問題を空間周波数画
像上の定点を通る一本の直線の検出問題として解くた
め、以下の効果を有する。
【0114】1.本実施の形態8では、ある一つのレン
ジビンのデータ列に着目するのではなく、全レンジビン
のデータ列に着目するため、上記のある反射点の信号が
とぎれる問題が発生しない。すなわち、たとえ後段のレ
ンジ補償において、レンジ補償誤差が発生しても、その
影響を受けずに位相補償を行えるため、再生画像のぼけ
の発生を従来方式より抑えることができるという効果が
ある。
【0115】2.区分ドップラー周波数分布のヒストリ
上に各反射点に対応した複数の軌跡が存在し、それらの
振幅が時間の経過と共に変化する場合にも、その変動の
影響を受けずにドップラー移動量を推定できるので、安
定してISAR画像を結像させることができる。
【0116】3.区分ドップラー周波数分布のヒストリ
上の複数の反射点の軌跡の電力を、空間周波数画像上の
一本の直線上に集めた後にドップラー移動量推定を行う
ので、耐雑音性能が向上する。
【0117】なお、本実施の形態8では、実施の形態1
の改良として、その処理内容を説明したが、従来技術も
しくは、これまで示した実施の形態2〜7の改良として
適用しても以上の効果を得ることができるのは言うまで
もない。
【0118】上述した各実施の形態1ないし8の運動補
償回路は、実施の形態1の如く、これを備えたレーダ装
置として構成できるのは言うまでもなく、レンジ移動量
推定誤差の影響で位相補償推定誤差が増大する問題を回
避できてISAR画像の画質劣化の発生を抑えることが
できるレーダ装置を得ることができる。すなわち、レー
ダ装置の構成としては、実施の形態1ないし8の運動補
償回路の他に、図1に示すように、移動する目標に対し
て電波を送信する送信機1と、目標からの反射波を受信
する受信機4と、上記受信した反射波から得られた受信
信号列をレンジ圧縮してレンジ圧縮した受信信号列を運
動補償回路に出力するするレンジ圧縮手段5と、運動補
償回路の出力である運動補償後のヒストリのクロスレン
ジ圧縮を行いISAR画像を生成するクロスレンジ圧縮
手段8と備えればよい。
【0119】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明に係る
運動補償回路は、移動する目標に対して電波を送信し、
上記目標からの反射波を受信して上記目標の画像を得る
ため、上記目標の移動に伴う上記目標のドップラー周波
数の変化を補償する運動補償回路であって、上記反射波
の受信信号列を基に、上記ドップラー周波数の変化の補
償量を決定するための参照データ列を、各時刻における
レンジ方向に並ぶデータ列の総和により生成する総和手
段を有するドップラー移動量推定回路を備えたので、レ
ンジ移動量推定誤差の影響で位相補償推定誤差が増大す
る問題を回避できてISAR画像の画質劣化の発生を抑
えることができる。
【0120】また、目標の移動に伴う目標のレンジの変
化を補償するレンジ補償回路を有するので、レンジ移動
量推定誤差の影響で位相補償推定誤差が増大する問題を
回避できてISAR画像の画質劣化の発生を抑えること
ができる。
【0121】また、位相補償後の受信信号列上に残存す
る上記目標の移動に伴う上記目標のレンジの変化を補償
するレンジ補償回路を有するので、レンジ移動量推定誤
差の影響で位相補償推定誤差が増大する問題を回避でき
てISAR画像の画質劣化の発生を抑えることができ
る。
【0122】また、上記目標の移動に伴う上記目標のレ
ンジの変化を補償するレンジ補償回路と、レンジ補償後
の受信信号列上に残存する上記目標の移動に伴う上記目
標のドップラー周波数の変化を補償する位相補償回路を
有するので、レンジ移動量推定誤差の影響で位相補償推
定誤差が増大する問題を回避できてISAR画像の画質
劣化の発生を抑えることができる。
【0123】また、上記レンジ移動量推定回路と上記レ
ンジ移動量推定回路の処理と並列して、上記目標の移動
に伴う上記目標のドップラー周波数の変化を補償するド
ップラー移動量推定回路と、レンジ移動量推定回路の出
力である上記目標のレンジ移動量とドップラー移動量推
定回路の出力である上記目標のドップラー移動量を元に
目標のレンジ移動とドップラー移動を同時に補償する補
償手段を有するので、レンジ移動量推定誤差の影響で位
相補償推定誤差が増大する問題を回避できてISAR画
像の画質劣化の発生を抑えながら、処理に要する時間も
抑えることができる。
【0124】また、レンジ補償後のレンジプロフィール
のヒストリ上の各レンジの電力の比較により注目レンジ
ビンを決定する注目レンジビン決定手段と、レンジプロ
フィールのヒストリの切出し幅を蓄積する切出し幅蓄積
手段と、注目レンジビンの出力である注目レンジビン番
号と、切出し幅蓄積手段の出力であるレンジ方向の切出
し幅を基に、レンジ補償回路の出力であるレンジ補償後
のレンジプロフィールのヒストリから注目レンジビン番
号近傍のデータ列を切り出す切出し手段と、切出し手段
の出力である切出し後のレンジプロフィールのヒストリ
に対してドップラー移動量の推定を行うドップラー移動
量推定回路を有するので、レンジ移動量推定誤差の影響
で位相補償推定誤差が増大する問題を回避できてISA
R画像の画質劣化の発生を抑えながら、耐雑音性能を向
上させることができる。
【0125】また、位相補償回路の出力である位相補償
後のレンジプロフィールのヒストリのレンジ移動量の値
を想定するレンジ移動量想定手段と、各レンジ移動量想
定値ごとに、上記位相補償後のレンジプロフィールのヒ
ストリのレンジ補償を行うレンジ補償手段と、各レンジ
移動量想定値ごとにレンジ補償された、レンジ及び位相
補償後のレンジプロフィールのクロスレンジ圧縮を行っ
てISAR画像を生成するクロスレンジ圧縮手段と、各
レンジ移動量想定値ごとに、クロスレンジ圧縮を行い得
られたISAR画像のピーク電力値を算出するピーク電
力算出手段と、各レンジ移動量推定値とその時の上記I
SAR画像上のピーク電力値を蓄積するピーク電力蓄積
手段とピーク電力蓄積手段に蓄積された各レンジ移動量
想定値に対応するピーク電力値の比較から上記位相補償
後のレンジプロフィールのヒストリ上の各反射点の軌跡
のレンジ移動量を推定する蓄積データ比較手段と、レン
ジ移動量想定手段、レンジ補償手段クロスレンジ圧縮手
段、ピーク電力算出手段、ピーク電力蓄積手段、蓄積デ
ータ比較手段を含むピーク電力着目レンジ移動量推定回
路を有するので、レンジプロフィールのヒストリの振幅
情報のみならず位相情報まで用いてレンジ補償を行うこ
とで、レンジ補償精度を向上させることができてISA
R画像の画質劣化の発生を抑えることができる。
【0126】また、位相補償回路の出力である位相補償
後のレンジプロフィールのヒストリのレンジ移動量の値
を想定するレンジ移動量想定手段と、各レンジ移動量想
定値ごとに、上記位相補償後のレンジプロフィールのヒ
ストリのレンジ補償を行うレンジ補償手段と、各レンジ
移動量想定値ごとにレンジ補償された、レンジ及び位相
補償後のレンジプロフィールのクロスレンジ圧縮を行っ
てISAR画像を生成するクロスレンジ圧縮手段と、各
レンジ移動量想定値ごとに、クロスレンジ圧縮を行い得
られたISAR画像のエントロピーを算出するエントロ
ピー算出手段と、各レンジ移動量推定値とその時の上記
ISAR画像上のエントロピーを蓄積するエントロピー
蓄積手段とエントロピー蓄積手段に蓄積された各レンジ
移動量想定値に対応するエントロピーの比較から上記位
相補償後のレンジプロフィールのヒストリ上の各反射点
の軌跡のレンジ移動量を推定する蓄積データ比較手段
と、レンジ移動量想定手段、レンジ補償手段クロスレン
ジ圧縮手段、エントロピー算出手段、エントロピー蓄積
手段、蓄積データ比較手段を含むエントロピー着目レン
ジ移動量推定回路を有するので、レンジプロフィールの
ヒストリの振幅情報のみならず位相情報まで用いてレン
ジ補償を行うことで、レンジ補償精度を向上させること
ができてISAR画像の画質劣化の発生を抑えることが
できる。
【0127】また、ピーク電力着目レンジ移動量推定回
路又はエントロピー着目レンジ移動量推定回路の前段
に、レンジプロフィールのヒストリの各ヒットごとの振
幅最大レンジビンを検出する振幅レンジビン検出回路
と、各ヒットごとの振幅最大レンジビンを平滑化する平
滑化回路を含むレンジ移動量推定回路と、レンジ移動量
推定回路の誤差範囲をカバーするレンジ移動量の探索範
囲を設定する探索範囲設定回路とを含むレンジ移動量推
定前処理回路を有するので、レンジプロフィールのヒス
トリの振幅情報のみならず位相情報まで用いてレンジ補
償を行うことで、レンジ補償精度を向上させることがで
きてISAR画像の画質劣化の発生を抑えながら運動補
償の要する処理負荷を低減させることができる。
【0128】また、ドップラー移動量推定回路を、参照
データ列の区分周波数分析を行う区分周波数分析手段
と、区分周波数分析手段の出力である区分ドップラー周
波数分布のヒストリの振幅検出を行う振幅検出手段と、
振幅検出された区分ドップラー周波数分布のヒストリの
二次元フーリエ変換を行う二次元フーリエ変換手段と、
二次元フーリエ変換により得られる、区分ドップラー周
波数分布のヒストリに対応する空間周波数分布の原点を
通るさまざまな積分経路を設定し、各積分経路に沿った
積分結果からドップラー移動量を推定する画像線積分手
段と、振幅検出手段と二次元フーリエ変換手段と画像線
積分手段を含む二次元フーリエ変換型移動量推定回路で
構成するので、区分ドップラー周波数分布のヒストリ上
に各反射点に対応した複数の軌跡が存在し、それらの振
幅が時間の経過と共に変化する場合にも、その変動の影
響を受けずにドップラー移動量を推定できるので、安定
してISAR画像を結像させることができる。
【0129】さらに、この発明に係るレーダ装置は、移
動する目標に対して電波を送信する送信手段と、上記目
標からの反射波を受信する受信手段と、上記受信した反
射波から得られた受信信号列をレンジ圧縮するレンジ圧
縮手段と、上述した運動補償回路と、上記運動補償回路
の出力である運動補償後のヒストリのクロスレンジ圧縮
を行いISAR画像を生成するクロスレンジ圧縮手段を
有するので、レンジ移動量推定誤差の影響で位相補償推
定誤差が増大する問題を回避できてISAR画像の画質
劣化の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の構成を示す図であ
る。
【図2】 この発明の実施の形態2の運動補償回路の構
成を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態3の運動補償回路の構
成を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態4の運動補償回路の構
成を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態5のレンジ補償回路の
構成を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態6のレンジ補償回路の
構成を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態7のレンジ補償回路の
構成を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態8のドップラー移動量
推定回路の構成を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態8の動作を示す図であ
る。
【図10】 従来のレーダ装置のブロック構成図であ
る。
【図11】 従来のレーダ装置のレンジ補償を実現する
ための構成図である。
【図12】 従来のレーダ装置の位相補償を実現するた
めの構成図である。
【図13】 回転運動を行う目標を観測するジオメトリ
を示す図である。
【図14】 ISAR画像の一例を示す図である。
【図15】 並進運動を行う目標を観測するジオメトリ
を示す図である。
【図16】 レンジプロフィールのヒストリの最大振幅
検出結果の一例を示す図である。
【図17】 レンジ補償処理を施した後のレンジプロフ
ィールのヒストリにおける最大振幅検出結果の一例を示
す図である。
【図18】 区分周波数分析手段の処理内容を説明する
図である。
【図19】 区分周波数分布のヒストリの最大振幅検出
結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 送信機、4 受信機、5 レンジ圧縮手段、6,6
A,6B,6C レンジ補償回路、7A,7B 位相補
償回路、8 クロスレンジ圧縮回路、10 振幅最大レ
ンジビン検出回路、11 平滑化回路、12 レンジ移
動量推定回路、13 レンジ補償手段、14 注目レン
ジビン決定手段、15 区分周波数分析手段、16A,
16B ドップラー移動量推定回路、18 位相補償量
算出手段、19 位相補償手段、20 目標、21 レ
ーダ装置、22 目標のISAR画像、23 注目レン
ジビンの受信信号列、24 区分周波数分布のヒスト
リ、25 ドップラー移動量推定手段、26,26A,
26B,26C,26D 運動補償回路、101 総和
手段、301 レンジ&位相補償手段、401 切出し
手段、402 切出し幅蓄積手段、501 レンジ移動
量想定手段、502 ピーク電力算出手段、503 ピ
ーク電力蓄積手段、504 蓄積データ比較手段、50
5 ピーク電力着目レンジ移動量推定回路、601 エ
ントロピー算出手段、602 エントロピー蓄積手段、
603 エントロピー着目レンジ移動量推定回路、70
1 探索範囲設定回路、702 レンジ移動量推定前処
理回路、801 振幅検出手段、802 二次元フーリ
エ変換手段、803 画像線積分手段、804 二次元
フーリエ変換型移動量推定回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桐本 哲郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J070 AB01 AD01 AD08 AH25 AH35 BA01 BG01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動する目標に対して電波を送信し、上
    記目標からの反射波を受信して上記目標の画像を得る
    際、上記目標の移動に伴う上記目標のレンジ及びドップ
    ラー周波数の変化を補償する運動補償回路であって、 受信信号列の入力に基づいて各時刻におけるレンジ方向
    に並ぶデータ列の総和を生成する総和手段と、当該総和
    手段の出力を区分周波数分析して区分周波数分布のヒス
    トリを得る区分周波数分析手段と、当該区分周波数分析
    手段の出力からドップラー移動量の推定を行うドップラ
    ー移動量推定手段とからなるドップラー移動量推定回路
    と、 上記ドップラー移動量推定回路からのドップラー移動量
    に基づいて上記受信信号列からドップラー周波数の時間
    変化成分を除去した位相補償後の受信信号列を出力する
    位相補償手段とを有する位相補償回路を備えたことを特
    徴とする運動補償回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の運動補償回路におい
    て、受信信号列を入力して上記目標の移動に伴う上記目
    標のレンジの変化を補償しレンジ補償後の受信信号列を
    出力するレンジ補償回路をさらに備えたことを特徴とす
    る運動補償回路。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の運動補償回路におい
    て、上記レンジ補償回路は、上記位相補償回路からの位
    相補償後の受信信号列を入力して当該受信信号列上に残
    存する上記目標の移動に伴う上記目標のレンジの変化を
    補償することを特徴とする運動補償回路。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の運動補償回路におい
    て、上記レンジ補償回路は、受信した上記反射波の受信
    信号列を入力して上記目標の移動に伴う上記目標のレン
    ジの変化を補償しレンジ補償後の受信信号列を出力する
    と共に、上記位相補償回路は、上記レンジ補償回路から
    のレンジ補償後の受信信号列を入力して位相補償し位相
    補償後の受信信号列を出力することを特徴とする運動補
    償回路。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の運動補償回路におい
    て、上記ドップラー移動量推定回路は、上記反射波の受
    信信号列を入力してドップラー移動量の推定を行うと共
    に、当該ドップラー移動量推定回路によるドップラー移
    動量の推定処理と平行して、上記反射波の受信信号列を
    入力して各時刻におけるレンジ方向のレンジ移動量を推
    定するレンジ移動量推定回路をさらに備え、上記位相補
    償手段は、上記反射波の受信信号列を入力して上記ドッ
    プラー移動量推定回路からのドップラー移動量及び上記
    レンジ移動量推定回路からのレンジ移動量に基づいて位
    相補償及びレンジ補償を同時に行い位相補償及びレンジ
    補償された受信信号列を出力することを特徴とする運動
    補償回路。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の運動補償回路におい
    て、レンジプロフィールのヒストリの切出し幅を蓄積す
    る切出し幅蓄積手段をさらに備えると共に、上記レンジ
    補償回路と上記位相補償回路のドップラー移動量推定回
    路との間に、上記レンジ補償回路の出力であるレンジ補
    償後のレンジプロフィールのヒストリ上の各レンジの電
    力の比較により注目レンジビンを決定して注目レンジビ
    ン番号を出力する注目レンジビン決定手段と、当該注目
    レンジビン決定手段からの注目レンジビン番号と上記切
    出し幅蓄積手段からのレンジ方向の切出し幅とに基づい
    て上記レンジ補償回路の出力であるレンジ補償後のレン
    ジプロフィールのヒストリから注目レンジビン番号近傍
    のデータ列を切り出して切出し後のレンジプロフィール
    のヒストリを上記ドップラー移動量推定回路に出力する
    切出し手段とをさらに備えたことを特徴とする運動補償
    回路。
  7. 【請求項7】 請求項2または3に記載の運動補償回路
    において、 上記レンジ補償回路は、 上記位相補償回路の出力である位相補償後のレンジプロ
    フィールのヒストリのレンジ移動量の値を想定するレン
    ジ移動量想定手段と、各レンジ移動量想定値ごとに上記
    位相補償後のレンジプロフィールのヒストリのレンジ補
    償を行うレンジ補償手段と、各レンジ移動量想定値ごと
    にレンジ補償された、レンジ及び位相補償後のレンジプ
    ロフィールのクロスレンジ圧縮を行いISAR画像を生
    成するクロスレンジ圧縮手段と、各レンジ移動量想定値
    ごとにクロスレンジ圧縮を行い得られたISAR画像の
    ピーク電力値を算出するピーク電力算出手段と、各レン
    ジ移動量推定値とその時の上記ISAR画像上のピーク
    電力値を蓄積するピーク電力蓄積手段と、当該ピーク電
    力蓄積手段に蓄積された各レンジ移動量想定値に対応す
    るピーク電力値の比較から上記位相補償後のレンジプロ
    フィールのヒストリ上の各反射点の軌跡のレンジ移動量
    を推定する蓄積データ比較手段とからなるピーク電力着
    目レンジ移動量推定回路と、 上記位相補償回路の出力である位相補償後のレンジプロ
    フィールのヒストリを入力して上記ピーク電力着目レン
    ジ移動量推定回路からの各レンジ移動量想定値ごとにレ
    ンジ補償を行いレンジ補償後のレンジプロフィールのヒ
    ストリを出力するレンジ補償手段とを有することを特徴
    とする運動補償回路。
  8. 【請求項8】 請求項2または3に記載の運動補償回路
    において、 上記レンジ補償回路は、 上記位相補償回路の出力である位相補償後のレンジプロ
    フィールのヒストリのレンジ移動量の値を想定するレン
    ジ移動量想定手段と、各レンジ移動量想定値ごとに、上
    記位相補償後のレンジプロフィールのヒストリのレンジ
    補償を行うレンジ補償手段と、各レンジ移動量想定値ご
    とにレンジ補償された、レンジ及び位相補償後のレンジ
    プロフィールのクロスレンジ圧縮を行ってISAR画像
    を生成するクロスレンジ圧縮手段と、各レンジ移動量想
    定値ごとに、クロスレンジ圧縮を行い得られたISAR
    画像のエントロピーを算出するエントロピー算出手段
    と、各レンジ移動量推定値とその時の上記ISAR画像
    上のエントロピーを蓄積するエントロピー蓄積手段と、
    当該エントロピー蓄積手段に蓄積された各レンジ移動量
    想定値に対応するエントロピーの比較から上記位相補償
    後のレンジプロフィールのヒストリ上の各反射点の軌跡
    のレンジ移動量を推定する蓄積データ比較手段とからな
    るエントロピー着目レンジ移動量推定回路と、 上記位相補償回路の出力である位相補償後のレンジプロ
    フィールのヒストリを入力して上記エントロピー着目レ
    ンジ移動量推定回路からの各レンジ移動量想定値ごとに
    レンジ補償を行いレンジ補償後のレンジプロフィールの
    ヒストリを出力するレンジ補償手段とを有することを特
    徴とする運動補償回路。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の運動補償回路
    において、 上記ピーク電力着目レンジ移動量推定回路またはエント
    ロピー着目レンジ移動量推定回路の前段に、 レンジプロフィールのヒストリの各ヒットごとの振幅最
    大レンジビンを検出する振幅レンジビン検出回路と、各
    ヒットごとの振幅最大レンジビンを平滑化する平滑化回
    路とを有するレンジ移動量推定回路と、上記レンジ移動
    量推定回路の誤差範囲をカバーするレンジ移動量の探索
    範囲を設定する探索範囲設定回路とを有するレンジ移動
    量推定前処理回路をさらに備えたことを特徴とする運動
    補償回路。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    運動補償回路において、 上記ドップラー移動量推定手段は、 上記区分周波数分析手段の出力である区分ドップラー周
    波数分布のヒストリの振幅検出を行う振幅検出手段と、 振幅検出された区分ドップラー周波数分布のヒストリの
    二次元フーリエ変換を行う二次元フーリエ変換手段と、 二次元フーリエ変換により得られる、区分ドップラー周
    波数分布のヒストリに対応する空間周波数分布の原点を
    通るさまざまな積分経路を設定し、各積分経路に沿った
    積分結果からドップラー移動量を推定する画像線積分手
    段とからなることを特徴とする運動補償回路。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の運動補償回路において、 移動する目標に対して電波を送信する送信手段と、 上記目標からの反射波を受信する受信手段と、 上記受信した反射波から得られた受信信号列をレンジ圧
    縮してレンジ圧縮した受信信号列を上記運動補償回路に
    出力するするレンジ圧縮手段と、 上記運動補償回路の出力である運動補償後のヒストリの
    クロスレンジ圧縮を行いISAR画像を生成するクロス
    レンジ圧縮手段とをさらに備えたことを特徴とする有す
    るレーダ装置。
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