JP3395606B2 - 位相補償回路、位相補償方法およびレーダ装置 - Google Patents

位相補償回路、位相補償方法およびレーダ装置

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JP3395606B2
JP3395606B2 JP28833997A JP28833997A JP3395606B2 JP 3395606 B2 JP3395606 B2 JP 3395606B2 JP 28833997 A JP28833997 A JP 28833997A JP 28833997 A JP28833997 A JP 28833997A JP 3395606 B2 JP3395606 B2 JP 3395606B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、目標とレーダ装
置との間の相対位置関係の変化に基づく反射信号の変
化、及び送信周波数の変化に基づく反射信号の変化を利
用することにより、高い分解能を得ることのできるレー
ダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のレーダ装置は、一般に高
分解能レーダ装置と呼ばれ、例えば、Donald R. Wehne
r,■■High Resolution Radar■■,Artech House, INC.
1987,pp273-339に記載されているISAR(Inverse Synthet
ic Aperture Radar)、及び、特開平7−92257号に
記載のものがある。
【0003】図16は、上記文献に従って構成したレー
ダ装置のブロック構成図である。図において、1は送信
機、2は送受切換器、3は送受信アンテナ、4は受信
機、5はレンジ圧縮手段、6はレンジ補償回路、7は位
相補償回路、8はクロスレンジ圧縮手段、9はモニタ・
テレビ(以下、モニタTVと呼ぶ)である。
【0004】図17は、図16のレーダ装置のブロック
構成図におけるレンジ補償回路6の内容を記した構成図
である。図において、501はレンジ追尾手段、502
は振幅最大レンジビン検出回路、503は平滑化回路、
504はレンジ補償量算出手段、505レンジ補償手段
である。6は図16のそれと同一である。
【0005】図18は、図16のレーダ装置のブロック
構成図における位相補償回路7の内容を記した構成図で
ある。図において、506は注目レンジビン決定手段、
507は区分周波数分析手段、508はドップラー追尾
手段、509は振幅最大周波数検出回路、510は位相
補償量算出手段、511は位相補償手段である。7は図
16のそれと、503は図17のそれと、それぞれ同一
である。
【0006】図19は、回転運動を行なう目標を観測す
るジオメトリである。図において、520は目標、52
1はレーダ装置である。図20は、図19のジオメトリ
で観測した結果得られたISAR画像の一例である。図
において、522は目標のISAR画像である。
【0007】図21は、並進運動を行なう目標を観測す
るジオメトリである。図において、520、521は、
図19のそれと、それぞれ同一である。図22は、レン
ジプロフィールのヒストリの最大振幅検出結果の一例で
ある。図23は、レンジ補償処理を施した後のレンジプ
ロフィールにおける最大振幅検出結果のヒストリの一例
である。
【0008】図24は、区分周波数分析手段507の処
理内容を説明する図である。図において、530は、注
目レンジビンの受信信号列、531は、区分周波数分布
のヒストリである。図25は、区分周波数分布のヒスト
リの最大振幅検出結果の一例である。
【0009】次に、図16、17、18、19、20、
21、22、23、24、25、26を用いて、上記従
来のレーダ装置の動作原理について説明する。まず、I
SARの画像再生の原理について説明する。図19に示
す通り、x−y平面の原点に設置されたレーダ装置52
1で、レンジr0の点oを通り紙面に垂直な軸を中心に
角速度ωで半時計周りで回転する目標520を観測する
ジオメトリを考える。まず、送信機1では、時間ととも
に周波数が変化する信号(チャープ信号)に変調された
高周波パルスを発生し、送受切換器2を介して送受信ア
ンテナ3に供給する。送受信アンテナ3は、供給された
高周波パルスを送信する。
【0010】送信した高周波パルスは目標520で反射
され、この反射された信号(エコー)は、送受信アンテ
ナ3に入り、送受切換器2を介して受信機4で復調され
る。受信機4で復調された信号は、送信信号の瞬時周波
数に対しレーダ装置521と目標520の間の電波伝搬
の往復に要する時間分遅延したものであるから、レンジ
圧縮手段5において、送信信号s(t)を用いて受信信
号r(t)にマッチドフィルターをかけること、すなわ
ち、式(1)に示すように、送信信号s(t)の共役信
号s*(t)と受信信号r(t)とのコンボリューショ
ンを求めることにより、遅延に相当した時間にインパル
スv(t)(以下では、レンジプロフィールと呼ぶ。)
を得ることができる。このことにより、レンジ分解能が
向上する。
【0011】
【数1】
【0012】レーダが送信を繰り返すごとに上記レンジ
圧縮された信号が得られるから、レーダの送信ごと、即
ちヒットごとにレンジ圧縮された信号をまとめることに
より、レンジrとヒットhを軸とする二次元複素信号v
(h、r)(以下では、レンジプロフィールのヒストリ
と呼ぶ。)が得られる。 尚、レンジrと時間tの間に
は、r=(Δr/Δt)・tなる関係がある。ここで、
Δtはサンプリング間隔(=1/B、Bは送信帯域)、
Δrはレンジ分解能(=C/2B、Cは光速)である。
【0013】目標520が図21に示すような運動、す
なわち並進運動を行なう場合には、レーダ装置521か
ら目標520までの距離の変化の影響を補償することに
より、並進運動を行なう目標520を、等価的に、図1
9に示すような回転運動を行なう目標520とみなすこ
とができる。この点については、後で述べる。レーダ5
21と目標520の間の距離の変化を補償するレンジ補
償回路6、位相補償回路7の動作は後述することにし、
以下では、目標520が回転運動を行なうもの、もしく
は、なんらかの方法で、レーダ装置521から目標52
0までの距離の変化の影響を補償されたものとする。
【0014】クロスレンジ圧縮手段8では、レンジプロ
フィールのヒストリv(h、r)を、式(2)に従っ
て、各レンジごとに、ヒット方向にフーリエ変換するこ
とにより、レンジ、クロスレンジの両方について圧縮さ
れた複素信号u(c、r)を得る。ここに、cはクロス
レンジ(方位)方向を示す。
【0015】
【数2】
【0016】上式で、hnumはヒット数、rnumは
レンジビン数である。この処理は、クロスレンジ方向の
分解能を改善する効果がある。以下、この原理を説明す
る。
【0017】図19に示す運動を行なう目標上のある部
位(例えば点a)で反射した信号のドップラー周波数f
dは次の式で表される。
【0018】
【数3】
【0019】ここに、λは送信波長、Lは反射を生じた
部位の回転半径、θは観測の基準となるLOS(Lin
e Of Sight)を基準としたときの目標物の角
度を示している。目標520が図21に示すような並進
運動を行なう場合には、上述の角度θはt=t0〜t2
に変わるにつれて変化することになる。このことから、
レーダ装置521から目標520までの距離の変化の影
響を補償すれば、並進運動を行なう目標520を、等価
的に角度θが変化する回転運動を行なう目標520とみ
なすことができることがわかる。
【0020】また、式(3)により、同じ角度θ上の点
では、回転軸からの距離Lに比例して、目標上のそれぞ
れの部位からの反射信号のドップラー周波数が変わると
いつ特性を有する。
【0021】レンジ圧縮手段5とクロスレンジ圧縮手段
8により、レンジ方向、クロスレンジ方向の両方につい
て分解能が向上した複素信号u(c、r)は、その絶対
値が目標のレーダ反射断面積に対応するから、モニタT
V9上のレンジr、クロスレンジcの二次元平面にu
(c、r)の絶対値またはその二乗に応じた輝度で表示
を行なうことにより、図20に示すような、レンジとク
ロスレンジの両方について高分解能化された目標のIS
AR画像522を表示することができる。ここで、画像
522上で、例えばa点は、目標上で、レーダに近い位
置にあるので、レンジが小さく、かつ、回転運動により
レーダから遠ざかる運動をしているのでドップラー周波
数が小さくなっている。
【0022】次に、上記説明で省略した、目標の並進運
動の影響を補償する処理について説明する。観測時間内
の、t0、t1、t2という時間において、並進運動に
より、図21のように位置が変化する目標520のIS
AR画像を生成する場合、各ヒットごとに得られたレン
ジプロフィールのヒストリv(h,r)をそのままヒッ
ト方向にフーリエ変換するだけでは、目標上の各点(例
えば点a)が観測時間中にレンジ方向に移動するため、
レンジ、クロスレンジ方向にきちんと圧縮されず、結果
として画像にぼけが生じてしまうのは、式(2)におい
て、各レンジごとにフーリエ変換を行なうというその処
理内容より明らかである。従って、ぼけのない鮮明な画
像を得るためには、目標上の各々の点を観測時間中、同
一レンジビン内に固定するための補償処理を必要とす
る。この処理をレンジ補償処理と呼ぶ。
【0023】レンジ補償処理を行なうレンジ補償処理回
路6の処理内容について説明する。目標が図21に示す
運動を行う場合について考える。ここで、電波の反射を
する点は、図中a、b、cの三点のみとし、このうち、
b点とc点は常に同じレンジビンにあるものとする。ま
ず、レンジ追尾手段501によりレンジ追尾を行なう。
レンジ追尾手段501の中の振幅最大レンジビン検出回
路502では、各ヒットごとに、レンジプロフィールの
振幅が最大となるレンジビンを検出する。その結果の例
を図22に示す。同図で横軸はヒット、縦軸はレンジで
あり、図中太実線で示した部分が、各ヒットのレンジプ
ロフィールで振幅が最大となるレンジビンを示している
ものとする。a、b、cは同一目標上の点であり、実際
は、図中の点線に示されるように、同じ変化率でレンジ
が変化しているはずであるが、見込み角の変化に従う各
点のレーダ断面積の変化や、同一レンジビン内に複数の
反射点が存在する場合の干渉などの影響で、観測時間中
に各点の存在するレンジビンの振幅が変動するため、振
幅最大レンジビンの位置の変化に不連続な部分が発生す
る。
【0024】この振幅最大レンジビンの位置の時間変化
に対して平滑化回路503では、例えば最小二乗法など
を用いて平滑化する。具体的には、平滑化回路503
は、図22における一点鎖線で示すような平滑化直線を
得る。そして、得られた平滑化直線の傾きを示すシフト
量sを算出する。そして、得られたシフト量をレンジ補
償算出手段504に対して通知する。レンジ補償量算出
手段504では、レンジ追尾手段501の平滑化回路5
03で得られたシフト量から、各ヒットにおけるレンジ
補償量sf(h)を式(4)により得る。
【0025】
【数4】
【0026】レンジ補償手段505では、式(4)で得
られたレンジ補償量sf(h)を用いて、各ヒットhに
おけるレンジプロフィールのヒストリv(h、r)をレ
ンジ方向に補償し、レンジ補償後のレンジプロフィール
のヒストリv2(h、r)を得る。レンジ補償後のレン
ジプロフィールのヒストリv2(h、r)で、各ヒット
ごとに、レンジプロフィールの振幅が最大となるレンジ
ビンを検出した結果は、図23に示すようにそれぞれの
点の反射信号が同一レンジビンに並ぶ。
【0027】上記レンジ補償処理により、観測時間中の
各点のレンジビンを超えた距離変化については除去する
ことができたが、レンジビン内の距離変化については除
去できていない。一般に、目標が加速運動、旋回運動を
する時は勿論の事、等速直線運動を行なう場合でも、進
行方向がLOS軸に沿った方向で無い限り、その距離変
化は、線形な成分に加えて、非線形な加速度成分も含
む。このうちの加速度成分の影響で、各点よりの反射信
号のドップラー周波数(クロスレンジ)に広がりが生じ
るため、結果として生成した画像がクロスレンジ方向に
ぼけてしまう。上記加速度成分を除去するための補償処
理が位相補償処理である。
【0028】以下では、この位相補償処理を行なう位相
補償回路7の処理内容について説明する。並進運動に伴
う上記加速度成分は、すべてのレンジビンに対してほぼ
等しく加わるため、ある一つのレンジビンに着目して、
そのレンジビンに加わる加速度成分を推定し、その推定
結果を用いて、すべてのレンジビンの位相補償を行な
う。
【0029】注目レンジビン決定手段506では、レン
ジ補償後のレンジプロフィールv2(h、r)の各レン
ジrにおける平均電力を算出し、その値を最大とするレ
ンジビンを注目レンジビンとして、そのレンジビンの受
信信号列d0(h)を出力する。例えば図21のジオメ
トリの例では、点b、cを含むレンジビンが注目レンジ
ビンとして選択されたものとする。
【0030】区分周波数分析手段507では、式(5)
に従い、図24に示した注目レンジビンの受信信号列d
0(h)530を長さΔhで区分フーリエ変換して周波
数分布のヒストリfs(h’,f)531を求める。
【0031】
【数5】
【0032】ドップラー追尾手段508では、得られた
周波数分布のヒストリfs(h’,f)の追尾を行な
う。まず、振幅最大周波数検出回路509では、各ヒッ
トh’ごとに、周波数分布の振幅が最大となるドップラ
ービンを検出する。その結果の例を図25に示す。同図
で横軸はヒット、縦軸はドップラービンであり、図中太
実線で示した部分が、各ヒットの周波数分布で振幅が最
大となるドップラーを示しているものとする。見込み角
の変化に従うレーダ断面積の変化のため、振幅最大周波
数の位置が変動すること、および、周波数の折り返しの
影響で、その位置の変化に不連続な部分が発生する。
【0033】これに対し、レンジ追尾手段501と同
様、平滑化回路503により平滑化を行なうことにより
図25に一点鎖線で示すような平滑化直線を得る。そし
て、得られた平滑化直線の傾きを示すシフト量sを位相
補償量算出手段510に対して通知する。位相補償量算
出手段510では、式(6)に従い、位相補償量ph
(h)を計算する。
【0034】
【数6】
【0035】位相補償手段511では、位相補償量算出
手段510で得られた位相補償量ph(h)を用いて、
式(7)により、レンジ補償後のレンジプロフィールの
ヒストリv2(h、r)の位相補償を行ない、最終的な
レンジプロフィールのヒストリvL(h、r)を得る。
【0036】
【数7】
【0037】以上の処理を経る事により、並進運動を行
なう目標に関して、目標上の各点のレンジビンを超える
移動、位相の二次の変動を補償することができるため、
並進運動を伴わず、回転運動のみを行なう目標と同様に
鮮明な高分解能画像が得られる。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のレ
ーダ装置では、ドップラー追尾において、区分周波数分
析の点数を少なくすると、ドップラー周波数の分解能が
劣化するため、これに基づく追尾誤差が発生する、区分
周波数分析の点数を多くすると、ドップラーの分解能は
向上するものの、時間の分解能が劣化するため、信号の
チャープ成分によりドップラーが広がって、これに基づ
く追尾誤差が発生し、結果として、再生画像がぼけると
いう問題点が有った。
【0039】また、目標の加速度運動成分が大きく、区
分周波数分布のヒストリにおける振幅最大点のビンの移
動が、時間に対して非線形になる場合に、非線形変動成
分まで含めて追尾を行なうことができないため、この影
響で再生画像がぼけるという問題点が有った。
【0040】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたもので、目標の移動に伴い反射波のドップラ
ー周波数が変化する場合であっても補償誤差を抑えて位
相補償を行うことを共通の目的としている。
【0041】
【課題を解決するための手段】この発明における位相補
償回路は、移動する目標に対して電波を送信し、前記目
標からの反射波を受信して前記目標の画像を得るため、
前記目標の移動に伴う前記反射波の位相の変化を補償す
る位相補償回路であって、前記反射波の受信信号列から
特定のレンジビンのデータ列を取り出すレンジビン決定
手段と、前記レンジビン決定手段によって取り出された
データ列から位相の時間変化を算出し、この算出した位
相の時間変化の内、位相の折り返しを除去する位相アン
ラップ手段と、前記位相アンラップ手段によって位相の
折り返しが除去された位相の時間変化を示すデータに最
小二乗法を用いたフィッティングを行い、前記位相の時
間変化の二次以上の変化成分を検出し、この検出結果か
前記二次以上の変化成分を低減させる位相補償量を算
出する位相補償量算出手段と、前記位相補償量算出手段
によって得られた位相補償量に応じて前記反射波の受信
信号列を補償する位相補償手段とを有するものである。
【0042】
【0043】さらに、前記レンジビン決定手段によって
取り出されたデータ列の周波数分布を算出する周波数分
布算出手段と、前記周波数分布算出手段によって算出さ
れた前記周波数分布に基づいて、注目する周波数ビンを
決定する注目周波数ビン決定手段と、前記注目周波数ビ
ン決定手段によって決定された周波数ビンの周波数値を
0に近づけるよう、前記レンジビン決定手段によって取
り出されたデータ列に対して線形な位相補償を行う線形
位相補償手段とを有し、前記位相アンラップ手段は、前
記線形位相補償手段によって位相補償されたデータ列か
ら位相の時間変化を算出し、この算出した位相の時間変
化の内、位相の折り返しを除去するものである。
【0044】
【0045】さらに、前記レンジビン決定手段によって
取り出されたレンジビンのデータ列の内、一部のデータ
列を抽出する区分データ列抽出手段とを有し、前記位相
アンラップ手段は、前記区分データ列抽出手段によって
抽出されたデータ列から位相の時間変化を算出し、この
算出した位相の時間変化の内、位相の折り返しを除去す
るものである。
【0046】の発明における位相補償回路は、移動す
る目標に対して電波を送信し、前記目標からの反射波を
受信して前記目標の画像を得るため、前記目標の移動に
伴う前記反射波の位相の変化を補償する位相補償回路で
あって、前記反射波の受信信号列から特定のレンジビン
のデータ列を取り出すレンジビン決定手段と、前記レン
ジビン決定手段によって取り出されたレンジビンのデー
タ列の内、一部のデータ列を抽出する区分データ列抽出
手段と、前記区分データ列抽出手段によって抽出された
データ列から位相の時間変化を算出し、この算出した位
相の時間変化を示すデータに最小二乗法を用いたフィッ
ティングを行い、前記位相の時間変化の2次以上の変化
成分を検出し、この検出結果から前記二次以上の変化成
分を低減させる位相補償量を算出する第1位相補償量算
出手段と、前記第1位相補償量算出手段によって算出さ
れた位相補償量に応じて前記レンジビン決定手段によっ
て取り出されたデータ列を補償する第1位相補償手段
と、前記第1位相補償手段によって位相補償された後の
データ列から位相の時間変化を算出し、この算出した位
相の時間変化を示すデータに最小二乗法を用いたフィッ
ティングを行い、前記前記位相の時間変化の二次以上の
変化成分を検出し、この検出結果から前記二次以上の変
化成分を低減させる位相補償量を算出する第2位相補償
量算出手段と、前記第1位相補償量算出手段によって得
られた位相補償量及び前記第2位相補償量算出手段によ
って得られた位相補償量とに基づき、前記反射波の受信
信号列を補償する第2位相補償手段とを有するものであ
る。
【0047】さらに、前記線形位相補償手段によって位
相補償されたデータ列の中から、特定の周波数以外の信
号成分を除去するフィルタとを有し、前記位相アンラッ
プ手段は、前記フィルタによって信号成分が除去された
データ列から位相の時間変化を算出し、この算出した位
相の時間変化の内、位相の折り返しを除去するものであ
る。
【0048】さらに、前記レンジビン決定手段は複数の
レンジビンのデータ列を取り出し、前記位相補償量算出
手段は前記複数のレンジビンのデータ列ごとに位相補償
量を算出し、前記位相補償量算出手段によって複数のレ
ンジビンごとに算出された複数の位相補償量に基づき、
位相補償量を修正する位相補償量修正手段を有し、前記
位相補償手段は、前記位相補償量修正手段によって修正
された位相補償量に基づき、前記反射波の受信信号列を
補償するものである。
【0049】さらに、前記位相補償量修正手段は、前記
複数のレンジビンごとに算出された位相補償量の平均値
を適切な位相補償量とするものである。
【0050】さらにまた、前記位相補償量修正手段は、
前記複数のレンジビンごとに算出された複数の位相補償
量の分布の内、この分布の棄却領域に含まれる位相補償
量を棄却し、棄却後に残された位相補償量の平均値を適
切な位相補償量とするものである。
【0051】この発明におけるレーダ装置は、移動する
目標に対して電波を送信する送信手段と、前記目標から
の反射波を受信する受信手段と、前記受信手段によって
受信された受信信号列から特定のレンジビンのデータ列
を取り出すレンジビン決定手段と、前記レンジビン決定
手段によって取り出されたデータ列から位相の時間変化
を算出し、この算出した位相の時間変化の内、位相の折
り返しを除去する位相アンラップ手段と、前記位相アン
ラップ手段によって位相の折り返しが除去された位相の
時間変化を示すデータに最小二乗法を用いたフィッティ
ングを行い、前記位相の時間変化の二次以上の変化成分
を検出し、この検出結果から前記二次以上の変化成分を
低減させる位相補償量を算出する位相補償量算出手段
と、前記位相補償量算出手段によって得られた位相補償
量に応じ、前記受信手段によって受信された受信信号列
を補償する位相補償手段とを有するものである。
【0052】この発明における位相補償方法は、移動す
る目標に対して電波を送信し、前記目標からの反射波を
受信して前記目標の画像を得るため、前記目標の移動に
伴う前記反射波の位相の変化を補償する位相補償方法で
あって、前記反射波の受信信号列から特定のレンジビン
のデータ列を取り出すレンジビン決定ステップと、前記
レンジビン決定ステップによって取り出されたデータ列
から位相の時間変化を算出し、この算出した位相の時間
変化の内、位相の折り返しを除去する位相アンラップス
テップと、前記位相アンラップステップによって位相の
折り返しが除去された位相の時間変化を示すデータに最
小二乗法を用いたフィッティングを行い、前記位相の時
間変化の二次以上の変化成分を検出し、この検出結果か
前記二次以上の変化成分を低減させる位相補償量を算
出する位相補償量算出ステップと、前記位相補償量算出
ステップによって得られた位相補償量に応じて前記反射
波の受信信号列を補償する位相補償ステップとを有する
ものである。
【0053】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は、位相補償回路の実施の一形態を
示す図である。図1において、111はFFT手段、1
12は振幅最大周波数探索手段、113は第一段位相補
償手段、114は位相アンラップ手段、115は二次位
相補償量算出手段、116は位相補償量決定回路であ
る。7は図16のそれと、506、511は図18のそ
れと同一である。
【0054】図2は、本実施の形態の処理内容を説明す
るための図である。図3は、位相アンラップ手段114
の処理内容を示す図である。次に、図1、図2、図3、
図16、図18を用いて本実施の形態の内容を説明す
る。
【0055】送信機1で高周波パルスを生成し、目標に
照射し、受信信号をレンジ圧縮手段5でレンジ圧縮して
得られるレンジプロフィールのヒストリをレンジ補償回
路6でレンジ補償し、レンジ補償後のレンジプロフィー
ルのヒストリから注目するレンジビンのヒット方向のデ
ータ列を注目レンジビン決定手段506で抽出するまで
の処理、及び、位相補償回路7で位相補償した後のレン
ジプロフィールのヒストリをクロスレンジ圧縮手段8で
クロスレンジ圧縮し、得られた目標のISAR画像をモ
ニタTV9に表示するまでの処理は、従来の技術と同一
である。
【0056】ISAR画像のクロスレンジ方向のぼけの
原因となる目標上の各点のドップラー周波数の時間変化
は、目標の速度変化成分、すなわち、目標とレーダの間
の距離変化のうちの時間に対する非線形な変化成分によ
り発生する。ここで、受信信号の位相変化と目標─レー
ダ間の距離変化は、後述する位相の折返しを除去すれば
比例関係にある。
【0057】よって、距離変化が非線形になれば、位相
変化も非線形になるため、クロスレンジ圧縮(FFT)
を行なっても、各反射点の信号が、それぞれ同一の周波
数には積み上がらない。通常、受信信号の位相変化は非
線形となるため、各反射点の信号をそれぞれ同一の周波
数に積み上げるためには、位相の時間変化を線形にする
よう補償する必要がある。
【0058】すなわち、受信信号の位相変化を分析する
ことにより位相変化の非線形成分を抽出し、この非線形
成分を打ち消すように位相の補償を行う。このような補
償を行うことによって位相変化が線形となり、各反射点
の信号はそれぞれ同一周波数に積み上がり、ISAR画
像のクロスレンジ方向のぼけを除去することができる。
【0059】本実施の形態では、従来の技術のようにド
ップラー追尾の結果から位相補償量を決定するのではな
く、受信信号の位相変化を直接分析して、位相変化のう
ちの、時間に対する非線形な成分を検出し、これより位
相補償量を決定する。
【0060】但し、位相変化には位相の折り返しという
現象が伴う。ここで、位相の折返しについて説明する。
位相の折返しとは、位相が−π〜π(もしくは0〜2
π)の間の数値で表されるのが原因で発生する。例え
ば、目標レーダ間の距離差により生じる絶対的な位相の
変化が、0.5π→π→1.5π→2π→2.5π→3πであった
場合、受信信号の位相変化は、0.5π→π→−0.5π→0
→0.5π→πとして現れ、値が2πごとに折返してしま
う。
【0061】位相の非線形成分を精密に得るためには、
0.5π→π→−0.5π→0→0.5π→πの位相の折返しを除
去して、もとの0.5π→π→1.5π→2π→2.5π→3πと
いう位相に戻すためのアンラップ処理を行なう必要があ
る。以下、位相補償量決定回路116の処理内容につい
て、順を追って説明する。
【0062】<STEP01:周波数分析ステップ>F
FT手段111では、注目レンジビン決定手段506の
出力であるデータ列d0(h)の周波数分析を行なう。
すなわち、次式のFFT演算を行ない、周波数データ列
D0(f)を出力する。
【0063】
【数8】
【0064】<STEP02:振幅最大周波数探索ステ
ップ>振幅最大周波数探索手段112では、FFT手段
111の出力である、周波数データ列D0(f)の振幅
を最大とする周波数ビン番号fmaxを次式により得
る。次式により、周波数データ列D0(f)の中から振
幅が最大となる周波数を得ることができる。
【0065】
【数9】
【0066】<STEP03:第一段位相補償ステップ
>第一段位相補償手段113では、振幅最大周波数探索
手段112の出力である、fmaxを用いて、次式によ
り、データ列d0(h)の時間に対して線形な位相補償
(第一段位相補償)を行ない、第一段位相補償後のデー
タ列d1(h)を得る。即ち、式10に示した第一次位
相補償は、d0(h)の周波数分布D0(f)を─fm
ax分だけ平行移動させる処理である。
【0067】
【数10】 このような処理によって、d1(h)においては振幅最
大周波数がゼロになるので、図2bに示すようにその位
相の時間変化は、合成開口中のあるヒットh0でゼロに
なる。第一段位相補償を行わなかった場合には、注目レ
ンジビン決定手段506の出力であるd0(h)の位相
の時間変化は例えば図2aのようになるが、第一段位相
補償を行うことにより位相の時間変化が図2bに示すよ
うな結果となる。図2aとの比較から分かるように、図
2bは図2aに比べて位相の時間変化が緩やかになる。
この効果の持つ意味については後述する。
【0068】<STEP04:位相アンラップステップ
>位相アンラップ手段114では、第一段位相補償手段
113の出力データ列d1(h)の位相のアンラップを
行なう。位相のアンラップは、前述したように、目標ま
での距離の変化により変化する受信信号の位相が、2π
ごとに折返すのを除去する処理である。
【0069】まず、次式によりd1(h)の位相pd1
(h)を算出する。
【0070】
【数11】 上式でd1real(h)、d1imag(h)は、そ
れぞれ、d1(h)の実部、虚部を表す。
【0071】pd1(h)を図3のフローチャートに従
いアンラップし、アンラップ後の位相pdu1(h)を
得る。アンラップ処理の内容について図3を用いて説明
する。
【0072】[st01]まず、h=0とし、位相アンラ
ップ後の位相データ列の先頭データであるpdu1
(0)にpd1(0)を代入する。
【0073】[st02]次に、アンラップを行なうため
に位相に加える数値d(i)(i=0、1、2)を設定
する。ここで、d(0)は−2π、d(1)は0、d
(2)は2πとする。つまり、d(0)は位相が時間と
共にマイナス方向に回転している場合に、アンラップを
行なうために加える数値、d(2)は同じくプラス方向
に回転している場合に、アンラップを行なうために加え
る数値である。
【0074】[st03] h=h+1とする。
【0075】[st04] pdu1(h─1)と(pd1(h)+d(i) )の
差の絶対値である |pdu1(h─1)−(pd1(h)+d(i) )
| を算出し、この絶対値が最小となるようなiを探索す
る。図3のフローチャートでは、絶対値が最小となるよ
うなiを「argmin()」の関数で表現している。
そして、st04の探索によって得られたi値をiad
dとする。即ち、iaddとしては、0,1,2のいず
れかが得られる。
【0076】[st05]次に、pd1(hh)にd(i
add)を加算する。但し、(hh=h、h+1、h+
2、…、hnum─1)であり、hnumは総ヒット数
を示す。したがって、pd1(hh)+d(iadd)
の処理は、h〜hnum─1に対する各位相に−2π、
0、2πのいずれかの値を加える処理である。
【0077】[st06]次にhにおけるアンラップ後の
位相pdu1(h)に、pd1(h)を代入する。
【0078】[st07]hとhnum─1を比較し両者
が等しければ処理を終了し、等しくなければ、[st0
3]に戻り、同じ処理を繰り返す。即ち、上記st03
〜st05までの処理をhnum−1になるまで継続
し、アンラップ後の位相pdu1(hnum−1)を算
出するまで処理を行う。
【0079】st01〜st07までの処理により、注
目レンジビンのヒットに対する位相値が折り返されてい
る場合でも、その折り返しを修正することができる。
【0080】以上により、位相アンラップ後の位相pd
u1(h)が得られる。これを図示したのが図2cであ
る。位相アンラップ手段114内の処理で、あるヒット
hでの位相と次のヒットh+1での位相との差の絶対値
がπより大きくなると、正しくアンラップが行なえなく
なる。よって、位相の時間変化をなるべく緩慢にするた
めに、STEP03で述べた第一段位相補償処理が必要
となった。
【0081】<STEP05:二次位相補償量算出ステ
ップ>二次位相補償量算出手段115では、位相アンラ
ップ手段114の出力である位相アンラップ後の位相デ
ータ列pdu1(h)に対して図2dに示すように最小
二乗法を用いたフィッティングを行ない、位相の時間変
化の非線形成分を検出する。位相の時間変化を時間に対
する多次式で表現した場合、一般に、目標が滑らかな運
動をしていれば高次の項になるに従い、その係数の絶対
値は小さくなる。また、従来の技術でドップラー周波数
の時間変化をリニアな形で推定するのは、位相の二次の
時間変化を推定するのと同じである。よって、ここでは
二次元の最小二乗法を用いる。xn、yn (n=1、
2、…、N)がデータとして与えられた場合、XとYの
関係は次式のように表される。
【0082】
【数12】
【0083】上式で|・|は行列式を表す。またμj、
μj1は次式で表される。
【0084】
【数13】
【0085】上式で、xnを各ヒット番号、ynをその
ヒットにおける位相アンラップ後の位相とすれば、この
時求まるX^2(注:Xの二乗を表す。以降A^Bの表
記はAのB乗を表す。)の係数が、求めたい位相の二次
変化の大きさになる。この値をa2とする。位相の二次
変化を打ち消すための位相補償量PT(h)は次式によ
り得ることができる。
【0086】
【数14】
【0087】以下、位相補償手段511では、従来の技
術と同じく式(7)によりレンジ補償後の位相補償を行
なう。ただし、式(7)中のph(h)にpT(h)を
代入する。
【0088】ドップラー追尾を用いた従来の位相補償方
式では区分周波数分析を行う必要があり、区分周波数分
析の点数を少なくするとドップラー周波数の分解能が劣
化し、これに基づく追尾誤差が発生していた。また、区
分周波数分析の点数を多くすると、ドップラーの分解能
は向上するものの、時間の分解能が劣化するため、信号
のチャープ成分によりドップラーが広がって、これに基
づく追尾誤差が発生するという問題が発生していた。し
かし、以上で述べた位相補償方式は、直接位相の時間変
化の非線形成分を検出しており、区分周波数分析を行う
必要がないので、従来の位相補償方式で生じていたよう
な問題が発生しない。
【0089】また、位相変化の非線形成分を推定する際
に、アンラップした位相を用いるので、推定精度が向上
する。
【0090】さらに、位相アンラップの前段で、位相の
変化を緩やかにするための線形の位相補償を行なうので
位相のアンラップの失敗が生じにくい。
【0091】尚、この実施の形態において、第一段位相
補償手段113は位相変化を緩やかにするために設けら
れており、位相アンラップ手段114は位相の折り返し
を除去するために設けられているものである。したがっ
て、時間に対する位相変化が元々十分緩やかであり、か
つ位相の折り返しが起こっていない場合には、第一段位
相補償手段113や位相アンラップ手段114を用いる
必要がないことも理論的には考えられる。また、第一段
位相補償手段113、位相アンラップ手段114のいず
れかだけを設けるようにすることも可能である。但し、
第一段位相補償手段113が設けられない場合には、F
FT手段111、振幅最大周波数探索手段112も不要
となる。尚、この実施の形態では、位相アンラップ手段
114による位相の折り返しを除去する手順を具体的に
説明したが、この手順以外の方法によって位相の折り返
しを除去してもよい。
【0092】実施の形態2.図4は、位相補償量決定回
路の実施の一形態を示す図である。図4において、12
1は中央区分データ列抽出手段である。111、11
2、113、114、115、116は図1のそれと同
一である。
【0093】図5は本実施の形態の処理内容を説明する
ための図である。次に、図1、図2、図4、図5を用い
て、本実施の形態の内容を説明する。注目レンジビン決
定手段506で注目レンジビンのデータ列d0(h)を
抽出するまでの処理は実施の形態1と同一である。
【0094】中央区分データ列抽出手段121では、注
目レンジビン決定手段506の出力であるデータ列d0
(h)の中央すなわち(h=hnum/2)付近のN点
の区分データを次式のように切りだし、これを区分デー
タ列dd(h’)(h’=0、1、…、N─1)として
出力する。
【0095】
【数15】
【0096】FFT手段111では、入力した区分デー
タdd(h’)に対してFFTを行ない、区分周波数デ
ータ列DD(f’)(f’=0、1、…、N─1)を得
る。
【0097】振幅最大周波数探索手段112では、入力
した区分周波数列DD(f’)の電力が最大になるドッ
プラービンf’maxを探索する。
【0098】第一段位相補償手段113では、入力した
区分データ列の点数N、区分周波数データ列DD
(f’)の電力を最大とするドップラービンf’max
を用いて次式によりデータ列d(h)の第一段位相補償
を行ない、データ列d1(h)を得る。
【0099】
【数16】
【0100】位相アンラップ手段114以降は、実施の
形態1と同じ処理を行なう。式(16)により、実施の
形態1と同様、位相の時間変化を合成開口中のあるヒッ
トでゼロすることができる。ただし、この場合、中央付
近の区分データの振幅最大周波数f’maxを用いて位
相補償を行なったので、位相の変化がゼロになるヒット
が区分データ列の範囲、すなわち中央付近に存在するこ
とになる。これを図示したのが、図5aである。位相の
変化がゼロとなるヒットが全ヒットの中央付近にあるこ
とが分かる。これに対して実施の形態1では、d0
(h)の振幅最大周波数を用いて位相補償を行なったの
で、図2aに示したように、位相変化がゼロになるヒッ
トが、合成開口中の端付近になる場合が有り得る。
【0101】位相アンラップ後の位相を図5bに示す。
図2bと図5bとを比較するとわかるように、位相変化
がゼロになる部分(凸部)が図5bの方がヒットの中央
付近に現れており、図5bの方がヒットに対する位相変
化の最大値が小さくなっている。これは、位相の時間変
化がゼロになる部分(凸部)付近はヒットに対する位相
変化が緩やかであり、凸部から離れるにつれてヒットに
対する位相変化が急激になるという性質によるものであ
る。位相アンラップを行う際、ヒットに対する位相変化
が急激であると位相アンラップに失敗する可能性が高く
なるが、上述の処理を行うことによってヒットに対する
位相変化の最大値が小さくすることができ、位相アンラ
ップでの失敗を低減することができる。すなわち、本実
施の形態の処理を行なうことにより、位相アンラップ手
段114におけるアンラップの失敗の発生率を実施の形
態1よりさらに抑えることができる。尚、この実施の形
態では、中央区分データ列抽出手段121を用いて中央
区分データ列を抽出しているが、必ずしも完全に中央の
データを取り出す必要はない。この点、以下の実施の形
態についてもいえる。
【0102】実施の形態3.図6は、位相補償量決定回
路の実施の一形態を示す図である。図6において、13
1は第二段位相アンラップ手段、132は第二段二次位
相補償量算出手段、133は第二段位相補償手段、13
4は、位相補償量総和手段である。111、112、1
13、114、115、116は図1のそれと、121
は図4のそれと同一である。
【0103】図7は本実施の形態の処理内容を説明する
ための図である。次に、図6、図7を用いて、本実施の
形態の内容を説明する。中央区分データ列抽出手段12
1で区分データ列dd(h’)抽出してから、第一段位
相補償手段113で第一段位相補償後のデータ列d1
(h)を得るまでの処理は実施の形態2と同一である。
【0104】本実施の形態では、位相の二次の変化成分
が大きく、第一段位相補償手段113の出力をそのまま
位相アンラップしたのでは、図7aの実線に示すよう
に、位相アンラップの失敗が生じる場合を考慮して精度
良く位相補償量を算出するものである。
【0105】図7aより分かるように、中央付近のヒッ
トでは位相の変化が小さいので位相のアンラップは失敗
しないが、中央から遠ざかるにつれ位相の変化量が増大
し、あるヒットhe1、he2で、隣合うヒット間の位
相の変化の絶対値がπより大きくなるため、これより外
のヒットで位相のアンラップの失敗が生じる。
【0106】第一段位相補償手段113の後段にある中
央区分データ列抽出手段121では、d1(h)のうち
の中央ヒット付近のM点の区分データ列d1d(h’)
を切りだし、これを出力する。ここで、Mは、区分デー
タ列の位相の折返しが生じない範囲に収まるような値を
設定する。(例えば図7aのハッチングの範囲)第二段
位相アンラップ手段131では、d1d(h’)の位相
を算出し、これをアンラップして、d1d(h’)の位
相アンラップ後の位相pdu1(h’)を出力する。
【0107】第二段二次位相補償量算出手段132で
は、実施の形態1の二次位相補償量算出手段115の動
作と同様に、まず二次元の最小二乗法により、フィッテ
ィングを行ない、位相変化の二次の係数を決定し、これ
を用いてd1(h)の二次の位相変化を打ち消すための
位相補償量pdf1(h)を算出する。
【0108】第二段位相補償手段133では、次式によ
りデータ列d1(h)の位相補償を行ない、第二段位相
補償後のデータ列d2(h)を得る。
【0109】
【数17】
【0110】d2(h)を得るために用いた位相補償量
pdf1(h)は、d1(h)の中央付近の区分データ
であるd1d(h’)の位相のみを用いてd1(h)の
位相変化を推定した結果得られたものであり、d1
(h)全体を用いる場合に較べて精度は悪い。d1
(h)の位相の推定結果が、図7aの点線のように実際
のd1(h)の位相とは異なる場合には、図7bのよう
に、位相変化における非線形成分が残留する。ただし、
第二段位相補償を行なった事により、二次の位相変化量
はさきほどに較べて小さくなったため、第一段位相補償
手段113の直後のように、ヒット間の位相の変化が±
πを超えることはない。すなわち位相アンラップの失敗
が発生しない。
【0111】第二段位相補償手段133による位相補償
結果について、位相アンラップ手段114、二次位相補
償量算出手段115で処理を行う。第二段位相補償手段
133以降、d2(h)の位相アンラップを行ない二次
位相補償量pdf2(h)を得る手順は、実施の形態1
で、d1(h)から二次位相補償量pT(h)を算出し
た手順と同一である。
【0112】位相補償量総和手段134では、第二段二
次位相補償量算出手段132の出力pdf1(h)と、
二次位相補償量算出手段115の出力pdf2(h)を
用いて、次式により、レンジプロフィールのヒストリの
位相補償を行なうための位相補償量pT(h)を計算す
る。
【0113】
【数18】
【0114】本実施の形態では、位相のアンラップの失
敗が生じるほどに二次の位相変化が大きい場合に、ま
ず、入力したデータ列のうちの位相のアンラップの失敗
が生じない範囲のデータ列を用いて二次の位相変化の補
助的な補償を行ない二次の変化成分を小さくした上で、
これに対して再び二次の位相補償を行なった。補助的な
二次位相補償により、二次の位相変化の影響で位相アン
ラップの失敗が発生するのを防ぐことができるので、位
相補償の精度を高く保つことができるという利点があ
る。また、位相変化がゼロになるヒットをデータ列の中
央付近に固定し、その中央付近のデータ列を抽出するた
め、位相変化の緩やかな部分のデータ列だけを取り出す
ことができ、位相の折り返しが生じる割合を低下させる
ことができる。したがって、位相アンラップを行う場合
に位相アンラップの失敗を低減させることができる。
【0115】この実施の形態においては、中央区分デー
タ列抽出手段121によって一部のデータ列だけを取り
出した後、第二段位相補償量を算出するので、位相の変
化がゆるやかな部分のデータだけを取りだすことによっ
て位相補償量の算出を精度良く行うことができる。
【0116】また、位相変化が激しいために一つの位相
アンラップ手段だけでは位相の折り返しを除去しきれな
い場合であっても、第二段位相アンラップ手段131及
び位相アンラップ手段114の二つの位相アンラップ手
段によって位相の折り返しを除去することができる。
【0117】尚、この実施の形態においては、第二段位
相アンラップ手段131と位相アンラップ手段114と
二つ設けるようにしているが、1つのアンラップ手段で
対応できる受信信号列が入力される場合には、必ずしも
2つアンラップ手段を設ける必要はない。即ち、位相ア
ンラップ手段114が不要となる場合も有り得る。ま
た、入力される受信信号列及び許容誤差の大きさに応じ
て、第二段位相補償手段133、位相アンラップ手段1
14、二次位相補償量算出手段115、位相補償量総和
手段134を設ける必要が無い場合も有り得る。この場
合には、第二段二次位相補償量算出手段132によって
算出された位相補償量に応じて受信信号列の位相補償を
行うことになる。
【0118】以上説明したように、入力されるであろう
受信信号列の性質に応じて、複数の回路構成パターンが
考えられる。また、本実施の形態では、位相アンラップ
手段と、二次位相補償量算出手段とを2段直列に接続す
るようにしているが、3段以上設けるようにすることも
可能である。
【0119】実施の形態4.図8は、位相補償量決定回
路の実施の一形態を示す図である。図8において、14
1は多次位相補償量算出手段である。111、112、
113、114、116は図1のそれと、121は図4
のそれと同一である。
【0120】次に図8を用いて、本実施の形態の内容を
説明する。入力したデータ列d0(h)に対して、中央
区分データ列抽出手段121で区分データ列dd
(h’)を抽出する部分から、位相アンラップ手段11
4で位相アンラップ後の位相pdu1(h)を算出する
までの処理は実施の形態2と同一である。
【0121】多次位相補償量算出手段141では、K次
元の最小二乗法を用いて、位相アンラップ後の位相デー
タ列pdu1(h)の時間に対するK次の変化まで補償
するための補償量を決定する。xn、yn (n=1、
2、…、N)がデータとして与えられた場合、X、Yの
関係は次式のように表される。
【0122】
【数19】
【0123】上式で、μj、μj1については、式(1
3)に示した通りである。この式より求まるX^kの係
数をak(k=2,3・・・K)とすると位相の二次変
化を打ち消すための位相補償量PT(h)は次式により
得ることができる。
【0124】
【数20】
【0125】すなわち、本実施の形態では、受信信号の
位相の時間変化のうちの三次以上の非線形成分まで推定
して、これを補償するので、目標が、旋回運動を行なう
場合など、目標までの距離変化で三次以上の高次の成分
が大きくなった場合でも、ISAR画像のクロスレンジ
方向のぼけを抑える事ができるという利点がある。
【0126】実施の形態5.図9は、位相補償量決定回
路116の実施の一形態を示す図である。図9におい
て、151はローパスフィルタである。111、11
2、113、114、115、116は図1のそれと、
121は図4のそれと同一である。図10は本実施の形
態の処理内容を説明するための図である。次に図5、図
9、図10を用いて、本実施の形態の内容を説明する。
【0127】中央区分データ列抽出手段121で区分デ
ータ列dd(h’)抽出してから、第一段位相補償手段
113で第一段位相補償後のデータ列d1(h)を得る
までの処理は実施の形態2と同一である。
【0128】本実施の形態では、注目するレンジビンに
反射点が複数存在し、かつ、それらの反射点の反射強度
が同程度の値である場合まで考慮して位相補償を行な
う。注目するレンジビンにおいて、異なるクロスレンジ
に複数の反射点がある場合には、各反射点の速度、すな
わち各反射点からのドップラー周波数が異なるため、た
とえ、第一段位相補償手段113で、振幅が最大の反射
点の周波数をゼロに移動させる位相補償を行なっても、
別の点の周波数はゼロ近傍の値にはならないので位相の
変化の速い成分が含まれることになる。
【0129】特に各反射点の反射強度が同程度の値の場
合には、その出力であるd1(h)の位相変化は図10
aの例のように激しく振動する。これをそのまま位相ア
ンラップした例が図10bである。振幅が最大であった
反射点の位相の非線形な変化を表す多次曲線上に、それ
以外の反射点の位相変化が加えられた複雑な形状の曲線
になっている。このような曲線から、二次もしくは多次
元の位相補償量を決定する場合には、当然、補償量に誤
差が生じる。ところで、前述したように、各反射点は、
それぞれ周波数が異なることから、それぞれの点の反射
信号は、周波数で分離できる。
【0130】ローパスフィルタ151では、d1(h)
の周波数fc以上の高周波成分を除去した信号dL1
(h)を得る。この処理により、第一段位相補償で周波
数ゼロ近傍に移動させた振幅最大反射点の信号成分以外
の信号成分を除去できるので、dL1(h)の位相変化
は図10cのように緩慢になり、そのアンラップ後の位
相も図10dのように得られる。以下、dL1(h)に
対して、位相アンラップ手段114で位相アンラップを
行ない、二次位相補償量算出手段115で位相補償量p
T(h)を算出する処理は実施の形態2と同一である。
【0131】本実施の形態では、同一レンジビンに振幅
が同程度の複数の反射点が存在する場合に、ローパスフ
ィルタを適用して、単一の反射点の位相変化のみを取り
出すことにより、各点の干渉の影響で位相補償量の誤差
が生じる問題を回避できるという利点がある。
【0132】実施の形態6.図11は、位相補償量決定
回路の実施の一形態を示す図である。図11において、
161は前処理位相補償手段である。507、508、
510は図18のそれと、111、112、113、1
14、115、116は図1のそれと、121は図4の
それと、134は、図6のそれと、151は、図9のそ
れとそれぞれ同一である。
【0133】次に、図11、図18を用いて、本実施の
形態の処理内容を説明する。本実施の形態では、注目す
るレンジビンに同程度の反射強度の反射点が複数存在
し、かつ、位相の二次の変化量が大きいことが原因で、
それらの反射点の周波数の広がりが、各反射点の周波数
差より大きく、実施の形態5で示したように、各反射点
の信号を周波数で分離できない場合まで想定して、位相
補償量を決定する。
【0134】区分周波数分析手段507で入力データ列
d00(h)の区分周波数分析を行ない、この結果か
ら、ドップラー追尾手段508でドップラー周波数の時
間変化を追尾し、追尾結果を用いて、位相補償量算出手
段510で位相補償量pT0(h)を得るまでの処理は
従来の技術と同一である。
【0135】前処理位相補償手段161では、位相補償
量pT0(h)を用いて、データ列d00(h)の位相
補償を行ない、データ列d0(h)を得る。すなわち、
ここまでの処理は、従来の技術に従って位相補償を行な
ったことになる。従来の技術では、前述の原因により位
相補償の誤差が発生するが、各反射点のドップラー周波
数の広がりを小さくする効果はあると考えられる。すな
わち、以上の処理を行なうことにより、各反射点の信号
を周波数で分離することが可能となる。以下、中央区分
データ列121から二次位相補償量算出手段115まで
の処理は実施の形態5と同一である。ここで、二次位相
補償量算出手段115の出力をpT1(h)とする。位
相補償量総和手段134では、位相補償量算出手段51
0の出力pT0(h)と二次位相補償量算出手段115
の出力pT1(h)の和を算出し、これを位相補償量p
T(h)として出力する。
【0136】本実施の形態では、注目するレンジビンに
同程度の反射強度の反射点が複数存在する場合に、従来
の技術の一部を用いて二次の位相変化の予備的な補償を
行なうことにより、各反射点の信号の周波数による分離
をより行ないやすいようにし、その上で、ローパスフィ
ルタで、単一の反射点の位相変化のみを取り出すので、
各点の干渉の影響で位相補償量決定値に誤差が生じる問
題を回避できるという利点がある。
【0137】実施の形態7.図12は位相補償回路の実
施の一形態を示す図である。図12において、171は
データ列抽出手段、172は二次位相変化量算出回路、
173は平均二次位相補償量算出手段を示す。7、51
1は、図18と同一である。図13は、二次位相変化量
算出回路の構成を示す図である。図13において、17
4は二次位相変化量算出手段である。111、112、
113、114は図1と、121は図4と、それぞれ同
一である。
【0138】次に図12、図13を用いて、本実施の形
態の内容を説明する。データ列抽出手段171では、レ
ンジ補償後のレンジプロフィールのヒストリv2(h、
r)から、K個のレンジビンのデータ列を抽出し、それ
ぞれ、d01(h)、d02(h)、…、d0K(h)
として出力する。二次位相変化量算出回路172では、
中央区分データ列算出手段121から位相アンラップ手
段114までを用いて、実施の形態2で示したのと同じ
処理で、入力したデータ列d0(h)の位相アンラップ
後の位相pdu1(h)を得る。二次位相変化量算出手
段174では、二次元の最小二乗法を用いて、時間に対
する二次の位相変化の係数であるa2を算出し、これを
出力する。
【0139】d01(h)、d02(h)、…、d0K
(h)のそれぞれのデータ列に対して上記の処理を適用
することにより、それぞれのデータ列に対する二次の位
相変化の係数a21、a22、…、a2Kを得ることが
できる。これらK個のデータ列はいずれも同じ目標から
の反射信号であるので、二次の位相変化の係数も同じ値
になるはずである。平均二次位相補償量算出手段173
では、これら得られた係数a2kを次式により平均し、
a2Tを算出する。
【0140】
【数21】
【0141】得られた係数a2Tを式(14)のa2に
代入して位相補償量pT(h)を得ることができる。
【0142】すなわち、本実施の形態では、複数のレン
ジビンで、目標の非線形な運動をそれぞれ推定し、これ
を平均して位相補償量を決定するので、補償の精度が向
上する。
【0143】実施の形態8.図14は位相補償回路の実
施の一形態を示す図である。図14において、181は
棄却型平均二次位相補償量算出手段である。7、511
は、図18と172は、図12と同一である。図15
は、本実施の形態の処理内容を説明するための図であ
る。
【0144】次に、図14、図15を用いて、本実施の
形態の処理内容を説明する。レンジ補償後のレンジプロ
フィールのヒストリv2(h、r)について、データ列
抽出手段171でK個のレンジビンのデータ列d0k
(h)を抽出し、それぞれのデータごとに、二次位相変
化量算出回路172で、二次の位相変化量a2kを算出
する処理は実施の形態7と同一である。
【0145】棄却型平均二次位相補償量算出手段181
では、まず式(21)により、平均値a2Tを計算す
る。次に、次式により、a2kの標準偏差σを計算す
る。
【0146】
【数22】
【0147】次にa<a2T─ασ、a>a2T+ασ
を棄却域として設定する。ここでαは、適当な定数を
選択する。棄却域に入った数値を棄却する。すなわち、
平均値よりある程度離れた数値は、二次の位相変化量の
推定に失敗したと判断する。残った数値を平均して、a
2kの平均値を算出する。
【0148】例えば図15の例では、5つのデータa1
1〜a15が入力されており、このうちのa11が棄却
域に入ったのでこれを棄却し、a12〜a15の平均値
から、目標の平均二次位相変化量を計算する。得られた
平均二次位相変化量から、位相補償量pT(h)を計算
し、これを出力する。
【0149】本実施の形態では、上記のようにまず、複
数のレンジビンで位相の二次変化量をそれぞれ推定し
て、これらの推定結果から、二次の位相変化量推定の成
功、失敗の判断を行ない、失敗と判断されたデータにつ
いては棄却して、残った推定値を平均して、位相補償量
を決定するので、同一レンジビン上の複数の反射点の存
在や、受信機雑音の影響で、位相アンラップの失敗など
が生じて、位相補償誤差が発生した場合にでも、影響を
受けにくいという利点がある。
【0150】
【発明の効果】この発明は、以上に説明したように構成
されているので、以下に記載されるような効果を奏す
る。
【0151】
【0152】この発明における位相補償回路は、移動す
る目標に対して電波を送信し、前記目標からの反射波を
受信して前記目標の画像を得るため、前記目標の移動に
伴う前記反射波の位相の変化を補償する位相補償回路で
あって、前記反射波の受信信号列から特定のレンジビン
のデータ列を取り出すレンジビン決定手段と、前記レン
ジビン決定手段によって取り出されたデータ列から位相
の時間変化を算出し、この算出した位相の時間変化の
内、位相の折り返しを除去する位相アンラップ手段と、
前記位相アンラップ手段によって位相の折り返しが除去
された位相の時間変化を示すデータに最小二乗法を用い
たフィッティングを行い、前記位相の時間変化の二次以
上の変化成分を検出し、この検出結果から前記二次以上
の変化成分を低減させる位相補償量を算出する位相補償
量算出手段と、前記位相補償量算出手段によって得られ
た位相補償量に応じて前記反射波の受信信号列を補償す
る位相補償手段とを有するため、位相の折り返しによっ
て生じる位相補償量の算出誤差を低減し、精度良く位相
補償量を算出することができる。
【0153】さらに、前記レンジビン決定手段によって
取り出されたデータ列の周波数分布を算出する周波数分
布算出手段と、前記周波数分布算出手段によって算出さ
れた前記周波数分布に基づいて、注目する周波数ビンを
決定する注目周波数ビン決定手段と、前記注目周波数ビ
ン決定手段によって決定された周波数ビンの周波数値を
0に近づけるよう、前記レンジビン決定手段によって取
り出されたデータ列に対して線形な位相補償を行う線形
位相補償手段とを有し、前記位相アンラップ手段は、前
記線形位相補償手段によって位相補償されたデータ列か
ら位相の時間変化を算出し、この算出した位相の時間変
化の内、位相の折り返しを除去するため、位相の時間変
化を緩やかにすることができ、位相補償の精度を向上さ
せることができる。
【0154】
【0155】さらに、前記レンジビン決定手段によって
取り出されたレンジビンのデータ列の内、一部のデータ
列を抽出する区分データ列抽出手段とを有し、前記位相
アンラップ手段は、前記区分データ列抽出手段によって
抽出されたデータ列から位相の時間変化を算出し、この
算出した位相の時間変化の内、位相の折り返しを除去す
るため、位相の時間変化が緩やかな区分データを取り出
して位相アンラップを行うことが可能となり、したがっ
て、位相アンラップの精度が向上する。
【0156】さらに、前記線形位相補償手段によって位
相補償されたデータ列の中から、特定の周波数以外の信
号成分を除去するフィルタとを有し、前記位相アンラッ
プ手段は、前記フィルタによって信号成分が除去された
データ列から位相の時間変化を算出し、この算出した位
相の時間変化の内、位相の折り返しを除去するため、
一レンジビンに複数の反射点が存在する場合に各反射点
の干渉の影響で位相補償の精度が劣化するのを防止する
ことができる。
【0157】さらに、前記レンジビン決定手段は複数の
レンジビンのデータ列を取り出し、前記位相補償量算出
手段は前記複数のレンジビンのデータ列ごとに位相補償
量を算出し、前記位相補償量算出手段によって複数のレ
ンジビンごとに算出された複数の位相補償量に基づき、
位相補償量を修正する位相補償量修正手段を有し、前記
位相補償手段は、前記位相補償量修正手段によって修正
された位相補償量に基づき、前記反射波の受信信号列を
補償するため、位相補償誤差の大きいレンジビンの影響
を低減できるので、受信データ列全体を位相補償するの
に適した位相補償量を算出することができる。
【0158】また、前記位相補償量修正手段は、前記複
数のレンジビンごとに算出された位相補償量の平均値を
適切な位相補償量とするため、位相補償誤差の大きいレ
ンジビンの影響を低減できるので、受信データ列全体を
位相補償するのに適した位相補償量を簡単に算出するこ
とができる。
【0159】さらに、前記位相補償量修正手段は、前記
複数のレンジビンごとに算出された複数の位相補償量の
分布の内、この分布の棄却領域に含まれる位相補償量を
棄却し、棄却後に残された位相補償量の平均値を適切な
位相補償量とするため、位相補償量に誤差が生じた場合
であっても、この誤差によって受信データ全体の位相補
償量が影響を受けるのを防止することができる。
【0160】の発明におけるレーダ装置は、移動する
目標に対して電波を送信する送信手段と、前記目標から
の反射波を受信する受信手段と、前記受信手段によって
受信された受信信号列から特定のレンジビンのデータ列
を取り出すレンジビン決定手段と、前記レンジビン決定
手段によって取り出されたデータ列から位相の時間変化
を算出し、この算出した位相の時間変化の内、位相の折
り返しを除去する位相アンラップ手段と、前記位相アン
ラップ手段によって位相の折り返しが除去された位相の
時間変化を示すデータに最小二乗法を用いたフィッティ
ングを行い、前記位相の時間変化の二次以上の変化成分
を検出し、この検出結果から前記二次以上の変化成分を
低減させる位相補償量を算出する位相補償量算出手段
と、前記位相補償量算出手段によって得られた位相補償
量に応じ、前記受信手段によって受信された受信信号列
を補償する位相補償手段とを有するため、従来のように
区分周波数分析を行う必要がなくなり、区分周波数分析
を行うことによって生じていた追尾誤差を低減するレー
ダ装置を得ることができる。
【0161】の発明における位相補償方法は、移動す
る目標に対して電波を送信し、前記目標からの反射波を
受信して前記目標の画像を得るため、前記目標の移動に
伴う前記反射波の位相の変化を補償する位相補償方法で
あって、前記反射波の受信信号列から特定のレンジビン
のデータ列を取り出すレンジビン決定ステップと、前記
レンジビン決定ステップによって取り出されたデータ列
から位相の時間変化を算出し、この算出した位相の時間
変化の内、位相の折り返しを除去する位相アンラップス
テップと、前記位相アンラップステップによって位相の
折り返しが除去された位相の時間変化を示すデータに最
小二乗法を用いたフィッティングを行い、前記位相の時
間変化の二次以上の変化成分を検出し、この検出結果か
前記二次以上の変化成分を低減させる位相補償量を算
出する位相補償量算出ステップと、前記位相補償量算出
ステップによって得られた位相補償量に応じて前記反射
波の受信信号列を補償する位相補償ステップとを有する
ため、従来のように区分周波数分析を行う必要がなくな
り、区分周波数分析を行うことによって生じていた追尾
誤差を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における位相補償回路
の構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1における処理の内容を
説明する図である。
【図3】この発明の実施の形態1における位相アンラッ
プ手段の処理内容を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態2における位相補償量決
定回路の構成図である。
【図5】この発明の実施の形態2における処理の内容を
説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態3における位相補償量決
定回路の構成図である。
【図7】この発明の実施の形態3における処理の内容を
説明する図である。
【図8】この発明の実施の形態4における位相補償量決
定回路の構成図である。
【図9】この発明の実施の形態5における位相補償量決
定回路の構成図である。
【図10】この発明の実施の形態5における処理の内容
を説明する図である。
【図11】この発明の実施の形態6における位相補償量
決定回路の構成図である。
【図12】この発明の実施の形態7における位相補償量
決定回路の構成図である。
【図13】この発明の実施の形態7における二次位相変
化量算出回路の構成図である。
【図14】この発明の実施の形態8における位相補償回
路の構成図である。
【図15】この発明の実施の形態8における棄却型平均
二次位相補償量算出手段の処理内容を説明する図であ
る。
【図16】 従来のレーダ装置のブロック構成図であ
る。
【図17】 従来のレーダ装置のレンジ補償を実現する
ための構成図である。
【図18】 従来のレーダ装置の位相補償を実現するた
めの構成図である。
【図19】 回転運動を行なう目標を観測するジオメト
リである。
【図20】 ISAR画像の一例である。
【図21】 並進運動を行なう目標を観測するジオメト
リである。
【図22】 レンジプロフィールのヒストリの最大振幅
検出結果の一例である。
【図23】 レンジ補償処理を施した後のレンジプロフ
ィールのヒストリにおける最大振幅検出結果の一例であ
る。
【図24】 区分周波数分析手段の処理内容を説明する
図である。
【図25】 区分周波数分布のヒストリの最大振幅検出
結果の一例である。
【符号の説明】
1 送信機、2 送受切換器、3 送受信アンテナ、4
受信機、5 レンジ圧縮手段、6 レンジ補償回路、
7 位相補償回路、8 クロスレンジ圧縮手段、9 モ
ニタ・テレビ、111 FFT手段、112 振幅最大
周波数探索手段、113 第一段位相補償手段、114
位相アンラップ手段、115 二次位相補償量算出手
段、116 位相補償量決定回路、121 中央区分デ
ータ列抽出手段、131 第二段位相アンラップ手段、
132 第二段二次位相補償量算出手段、133 第二
段位相補償手段、134 位相補償量総和手段、141
多次位相補償量算出手段、151 ローパスフィルタ、
161 前処理位相補償手段、171 データ列抽出手
段、172 二次位相変化量算出回路、173平均二次
位相補償量算出手段、174 二次位相変化量算出手
段、181 棄却型平均二次位相補償量算出手段、50
1 レンジ追尾手段、502 振幅最大レンジビン検出
回路、503 平滑化回路、504 レンジ補償量算出
手段、505 レンジ補償手段、506 注目レンジビ
ン決定手段、507 区分周波数分析手段、508 ド
ップラー追尾手段、509 振幅最大周波数検出回路、
510 位相補償量算出手段、511 位相補償手段、
520 目標、521 レーダ装置、522 目標のI
SAR画像、530 注目レンジビンの受信信号列、5
31 区分周波数分布のヒストリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−82257(JP,A) 特開 平9−230039(JP,A) 特開 平8−29528(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動する目標に対して電波を送信し、前
    記目標からの反射波を受信して前記目標の画像を得るた
    め、前記目標の移動に伴う前記反射波の位相の変化を補
    償する位相補償回路であって、 前記反射波の受信信号列から特定のレンジビンのデータ
    列を取り出すレンジビン決定手段と、 前記レンジビン決定手段によって取り出されたデータ列
    から位相の時間変化を算出し、この算出した位相の時間
    変化の内、位相の折り返しを除去する位相アンラップ手
    段と、 前記位相アンラップ手段によって位相の折り返しが除去
    された位相の時間変化を示すデータに最小二乗法を用い
    たフィッティングを行い、前記位相の時間変化の二次以
    上の変化成分を検出し、この検出結果から前記二次以上
    の変化成分を低減させる位相補償量を算出する位相補償
    量算出手段と、 前記位相補償量算出手段によって得られた位相補償量に
    応じて前記反射波の受信信号列を補償する位相補償手段
    とを有することを特徴とする位相補償回路。
  2. 【請求項2】 記レンジビン決定手段によって取り出
    されたデータ列の周波数分布を算出する周波数分布算出
    手段と、 前記周波数分布算出手段によって算出された前記周波数
    分布に基づいて、注目する周波数ビンを決定する注目周
    波数ビン決定手段と、 前記注目周波数ビン決定手段によって決定された周波数
    ビンの周波数値を0に近づけるよう、前記レンジビン決
    定手段によって取り出されたデータ列に対して線形な位
    相補償を行う線形位相補償手段とを有し、 前記位相アンラップ手段は、前記線形位相補償手段によ
    って位相補償されたデータ列から位相の時間変化を算出
    し、この算出した位相の時間変化の内、位相の折り返し
    を除去することを特徴とする請求項1記載の位相補償回
    路。
  3. 【請求項3】 記レンジビン決定手段によって取り出
    されたレンジビンのデータ列の内、一部のデータ列を抽
    出する区分データ列抽出手段とを有し、 前記位相アンラップ手段は、前記区分データ列抽出手段
    によって抽出されたデータ列から位相の時間変化を算出
    し、この算出した位相の時間変化の内、位相の 折り返し
    を除去することを特徴とする請求項1記載の位相補償回
    路。
  4. 【請求項4】 移動する目標に対して電波を送信し、前
    記目標からの反射波を受信して前記目標の画像を得るた
    め、前記目標の移動に伴う前記反射波の位相の変化を補
    償する位相補償回路であって、前記反射波の受信信号列から特定のレンジビンのデータ
    列を取り出すレンジビン決定手段と、 前記レンジビン決定手段によって取り出された レンジビ
    ンのデータ列の内、一部のデータ列を抽出する区分デー
    タ列抽出手段と、 前記区分データ列抽出手段によって抽出されたデータ列
    から位相の時間変化を算出し、この算出した位相の時間
    変化を示すデータに最小二乗法を用いたフィッティング
    を行い、前記位相の時間変化の2次以上の変化成分を検
    出し、この検出結果から前記二次以上の変化成分を低減
    させる位相補償量を算出する第1位相補償量算出手段
    と、 前記第1位相補償量算出手段によって算出された位相補
    償量に応じて前記レンジビン決定手段によって取り出さ
    れたデータ列を補償する第1位相補償手段と、 前記第1位相補償手段によって位相補償された後のデー
    タ列から位相の時間変化を算出し、この算出した位相の
    時間変化を示すデータに最小二乗法を用いたフィッティ
    ングを行い、前記前記位相の時間変化の二次以上の変化
    成分を検出し、この検出結果から前記二次以上の変化成
    分を低減させる位相補償量を算出する第2位相補償量算
    出手段と、 前記第1位相補償量算出手段によって得られた位相補償
    量及び前記第2位相補償量算出手段によって得られた位
    相補償量とに基づき、前記反射波の受信信号列を補償す
    る第2位相補償手段とを有することを特徴とする位相補
    償回路。
  5. 【請求項5】 前記線形位相補償手段によって位相補償
    されたデータ列の中から、特定の周波数以外の信号成分
    を除去するフィルタとを有し、前記位相アンラップ手段は、前記フィルタによって信号
    成分が除去されたデータ列から位相の時間変化を算出
    し、この算出した位相の時間変化の内、位相の折り返し
    を除去する ことを特徴とする請求項2記載の位相補償回
    路。
  6. 【請求項6】 前記レンジビン決定手段は複数のレンジ
    ビンのデータ列を取り出し、前記位相補償量算出手段は
    前記複数のレンジビンのデータ列ごとに位相補償量を算
    出し、 前記位相補償量算出手段によって複数のレンジビンごと
    に算出された複数の位相補償量に基づき、位相補償量を
    修正する位相補償量修正手段を有し、 前記位相補償手段は、前記位相補償量修正手段によって
    修正された位相補償量に基づき、前記反射波の受信信号
    列を補償することを特徴とする請求項1記載の位相補償
    回路。
  7. 【請求項7】 前記位相補償量修正手段は、前記複数の
    レンジビンごとに算出された位相補償量の平均値を適切
    な位相補償量とすることを特徴とする請求項記載の位
    相補償回路。
  8. 【請求項8】 前記位相補償量修正手段は、前記複数の
    レンジビンごとに算出された複数の位相補償量の分布の
    内、この分布の棄却領域に含まれる位相補償量を棄却
    し、棄却後に残された位相補償量の平均値を適切な位相
    補償量とすることを特徴とする請求項記載の位相補償
    回路。
  9. 【請求項9】 移動する目標に対して電波を送信する送
    信手段と、 前記目標からの反射波を受信する受信手段と、 前記受信手段によって受信された受信信号列から特定の
    レンジビンのデータ列を取り出すレンジビン決定手段
    と、 前記レンジビン決定手段によって取り出されたデータ列
    から位相の時間変化を算出し、この算出した位相の時間
    変化の内、位相の折り返しを除去する位相アンラップ手
    段と、 前記位相アンラップ手段によって位相の折り返しが除去
    された位相の時間変化を示すデータに最小二乗法を用い
    たフィッティングを行い、前記位相の時間変化の二次以
    上の変化成分を検出し、この検出結果から 前記二次以上
    の変化成分を低減させる位相補償量を算出する位相補償
    量算出手段と、 前記位相補償量算出手段によって得られた位相補償量に
    応じ、前記受信手段によって受信された受信信号列を補
    償する位相補償手段とを有することを特徴とするレーダ
    装置。
  10. 【請求項10】 移動する目標に対して電波を送信し、
    前記目標からの反射波を受信して前記目標の画像を得る
    ため、前記目標の移動に伴う前記反射波の位相の変化を
    補償する位相補償方法であって、 前記反射波の受信信号列から特定のレンジビンのデータ
    列を取り出すレンジビン決定ステップと、 前記レンジビン決定ステップによって取り出されたデー
    タ列から位相の時間変化を算出し、この算出した位相の
    時間変化の内、位相の折り返しを除去する位相アンラッ
    プステップと、 前記位相アンラップステップによって位相の折り返しが
    除去された位相の時間変化を示すデータに最小二乗法を
    用いたフィッティングを行い、前記位相の時間変化の二
    次以上の変化成分を検出し、この検出結果から 前記二次
    以上の変化成分を低減させる位相補償量を算出する位相
    補償量算出ステップと、 前記位相補償量算出ステップによって得られた位相補償
    量に応じて前記反射波の受信信号列を補償する位相補償
    ステップとを有することを特徴とする位相補償方法。
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