JP5979868B2 - 画像レーダ装置 - Google Patents
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特に、目標と画像レーダ装置の間の相対運動が未知、またはその推定結果に誤差が含まれる場合においても、距離の時間変化の影響で発生する画像のぼけを受信信号に基づいて補償することのできる画像レーダ装置に関するものである。
このうち、SARは例えば地表面などの観測対象を、レーダが空間内を移動しながら観測して、得られたレンジプロフィールを適切に合成することで、あたかも大口径のアンテナを空間に配置したような効果を得て、レンジに直交するクロスレンジ方向についても高分解能化させたレーダ画像を得る。一方、ISARでは、逆に、運動する目標をレーダで観測することで、SARと同様の効果を得てクロスレンジ方向を高分解能化させたレーダ画像を得る。例えば、目標に固定された座標系内でのレーダ位置の変化を考えれば、SARと同じ効果が得られることが理解しやすい。
ここでは、相対運動によるレーダと目標上の反射点の距離の変化を、
「レーダと目標中心の間の距離の変化」と「目標中心を中心とした回転運動」の合成に運動により発生したと考えるモデルを採用する。
なお、厳密には、回転運動の影響によっても、各反射点は観測中に分解能セルを越えて移動して、画像がぼける可能性がある。これは、観測中の目標の総回転角が大きくなるにつれ、また、目標寸法が大きくなるにつれ顕著に現れる。このぼけを補償するためには、何らかの方法で回転の影響を推定し、これを補償する必要があるが、この補償は、並進運動補償の適用範囲外であり、以下では、回転によるぼけは発生はほとんど発生しない、すなわち、並進運動補償を行うのみで、レーダ画像は実用上問題ないレベルで結像するものとする。
図1は、この発明の実施の形態1による画像レーダ装置を示す構成図である。
図1に示す画像レーダ装置は、レンジヒストリ出力回路10、第1の1次補償量推定/補償回路20、2次補償回路30、第2の1次補償量推定/補償回路40、高次補償量推定/補償回路50、画像再生回路60、2次変化係数推定回路100を備えている。
図示のように、2次変化係数推定回路100は、入力したレンジヒストリをレンジ方向にフーリエ変換してレンジスペクトルヒストリを生成するレンジスペクトルヒストリ算出回路110と、レンジスペクトルヒストリのレンジ周波数毎に、受信信号の各スロータイムにおけるドップラー周波数分布であるドップラーヒストリを算出するレンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120と、入力したドップラーヒストリを2次元画像とみなし、その画像上の反射点の軌跡の傾きであるドップラー1次変化係数の各候補の確からしさを表すドップラー変化係数評価指標分布を、2次元フーリエ変換の性質を利用して算出するFT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130と、上記ドップラー変化係数評価指標分布上の線積分結果に基づいて2次変化係数を推定する線積分型2次変化係数算出回路140を備えている。
図示のように、レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120は、入力したレンジスペクトルヒストリについてのレンジ周波数ごとのヒット方向に並ぶデータ列を抽出するレンジ周波数毎データ抽出回路121と、入力したヒット方向に並ぶデータ列を時間周波数分析して、ドップラーヒストリを算出する時間周波数分析回路122を備えている。
図示のように、FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130は、入力した2次元画像を2次元フーリエ変換してその画像のスペクトル分布(画像スペクトル)を算出する画像スペクトル算出回路131と、画像スペクトルの原点を通り、元の画像上の傾きの各候補に対応した傾きの直線上の経路に沿って画像スペクトルの線積分を行う画像スペクトル線積分回路132と、各レンジ周波数、各候補傾きにおける線積分値を、各レンジ周波数における各候補ドップラー変化係数の確からしさの評価指標として蓄積するドップラー変化係数評価指標分布蓄積回路133とを備えている。
図7は、ドップラーヒストリの模式図である。
図8は、FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130の動作を説明する画像および画像スペクトルの模式図である。
図9は、FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130の動作を説明する線積分結果の模式図である。
図10は、FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130の動作を説明するドップラー変化係数評価指標分布の模式図である。
レンジヒストリ出力回路10では、従来の画像レーダ装置同様、「内部の送信機11で高周波信号を発生し、これを、送受切換器12、送受信アンテナ13を介して目標に照射し、そして、目標により散乱された散乱電波の一部を送受信アンテナ13で受けて、送受切換器12を介して受信機14で受信し、これを、レンジ圧縮器15で一般的なパルス圧縮等の処理を利用してレンジ方向の分解能を向上したレンジプロフィールを得る」という一連の処理を、目標とレーダの間の相対位置関係を変えながら繰り返し、レンジヒストリを得る。
2次変化係数推定回路100では、このb2を推定することを目的とする。この具体的な処理については後で詳述する。
例えば、1段目の処理で1次変化を完全に補償できる見込みがある場合は2段目を省くことができる。
また、本実施の形態で、後述するようにレンジヒストリの全レンジのデータを用いて2次補償量を推定するような場合には、1段目を省略して、2次補償後に2段目だけを実施するのみでも有効に働くと考えられる。特に、1次補償を2段に分けて有効な場合としては、2次補償量推定時の雑音や干渉の影響低減を目的として、推定に用いる信号を特定の少数の反射点のものに絞りこむような場合などが考えられる。このような場合には、予め大まかにレンジ補償されていれば、そのレンジヒストリの特定のレンジ幅の信号のみを用いることで、そこに含まれる反射点数を低減できる。このような絞込みの処理は、本実施の形態には含まれていないが、後述する別の実施の形態には含まれている。これについては、その際に説明する。
2次変化係数推定回路100におけるレンジスペクトルヒストリ算出回路110では、このレンジヒストリをファストタイムτ方向にフーリエ変換して、レンジスペクトルのヒストリすなわちレンジスペクトルヒストリGτ(fτ,η)を得る。ここに、fτは、ファストタイムに対応する周波数であり、以下レンジ周波数と呼ぶ。
Δτ(η)に対応する位相変化φ(fτ,η)は、次式(5)のようにfτ毎に異なる形で与えられる。
従って、瞬時ドップラー周波数fd(fτ,η)は次式(6)で与えられる。
すなわち、ドップラー周波数はηに対する1次関数になる。
ここで、次式のように、ドップラー周波数をスロータイムηで微分して、これを次式(8)のud(fτ,η)と表す。
時間遅延が2次で表される場合は、ドップラー周波数の1次変化の係数(1次変化係数)は、上式に示されるように、fτ毎に異なる定数ud(fτ)として与えられ、その各値−fτb2と各々のレンジ周波数fτから、fτ毎に2次変化係数b2を算出できる。
ここにNはレンジセル数、Hは画像再生に用いるデータにおける、照射した総パルス数でありヒット数と呼ぶこともある。また、Fsはレンジすなわちファストタイム方向のサンプリング周波数[Hz]、Fprfはスロータイム方向のパルス繰り返し周波数[Hz]である。また、τcは、スロータイム軸上で、サンプリングを開始する遅延時間である。
レンジ周波数Fτ(m)は、中心周波数Fc[Hz]として次式(11)で与えられる。
ここで、m(m=−N/2,…,N/2−1)はレンジ周波数番号である。なお、この表記はNが偶数である場合有効であるが、Nが奇数のときは、m(m=−(N−1)/2,−(N−1)/2+1,…,(N−1)/2)とすればよい。
レンジヒストリについても、Nレンジセル数×Hヒット数の2次元配列データg(n,h)(≡g(τ(n),η(h)))として取り扱うことができる。
その内部のレンジ周波数毎データ抽出回路121では、レンジスペクトルヒストリGτ(m,h)において、レンジ周波数fτ(m)毎(m毎)のヒット方向に並ぶデータ列を抽出して出力する。抽出データ列をSm(η)と表す。
一般的な時間周波数分析法の一つとしては短時間フーリエ変換(Short Time Fourier Transform: STFT)が挙げられる。STFTでは、入力した時間波形に対して、ある設定したスロータイムηを中心とした信号を通過させ、それ以外の時間の信号を阻止させるような重みを乗算した後に、これをフーリエ変換することで、設定時間付近の信号に関するドップラー周波数分布を得る。
この処理を、設定した中心スロータイムをずらして複数回繰り返すことで、各スロータイムに対するドップラー周波数分布であるドップラーヒストリを得る。
なお、各設定時間におけるドップラー周波数分布を得る際に、処理負荷低減のために、重みの値が小さい範囲のデータ棄て、設定時間付近の信号のみを切り出してフーリエ変換するのでも構わない。これについてもSTFTの一種として取り扱う。
なお、スロータイムの離散化に関連して、ドップラー周波数fηも次式(12)のように離散化される。
ここで、k(k=0,…,H−1)はドップラーセル番号である。
FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130では、この点を踏まえてドップラーヒストリの振幅分布の画像スペクトルに基づき、レンジ周波数fτ毎に、ドップラー変化係数ud(fτ)の各候補の確からしさを表すドップラー変化係数評価指標分布を得る。
なお、S(y,x)の、x(x=0,1,…,Nx−1),y(y=0,1,…,Ny−1)は画素番号を表し、Nx,Nyはそれぞれの軸方向の画素数を表す。また、S(fy,fx)の、fx(fx=0,1,…,Nx−1),fy(fy=0,1,…,Ny−1)は各軸方向のスペクトル番号を表す。
前述のドップラーヒストリΓm(fη,η)との関係では、xがドップラーセル番号kに、yがヒットhに対応する。
いずれにしても、画像スペクトル上の傾きAが分かれば、上式の関係に基づいて元の画像上の直線群の傾きaを算出できる。
この考えに基づき、画像スペクトル線積分回路132では、入力画像上の直線群の傾aとして予想される値を一つ以上用意して、各々に応じた画像スペクトル上の積分経路を積分経路群として設定する。
fxsml0(iy)とfxlrg0(iy)が、0かNx−1の間の外の値を指す場合があることを踏まえ、次式(24)(25)により、それぞれに対応する画素番号fxsml(iy),fxlrg(iy)を得る。
(a)S(fy,fx)をそのまま用いる方法
(b)S(fy,fx)の原点からfy方向に離れるに従って信号の大きさが小さくなって傾きの検出感度が劣化してしまう場合を考慮し、S(fy,fx)の値を各fyにおいてS(fy,*)(ここで*は、画像スペクトルのfx方向の画素番号0からNx−1の全てを表す表現である)の最大値や2乗総和値等で正規化した画像スペクトル(以下、直線強調画像スペクトル)を用いる方法
(c)上記の(b)と同様の目的で、各fyの2乗総和値で画像スペクトルを正規化するが、その際、後段の処理を考慮して、上記正規化後の全画像スペクトルの画素の値を、さらに元のS(fy,fx)の全画素についての2乗総和値で割った画像スペクトル(以下総電力保持直線強調画像スペクトル)を用いる方法
等様々に考えられる。以下の説明では、上記(a)(b)(c)いずれの方法で得られた画像スペクトルについても、画像スペクトルS1(fy,fx)と表現する。
により線積分値Z0を得ることにする。なお、重みW(iy)については、その総和がある一定値Wt、(ただしWt>0)すなわち、次式(28)を満足するように設定する。
すなわち、Z0(ia)は、ドップラー周波数の変化係数の候補ucand(ia)に対する確からしさを表すとも言える。
ドップラー変化係数評価指標分布蓄積回路133では、レンジ周波数fτ毎に入力したドップラーヒストリについて上述の画像スペクトル算出回路131、画像スペクトル線積分回路132を実施した結果得られるドップラー変化係数評価指標分布を、そのドップラー周波数の変化係数の候補と共に蓄積する。そして、FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130では、レンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布を出力する。
レンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布をEv(ud、fr)と表す。ドップラー周波数の1次変化係数ud(fr)は、遅延時間が2次変化で与えられる場合、式(8)に示したようにレンジ周波数fτに比例して、かつ、その傾き−b2に遅延時間の2次変化係数b2の情報が含まれる。すなわち、b2の推定を、画像上の直線の傾き推定問題に帰着させて解くことができる。
そして、各ibについて、(fτ(m),u0(ib、m))の組で定まる積分経路に沿ってEv(ud、fτ)を積分する。
その際、画像スペクトル線積分回路132の場合と同様、u0(ib,m)が小数の場合を考慮し、u0(ib,m)に隣接する整数画素の値を、u0(ib,m)の値に応じて線形補間した値Eintp(ib,m)を得る。そして、これを次式(31)のように積分して各候補値番号ibについての線積分値を得る。
この値を最大とするibをibestとする。線積分型2次変化係数算出回路140では、最終的に、遅延時間の2次変化係数の推定値b2estを、次式(32)に示すように、上記線積分値が最大となった場合の2次変化係数候補とする。
(a)目標上の各反射点がレンジ移動をする場合も、その信号の連続性を保つようにレンジヒストリをレンジ方向に信号処理した上で、スロータイム方向に並ぶデータを用いた推定処理を行うので、このような状況における2次遅延時間変化係数の推定精度、言い換えると、画像をぼけさせないための補償量の推定精度を向上させることができる。
図11は、実施の形態2の画像レーダ装置における2次変化係数推定回路100の構成を示す図である。
実施の形態2の2次変化係数推定回路100は、レンジスペクトルヒストリ算出回路110、レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120、FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130、FT型2次変化係数算出回路210を備えている。ここで、レンジスペクトルヒストリ算出回路110〜FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130は、実施の形態1と同様であるため、その説明は省略する。
本実施の形態は、実施の形態1における図3と図11との比較から分かる通り、2次変化係数推定回路100において、線積分型2次変化係数算出回路140がFT型2次変化係数算出回路210に変わった部分のみが実施の形態1と異なる。
ここでは、次式(33)で与えられる各レンジ周波数fτにおけるドップラー周波数の1次変化係数ud(fτ)の、fτに関する1次微分γが、fτによらず一定で、かつ、Ev(ud,fτ)上の軌跡の傾きに相当し、かつ、そこにb2の情報が含まれることを踏まえ、b2の推定問題を画像上の直線の傾き推定問題に帰着させて解く。
FT型2次変化係数算出回路210でも、この考え方に基づき軌跡の傾きを推定し、これをb2に換算する。
ここで得られた傾きは、レンジ周波数が1セル分増える間に、ドップラー周波数の1次変化係数候補が何ステップ変化したかを表す値であり、レンジ周波数が1[Hz]変化する間の、ドップラー1次変化係数[Hz/s]の変化量に換算する必要がある。
2次変化係数換算回路212では、まず、この換算を行う。
ドップラー周波数の1次変化係数候補の1ステップは、FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130内の画像スペクトル線積分回路132で、線積分の傾きの1ステップをどのような値にしたかに依存する。ここでは、この値をΔaとおく(なお、この値は、傾き候補の設定例を示した式(15)に基づくとWa/Naと定まる)。
従って、ドップラー周波数の1次変化係数候補の1ステップは、式(29)を踏まえてΔaFprf 2/Hとなる。よって、γの推定値γestは次式(34)で得られる。
図13は、実施の形態3における画像レーダ装置の2次変化係数推定回路100の構成を示す図である。
実施の形態3の2次変化係数推定回路100は、レンジスペクトルヒストリ算出回路110、レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120、FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130、Hough型2次変化係数算出回路310を備えている。ここで、レンジスペクトルヒストリ算出回路110〜FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130は、実施の形態1と同様である。Hough型2次変化係数算出回路310は、遅延時間の2次変化係数の推定を画像上の直線の傾き推定問題に帰着させ、これを直線検出方法として一般的なHough変換に基づいて推定する回路である。
本実施の形態においても、実施の形態2と同様、Ev(ud,fτ)上の軌跡の傾きに基づいて遅延時間の2次変化係数b2を推定する。
実施の形態2では、Ev(ud,fτ)を画像とみなし、この画像上の軌跡の傾きaestを2次元フーリエ変換の性質を利用して推定した。実施の形態3では、これを画像内の直線検出方法として一般的なHough変換に基づき推定する。
次に、実施の形態2で説明した2次変化係数換算回路212と同様に、式(34)によりγestを算出し、式(35)により最終的に遅延時間の2次変化係数b2の推定値b2estを得る。これ以前及び以降の処理は実施の形態1または実施の形態2と同様である。
図14は、実施の形態4における画像レーダ装置の2次変化係数推定回路100の構成を示す図である。
実施の形態4の2次変化係数推定回路100は、レンジスペクトルヒストリ算出回路110、レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120、FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130、Fit型2次変化係数算出回路410を備えている。ここで、レンジスペクトルヒストリ算出回路110〜FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130は、実施の形態1と同様である。Fit型2次変化係数算出回路410は、遅延時間の2次変化係数の推定を画像上の直線の傾き推定問題に帰着させ、これを、各レンジ周波数における評価指標のピーク検出と、ピーク位置に対するフィッティングにより実現する回路である。
本実施の形態においても、実施の形態2、実施の形態3と同様に、Ev(ud,fτ)を画像とみなし、この画像上に存在する軌跡の傾きに基づいて遅延時間の2次変化係数b
2を推定する。
本実施の形態では、Fit型2次変化係数算出回路410で、まず、Ev(ud,fτ)の各fτ(m)[Hz]におけるEv(ud,fτ)を最大とするud[Hz/m]であるudmax(m)を得る。
次に、N組の(fτ(m),udmax(m))のペアに対して一般的な1次の最小2乗法を適用して、(fτ(m),udmax(m))に最もフィットする1次関数ud=γestfτ+ud0を得る。ここで得られているγestは、式(33)に示したドップラー周波数の1次変化係数のレンジ周波数に対する1次変化γの推定値であり、式(34)で得られたγest同様、式(35)に基づいて、遅延時間の2次変化係数の推定値b2estに換算できる。これ以前及び以降の処理は実施の形態1〜3のいずれかと同様である。
図15は、実施の形態5の画像レーダ装置における2次変化係数推定回路100の構成を示す図である。
実施の形態5の2次変化係数推定回路100は、レンジスペクトルヒストリ算出回路110、レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120、FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130、Count型2次変化係数算出回路510を備えている。ここで、レンジスペクトルヒストリ算出回路110〜FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130は、実施の形態1と同様である。Count型2次変化係数算出回路510は、各レンジ周波数におけるドップラー変化係数評価指標分布から各々の2次変化係数を推定し、推定値の出現分布に基づいて最終的な2次変化係数を推定する回路である。
Count型2次変化係数算出回路510では、まず、各fτ(m)におけるEv(ud,fτ)を最大とするud[Hz/m]であるudmax(m)をピーク探索に基づき決定する。
次に、式(8)に基づいて、各々次式(36)のように遅延時間の2次変化係数b2の推定値b2est0(m)を得る。
(a)値が大きく外れた、いわゆる外れ値を除いた全推定値の平均値を推定値とする方法(外れ値検出の閾値については、ばらつきの標準偏差を基準に設定する)
(b)外れ値の影響を受けにくいように全推定値の中央値を推定値とする方法
(c)外れ値の影響を受けにくいように全推定値の出現頻度が最大となった値を推定値する方法(その際必要に応じて、同じ値とみなしてよい値の幅を設定)
等が考えられる。
2次変化係数推定以前、および以降の処理は、これまでの実施の形態と同じである。
図16は、実施の形態6の画像レーダ装置における2次変化係数推定回路100の構成を示す図である。
実施の形態6の2次変化係数推定回路100は、レンジスペクトルヒストリ算出回路110、レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120、FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130、総合Count型2次変化係数算出回路610を備えている。ここで、レンジスペクトルヒストリ算出回路110〜FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130は、実施の形態1と同様であるため、その説明は省略する。総合Count型2次変化係数算出回路610は、各レンジ周波数におけるドップラー変化係数評価指標分布から各々の2次変化係数を推定し、推定値の出現分布に基づいて最終的な2次変化係数を推定する回路である。
本実施の形態でも、実施の形態5同様、式(36)に基づいて各レンジ周波数における2次変化係数b2の推定値b2est0(m)を得る。
そして、次に、ばらつきを考慮して以下の3種類の方法で仮の推定値を得る。
(a)値が大きく外れた、いわゆる外れ値を除いた全推定値の平均値を推定値とする方法(外れ値検出の閾値については、ばらつきの標準偏差を基準に設定する)
(b)外れ値の影響を受けにくいように全推定値の中央値を推定値とする方法
(c)外れ値の影響を受けにくいように全推定値の出現頻度が最大となった値を推定値する方法
総合判定としては、
(d1)結果の多数決
(d2)それぞれの推定結果の加重平均(それぞれの推定方法に事前に重み付けしておく)
(d3)結果の中央値
のいずれかを実施する。
(a)全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値のうち、値が他から大きく外れたものを省いた上で,残りを平均した値
(b)全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値の中央値
(c)全レンジ周波数について得られた2次変化係数のうちの出現頻度が最大となった値
を各々定め、これら(a)(b)(c)で得られた値のうちの出現頻度が最大となった値を推定値として出力する総合Count型2次変化係数算出回路を備えたので、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、さらに推定精度を向上させることができる。
(a)全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値のうち、値が他から大きく外れたものを省いた上で、残りを平均した値
(b)全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値の中央値
(c)全レンジ周波数について得られた2次変化係数のうちの出現頻度が最大となった値
を各々定め、これら(a)(b)(c)で得られた値の加重平均値を推定値として出力する総合Count型2次変化係数算出回路を備えたので、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、さらに推定精度を向上させることができる。
(a)全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値のうち、値が他から大きく外れたものを省いた上で、残りを平均した値
(b)全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値の中央値
(c)全レンジ周波数について得られた2次変化係数のうちの出現頻度が最大となった値
を各々定め、これら(a)(b)(c)で得られた値の中央値を推定値として出力する総合Count型2次変化係数算出回路を備えたので、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、さらに推定精度を向上させることができる。
図17は、実施の形態7の画像レーダ装置における2次変化係数推定回路100の構成を示す図である。
実施の形態7の2次変化係数推定回路100は、レンジスペクトルヒストリ算出回路110、レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120、FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130、評価指標分布総合型2次変化係数算出回路710を備えている。ここで、レンジスペクトルヒストリ算出回路110〜FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130は、実施の形態1と同様である。評価指標分布総合型2次変化係数算出回路710は、各レンジ周波数におけるドップラー変化係数評価指標分布の横軸を、レンジ周波数の値に基づいて変換した上で、各々のドップラー変化係数評価指標分布を総合して、これに基づいて最終的な2次変化係数を推定する回路である。
本実施の形態では、各レンジ周波数fτ(m)における、ドップラー周波数の1次変化係数udの候補ucand(ia)に対する評価指標分布をEv(ia,m)と表す。
これを式(8)の関係に基づいて、次式(37)で得られるb2の候補値b2cand(m,ia)に対する評価指標分布とみなす。
なお、b2cand2(m,ia)とb2cand2(ia2)の値が一致しない場合は、そこにおけるEv(ia,m)の値も存在しない。そこで、b2cand2(ia2)における評価指標値については、既にあるucand(ia)に対する評価指標分布Ev(ia,m)に基づいて、リサンプルした値を用いる。リサンプルの方法は一般的なもの、例えば、最近傍近似、線形近似、スプライン補間…を用いればよい。
これ以外の処理はこれまでの実施の形態と同じである。
図18は、実施の形態8の画像レーダ装置における2次変化係数推定回路100の構成を示す図である。
実施の形態8の2次変化係数推定回路100は、レンジスペクトルヒストリ算出回路110、レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120、Hough型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路810、線積分型2次変化係数算出回路140を備えている。ここで、レンジスペクトルヒストリ算出回路110、レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120および線積分型2次変化係数算出回路140は、実施の形態1と同様である。Hough型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路810は、Hough変換に基づいてドップラー変化係数評価指標分布を算出する回路である。
Hough型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路810では、レンジ周波数毎に入力したドップラーヒストリに対して、傾きと切片(例えばx−y平面内の直線y=ax+bにおける傾きaと切片b)を様々に仮定して画像の線積分を実施した結果を、傾きa−切片b平面の各位置に配置し、そのピーク位置から画像内に存在する直線の傾きaと切片bを推定するHough変換を利用して、次に、「設定した各傾きにおける全bの線積分最大値」を各傾き候補acand(ia)についての確からしさの評価指標Z0(ia)とする。なお、線積分においては、指定されたドップラー周波数位置が小数になる可能性がある。この場合は既に説明した段落[0064]から[0067]付近に示した実施の形態1と同様の処理により隣接する画素の補間により値を求めれば良い。
これらを用いた2次変化係数の推定方法は実施の形態1と同じである。
図19は、実施の形態9の画像レーダ装置における2次変化係数推定回路100の構成を示す図である。
実施の形態9の2次変化係数推定回路100は、レンジスペクトルヒストリ算出回路110、レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120、Fit型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路910、線積分型2次変化係数算出回路140を備えている。ここで、レンジスペクトルヒストリ算出回路110、レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120および線積分型2次変化係数算出回路140は、実施の形態1と同様である。Fit型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路910は、各レンジ周波数におけるドップラーヒストリの、各スロータイムにおけるドップラー周波数分布の振幅最大ドップラー周波数の位置の検出結果に最小二乗法を適用して、スロータイムに対する振幅最大ドップラー周波数位置の変化を1次関数で近似した場合のその変化係数の推定値を得て、この値及び予想される推定誤差に基づいてドップラー変化係数評価指標分布を算出する回路である。
Fit型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路910は、まず、レンジ周波数fτ(m)毎に入力したドップラーヒストリの各スロータイムにおけるドップラー周波数分布の振幅最大ドップラー周波数の位置を検出する。
次に、こうして得られた各スロータイムと振幅最大ドップラー周波数の組に対して1次の最小二乗法を適用して、振幅最大ドップラー周波数の1次変化の係数の仮の推定値uest0(m)を得る。
各スロータイムη(h)における振幅最大ドップラー周波数の計測値をf1(h)、一次直線上の値をffit(h)とすると、次式(38)によりrms値σを得る。
全fτ(m)で得られたZ0(ia)を、ここでは、レンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布として出力する。
なお、前式でσを用いずに、何らかの形で事前に設定した値をσとしても構わない。その際は、全式の計算は不要になる。
以下の処理は、これまでの実施の形態と同じである。
図20は、実施の形態10の画像レーダ装置における2次変化係数推定回路100の構成を示す図である。
実施の形態10の2次変化係数推定回路100は、レンジスペクトルヒストリ算出回路110、レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120、2次変化係数候補設定型2次変化係数算出回路1010を備えている。ここで、レンジスペクトルヒストリ算出回路110およびレンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120は、実施の形態1と同様である。2次変化係数候補設定型2次変化係数算出回路1010は、遅延時間の2次変化係数の候補を設定し、これを、各レンジ周波数毎に、ドップラー周波数の1次変化係数の候補に換算した上で、各レンジ周波数毎に、そのドップラー1次変化係数候補についてのドップラー変化係数評価指標分布を生成し、これを、2次変化係数の候補毎に統合して、2次変化係数候補についての評価指標分布とした上で、これを最大とする2次変化係数候補を2次変化係数の推定値として出力する回路である。
本実施の形態では、実施の形態7同様、複数のレンジ周波数におけるドップラー周波数の1次変化係数候補に対する評価指標分布を統合した上で、これを用いて遅延時間の2次変化係数を推定する。
実施の形態7では、ドップラー周波数の1次変化係数候補が既に別途定まっているという前提であったため、この候補値をレンジ周波数に応じて補正して2次変化係数候補に直して、最終的に評価指標分布を統合する際に評価指標分布のリサンプル等を必要とした。ここでは、先に、全レンジ周波数で共通の2次変化係数候補b2cand2(ia2)(ia2=1,2,…))を設定し、これを、次式(39)に基づいて、各レンジ周波数fτ(m)ごとのドップラー周波数の1次変化係数候補ucand3(ia2,m)とする。
よって、これをそのままレンジ周波数方向に平均処理することで、実施の形態7と同じく、b2cand2(ia2)に対する評価指標分布Z2(ia2)を得ることができる。このZ2(ia2)を最大とするb2cand2(ia2)をb2の推定結果とするのは実施の形態7と同じである。
図21は、実施の形態11の画像レーダ装置の構成を示す図である。
実施の形態11の画像レーダ装置は、レンジヒストリ出力回路10、第1の1次補償量推定/補償回路20、2次補償回路30、第2の1次補償量推定/補償回路40、高次補償量推定/補償回路50、画像再生回路60、2次変化係数推定回路100、2次変化係数推定前処理回路1100を備えている。ここで、レンジヒストリ出力回路10〜2次変化係数推定回路100は、図1に示した実施の形態1と同様であるため、ここでの説明は省略する。2次変化係数推定前処理回路1100は、入力したレンジヒストリを処理して出力する回路である。
図示のように、2次変化係数推定前処理回路1100は、入力したレンジヒストリに対してレンジ(ファストタイム)に依存して変化する重みを乗じて、その結果を出力する信号抽出重み回路1110を備えている。
これを実現するために、信号抽出重み回路1110では、抽出したいレンジセル付近の信号を適切に抽出するための重みを乗じる。例えば、注目するレンジを中心とした適当な幅の一般的な重み(例えば、矩形、ガウス、ハニング、ハミング、テイラー、チェビシェフ等)、または、一般的ではない形状の適当な重み(例えば、ある注目する複数の反射点の信号を抽出するために、一般的な重みをレンジ方向にずらして複数の通過帯域を持つようにしたもの、その他目的を踏まえて設定した任意形状の重み)を用いても構わない。
そして、重みを乗じた後のレンジヒストリを出力する。
図23は、実施の形態12の画像レーダ装置における2次変化係数推定前処理回路1100の構成を示す図である。
実施の形態12における2次変化係数推定前処理回路1100は、入力したレンジヒストリに対して、ある注目するレンジ範囲のみを切り出した上で、これに、必要に応じてレンジ(ファストタイム)に依存して変化する重みを乗じた上で、その結果を出力する信号抽出重み切出回路1210を備えている。その他の構成は、実施の形態11と同じであり、実施の形態11と同様に、2次変化係数推定前処理回路1100以外の処理としては、これまで説明してきたいずれの処理を用いてもよい。
そして、必要に応じて、この切り出したレンジヒストリに信号抽出重み回路1110と同様、適当な重みを乗じた上で、これを出力する。
信号抽出重み切出回路1210においても、信号抽出重み回路1110と同様に、目標信号の存在しないレンジ領域の重みを十分小さくして、その領域の雑音の影響を低減、注目する反射点が含まれるレンジ以外の領域の重みを十分小さくして、ドップラーヒストリに含まれる反射点数を減らすことで、反射点間の干渉による推定精度劣化を回避して、推定精度を向上させることを目的とするが、特に信号抽出重み回路1110と比較して、注目するレンジセル付近の信号のみを切り出すことで、データの点数を減らし、これ以降の処理における処理負荷を低減させることも目的とする。
こうして得られたレンジヒストリを出力する。
図24は、実施の形態13の画像レーダ装置における2次変化係数推定前処理回路1100の構成を示す図である。
実施の形態13の2次変化係数推定前処理回路1100は、入力したレンジヒストリに対して、ある注目するレンジ範囲のみを切り出し、これに、レンジ(ファストタイム)に依存して変化する重みを乗じて、重み乗算かつ切り出し後のレンジヒストリを得る処理を、異なるレンジ範囲で複数回繰り返し、得られた各レンジヒストリ加算して後段の処理に用いるレンジヒストリを生成する信号抽出重み切出加算回路1310を備えている。その他の構成は、実施の形態11と同じであり、実施の形態11同様、2次変化係数推定前処理回路1100以外の処理としては、これまで説明してきたいずれの処理を用いてもよい。
これにより、レンジ位置が離れた反射点の信号を後段の処理で同時に用いることができるようになる。これと同じ効果を持つものとして、実施の形態11で述べた重みで、重み形状を複峰性にするようなものがあるが、これに比べてレンジセル数の削減に基づく処理負荷低減効果がある。
なお、各レンジヒストリの切り出しレンジ幅Nj(j=1,2,…,J))は必ずしも一致する必要はない。総和の際は、存在するレンジ幅の分だけ用いればよい。出力のレンジ幅は上記Njの最大値となる。
こうして得られたレンジヒストリを出力する。
図25は、実施の形態14の画像レーダ装置の構成を示す図である。
実施の形態14の画像レーダ装置は、レンジヒストリ出力回路10、第1の1次補償量推定/補償回路20、2次補償回路30、第2の1次補償量推定/補償回路40、高次補償量推定/補償回路50、画像再生回路60、データ複数抽出型前処理回路1410、複数データ抽出型2次変化係数推定回路1420を備えている。ここで、レンジヒストリ出力回路10〜画像再生回路60は、図1に示した実施の形態1と同様であるため、ここでの説明は省略する。データ複数抽出型前処理回路1410は、入力したレンジヒストリについて、レンジ範囲やレンジ方向の重みを必要に応じて変えたレンジヒストリを出力する回路であり、複数データ抽出型2次変化係数推定回路1420は、入力した複数種類のレンジヒストリの各々について遅延時間の2次変化係数を推定して、各推定結果を統合して、最終的な2次変化係数の推定結果を出力する回路である。
実施の形態14の複数データ抽出型2次変化係数推定回路1420は、2次変化係数推定回路100と2次変化係数推定結果統合判定回路1421を備えている。2次変化係数推定回路100は、既に実施の形態1から実施の形態10で詳述した2次変化係数推定回路であり、入力したレンジヒストリ数に応じて複数個用意されている。これらは、同じ種類であっても異なる種類であっても構わない。また、2次変化係数推定結果統合判定回路1421は、各々の2次変化係数推定回路で推定された2次変化係数推定結果を統合して最終的な2次変化係数推定結果を得る回路である。これ以外の処理は、これまでの実施の形態と同じである。
本実施の形態では、入力するレンジヒストリや2次変化係数の推定方法を複数種類変えて2次変化係数を複数回推定し、得られた結果を総合判定して最終的な2次変化係数を得る。
データ複数抽出型前処理回路1410では、これまでの実施の形態で説明したような、重みまたは切り出しレンジ幅を変えたレンジヒストリを複数、または、異なる種類の推定方法を適用することを想定して、同一のレンジヒストリを複数、または、これらの組み合わせの複数のレンジヒストリを、後段の2次変化係数推定回路100の構成に応じて出力する。
具体的には、
(a)値が大きく外れた、いわゆる外れ値を除いた全推定値の平均値を推定値とする方法(外れ値検出の閾値については、ばらつきの標準偏差を基準に設定する)
(b)外れ値の影響を受けにくいように全推定値の中央値を推定値とする方法
(c)外れ値の影響を受けにくいように全推定値の出現頻度が最大となった値を推定値する方法
(d)上記の(a)〜(c)の結果の多数決
(e)上記の(a)〜(c)の結果の加重平均(それぞれの推定方法に事前に重み付けしておく)
(f)上記の(a)〜(c)の結果の中央値
などを実施する。
(a)値が大きく外れた値である外れ値を除いた全推定値の平均値を推定値とする方法(外れ値検出の閾値については、ばらつきの標準偏差を基準に設定する)
(b)全推定値の中央値を推定値とする方法
(c)全推定値の出現頻度が最大となった値を推定値する方法
(d)(a)〜(c)の結果の多数決
(e)(a)〜(c)の結果の加重平均(それぞれの推定方法に事前に重み付けしておく)
(f)(a)〜(c)の結果の中央値
のいずれか一つ以上の方法で最終的な2次変化係数の推定値を得る2次変化係数推定結果統合判定回路を備えたので、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、推定精度の向上に寄与することができる。
図27は、実施の形態14の画像レーダ装置における複数データ抽出型2次変化係数推定回路1420の構成を示す図である。
実施の形態15の複数データ抽出型2次変化係数推定回路1420は、複数の2次変化係数推定部分回路1510と、複数データCount型2次変化係数算出回路1520を備えている。複数の2次変化係数推定部分回路1510は、入力したレンジヒストリについて、ドップラー周波数の1次変化係数の評価指標分布を算出する回路であり、複数設けられている。複数データCount型2次変化係数算出回路1520は、入力した複数のドップラー変化係数評価指標分布に基づいて2次変化係数を推定する回路である。他の構成は、実施の形態14と同様である。
図示のように、2次変化係数推定部分回路1510は、レンジスペクトルヒストリ算出回路110、レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路120、FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130を備えている。これらレンジスペクトルヒストリ算出回路110〜FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130の構成は、例えば実施の形態1の図3で示したものと同様である。しかし、このうちのFT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130については、これまでの実施の形態で、同じ目的を持つ別の構成の回路を説明した。例えばHough型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路810、Fit型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路910である。よって、FT型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路130をこれら別の回路に変えてもよい。
2次変化係数推定部分回路1510では、各々入力したレンジヒストリについて、ドップラー変化係数評価指標分布を算出して出力する。複数データCount型2次変化係数算出回路1520では、入力した複数のドップラー変化係数評価指標分布に基づいて遅延時間の2次変化係数を推定する。
まず、各々のz番目の入力ドップラー変化係数評価指標分布の各レンジ周波数におけるピーク位置から、それぞれの、1次変化係数udmax(m,z)をピーク探索に基づき決定する。
次に、式(8)に基づいて、各々次式(40)のように遅延時間の2次変化係数b2の推定値b2est0(m,z)を得る。
m、zを変えて得られた複数の2次変化係数推定値b2est0(m,z)にばらつきが生じることも考慮して、その出現分布からb2estを推定する。
(a)値が大きく外れた、いわゆる外れ値を除いた全推定値の平均値を推定値とする方法(外れ値検出の閾値については、ばらつきの標準偏差を基準に設定する)
(b)外れ値の影響を受けにくいように全推定値の中央値を推定値とする方法
(c)外れ値の影響を受けにくいように全推定値の出現頻度が最大となった値を推定値する方法
(d)上記の(a)〜(c)の結果の多数決
(e)上記の(a)〜(c)の結果の加重平均(それぞれの推定方法に事前に重み付けしておく)
(f)上記の(a)〜(c)の結果の中央値
などを実施する。
2次変化係数推定以前、および以降の処理は、これまでの実施の形態と同じである。
(a)値が大きく外れた値である外れ値を除いた全推定値の平均値を推定値とする方法(外れ値検出の閾値については、ばらつきの標準偏差を基準に設定する)
(b)全推定値の中央値を推定値とする方法
(c)全推定値の出現頻度が最大となった値を推定値する方法
(e)(a)〜(c)の結果の多数決
(f)(a)〜(c)の結果の加重平均(それぞれの推定方法に事前に重み付けしておく)
(g)(a)〜(c)の結果の中央値
のいずれか一つ以上の方法で最終的な2次変化係数の推定値を得るようにしたので、実施の形態14と同様の効果が得られると共に、より詳細な統合を実現することができる。
図29は、実施の形態16の画像レーダ装置における複数データ抽出型2次変化係数推定回路1420の構成を示す図である。
実施の形態16の複数データ抽出型2次変化係数推定回路1420は、複数の2次変化係数推定部分回路1510と、線積分型2次変化係数算出回路140と、ドップラー変化係数評価指標分布合成回路1610を備えている。ここで、2次変化係数推定部分回路1510は、実施の形態15における2次変化係数推定部分回路1510と同様であり、線積分型2次変化係数算出回路140は、実施の形態1等で説明した線積分型2次変化係数算出回路140と同様である。ドップラー変化係数評価指標分布合成回路1610は、入力した複数のドップラー変化係数評価指標分布を合成して出力する回路である。また、この複数データ抽出型2次変化係数推定回路1420以外の構成は図25に示した構成と同様である。
ドップラー変化係数評価指標分布合成回路1610では、入力した複数のドップラー変化係数評価指標分布を重み付け加算して合成後のドップラー変化計数評価指標分布を得て、これを出力する。ここで重みは全入力で均一としてもいいし、何らかの事前の知識に基づき、データ毎に値を変えてもいい。なお、2次変化係数推定部分回路1510に入力するレンジヒストリのレンジセル数は等しいものとする。仮に切り出しによりレンジセル数が等しくなかった場合においても、レンジセル数を合わせるようにレンジの両端に値が0のセルを追加することでレンジセル数を揃えることができる。
以上により、最終的に遅延時間の2次変化係数の推定結果を出力する。
図30は、実施の形態17の画像レーダ装置における複数データ抽出型2次変化係数推定回路の構成を示す図である。
実施の形態17の複数データ抽出型2次変化係数推定回路1420は、複数の2次変化係数推定部分回路1510と、ドップラー変化係数評価指標分布合成回路1610と、2次変化係数候補設定型2次変化係数算出部分回路1710を備えている。ここで、2次変化係数推定部分回路1510は、実施の形態15、16における2次変化係数推定部分回路1510と同様であり、ドップラー変化係数評価指標分布合成回路1610は、実施の形態16におけるドップラー変化係数評価指標分布合成回路1610と同様である。2次変化係数候補設定型2次変化係数算出部分回路1710は、全レンジ周波数で共通に設定した2次変化係数候補と各レンジ周波数に基づいて、各レンジ周波数におけるドップラー周波数の1次変化係数候補を設定し、その候補についての各レンジ周波数におけるドップラー変化係数評価指標分布を得るように2次変化係数推定部分回路1510に指示を出し、ドップラー変化係数評価指標分布合成回路1610で合成された上記ドップラー変化係数評価指標分布を、各レンジ周波数における、2次変化係数候補についての評価指標分布とみなした上で、これをレンジ周波数方向に総和して、最終的な2次変化係数候補についての評価指標分布を得て、この値を最大とする2次変化係数候補を2次変化係数の推定結果として出力する回路である。
複数データ抽出型2次変化係数推定回路1420以外の構成は図25に示した構成と同様である。
ここでの処理は、実施の形態10での処理を、複数のドップラー変化係数評価指標分布を総合したドップラー変化係数評価指標分布を使用できるように拡張したものである。
そのため、2次変化係数候補設定型2次変化係数算出部分回路1710では、第z番目の2次変化係数推定部分回路1510に入力したレンジヒストリ各々の全レンジ周波数で共通の2次変化係数候補b2cand2(ia2)(ia2=1,2,…))を設定し、これを式(39)を用いて各レンジ周波数fτ(m)ごとのドップラー周波数の1次変化係数候補ucand3(ia2,m)とする。
これを必要に応じて式(29)の関係に基づいて画像上の軌跡の傾き候補等に換算した上で、各入力レンジヒストリ、各レンジ周波数毎に、ドップラー変化係数評価指標分布を得る。
これらを、実施の形態16と同様、ドップラー変化係数評価指標分布合成回路1610で合成し出力する。
この合成により得られたucand3(ia2,m)に対する評価指標分布Z3(ia2,m)は、そのまま全レンジ周波数共通のb2cand2(ia2)に対する評価指標分布になっている。
2次変化係数候補設定型2次変化係数算出部分回路1710では、これをそのままレンジ周波数方向に平均処理することで、実施の形態10と同じく、b2cand2(ia2)に対する評価指標分布Z2(ia2)を得て、このZ2(ia2)を最大とするb2cand2(ia2)をb2の推定結果とする。
Claims (34)
- 高周波信号を目標に対して照射し、当該目標で散乱された高周波信号の一部を受信し、当該受信信号のレンジ方向の分解能をレンジ圧縮してレンジプロフィールを得るという一連の処理を、前記目標とレーダの間の相対位置関係を変えながら繰り返し、得られたレンジプロフィールの時間履歴をレンジヒストリとし、当該レンジヒストリを、前記相対位置関係を考慮して合成することで、前記目標上の電波の反射強度分布を画像として得る画像レーダ装置において、
前記レンジヒストリを、レンジまたはパルスの伝搬遅延時間に相当するファストタイム方向にフーリエ変換して得られるレンジスペクトルヒストリの、各レンジ周波数におけるスロータイム方向に並ぶ信号列の各ドップラー周波数の時間変化に基づいて、目標とレーダの間の距離変化によって発生する伝搬遅延時間のうちのスロータイムに対する2次成分の変化係数を推定する2次変化係数推定回路と、
前記2次変化係数推定回路で推定された伝搬遅延時間の2次変化係数に基づいて、前記レンジヒストリに含まれる前記遅延時間の2次成分の影響で発生したレンジ、位相の変化を補償する2次補償回路とを備えたことを特徴とする画像レーダ装置。 - 2次変化係数推定回路の前段に、目標とレーダの間の距離変化によって発生する伝搬遅延時間の1次変化の影響により発生したレンジ、位相の変化を推定し補償する1次補償量推定/補償回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像レーダ装置。
- 2次変化係数推定回路の後段に、目標とレーダの間の距離変化によって発生する伝搬遅延時間の1次変化の影響により発生したレンジ、位相の変化を推定し補償する1次補償量推定/補償回路を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像レーダ装置。
- 2次変化係数推定回路は、
入力したレンジヒストリをレンジまたはファストタイム方向にフーリエ変換してレンジスペクトルヒストリを算出するレンジスペクトルヒストリ算出回路と、
前記レンジスペクトルヒストリについて、レンジ周波数毎に、そのレンジ周波数におけるスロータイム方向に並ぶ信号列を分析して各スロータイムにおけるドップラー周波数分布であるドップラーヒストリを算出するレンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路と、
前記ドップラーヒストリにおいて、ドップラー周波数のスロータイムに対する変化のうちの1次成分に注目し、その1次変化係数の値の候補を複数設定した上で、各々の候補値について、その値が真の変化係数である確からしさを表す評価指標を算出し、これをドップラー変化係数評価指標分布として前記1次変化係数の候補値と共に出力するドップラー変化係数評価指標分布算出回路と、
レンジ周波数毎に得られた前記ドップラー変化係数評価指標分布を総合して、スロータイムに対する2次成分の変化係数を推定する2次変化係数算出回路とを備え、
前記ドップラー変化係数評価指標分布算出回路は、
入力した2次元画像としてのドップラーヒストリの振幅分布を2次元フーリエ変換、振幅検出してその画像のスペクトル分布としての画像スペクトルを算出する画像スペクトル算出回路と、
入力した前記画像スペクトルの原点を通り、元の画像上の傾きの各候補に対応した傾きの直線上の経路に沿って当該画像スペクトルの線積分を行う画像スペクトル線積分回路と、
前記ドップラーヒストリを画像とみなした場合の画像上の傾きの候補を、当該ドップラーヒストリのスロータイムの時間ステップとドップラー周波数のステップに基づいて、
傾きの候補×ドップラー周波数のステップ/スロータイムのステップ
でドップラー周波数の1次変化係数の候補に換算し、前記線積分結果をドップラー周波数の1次変化係数の各候補の確からしさを表す評価指標とし、前記ドップラー周波数の1次変化係数の候補に対する前記評価指標の分布をドップラー変化係数評価指標分布として蓄積するドップラー変化係数評価指標分布蓄積回路とを備え、
前記2次変化係数算出回路は、
遅延時間の2次変化成分によって発生したドップラー周波数の1次変化の係数(u d )が、レンジ周波数(f τ )と、前記遅延時間の2次変化成分の係数(b 2 )に比例する(u d =−f τ b 2 )性質に基づき、設定した2次変化係数の候補それぞれについて、各レンジ周波数とそれに対応するドップラー周波数の1次変化係数の組で与えられるドップラー変化係数評価指標分布上の積分経路を設定し、その積分経路に沿った線積分値が最大となった前記2次変化成分の係数の候補を推定結果として出力する線積分型2次変化係数推定回路であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の画像レーダ装置。 - レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路は、
入力したレンジスペクトルヒストリから、レンジ周波数毎に、そのレンジ周波数におけるスロータイム方向に並ぶ信号列を抽出して、これを出力するレンジ周波数毎データ抽出回路と、
入力した時刻方向に並ぶ信号列に、ある設定した中心時刻付近の信号を抽出するための重み乗算または切り出しを実施して得られた抽出信号をフーリエ変換することで、その時刻付近の信号の周波数分布を算出する処理を、前記中心時刻を変えて繰り返し、結果として得られる各中心時刻に対する周波数分布をドップラーヒストリとして出力する時間周波数分析回路とを備えたことを特徴とする請求項4記載の画像レーダ装置。 - 2次変化係数算出回路に代えて、
入力した2次元画像として、レンジ周波数毎に得られたドップラー変化係数評価指標分布の振幅分布を2次元フーリエ変換、振幅検出してその画像スペクトルを算出する画像スペクトル算出回路と、
入力した画像スペクトルの原点を通り、元の画像上の傾きの各候補に対応した傾きの直線上の経路に沿って画像スペクトルの線積分を行う画像スペクトル線積分回路と、
前記傾き候補に対する線積分値分布を最大値とする傾き候補番号を探索し出力する線積分最大傾き探索回路と、
前記線積分値を最大とする傾き候補を、入力したレンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布の、レンジ周波数のステップ幅、ドップラー変化係数のステップ幅を用いて
傾き候補×ドップラー変化係数のステップ幅/レンジ周波数のステップ幅
で、ドップラー周波数の1次変化係数のレンジ周波数に対する1次変化係数γを算出し、γ×(−1)により、前記遅延時間の2次変化係数b2の推定値を得る2次変化係数換算回路とを有するFT型2次変化係数算出回路を備えたことを特徴とする請求項4記載の画像レーダ装置。 - 2次変化係数算出回路に代えて、
入力した2次元画像として、レンジ周波数毎に得られたドップラー変化係数評価指標分布の振幅分布に、Hough変換を適用して直線を検出し、得られた直線の傾きを傾き候補として、これを入力したレンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布の、レンジ周波数のステップ幅、ドップラー変化係数のステップ幅を用いて
傾き候補×ドップラー変化係数のステップ幅/レンジ周波数のステップ幅
で、ドップラー周波数の1次変化係数のレンジ周波数に対する1次変化係数γを算出し、γ×(−1)により、前記遅延時間の2次変化係数b2の推定値を得るHough型2次変化係数算出回路を備えたことを特徴とする請求項4記載の画像レーダ装置。 - 2次変化係数算出回路に代えて、
入力した2次元画像として、レンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布の振幅分布のレンジ周波数毎にピーク検出を適用して、振幅を最大とするドップラー変化係数を定め、レンジ周波数毎に定まったこの振幅最大ドップラー変化係数に1次の最小二乗法を適用して、レンジ周波数に対する振幅最大ドップラー変化係数を1次関数で近似し、その傾きを画像上の軌跡の傾きの候補とし、これを入力したレンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布の、レンジ周波数のステップ幅、ドップラー変化係数のステップ幅を用いて
傾き候補×ドップラー変化係数のステップ幅/レンジ周波数のステップ幅
で、ドップラー周波数の1次変化係数のレンジ周波数に対する1次変化係数γを算出し,γ×(−1)により、前記遅延時間の2次変化係数b2の推定値を得るFit型2次変化係数算出回路を備えたことを特徴とする請求項4記載の画像レーダ装置。 - 2次変化係数算出回路に代えて、
入力したレンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布のレンジ周波数毎にピーク検出を適用して振幅を最大とするドップラー変化係数を定め、各々のレンジ周波数で
(−1)×そのレンジ周波数での振幅最大ドップラー変化係数/レンジ周波数
を算出して、これをそれぞれのレンジ周波数における2次変化係数の推定値とし、全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値に基づいて最終的な2次変化係数を推定するCount型2次変化係数算出回路を備えたことを特徴とする請求項4記載の画像レーダ装置。 - Count型2次変化係数算出回路は、
全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値のうち、値が他から大きく外れたものを省いた上で、残りの平均値を2次変化係数の推定値として出力する手段を備えたことを特徴とする請求項9記載の画像レーダ装置 - Count型2次変化係数算出回路は、
全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値の中央値を2次変化係数の推定値として出力する手段を備えたことを特徴とする請求項9記載の画像レーダ装置。 - Count型2次変化係数算出回路は、
全レンジ周波数について得られた2次変化係数のうちの出現頻度が最大となった値を推定値として出力する手段を備えたことを特徴とする請求項9記載の画像レーダ装置。 - 2次変化係数算出回路に代えて、
入力したレンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布のレンジ周波数毎にピーク検出を適用して振幅を最大とするドップラー変化係数を定め、各々のレンジ周波数で、
(−1)×そのレンジ周波数での振幅最大ドップラー変化係数/レンジ周波数
を算出して、これをそれぞれのレンジ周波数における2次変化係数の推定値とし、全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値から、
(a)全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値のうち、値が他から大きく外れたものを省いた上で,残りを平均した値
(b)全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値の中央値
(c)全レンジ周波数について得られた2次変化係数のうちの出現頻度が最大となった値
を各々定め、これら(a)(b)(c)で得られた値のうちの出現頻度が最大となった値を推定値として出力する総合Count型2次変化係数算出回路を備えたことを特徴とする請求項4記載の画像レーダ装置。 - 2次変化係数算出回路に代えて、
入力したレンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布のレンジ周波数毎にピーク検出を適用して振幅を最大とするドップラー変化係数を定め、各々のレンジ周波数で、
(−1)×そのレンジ周波数での振幅最大ドップラー変化係数/レンジ周波数
を算出して、これをそれぞれのレンジ周波数における2次変化係数の推定値とし、全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値から、
(a)全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値のうち、値が他から大きく外れたものを省いた上で、残りを平均した値
(b)全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値の中央値
(c)全レンジ周波数について得られた2次変化係数のうちの出現頻度が最大となった値
を各々定め、これら(a)(b)(c)で得られた値の加重平均値を推定値として出力する総合Count型2次変化係数算出回路を備えたことを特徴とする請求項4記載の画像レーダ装置。 - 2次変化係数算出回路に代えて、
入力したレンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布のレンジ周波数毎にピーク検出を適用して振幅を最大とするドップラー変化係数を定め、各々のレンジ周波数で、
(−1)×そのレンジ周波数での振幅最大ドップラー変化係数/レンジ周波数
を算出して、これをそれぞれのレンジ周波数における2次変化係数の推定値とし、全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値から、
(a)全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値のうち、値が他から大きく外れたものを省いた上で、残りを平均した値
(b)全レンジ周波数について得られた2次変化係数の推定値の中央値
(c)全レンジ周波数について得られた2次変化係数のうちの出現頻度が最大となった値
を各々定め、これら(a)(b)(c)で得られた値の中央値を推定値として出力する総合Count型2次変化係数算出回路を備えたことを特徴とする請求項4記載の画像レーダ装置。 - 2次変化係数算出回路に代えて、
入力したレンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布の2軸であるドップラー周波数の1次変化候補udとレンジ周波数fτのうちのudの軸をレンジ周波数fτ毎に−1/fτ倍して、遅延時間の2次変化係数候補b2の軸に換算し、前記レンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布をレンジ周波数毎の2次変化係数の評価指標分布とみなした上で、これを適宜補間して、全レンジ周波数で同じ2次変化係数候補についての評価指標値をレンジ周波数方向に平均した値の分布を最終的な2次変化係数の評価指標分布とし、これを最大とする2次変化係数候補を遅延時間の2次変化係数の推定値として出力する評価指標分布総合型2次変化係数算出回路を備えたことを特徴とする請求項4記載の画像レーダ装置。 - ドップラー変化係数評価指標分布算出回路に代えて、
入力した2次元画像として、特定のレンジ周波数におけるドップラーヒストリの振幅分布f(y,x)に、傾きaと切片bでy=ax+bと定める積分経路に沿ってf(y,x)を積分する処理をa,bを様々に変えて実施し、各aにおける積分値の最大値を傾き候補に対する評価値とする処理を、レンジ周波数を変えて繰り返し、これを蓄積すると共に、
前記傾き候補を、前記ドップラーヒストリのスロータイムの時間ステップとドップラー周波数のステップに基づいて、
傾きの候補×ドップラー周波数のステップ/スロータイムのステップ
でドップラー周波数の1次変化係数の候補に換算し、当該ドップラー周波数の1次変化係数の候補に対する前記評価値の分布であるドップラー変化係数評価指標分布を出力するHough型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路を備えたことを特徴とする請求項4記載の画像レーダ装置。 - ドップラー変化係数評価指標分布算出回路に代えて、
入力した2次元画像として、特定のレンジ周波数におけるドップラーヒストリの各スロータイムにおける振幅最大ドップラー周波数の探索結果を、1次の最小二乗法に基づいて1次関数に近似してその傾きを得て、前記1次関数の傾きにおける値を最大とし、そこから傾きの値が離れるにつれ値が小さくなるような形で傾き候補についての評価指標値を定める処理を、レンジ周波数を変えて繰り返し、これを蓄積すると共に、前記傾き候補を、ドップラーヒストリのスロータイムの時間ステップとドップラー周波数のステップに基づいて、
傾きの候補×ドップラー周波数のステップ/スロータイムのステップ
でドップラー周波数の1次変化係数の候補に換算し、当該ドップラー周波数の1次変化係数の候補に対する前記評価指標値の分布であるドップラー変化係数評価指標分布を出力するFit型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路を備えたことを特徴とする請求項4記載の画像レーダ装置。 - ドップラー変化係数評価指標分布算出回路に代えて、
入力した2次元画像として、特定のレンジ周波数におけるドップラーヒストリの各スロータイムにおける振幅最大ドップラー周波数の探索結果を、1次の最小二乗法に基づいて1次関数に近似してその傾きを得ると共に、各スロータイムにおける振幅最大ドップラー周波数と1次関数より定まるドップラー周波数の差の2乗和の平方根の値をばらつき指標値として得て、前記1次関数の傾きにおける値を最大とし、これと各傾き候補値の差を前記ばらつき指標値で割った値が大きくなるにつれて値が小さくなるような形で傾き候補についての評価指標値を定める処理を、レンジ周波数を変えて繰り返し、これを蓄積すると共に、
前記傾き候補を、ドップラーヒストリのスロータイムの時間ステップとドップラー周波数のステップに基づいて、
傾きの候補×ドップラー周波数のステップ/スロータイムのステップ
でドップラー周波数の1次変化係数の候補に換算し、当該ドップラー周波数の1次変化係数の候補に対する前記評価指標値の分布であるドップラー変化係数評価指標分布を出力するFit型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路を備えたことを特徴とする請求項4記載の画像レーダ装置。 - 2次変化係数推定回路は、
入力したレンジヒストリをレンジまたはファストタイム方向にフーリエ変換してレンジスペクトルヒストリを算出するレンジスペクトルヒストリ算出回路と、
前記レンジスペクトルヒストリについて、レンジ周波数毎に、そのレンジ周波数におけるスロータイム方向に並ぶ信号列を分析して各スロータイムにおけるドップラー周波数分布であるドップラーヒストリを算出するレンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路と、
遅延時間の2次変化係数候補b2cand(ia)を複数種類(ia=0,1…)設定し、これを、レンジ周波数fτ(m)(m=0,1…)毎に−fτ(m)倍した値を、各レンジ周波数fτ(m)におけるドップラー周波数の1次変化係数の候補ucand(ia,m)として設定し、この1次変化係数候補についての評価指標分布を生成するように前記レンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路に指示すると共に、各レンジ周波数、各ドップラー周波数の1次変化係数候補についての評価指標分布Ev(ia,m)を、そのまま各レンジ周波数fτ(m)、各2次変化係数候補b2cand(ia)についての評価指標分布Ev(ia,m)とみなし、これをレンジ周波数方向に平均処理して、最終的な2次変化係数候補についての評価指標分布を算出し、この評価指標分布を最大とする2次変化係数候補を2次変化係数の推定値とする2次変化係数候補設定型2次変化係数算出回路とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の画像レーダ装置。 - 2次変化係数推定回路の前段側に、レンジヒストリ上のレンジ位置に応じた値の変換およびデータの切り出しのうち少なくともいずれかの処理を実施する2次変化係数推定前処理回路を備えたことを特徴とする請求項1から請求項20のうちのいずれか1項記載の画像レーダ装置。
- 2次変化係数推定前処理回路は、
抽出したいレンジ範囲付近の値が大きく、そこからレンジが遠ざかるにつれ値が小さくなる重みをレンジヒストリに乗算して、その結果を前処理後のレンジヒストリとして出力する信号抽出重み回路を備えたことを特徴とする請求項21記載の画像レーダ装置。 - 2次変化係数推定前処理回路は、
抽出したいレンジ範囲が離れたレンジ位置に複数ある場合に、これら複数のレンジ範囲付近の値が大きく、そこからレンジが遠ざかるにつれ値が小さくなる多峰性の重みをレンジヒストリに乗算して、その結果を前処理後のレンジヒストリとして出力する信号抽出重み回路を備えたことを特徴とする請求項21記載の画像レーダ装置。 - 2次変化係数推定前処理回路は、
抽出したいレンジ範囲の信号のみをレンジヒストリから切り出した上で、これに必要に応じてレンジ毎に異なる重みを乗算して、その結果を前処理後のレンジヒストリとして出力する信号抽出重み切出回路を備えたことを特徴とする請求項21記載の画像レーダ装置。 - 2次変化係数推定前処理回路は、
抽出したいレンジ範囲の信号のみをレンジヒストリから切り出した上で、これに必要に応じてレンジ毎に異なる重みを乗算して、そのレンジ範囲の出力用レンジヒストリを生成する処理を、抽出したいレンジ範囲の種類の数だけ繰り返し、こうして得られた各出力用レンジヒストリをレンジ、スロータイム毎に加算して、その結果を前処理後のレンジヒストリとして出力する信号抽出重み切出加算回路を備えたことを特徴とする請求項21記載の画像レーダ装置。 - 高周波信号を目標に対して照射し、当該目標で散乱された高周波信号の一部を受信し、当該受信信号のレンジ方向の分解能をレンジ圧縮してレンジプロフィールを得るという一連の処理を、前記目標とレーダの間の相対位置関係を変えながら繰り返し、得られたレンジプロフィールの時間履歴をレンジヒストリとし、当該レンジヒストリを、前記相対位置関係を考慮して合成することで、前記目標上の電波の反射強度分布を画像として得る画像レーダ装置において、
入力したレンジヒストリを、請求項21から請求項25のうちのいずれか1項に記載した2次変化係数推定前処理回路で処理したレンジヒストリ、または、入力したレンジヒストリを変換しないままのレンジヒストリ、またはこれらの混合を複数種類生成し、これを各々出力するデータ複数抽出型前処理回路と、
入力した複数種類のレンジヒストリの各々について遅延時間の2次変化係数を推定して、各推定結果を統合して、最終的な2次変化係数の推定結果を出力する複数データ抽出型2次変化係数推定回路と、
前記複数データ抽出型2次変化係数推定回路で推定された伝搬遅延時間の2次変化係数に基づいて、レンジヒストリに含まれる前記遅延時間の2次成分の影響で発生したレンジ、位相の変化を補償する2次補償回路とを備えた画像レーダ装置。 - 複数データ抽出型2次変化係数推定回路は、
請求項4に記載した2次変化係数推定回路を1種類または複数種類備え、入力した複数のレンジヒストリのいずれかを処理して遅延時間の2次変化係数を推定して出力する1つ以上の2次変化係数推定回路と、
前記1つ以上の2次変化係数推定回路で得られた2次変化係数の複数の推定結果について、
(a)値が大きく外れた値である外れ値を除いた全推定値の平均値を推定値とする方法(外れ値検出の閾値については、ばらつきの標準偏差を基準に設定する)
(b)前記全推定値の中央値を推定値とする方法
(c)前記全推定値の出現頻度が最大となった値を推定値する方法
(d)(a)〜(c)の結果の多数決
(e)(a)〜(c)の結果の加重平均(それぞれの推定方法に事前に重み付けしておく)
(f)(a)〜(c)の結果の中央値
のいずれか一つ以上の方法で最終的な2次変化係数の推定値を得る2次変化係数推定結果統合判定回路を備えたことを特徴とする請求項26記載の画像レーダ装置。 - 複数データ抽出型2次変化係数推定回路は、
入力したレンジヒストリをレンジまたはファストタイム方向にフーリエ変換してレンジスペクトルヒストリを算出するレンジスペクトルヒストリ算出回路と、
前記レンジスペクトルヒストリについて、レンジ周波数毎に、そのレンジ周波数におけるスロータイム方向に並ぶ信号列を分析して各スロータイムにおけるドップラー周波数分布であるドップラーヒストリを算出するレンジ周波数毎ドップラーヒストリ算出回路と、
前記ドップラーヒストリにおいて、ドップラー周波数のスロータイムに対する変化のうちの1次成分に注目し、その1次変化係数の値の候補を複数設定した上で、各々の候補値について、その値が真の変化係数である確からしさを表す評価指標を算出し、これをドップラー変化係数評価指標分布として前記1次変化係数の候補値と共に出力するドップラー変化係数評価指標分布算出回路とからなる2次変化係数推定部分回路と、
前記レンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布に対して、レンジ周波数毎にピーク検出を適用して振幅を最大とするドップラー変化係数を定め、各々のレンジ周波数で、
(−1)×そのレンジ周波数での振幅最大ドップラー変化係数/レンジ周波数
を算出して、これをそれぞれのレンジ周波数における2次変化係数の仮の推定値を得る処理を、入力したレンジヒストリ数に対応した複数の値の、レンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布のそれぞれに対して実施し、得られた複数レンジ周波数かつ複数レンジヒストリ数における2次変化係数の全ての仮の推定結果の分布に基づいて、最終的な2次変化係数の推定結果を得る複数データCount型2次変化係数算出回路とを備えたことを特徴とする請求項26記載の画像レーダ装置。 - 複数データCount型2次変化係数算出回路は、
2次変化係数の複数の仮の推定結果について、
(a)値が大きく外れた値である外れ値を除いた全推定値の平均値を推定値とする方法(外れ値検出の閾値については、ばらつきの標準偏差を基準に設定する)
(b)前記全推定値の中央値を推定値とする方法
(c)前記全推定値の出現頻度が最大となった値を推定値する方法
(e)(a)〜(c)の結果の多数決
(f)(a)〜(c)の結果の加重平均(それぞれの推定方法に事前に重み付けしておく)
(g)(a)〜(c)の結果の中央値
のいずれか一つ以上の方法で最終的な2次変化係数の推定値を得ることを特徴とする請求項28記載の画像レーダ装置。 - 複数データ抽出型2次変化係数推定回路は、
1つ以上の請求項28記載の2次変化係数推定部分回路と、
前記2次変化係数推定部分回路の出力であるレンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布を互いに重み付け加算して、最終的なレンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布を生成するドップラー変化係数評価指標分布合成回路と、
レンジ周波数毎に得られた前記ドップラー変化係数評価指標分布を総合して、遅延時間の2次変化係数を推定する2次変化係数算出回路とを備え、
前記2次変化係数算出回路は、
遅延時間の2次変化成分によって発生したドップラー周波数の1次変化の係数(u d )が、レンジ周波数(f τ )と、前記遅延時間の2次変化成分の係数(b 2 )に比例する(u d =−f τ b 2 )性質に基づき、設定した2次変化係数の候補それぞれについて、各レンジ周波数とそれに対応するドップラー周波数の1次変化係数の組で与えられるドップラー変化係数評価指標分布上の積分経路を設定し、その積分経路に沿った線積分値が最大となった前記2次変化成分の係数の候補を推定結果として出力する線積分型2次変化係数推定回路であることを特徴とする請求項26記載の画像レーダ装置。 - 複数データ抽出型2次変化係数推定回路は、
1つ以上の請求項28記載の2次変化係数推定部分回路と、
前記2次変化係数推定部分回路の出力であるレンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布を互いに重み付け加算して、最終的なレンジ周波数毎ドップラー変化係数評価指標分布を生成するドップラー変化係数評価指標分布合成回路と、
遅延時間の2次変化係数候補b2cand(ia)を複数種類(ia=0,1…)設定し、これを、レンジ周波数fτ(m)(m=0,1…)毎に−fτ(m)倍した値を、各レンジ周波数fτ(m)におけるドップラー周波数の1次変化係数の候補ucand(ia,m)として設定して、この1次変化係数候補についての評価指標分布を生成するように前記2次変化係数推定部分回路内のドップラー変化係数評価指標分布算出回路に指示すると共に、各レンジ周波数、各ドップラー周波数の1次変化係数候補についての入力した評価指標分布Ev(ia,m)を前記ドップラー変化係数評価指標分布合成回路で合成した値を、そのまま各レンジ周波数fτ(m)、各2次変化係数候補b2cand(ia)についての評価指標分布Ev(ia,m)とみなし、これをレンジ周波数方向に平均処理して、最終的な2次変化係数候補についての評価指標分布を算出し、この評価指標分布を最大とする2次変化係数候補を2次変化係数の推定値とする2次変化係数候補設定型2次変化係数算出部分回路とを備えたことを特徴とする請求項26記載の画像レーダ装置。 - 画像スペクトル算出回路は、入力した2次元画像上に設定した線積分を実施する際、画像の指定画素番号が小数になる場合を想定し、その画素番号付近の整数画素番号における値を線形補間して、指定された小数画素における画素値を算出することを特徴とする請求項4または請求項6記載の画像レーダ装置。
- 線積分型2次変化係数算出回路は、入力した2次元画像上に設定した線積分を実施する際、画像の指定画素番号が小数になる場合を想定し、その画素番号付近の整数画素番号における値を線形補間して、指定された小数画素における画素値を算出することを特徴とする請求項4記載の画像レーダ装置。
- Hough型ドップラー変化係数評価指標分布算出回路は、入力した2次元画像上に設定した線積分を実施する際、画像の指定画素番号が小数になる場合を想定し、その画素番号付近の整数画素番号における値を線形補間して、指定された小数画素における画素値を算出することを特徴とする請求項17記載の画像レーダ装置。
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