JP5783693B2 - レーダ装置 - Google Patents
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Description
図1は従来のレーダ装置の観測のジオメトリを示す説明図である。図2は同レーダ装置の機能構成を示すブロック図である。図3は図2に示す相互コヒーレント化手段の詳細な構成を示すブロック図である。また、図4は同レーダ装置の信号スペクトルを示す模式図である。
図1に示すように、略同一位置に設置された2つのレーダが同一の目標100を観測することを前提としている。すなわち、第1のレーダの送受信アンテナ1aと第2のレーダの送受信アンテナ1bにより、目標100に対するレーダ波の送受信を行う。ただし、2つのレーダの周波数帯域は異なる。このレーダ波のスペクトルを図4に示すが、横軸はレンジ方向の空間周波数あるいはレーダの瞬時送信周波数を表している。図4(a)において、101aは第1のレーダの受信信号、101bは第2のレーダの受信信号を表す。図4(b)において、102aは相互コヒーレント化手段3の出力における第1のレーダの受信信号を表し、102bは相互コヒーレント化手段3の出力における第2のレーダの受信信号を表す。なお、以下では相互コヒーレント化手段3は第1のレーダの受信信号のみを補償することを想定して説明しているので、信号102bは信号101bと等しい。また、図4(c)において、103は帯域内挿・拡張手段4の出力信号を表している。
ここでは、信号101aと信号101bはP個の指数関数の和で表すものと仮定する。すなわち、次式のモデルで信号を表現する。
なお、ここでも信号102aと信号102bを合成した信号は指数関数の和で表されるものと仮定し、(3)式のモデルで信号を表現する。(3)式は(1)式と同じ形をしているが、信号102aと信号102bを合成した信号に対するモデルであるので、こちらのモデルMを global-pole と呼ぶことにする。
それぞれ近傍に配設され、異なる周波数帯域で目標を観測する複数のレーダと、
前記各レーダの信号に対して、空間平均の手法によって信号空間の共分散行列を推定する処理を行う共分散行列推定手段と、
共分散行列推定手段で推定された各レーダの信号に対する共分散行列を合成する処理を行う共分散行列合成手段と、
前記共分散行列合成手段によって算出された合成共分散行列を用いて、超解像アルゴリズムにより高分解能レンジプロフィールを推定する超解像レンジ圧縮手段とを備え、
前記共分散行列合成手段は、
前記各レーダで観測された信号に対して、D(τ)(なお、D(τ)は、未知の位置ずれ量τを補償するための項であり、exp(j2πτm)(ただし、m=0,1,…,M−1)を対角成分とする、MxMの対角行列である。)と、D(τ) H とを用いて、複数の仮定した位置ずれ量のそれぞれを補償するための位相補償を施す共分散行列補償手段と、
前記共分散行列補償手段において位相補償を施した各レーダの信号に対応する共分散行列の平均を算出する共分散行列平均手段と、
前記共分散行列平均手段において算出した平均の共分散行列を固有値分解し、その固有値スペクトルの広がりを測る指標であるエントロピーを算出するエントロピー算出手段と、
前記複数の仮定した位置ずれ量の中から、前記エントロピー算出手段において算出されたエントロピーが最小となる位置ずれ量を、位置ずれ量の推定値として出力する位置ずれ判定手段と、
前記位置ずれ判定手段において出力された前記位置ずれ量の推定値に基づいて位相補償を施した各レーダの信号に対応する共分散行列の平均を、前記合成共分散行列として、前記超解像レンジ圧縮手段に出力する合成共分散行列選択手段とを備える。
図5はこの発明の実施の形態1によるレーダ装置の機能構成を示すブロック図である。
図5において、送受信機2a,2bは、送受信アンテナ1a,1bを用いて異なる周波数帯域で目標を観測する第1、第2のレーダを構成する。共分散行列推定手段11aと11bは各レーダの信号に対して、空間平均の手法によって信号空間の共分散行列を推定する処理を行う手段である。共分散行列合成手段12は、共分散行列推定手段11aと11bで推定された各レーダの信号に対する共分散行列を合成する処理を行う手段である。超解像レンジ圧縮手段13は、共分散行列合成手段12で合成された共分散行列をMUSIC法などの超解像アルゴリズムにより高分解能レンジプロフィールを推定する手段である。表示手段6は、超解像レンジ圧縮手段13で処理して得られた目標の画像を表示する手段である。
図6のブロック図において、前記共分散行列補償手段14は、式(6)のD(τ)R2D(τ)Hの演算を実施する。前記共分散行列平均手段15において、式(6)の残りの演算を実施している。
図8はこの発明の実施の形態2によるレーダ装置の機能構成を示すブロック図である。
発明の実施の形態2によるレーダ装置は、相互相関関数算出手段19と位置ずれ粗推定手段20を備えている。
図9はこの発明の実施の形態3によるレーダ装置の機能構成を示すブロック図である。図9は、図5に示した実施の形態1によるレーダ装置の前記共分散行列合成手段12の構成図の中で、前記エントロピー算出手段16を統計モデル適合度指標算出手段21に置き換えたものである。
Claims (6)
- それぞれ近傍に配設され、異なる周波数帯域で目標を観測する複数のレーダと、
前記各レーダの信号に対して、空間平均の手法によって信号空間の共分散行列を推定する処理を行う共分散行列推定手段と、
共分散行列推定手段で推定された各レーダの信号に対する共分散行列を合成する処理を行う共分散行列合成手段と、
前記共分散行列合成手段によって算出された合成共分散行列を用いて、超解像アルゴリズムにより高分解能レンジプロフィールを推定する超解像レンジ圧縮手段と
を備え、
前記共分散行列合成手段は、
前記各レーダで観測された信号に対して、D(τ)(なお、D(τ)は、未知の位置ずれ量τを補償するための項であり、exp(j2πτm)(ただし、m=0,1,…,M−1)を対角成分とする、MxMの対角行列である。)と、D(τ)Hとを用いて、複数の仮定した位置ずれ量のそれぞれを補償するための位相補償を施す共分散行列補償手段と、
前記共分散行列補償手段において位相補償を施した各レーダの信号に対応する共分散行列の平均を算出する共分散行列平均手段と、
前記共分散行列平均手段において算出した平均の共分散行列を固有値分解し、その固有値スペクトルの広がりを測る指標であるエントロピーを算出するエントロピー算出手段と、
前記複数の仮定した位置ずれ量の中から、前記エントロピー算出手段において算出されたエントロピーが最小となる位置ずれ量を、位置ずれ量の推定値として出力する位置ずれ判定手段と、
前記位置ずれ判定手段において出力された前記位置ずれ量の推定値に基づいて位相補償を施した各レーダの信号に対応する共分散行列の平均を、前記合成共分散行列として、前記超解像レンジ圧縮手段に出力する合成共分散行列選択手段と
を備えることを特徴とするレーダ装置。 - それぞれ近傍に配設され、異なる周波数帯域で目標を観測する複数のレーダと、
前記各レーダの信号に対して、空間平均の手法によって信号空間の共分散行列を推定する処理を行う共分散行列推定手段と、
共分散行列推定手段で推定された各レーダの信号に対する共分散行列を合成する処理を行う共分散行列合成手段と、
前記共分散行列合成手段によって算出された合成共分散行列を用いて、超解像アルゴリズムにより高分解能レンジプロフィールを推定する超解像レンジ圧縮手段と
を備え、
前記共分散行列合成手段は、
前記各レーダで観測された信号に対して、D(τ)(なお、D(τ)は、未知の位置ずれ量τを補償するための項であり、exp(j2πτm)(ただし、m=0,1,…,M−1)を対角成分とする、MxMの対角行列である。)と、D(τ)Hとを用いて、複数の仮定した位置ずれ量のそれぞれを補償するための位相補償を施す共分散行列補償手段と、
前記共分散行列補償手段において位相補償を施した各レーダの信号に対応する共分散行列の平均を算出する共分散行列平均手段と、
前記共分散行列平均手段において算出した平均の共分散行列を固有値分解し、その固有値スペクトルに対して、信号に含まれる点目標数をパラメータとする統計モデルを当てはめたときの適合度を測る指標である統計モデル適合度指標を、前記複数の仮定した位置ずれ量のそれぞれにおいて仮定する点目標数ごとに算出し、前記複数の仮定した位置ずれ量のそれぞれについて前記統計モデル適合度指標が最小となる点目標数を決定し、該決定された点目標数に対応する統計モデル適合度指標の最小値を前記仮定した位置ずれ量の統計モデル適合度指標として出力する統計モデル適合度指標算出手段と、
前記統計モデル適合度指標算出手段において前記複数の仮定した位置ずれ量のそれぞれについて決定された点目標数の中で最も少ない点目標数に対応する位置ずれ量を、該最も少ない点目標数が一意に決まらない場合には該点目標数が最も少ない位置ずれ量のうち前記統計モデル適合度指標算出手段から出力された統計モデル適合度指標が最小となる位置ずれ量を、位置ずれ量の推定値として出力する位置ずれ判定手段と、
前記位置ずれ判定手段において出力された前記位置ずれ量の推定値に基づいて位相補償を施した各レーダの信号に対応する共分散行列の平均を、前記合成共分散行列として、前記超解像レンジ圧縮手段に出力する合成共分散行列選択手段とを備え、
前記統計モデル適合度指標算出手段は、統計モデルの適合度を測る指標として、赤池情報基準(AIC:Akaike Information Criteria)またはMDL(Minimum Description Length)を採用する
ことを特徴とするレーダ装置。 - 前記各レーダで観測したレンジプロフィールの相互相関関数を算出する相互相関関数算出手段と、
相互相関関数のピークを検索することにより、前記各レーダの信号の間の位置ずれを大まかに推定し、前記共分散行列合成手段において様々に仮定する位置ずれ量の設定範囲を絞る位置ずれ粗推定手段と
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のレーダ装置。 - 前記位置ずれ粗推定手段は、前記共分散行列合成手段において様々に仮定する位置ずれ量の設定範囲として、相互相関関数のピークに対して、前記各レーダの距離分解能程度あるいは各レーダの距離分解能のうち最も低い距離分解能の範囲とすることを特徴とする請求項3に記載のレーダ装置。
- 前記超解像レンジ圧縮手段において、超解像アルゴリズムとしてCapon法を用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のレーダ装置。
- 前記超解像レンジ圧縮手段において、超解像アルゴリズムとしてMUSIC法を用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のレーダ装置。
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