JP3768787B2 - レーダパルス分類装置及びレーダパルス分類方法 - Google Patents

レーダパルス分類装置及びレーダパルス分類方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のレーダの放射するパルスを受信し、受信したパルスをレーダ毎に分類するレーダパルス分類方法及びレーダパルス分類装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のレーダからのレーダパルスを混在して受信した場合、この受信レーダパルス列を混在レーダパルス列と呼ぶことにする。この混在レーダパルス列の例を図3に示す。図3において、101〜105は、それぞれ、受信されたパルスである。
【0003】
図3に示す混在レーダパルス列に含まれるレーダパルスにおいて、パルス101〜103は、キャリア周波数及びパルス幅等パルス内特徴が類似しており、また、これらのパルスの到来時刻の時間幅106は規則的になっている。また、同様に、104及び105もパルス内特徴が類似している。一般に、同じレーダが放射しているレーダパルスは、パルス幅、パルス振幅、パルス到来方位、キャリア周波数といったパルス内特徴が近い値であったり、レーダが規則的にレーダパルスを放射することによってレーダパルスの到来時刻が規則的であったりする。
【0004】
受信したレーダパルスをレーダ毎に分類する従来の方法としては、各レーダパルスから抽出されるパルス幅、パルス振幅、パルス到来方位、キャリア周波数といったパルス内特徴の類似性からパルスを分類する方法と、レーダが規則的にレーダパルスを放射することを前提として、レーダパルスの到来時刻の規則性を利用して分類する方法がある。通常、上記のどちらかの方法を用いて分類されるが、パルス内特徴の類似性とパルス到来時刻の規則性を併用して分類すれば、分類性能が向上することが期待される。
【0005】
図24は、例えば、「De-interleaving pulse trains using discrete-time stochastic dynamic-linear models」, IEEE trans. on signal processing, vol.42, no.11, Nov., 1994.から類推して得られる、パルス内特徴の類似性とパルス到来時刻の規則性を併用して分類を行うことができる従来のレーダパルス分類装置を示すブロック図である。ただし、上記文献内では、パルス到来時刻の規則性のみを利用して分類する例が示されている。
【0006】
図24において、1は初期化手段、3はパルス特徴抽出手段、16は仮説選択手段、100は混在レーダパルス列、91はM個のスイッチからなる切替スイッチである。31−1〜31−Mはレーダ特徴抽出手段であり、95−1〜95−Mは、それぞれ、kパルスの仮説1〜kパルスの仮説Mである。96−1〜96−Mは仮説選択・評価値選択手段である。
【0007】
以下、図24に示す従来のレーダパルス分類装置の動作を、図25に示すレーダパルス分類方法のフローチャートと併せて説明する。この従来法では、受信したパルスを分類するカテゴリ数、すなわち、レーダ数が既知であるとして、受信したパルスを既知数のレーダに分類する。
【0008】
まず、初期化手段1で、外部から入力される、もしくは、事前に設定されているレーダ数Mに基づき、1つめのパルスがレーダm(1≦m≦M)に含まれるとするk(=1)パルスの仮説95−m(1≦m≦M)を計M個作成し、これを切換スイッチ91の各端子に出力する。(ステップST1、ST2)。
【0009】
次に、パルス特徴抽出手段3では、混在レーダパルス列100に含まれるパルス数がKである場合、パルス内特徴行列BYKを求め、これを出力する(ステップST3)。
【0010】
切換スイッチ91では、初期化手段1、もしくは、後述のレーダ特徴抽出手段31−m(1≦m≦M)から入力されたkパルスの仮説95−m(1≦m≦M)が入力された場合、入力されたkパルスの仮説で分類されている処理パルス数kを求め、kを1つ増加させて、増加させた処理パルス数kを仮説選択・評価値算出手段96−m(1≦m≦M)に出力する(ステップST90)。
【0011】
仮説選択・評価値算出手段96−mは、処理パルス数kの入力により処理を開始する。最初に、入力されるデータは、パルス内特徴行列BYKと処理パルス数kである。まず、k番目のパルスがレーダmから得られたと仮定し、k−1番目のパルス、および、k+1〜k+△番目のパルスが、レーダ1〜Mのどのレーダから得られたかについて、計(Mの△+1乗)個の全組合せを考え、各組合せについて評価値を算出する。△は事前に与えられる整数である(ステップST96−1)。
【0012】
この評価値は、各パルスがどのレーダから得られたかを、仮に決めた場合に、各レーダのパルス到来時刻が規則的であるか、パルス内特徴が類似しているかを基に算出され、たとえば、パルス到来時刻の差分のばらつきの大きさと、パルス内特徴のばらつきの大きさの重み付き和などから算出される。
【0013】
次に、最も良い評価値となる組合せにおいて、k−1番目のパルスが分類されるレーダm’を求める。仮説選択・評価値算出手段96−mは、切換スイッチ91を制御して、k−1番目のパルスがレーダm’に分類されている(k−1)パルスの仮説96−m’を入力する。(k−1)パルスの仮説96−m’とは、図24に示すkパルスの仮説96−m’のことであり、先のステップST90において、切換スイッチ91によりkが1増加しているので、ここでは(k−1)パルスの仮説96−m’と表記する(ステップST96−2)。
【0014】
(k−1)パルスの仮説96−m’に基づき、k−1番目のパルスまでは入力された仮説96−m’までと同じ分類で、k番目のパルスがレーダmに分類される仮説をkパルスの仮説96−mとして生成し、さらに、この仮説データに、仮説の評価値を添付して出力する(ステップST96−3)。
【0015】
レーダ特徴抽出手段31−mでは、仮説選択・評価値算出手段96−mの出力するkパルスの仮説96−mと、パルス特徴行列BYKを入力として、各レーダのパルス内特徴とパルス繰り返し間隔を求める。パルス内特徴は、複数のパルスのパルス内特徴の平均値を取る、もしくは、カルマンフィルタを用いて推定値を求めるなどの処理により、各パルスから求められたパルス内特徴よりもより正確なパルス内特徴が推定される(ステップST31)。
【0016】
各仮説選択・評価値算出手段96−mと各レーダ特徴抽出手段31−m(1≦m≦M)において、上記のステップST96−1からステップST31までの処理を行う(ステップST93、ST94)。すべての仮説選択・評価値算出手段96−m及びレーダ特徴抽出手段31−m(1≦m≦M)について処理が終わったか否かを判定し(ステップST93)、終わっていれば、全パルス処理が完了したか否かを判定し(ステップST98)、終わっていなければ、ステップST90に戻り、終わっていれば、次のステップST16へ進む。
【0017】
仮説選択手段16では、レーダ特徴抽出手段31−mから出力されるkパルスの仮説96−m(1≦m≦M)を入力として、これらのkパルスの仮説96−m(1≦m≦M)の中で、添付されている評価値が最も良いものを選択し、これを出力する(ステップST16)。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来のレーダパルス分類方法及び分類装置によれば、事前にレーダ数Mを決定する必要がある。また、誤ってノイズをパルスとして検出した誤検出パルスや、誤ってパルスを検出できなかった失検出パルスがあることを考慮していないので、誤検出パルスを誤ってあるレーダに分類したり、失検出パルスがあった場合にパルス到来時刻間隔を正しく推定できなかったりする可能性があるという問題点があった。
【0019】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、事前にレーダ数Mを決定する必要がなく、さらに、誤検出パルスや失検出パルスが存在することを考慮して分類を行うことによって、これらのパルスによる分類性能の劣化を防ぐことができるレーダパルス分類装置及びレーダパルス分類方法を得ることを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明は、未知数のレーダが放射したレーダパルス列を受信し、受信したレーダパルス列に含まれる複数のレーダパルスを、放射した各レーダ毎に分類するレーダパルス分類装置であって、新たなレーダパルスを受信したことを検出し、受信したレーダパルスのパルス内特徴を、逐次抽出する逐次パルス特徴抽出手段と、初めてレーダパルスが得られた場合には1つめのレーダパルスの分類に関する仮説を生成し、それ以外の場合にはこれまでに受信された各レーダパルスがどのレーダに分類されるかを示す仮説に、新たに得られたレーダパルスの分類に関する仮説を加えて、仮説を更新及び生成する仮説生成手段と、仮説生成手段が出力する各仮説の評価値を算出する評価値算出手段と、評価値を基に仮説の数を減少させる仮説数減少手段と、仮説数減少手段が出力する仮説を基に最良と思われる仮説を選択し、出力する仮説出力手段と、を備えたレーダパルス分類装置である。
【0021】
また、仮説生成手段が、失検出パルス及び誤検出パルスが存在しているという仮説と、所定の個数のレーダからのレーダパルスを受信しているという仮説と、所定の個数以外の他の新たなレーダからのレーダパルスを受信したという仮説と、を生成する。
【0022】
また、仮説出力手段が、仮説数減少手段が出力する仮説の中で、最も評価値の良い仮説を選択して出力する仮説選択部を備えている。
【0023】
また、仮説出力手段が、仮説数減少手段が出力する仮説において、任意の番数のパルスの仮説が全て同じであれば、番数の仮説として仮説を選択し、異なっていれば、番数の仮説として分類が未定であるという結果を出力するパルス分類確定部を備えている。
【0024】
また、仮説生成手段及び評価値算出手段を、それぞれ、仮説数減少手段で選択され出力される仮説の個数と同一の個数だけ設けている。
【0025】
また、仮説生成手段を、仮説数減少手段で選択され出力される仮説の個数と同一の個数だけ設けるとともに、評価値算出手段を、仮説生成手段で生成された仮説の個数と同一の個数だけ設けている。
【0026】
また、評価値算出手段が、仮説生成手段が出力する仮説において仮定している各レーダのレーダ特徴を推定するレーダ特徴抽出部と、ベイズの定理に基づき、新たなパルスが得られる前の仮説の評価値を用いて、新たなパルスが得られた後の仮説の評価値を算出及び更新する評価値更新部と、を備えている。
【0027】
また、仮説数減少手段が、評価値算出手段から入力される複数の仮説に基づき、適切レーダ数を推定する適切レーダ数推定部と、適切レーダ数に基づき、仮説を選択する仮説数減少部と、を備えている。
【0028】
また、評価値算出手段が、複数の評価値を算出し、複数の評価値を各仮説に付加する複数評価値算出部を備えるとともに、仮説数減少手段が、複数の評価値を併用して仮説の総数を減少させる評価値併用仮説数減少部を備えている。
【0029】
また、評価値併用仮説数減少部が、複数評価値算出部で算出された評価値の1つである第一の評価値に基づいて仮説を選択し、仮説を選択したか否かを示す仮説選択情報を上記仮説に付加する第一評価値仮説数減少部と、複数評価値算出部で算出された評価値の他の1つである第二の評価値に基づいて、第一評価値仮説数減少部において選択した仮説の一部を入れ替える第二評価値仮説入れ替え部とを備えている。
【0030】
また、評価値併用仮説減少部が、各仮説において仮定しているレーダ数に応じて複数のグループに仮説を分類するレーダ数仮説分類部と、複数評価値算出部で算出された評価値の1つである第二の評価値に基づいて、各グループ毎に仮説を選択する第二評価値仮説選択部と、複数評価値算出部で算出された評価値の他の1つである第一の評価値に基づいて、第二評価値仮説選択部により選択された仮説の中から仮説を選択する第一評価値仮説選択部と、第一評価値仮説選択部により入力された仮説を蓄積していき、事前に与えられた所定の数の仮説が蓄積した場合に、蓄積している全ての仮説を出力し、その他の場合には、入力された仮説を出力する仮説蓄積部とを備えている。
【0031】
また、仮説生成手段が、レーダ数が既知、もしくは、レーダ数を設定できる場合に、外部からレーダ数を入力するレーダ数入力部をさらに備え、レーダ数入力部にレーダ数の入力があった場合には、レーダ数に基づいて、各仮説で仮定されるレーダ数を制限して仮説を生成する。
【0032】
また、この発明は、未知数のレーダが放射したレーダパルス列を受信し、受信したレーダパルス列に含まれる複数のレーダパルスを、放射した各レーダ毎に分類するレーダパルス分類方法であって、新たなレーダパルスを受信したことを検出する新規パルス受信判断工程と、受信したレーダパルスのパルス内特徴を、各レーダパルス毎に逐次抽出する逐次パルス特徴抽出工程と、初めてレーダパルスが得られた場合に、1つめのレーダパルスの分類に関する仮説を生成する仮説初期化工程と、2つ目以降のレーダパルスが得られた場合に、これまでに受信された各レーダパルスがどのレーダに分類されるかを示す仮説に、新たに得られたレーダパルスの分類に関する仮説を加えて、仮説を更新及び生成する仮説生成工程と、各仮説の評価値を算出する評価値算出工程と、評価値を基に仮説の数を減少させる仮説数減少工程と、仮説数減少工程により出力される仮説を基に最良と思われる仮説を選択し、出力する仮説出力工程と、を備えている。
【0033】
また、仮説生成工程が、失検出パルス及び誤検出パルスが存在しているという仮説と、所定の個数のレーダからのレーダパルスを受信しているという仮説と所定の個数以外の他の新たなレーダからのレーダパルスを受信したという仮説と、を生成する。
【0034】
また、仮説出力工程が、仮説数減少工程において出力される仮説の中で、最も評価値の良い仮説を選択して出力する仮説選択ステップを備えている。
【0035】
また、仮説出力工程が、仮説数減少工程において出力される仮説において、任意の番数のパルスの仮説が全て同じであれば、番数の仮説として仮説を選択し、異なっていれば、番数の仮説として分類が未定であるという結果を出力するパルス分類確定ステップを備えている。
【0036】
また、仮説生成工程及び評価値算出工程を、それぞれ、仮説数減少工程で選択され出力される仮説の個数と同一の個数だけ設けて、並列に処理を行う。
【0037】
また、仮説生成工程を、仮説数減少工程で選択され出力される仮説の個数と同一の個数だけ設けるとともに、評価値算出工程を、仮説生成工程で生成された仮説の個数と同一の個数だけ設けて、並列に処理を行う。
【0038】
また、評価値算出工程が、仮説生成工程が出力する仮説において仮定している各レーダのレーダ特徴を推定するレーダ特徴抽出ステップと、ベイズの定理に基づき、新たなパルスが得られる前の仮説の評価値を用いて、新たなパルスが得られた後の仮説の評価値を算出及び更新する評価値更新ステップと、を備えている。
【0039】
また、仮説数減少工程が、評価値算出工程から入力される複数の仮説に基づき、適切レーダ数を推定する適切レーダ数推定ステップと、適切レーダ数に基づき、仮説を選択する仮説数減少ステップと、を備えている。
【0040】
また、評価値算出工程が、複数の評価値を算出し、複数の評価値を各仮説に付加する複数評価値算出ステップを備えるとともに、仮説数減少工程が、複数の評価値を併用して仮説の総数を減少させる評価値併用仮説数減少ステップとを備えている。
【0041】
また、評価値併用仮説数減少ステップが、複数評価値算出ステップで算出された評価値の1つである第一の評価値に基づいて仮説を選択し、仮説を選択したか否かを示す仮説選択情報を仮説に付加する第一評価値仮説数減少ステップと、複数評価値算出ステップで算出された評価値の他の1つである第二の評価値に基づいて、第一評価値仮説数減少ステップにおいて選択した仮説の一部を入れ替える第二評価値仮説入れ替えステップとを備えている。
【0042】
また、評価値併用仮説減少ステップが、各仮説において仮定しているレーダ数に応じて複数のグループに仮説を分類するレーダ数仮説分類ステップと、複数評価値算出ステップで算出された評価値の1つである第二の評価値に基づいて、各グループ毎に仮説を選択する第二評価値仮説選択ステップと、複数評価値算出ステップで算出された評価値の他の1つである第一の評価値に基づいて、第二評価値仮説選択ステップにおいて選択された仮説の中から仮説を選択する第一評価値仮説選択ステップと、第一評価値仮説選択ステップにおいて選択された仮説を蓄積する仮説蓄積ステップと、仮説蓄積ステップにおいて蓄積した仮説の数が、事前に与えられた所定の数に達した場合に、蓄積した仮説を全て出力する仮説出力ステップとを備えている。
【0043】
また、仮説生成ステップが、レーダ数が既知、もしくは、レーダ数を設定できる場合に、外部からレーダ数を入力するレーダ数入力ステップをさらに備え、レーダ数入力ステップにおいてレーダ数の入力があった場合には、レーダ数に基づいて、各仮説で仮定されるレーダ数を制限して仮説を生成する。
【0044】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1〜10について、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する要素には同一符合を付し、重複する説明を省略する。
【0045】
まず、はじめに、本発明の基本的な概念について説明する。先に説明した図3に示した混在レーダパルス列に含まれるレーダパルスを、各レーダ毎に分類した例を図4に示す。混在レーダパルス列に含まれるパルスを分類する場合、その分類例としては、何通りも考えられる。ここで、各分類例を仮説と呼ぶことにし、特に、k個のパルスを分類した仮説を、「kパルスの仮説」と呼び、kパルスの仮説を任意の順番に並べた場合に、i番目のkパルスの仮説を「kパルスの仮説i」と呼ぶ。kパルスの仮説の中で、正しい仮説は1つだけである。さらに、k番目のパルスを分類した分類例を「k番目のパルスの仮説」と呼ぶことにする。図4に示した5パルスの仮説1に対して、新たに6番目のパルスを受信した場合、6番目のパルスの仮説としては、6番目のパルスをレーダ1に分類する仮説、レーダ2に分類する仮説などが考えられる。
【0046】
本発明においては、パルス到来時刻もパルス内特徴の1つであるとし、k番目のパルスにおけるj番目のパルス内特徴の値をykj、k番目のパルスの全てのパルス内特徴値を表すベクトルをパルス内特徴ベクトルByk、k個のパルスのパルス内特徴を表す行列をパルス内特徴行列BYkとする。これらの関係を次式(1)及び(2)に示す。
【0047】
【数1】
Figure 0003768787
【0048】
【数2】
Figure 0003768787
【0049】
まず、本発明の実施の形態1を説明する。図1に本実施の形態1にかかるレーダパルス分類装置のブロック図を示す。図において、10は、新たなパルスを受信したことを検出し、そのパルスのレーダパルスのキャリア周波数及びパルス幅などのパルス内特徴を逐次抽出する逐次パルス特徴抽出手段、12は、初めてパルスが得られた場合には1つめのパルスの分類に関する仮説を生成し、それ以外の場合(すなわち、2つ目以降のパルスが得られた場合)にはこれまでに受信された各パルスがどのレーダに分類されるかを示す仮説に、新たに得られたパルスの分類に関する仮説を加えて、仮説を更新及び生成する仮説生成手段、13は、仮説生成手段12により生成された各仮説の評価値を算出する評価値算出手段、15は、評価値算出手段13により得られた評価値を基に仮説の数を減少させる仮説数減少手段、16は、仮説数減少手段15の出力する仮説を入力として、これらの仮説の中で最も評価値の良い仮説を選択する仮説選択手段である。
【0050】
以下、図2に示すフローチャートに沿って、図1に示すレーダパルス分類装置の動作、すなわち、本実施の形態1によるレーダパルス分類方法について説明する。本実施の形態1によるレーダパルスの分類方法は、大きく分けて以下の7工程から構成されている。すなわち、(1)新たなパルスを受信したことを検出する新規パルス受信判断工程(ステップST10−1)、(2)レーダパルスのキャリア周波数、パルス幅などのパルス内特徴を、各パルス毎に抽出する逐次パルス特徴抽出工程(ステップST10−2)、(3)これまでに受信された各パルスがどのレーダに分類されるかを示す仮説に、新たに得られたパルスの分類に関する仮説を加えて、仮説を更新及び生成する仮説生成工程(ステップST12−4〜ST12−8)、(4)初めてパルスが得られた場合に、1つめのパルスの分類に関する仮説を生成する仮説初期化工程(ステップST12−1〜ST12−3)、(5)仮説の評価値を算出する評価値算出工程(ステップST13−1〜ST13−4)、(6)評価値を基に仮説の数を減少させる仮説数減少工程(ステップST15)、(7)最も良い仮説を選択する仮説選択工程(ステップST16)である。
【0051】
さらに、詳細に説明する。逐次パルス特徴抽出手段10は、従来例のパルス特徴抽出手段3と同様に、新たなパルスを受信したことを検出し、各パルスのパルス内特徴及びパルス到来時刻などを求める。ただし、従来例のパルス特徴抽出手段3がある時間帯に渡り観測信号を蓄積した結果である混在レーダパルス列データに含まれる全パルスのパルス内特徴を求めて、パルス内特徴行列BYKを出力するのに対し、逐次パルス特徴抽出手段10では、入力された観測信号に新たなパルスが含まれる毎に、そのパルスのパルス内特徴ベクトルByk(上式(1))を出力する(ステップST10−1、ST10−2)。
【0052】
仮説生成手段12は、初めて逐次パルス特徴抽出手段10から入力があった場合と、それ以外の場合に分けて処理を行う(ステップST12−1)。逐次パルス特徴抽出手段10からの初めての入力の場合、すなわち、パルス内特徴ベクトルBy1が入力された場合は、この入力によって処理を開始する。その他の場合は、仮説数減少手段15からkパルスの仮説が入力され、かつ、逐次パルス特徴抽出手段10からパルス内特徴ベクトルBykが入力された場合に処理を開始する。
【0053】
初めて逐次パルス特徴抽出手段10から入力があった場合、すなわち、パルス内特徴ベクトルBy1が入力された場合、入力パルス数k=1として、1パルスの仮説を出力する(ステップST12−2)。通常、1番目のパルスがレーダ1に分類される仮説と、ノイズを検出した誤検出パルスであるとする仮説の2つの仮説を出力する。また、後述の評価値によっては、出力する仮説に事前に設定した値を、評価値の初期値として付加することもある(ST12−3)。
【0054】
また、それ以外の場合には、まず、入力パルス数kを1増加する(ステップST12−4)。よって、この後、入力されたkパルスの仮説は、(k−1)パルスの仮説と表記する。入力されたパルス内特徴ベクトルBykは、k番目のパルスのパルス内特徴ベクトルであるので、このk番目のパルスが、どのレーダから得られたかに関する仮説、すなわち、k番目のパルスの仮説を考え、(k−1)パルスの仮説にk番目のパルスの仮説を加えることによって、kパルスの仮説を生成し、出力する。これらのkパルスの仮説には、kパルスの仮説に更新する前の(k−1)パルスの仮説に付加されていた評価値を付加する場合と、付加しない場合がある(ステップST12−6)。
【0055】
ここで、(k−1)パルスの仮説では、M個のレーダからのレーダパルスを受信していると考えているものとする。この場合、k番目のパルスの仮説としては、レーダm(1≦m≦M)から得られたパルスであるとする各仮説、レーダm(1≦m≦M)から放射されたパルスを1つ以上失検出した後に、レーダmから得られたパルスであるとする仮説、レーダm(1≦m≦M)以外の新たなレーダから得られたパルスであるとする仮説、ノイズを誤って検出した誤検出パルスであるとする仮説などの仮説が考えられる。
【0056】
観測条件によって、どのような仮説を考えるかは異なる。たとえば、信号レベルが十分に高く、誤検出パルスがないような場合は、誤検出パルスであるとする仮説を考える必要はない。
【0057】
このように、失検出しているという仮説や誤検出パルスであるという仮説を考えるので、誤検出パルスを誤って分類したり、失検出パルスによってパルス到来時刻の差分として算出されるパルス繰り返し間隔を誤って推定してしまう可能性が少なくなる。また、新たなレーダから得られたパルスである仮説とする仮説を考えることにより、レーダ数を増加していくことができるため、事前にレーダ数を与える必要がなくなる。
【0058】
仮説生成手段12に入力された(k−1)パルスの仮説の数をHとし、各(k−1)パルスの仮説h(1≦h≦H)に対して、k番目のパルスに関する仮説を考え、kパルスの仮説を生成する処理を行う(ステップST12−5、ST12−7、ST12−8)。
【0059】
(k−1)パルスの仮説hに対して、k番目のパルスの仮説はHh個考えられるとすると、仮説生成手段12は、合計、下記の式(3)で与えられる個数のkパルスの仮説を出力する。
【0060】
【数3】
Figure 0003768787
【0061】
評価値算出手段13では、G個のkパルスの仮説が入力され、各kパルスの仮説に対して、評価値が算出され、各仮説にこの評価値を付加し、出力する(ステップST13−1、13−2、13−3、13−4)。
【0062】
パルス到来時刻以外のパルス内特徴の数をJ、仮説において仮定しているレーダ数をM、レーダmにおけるj番目のパルス内特徴の推定値をbmj、その標準偏差をvmj、レーダmのパルス到来時刻間隔の推定値をbm0、その標準偏差をvm0、パルスkがレーダmに分類される場合に1、分類されない場合に0となる変数をckm、レーダmに分類されるパルス数をNm、誤検出パルスの数をN0、事前に設定した定数をW,レーダmに分類されたパルスのパルス到来時刻から求められるn番目のパルス到来時刻の間隔をyn0とし、次式(3)に示す負の対数尤度を評価値Lとすることが考えられる。定数項を省略したり、標準偏差が一定と考えられる場合に、標準偏差の項を省略した値も評価値Lとなりえる。
【0063】
【数4】
Figure 0003768787
【0064】
また、上式(4)の評価値Lの値を用いた次式(5)のようなMDL(Minimum Description Length)の考え方を用いた評価値LMDLも考えられる。
【0065】
【数5】
Figure 0003768787
【0066】
他にも、二乗誤差和や尤度やAIC(Akaike Infomatoin Criterion)などの統計的指標を用いることが考えられる。
【0067】
仮説数減少手段15では、各仮説に付加された評価値を基に、評価値の良い仮説を選択し、選択したkパルスの仮説を出力する(ステップST15)。
【0068】
この選択の仕方としては、選択する仮説数h’を事前に決定しておき、h’個の仮説を抜き出す方法や、閾値を事前に設定しておく、もしくは、閾値を全仮説の評価値の和にある定数をかけた値として決め、この閾値よりも良い評価値を持つ仮説を抜き出す方法などが考えられる。
【0069】
仮説選択手段16では、仮説数減少手段15の出力するkパルスの仮説を入力として、これらの仮説の中で最も評価値の良い仮説を選択し、これをk番目のパルスが得られた時点での分類結果として出力する(ステップST16)。
【0070】
以上のように、本発明の実施の形態1によるレーダパルス分類装置及びレーダパルス分類方法においては、仮説生成手段12において仮説を生成する際に、新たなレーダから得られたパルスであるという仮説を考えることにより、レーダ数を増加していくことができるようにしたため、従来のように事前にレーダ数Mを決定する必要がなく、また、誤検出パルスであるという仮説や失検出パルスが存在しているという仮説も考えるようにしたので、誤検出パルスを誤って分類したり、失検出パルスによってパルス到来時刻の差分として算出されるパルス繰り返し間隔を誤って推定してしまうのを防止することができ、誤検出パルスや失検出パルス等による分類性能の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
【0071】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図5は、実施の形態2によるレーダパルス分類装置の構成を示したブロック図である。図において、10、15及び16は上述の実施の形態1で示したものと同一である。本実施の形態では、図5に示すように、仮説数減少手段15が出力するkパルスの仮説の数をHとして、H個の仮説生成手段12−h(1≦h≦H)とH個の評価値算出手段12−h(1≦h≦H)を備えている。
【0072】
以下、図6に示すフローチャートに沿って、図5に示すレーダパルス分類装置の動作、すなわち、本実施の形態におけるレーダパルス分類方法について説明する。
【0073】
逐次パルス特徴抽出手段10は、H個の全ての仮説生成手段12−h(1≦h≦H)にパルス内特徴ベクトルByk(上式(1)参照)を出力し、仮説数減少手段15も、出力する複数のkパルスの仮説を、それぞれ、対応する異なる仮説生成手段12−hに出力する。すなわち、kパルスの仮説1は仮説生成手段12−1に出力され、kパルスの仮説2は仮説生成手段12−2に出力され、以下同様に、kパルスの仮説hは仮説生成手段12−hに出力される。それ以外の動作は実施の形態1と同様である。
【0074】
H個の各仮説生成手段12−h(1≦h≦H)は、それぞれ、仮説数減少手段15が出力した、別々の一つのkパルスの仮説h(1≦h≦H)に対して、実施の形態1に示した仮説生成手段12と同じ処理を行う(ステップST12−6−1〜12−6−H)。なお、これらの各仮説生成手段12−hの処理は並列に行われる。その結果、各仮説生成手段12−hはHh個のkパルスの仮説を生成し、全体で、G個(上式(3)参照)の仮説を生成する。
【0075】
各評価値算出手段13−h(1≦h≦H)は、各仮説生成手段12−hの出力したHh個のkパルスの仮説を入力として、これらの仮説の評価値を算出し、各仮説に評価値を付加して出力する(ステップST13−1−h、ST13−2−h、ST13−3−h、ST13−4−h(1≦h≦H))。なお、ここでも、各評価値算出手段13−hの処理は並列に行われる。
【0076】
以下の処理は、上述の実施の形態1と同様である。すなわち、仮説数減少手段15では、各評価値算出手段13−h(1≦h≦H)から出力された、合計G個の各仮説に付加された評価値を基に、上述の実施の形態1と同様に、評価値の良い仮説を選択し、選択したkパルスの仮説を出力する(ステップST15)。
【0077】
仮説選択手段16では、上述の実施の形態1と同様に、仮説数減少手段15の出力するkパルスの仮説を入力として、これらの仮説の中で最も評価値の良い仮説を選択し、これをk番目のパルスが得られた時点での分類結果として出力する(ステップST16)。
【0078】
このように、本実施の形態においては、上述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、仮説数減少手段15の出力するH個の仮説毎に、仮説生成手段12−h(1≦h≦H)と評価値算出手段13−h(1≦h≦H)をそれぞれ持つようにしたので、各仮説毎に並列に仮説生成と評価値算出を行うことができ、高速化を図ることができる。
【0079】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3について説明する。図7は、実施の形態3によるレーダパルス分類装置の構成を示したブロック図である。図において、10、15及び16は上述の実施の形態1で示したものと同一である。本実施の形態では、図7に示すように、仮説数減少手段15が出力するkパルスの仮説の数をH個、H個の仮説生成手段12−h(1≦h≦H)が出力する仮説の数をG個として、G個の評価値算出手段12−g(1≦g≦G)を備えている。
【0080】
以下、図8に示すフローチャートに沿って、図7に示すレーダパルス分類装置の動作、すなわち、本発明の実施の形態3によるレーダパルス分類方法について説明する。
【0081】
逐次パルス特徴抽出手段10の動作は実施の形態2と同様である。
【0082】
仮説生成手段12−h(1≦h≦H)は、実施の形態2に示した仮説生成手段12−hと同じ処理を行い、生成した全体でのべG個の仮説をそれぞれ異なるG個の評価値算出手段13−g(1≦g≦G)に出力する(ステップST12−6−h(1≦h≦H))。
【0083】
評価値算出手段13−gは、仮説生成手段12−hの出力した、それぞれ別個の一つのkパルスの仮説を入力として、この仮説の評価値を算出し、仮説に評価値を付加して出力する(ステップST13−2−g(1≦g≦G))。
【0084】
以下、仮説数減少手段15の処理は上述の実施の形態2と同様であり、仮説選択手段16の処理は上述の実施の形態1と同様である。
【0085】
以上のように、この実施の形態においては、上述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、仮説数減少手段15の出力するH個の仮説毎に仮説生成手段12−h(1≦h≦H)を持ち、さらに、仮説生成手段12−h(1≦h≦H)の出力するG個の仮説毎に評価値算出手段13−g(1≦g≦G)を持つようにしたので、実施の形態2と比較して、さらに、評価値算出も全て並列に行うことができ、さらなる高速化を図ることができる。
【0086】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4について説明する。図9は、実施の形態4によるレーダパルス分類装置の構成を示したブロック図である。図において、10、12、13及び15は上述の実施の形態1で示したものと同一である。本実施の形態と上述の実施の形態1との構成の違いは、図9に示すように、実施の形態1で示した仮説選択手段16の代わりに、パルス分類確定手段17が設けられていることである。
【0087】
パルス分類確定手段17は、仮説数減少手段15から入力されるH個の複数の仮説から、各パルスの分類が未定であることも考慮した仮説を生成するものである。
【0088】
以下、図10に示すフローチャートに沿って、図9に示すパルス分類装置の動作、すなわち、本実施の形態におけるパルス分類方法について説明する。パルス分類確定手段17以外の動作は、実施の形態1〜3と同様である。
【0089】
パルス分類確定手段17は、入力された全てのkパルスの仮説において、もしくは、入力された全てのkパルスの仮説の中で評価値の良いいくつかの仮説において、受信した混在パルス列に含まれるk’番目のパルスに関する仮説が全て同じであれば、k’番目のパルスの仮説として、この仮説を選択し、異なっていれば、k’番目のパルスの仮説として、分類が未定であるという仮説を選択する。これを全てのパルスk’(1≦k’≦k)について行い、これら全てのk’番目のパルスの仮説を加えあわせたkパルスの仮説を出力する(ステップST17)。
【0090】
以上のように、この実施の形態においても、上述の実施の形態1と同様の効果を得ることができるとともに、さらに、上述の実施の形態1で示した仮説選択手段16の出力では、全パルスの分類を確定してしまっているのに対し、本実施の形態のパルス分類確定手段17の出力では、分類を確定しにくいパルスは、分類が未定とするので、誤った分類がされにくく、分類性能の劣化をさらに防ぐことができる。
【0091】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5について説明する。図11は、本実施の形態におけるレーダパルス分類装置に設けられた評価値算出手段13の内部構成を示したブロック図である。図11に示すように、本実施の形態において、評価値算出手段13は、仮説において仮定している各レーダのレーダ特徴を推定するレーダ特徴抽出手段31と、ベイスの定理に基づき、新たなパルスが得られる前の仮説の評価値を用いて、新たなパルスが得られた後の仮説の評価値を算出及び更新する評価値更新手段32とから構成されている。なお、本実施の形態における評価値算出手段13Aは、上述の実施の形態1〜4の評価値算出手段13として適用することが可能である。
【0092】
以下、図12に示すフローチャートに沿って、図11に示す評価値算出手段13Aの動作を説明する。評価値算出手段13A以外の動作は、実施の形態1〜4と同様である。
【0093】
レーダ特徴抽出手段31は、従来例におけるレーダ特徴抽出手段31−1〜31−Mと同様に、各レーダのパルス内特徴とパルス繰り返し間隔を求める(ステップST31)。
【0094】
評価値更新手段32は、入力されたkパルスの仮説に付加されている評価値を更新して、これを出力する(ステップST32)。
【0095】
評価値更新手段32に入力されたkパルスの仮説には、(k−1)番目のパルスまでを分類した(k−1)パルスの仮説に対する評価値Lpreが付加されているので、Lpreを用いて、kパルスの仮説の評価値Lを求める。
【0096】
ここで、入力されたkパルスの仮説を、(k−1)番目のパルスまでを分類した(k−1)パルスの仮説と、k番目のパルスの仮説に分解した場合、(k−1)パルスの仮説をHy(k−1)、k番目のパルスの仮説をhykと表記する。(k−1)番目のパルスまでのパルス内特徴行列がBY(k−1)、仮説がHy(kー1)である場合に、k番目のパルスの仮説がhykである確率をP(hyk)、(k−1)番目のパルスまでのパルス内特徴行列がBY(k−1)、仮説がHy(k−1)であり、k番目のパルスの仮説がhykである場合に、k番目のパルスのパルス内特徴ベクトルがBykである確率をP(Byk)とする。この場合、ベイズの定理から、定数倍にする項を省略して評価値Lを、次式(6)として更新することが考えられる。
【0097】
【数6】
Figure 0003768787
【0098】
また、上式(6)に示した評価値が、大きい値となってきた場合や小さい値となってきた場合には、全てのkパルスの値に同一の定数をかけて正規化することにより、計算機における演算がオーバーフローしないようにすることが考えられる。
【0099】
以上のように、この実施の形態においては、上述の実施の形態1〜4と同様の効果が得られるとともに、さらに、評価値算出手段13Aをレーダ特徴抽出手段31と評価値更新手段32とから構成して、評価値を算出する際に、前の評価値を用いて、簡易に評価値を算出できるようになり、評価値の算出を高速に行うことができる。
【0100】
実施の形態6.
本発明の実施の形態6について説明する。図13は、本実施の形態におけるレーダパルス分類装置に設けられた仮説数減少手段15Aの内部構成を示したブロック図である。図13に示すように、本実施の形態において、仮説数減少手段15Aは、入力される複数の仮説から、適切なレーダ数を推定する適切レーダ数推定手段41と、適切レーダ数を考慮して仮説を選択する、レーダ数による仮説数減少手段42とから構成されている。なお、本実施の形態における仮説数減少手段15Aは、上述の実施の形態1〜5の仮説数減少手段15として適用することが可能である。
【0101】
以下、図14に示すフローチャートに沿って、図13に示す仮説数減少手段15Aを有するレーダパルス分類装置の動作を説明する.仮説数減少手段15A以外の動作は、実施の形態1〜4と同様である。ただし、評価値算出手段13は、実施の形態1〜4と同様の動作をするが、評価値は、尤度や二乗誤差和などは用いず、上式(5)で示したMDLやAICのようなモデルパラメータ数の推定に用いられる統計的指標を用いる。
【0102】
適切レーダ数推定手段41では、複数のkパルスの仮説に付加されている評価値を比較し、最も良い評価値となっている仮説において仮定しているレーダ数を適切レーダ数として、レーダ数による仮説数減少手段42に出力する(ステップST41)。
【0103】
レーダ数による仮説数減少手段42では、複数のkパルスの仮説と適切レーダ数を入力として、入力された複数のkパルスの仮説の中から、評価値の良い仮説を選択する。この際、各仮説において仮定しているレーダ数が、適切レーダ数と等しい仮説の中から、もしくは、適切レーダ数に近い仮説から選択する(ステップST42)。この結果、選択する仮説において、正しいレーダ数と比較して、極端にレーダ数が多い、もしくは、少ない仮説が選択される可能性が低くなり、正しい仮説が選択されない危険性を下げることができる、もしくは、選択する仮説の数を少なくして演算負荷を減らすことができる。
【0104】
以上のように、この実施の形態においては、上述の実施の形態1〜4と同様の効果が得られるとともに、さらに、仮説数減少手段15Aを適切レーダ数推定手段41とレーダ数による仮説数減少手段42とから構成して、仮説を選択する際に、正しいレーダ数と比較して、レーダ数が等しいか近い値の仮説を選択するようにしたので、極端にレーダ数が多いか、もしくは、少ない仮説が選択される可能性が低くなり、分類性能をさらに向上させることができる。
【0105】
実施の形態7.
次に、本発明の実施の形態7について説明する.図15は、実施の形態7によるレーダパルス分類装置の構成を示したブロック図である。図において、10,12,16は上述の実施の形態1で示したものと同一である。本実施の形態と実施の形態1との違いは、図15に示すように、実施の形態1で示した評価値算出手段13の代りに、複数評価値算出手段20が設けられ、仮説数減少手段15の代りに、評価値併用仮説減少手段22が設けられていることである。
【0106】
複数評価値算出手段20は、各仮説に対して、複数の評価値を算出し、これらを各仮説に付加するものである。評価値併用仮説減少手段22は、複数評価値算出手段20が付加した複数の評価値を併用して仮説の総数を減少させるものである。
【0107】
以下、図16に示すフローチャートに沿って、図15に示すレーダパルス分類装置の動作、すなわち、本実施の形態におけるレーダパルス分類方法について説明する。複数評価値算出手段20と評価値併用仮説数減少手段22以外の動作は、実施の形態1〜5と同様である。
【0108】
実施の形態1〜5によってパルスを分類した場合、どのような評価値を用いるかによって、分類性能が異なると考えられる。これは、評価値の良し悪しによって仮説を取捨選択し、仮説総数を減少させるため、評価値によって選択される仮説が異なることが原因である。本実施の形態は、複数の評価値を併用することによって、分類性能を向上させるものである。
【0109】
複数評価値算出手段20は、各仮説に対して、実施の形態1〜5で述べた評価値など、複数の評価値を算出し、これらを各仮説に付加して出力する(ステップ20−2)。評価値併用仮説減少手段22は、複数評価値算出手段20で付加された複数の評価値を用いて、仮説の総数を減少させる(ステップ22)。
【0110】
上述した評価値には、上述した(4)式の評価値Lや二乗誤差や尤度のように、パラメータ数が同一であるモデル(仮説)を比較するための評価値と、上述の(5)式の評価値LMDLや(6)式の評価値LやAICのように、パラメータ数が異なるモデル(仮説)でも比較することができる評価値がある。パラメータ数が同一であるモデル(仮説)を比較するための評価値としては、次式(7)も考えられる。
【0111】
【数7】
Figure 0003768787
【0112】
各仮説では、いくつのレーダからのパルスを受信しているかを仮定している。この仮定しているレーダ数によって、各仮説におけるパラメータ数が変化する。このため、パラメータ数が同一であるモデル(仮説)を比較するための評価値によって、仮定しているレーダ数が同一である仮説を比較し、それらの仮説の良し悪しを評価できる。しかし、このような評価値を用いて、仮定しているレーダ数が異なる仮説を比較することはできない。
【0113】
反面、パラメータ数が異なるモデル(仮説)を比較することができる評価値を用いると、仮定しているレーダ数が同一である仮説を比較する場合に限っては、パラメータ数が同一であるモデル(仮説)を比較するための評価値と比較して、あまり適切でない評価が行われる可能性がある。
【0114】
例えば、(6)式および(7)式を用いて、レーダ数が事前に既知である場合と未知である場合に、レーダパルス分類に関するシミュレーションを行った結果を図17に示す。レーダ数が事前に既知である場合には、パラメータ数が同一である仮説の比較だけを行えばよく、レーダ数が未知である場合には、パラメータ数が異なる仮説の比較を行う必要がある。このシミュレーションでは、2つのレーダからパルスを混在して受信し、受信したパルスからパルス内特徴として、パルス到来時刻のみを抽出していると考えて、シミュレーションデータを作成している。レーダ1のパルス繰り返し間隔は1.0、レーダ2のパルス繰り返し間隔は1.05とし、パルス繰り返し間隔のばらつき(標準偏差)を変えてシミュレーションを行った。70%以上のパルスを正しく分類できた場合に分類成功として、100回のシミュレーションのうち、分類成功した割合を分類成功率とした。
【0115】
シミュレーション結果から、レーダ数が既知である場合には、(6)式よりも(7)式を評価値として用いた方がレーダパルス分類性能が向上することがわかる。よって、パラメータ数が同一である仮説の比較だけを行う場合には、パラメータ数が異なるモデル(仮説)を比較することができる評価値である(6)式よりも、パラメータ数が同一であるモデル(仮説)を比較するための評価値である(7)式を評価値として用いた方が良いことがわかる。
【0116】
よって、複数評価値算出手段20において、例えば、(6)式と(7)式のように、パラメータ数が異なるモデル(仮説)を比較することができる評価値を1つと、パラメータ数が同一であるモデル(仮説)を比較するための評価値を1つの合計2つの評価値を算出することが考えられる。さらに、評価値併用仮説数減少手段22において、パラメータ数が同一である仮説を比較する場合には、パラメータ数が同一であるモデル(仮説)を比較するための評価値を用い、パラメータ数が異なる仮説を比較する場合には、パラメータ数が異なるモデル(仮説)を比較することができる評価値を用いて仮説の比較を行い、仮説を選択する。
【0117】
以上のように、本実施の形態においては、複数の評価値を算出し、それらを仮説に付加する複数評価値算出手段20と、複数の評価値を併用して仮説の総数を減少させる評価値併用仮説数減少手段22とを設けて、複数の評価値を算出しておき、仮定しているレーダ数やパラメータ数及びレーダ数の既知または未知といった諸条件に基づいて適切な評価値を選択し、それを用いて仮説の比較を行い、仮説を選択し、仮説数を減少させるようにしたので、この結果、より適切な仮説の選択ができるようになり、レーダパルス分類性能が向上する。
【0118】
実施の形態8.
次に、本発明の実施の形態8について説明する。図18は、実施の形態8によるレーダパルス分類装置の評価値併用仮説数減少手段22の構成を示したブロック図である。なお、レーダパルス分類装置の全体の構成は、実施の形態7と同様であるため、ここでは説明を省略する。図18に示すように、評価値併用仮説数減少手段22は、複数評価値算出手段20で算出された複数の評価値の1つである評価値1(第一の評価値)による仮説数減少手段51と、複数評価値算出手段20で算出された評価値の他の1つである評価値2(第二の評価値)による仮説入れ替え手段52とから構成されている。
【0119】
評価値1による仮説数減少手段51は、複数評価値算出手段20が付加した複数の評価値の1つである評価値1を用いて仮説の総数を減少させるための選択情報を付加するものである。評価値2による仮説入れ替え手段52は、複数評価値算出手段20が付加した複数の評価値の1つである評価値2によって仮説を評価し、評価値1では選択されなかった仮説の一部を選択し、評価値1では選択された仮説の一部を除去することによって、選択される仮説の一部を入れ替え、その後、仮説の総数を減少するものである。
【0120】
以下、図19に示すフローチャートに沿って、図18に示すレーダパルス分類装置の評価値併用仮説数減少手段の動作、すなわち、本実施の形態における仮説数の減少方法について説明する。評価値併用仮説数減少手段22以外の動作は、実施の形態7と同様である。
【0121】
評価値1による仮説数減少手段51では、複数仮説評価値算出手段20において付加された評価値の1つである評価値1に基づいて、評価値1の良い仮説を選択し、各仮説に選択したか否かの選択情報を付加して出力する(ステップST103)。
【0122】
評価値2による仮説入れ替え手段52では、評価値1による仮説数減少手段51の出力した、選択情報を付加したkパルスの仮説i(1≦i≦G)を入力として、複数評価値算出手段20において付加された評価値の他の1つである評価値2に基づいて、評価値2が良いにも関わらず仮説数減少手段51により選択されていない仮説を選択し、逆に、評価値2が悪いにも関わらず仮説数減少手段51で選択された仮説を選択しないように、選択する仮説を入れ替え、変更する(ステップST52−1)。そして、不適切な仮説を削除して、仮説を取捨選択し、出力する(ステップST52−2)。
【0123】
ここで、評価値1を実施の形態7で述べたパラメータ数が異なるモデル(仮説)を比較できる評価値の1つとし、評価値2をパラメータ数が同一であるモデル(仮説)を比較するための評価値の1つとする。この場合、評価値2による仮説入れ替え手段52では、同じレーダ数を仮定している仮説に限って、評価値2に基づいて評価を行い、評価値2が良いにも関わらず選択されていない仮説と、評価値2が良くないにも関わらず選択された仮説を入れ替え、評価値2が良い仮説が選択されるようにする。この結果、同じレーダ数を仮定している仮説では、評価値2の方がより適切な評価ができるため、より適切な仮説が選択されるようになり、パルス分類性能が向上すると考えられる。
【0124】
以上のように、本実施の形態においては、所定の評価値に基づいて仮説を選択する仮説数減少手段51と、他の所定の評価値に基づいて当該選択された仮説の取捨選択を行って仮説を入れ替える仮説入れ替え手段52とを設けて、諸条件に合わせた複数の評価値に基づいた、より適切な仮説の評価を行うようにしたので、さらに適切な仮説の選択を行うことができ、パルス分類性能が向上する。
【0125】
実施の形態9.
次に、本発明の実施の形態9について説明する。図20は、実施の形態9によるレーダパルス分類装置の評価値併用仮説数減少手段22Aの構成を示したブロック図である。他の構成については、実施の形態7と同様である。本実施の形態における評価値併用仮説数減少手段22Aは、図20に示すように、レーダ数による仮説分類手段61と、並列にM個設けられた評価値2による仮説選択手段62−i(1≦i≦M)と、評価値1による仮説選択手段63と、仮説蓄積手段64とから構成されている。
【0126】
レーダ数による仮説分類手段61は、各仮説において仮定しているレーダ数により仮説を複数のグループに分類し、記録し、出力するものである。評価値2による選択手段62−i(1≦i≦M)は、レーダ数により複数のグループに分類された各仮説を、各グループ毎に評価値2に基づいて選択し、評価値2の値が最も良い仮説を出力するものである。評価値1による選択手段63は、評価値2による選択手段62−iにより選択された仮説の中から、評価値1に基づいて、評価値1の値が最も良い仮説を選択して出力するものである。仮説蓄積手段64は、評価値1による選択手段63から入力された仮説を蓄積し、事前に与えられた所定の数の仮説が蓄積された場合に、それらの仮説を出力するものである。
【0127】
以下、図21に示すフローチャートに沿って、図20に示すレーダパルス分類装置の評価値併用仮説数減少手段の動作、すなわち、本実施の形態における仮説数の減少方法について説明する。評価値併用仮説数減少手段22A以外の動作は、実施の形態7と同様である。
【0128】
レーダ数による仮説分類手段61は、後述の仮説蓄積手段64から入力された仮説がない場合には、評価値併用仮説減少手段22Aの外部から入力された仮説を、各仮説で仮定しているレーダ数に基づき、仮定しているレーダ数が同じである仮説が同じ集合に含まれるように分類し、その結果を記録し、仮定しているレーダ数が同一である仮説が、同一の評価値2による仮説選択手段62−i(1≦ i≦M)に入力されるように出力する(ステップST61−1)。後述の仮説蓄積手段64から入力された仮説がある場合には、記録している仮説から、この仮説を記録から消去し(ステップST61−2)、記録している仮説を、前述のように評価値2による仮説選択手段62−i(1≦i≦M)へ出力する。
【0129】
レーダ数による仮説分類手段61において仮説を分類した際、最も多いレーダ数がMであるとする。評価値2による仮説選択手段62−i(1≦i≦M)には、仮定しているレーダ数が同一である複数の仮説が入力され、評価値2に基づいて、最も評価値が良い仮説が選択され、出力される(ステップST62)。よって、評価値2としては、実施の形態7で述べたパラメータ数が同一であるモデル(仮説)を比較するための評価値の1つを用いると良い。
【0130】
評価値1による仮説選択手段63は、評価値2による仮説選択手段62−i(1≦i≦M)が出力した仮説を入力とし、評価値1に基づいて、最も評価値が良い仮説を選択し、出力する(ステップST63)。これらの仮説において仮定しているレーダ数は異なっているので、評価値1としては、実施の形態7で述べたパラメータ数が異なるモデル(仮説)を比較できる評価値の1つを用いると良い。
【0131】
仮説蓄積手段64では、入力された仮説を蓄積し(ステップST64−1)、蓄積している仮説数が、事前に与えられた所定の仮説数Hよりも少ない場合には、蓄積した仮説をレーダ数による仮説分類手段61へ出力し、同じとなった場合には、蓄積した仮説を仮説選択手段16(図15参照)に出力する(ステップST64−2、ST64−3)。この結果、レーダ数が同一である仮説の比較には、パラメータ数が同一であるモデル(仮説)を比較するための評価値を用い、レーダ数が異なる仮説の比較には、パラメータ数が異なるモデル(仮説)を比較できる評価値を用いて仮説を選択することができるので、レーダパルス分類性能が向上する。
【0132】
以上のように、本実施の形態においては、まずはじめに、レーダ数毎に仮説を複数のグループに分類し、各グループ内の仮説をパラメータ数が同一であるモデルを比較するための評価値2を用いて比較し、最も評価値の高いものを選択し、次に、各グループにおいて選択された仮説どうし(すなわち、すべてレーダ数が異なるもの)を、今度は、パラメータ数が異なるモデルを比較するための評価値1を用いて選択するので、より適切な仮説を効率よく選択することができ、レーダパルス分類性能を向上させることができる。
【0133】
実施の形態10.
次に、本発明の実施の形態10について説明する。図22は、実施の形態10によるレーダパルス分類装置の構成を示したブロック図である。図22に示すように、本実施の形態によるレーダパルス分類装置は、図1の仮説生成手段12の代わりに、レーダ数固定仮説生成手段26が設けられている。また、レーダ数固定仮説生成手段26には、図のように、レーダ数入力手段24が接続されている。他の構成については、図1に示した実施の形態1と同じである。
【0134】
レーダ数入力手段24は、パルスを分類する際に、事前にいくつのレーダからのパルスが混在しているかが既知である場合に、このレーダ数をオペレータなどが入力するものである。レーダ数固定仮説生成手段26は、レーダ数入力手段24により入力されたレーダ数に基づいて、仮説を生成するものである。
【0135】
以下、図23に示すフローチャートに沿って、図22に示すレーダパルス分類装置の動作、すなわち、本実施の形態におけるレーダパルス分類方法について説明する。レーダ数入力手段24及びレーダ数固定仮説生成手段26以外の動作は、実施の形態1と同様である。
【0136】
レーダ数入力手段24では、オペレータなどが事前に既知であるレーダ数を入力し、これをレーダ数固定仮説生成手段26に出力する(ステップST24)。
【0137】
レーダ数固定仮説生成手段26は、各仮説において仮定するレーダ数が、入力されたレーダ数以上にならないように、仮説を生成する(ステップST26)。例えば、入力されたレーダ数がMであり、入力されたkパルスの仮説1において仮定するレーダ数もMである場合には、この仮説において、(k+1)番目のパルスが新たなレーダから得られたパルスであるとする仮説を生成しないようにする。これ以外の仮説生成方法は、実施の形態1と同様である。
【0138】
この場合、評価値算出手段13で算出する評価値は、実施の形態7で述べたパラメータ数が同一であるモデル(仮説)を比較するための評価値の1つを用いることが望ましい。
【0139】
以上のように、本実施の形態においては、いくつのレーダからのパルスを混在して受信しているかが既知である場合に、レーダ数入力手段24によりレーダ数をオペレータ等が入力するようにしたので、無駄な仮説を生成せず、高速にパルスを分類することができる。さらに、パラメータ数が同一であるモデル(仮説)を比較するための評価値を用いることによって、任意の評価値を用いるよりも、レーダパルス分類性能をさらに向上させることができる。
【0140】
【発明の効果】
この発明は、未知数のレーダが放射したレーダパルス列を受信し、受信したレーダパルス列に含まれる複数のレーダパルスを、放射した各レーダ毎に分類するレーダパルス分類装置であって、新たなレーダパルスを受信したことを検出し、受信したレーダパルスのパルス内特徴を、逐次抽出する逐次パルス特徴抽出手段と、初めてレーダパルスが得られた場合には1つめのレーダパルスの分類に関する仮説を生成し、それ以外の場合にはこれまでに受信された各レーダパルスがどのレーダに分類されるかを示す仮説に、新たに得られたレーダパルスの分類に関する仮説を加えて、仮説を更新及び生成する仮説生成手段と、仮説生成手段が出力する各仮説の評価値を算出する評価値算出手段と、評価値を基に仮説の数を減少させる仮説数減少手段と、仮説数減少手段が出力する仮説を基に最良と思われる仮説を選択し、出力する仮説出力手段と、を備えたレーダパルス分類装置であるので、仮説出力手段が、仮説数減少手段の出力する仮説を基に最良と思われる仮説を選択し、それを所定の番数のパルスが得られた時点での分類結果として出力するようにしたので、事前にレーダ数を決定する必要がなく、また、誤検出や失検出も考慮にいれて仮説を生成することが可能であるので、これらのパルスによる分類性能の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
【0141】
また、仮説生成手段が、失検出パルス及び誤検出パルスが存在しているという仮説と、所定の個数のレーダからのレーダパルスを受信しているという仮説と、所定の個数以外の他の新たなレーダからのレーダパルスを受信したという仮説と、を生成するようにしたので、事前にレーダ数を決定する必要がなく、また、誤検出や失検出も考慮にいれて仮説を生成するので、これらのパルスによる分類性能の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
【0142】
また、仮説出力手段が、仮説数減少手段が出力する仮説の中で、最も評価値の良い仮説を選択して出力する仮説選択部を備えているので、評価値を基に仮説を選択するため、分類性能が高く、また、処理時間も短縮することができるという効果が得られる。
【0143】
また、仮説出力手段が、仮説数減少手段が出力する仮説において、任意の番数のパルスの仮説が全て同じであれば、その番数の仮説として仮説を選択し、異なっていれば、番数の仮説として分類が未定であるという結果を出力するパルス分類確定部を備えているため、分類を確定しにくいパルスについては、分類が未定とするので、誤った分類がされにくいという効果が得られる。
【0144】
また、仮説生成手段及び評価値算出手段を、それぞれ、仮説数減少手段で選択され出力される仮説の個数と同一の個数だけ設けるようにしたので、仮説数減少手段が出力する仮説毎に並列に仮説生成と評価値算出を行うことができ、処理を高速化することができる効果が得られる。
【0145】
また、仮説生成手段を、仮説数減少手段で選択され出力される仮説の個数と同一の個数だけ設けるとともに、評価値算出手段を、仮説生成手段で生成された仮説の個数と同一の個数だけ設けるようにしたので、仮説数減少手段の出力する仮説毎に仮説生成手段を持ち、さらに、仮説生成手段の出力する仮説毎に評価値算出手段を持つので、仮説生成のみならず、評価値算出もすべて並列に行うことができ、さらなる高速化を図ることができる効果が得られる。
【0146】
また、評価値算出手段が、仮説生成手段が出力する仮説において仮定している各レーダのレーダ特徴を推定するレーダ特徴抽出部と、ベイズの定理に基づき、新たなパルスが得られる前の仮説の評価値を用いて、新たなパルスが得られた後の仮説の評価値を算出及び更新する評価値更新部と、を備えているので、評価値を算出する際に、前の評価値を用いて、簡易に評価値を算出できるようになり、評価値の算出を高速に行うことができる効果が得られる。
【0147】
また、仮説数減少手段が、評価値算出手段から入力される複数の仮説に基づき、適切レーダ数を推定する適切レーダ数推定部と、適切レーダ数に基づき、仮説を選択する仮説数減少部と、を備えているので、選択する仮説において、極端にレーダ数が多い、もしくは、少ない仮説が選択される可能性が低くなり、正しい仮説が選択されずに、誤った仮説が選択されてしまう危険性を下げることができるとともに、選択する仮説の数を少なくして演算負荷を減らすことができるという効果が得られる。
【0148】
また、評価値算出手段が、複数の評価値を算出し、複数の評価値を各仮説に付加する複数評価値算出部を備えるとともに、仮説数減少手段が、複数の評価値を併用して仮説の総数を減少させる評価値併用仮説数減少部を備えているので、複数の評価値から諸条件に合わせたものを用いて仮説の選択を行うことができるため、より適切な仮説の選択を行うことができ、レーダパルス分類性能を向上させることができるという効果が得られる。
【0149】
また、評価値併用仮説数減少部が、複数評価値算出部で算出された評価値の1つである第一の評価値に基づいて仮説を選択し、仮説を選択したか否かを示す仮説選択情報を上記仮説に付加する第一評価値仮説数減少部と、複数評価値算出部で算出された評価値の他の1つである第二の評価値に基づいて、第一評価値仮説数減少部において選択した仮説の一部を入れ替える第二評価値仮説入れ替え部とを備えているので、所定の1つの評価値により仮説を選択した後に、他の評価値により仮説の選択を再度行い、仮説を入れ替えるようにしたので、より適切な仮説が選択されるようになり、パルス分類性能の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0150】
また、評価値併用仮説減少部が、各仮説において仮定しているレーダ数に応じて複数のグループに仮説を分類するレーダ数仮説分類部と、複数評価値算出部で算出された評価値の1つである第二の評価値に基づいて、各グループ毎に仮説を選択する第二評価値仮説選択部と、複数評価値算出部で算出された評価値の他の1つである第一の評価値に基づいて、第二評価値仮説選択部により選択された仮説の中から仮説を選択する第一評価値仮説選択部と、第一評価値仮説選択部により入力された仮説を蓄積していき、事前に与えられた所定の数の仮説が蓄積した場合に、蓄積している全ての仮説を出力し、その他の場合には、入力された仮説を出力する仮説蓄積部とを備えているので、レーダ数毎に仮説を複数のグループに分類し、各グループ内の仮説をパラメータ数が同一であるモデルを比較するための第二の評価値を用いて比較し、最も評価値の高いものを選択し、次に、各グループにおいて選択された仮説どうしを、パラメータ数が異なるモデルを比較するための第一の評価値を用いて選択できるので、より適切な仮説を効率よく選択することができ、レーダパルス分類性能を向上させることができるという効果が得られる。
【0151】
また、仮説生成手段が、レーダ数が既知、もしくは、レーダ数を設定できる場合に、外部からレーダ数を入力するレーダ数入力部をさらに備え、レーダ数入力部にレーダ数の入力があった場合には、レーダ数に基づいて、各仮説で仮定されるレーダ数を制限して仮説を生成するようにしたので、レーダ数が既知である場合に、無駄な仮説を生成せずに、高速にパルスを分類することができるという効果が得られる。
【0152】
また、この発明は、未知数のレーダが放射したレーダパルス列を受信し、受信したレーダパルス列に含まれる複数のレーダパルスを、放射した各レーダ毎に分類するレーダパルス分類方法であって、新たなレーダパルスを受信したことを検出する新規パルス受信判断工程と、受信したレーダパルスのパルス内特徴を、各レーダパルス毎に逐次抽出する逐次パルス特徴抽出工程と、初めてレーダパルスが得られた場合に、1つめのレーダパルスの分類に関する仮説を生成する仮説初期化工程と、2つ目以降のレーダパルスが得られた場合に、これまでに受信された各レーダパルスがどのレーダに分類されるかを示す仮説に、新たに得られたレーダパルスの分類に関する仮説を加えて、仮説を更新及び生成する仮説生成工程と、各仮説の評価値を算出する評価値算出工程と、評価値を基に仮説の数を減少させる仮説数減少工程と、仮説数減少工程により出力される仮説を基に最良と思われる仮説を選択し、出力する仮説出力工程と、を備えているので、仮説出力工程において、仮説数減少工程の出力する仮説を基に最良と思われる仮説を選択し、それを所定の番数のパルスが得られた時点での分類結果として出力するようにしたので、事前にレーダ数を決定する必要がなく、また、誤検出や失検出も考慮にいれて仮説を生成することが可能であるので、これらのパルスによる分類性能の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
【0153】
また、仮説生成工程が、失検出パルス及び誤検出パルスが存在しているという仮説と、所定の個数のレーダからのレーダパルスを受信しているという仮説と所定の個数以外の他の新たなレーダからのレーダパルスを受信したという仮説と、を生成するようにしたので、事前にレーダ数を決定する必要がなく、また、誤検出や失検出も考慮にいれて仮説を生成するので、これらのパルスによる分類性能の劣化を防ぐことができるという効果が得られる。
【0154】
また、仮説出力工程が、仮説数減少工程において出力される仮説の中で、最も評価値の良い仮説を選択して出力する仮説選択ステップを備えているので、評価値を基に仮説を選択するため、分類性能が高く、また、処理時間も短縮することができるという効果が得られる。
【0155】
また、仮説出力工程が、仮説数減少工程において出力される仮説において、任意の番数のパルスの仮説が全て同じであれば、番数の仮説として仮説を選択し、異なっていれば、その番数の仮説として、分類が未定であるという結果を出力するパルス分類確定ステップを備えているため、分類を確定しにくいパルスについては、分類が未定とするので、誤った分類がされにくいという効果が得られる。
【0156】
また、仮説生成工程及び評価値算出工程を、それぞれ、仮説数減少工程で選択され出力される仮説の個数と同一の個数だけ設けて、並列に処理を行うようにしたので、仮説数減少工程が出力する仮説毎に並列に仮説生成と評価値算出を行うことができ、処理を高速化することができる効果が得られる。
【0157】
また、仮説生成工程を、仮説数減少工程で選択され出力される仮説の個数と同一の個数だけ設けるとともに、評価値算出工程を、仮説生成工程で生成された仮説の個数と同一の個数だけ設けて、並列に処理を行うようにしたので、仮説生成のみならず、評価値算出もすべて並列に行うことができ、さらなる高速化を図ることができる効果が得られる。
【0158】
また、評価値算出工程が、仮説生成工程が出力する仮説において仮定している各レーダのレーダ特徴を推定するレーダ特徴抽出ステップと、ベイズの定理に基づき、新たなパルスが得られる前の仮説の評価値を用いて、新たなパルスが得られた後の仮説の評価値を算出及び更新する評価値更新ステップと、を備えているので、評価値を算出する際に、前の評価値を用いて、簡易に評価値を算出できるようになり、評価値の算出を高速に行うことができる効果が得られる。
【0159】
また、仮説数減少工程が、評価値算出工程から入力される複数の仮説に基づき、適切レーダ数を推定する適切レーダ数推定ステップと、適切レーダ数に基づき、仮説を選択する仮説数減少ステップと、を備えているので、選択する仮説において、極端にレーダ数が多い、もしくは、少ない仮説が選択される可能性が低くなり、正しい仮説が選択されずに、誤った仮説が選択されてしまう危険性を下げることができるとともに、選択する仮説の数を少なくして演算負荷を減らすことができるという効果が得られる。
【0160】
また、評価値算出工程が、複数の評価値を算出し、複数の評価値を各仮説に付加する複数評価値算出ステップを備えるとともに、仮説数減少工程が、複数の評価値を併用して仮説の総数を減少させる評価値併用仮説数減少ステップとを備えているので、複数の評価値から諸条件に合わせたものを用いて仮説の選択を行うことができるため、より適切な仮説の選択を行うことができ、レーダパルス分類性能を向上させることができるという効果が得られる。
【0161】
また、評価値併用仮説数減少ステップが、複数評価値算出ステップで算出された評価値の1つである第一の評価値に基づいて仮説を選択し、仮説を選択したか否かを示す仮説選択情報を仮説に付加する第一評価値仮説数減少ステップと、複数評価値算出ステップで算出された評価値の他の1つである第二の評価値に基づいて、第一評価値仮説数減少ステップにおいて選択した仮説の一部を入れ替える第二評価値仮説入れ替えステップとを備えているので、所定の1つの評価値により仮説を選択した後に、他の評価値により仮説の選択を再度行い、仮説を入れ替えるようにしたので、より適切な仮説が選択されるようになり、パルス分類性能の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0162】
また、評価値併用仮説減少ステップが、各仮説において仮定しているレーダ数に応じて複数のグループに仮説を分類するレーダ数仮説分類ステップと、複数評価値算出ステップで算出された評価値の1つである第二の評価値に基づいて、各グループ毎に仮説を選択する第二評価値仮説選択ステップと、複数評価値算出ステップで算出された評価値の他の1つである第一の評価値に基づいて、第二評価値仮説選択ステップにおいて選択された仮説の中から仮説を選択する第一評価値仮説選択ステップと、第一評価値仮説選択ステップにおいて選択された仮説を蓄積する仮説蓄積ステップと、仮説蓄積ステップにおいて蓄積した仮説の数が、事前に与えられた所定の数に達した場合に、蓄積した仮説を全て出力する仮説出力ステップとを備えているので、レーダ数毎に仮説を複数のグループに分類し、各グループ内の仮説をパラメータ数が同一であるモデルを比較するための第二の評価値を用いて比較し、最も評価値の高いものを選択し、次に、各グループにおいて選択された仮説どうしを、パラメータ数が異なるモデルを比較するための第一の評価値を用いて選択できるので、より適切な仮説を効率よく選択することができ、レーダパルス分類性能を向上させることができるという効果が得られる。
【0163】
また、仮説生成ステップが、レーダ数が既知、もしくは、レーダ数を設定できる場合に、外部からレーダ数を入力するレーダ数入力ステップをさらに備え、レーダ数入力ステップにおいてレーダ数の入力があった場合には、レーダ数に基づいて、各仮説で仮定されるレーダ数を制限して仮説を生成するようにしたので、レーダ数が既知である場合に、無駄な仮説を生成せずに、高速にパルスを分類することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1によるレーダパルス分類装置の構成を示したブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態1によるレーダパルス分類方法の動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】 処理対象である混在レーダパルス列の例を示す説明図である。
【図4】 混在レーダパルス列に含まれるパルスを分類した仮説の例を示す説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態2によるレーダパルス分類装置の構成を示したブロック図である。
【図6】 本発明の実施の形態2によるレーダパルス分類方法の動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】 本発明の実施の形態3によるレーダパルス分類装置の構成を示したブロック図である。
【図8】 本発明の実施の形態3によるレーダパルス分類方法の動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】 本発明の実施の形態4によるレーダパルス分類装置の構成を示したブロック図である。
【図10】 本発明の実施の形態4によるレーダパルス分類方法の動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】 本発明の実施の形態5によるレーダパルス分類装置に設けられた評価値算出手段の構成を示したブロック図である。
【図12】 本発明の実施の形態5によるレーダパルス分類方法の評価値算出動作の流れを示すフローチャートである。
【図13】 本発明の実施の形態6によるレーダパルス分類装置に設けられた仮説数減少手段の構成を示したブロック図である。
【図14】 本発明の実施の形態6によるレーダパルス分類方法の仮説数減少動作の流れを示すフローチャートである。
【図15】 本発明の実施の形態7によるレーダパルス分類装置の構成を示したブロック図である。
【図16】 本発明の実施の形態7によるレーダパルス分類方法の動作の流れを示すフローチャートである。
【図17】 本発明の実施の形態1〜5によるレーダパルス分類装置におけるレーダパルス分類に関するシミュレーションを行った結果のグラフを示す説明図である。
【図18】 本発明の実施の形態8によるレーダパルス分類装置に設けられた評価値併用仮説数減少手段の構成を示したブロック図である。
【図19】 本発明の実施の形態8によるレーダパルス分類方法の評価値併用仮説数減少動作の流れを示すフローチャートである。
【図20】 本発明の実施の形態9によるレーダパルス分類装置に設けられた評価値併用仮説数減少手段の構成を示したブロック図である。
【図21】 本発明の実施の形態9によるレーダパルス分類方法の評価値併用仮説数減少動作の流れを示すフローチャートである。
【図22】 本発明の実施の形態10によるレーダパルス分類装置の構成を示したブロック図である。
【図23】 本発明の実施の形態10によるレーダパルス分類方法の動作の流れを示すフローチャートである。
【図24】 従来のレーダパルス分類装置を示したブロック図である。
【図25】 従来のレーダパルス分類方法の動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 逐次パルス特徴抽出手段、12 仮説生成手段、13,13A 評価値算出手段、15 仮説数減少手段、16 仮説選択手段、17 パルス分類確定手段、20 複数評価値算出手段、22,22A 評価値併用仮説数減少手段、24 レーダ数入力手段、26 レーダ数固定仮説生成手段、31 レーダ特徴抽出手段、32 評価値更新手段、41 適切レーダ数推定手段、42 レーダ数による仮説数減少手段、51 評価値1による仮説数減少手段、52 評価値2による仮説入れ替え手段、61 レーダ数による仮説分類手段、62 評価値2による仮説選択手段、63 評価値1による仮説選択手段、64 仮説蓄積手段。

Claims (24)

  1. 未知数のレーダが放射したレーダパルス列を受信し、受信した上記レーダパルス列に含まれる複数のレーダパルスを、放射した各レーダ毎に分類するレーダパルス分類装置であって、
    新たなレーダパルスを受信したことを検出し、受信した上記レーダパルスのパルス内特徴を、逐次抽出する逐次パルス特徴抽出手段と、
    初めてレーダパルスが得られた場合には1つめのレーダパルスの分類に関する仮説を生成し、それ以外の場合にはこれまでに受信された各レーダパルスがどのレーダに分類されるかを示す仮説に、新たに得られたレーダパルスの分類に関する仮説を加えて、仮説を更新する仮説生成手段と、
    上記仮説生成手段が出力する各上記仮説の評価値を算出する評価値算出手段と、
    上記評価値を基に仮説を選択し、仮説の数を減少させる仮説数減少手段と、
    上記仮説数減少手段が出力する仮説から最良と思われる仮説を選択し、出力する仮説出力手段と
    を備えたことを特徴とするレーダパルス分類装置。
  2. 上記仮説生成手段が、
    失検出パルス及び誤検出パルスが存在しているという仮説と、
    所定の個数のレーダからのレーダパルスを受信しているという仮説と
    上記所定の個数以外の他の新たなレーダからのレーダパルスを受信したという仮説と
    を生成することを特徴とする請求項1記載のレーダパルス分類装置。
  3. 上記仮説出力手段が、
    上記仮説数減少手段が出力する上記仮説の中で、最も評価値の良い仮説を選択して出力する仮説選択部
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のレーダパルス分類装置。
  4. 上記仮説出力手段が、
    上記仮説数減少手段が出力する上記仮説において、任意の番数のパルスの仮説が全て同じであれば、上記番数の仮説として上記仮説を選択し、異なっていれば、上記番数の仮説として分類が未定であるという結果を出力するパルス分類確定部
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のレーダパルス分類装置。
  5. 上記仮説生成手段及び上記評価値算出手段を、それぞれ、上記仮説数減少手段で選択され出力される上記仮説の個数と同一の個数だけ設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のレーダパルス分類装置。
  6. 上記仮説生成手段を、上記仮説数減少手段で選択され出力される上記仮説の個数と同一の個数だけ設けるとともに、
    上記評価値算出手段を、上記仮説生成手段で生成された上記仮説の個数と同一の個数だけ設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のレーダパルス分類装置。
  7. 上記評価値算出手段が、
    上記仮説生成手段が出力する上記仮説において仮定している各レーダのレーダ特徴を推定するレーダ特徴抽出部と、
    ベイズの定理に基づき、新たなパルスが得られる前の仮説の評価値を用いて、新たなパルスが得られた後の仮説の評価値を算出及び更新する評価値更新部と
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のレーダパルス分類装置。
  8. 上記仮説数減少手段が、
    上記評価値算出手段から入力される複数の上記仮説に基づき、適切レーダ数を推定する適切レーダ数推定部と、
    上記適切レーダ数に基づき、上記仮説を選択する仮説数減少部と
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のレーダパルス分類装置。
  9. 上記評価値算出手段が、複数の評価値を算出し、上記複数の評価値を各上記仮説に付加する複数評価値算出部を備えるとともに、
    上記仮説数減少手段が、上記複数の評価値を併用して上記仮説の総数を減少させる評価値併用仮説数減少部を備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のレーダパルス分類装置。
  10. 上記評価値併用仮説数減少部が、
    上記複数評価値算出部で算出された上記評価値の1つである第一の評価値に基づいて仮説を選択し、上記仮説を選択したか否かを示す仮説選択情報を上記仮説に付加する第一評価値仮説数減少部と、
    上記複数評価値算出部で算出された上記評価値の他の1つである第二の評価値に基づいて、上記第一評価値仮説数減少部において選択した上記仮説の一部を入れ替える第二評価値仮説入れ替え部と
    を備えたことを特徴とする請求項9に記載のレーダパルス分類装置。
  11. 上記評価値併用仮説減少部が、
    各仮説において仮定しているレーダ数に応じて複数のグループに仮説を分類するレーダ数仮説分類部と、
    上記複数評価値算出部で算出された上記評価値の1つである第二の評価値に基づいて、上記各グループ毎に上記仮説を選択する第二評価値仮説選択部と、
    上記複数評価値算出部で算出された上記評価値の他の1つである第一の評価値に基づいて、上記第二評価値仮説選択部により選択された上記仮説の中から仮説を選択する第一評価値仮説選択部と、
    上記第一評価値仮説選択部により入力された上記仮説を蓄積していき、事前に与えられた所定の数の仮説が蓄積した場合に、蓄積している全ての仮説を出力し、その他の場合には、入力された上記仮説を出力する仮説蓄積部と
    を備えたことを特徴とする請求項9に記載のレーダパルス分類装置。
  12. 上記仮説生成手段が、
    レーダ数が既知、もしくは、レーダ数を設定できる場合に、外部からレーダ数を入力するレーダ数入力部をさらに備え、
    上記レーダ数入力部に上記レーダ数の入力があった場合には、上記レーダ数に基づいて、各仮説で仮定されるレーダ数を制限して仮説を生成することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のレーダパルス分類装置。
  13. 未知数のレーダが放射したレーダパルス列を受信し、受信した上記レーダパルス列に含まれる複数のレーダパルスを、放射した各レーダ毎に分類するレーダパルス分類方法であって、
    新たなレーダパルスを受信したことを検出する新規パルス受信判断工程と、
    受信した上記レーダパルスのパルス内特徴を、各レーダパルス毎に逐次抽出する逐次パルス特徴抽出工程と、
    初めてレーダパルスが得られた場合に、1つめのレーダパルスの分類に関する仮説を生成する仮説初期化工程と、
    2つ目以降のレーダパルスが得られた場合に、これまでに受信された各レーダパルスがどのレーダに分類されるかを示す仮説に、新たに得られたレーダパルスの分類に関する仮説を加えて、仮説を更新及び生成する仮説生成工程と、
    各上記仮説の評価値を算出する評価値算出工程と、
    上記評価値を基に仮説の数を減少させる仮説数減少工程と、
    上記仮説数減少工程により出力される上記仮説を基に最良と思われる仮説を選択し、出力する仮説出力工程と
    を備えたことを特徴とするレーダパルス分類方法。
  14. 上記仮説生成工程が、
    失検出パルス及び誤検出パルスが存在しているという仮説と、
    所定の個数のレーダからのレーダパルスを受信しているという仮説と
    上記所定の個数以外の他の新たなレーダからのレーダパルスを受信したという仮説と
    を生成することを特徴とする請求項13記載のレーダパルス分類方法。
  15. 上記仮説出力工程が、
    上記仮説数減少工程において出力される上記仮説の中で、最も評価値の良い仮説を選択して出力する仮説選択ステップ
    を備えたことを特徴とする請求項13または14に記載のレーダパルス分類方法。
  16. 上記仮説出力工程が、
    上記仮説数減少工程において出力される上記仮説において、任意の番数のパルスの仮説が全て同じであれば、上記番数の仮説として上記仮説を選択し、異なっていれば、上記番数の仮説として分類が未定であるという結果を出力するパルス分類確定ステップ
    を備えたことを特徴とする請求項13または14に記載のレーダパルス分類方法。
  17. 上記仮説生成工程及び上記評価値算出工程を、それぞれ、上記仮説数減少工程で選択され出力される上記仮説の個数と同一の個数だけ設けて、並列に処理を行うことを特徴とする請求項13ないし16のいずれかに記載のレーダパルス分類方法。
  18. 上記仮説生成工程を、上記仮説数減少工程で選択され出力される上記仮説の個数と同一の個数だけ設けるとともに、
    上記評価値算出工程を、上記仮説生成工程で生成された上記仮説の個数と同一の個数だけ設けて、
    並列に処理を行うことを特徴とする請求項13ないし17のいずれかに記載のレーダパルス分類方法。
  19. 上記評価値算出工程が、
    上記仮説生成工程が出力する上記仮説において仮定している各レーダのレーダ特徴を推定するレーダ特徴抽出ステップと、
    ベイズの定理に基づき、新たなパルスが得られる前の仮説の評価値を用いて、新たなパルスが得られた後の仮説の評価値を算出及び更新する評価値更新ステップと
    を備えたことを特徴とする請求項13ないし18のいずれかに記載のレーダパルス分類方法。
  20. 上記仮説数減少工程が、
    上記評価値算出工程から入力される複数の上記仮説に基づき、適切レーダ数を推定する適切レーダ数推定ステップと、
    上記適切レーダ数に基づき、上記仮説を選択する仮説数減少ステップと
    を備えたことを特徴とする請求項13ないし19のいずれかに記載のレーダパルス分類方法。
  21. 上記評価値算出工程が、複数の評価値を算出し、上記複数の評価値を各上記仮説に付加する複数評価値算出ステップを備えるとともに、
    上記仮説数減少工程が、上記複数の評価値を併用して上記仮説の総数を減少させる評価値併用仮説数減少ステップとを備えたことを特徴とする請求項13ないし20のいずれかに記載のレーダパルス分類方法。
  22. 上記評価値併用仮説数減少ステップが、
    上記複数評価値算出ステップで算出された上記評価値の1つである第一の評価値に基づいて仮説を選択し、上記仮説を選択したか否かを示す仮説選択情報を上記仮説に付加する第一評価値仮説数減少ステップと、
    上記複数評価値算出ステップで算出された上記評価値の他の1つである第二の評価値に基づいて、上記第一評価値仮説数減少ステップにおいて選択した上記仮説の一部を入れ替える第二評価値仮説入れ替えステップと
    を備えたことを特徴とする請求項21に記載のレーダパルス分類方法。
  23. 上記評価値併用仮説減少ステップが、
    各仮説において仮定しているレーダ数に応じて複数の上記グループに仮説を分類するレーダ数仮説分類ステップと、
    上記複数評価値算出ステップで算出された上記評価値の1つである第二の評価値に基づいて、上記各グループ毎に上記仮説を選択する第二評価値仮説選択ステップと、
    上記複数評価値算出ステップで算出された上記評価値の他の1つである第一の評価値に基づいて、上記第二評価値仮説選択ステップにおいて選択された上記仮説の中から仮説を選択する第一評価値仮説選択ステップと、
    上記第一評価値仮説選択ステップにおいて選択された上記仮説を蓄積する仮説蓄積ステップと、
    上記仮説蓄積ステップにおいて蓄積した仮説の数が、事前に与えられた所定の数に達した場合に、蓄積した仮説を全て出力する仮説出力ステップと
    を備えたことを特徴とする請求項21に記載のレーダパルス分類方法。
  24. 上記仮説生成ステップが、
    レーダ数が既知、もしくは、レーダ数を設定できる場合に、外部からレーダ数を入力するレーダ数入力ステップをさらに備え、
    上記レーダ数入力ステップにおいて上記レーダ数の入力があった場合には、上記レーダ数に基づいて、各仮説で仮定されるレーダ数を制限して仮説を生成することを特徴とする請求項13ないし23のいずれかに記載のレーダパルス分類方法。
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