JP2006329671A - 入射角度推定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複数個の素子アンテナを、受信電波の1/2波長より広い素子間隔で配列してアレーアンテナを構成し、入射角度推定処理部により、素子アンテナのそれぞれから得られる受信データに基づいて位相差方探処理により受信電波の虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出し、一方、粗測角値算出部により、受信データの任意の一対に基づいて対応する素子アンテナ間における受信電波の到来時間差を推定し、当該推定された到来時間差に基づいて受信電波の粗測角値を算出し、粗測角値算出部において、入射角度推定値の中から粗測角値に最も近い値を受信電波の求めるべき測角値として選択する。
【選択図】 図1
Description
信号対雑音電力比が高く、相関を計算する時間サンプル数が十分大きければ、式(3)は第2項、第3項、第4項はいずれも0となるので、次式のように展開することにより、電波の入射角度θを推定できる。
また、アレーの素子間隔は、要求される測角精度により決定される。しかし、要求される測角精度が高くなり素子間隔dを広げ、λ/2を超えると、求めた入射角度に偽像が発生してしまうため、従来は素子アンテナの中間に別途素子を挿入することによって最小の素子間隔dがλ/2以下になるような配列にしていた。
図1はこの発明の実施の形態1による入射角度推定装置の構成を示す図である。
この入射角度推定装置は、少なくとも2つの受信用の素子アンテナ11,12、それぞれの受信器31,32、入射角度推定処理部4、粗測角値算出部5、角度値判定部6を備えている。ここで、素子アンテナ11,12の素子間隔dは半波長以上あるものと仮定する。また、これらの素子アンテナ11,12にはアジマスθの角度で受信電波wが入射するものと仮定する。
素子アンテナ11,12は受信電波wを受信するとアナログ電気信号に変換する。各素子アンテナ11,12からの信号のそれぞれは、対応する受信器31,32において、ミキサにより送信周波数から中間周波数にダウンコンバージョンした後、中間周波数の信号をそれぞれA/D変換してデジタルの受信データx1,x2を得る。これらの受信データx1,x2は、入射角度推定処理部4と粗測角値算出部5に入力される。
入射角度推定処理部4では、従来の技術に関して前述した位相差方探処理の式(3)および式(4)を用いて、受信データx1,x2から入射角度推定値を求める。ただし、この発明では、素子間隔を半波長以上であると仮定しているため、真の位相に対して2nπ(nは整数)を加算した位相値毎に同位相となり、入射角度推定値としては偽像を含めてθs1,θs2,…,θspのように複数個が得られる。これらの入射角度推定値は角度値判定部6に入力される。
受信データx1,x2をLサンプル用いて次式の相関処理を行い、f(τ)が最大となるτを到来時間差推定値τ’とする。
素子間隔が半波長以上である場合、入射角度推定処理部4から得られる入射角度推定値θs1,θs2,…,θspでは、真の位相に対して2nπ(nは整数)を加算した位相値毎に同位相となり、図に示すように入射角度推定値に偽像θs1,θs3が生じる。これらの偽像を含めた入射角角度推定値θs1,θs2,…,θspの中から、式(6)で得られた受信電波の粗測角値θ’に最も近い値を唯一の測角値θsとして選択する。このことにより、偽像を排除することが可能になる。
図3はこの発明の実施の形態2による入射角度推定装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態2では、アレーアンテナは2以上の素子アンテナ11,12,…,1Mで構成され、素子数に応じたチャネル分の受信器31,32,…,3Mが設けられ、入射角度推定処理部4では超分解能アルゴリズムを用いて処理するようにしている。この場合にも、アレーアンテナの素子間間隔によっては入射角度推定値θs1,θs2,…,θspに偽像が含まれる。そこで、入射角度推定処理部4から得られる入射角度推定値θs1,θs2,…,θspの中から、粗測角値算出部5で算出された粗測角値を用いて唯一の測角値θsを選択する構成としている。
図4はこの発明の実施の形態3による入射角度推定装置の構成を示すブロック図である。
上記実施の形態2の粗測角値算出部5で用いる式(5)の方法では、受信電波の帯域幅によって決定される分解能以下の到来時間差は観測できないことが考えられる。また、処理しようとする同一帯域内に複数の受信電波が存在するような場合にも、到来時間差が観測できなくなることが考えられる。そこで、この実施の形態3では、粗測角値算出部5において粗測角値を算出するための到来時間差推定にも超分解能アルゴリズムを用いる。
図5はこの発明の実施の形態4による入射角度推定装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態4では、アレーアンテナは2個のサブアレーアンテナ101,102を持ち、各サブアレーアンテナはそれぞれが2個の素子アンテナからなる。これらの素子アンテナ111,112,121,122に対応してそれぞれ受信器311,312,321,322が設けられている。また、サブアレーアンテナ101,102毎に各受信器からの受信データに対してデジタルビームフォーミング(以下、DBFとする)を行うDBF処理部71,72を備えている。PH101,PH102はサブアレーアンテナ101,102の位相中心である。サブアレーアンテナ101,102は、この位相中心間を受信電波の1/2波長より広い間隔となるように配列してアレーアンテナを構成する。
DBF処理部71,72において、サブアレーアンテナ101,102毎に受信器で得られる各受信データをDBF処理し、合成した受信データx1,x2を入射角度推定処理部4に与える。入射角度推定処理部4では、これらの合成された受信データx1,x2に基づいて位相差方探処理により受信電波の入射角度推定値θs1,θs2,…,θspを求める。この場合、各サブアレーアンテナの位相中心PH101,PH102がλ/2以上離れている場合、入射角度推定処理部4で得られた入射角度推定値には偽像が含まれる。
図6はこの発明の実施の形態5による入射角度推定装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態5のアレーアンテナは、実施の形態2の図3の素子アンテナ11,12,…,1Mからなるアレーアンテナの代わりに、それぞれがm個の素子アンテナからなるサブアレーアンテナをM個配列した構成としている。また、これらの素子アンテナ11,…,1Mmにはアジマスθの角度で受信電波wが入射するものと仮定する。DBF処理部71,72,…,7Mは、サブアレーアンテナ201,…,20M毎にそれぞれの受信器からの受信データをDBF処理し、合成した受信データx1,x2,…,xMを入射角度推定処理部4に与える。この実施の形態5の入射角度推定処理部4では、合成した受信データx1,x2,…,xMから超分解能アルゴリズム(例えばMUSICアルゴリズム)により入射角度推定値θs1,θs2,…,θspを算出する。このときの各サブアレーアンテナの位相中心PH201,PH202…,PH20M間の間隔が全てλ/2以上離れている場合、入射角度推定処理部4で得られた入射角度推定値θs1,θs2,…,θspには偽像が含まれている。
図7はこの発明の実施の形態6による入射角度推定装置の構成を示すブロック図である。ここでは、受信電波が複数、すなわちK波入射しているものとする(ただし、素子数MはK+1以上とする)。
この実施の形態6アレーアンテナは、実施の形態3の図4の素子アンテナ31,32,…,3Mからなるアレーアンテナの代わりに、m個の素子アンテナからなるサブアレーアンテナをM個配列した構成としている。各サブアレーアンテナの位相中心PH201,PH202…,PH20Mの間隔は全てλ/2以上離れて設定されているものとする。
Claims (6)
- 複数個の素子アンテナを、受信電波の1/2波長より広い素子間隔で配列してなるアレーアンテナと、
前記素子アンテナのそれぞれから得られる受信データに基づいて位相差方探処理により受信電波の虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出する入射角度推定処理部と、
前記受信データの任意の一対に基づいて対応する素子アンテナ間における受信電波の到来時間差を推定し、当該推定された到来時間差に基づいて受信電波の粗測角値を算出する粗測角値算出部と、
前記算出された入射角度推定値の中から前記粗測角値に最も近い値を受信電波の求めるべき測角値として選択する角度値判定部とを備えたことを特徴とする入射角度推定装置。 - 請求項1において、入射角度推定処理部として、各受信データに基づいて超分解能アルゴリズムにより受信電波の虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出する手段を適用したことを特徴とする入射角度推定装置。
- 請求項2において、
粗測角値算出部として、受信データの一つに基づいて、超分解能アルゴリズムにより複数の受信電波の素子アンテナ間の到来時間差をそれぞれ推定し、当該推定された各到来時間差に基づいて前記複数の受信電波の各粗測角値を算出する手段を適用し、
角度値判定部は、入射角度推定処理部で算出された前記複数の受信電波のそれぞれの入射角度推定値の中から、対応する受信電波の粗測角値と最も近接する値をそれぞれの受信電波の求めるべき測角値として選択するようにしたことを特徴とする入射角度推定装置。 - それぞれ所定数の素子アンテナからなる複数のサブアレーアンテナを、位相中心間を受信電波の1/2波長より広い間隔となるように配列してなるアレーアンテナと、
前記サブアレーアンテナ毎に各素子アンテナから得られる受信データをデジタルビームフォーミングして合成するそれぞれのDBF処理部と、
合成された受信データに基づいて位相差方探処理により受信電波の虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出する入射角度推定処理部と、
前記合成された受信データの任意の一対に基づいて対応するサブアレーアンテナの位相中心間における受信電波の到来時間差を推定し、当該推定された到来時間差に基づいて受信電波の粗測角値を算出する粗測角値算出部と、
前記算出された入射角度推定値の中から前記粗測角値に最も近い値を受信電波の求めるべき測角値として選択する角度値判定部とを備えたことを特徴とする入射角度推定装置。 - 請求項4において、入射角度推定処理部として、合成された受信データに基づいて超分解能アルゴリズムにより受信電波の虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出する手段を適用したことを特徴とする入射角度推定装置。
- 請求項4において、
入射角度推定処理部として、合成された受信データに基づいて、サブアレーアンテナの位相回転量を推定することで測角を行う超分解能アルゴリズムにより複数の受信電波のそれぞれの虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出する手段を適用し、
粗測角値算出部として、合成された受信データの一つに基づいて、超分解能アルゴリズムにより前記複数の受信電波のサブアレーアンテナ間の到来時間差をそれぞれ推定し、当該推定された各到来時間差に基づいて前記複数の受信電波の各粗測角値を算出する手段を適用し、
角度値判定部は、前記複数の受信電波のそれぞれの入射角度推定値の中から、対応する受信電波の粗測角値と最も近接する値をそれぞれの受信電波の求めるべき測角値として選択するようにしたことを特徴とする入射角度推定装置。
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