JP2000085336A - 車両用ダクトおよびその製造方法 - Google Patents
車両用ダクトおよびその製造方法Info
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Abstract
くして保温効果を良くし、また開口周りを補強し、さら
には開口を利用したダクト同士の接続にパッキンなしで
もシール機能を発揮できるようにした車両用ダクトおよ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 一対の分割型1の少なくとも一方にイン
サート4に係る開口枠41の内周縁より大なる開口縁を
もつ深穴を形成して、インサート4の開口枠41が前記
深穴位置に配されるようにし、且つ該インサート4を外
側にして二枚の加熱,軟化させた発泡樹脂シート2a,
2bを分割型1にセットした後、型閉じし、キャビティ
C内に圧空を吹き込んでキャビティ面11に圧着成形を
行い、その後、前記開口枠41を巻き込んで深穴によっ
て成形された膨出部分32を切除し開口を設けるように
した。
Description
アコン)ダクト等に用いられる車両用ダクトおよびその
製造方法に関する。
高密度ポリエチレン(HDPE)等のブロー成形品が用
いられている。中空形状であること、また形状にあまり
制約がなく自由度が大きいこと等による。こうした空調
用ダクトは、ブロア(熱交換器付き)で発生した風をイ
ンストルメントパネルやドアトリム,天井内張り等に設
けたレジスター(風向板)まで導く役割を担っている。
ブロアで送られる風は、冷房時には冷たい風が、また暖
房時には暖かい風となる。
トがブロー成形品となると、板厚が1〜2mm程度で造
られるため、単位面積当りの熱伝導率が大きくなってい
た。その結果、湿気が多い時にダクト内に冷風が流れる
とダクト表面に結露を生じさせた。結露による水滴が落
下するのを防ぐべく、ダクト表面に断熱材を貼る対策等
が必要となり、コスト高になった。さらに、熱伝導率が
大きいために、ダクトが長くなると温度変化してしま
う、すなわち冷暖房効果が低下する欠点があった。
パネルやドアトリム等に設けた各レジスターに向けて空
調エアを分配するために、該ダクトには必要に応じ分岐
ダクト用の開口が形成されるが、この開口周りの補強が
難しく、またダクト同士の接続には開口周縁にシール用
パッキンを介在させなければならず、結構手間のかかる
作業になっていた。
クト本体の単位面積当りの熱伝導率を小さくして保温効
果を良くし、また開口周りを補強し、さらには開口を利
用したダクト同士の接続にパッキンなしでもシール機能
を発揮できるようにした車両用ダクトおよびその製造方
法を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の要旨は、所定大きさの二枚の発
泡樹脂シートを用いて中空状に成形され、且つ、インサ
ートに係る開口枠を巻き込んで成形された膨出部分を切
除して形成された開口を有することを特徴とする車両用
ダクトにある。請求項2記載の本発明の要旨は、一対の
分割型の少なくとも一方にインサートに係る開口枠の内
周縁より大なる開口縁をもつ深穴を形成して、インサー
トの開口枠が前記深穴位置に配されるようにし、且つ該
インサートを外側にして二枚の加熱,軟化させた発泡樹
脂シートを分割型にセットした後、型閉じし、キャビテ
ィ内に圧空を吹き込んでキャビティ面に圧着成形を行
い、その後、前記開口枠を巻き込んで深穴によって成形
された膨出部分を切除し開口を設けるようにした車両用
ダクトの製造方法にある。
およびその製造方法の実施形態について詳述する。図1
〜図6は本発明の車両用ダクトおよびその製造方法の一
形態で、図1は車輛用ダクトの斜視図、図2は上型にイ
ンサートをセットする説明断面図、図3は二枚の発泡樹
脂シートを分割型に供給した断面図、図4はブローピン
から圧空を吹き込んで成形している断面図、図5は圧空
成形を終えた後の膨出部分周りの断面図、図6は図5の
膨出部分の上半部を切除した状態を示す断面図である。
金型1(一対の分割型)について説明する。分割型1
は、上型1aと下型1bとからなり、型閉じにより車両
用ダクトのキャビティCを形成する。二枚の加熱,軟化
させた発泡樹脂シート2a,2bを該分割型1にセット
して圧空成形により中空成形品3を造ることができる。
開口枠41のあるインサート4が組込まれた車両用ダク
トの中空成形品3となる。上型1aで、インサート4の
開口枠41が配される箇所にはほぼ垂直方向に掘られた
深穴12が設けられている。深穴12の開口縁距離L2
は開口枠41の内周縁距離L1より長く、該深穴12
は、インサート4に係る開口枠41の内周縁41aより
大なる開口縁12aを有して、製品形成のためのキャビ
ティ面11より一段深くなっている。
方法を説明する。まず、インサート4をその開口枠41
が深穴12に位置するように配する。インサート4はこ
こでは平板状で四角形の開口枠41と該開口枠41の各
四隅から延びる脚42とを備える。深穴12の開口縁1
2aは開口枠41の外周縁41bとほぼ相似形で、それ
より若干小さめに設定される。上面開口枠41の外周縁
付近を深穴12の開口縁12aに当接させて、インサー
ト4が上型1aに係止,セットされる(図2)。また、
インサート4に係る開口枠41の内周縁41aは深穴1
2の開口縁12aより一回り小さく形成している。した
がって、開口枠41の内側部分はキャビティと深穴12
でつくる空間内に突き出た格好になる。ところで、前記
インサート4の開口枠41の断面形状は発泡樹脂シート
2が抱き込みやすいように台形形状にしたり孔を設けた
りするのが望ましい。開口枠断面が図6のように両端面
411でハの字を形成する台形形状になると、該端面4
11が成形品3にしっかりと抱え込まれ、出来上った成
形品3からインサート4が脱落し難くなり、より好まし
くなる。
軟化させた所定大きさの二枚の発泡樹脂シート2a,2
bを金型1内にセットする(図3)。二枚の発泡樹脂シ
ート2のセットにあたっては、発泡樹脂シート2に対し
インサート4を外側に配して、発泡樹脂シート2が中空
状に成形されたとき、インサート4が図1のように馬乗
りに跨ぐ姿にする。本車両用ダクトに使用する上記発泡
樹脂シート2には、ポリプロピレンやポリエチレン等の
発泡シート等があり、特にこれらの発泡樹脂シートで板
厚が3mm〜10mmの範囲内で且つ10〜20倍発泡
シートのものが好適となる。斯る発泡倍率を選ぶことに
よって単位面積当りの熱伝導率を小さくして保温効果を
高め、また、3mm〜10mmの板厚を選択することに
よって製品形状を強度的に安定させ且つ圧空成形を可能
にするからである。
ト2間の所定部位にブローピン5を挿入して金型1を閉
じる。該ブローピン5には図示しない圧縮空気供給源か
ら0.1〜0.5MPa程度の圧縮空気の供給が可能で
ある。型閉じ後、ブローピン5から圧空Eを吹き込み、
加熱,軟化状態の発泡樹脂シート2を膨らませ、該シー
トをキャビティ面11に圧着してインサート4と一体成
形する(図4)。圧空成形に伴い、発泡樹脂シート2は
所定形状の発泡中空成形品3に変形し、両発泡樹脂シー
ト2の接合部35ではシートの自己融着性により両シー
トが接合していく。図1のように両シートの接合部35
にフランジ部(幅5〜10mm程度)を形成すれば、接
合部35での結合力を一層高めることができる。圧空成
形過程で、深穴周りではインサート4の開口枠41に係
る開口Kを通って巻き込み部32が膨らむ。発泡樹脂シ
ート2が開口Kを通って膨らむことにより、軟化状態に
ある発泡樹脂シート2が開口枠41を巻き込みながら深
穴壁面に圧着して膨出部分321を転写形成していく
(図4,図5)。詳しくは、軟化状態の発泡樹脂シート
2は開口枠41の下面から、キャビティCと深穴12で
つくる空間内に突き出した開口枠41の内側下部分を覆
った後、開口枠41の開口Kを通り開口枠上面に至り、
そして、該開口枠41の上面を覆いつくしながら深穴1
2の開口周縁12aに到達し、さらに、ここで屈曲して
深穴壁面に圧着し膨出部分321を形成することにな
る。
を終了した後は、成形品3を冷却する。しかる後、脱型
により中空成形品3を取り出す。この段階では中空成形
品3はまだ密封状態にあり、巻き込み部32は開口枠4
1の開口Kを閉じ(図5)、また両端部も塞がれ、車両
用ダクトとして機能していない。そこで、最終工程たる
後加工で、巻き込み部32のうちの不要部分である膨出
部分321をカットする。具体的には、巻き込み部32
のうち、該開口枠41の上面に接合している部分322
を残し、開口枠上面から膨んでいる膨出部分321を切
断することになる。切断に際し、開口枠上面から成形品
厚み分は残して、図6のように平らにカットし開口Kを
設ける。さらに、密封中空成形品3の両端部で、余分な
袋状の端末部311を取り除き、ダクト通路Oを形成
し、最終製品たる所望の車両用ダクトを造る。
サート4を組込み、所定大きさの二枚の発泡樹脂シート
2a,2bを用いて中空状に圧空成形され、インサート
4と一体化した所望の形状になっている。発泡樹脂シー
ト2を使用して圧空成形されるので、発泡プラスチック
の気泡を温存したまま成形品本体部31を形成する。な
お、車両用ダクトとなるには、既述のごとくダクト用通
路Oの形成のために、圧空成形後に両端部の余分な袋状
端末部311が取り除かれる。成形品3の厚みは、発泡
樹脂シート2が3mm〜10mmのものが用いられてい
ることから、かなり厚みのあるダクトが造られ、しかも
発泡樹脂品であるために軽量にして断熱効果に優れたも
のになる。
る開口枠41を巻き込んで成形された膨出部分321の
上半部を切除して開口Kが形成される。開口K周りで
は、発泡樹脂シート2を用いて圧空成形された成形部分
が成形本体部31から開口枠41の下面をつたい、さら
に開口Kを通って上部分に回り込み、小袋状の巻き込み
部32を形成している。この巻き込み部32のうち、開
口枠41の上載部分322より上方に在る膨出部分32
1が切断除去され、開口Kが形成される。斯る開口Kの
形成によって、該開口Kにて他のダクトとのつなぎ合わ
せが可能になる。開口枠上面にある巻き込み部32の上
載部分322は、製造方法で述べたように平らな面を形
成する。該上載部分322は、開口枠41を巻き込んで
これを保持するのみならず、発泡樹脂シート2の気泡を
保持したシート状になっているので、弾力性に富みパッ
キンの役割も担えるようになる。なお、ここでは図示を
省略するが、開口枠41に他のダクトとのつなぎ合わせ
用のボルト等の締結部材用孔を設ければ、他のダクトと
のつなぎ合わせをより簡便化できる。
よれば、発泡樹脂シート2を用いて車両用ダクトの本体
部31を形成しているので、発泡樹脂シート2の気泡が
そのまま残り、ダクト本体の単位面積当りの熱伝導率を
小さくできる。しかも、ブロー成形に比し厚みのある発
泡樹脂シート2を用いることができるので、断熱性を一
段と向上させ、従来問題となっていた結露や冷暖房効果
が低下するといった欠点を解消する。結露防止対策とし
て用いられた断熱材も不要になり、低コスト化に寄与す
る。さらに、車両用ダクトが発泡樹脂シート2を使用し
て造られるために、軽量となる(50%以上軽くな
る)。車両用ダクト本体に発泡樹脂シート2が用いられ
ることに伴い、ダクト内の音の反射エネルギが減少し、
これによってダクト先端の放射音も低減する。また、開
口枠41のあるインサート4を一体成形して開口K周り
を補強し、さらに開口枠41の上面に載る上載部分32
2がインサート4を保持する役割を担いながら発泡樹脂
で出来たシート面を形成するので、弾力性に富み、これ
が該開口Kに他のダクトとのつなぎ合わせる際、パッキ
ンとしても利用できる。本発明の車両用ダクトを製造す
れば、開口部では圧空成形により回り込んだ発泡樹脂シ
ート2が開口Kを取巻き、これがシール材も兼ね備える
ようになる。いままで、後加工で開口周りに貼っていた
ウレタン等のシール材を省くことが可能で、シール用パ
ッキンを介在させることなくダクト同士を接続させるこ
とができ、作業性向上に寄与する。
ものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種
々変更できる。金型1,発泡樹脂シート2,成形品3,
インサート4等の形状,大きさ等は用途に合わせて適宜
選択できる。
よびその製造方法は、単位面積当りの熱伝導率を小さく
して断熱性能を上げ、またインサートで開口周りを補強
すると共に該インサートを保持しながら開口周りに発泡
樹脂のシール部を形成してパッキンにも活用できるなど
優れた効果を発揮する。
る。
る。
図である。
断面図である。
ある。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 所定大きさの二枚の発泡樹脂シートを用
いて中空状に成形され、且つ、インサートに係る開口枠
を巻き込んで成形された膨出部分を切除して形成された
開口を有することを特徴とする車両用ダクト。 - 【請求項2】 一対の分割型の少なくとも一方にインサ
ートに係る開口枠の内周縁より大なる開口縁をもつ深穴
を形成して、インサートの開口枠が前記深穴位置に配さ
れるようにし、且つ該インサートを外側にして二枚の加
熱,軟化させた発泡樹脂シートを分割型にセットした
後、型閉じし、キャビティ内に圧空を吹き込んでキャビ
ティ面に圧着成形を行い、その後、前記開口枠を巻き込
んで深穴によって成形された膨出部分を切除し開口を設
けるようにした車両用ダクトの製造方法。
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JP27665998A JP4071373B2 (ja) | 1998-09-12 | 1998-09-12 | 車両用ダクトおよびその製造方法 |
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- 1998-09-12 JP JP27665998A patent/JP4071373B2/ja not_active Expired - Fee Related
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