JP7174228B2 - 構造体及び構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
好ましくは、前記基材は、ベース壁と、フランジ壁とを有し、前記フランジ壁は、前記ベース壁に接続され、前記板状部は、前記ベース壁及び前記フランジ壁に埋め込まれている。
好ましくは、前記補強部材は、複数の前記板状部と、連結部とを有し、前記連結部は、複数の前記板状部と連結している。
好ましくは、前記板状部の前記縁部には、引掛部が形成され、前記引掛部は、前記基材に係合している。
好ましくは、転倒防止部を更に備え、前記転倒防止部は、前記板状部の両側にそれぞれ設けられ、且つ、前記転倒防止部は、前記板状部を支持している。
好ましくは、第1金型は、スリットを有し、前記取付工程では、前記板状部が前記スリットに挿入されるように、第1金型に前記補強部材を配置する。
好ましくは、前記板状部は、前記スリットに係合するように構成されている。
実施形態に係る構造体30は自動車の内装部品であり、構造体30には面部30aが形成され、自動車の搭乗者は面部30aに例えば飲物の容器といった物品を置くことができる。このように、面部30aは物品の荷重が加わる部分であるため、構造体30は、構造体30のうち面部30aの形成領域を補強する構成(後述する補強部材50)を備えている。
図1A~図2に示すように、基材40は、基材本体41と、フランジ壁42とを備えている。基材本体41は凹状に形成され、基材本体41の縁にはフランジ壁42が接続されている。基材本体41はベース壁43と立設壁44とを備えている。ベース壁43は板状部材であり、実施形態においてベース壁43は平板である。なお、ベース壁43は湾曲していてもよい。ベース壁43は補強部材50によって支持されており、ベース壁43に荷重が加わった場合において、ベース壁43の変形が抑制される。ベース壁43は、第1縁部43Aと、第2縁部43aと、被覆面43Bと、埋込面43Cとを有する。第1縁部43Aにはフランジ壁42が接続されている。被覆面43Bは埋込面43Cの反対側に形成され、被覆面43Bは表皮材32に覆われている。被覆面43Bは、上述した面部30aが設けられている範囲に形成されている。埋込面43Cは補強部材50の一部が埋め込まれている。埋込面43Cは補強部材50に支持される面である。立設壁44は板状部材であり、立設壁44はベース壁43から立ち上がるように延びている。実施形態において立設壁44は第2縁部43aに接続されている。立設壁44の縁にはフランジ壁42が接続されている。
図2に示すように、補強部材50は板状部51から構成されている。なお、実施形態は補強部材50が板状部51から構成された形態であるが、それに限定されるものではなく、補強部材50は板状部51以外の構成を有していてもよい。板状部51は平板であり、板状部51はベース壁43及びフランジ壁42に立設するように設けられている。図3~図4Bに示すように、板状部51は縁部51aを有する。縁部51aは板状部51の一部であり、縁部51aは板状部51の周縁に設けられている。縁部51aは基材40に埋め込まれている。図4A及び図4Bに示すように、実施形態では、縁部51aは、ベース壁43と、フランジ壁42とに埋め込まれている。具体的には、縁部51aは、ベース壁43と、第1壁42Aと、第2壁42Bと、第3壁42Cと、に埋め込まれている。このように、縁部51aが、ベース壁43と、フランジ壁42とに埋め込まれることで、補強部材50が基材40に強固に固定され、その結果、面部30a(ベース壁43)が補強部材50に強固に補強される。縁部51aは、ベース壁43と第1壁42Aと第2壁42Bと第3壁42Cのうちの全て、すなわちここで列挙した4つの構成の全て、に埋め込まれている必要はなく、ここで列挙した4つの構成のうちの少なくとも1つの構成に埋め込まれていればよい。
図3に示すように、表皮材32は、基材40の前面の全域に設けられている。表皮材32は、一例では、通気性を有する不織布で構成され、具体的にはナイロン繊維、セルロース繊維、アラミド繊維などを挙げることができるが、その例に限定されない。
図5に示すように、発泡成形機1は、樹脂供給装置2と、Tダイ18と、第1金型21と、第2金型22とを備える。樹脂供給装置2は、ホッパー12と、押出機13と、インジェクタ16と、アキュームレータ17を備える。押出機13とアキュームレータ17は、連結管25を介して連結される。アキュームレータ17とTダイ18は、連結管27を介して連結される。
ホッパー12は、原料樹脂11を押出機13のシリンダ13a内に投入するために用いられる。原料樹脂11の形態は、特に限定されないが、通常は、ペレット状である。原料樹脂は、例えばポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂であり、ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体及びその混合物などが挙げられる。原料樹脂11は、ホッパー12からシリンダ13a内に投入された後、シリンダ13a内で加熱されることによって溶融されて溶融樹脂になる。また、シリンダ13a内に配置されたスクリューの回転によってシリンダ13aの先端に向けて搬送される。スクリューは、シリンダ13a内に配置され、その回転によって溶融樹脂を混練しながら搬送する。スクリューの基端にはギア装置が設けられており、ギア装置によってスクリューが回転駆動される。
シリンダ13aには、シリンダ13a内に発泡剤を注入するためのインジェクタ16が設けられる。インジェクタ16から注入される発泡剤は、物理発泡剤、化学発泡剤、及びその混合物が挙げられるが、物理発泡剤が好ましい。物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、水等の無機系物理発泡剤、及びブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系物理発泡剤、更にはそれらの超臨界流体を用いることができる。超臨界流体としては、二酸化炭素、窒素などを用いて作ることが好ましく、窒素であれば臨界温度-149.1℃、臨界圧力3.4MPa以上、二酸化炭素であれば臨界温度31℃、臨界圧力7.4MPa以上とすることにより得られる。化学発泡剤としては、酸(例:クエン酸又はその塩)と塩基(例:重曹)との化学反応により炭酸ガスを発生させるものが挙げられる。化学発泡剤は、インジェクタ16から注入する代わりに、ホッパー12から投入してもよい。
原料樹脂と発泡剤が溶融混練されてなる発泡樹脂は、シリンダ13aの樹脂押出口から押し出され、連結管25を通じてアキュームレータ17内に注入される。アキュームレータ17は、シリンダ17aとその内部で摺動可能なピストン17bを備えており、シリンダ17a内に発泡樹脂が貯留可能になっている。そして、シリンダ17a内に発泡樹脂が所定量貯留された後にピストン17bを移動させることによって、連結管27を通じて発泡樹脂をTダイ18内に設けられたスリットから押し出して垂下させて発泡樹脂シート23を形成する。
発泡樹脂シート23は、第1及び第2金型21、22間に導かれる。第1金型21には凹状のキャビティcv1と、凸状のコアcr1とが形成されている。図7Aに示すように、コアcr1にはスリットsrが形成されており、スリットsrは補強部材50の板状部51が挿入可能に構成されている。図7Bに示すように、板状部51がスリットsrに挿入されると、板状部51はコアcr1に挟み込まれた状態となり、板状部51がコアcr1に固定される。第2金型22には凸状のコアcr2と、凹状のキャビティcv2とが形成されている。第1及び第2金型21、22の移動方向において、コアcr2とキャビティcv1とは向かい合っており、且つ、キャビティcv2とコアcr1とは向かい合っている。第1及び第2金型21、22には、図示省略の多数の減圧吸引孔が設けられている。また、第1及び第2金型21、22には凸状のピンチオフ部21c、22cが形成されている。
本実施形態に係る構造体30の製造方法は、シート形成工程と、取付工程と、成形工程と、切除工程とを備える。
図5に示すように、シート形成工程では、溶融した発泡樹脂をTダイ18のスリットから押し出して発泡樹脂シート23を形成する。発泡樹脂シート23は、Tダイ18のスリットから押し出されると、第1金型21と第2金型22との間の空間に垂下する。
図6に示すように、取付工程では、第1金型21と第2金型22との間に発泡樹脂シート23及び表皮材32を配置する。また、図7A及び図7Bに示すように、取付工程では、第1金型21に補強部材50を取り付ける。具体的には、板状部51を、第1金型21のコアcr1のスリットsrに挿入し、板状部51をコアcr1に挟み込ませ、板状部51をコアcr1に固定する。また、図7Bに示すように、第1金型21に補強部材50を配置した状態において、板状部51の縁部51aは、コアcr1から、はみ出している。
成形工程では、基材40と、表皮材32と、補強部材50とを有する構造体30を成形する。成形工程は、賦形工程と、型閉じ工程と、膨張工程とを備える。図8に示すように、賦形工程では、第2金型22の減圧吸引孔から発泡樹脂シート23及び表皮材32を吸引する。これにより、発泡樹脂シート23及び表皮材32が、第2金型22の内面に沿った形状に賦形される。
図10に示すように、第1及び第2金型21、22を型開きして、構造体30を第1及び第2金型21、22から取り出す。切除工程では、構造体30に形成されたバリbrを切除する。
実施形態に係る構造体30は、基材40と、補強部材50とを備えている。ここで、補強部材50は基材40を補強するように設けられているので、補強部材50及び基材40の位置関係は、基材40の裏面側(背面側)に補強部材50が配置される位置関係となっており、補強部材50及び基材40からなる形状が入り組んでいる。このような構成の構造体は、射出成形による製造方法であれば、比較的容易に製造することができる。その一方で、実施形態に係る構造体30の製造方法のように、1枚の発泡樹脂シート23を第1及び第2金型21、22で挟み込む製造方法では、この構造体30のような構成を有する構造体を技術的に成形し難い。実施形態に係る構造体30は、補強部材50の板状部51の縁部51aが基材に埋め込まれることで、補強部材50と基材40とが一体的に構成される。つまり、構造体30を製造する際に補強部材50の板状部51の縁部51aを基材40に埋め込むので、補強部材50及び基材40からなる形状が入り組んでいたとしても、発泡樹脂シート23を第1及び第2金型21、22で挟み込む製造方法によって構造体30を製造しやすくなる。このため、実施形態に係る構造体30は、製造方法に起因して形状に制約を受けることが抑制された構成となっている。また、実施形態に係る製造方法は、構造体の形状の制約を抑制することができる方法である。特に、実施形態1に係る製造方法は、構造体30のように深絞り形状を有する構造体の裏面側(背面側)に補強構造を設ける場合に有効である。
図11A及び図11Cに示すように、変形例1、2に係る構造体30B、30Cの補強部材50B、50Cは、複数の板状部51B、51Cを有する。なお、変形例1、2では、板状部51B、51Cの数は2つ以上であってもよい。補強部材50B、50Cが複数の板状部51B、51Cを有することで、基材40がより強固に補強部材50B、50Cに補強される。
変形例3~6の板状部51D~51Gは基材40に係合する引掛部53D~53Gを有するので、板状部51D~51Gが基材40により強固に連結する。
変形例7、8の構成は、板状部51の倒れを防止する転倒防止部54H、54Iを備えている。図13Aに示すように、変形例7に係る転倒防止部54Hは、基材40に形成されている。転倒防止部54Hは板状部51の両側にそれぞれ設けられ、転倒防止部54Hは板状部51を支持している。転倒防止部54Hは、基材40のうち縁部51aが埋め込まれている部分が盛り上がることで形成される。ここで、図13Bに示すように、第1金型21のコアcr1には、テーパー面tpが形成されている。発泡樹脂シートが板状部51の表面とテーパー面tpとの間に入り込むことで、転倒防止部54Hが基材40のうち縁部51aが埋め込まれている部分に形成される。
変形例9、10の板状部51J、51Kには突出部55J、55Kが形成されている。図14A~図14Dに示すように、変形例9に係る突出部55Jの表面は曲面状に形成され、図14E~図14Hに示すように、変形例10に係る突出部55Kは三角柱状に形成されている。突出部55J、55Kが板状部51J、51Kに形成されていることで、板状部51J、51Kが第1金型21のコアcr1に係合し、板状部51J、51Kの位置ずれが抑制される。
実施形態及び変形例1~10において、補強部材が、深絞り形状を有する基材に適用されているが、それに限定されるものではない。補強部材は平板状の基材に適用することもできる。
変形例14は変形例8と同様の機能を有する形態である。図15G及び図15Hに示すように、変形例14に係る補強部材50Oは、板状部51Oと転倒防止部54Oとを有する。なお、図15Hに示す破線は、転倒防止部54Oのうち基材140に埋め込まれている部分を示している。転倒防止部54Oは板状部51Oの両側にそれぞれ設けられ、転倒防止部54Oは板状部51Oを支持している。
2 :樹脂供給装置
11 :原料樹脂
12 :ホッパー
13 :押出機
13a :シリンダ
16 :インジェクタ
17 :アキュームレータ
17a :シリンダ
17b :ピストン
18 :Tダイ
21 :第1金型
21c :ピンチオフ部
22 :第2金型
22c :ピンチオフ部
23 :発泡樹脂シート
25 :連結管
27 :連結管
30 :構造体
30a :面部
32 :表皮材
35 :突出部
40 :基材
41 :基材本体
42 :フランジ壁
42a :開口部
42A :第1壁
42A1 :環状部
42A2 :脚部
42B :第2壁
42C :第3壁
42C1 :開口部
43 :ベース壁
43A :第1縁部
43B :被覆面
43C :埋込面
43a :第2縁部
44 :立設壁
50 :補強部材
51 :板状部
51a :縁部
R1 :第1領域
R2 :第2領域
S :密閉空間
br :バリ
cr1 :コア
cr2 :コア
cv1 :キャビティ
cv2 :キャビティ
sr :スリット
30B :構造体
50B :補強部材
51B :板状部
52B :連結部
30C :構造体
50C :補強部材
51C :板状部
52C :連結部
50D :補強部材
51D :板状部
53D :引掛部
50E :補強部材
51E :板状部
53E :引掛部
50F :補強部材
51F :板状部
53F :引掛部
50G :補強部材
51G :板状部
53G :引掛部
53G1 :幅狭部
50H :補強部材
54H :転倒防止部
tp :テーパー面
50I :補強部材
54I :転倒防止部
51J :板状部
55J :突出部
51K :板状部
55K :突出部
140 :基材
50L :補強部材
51L :板状部
50M :補強部材
51M :板状部
50N :補強部材
51N :板状部
52N :連結部
50O :補強部材
51O :板状部
54O :転倒防止部
Claims (7)
- 基材と、補強部材と、転倒防止部とを備え、
前記基材は、発泡樹脂で構成され、
前記補強部材は、板状部を有し、且つ、前記補強部材は、前記基材を補強するように設けられ、
前記板状部の縁部が、前記基材に埋め込まれ、
前記転倒防止部は、前記板状部の両側にそれぞれ設けられ、且つ、前記転倒防止部は、前記板状部を支持している、構造体。 - 請求項1に記載の構造体であって、
前記基材は、ベース壁と、フランジ壁とを有し、
前記フランジ壁は、前記ベース壁に接続され、
前記板状部は、前記ベース壁及び前記フランジ壁に埋め込まれている、構造体。 - 請求項1又は請求項2に記載の構造体であって、
前記補強部材は、複数の前記板状部と、連結部とを有し、
前記連結部は、複数の前記板状部と連結している、構造体。 - 請求項1~請求項3の何れか1つに記載の構造体であって、
前記板状部の前記縁部には、引掛部が形成され、
前記引掛部は、前記基材に係合している、構造体。 - 第1及び第2金型を用いる構造体の製造方法であって、
シート形成工程と、取付工程と、成形工程とを備え、
前記成形工程は、賦形工程と、型閉じ工程と、膨張工程とを有し、
前記構造体は基材と補強部材とを備え、前記補強部材は板状部を有しており、
前記シート形成工程では、溶融した発泡樹脂を押出機で押し出して発泡樹脂シートを形成し、
前記取付工程では、第1金型に前記補強部材を取り付け、
前記賦形工程では、前記発泡樹脂シートを、前記補強部材が配置された第1金型の内面に沿って賦形し、
前記型閉じ工程では、第1及び第2金型を閉じ、第1及び第2金型が閉じた状態において、第1金型と第2金型との間には、前記発泡樹脂を発泡させる発泡空間が形成され、
前記膨張工程では、前記発泡空間内で前記発泡樹脂を発泡させることで前記基材を成形し、前記膨張工程が完了した状態において、前記板状部の縁部が、前記基材に埋め込まれている、方法。 - 請求項5に記載の方法であって、
第1金型は、スリットを有し、
前記取付工程では、前記板状部が前記スリットに挿入されるように、第1金型に前記補強部材を配置する、方法。 - 請求項6に記載の方法であって、
前記板状部は、前記スリットに係合するように構成されている、方法。
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