JP2013240967A - シートパッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡型に文字形成用突起を形成するのに代え、パッド本体に被着一体化される裏面材に、パッド本体の材質表記の役目を担わせ、前記不具合を解消する材質表示入りシートパッドの製造方法を提供する。
【解決手段】不織布3Aからなる裏面材3に係る平坦なベース面3eの一部を凸状又は凹状の段部4に変形させて、パッド本体1の材質を該段部4がつくる文字で表示する印字付き裏面材2を作製した後、該印字付き裏面材2を型開状態の発泡型5にセットし、続いて、発泡原料gの注入及び型閉じを経て、発泡体からなる前記パッド本体1を、その裏面1bに該印字付き裏面材2が被着一体化されるよう発泡成形し、前記段部4の文字でパッド本体1の材質表記をさせる。
【選択図】図5

Description

本発明は自動車等の座席シートを構成するシートパッドの製造方法に関する。
ソリッドタイプの樹脂成形品や発泡体からなる樹脂成形品等は、リサイクルでの適正な分別,処理を目的として、製品ごとに材料表記と呼ばれる印字を施すことが求められるようになっている。そして、こうした製品に材質表示した発明もいくつか提案されている(例えば特許文献1,2)。
特開2001−142418号公報 特開昭61−281594号公報
しかるに、特許文献1,2は、射出成形等で造られるソリッドタイプの樹脂製品が対象であり、且つ樹脂製品自体に、その成形材料に対応する材質を表示する発明内容にとどまる。
自動車等の車両用座席シートの座部や背もたれを構成する軟質ポリウレタンフォーム等のシートパッドも、その材質表示PURなる文字を対応するパッド本体に施してきた。しかし、発泡型の型面に材質表示の突起を設け、パッド本体に材料表示するにあたって、発泡成形品特有の以下のような不具合があった。
まず、発泡型のキャビティを形成する型面に材質表示用の突起が隆起するため、射出成形などと違って、発泡原料の流れが悪くなり成形性が低下する。また、シートアッシー時のハイライト(意匠面の文字による凹凸をカバーが拾うことでできる不具合)が度々発生する。さらに、発泡型の型面に文字形成用の突起を有するため、発泡型の掃除等のメンテナンス維持が大きな負担になっている問題等がある。
本発明は、上記問題を解決するもので、発泡型に文字形成用突起を形成するのに代え、パッド本体に被着一体化される裏面材に、パッド本体の材質表記の役目を担わせ、前記不具合を解消する材質表示入りシートパッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、不織布(3A)からなる裏面材(3)に係る平坦なベース面(3e)の一部を凸状又は凹状の段部(4)に変形させて、パッド本体(1)の材質を該段部(4)がつくる文字で表示する印字付き裏面材(2)を作製した後、該印字付き裏面材(2)を型開状態の発泡型(5)にセットし、続いて、発泡原料(g)の注入及び型閉じを経て、発泡体からなる前記パッド本体(1)を、その裏面(1b)に該印字付き裏面材(2)が被着一体化されるよう発泡成形し、前記段部(4)の文字でパッド本体(1)の材質表記をさせることを特徴とする材質表示入りシートパッドの製造方法にある。
請求項2の発明たる材質表示入りシートパッドの製造方法は、請求項1で、パッド本体(1)の材質を表す文字を凸部(61a)で形成する凸型(61)と、該凸部(61a)に嵌合する凹部(62a)を有する凹型(62)とを備える金型(6)を用い、両凹凸型(61,62)の間に前記裏面材(3)を配設した後、型閉じすると共に加圧することにより該裏面材(3)をプレス成形し、前記ベース面(3e)の一部を前記段部(4)に変形させて、前記印字付き裏面材(2)を作製することを特徴とする。請求項3の発明たる材質表示入りシートパッドの製造方法は、請求項1で、裏面材(3)に熱可塑性樹脂製の不織布(3A)が用いられ、且つ上面(71)側に前記パッド本体(1)の材質を表す文字を突起部(72)で形成する芯材(7)上に、該裏面材(3)を載置し、次に、これが隠れるように上方側から不通気性包着用シート(8)を被せて、芯材(7)と包着用シート(8)との間に閉空間(CS)を形成する傍ら、該裏面材(3)を加温し、その後、該閉空間(CS)を真空吸引することにより、該包着用シート(8)が該裏面材(3)と共に芯材(7)に吸着されるようにし、前記突起部(72)への該裏面材(3)の密着で、前記ベース面(3e)の一部を前記段部(4)に変形させて、前記印字付き裏面材(2)を作製することを特徴とする。
請求項1の発明のごとく、段部(4)を有する印字付き裏面材(2)を作製した後、該印字付き裏面材(2)を発泡型(5)にセットし、パッド本体(1)を、その裏面(1b)に該印字付き裏面材(2)が被着一体化されるよう発泡成形すると、段部が発泡成形で潰れないので、段部の文字でパッド本体の材質表記を鮮明に表現できる。請求項2,3の発明のごとく、金型(6)や芯材(7),不通気性包着用シート(8)を用いると、圧縮成形や真空成形で容易に印字付き裏面材(2)を作製できる。
本発明の材質表示入りシートパッドの製造方法は、パッド本体にその発泡成形で被着される裏面材に段部を形成し、これを発泡型にセットして発泡成形するだけで、段部の文字でパッド本体の材質表記を鮮明表示でき、品質的に安定したシートパッド製品が得られ、且つ簡易製法で足りることから生産性向上,低コスト化に優れた効果を発揮する。
本発明の材質表示入りシートパッドの製造方法の一形態で、(イ)が印字付き裏面材の斜視図、(ロ)がI-I線矢視図である。 圧縮成形で裏面材から印字付き裏面材を作製する説明断面図である。 真空成形で裏面材3から印字付き裏面材を作製する説明断面図である。 型開状態下、発泡型に印字付き裏面材を取付けセットした概略説明図である。 図4の後、型閉じして発泡成形する説明断面図である。 図5の後、脱型で取り出されたシートパッドの裏面図である。 図6のシートパッドの斜視図である。 図6のVIII-VIII線矢視図である。 図6に代わる他態様図である。
以下、本発明に係る材質表示入りシートパッドの製造方法について詳述する。図1〜図9は本発明の材質表示入りシートパッドの製造方法の一形態で、図1は(イ)が印字付き裏面材の斜視図、(ロ)がI-I線矢視図、図2は圧縮成形で裏面材から印字付き裏面材を作製する説明断面図、図3は真空成形で裏面材3から印字付き裏面材を作製する説明断面図、図4は型開状態下、発泡型に印字付き裏面材を取付けセットした概略説明図、図5は、図4の後、型閉じして発泡成形する説明断面図、図6は図5の後、脱型で取り出されたシートパッドの裏面図、図7は図6のシートパッドの斜視図、図8は図6のVIII-VIII線矢視図、図9は図6に代わる他態様図である。尚、各図で、裏面材3、及び段部4を形成する凹凸部,突起部を強調して大きく描く。
シートパッドPには背もたれ用のバックパッドBPや着座した乗員の下半身を受け支えるクッションパッドCPがあるが、ここでの材質表示入りシートパッドの製造方法は、ワゴン車のバックパッドBPに適用する。
バックパッドBPは、パッド本体1が座席のバックレスト形状に発泡成形され、該発泡成形で、印字付き裏面材2が裏面BP側に一体化する発泡成形品になっている(図6〜図8)。
図7は裏面側から見たバックパッドBPの斜視図で、紙面左方が車両設置時の上方、右方が下方を示す。矩形状背もたれ主部11の三方側縁から側部13が起立し、それら上縁で内向き屈折する上受部14が延設して背もたれ主要部が形成され、さらに背もたれ主部11の下方側の端縁から延在部12が張出して、パッド本体1の形になる。印字付き裏面材2がパッド本体裏面1bに被着一体化されるように、パッド本体1が発泡成形で造られる。これによって、裏面材3に設けた段部4の印字がパッド本体1の材質を表記する材質表示入りバックパッドBPとなる。該バックパッドBPの製造方法の一例を以下に示す。
材質表示入りバックパッドBP(シートパッドP)の製造方法は、これに先立ち図1ごとくの印字付き裏面材2を準備する。
不織布3Aからなる裏面材3を裁断すると共に、その平坦なベース面3eの一部を凹状(又は凸状)の段部4に変形させて、パッド本体1の材質を表示する印字付き裏面材2を作製(予備成形)する。バックパッド製品におけるパッド本体1の材質を、裏面材裏面3bよりも凹む段部4がつくる文字で表示する。ここで、本発明における印字付き裏面材2を作製するに際し、裁断と段部4に変形させる順序は問わない。裁断後に、裏面材3の平坦なベース面3eの一部を段部4に変形させてもよいし、不織布3Aの平坦なベース面3eの一部を段部4に変形させた後、裁断してもよい。
不織布3Aは、パッド本体1の発泡成形でその裏面1bに被着一体化されるシート状の布である。製織しないで機械的,化学的,熱的などで繊維を固着したり絡み合わせたりして、シート状にした布になっている。不織布には熱可塑性樹脂の繊維を集めて圧縮してシート状にしたフェルトがあり、本実施形態も裏面材3に該フェルトを使用し、熱可塑性樹脂製成形フェルトとする。尚、「フェルトには、羊毛,レーヨンなどの天然繊維をプレスで固めたプレスフェルト、ポリエステルなどの化学繊維をニードルで打ち固めたニードルフェルト、プレス,ニードルなどを用いる、織って仕上げた織フェルトなどがある。」(http://www.shinei.co.jp/felt.html)。
例えば圧縮成形で印字付き裏面材2を造る場合は、まず、原反ロール等から取り出した不織布3Aを、図1(イ)の裏面材3の大きさに裁断する。図1(イ)は、図5〜図8のバックパッドBPに係るパッド本体1の裏面1bに被着される裏面材3で、符号31は背もたれ主部11に対応する主部、符号32は延在部12に対応する舌部、符号33は側部13に対応する張出部を示す。
次いで、不織布3Aからなる前記裏面材3を、図2の金型6を用い、圧縮成形で印字付き裏面材2とする。金型6は、パッド本体1の材質を表す文字を凸部61aで形成する凸型61と、凸部61aに嵌合する凹部62aを有する凹型62とを備える(図2)。凹部62aはフラット面62bよりも凹む。凸型61には、フラット面61bからパッド本体1の材質を表す文字「PUR」を反転した部分が凸部61aで形成され、対向する凹部62aに向けて突出する。図1で、「>PUR<」に係る「>」,「<」は材質表記である文字を特定すべく、該文字を図示のごとく両側から挟む記号になっている。本発明でいう文字には「>」,「<」の記号を含む。さらに、本実施形態は北米仕様の「>PUR< SAE PUR」とし、これら全てが凸部61aで形成され、該凸部61aに嵌合する凹部62aが凹型62に設けられている。
該金型6を用い、前記裏面材3が両凹凸型61,62の間に配設される(図2のイ)。しかる後、型閉じすると共に加圧,加熱することによりプレス成形し、ベース面3eの一部を段部4に変形(成形)させて、印字付き裏面材2を作製する(図2のロ)。裏面材表面3a側に段部4の凸状部4aが形成される。
図2の印字付き裏面材2の作製は、凸型61に設けたヒータ61cで裏面材3を加熱するが、これに代え、型閉じ直前に裏面材3に蒸気等を吹付け加熱することもできる。また、不織布3Aを裁断した後、金型6を使って、前記裏面材3に印字用段部4を成形し印字付き裏面材2としたが、段部4の成形後に不織布3Aを裁断してもよい。最初に適当な大きさの不織布3Aに印字用段部4を成形し印字付き不織布3Aにした後、これを裁断し印字付き裏面材2とするのでも構わない。
また、真空成形で印字付き裏面材2を造る場合は、前記圧縮成形と同様、まず適当な大きさの不織布3Aから図1(イ)の裏面材3の形状に裁断する。次に、図3のような真空引き装置を用いて、該裏面材3を印字付き裏面材2とする。
真空引き装置は芯材7と包着用シート8とを備える。芯材7は、その上面71側のフラット面から突起部72が隆起し、該突起部がパッド本体1の材質を表す文字「PUR」、詳しくは「>PUR< SAE PUR」の反転した部分を形成する。この芯材7上に裏面材3を載置し、次に、該裏面材3が隠れるように上方側から不通気性包着用シート8を被せて、芯材7と包着用シート8との間に閉空間CSを形成する(図3のイ)。該シートにはフィルムを含む。その一方で裏面材3を加温し、しかる後、該閉空間CS内の空気を図示しない真空装置で真空吸引する。真空吸引することにより、該包着用シート8が裏面材3と共に芯材7に吸着されるようにし、前記突起部72への裏面材3の密着で、ベース面3eの一部を段部4に変形させ、所望の印字付き裏面材2を作製する(図3のロ)。尚、前記裏面材3の加温はヒータ79で行ったが、芯材7への載置直前に裏面材3に蒸気等の吹付けを行って加温してもよい。
裏面材3の表面3a側から見ると、段部4でつくられた「>PUR< SAE PUR」の反転文字(ネガ像)が、裏面材表面3a側に押し出された印字付き裏面材2になる。該印字付き裏面材2を裏面材裏面3b側から見ると、図1のごとく正規文字(ポジ像)の段部4たる凹状部4bの部分だけがベース面3eから表面3a側へ向け凹んでいる。
ここで、不織布3Aを裁断して裏面材3とした後、真空引き装置を使って、該裏面材3に印字用段部4を成形し印字付き裏面材2としたが、適当な大きさの不織布3Aのベース面3eに、真空装置を使って印字用段部4を成形した後、これを裁断して印字付き裏面材2とすることもできる。
バックパッドBPの製造方法は、前記印字付き裏面材2と発泡型5とを用いて、発泡型5に該印字付き裏面材2をセットした後、発泡原料gの注入及び型閉じを経て、図6〜図8のようなバックパッドBPを成形する。
本バックパッドBPの製造方法に用いる発泡型5は、図4,図5ごとくの発泡型5で、上型51と下型52と中子型53を備える。ヒンジ59を支点にして図4から図5のごとく型閉じすると、全体的にへこみ度合いが大きな下型52の型面52aと、中子型53の型面53a,上型51の型面51aとで、パッド本体1に印字付き裏面材2が一体化するバックパッドBPのキャビティCをつくる。本製法では、下型52の型面52aでバックパッドBPの表面BP側が成形され、中子型53の型面53a,上型51の型面51aでバックパッドBPの裏面BP側が成形される。ここで、発泡型型面、詳しくは中子型型面53aに従来のような材質表示用突起は設けない。
前記発泡型5,印字付き裏面材2を用いて、バックパッドBPが、例えば次のように製造される。
まず、発泡型5を型開状態とする(図4)。次いで、この型開状態の発泡型5、詳しくは中子型53へ印字付き裏面材2をセットする。
図示しない係止具等で、裏面材主部31が中子型53の底面に、裏面材張出部33が中子型53の側面に、舌部32が中子型53の柄部531に取付けセットされる。このとき、図5の円内拡大図に示すように、裏面材裏面3b側のベース面3eが中子型型面53aに当接する。この当接で、ベース面3eよりも凸状に突出する段部4は、型閉じでキャビティC内へ突出する側に配される。図2(ロ)や図3(ロ)で、裏面材表面3aから凸状段部4がエンボス加工のごとく押し出されるが、押し出された該段部4が中子型型面53aから離れてキャビティC内へ突出する。予備成形された段部4の凸状に押し出された部分は必然的に中子型型面53aから離れる。符号41,42は中子型型面53aから離れる段部4の底壁,側壁、符号εはベース面3eより押し出された段部4と中子型型面53aとでつくる空隙を示す。
しかる後、発泡原料gの注入及び型閉じを経て、発泡体からなるパッド本体1を、その裏面1bに印字付き裏面材2が被着一体化されるよう発泡成形する。
本実施形態は、発泡型5への印字付き裏面材2のセット後、型開状態のまま、下型52のキャビティを形成する型面52aに注入ホースN等を使用してパッド本体1成形用ウレタン発泡原液等の発泡原料gを所定量注入する(図4)。続いて、上型51,中子型53を作動させ型閉じする(図5)。上型51,中子型53と下型52との型閉じで、印字付き裏面材2がインサートされたバックパッドBP用キャビティCができる。尚、発泡型5への印字付き裏面材2のセット後、発泡原料gを注入し、その後、型閉じしたが、発泡型5に印字付き裏面材2のセット後、型閉じし、その後、発泡原料gを注入することもできる。
前記型閉じの後、パッド本体1の発泡成形に移る。図5の型閉じ状態を所定時間維持し、図6〜図8ごとくのパッド本体1を、その裏面1b側に印字付き裏面材2が被着一体化するよう発泡成形して、バックパッドBPが造られる。
発泡型5(中子型型面53a)に材質表示用突起が存在せず、空隙εのある段部4が中子型型面53aから突き出すだけの状態にあるが、発泡成形過程では、該段部4が発泡圧等で押し潰されることなく元の形状を保持する(図5)。その理由は、段部4周りの裏面材裏面3bが中子型型面53aに当接,密着しており、不織布3Aは通気性を有するため発泡ガスは裏面材3(不織布3A)を通過して空隙εに排出される。そして、発泡圧による押し潰そうとする力に対して、裏面材3は剛性を有しているからである。
パッド本体1の発泡成形を終え、脱型すれば、パッド本体裏面1bに印字付き裏面材2が被着一体化し、段部4の文字でパッド本体1の材質表記をさせたバックパッドBPが得られる。裏面材裏面3bのベース面3eよりも段部4がパッド本体1側に凹んで、該段部4で、「>PUR< SAE PUR」の文字が鮮明に現れた所望のバックパッドBPが出来上がる。
該バックパッドBPに図示しない表皮を被せると、車両用座席STシートの背もたれ用バックレストになる。具体的には、上受け部14に背板で蓋をすると共に、延在部12を側部上端に向け筒状に丸め、この筒状内にシャフトを通して、バックレストが回動自在に車両に取付けられる。さらに、クッションパッドCPに表皮を被せたシートクッションにすると、車両用座席になる。
本実施形態は、段部4が形成する文字を材料表記たる「>PUR<」だけでなく、「>PUR< SAE PUR」としたが、さらに図9(イ)のごとく左右の識別マーク「R」または「L」なる文字が加わってもよい。勿論、図9(ロ)のごとく段部4がつくる文字を材料表記の「>PUR<」にとどめるものでもよい。
このように構成した材質表示入りシートパッドの製造方法は、発泡型5のキャビティ形成用型面(中子型型面53a)に材質表示用の突起をもたないため、発泡成形時の原料の流れが良くなり成形性が向上するので、製品品質が安定する。型による突起部分で文字を構成すると、角部分のガス抜けが困難になるので、ボイド(気泡)等による欠肉で文字が鮮明にならないという不具合も解消する。実際、成形性の低下を改善し、歩留まり向上にも貢献した。また、シートアッシー時のハイライトが防止された。さらに、発泡型5の型面に文字形成用の突起をもたないため、発泡型5の掃除等のメンテナンスが簡素化され、作業性向上にも効を奏した。
本発明の課題解決に取り組む初期において、単に不織布3Aからなる裏面材3に段部4を施した印字付き裏面材2にパッド本体1の材質表記を依存させるのは、発泡成形の発泡圧等により製品に現れる印字が潰れて見づらくなると予想した。発泡型5に突起がないので、単に裏面材表面3a側に押し出され、膨らんだ形の段部4を有する印字付き裏面材2を型面セットするだけでは、発泡成形時に発泡圧,発泡原料gの流れで段部4が押し潰されるものと想定した。しかるに、発泡成形で裏面材3が発泡原料gに含浸し、パッド本体1に強固に被着一体化するばかりか、バックパッドBP(シートパッドP)の裏面BPにパッド本体1の材質表記をさせる段部4の文字が鮮明に現れた。段部4がパッド本体1の材質を示す凹状文字を明瞭且つ鮮明に認識できる状態でバックパッド裏面BPに現れる所望のバックパッドBPを得ることができた。
これまで、シートパッドP等の発泡成形品は、その材質表記するにあたって、型面に印字用突起を形成してパッド本体1に直接印字する方法を採ってきたが、該突起が存在するため発泡成形特有の問題を種々抱えていた。ポリウレタン材料等の発泡樹脂原料は粘着性があり、突起に付着しやすく厄介であった。離型剤等を塗っても型面にくっつき易く、狙い通りの印字がでないケースがあった。時に突起に付着した残り物が剥がれ落ちる不具合もあった。また、突起形成に依存すると、製品時、「>PUR<」の「P」や「R」に係る段部4(凹状窪み)で囲まれた島部分P0が潰れやすく、バックパッド裏面BPに鮮明に印字させるのが難しかった。さらに、パッド本体表面1aに突起で印字用凹部を形成する場合、発泡成形時に気泡,アワが凹部表面にボイドとして出現し、文字認識しづらく、品質不良になるなど発泡成形品特有の問題を多く抱えていた。
しかるに、本材質表示入りシートパッドの製造方法は、裏面材3を有するシートパッドPにおいて、発泡型5に突起を設けることなく、裏面材3を印字付き裏面材2にすることによって、発泡体特有の上記問題をことごとく解決した。しかも裏面材3に段部4を形成した印字付き裏面材2を用いるだけの簡便製法に頼っても、その段部4の文字で、パッド本体1の材質表記が高品質状態で安定して得られるなど、品質維持,生産性向上,低コスト化等に極めて有益な発明になった。
かくのごとく、不織布3Aで構成する裏面材3であるので、発泡成形時に発泡原料gがこれに含浸し、パッド本体1に裏面材3が強固に一体化する。そして、本発明は、通気性のある不織布3Aからなる裏面材3であるため、型面53aにセットされた印字付き裏面材2は、型閉じ後も段部4内の空隙εに空気や発泡ガスを透過し、印字付き裏面材2の段部の剛性と相まって発泡成形過程でも段部4をつぶさないと考えられ、思いのほか、段部4で鮮明なパッド本体1の材質表記が可能になるなど優れた効果を発揮する。
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。パッド本体1,印字付き裏面材2,裏面材3,段部4,発泡型,金型6,芯材7,包着用シート8等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。実施形態は背もたれ用バックパッドBPに適用したが、座部を構成するクッションパッドCPにも適用できる。また、バックパッド裏面BPb(シートパッド裏面)に、凹状部4bの段部4の窪みで文字を形成したが、凸状部4aで段部4を形成することもできる。
1 バックパッド
1b 裏面
2 印字付き裏面材
3 裏面材
3A 不織布
3S 前処理材
3e ベース面
4 段部
5 発泡型
6 金型
61 凸型
62 凹型
7 芯材
8 包着用シート
CS 閉空間
P シートパッド
g 発泡原料

Claims (3)

  1. 不織布(3A)からなる裏面材(3)に係る平坦なベース面(3e)の一部を凸状又は凹状の段部(4)に変形させて、パッド本体(1)の材質を該段部(4)がつくる文字で表示する印字付き裏面材(2)を作製した後、該印字付き裏面材(2)を型開状態の発泡型(5)にセットし、続いて、発泡原料(g)の注入及び型閉じを経て、発泡体からなる前記パッド本体(1)を、その裏面(1b)に該印字付き裏面材(2)が被着一体化されるよう発泡成形し、前記段部(4)の文字でパッド本体(1)の材質表記をさせることを特徴とする材質表示入りシートパッドの製造方法。
  2. 前記パッド本体(1)の材質を表す文字を凸部(61a)で形成する凸型(61)と、該凸部(61a)に嵌合する凹部(62a)を有する凹型(62)とを備える金型(6)を用い、両凹凸型(61,62)の間に前記裏面材(3)を配設した後、型閉じすると共に加圧することにより該裏面材(3)をプレス成形し、前記ベース面(3e)の一部を前記段部(4)に変形させて、前記印字付き裏面材(2)を作製する請求項1記載の材質表示入りシートパッドの製造方法。
  3. 前記裏面材(3)に熱可塑性樹脂製の不織布(3A)が用いられ、且つ上面(71)側に前記パッド本体(1)の材質を表す文字を突起部(72)で形成する芯材(7)上に、該裏面材(3)を載置し、次に、これが隠れるように上方側から不通気性包着用シート(8)を被せて、芯材(7)と包着用シート(8)との間に閉空間(CS)を形成する傍ら、該裏面材(3)を加温し、その後、該閉空間(CS)を真空吸引することにより、該包着用シート(8)が該裏面材(3)と共に芯材(7)に吸着されるようにし、前記突起部(72)への該裏面材(3)の密着で、前記ベース面(3e)の一部を前記段部(4)に変形させて、前記印字付き裏面材(2)を作製する請求項1記載の材質表示入りシートパッドの製造方法。
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