JP2013119174A - 樹脂成形品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凹凸を含む金型の形状に成形する部分についても所定の強度を持たせると共に、反りやヒケの発生リスクを小さく抑える。
【解決手段】分割金型50A、50Bで型締めして成形する際、押圧成形部101は、発泡樹脂が分割金型50A、50Bのキャビティ面51A、51B間で挟み込まれて押圧され、非押圧成形部102よりも発泡倍率が低くなるように成形される。また、非押圧成形部102は、発泡樹脂がキャビティ面51Aに吸着された発泡状態のままで成形される。
【選択図】図2

Description

本発明は、発泡樹脂を成形して製造される樹脂成形品およびその製造方法に関する。
一般に、溶融状態の樹脂を所定形状の金型表面に吸着させた後、離型することで、金型表面の形状に賦形された樹脂成形品を製造する、いわゆる真空成形が知られている。
また、本出願人による技術として、シート状の発泡樹脂を分割金型で挟み込んで密閉し、その発泡樹脂を分割金型内で支持した状態で内部の空気を吸引して減圧することにより、反りのない発泡成形体を製造するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−115952号公報
しかしながら、上述した一般的な真空成形では、溶融状態の樹脂を金型表面に吸着して成形するため、特に、比較的薄い成形品については、金型からの離型後に冷却による熱変形で反りやヒケが発生しやすくなる問題があった。
こうした問題については、金型での成形後に溶融樹脂が常温まで冷えるのを待ってから離型し、成形品を取り出すようにすれば解決できるが、大量生産における生産効率の向上を考えると現実的でなかった。
また、上述した特許文献1のものは、吸引により発泡倍率をより高めようとするものであり、金型表面の形状に賦形する部分について、吸引せずに強度を維持させることについてまで考慮されたものではなかった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、凹凸を含む金型の形状に成形する部分についても所定の強度を持たせることができると共に、反りやヒケの発生リスクが小さい樹脂成形品およびその製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明に係る樹脂成形品の製造方法は、発泡樹脂の所定部分を分割金型で挟み込んで樹脂成形品を成形する成形工程を有し、
成形工程では、発泡樹脂における樹脂成形品とする部分について、少なくとも縁端部を含む一部領域を分割金型で挟まず、他の領域を分割金型で挟み込み、他の領域は凹凸形状の部分を含むように分割金型で挟み込まれることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形品は、発泡樹脂を分割金型で型締めして成形された樹脂成形品であって、
発泡樹脂における樹脂成形品とする部分について、少なくとも縁端部を含む一部領域を分割金型で挟まず、他の領域を分割金型で挟み込み、他の領域は凹凸形状の部分を含むことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、溶融樹脂の冷却に伴う熱変形での反りやヒケの発生リスクを小さく抑えることができる。
本発明の実施形態による樹脂成形品100の(a)平面図、(b)側面図である。 図1におけるA−A断面図である。 本発明の実施形態による製造方法例を説明するための第1の図である。 本発明の実施形態による製造方法例を説明するための第2の図である。 本発明の実施形態による製造方法例を説明するための第3の図である。 本発明の実施形態による製造方法例を説明するための第4の図である。 本発明の実施形態による製造方法例を説明するための第5の図である。 樹脂成形品100の他の形状例を示す図である。 樹脂成形品100のさらに他の形状例を示す図である。
次に、本発明に係る樹脂成形品およびその製造方法を適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
<樹脂成形品100の構成例>
まず、本実施形態により成形する樹脂成形品100の構成例について説明する。
図1は(a)平面図、(b)側面図を示し、図2は図1におけるA−A断面を示す。
本実施形態としての樹脂成形品100は、図1に示すように、中央に凹部が形成され、周辺部が板状とされた形状となっている。
図1中、中央の凹部が、分割金型で挟み込まれて成形される押圧成形部101である。また、周辺部の板状部分が、分割金型で挟み込まれずに成形された非押圧成形部102である。
本実施形態としての樹脂成形品100は、発泡樹脂により成形され、押圧成形部101は、分割金型で挟み込まれることにより、非押圧成形部102よりも発泡倍率が低くなるように成形される。
このため、図2に示すように、押圧成形部101における厚みをX、非押圧成形部102における厚みをYとすると、YがXよりも大きくなるように成形される。
本実施形態としての樹脂成形品100を構成する発泡樹脂としては、発泡倍率が2.0倍以上であり、複数の気泡セルを有する独立気泡構造(独立気泡率が70%以上)の発泡樹脂であることが好ましい。
このように、発泡倍率を2.0倍以上とすることにより、2.0倍未満の場合と比較して、図2に示す非押圧成形部102における厚みYを、押圧成形部101における厚みXよりも十分に大きくすることができ、溶融樹脂の成形後の冷却による熱変形の発生リスクを十分に小さくすることができる。
こうした発泡樹脂としては、例えばポリプロピレン系樹脂などを用いることができ、好ましくは、ポリプロピレン系樹脂に対し、1〜20wt%のポリエチレン及び/または5〜40wt%の水素添加スチレン系エラストマーを混合させたブレンド樹脂などを用いることができる。
なお、本実施形態において発泡倍率は、後述する本実施形態の成形方法で用いた熱可塑性樹脂の密度を、本実施形態の成形方法により得られた樹脂成形品100の壁面の見かけ密度で割った値を発泡倍率とした。
本実施形態の樹脂成形品100では、こうした発泡樹脂で樹脂成形品100を構成することにより、押圧成形部101は、発泡樹脂がソリッド状または微発泡となるように成形され、非押圧成形部102は、発泡樹脂が発泡状態のままで成形される。
ここで、ソリッド状とは、発泡樹脂における独立気泡構造が分割金型による押圧で押し潰され、独立気泡構造がほとんどない中実な状態であり、発泡倍率がおおよそ1倍程度となった状態である。
特に、押圧成形部101をソリッド状とすることにより、板状の非押圧成形部102の熱変形を抑制しながらも、押圧成形部101における剛性を向上させることができる。
このように押圧成形部101における凹凸形状の剛性が向上するため、例えば衝撃エネルギー吸収部材などに好適に用いることができる。
また、押圧成形部101を微発泡として成形する場合、非発泡の溶融樹脂により樹脂成形品を成形する場合と比較して、同じ厚みでより軽量化することができる。特に車載用の樹脂成形品の場合、軽量化により燃費向上等の効果を得ることができる。
<樹脂成形品100の製造方法例>
次に、図3〜図7を参照しながら、本実施形態の樹脂成形品100の製造方法例について説明する。図3〜図7は、本実施形態による樹脂成形品100の製造方法例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態で用いる樹脂成形品の成形装置10は、押出装置12と、押出装置12の下方に配置された型締装置14とを有して構成される。
押出装置12は、従来既知のタイプであり、その詳しい説明は省略するが、ホッパー16が付設されたシリンダー18と、シリンダー18内に設けられたスクリュー(図示せず)と、スクリューに連結された油圧モーター20と、シリンダー18と内部が連通したアキュムレータ24と、アキュムレータ24内に設けられたプランジャー26と、Tダイ28と、一対の調整ローラ30とを有して構成される。
ホッパー16から投入された樹脂ペレットが、シリンダー18内で油圧モーター20によるスクリューの回転により溶融、混練され、溶融状態の樹脂がアキュムレータ24に移送されて一定量貯留され、プランジャー26の駆動によりTダイ28に向けて溶融樹脂を送る。こうして、Tダイ28下端の押出スリットから、溶融状態の樹脂による連続的な溶融樹脂シートが押し出され、間隔を隔てて配置された一対の調整ローラ30によって挟圧されながら下方へ向かって送り出され、分割金型50A、50Bの間に垂下される。
また、Tダイ28には、押出スリットのスリット間隔を調整するためのダイボルト46が設けられる。スリット間隔の調整機構は、このダイボルト46を用いた機械式の機構に加え、公知の各種調整機構を他に備えてもよい。
押出スリットからのシート状樹脂の押出速度と、一対の調整ローラ30の間隔、回転速度、温度などを調整することで、押し出される各溶融樹脂シートについて予め定められた厚みに正確に調整することができる。また、ドローダウンやネックインを発生させることなく、円滑に動作させることができる。
また、発泡樹脂シートPをTダイ28の押出スリットから押し出す際には、押出スリット下方に調整ローラ30を配置せず、発泡させて押し出された発泡樹脂シートPをそのまま垂下させるため、発泡樹脂シートPの気泡を調整ローラ30で損なうことがなく、大きな発泡倍率も容易に実現することができる。
こうした構成により、鉛直下向きに配置された押出スリットから溶融状態の熱可塑性樹脂による発泡樹脂シートPが押し出され、上下方向(押出方向)に一様な厚みを有する状態に調整され、しわや弛みがなく張った状態で分割金型50A、50Bの間に配置される。
押出装置12の押出の能力は、成形する樹脂成形品の大きさ、発泡樹脂シートPのドローダウンあるいはネックイン発生防止の観点から適宜選択してよい。実用的な観点から具体例を挙げると、間欠押出における1ショットの押出量は好ましくは1〜10kgであり、押出スリットからの樹脂の押出速度は、数百kg/時以上、より好ましくは700kg/時以上である。また、発泡樹脂シートPのドローダウンあるいはネックイン発生防止の観点から、発泡樹脂シートPの押出工程はなるべく短い時間で行われることが好ましく、樹脂の種類、MFR(メルトフローレイト)値、メルトテンション値に依存するが、例えば押出工程は40秒以内、好ましくは10〜20秒以内に完了するのがよい。このため、熱可塑性樹脂の押出スリットからの単位面積、単位時間当たりの押出量は、例えば50kg/時cm2以上、好ましくは150kg/時cm2以上である。
一対の調整ローラ30の回転により一対の調整ローラ30間に挟み込まれた発泡樹脂シートPを下方に送り出すことで、溶融状態のシート状樹脂を延伸薄肉化することが可能である。このため、押し出されるシート状樹脂の押出速度と、一対の調整ローラ30による発泡樹脂シートPの送り出し速度との関係を調整することにより、ドローダウンあるいはネックインの発生を防止することが可能である。このため、樹脂の種類、特にMFR値およびメルトテンション値、あるいは単位時間当たりの押出量に対する制約を小さくすることが可能である。
発泡樹脂シートPを構成するための熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂などが適用可能である。但し、発泡樹脂シートPを構成する熱可塑性樹脂としては、プロピレン単体を有するものが好ましく、具体的には、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体であることが好ましい。これにより、溶融張力が高くなるため、発泡樹脂シートPを発泡し易くしたり、気泡セルも均一化し易くしたりすることができる。
また、長鎖分岐構造を有するプロピレン単独重合体は、0.9以下の重量平均分岐指数を有するプロピレン単独重合体であることが好ましい。また、重量平均分岐指数は、v1/v2で表され、v1が分岐ポリオレフィンの極限粘度数、v2が分岐ポリオレフィンと同じ重量平均分子量を有する線状ポリオレフィンの極限粘度数である。
発泡樹脂シートPに混合させるスチレン系エラストマーとしては、分子内に水素が添加されたスチレン単位を有するエラストマーなどが適用可能である。例えば、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体等の水素添加エラストマーなどが適用可能である。スチレン系エラストマーの配合割合は、熱可塑性樹脂に対して、成形性の観点から40wt%未満の範囲であることが好ましい。また、スチレン系エラストマー中のスチレンの含有量は、低温時の衝撃強度の観点から、30wt%未満であることが好ましく、20wt%未満であることがより好ましい。
また、発泡樹脂シートPに混合させるポリエチレンとしては、低温時の衝撃強度の観点から、密度0.98g/cm3以下のものが適用可能である。特に、メタロセン系触媒により重合された直鎖状超低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。低密度ポリエチレンの配合割合は、上述した熱可塑性樹脂に対して、剛性及び耐熱性の観点から40wt%未満の範囲であることが好ましい。
また、発泡樹脂シートPを構成する基材樹脂には、上述したスチレン系エラストマー、低密度のポリエチレン及び発泡剤以外に、核剤、着色剤等を添加することも可能である。
発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、水等の無機系発泡剤、または、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系発泡剤が挙げられる。これらの中でも、発泡剤は、空気、炭酸ガスまたは窒素ガスを用いることが好ましい。この場合、有機物の混入がなく、耐久性等の低下がない。
発泡方法としては、例えば超臨界流体を用いる方法などがある。この場合、炭酸ガス、または、窒素ガスを超臨界状態とし、発泡樹脂シートPを構成する基材樹脂を発泡させることが好ましい。この超臨界流体を用いる方法を用いれば、均一かつ確実に発泡させることができる。なお、窒素の超臨界流体は、窒素を臨界温度−149.1℃、臨界圧力3.4MPa以上とすることにより得られ、二酸化炭素の超臨界流体は、二酸化炭素を臨界温度31℃、臨界圧力7.4MPa以上とすることにより得られる。
型締装置14は、2つの分割形式となっている分割金型50A、50Bと、分割金型50A、50Bを溶融状態の発泡樹脂シートPの供給方向に対して略直交する方向に、開位置と閉位置との間で移動させる不図示の金型駆動装置とを有する。
図3に示すように、2つの分割形式となっている分割金型50A、50Bは、キャビティ面51A、51Bを対向させた状態で配置され、それぞれのキャビティ面51A、51Bの底面が略鉛直方向を向くように配置される。それぞれのキャビティ面51A、51Bの表面には、発泡樹脂シートPに基づいて成形される成形品の外形、および表面形状に応じて凹凸部が設けられる。
また、分割形式の一方の金型50Bにおいて、キャビティ面51Bの周囲には、ピンチオフ部52が形成され、このピンチオフ部52は、キャビティ面51Bのまわりに環状に形成され、対向する金型50Aに向かって突出する。これにより、2つの分割形式の金型50A,50Bを型締めする際、金型50Bのピンチオフ部52の先端部が金型50Aに当接し、溶融状態の樹脂シートPの周縁にパーティングラインが形成されるようにしている。
また、本実施形態の分割金型50Aの内部には、真空吸引室53Aが設けられ、真空吸引室53Aは吸引孔54Aを介してキャビティ面51Aに連通した構成となっている。このため、不図示の減圧手段により真空吸引室53A内部を減圧し、その真空吸引室53Aから吸引孔54Aを介して吸引することにより、キャビティ面51Aに向かって溶融樹脂シートを吸着させ、キャビティ面51Aの外表面に沿った形状とさせるようになっている。
2つの分割形式となっている分割金型50A、50Bはそれぞれ、不図示の金型駆動装置により駆動され、開位置において、2つの分割金型50A、50Bの間に、発泡樹脂シートPを配置可能なようにされる。また、閉位置において、分割金型50Bのピンチオフ部52で発泡樹脂シートPの周縁にパーティングラインを形成する所定位置まで2つの分割金型50A、50Bを近接させ、環状のピンチオフ部52により、2つの分割金型50A、50B内に密閉空間が形成されるようにしている。
金型駆動装置の詳細については、従来と同様のものであり、説明を省略する。
分割金型50Aの外周部には、型枠60が摺動可能に外嵌し、図示しない型枠移動装置により、型枠60が、金型50Aに対して相対的に移動可能としている。より詳細には、型枠60は、金型50Aに対して金型50Bに向かって突出することにより、金型50A、50B間に配置された発泡樹脂シートPの一方の側面に当接可能となっている。
以上のような成形装置10により、図3に示すように、Tダイ28の押出スリットから、貯留された熱可塑性樹脂を単位時間当たり所定押出量で間欠的に押し出すことにより、熱可塑性樹脂はスウェルし、溶融状態の発泡樹脂シートPが下方に垂下するように所定の厚みにて所定押出速度で押し出される。押し出された発泡樹脂シートPは、一対の調整ローラ30A、30Bにより厚さ等を調整され、下方の所定位置まで垂下され、開位置にある分割金型50A、50Bの間に配置される。
この場合、発泡樹脂シートPは、たとえば、押し出し後成形前に、一対のローラー115の間を通過させることにより、筒状パリソンを押しつぶしてシート状にして構成されてもよい。
次いで、図4に示すように、分割金型50Aの型枠60を分割金型50Aに対して、発泡樹脂シートPに向かって移動させて、発泡樹脂シートPの側面に当接させる。これにより、発泡樹脂シートPの側面、型枠60の内周面およびキャビティ面51Aにより、密閉空間が形成される。
次いで、図5に示すように、不図示の減圧手段により分割金型50A内の真空吸引室53A内部を減圧し、その真空吸引室53Aから吸引孔54Aを介して吸引することにより、キャビティ面51Aに向かって発泡樹脂シートPを吸着させる。これにより、発泡樹脂シートPは、キャビティ面51Aの表面に沿った凹凸形状に賦形される。
次いで、図6に示すように、型締装置14は分割金型50A、50Bを移動させ、閉位置まで閉じさせる。これにより、分割金型50Bのピンチオフ部52が発泡樹脂シートPの周縁部を枠取りする。
本実施形態の分割金型50Bは、図6に示すように、キャビティ面51A、51B間で発泡樹脂シートPを挟み込んで所定の凹凸形状に賦形する部分と、ピンチオフ部52との間に、発泡樹脂シートPを挟み込まない部分が設けられるように構成される。
このため、分割金型50A、50Bが閉位置まで閉じられた際にも、キャビティ面51A、51B間で発泡樹脂シートPを所定の凹凸形状に賦形する部分と、ピンチオフ部52との間の所定領域については、発泡樹脂シートPがキャビティ面51Aに吸着されたままの状態で、分割金型50A、50B間で押圧されることのないようになっている。
こうして型締めにより成形する際、キャビティ面51A、51Bの凹凸形状などに応じて、ピンチオフ部52より内側の密閉空間内に残った空気を、分割金型50A、50Bに設けられた空気抜き用の孔(不図示)から空気抜き用のパイプを挿入するなどの公知の方法により空気抜きを行うことが好ましい。
次いで、図7に示すように、分割金型50A、50Bの型開きを行い、成形された樹脂成形品を離型して取り出し、パーティングラインまわりに形成されたバリを除去し、樹脂成形品100が完成する。
以上のように、溶融状態の発泡樹脂を間欠的に押し出すたびに、以上のような工程を繰り返すことにより、樹脂成形品100を次々に効率的に成形することができる。
<本実施形態の効果>
以上のように、本実施形態では、発泡樹脂シートPを分割金型50A、50Bで挟み込んで成形するため、押圧成形部101は、発泡樹脂が分割金型50A、50Bのキャビティ面51A、51B間で挟み込まれて押圧され、非押圧成形部102よりも発泡倍率が低くなるように成形される。また、非押圧成形部102は、発泡樹脂がキャビティ面51Aに吸着された発泡状態のままで成形される。
このため、押圧成形部101を非押圧成形部102よりも高い剛性としながらも、板状の非押圧成形部102における板厚を、発泡樹脂の発泡倍率の分だけ厚くすることができる。こうして、重量を重くしてしまうことなく板状部分を厚くできるため、その厚みにより冷却時の熱変形に伴う応力を吸収し易くすることができ、同じ重量の樹脂成形品と比較して、反りやヒケの発生リスクの小さい、安定した形状の板状部分を有する樹脂成形品100を製造することができる。
また、押圧成形部101は、上述のようにソリッド状または微発泡となるように成形され、非押圧成形部102は、発泡樹脂が発泡状態のままで成形される。
このため、非発泡樹脂で成形した場合と同レベルの剛性を押圧成形部101に持たせながらも、非発泡の溶融樹脂により樹脂成形品100を成形する場合と比較して、板状の非押圧成形部102における板厚を、発泡樹脂の発泡倍率の分だけ厚くすることができる。こうして、重量を重くしてしまうことなく板状部分を厚くできるため、その厚みにより冷却時の熱変形に伴う応力を吸収し易くすることができ、同じ重量の樹脂成形品と比較して、反りやヒケの発生リスクの小さい、安定した形状の板状部分を有する樹脂成形品100を製造することができる。
特に、押圧成形部101をソリッド状とすることにより、板状の非押圧成形部102の熱変形を抑制しながらも、押圧成形部101における剛性を、非発泡樹脂で成形した場合と同レベルまで向上させることができる。このように押圧成形部101における凹凸形状部分の剛性が向上するため、例えば衝撃エネルギー吸収部材などに好適に用いることができる。
また、押圧成形部101を微発泡として成形する場合、非発泡の溶融樹脂により樹脂成形品を成形する場合と比較して、同じ厚みでより軽量化することができる。特に車載用の樹脂成形品の場合、軽量化により燃費向上等の効果を得ることができる。
また、上述した実施形態によれば、押圧成形部101を薄く成形しながらも、板状の非押圧成形部102における板厚を、薄い押圧成形部101の部分と同じ重量の発泡樹脂で、発泡倍率の分だけ厚くすることができる。
このため、特に厚みの薄い樹脂成形品100を製造する場合であっても、同じ重量の樹脂成形品と比較して、反りやヒケの発生リスクの小さい、安定した形状の板状部分を有する樹脂成形品100を製造することができる。
従来の製造方法として、樹脂成形品を非発泡の溶融樹脂により成形すると、冷却時の熱変形による反りやヒケの発生リスクが、特に厚み2.0mm以下の場合に高くなっていた。
上述した実施形態によれば、押圧成形部101の厚みを2.0mm以下とした場合であっても、板状の非押圧成形部102における板厚を、発泡樹脂の発泡倍率の分だけ厚くすることができるため、同じ重量の樹脂成形品と比較して、反りやヒケの発生リスクの小さい、安定した形状の板状部分を有する樹脂成形品100を製造することができる。
また、以上のように、成形後に熱変形しにくい特性とすることができるため、分割金型50A、50Bでの成形後に、より熱いうちに離型させることも可能となり、大量生産における生産サイクルを効率化することができる。
また、上述した実施形態では、両側から分割金型50A、50Bで挟み込むため、1つの金型に吸着して成形するだけの従来の真空成形による製造方法に比べ、溶融樹脂シートの熱をシートの両側から分割金型で放熱することができる。このため、溶融樹脂シートをより高速に冷却することができる。このため、大量生産における生産サイクルをより効率化することができる。
また、例えば車載用の部材では、車が真夏の炎天下に長時間駐車されている場合など、60℃〜80℃の高温にさらされることも想定される。
本実施形態の製造方法により製造された樹脂成形品100によれば、上述のように熱変形しにくい特性となっているため、例えば車載用の部材等に適用した場合であっても、高温による熱変形への耐久性を高くすることができる。
また、上述した実施形態では、両側から分割金型50A、50Bで挟み込むため、1つの金型に吸着して成形するだけの従来の真空成形による製造方法に比べ、溶融状態の発泡樹脂を上方から下方へ垂下させる製造方法でありながら、押圧成形部101における厚みを正確に制御することができる。
このため、特に大量生産の場合であっても、厚みのバラツキのない、安定した形状の樹脂成形品100を製造することができる。
なお、上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
例えば、分割金型50A、50Bのキャビティ面51A、51Bの凹凸形状は、上述した実施形態に限定されず、任意の形状であってよい。
図8に、樹脂成形品100の他の形状例を示す。
図8の例では、押圧成形部101全体が巨視的な凹部として成形されると共に、その巨視的な凹部の内側に突起103、104が成形される。また、板状の非押圧成形部102の一部として、他の部材と接続させるための穴が開設されたフランジ105が成形される。
この図8の形状例についても、分割金型50A、50Bを対応する形状とすることにより、上述した実施形態と同様に実現することができる。
図8の形状例のように樹脂成形品100を成形し、押圧成形部101を上述のようにソリッド状または微発泡とすることにより、上述した各効果が得られると共に、衝撃エネルギーの吸収特性に優れた衝撃エネルギー吸収部材とすることができる。
また、例えば図9の形状例のように、樹脂成形品100の縁端部および中央部に非押圧成形部102が配置された形状であっても、分割金型50A、50Bを対応する形状とすることにより、上述した実施形態と同様に実現することができる。
また、図9の形状例に限定されず、板状の非押圧成形部102は、樹脂成形品100の縁端部を含む部分であれば、任意の位置に設けられてよい。また、図9の形状例のように連続的に配置されてもよく、離散的に配置されてもよい。
また、上述した実施形態では、発泡樹脂シートPを分割金型50Aに吸引した後、分割金型50Bを移動させて挟み込むこととして説明したが、吸引を行わず、分割金型50A、50Bの両方を発泡樹脂シートPに近づける方向に移動させることで発泡樹脂シートPを分割金型50A、50Bで挟み込む製造方法であっても、本発明は同様に実現することができる。
また、上述した実施形態では、Tダイ28からシート状の溶融樹脂を1枚押し出して分割金型間に垂下させ、型締めして成形することとして説明したが、押し出す溶融樹脂はこの形状に限定されず、例えば円筒状のパリソンをTダイから押し出して成形する方法であっても、本発明は同様に実現することができる。
また、Tダイ28を複数用いてシート状の溶融樹脂を複数枚押し出す方法であっても、本発明は同様に実現することができる。また、押し出されるシート状の溶融樹脂は、発泡樹脂層を含んでいれば単層に限定されず、多層樹脂シートであってもよい。
また、溶融樹脂シートに加え、布等の材料を分割金型50A、50Bで挟み込み、そうした布等の材料が表面に貼り付けられた樹脂成形品100を製造する場合であっても、本発明は同様に実現することができる。
また、押出装置12の構成は、上述した実施形態の構成に限定されず、溶融状態の樹脂シートを押し出すことができれば任意の構成であってよい。
また、上述した実施形態では、押出装置12により押し出された溶融状態の発泡樹脂シートPを分割金型50A、50Bで型締めすることとして説明したが、分割金型で型締めして成形することができればこの方法に限定されず、例えば予め所定形状に成形された発泡体を再加熱して分割金型で型締めする方法であっても、本発明は同様に適用することができる。
また、予め所定形状に成形された発泡体(発泡樹脂成形体)を、加熱された分割金型で挟み込むことにより、挟み込まれた発泡体を構成する熱可塑性樹脂を成形可能な状態とさせ、その発泡体を型締めして成形する方法であっても、本発明は同様に適用することができる。
また、上述した実施形態では、一対の分割金型を用いた場合について説明した。しかし、分割金型の分割数は、2つに限定されず、任意の数に分割された分割金型を用いても、本発明は同様に実現することができる。
本発明に係る樹脂成形品は、例えば車載用の衝撃エネルギー吸収部材、建材など各種用途に用いることができる。
100 樹脂成形品
101 押圧成形部
102 非押圧成形部
P 発泡樹脂シート
10 成形装置
12 押出装置
14 型締装置
16 ホッパー
18 シリンダー
20 油圧モーター
24 アキュムレータ
26 プランジャー
28 Tダイ
30A、30B 調整ローラ
50A、50B 分割金型
51A、51B キャビティ面
52 ピンチオフ部
53A 真空吸引室
54A 吸引孔

Claims (9)

  1. 発泡樹脂の所定部分を分割金型で挟み込んで樹脂成形品を成形する成形工程を有し、
    前記成形工程では、前記発泡樹脂における前記樹脂成形品とする部分について、少なくとも縁端部を含む一部領域を前記分割金型で挟まず、他の領域を前記分割金型で挟み込み、前記他の領域は凹凸形状の部分を含むように前記分割金型で挟み込まれることを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記成形工程では、
    前記一部領域を板状に成形し、
    前記他の領域を前記一部領域よりも発泡倍率が低くなるよう成形することを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記成形工程では、前記他の領域における発泡樹脂がソリッド状となるよう成形することを特徴とする請求項1または2記載の樹脂成形品の製造方法。
  4. 溶融状態の発泡樹脂を押し出す押出工程を備え、
    前記成形工程では、前記押出工程で押し出された溶融状態の発泡樹脂の所定部分を前記分割金型で挟み込むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  5. 前記成形工程では、前記押出工程で押し出された発泡樹脂を、前記分割金型を構成する少なくとも1つの金型に吸引した後、前記分割金型を構成する他の金型で挟み込むことを特徴とする請求項4記載の樹脂成形品の製造方法。
  6. 予め所定形状に成形された発泡樹脂成形体を加熱する加熱工程を備え、
    前記成形工程では、前記加熱工程で加熱された発泡樹脂成形体の所定部分を前記分割金型で挟み込むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  7. 発泡樹脂を分割金型で型締めして成形された樹脂成形品であって、
    前記発泡樹脂における前記樹脂成形品とする部分について、少なくとも縁端部を含む一部領域を前記分割金型で挟まず、他の領域を前記分割金型で挟み込み、前記他の領域は凹凸形状の部分を含むことを特徴とする樹脂成形品。
  8. 前記一部領域は板状であり、
    前記他の領域は、前記一部領域よりも発泡倍率が低いことを特徴とする請求項7記載の樹脂成形品。
  9. 前記他の領域は、前記発泡樹脂がソリッド状となるよう成形されたことを特徴とする請求項7または8記載の樹脂成形品。
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