JP5601493B2 - 発泡成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡成形体の製造方法に関し、更に詳しくは、軽量でありながら、強度が優れる発泡成形体の製造方法に関する。
発泡成形体は、軽量で剛性が優れるので、自動車用、航空機用、車両・船舶用、建材用、各種電気機器のハウジング用、スポーツ・レジャー用等のあらゆる分野において用いられている。
発泡成形体の製造方法としては、例えば、熱可塑性樹脂を主成分とする重合体を、押出成形機内で溶融混練した後、サークル状ダイから押出し、シート状とした後、搬送テーブルで搬送し、真空吸引装置により真空吸引して2次発泡させ、発泡成形体とする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、熱可塑性樹脂発泡層を有する軟化状態の筒状成形物(パリソン)を金型間に配置して、該筒状成形物を金型に挟み込んで圧縮することによって発泡成形体を得る方法が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3又は特許文献4参照)。
これらの方法においては、パリソン内部に気体を吹き込むこと、及び/又は、パリソン外面と金型内面との間を減圧することにより発泡成形体を製造している。
特開平10−58533号公報 特開2003−236918号公報 特開2004−82332号公報 特開2004−284149号公報
しかしながら、上記特許文献1〜4に記載の発泡成形体の製造方法においては、パリソンの壁面同士を完全に密着させずにパリソンを金型で挟み込むと、パリソン間に中空の部分(以下「中空部」という。)が生成しやすい。そうすると、図8に示すように、得られる発泡成形体50は、一部に中空部51が残った構造となってしまい、耐衝撃性等の強度が不十分となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、軽量でありながら、強度が優れる発泡成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、敢えて発泡パリソンの向かい合う内壁面同士を密着させ発泡パリソン積層体とする密着工程を経由することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、(1)発泡パリソンから発泡成形体を製造する発泡成形体の製造方法であって、発泡剤及び熱可塑性樹脂を含む混合樹脂を押出して、発泡パリソンとする押出工程と、その後、発泡パリソンの向かい合う内壁面同士を完全に密着させ発泡パリソン積層体とする密着工程と、その後、該発泡パリソン積層体を分割金型間に搬送し、該分割金型で挟み込んで密閉し型締めする型締工程と、その後、分割金型内の空気を吸引して減圧し、発泡パリソン積層体の体積を増加させる吸引工程と、を備え、密着工程が、前記発泡パリソンを一対の圧着ローラーで挟み込んで、該発泡パリソンの向かい合う内壁面同士を密着させ発泡パリソン積層体とする工程である発泡成形体の製造方法に存する。
本発明は、()密着工程において、発泡パリソン積層体の外壁面に対してエアーを吹きつける上記()記載の発泡成形体の製造方法に存する。
本発明は、()エアーの温度が発泡パリソン積層体の温度よりも高い上記()記載の発泡成形体の製造方法に存する。
本発明は、()発泡パリソンがシート状のシート状発泡パリソンである上記(1)〜()のいずれか一つに記載の発泡成形体の製造方法に存する。
本発明は、()発泡パリソンが円筒状の円筒状発泡パリソンである上記(1)〜()のいずれか一項に記載の発泡成形体の製造方法に存する。
本発明は、()密着工程において円筒状発泡パリソンの向かい合う内壁面の間の空気を吸引する上記()記載の発泡成形体の製造方法に存する。
本発明は、()型締工程において分割金型に設けられたエアー口から分割金型内に空気を吹き込む上記(1)〜()のいずれか一つに記載の発泡成形体の製造方法に存する。
本発明の発泡成形体の製造方法においては、発泡パリソンの向かい合う内壁面同士を確実に密着させ発泡パリソン積層体とする密着工程を備えることで、中空部の生成が抑制される。このため、上記発泡成形体の製造方法により得られる発泡成形体は、軽量であることを維持したまま強度が優れるものとなる。
また、上記発泡成形体の製造方法においては、密着工程を経ることにより、型締工程において積層された内壁面同士が離れ難くなる。このため、発泡倍率を上げることが可能となるので、発泡成形体全体を十分な発泡状態とすることができ、より軽量なものとすることが可能となる。
本発明の発泡成形体の製造方法においては、密着工程が、発泡パリソンの向かい合う内壁面同士を一対の圧着ローラーで挟み込んで密着させ発泡パリソン積層体とする工程である場合、中空部の生成を確実に抑制できる。
また、発泡パリソンの内壁面同士を広い面積で連続的に密着させることができ、発泡パリソン積層体の厚みも一定にすることができる。
本発明の発泡成形体の製造方法においては、密着工程の際、発泡パリソンの外壁面に対してエアーを吹きつけると、非接触であるので気泡を潰さずに、中空部の生成をより確実に抑制できる。
また、発泡パリソンが圧着ローラー等にくっつくのを抑制できる。
このとき、エアーの温度が発泡パリソンの温度よりも高いことが好ましい。この場合、発泡パリソンが冷えて固まることを抑制できるため、成形性が向上する。
本発明の発泡成形体の製造方法においては、発泡パリソンが2枚のシート状発泡パリソン又は円筒状の円筒状発泡パリソンであると、十分に厚みのある発泡パリソン積層体が得られる。なお、厚みのある1枚の発泡パリソンを押出す方法も考えられるが、この場合は、スリット幅を広くする必要があるため、ダイ先端の樹脂圧が下がってしまう欠点がある。そうすると、表面が破泡し、発泡倍率が低下する。
本発明の発泡成形体の製造方法においては、密着工程の際、円筒状発泡パリソンの向かい合う内壁面の間の空気を吸引する場合、気泡を潰さずに、中空部の生成をより一層確実に抑制できる。
本発明の発泡成形体の製造方法において、型締工程において分割金型に設けられたエアー口から分割金型内に空気を吹き込む場合、発泡パリソンの向かい合う内壁面同士の密着性をより向上させることができる。
図1は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法を示すフローチャートである。 図2は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法で用いられるダイを示す部分断面図である。 図3は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法における密着工程を模式的に示す垂直断面図である。 図4の(a)は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法における型締工程において発泡パリソン積層体を分割金型間に搬送した状態を示す垂直断面図であり、(b)は、(a)の状態から発泡パリソン積層体を分割金型で挟み込んで密閉し型締めした状態を示す垂直断面図である。 図5の(a)は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法において発泡パリソン積層体に吸引工程を施す前の状態の概略を示す水平断面図であり、図5の(b)は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法において発泡パリソン積層体に吸引工程を施した後の状態の概略を示す水平断面図である。 図6の(a)は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法によって得られる発泡成形体を示す斜視図であり、図6の(b)は、その断面図である。 図7の(a)、(b)及び(c)は、第2実施形態に係る発泡成形体の製造方法の密着工程を示す概略図である。 図8は、従来の発泡成形体の製造方法によって製造された発泡製造体を示す断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[第1実施形態]
本発明に係る発泡成形体の製造方法の第1実施形態として、円筒状発泡パリソンを用いた場合について説明する。
図1は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法を示すフローチャートである。
図1に示すように、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法は、発泡剤及び熱可塑性樹脂を含む混合樹脂を押出して、円筒状の円筒状発泡パリソンとする押出工程S1と、円筒状発泡パリソンの向かい合う内壁面同士を密着させ発泡パリソン積層体とする密着工程S2と、発泡パリソン積層体を分割金型間に搬送し、分割金型で挟み込んで密閉し型締めする型締工程S3と、分割金型内の空気を吸引して減圧する吸引工程S4と、を備える。すなわち、押出工程S1、密着工程S2、型締工程S3、吸引工程S4がこの順序で施される。
上記発泡成形体の製造方法によれば、軽量でありながら、(中空部が生じない)強度が優れる発泡成形体を製造することができる。
以下、各工程を更に詳細に説明する。
(押出工程)
押出工程S1は、押出口から発泡剤及び熱可塑性樹脂を含む混合樹脂を押出し、円筒状の円筒状発泡パリソンとする工程である。
図2は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法で用いられるダイを示す部分断面図である。
図2に示すように、ダイ10は、ダイ外筒18と、ダイ外筒18の略中央に配置されたマンドレル17と、ダイ外筒18及びマンドレル17の間の円筒状空間19と、該円筒状空間19に貯留された混合樹脂を下方に押すためのリング状ピストン12と、混合樹脂を排出する押出口(ダイ出口11)と、を備える。
押出工程S1においては、まず、ダイ10内において、熱可塑性樹脂及び発泡剤を混合したいわゆる超臨界流体である混合樹脂が混練され、マンドレル17とダイ外筒18との間の円筒状空間19に貯留される。このとき、貯留させる混合樹脂の量は、5〜40リットルであることが好ましい。
そして、円筒状空間19に所定量の混合樹脂が貯留された後、リング状ピストン12を押し下げることにより、混合樹脂がダイ出口11から円筒状に押出され、押出されると同時に混合樹脂が発泡し、円筒状発泡パリソンとなる。
上記発泡成形体の製造方法においては、混合樹脂を円筒状空間19で貯留させる方式としたので、混合樹脂が貯留されている間に、気泡セルのサイズの均質化が図られることになる。
また、ダイ外筒18内でリング状ピストン12が混合樹脂を押し出す方式(ダイ内アキュムレーター方式)としたので、ダイ出口11の上下の距離を短くすることができ、押出速度も速くすることができる。このため、気泡セルの状態を維持できるメリットがある。
なお、このときの混合樹脂の押出速度は、700kg/時以上であることが好ましい。この場合、より表面の平滑性が高い発泡成形体が得られる。
ここで、円筒状発泡パリソンの材料について述べる。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
これらの中でも、熱可塑性樹脂は、プロピレン単位を有するものであることが好ましく、具体的には、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体等が挙げられる。
さらに、これらの中でも、長鎖分岐構造を有するプロピレン単独重合体であることが特に好ましい。この場合、溶融張力が高くなるので、発泡しやすくなり、気泡セルもより均一化される。
なお、長鎖分岐構造を有するプロピレン単独重合体は、0.9以下の重量平均分岐指数を有するプロピレン単独重合体であることが好ましい。また、重量平均分岐指数g’は、V1/V2で表され、V1が分岐ポリオレフィンの極限粘度数、V2が分岐ポリオレフィンと同じ重量平均分子量を有する線状ポリオレフィンの極限粘度数である。
熱可塑性樹脂は、230℃におけるメルトテンションが30〜350mNの範囲内のポリプロピレン樹脂を用いることが好ましい。ここで、メルトテンションとは、溶融張力を意味する。メルトテンションが上記範囲内であると、発泡用ポリプロピレン系樹脂は歪み硬化性を示し、高い発泡倍率を得ることができる。
熱可塑性樹脂は、230℃におけるメルトフローレイト(MFR)が1〜10であることが好ましい。ここで、MFRとは、JIS K−7210に準じて測定した値である。
MFRが1未満であると、MFRが上記範囲内にある場合と比較して、押出速度を上げることが困難となる傾向にあり、MFRが10を超えると、MFRが上記範囲内にある場合と比較して、ドローダウン等の発生によりブロー成形が困難となる傾向にある。
上記混合樹脂には、スチレン系エラストマー及び/又は低密度のポリエチレンを更に添加することが好ましい。スチレン系エラストマーまたは低密度のポリチレンを添加すると、発泡成形体の低温時の衝撃強度がより向上する。
スチレン系エラストマーとしては、特に限定されないが、分子内に水素が添加されたスチレン単位を有するエラストマーであればよい。例えば、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体等の水素添加エラストマーが挙げられる。
スチレン系エラストマーの配合割合は、熱可塑性樹脂に対して、成形性の観点から40wt%未満の範囲であることが好ましい。
また、スチレン系エラストマー中のスチレンの含有量は、低温時の衝撃強度の観点から、30wt%未満であることが好ましく、20wt%未満であることがより好ましい。
低密度のポリエチレンは、低温時の衝撃強度の観点から、密度0.91g/cm以下のものが好適に用いられる。特に、メタロセン系触媒により重合された直鎖状超低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。
低密度のポリエチレンの配合割合は、熱可塑性樹脂に対して、剛性及び耐熱性の観点から40wt%未満の範囲であることが好ましい。
なお、上記混合樹脂には、スチレン系エラストマー、低密度のポリエチレン及び発泡剤以外に、核剤、着色剤等が添加されていてもよい。
上記発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、水等の無機系発泡剤、又は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系発泡剤が挙げられる。
これらの中でも、発泡剤は、空気、炭酸ガス又は窒素ガスを用いることが好ましい。この場合、有機物の混入がなく、耐久性等の低下がない。
また、発泡方法としては、超臨界流体を用いることが好ましい。特に、炭酸ガス又は窒素ガスを超臨界状態とし、混合樹脂を発泡させることが好ましい。この場合、均一且つ確実に発泡することができる。なお、窒素の超臨界流体は、窒素を臨界温度−149.1℃、臨界圧力3.4MPa以上とすることにより得られ、二酸化炭素の超臨界流体は、二酸化炭素を臨界温度31℃、臨界圧力7.4MPa以上とすることにより得られる。
(密着工程)
密着工程S2は、押出工程S1で押出された円筒状発泡パリソンを一対の圧着ローラー間で挟み込んで、円筒状発泡パリソンの向かい合う内壁面同士を密着させ発泡パリソン積層体とする工程である。
図3は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法における密着工程を模式的に示す垂直断面図である。
図3に示すように、密着工程S2においては、押出された後、直ちに円筒状発泡パリソン20を一対の圧着ローラー24間で挟み込んで、円筒状発泡パリソン20の向かい合う内壁面20a同士を密着させ発泡パリソン積層体30とする。このため、円筒状発泡パリソン20の向かい合う内壁面20a同士を広い面積で連続的に密着させることができ、発泡パリソン積層体30の厚みも一定にすることができる。しかも、一対の圧着ローラーを用いるだけなので、装置が簡単である。
ここで、圧着ローラー24で挟み込むときの圧着ローラー24の圧力は、1kg/cm以下であることが好ましい。この場合、円筒状発泡パリソン20を圧着ローラー24で挟み込んでも、発泡により生成する気泡が潰れにくいので、成形性が向上する。
第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法においては、ダイ10の先端に設けられたコア15には吸引口15aが設けられており、密着工程S2において、吸引口15aから円筒状発泡パリソン20の向かい合う内壁面20aの間、すなわち、円筒状発泡パリソン20内の空気が吸引される。これにより、気泡を潰さずに、強度の低下原因となる中空部の生成をより抑制することができる。また、円筒状発泡パリソン20の向かい合う内壁面20a同士の密着性をより向上させることができる。
密着工程S2においては、円筒状発泡パリソン20の内壁面20a同士を密着させた発泡パリソン積層体30の外壁面20bに対して、エアーを吹きつけるためのエアー口21が設けられている。
発泡パリソン積層体30の外壁面20bに対してエアー口21からエアーを吹きつけることにより、発泡パリソン積層体30の密着性をより確実に向上させることができる。また、発泡パリソン積層体30には、エアーしか接触しないので気泡を潰さずに、中空部の生成を抑制できる。さらに、円筒状発泡パリソン20が密着されずに圧着ローラー24に巻き込まれることを抑制できる。
このとき、エアー口21から吹き付けられるエアーの温度が発泡パリソン積層体30の温度よりも高いことが好ましい。この場合、発泡パリソンが冷えて硬化する現象を抑制でき、成形性が向上する。
第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法においては、円筒状発泡パリソン20の向かい合う内壁面20a同士を確実に密着させ発泡パリソン積層体30とするので、中空部の生成が抑制される。このため、発泡成形体の製造方法により得られる発泡成形体は、軽量であることを維持したまま耐衝撃性等の強度が優れるものとなる。
また、密着工程S2を経ることにより、後述する型締工程S3において、密着された内壁面20a同士が離れ難くなる。その結果、発泡倍率を上げることが可能となるので、発泡成形体全体を十分な発泡状態とすることができ、より軽量なものとすることができる。
(型締工程)
型締工程S3は、密着工程S2で得られた発泡パリソン積層体30を分割金型13間に搬送し、分割金型で挟み込んで密閉し型締めする工程である。
図4の(a)は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法における型締工程において発泡パリソン積層体を分割金型間に搬送した状態を示す垂直断面図であり、(b)は、(a)の状態から発泡パリソン積層体を分割金型で挟み込んで密閉し型締めした状態を示す垂直断面図である。
図4の(a)に示すように、型締工程S3においては、まず、発泡パリソン積層体30が分割金型13間に搬送される。
ここで、分割金型13は、開閉可能な一対となっている。それぞれの分割金型13には、一定間隔となるように複数の突起13aと、後述する複数のエアー口(図示しない)とが設けられている。
そして、図4の(b)に示すように、発泡パリソン積層体30を分割金型13で挟み込んで密閉し型締めを施す。
このとき、分割金型13には突起13aが設けられているので、突起13aが発泡パリソン積層体30の外壁面20bを押すことにより、内壁面20a同士の密着性がより向上する。また、後述する吸引工程においては、発泡パリソン積層体30に凹凸模様が付される。さらに、発泡パリソン積層体30における分割金型13の突起13aに挟みこまれる部分においては溶着面がより確実に形成される。
上記発泡成形体の製造方法によれば、分割金型13の突起13aが、発泡成形体表面への凹部形成手段と、内壁面20a同士を密着させる手段とを兼ねるため、金型が複雑にならず簡易な構成で、表面に凹部が形成された発泡成形体を製造することが可能となる。
また、型締工程S3においては、分割金型13に設けられた図示しないエアー口から分割金型13内に空気を吹き込んでもよい。これにより、分割金型13内の密閉された空間の気圧が上がるので、円筒状発泡パリソン20の向かい合う内壁面同士の密着性がより一層向上する。即ち、突起13aにより挟み込まれていない積層部分が、空気圧力を受け密着することになる。なお、このときの空気を吹き込む圧力は、気泡セルの形状維持の観点から、0.05〜0.15MPaの圧力であることが好ましい。発泡パリソンの冷却を防ぐ観点から、吹き込まれる空気の温度は、発泡パリソンの温度よりも高温であることが好ましい。
(吸引工程)
吸引工程S4は、型締工程S3が施された発泡パリソン積層体30が分割金型13間で密閉された状態で、分割金型13内の空気を吸引して減圧する工程である。
図5の(a)は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法において発泡パリソン積層体に吸引工程を施す前の状態の概略を示す水平断面図であり、図5の(b)は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法において発泡パリソン積層体に吸引工程を施した後の状態の概略を示す水平断面図である。なお、図5の分割金型13は、図4の分割金型13と同じものであり、図5は、図4の一部を拡大した模式図である。
図5の(a)に示すように、吸引工程S4においては、分割金型13に設けられたエアー口13bから分割金型13内の空気が吸引される。これにより、分割金型13内の密閉された空間の気圧が下がるので、図5の(b)に示すように、発泡パリソン積層体30は、エアー口13b側に膨出する。これとともに、気泡が成長して発泡パリソン積層体30の体積が増加する。
こうして、発泡成形体40が得られる。
図6の(a)は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法によって得られる発泡成形体を示す斜視図であり、図6の(b)は、その断面図である。
図6の(a)に示すように、発泡成形体40は、表面に凹部が形成されている。これにより軽量化が図られる。また、図6の(b)に示すように、発泡成形体40は、熱可塑性樹脂が内部まで充填されており、中空部が生成されていない。このため、軽量でありながら、強度にも優れるものとなる。
発泡成形体40は、複数の気泡セルを複数含んだ独立気泡構造となっている。ここで、独立気泡構造とは、複数の気泡セルを有する構造であり、少なくとも独立気泡率が50%以上のものを意味する。したがって、表面平滑性が優れる。
気泡セルは、平均気泡径が1000μm未満であることが好ましく、500μm未満であることがより好ましい。ここで、平均気泡径とは、沢山ある気泡の最大直径の平均値を意味する。
平均気泡径が1000μm以上であると、平均気泡径が上記範囲内にある場合と比較して、表面粗さが大きくなり表面の平滑性が劣る傾向にある。
発泡成形体40は、高発泡の成形体であって、発泡倍率が3.0〜20倍である。ここで、発泡倍率とは、熱可塑性樹脂の密度を発泡成形体の見かけ密度で除した値である。
発泡成形体40は、発泡芯材として好適に用いられ、具体的には、自動車用、航空機用、車両・船舶用、建材用、各種電気機器のハウジング用、スポーツ・レジャー用の撓み剛性又は曲げ座屈に強い構造部材等に用いられる。
特に、カーゴフロアボード、デッキボード、リアパーセルシェルフ、ルーフパネル、ドアトリム等の内装パネル、ドアインナーパネル、プラットフォーム、ハードトップ、サンルーフ、ボンネット、バンパー、フロアスペーサー、ディビアパッド等の自動車の構造部材として用いると、自動車の軽量化が測れるので、燃費が向上することになる。
[第2実施形態]
本発明に係る発泡成形体の製造方法の第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係る発泡成形体の製造方法は、密着工程が第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法と異なること以外は、第1実施形態に係る発泡成形体の製造方法と同様である。
(密着工程)
密着工程は、押出工程S1で押出された円筒状発泡パリソンを一つのプリピンチで挟み込んで、円筒状発泡パリソンの向かい合う内壁面同士を部分的に密着させ発泡パリソン積層体とする工程である。
図7の(a)、(b)及び(c)は、第2実施形態に係る発泡成形体の製造方法の密着工程を示す概略図である。
図7の(a)に示すように、密着工程においては、押出口の下方に揺動可能な一対のプリピンチ22が設けられている。かかるプリピンチ22が押出された円筒状発泡パリソン20の外壁面20bを押圧して挟み込むことにより、図7の(b)に示すように、円筒状パリソン20の内壁面20a同士が密着される。
そして、プリピンチ22が間欠的に揺動することにより、円筒状発泡パリソン20は、図7の(c)に示すように、内壁面20a同士が密着される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、第1及び第2実施形態に係る発泡成形体の製造方法においては、円筒状発泡パリソンを用いて、発泡成形体を製造しているが、複数(例えば2枚)のシート状発泡パリソンを用いてもよい。
この場合、発泡成形体の製造方法は、発泡剤及び熱可塑性樹脂を含む混合樹脂を押出しシート状のシート状発泡パリソンとする押出工程と、複数のシート状発泡パリソンの向かい合う内壁面同士を密着させ発泡パリソン積層体とする密着工程と、発泡パリソン積層体を分割金型間に搬送し、該分割金型で挟み込んで密閉し型締めする型締工程と、分割金型内の空気を吸引して減圧する吸引工程と、を備えることになる。なお、密着工程におけるシート状発泡パリソンの向かい合う内壁面の間の空気の吸引は、施されない。
また、押し出した発泡パリソンを分割金型間に搬送して成形する場合に限らず、押出後、発泡パリソンを冷却固化して発泡パリソン成形体とし、その後、発泡パリソン成形体を再加熱して、発泡パリソンに戻し、分割金型間に搬送して成形してもよい。
第1及び第2実施形態に係る発泡成形体の製造方法においては、分割金型13に突起13aが設けられているが、必須ではない。
第1及び第2実施形態に係る発泡成形体の製造方法においては、密着工程において発泡パリソンの向かい合う内壁面の間の空気を吸引しているが、必須ではない。
また、型締工程において分割金型に設けられたエアー口から分割金型内に空気を吹き込んでいるが必須ではない。
本発明に係る発泡成形体の製造方法によって得られる発泡成形体は、発泡芯材として好適に用いられ、具体的には、自動車用、航空機用、車両・船舶用、建材用、各種電気機器のハウジング用、スポーツ・レジャー用の撓み剛性又は曲げ座屈に強い構造部材等に用いられる。かかる発泡成形体は、軽量でありながら、強度が優れるものである。
10・・・ダイ
11・・・ダイ出口
12・・・リング状ピストン
13・・・分割金型
13a・・・突起
13b,21・・・エアー口
15・・・コア
15a・・・吸引口
17・・・マンドレル
18・・・ダイ外筒
19・・・円筒状空間
20・・・円筒状発泡パリソン
20a・・・内壁面
20b・・・外壁面
22・・・プリピンチ
24・・・圧着ローラー
30・・・発泡パリソン積層体
40,50・・・発泡成形体
51・・・中空部
S1・・・押出工程
S2・・・密着工程
S3・・・型締工程
S4・・・吸引工程

Claims (7)

  1. 発泡パリソンから発泡成形体を製造する発泡成形体の製造方法であって、
    発泡剤及び熱可塑性樹脂を含む混合樹脂を押出して、発泡パリソンとする押出工程と、
    その後、前記発泡パリソンの向かい合う内壁面同士を完全に密着させ発泡パリソン積層体とする密着工程と、
    その後、該発泡パリソン積層体を分割金型間に搬送し、該分割金型で挟み込んで密閉し型締めする型締工程と、
    その後、前記分割金型内の空気を吸引して減圧し、発泡パリソン積層体の体積を増加させる吸引工程と、
    を備え、
    前記密着工程が、前記発泡パリソンを一対の圧着ローラーで挟み込んで、該発泡パリソンの向かい合う内壁面同士を密着させ発泡パリソン積層体とする工程である発泡成形体の製造方法。
  2. 前記密着工程において、前記発泡パリソン積層体の外壁面に対してエアーを吹きつける請求項記載の発泡成形体の製造方法。
  3. 前記エアーの温度が前記発泡パリソン積層体の温度よりも高い請求項記載の発泡成形体の製造方法。
  4. 前記発泡パリソンがシート状のシート状発泡パリソンである請求項1〜のいずれか一項に記載の発泡成形体の製造方法。
  5. 前記発泡パリソンが円筒状の円筒状発泡パリソンである請求項1〜のいずれか一項に記載の発泡成形体の製造方法。
  6. 前記密着工程において前記円筒状発泡パリソンの向かい合う内壁面の間の空気を吸引する請求項記載の発泡成形体の製造方法。
  7. 前記型締工程において前記分割金型に設けられたエアー口から前記分割金型内に空気を吹き込む請求項1〜のいずれか一項に記載の発泡成形体の製造方法。
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