JPH02269033A - 熱可塑性樹脂製中空体とその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂製中空体とその製造方法

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JPH02269033A
JPH02269033A JP1218110A JP21811089A JPH02269033A JP H02269033 A JPH02269033 A JP H02269033A JP 1218110 A JP1218110 A JP 1218110A JP 21811089 A JP21811089 A JP 21811089A JP H02269033 A JPH02269033 A JP H02269033A
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layer
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resin
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Toshihisa Nakamura
中村 敏久
Michio Yamamura
山村 廸男
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、自動車等のエンジンのエアーインテークダク
ト、空調装置などに接続されるダクトやパイプ等として
好適に用いられる熱可塑性樹脂製中空体とその製造方法
に関する。
〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕空調装置
等に接続されるダクト等には、熱損失を小さくするため
の断熱性、機械的衝撃に耐えうる機械的強度及び緩衝性
等の他、騒音の伝達を抑制するための吸音性等が要求さ
れる。これらの特性を充足させるため、従来、非発泡樹
脂からなる外層と、発泡樹脂からなる内層とで構成され
たブロー成形中空体が提案されている。例えば、特開昭
58−128122号公報には、非発泡性熱可塑性樹脂
外層と発泡性熱可塑性樹脂内層とからなり、内層を、発
泡性樹脂粉粒体と非発泡性樹脂粉粒体とを特定の割合で
用い、見掛は発泡倍率を2〜10倍とする二重壁管体の
製造方法が提案されている。
また特開昭83−236820号公報には、ブロー成形
により、上記と同様の非発泡樹脂からなる外層と発泡し
た樹脂からなる内層とで構成された中空体とその製造方
法が提案されている。またこれらの中空体の内層は、い
ずれも1つの発泡層で構成されている。
これらのブロー成形性では、熱可塑性樹脂と、発泡剤を
含む熱可塑性樹脂とを、それぞれ押出し機で溶融押出し
てダイ内の環状樹脂流路にそれぞれ供給し、ダイの押出
し口から積層状態で押出し、チューブ状のパリソンを形
成する。次いで、パリソンを金型で挾んだ状態で圧縮空
気をパリソンに吹込むことにより中空体を製造している
しかしながら、このブロー成形性により、発泡した樹脂
からなる内層を形成すると、機械的強度が低下し一体性
が十分でないという問題がある。
すなわち、ブロー成形性では、一般に、押出し機で溶融
押出された溶融樹脂を、押出し方向と直交する方向から
ダイの環状樹脂流路に供給するので、溶融樹脂は、環状
樹脂流路の円周方向に移動しながら合流し、パリソンに
は、溶融樹脂の合流部で形成されるライン、すなわち押
出し方向に沿った筋状のウェルドラインが生成する。こ
のウェルドラインは、弱化部として機能し、パリソン及
び中空体の機械的強度を低下させる。特に、発泡した内
層を有する中空体では、発泡層の機械的強度が十分でな
い上に、さらにウェルドラインにより機械的強度が低下
するので、一体性に欠ける。
また内層が1つの発泡層で構成されているため、発泡倍
率を大きくしようとすると、表層部の気泡が破泡し易く
なる。そして、気泡が破泡すると、破泡部が膨出状とな
り、表面平滑性や内径寸法精度などが低下し、均一な内
層を形成するのが困難である。特に、発泡層の厚みを小
さく、しかも発泡倍率を大きくしたり、パリソンに供給
する空気の圧力を大きくする場合、上記問題が顕著に現
われる。
また上記の製造方法では、パリソン形成時や空気の工大
過程で発泡層の表面が冷却され、表面に非発泡のスキン
層が形成される。このスキン層は、緩衝性、断熱性や吸
音性を低下させる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、緩衝
性、断熱性のみならず、均一性、吸音性及び一体性に優
れた発泡層を有する熱可塑性樹脂製中空体を提供するこ
とを目的とする。
また本発明は、上記の如き優れた特性を有する熱可塑性
樹脂製中空体の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、発泡層表面にスキン層が存在せず、
上記の如き優れた特性を有する熱可塑性樹脂製中空体を
提供することを目的とする。
本発明は、発泡層である内層の表面にスキン層が存在し
ない上記熱可塑性樹脂製中空体の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
[課題を解決するための手段および作用]本発明は、非
発泡の熱可塑性樹脂からなる外層と、発泡した熱可塑性
樹脂からなる内層とを有するブロー成形中空体であって
、上記内層が複数の発泡層で構成されている熱可塑性樹
脂製中空体により、上記課題を解決するものである。
上記構成の熱可塑性樹脂製中空体によれば、内層が複数
の発泡層で構成されているため、発泡剤を含む熱可塑性
樹脂が環状樹脂流路で合流しても各発泡層のウェルドラ
インの位置が互いにずれたものとなる。従って、−の発
泡層に生成したウェルドラインを他の発泡層で補強する
ことができ、気体吹込み時にウェルドラインに基づく破
損が生じることがなく、全体として、ウェルドラインに
よる機械的強度の低下を防止することができる。
また内層が複数の発泡層で構成されているため、外層と
、複数の発泡層のうち内面側の発泡層との間に介在する
発泡層の気泡が破泡するのを防止できる。従って、各発
泡層の厚みが薄くても、全体として均一性に優れた内層
を形成できる。
本発明は、溶融した熱可塑性樹脂をグイ内の環状樹脂流
路に供給すると共に、発泡剤を含み、溶融した熱可塑性
樹脂をグイ内の上記環状樹脂流路よりも内方1こ形成さ
れた複数の環状樹脂流路に供給し、溶融した各熱可塑性
樹脂を積層状態で合流させてダイから押出し、生成した
パリソンに圧縮気体を供給すると共に、金型で成形する
熱可塑性樹脂性中空体の製造方法により、上記課題を解
決するものである。
さらに、本発明は、非発泡の熱可塑性樹脂からなる外層
と、発泡した熱可塑性樹脂からなる発泡層とを有するブ
ロー成形中空体であって、上記発泡層表面にスキン層が
存在しない熱可塑性樹脂製中空体により、上記課題を解
決するものである。
また本発明は、ブロー成形性により、熱可塑性樹脂から
なる発泡層を介して、非発泡の熱可塑性樹脂からなる外
層と、上記発泡層に対して非接着性の非接着層とを積層
した中空体を作製した後、上記非接着層を剥離する熱可
塑性樹脂製中空体の製造方法により、上記課題を解決す
るものである。
この製造方法によると、前記と同様には、発泡層と非接
着層のウェルドラインの位置が互いにずれるので、ブロ
ー成形過程で中空体が破損しない。
また発泡層に積層した非接着性層を剥離するので、露呈
した発泡層にはスキン層が生成しない。また発泡層を、
非接着層の剥離により露呈、させるため、発泡層はその
厚み、発泡倍率の如何に拘らず、平滑で寸法精度に優れ
、均一であり、緩衝性、断熱性や吸音性に優れる。さら
には、発泡層と外層との接着性に優れているため、一体
性がよい。
このように、発泡層表面にスキン層が存在しない熱可塑
性樹脂製中空体は、緩衝性、断熱性、均一性、吸音性及
び一体性に優れている。
以下に、本発明の熱可塑性樹脂製中空体とその製造方法
を添付図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の熱可塑性樹脂性中空体の一実施例を示
す一部欠截断面斜視図である。この例では、中空体は、
非発泡の熱可塑性樹脂からなる外層(1)と、発泡した
熱可塑性樹脂からなる内層■とで構成されている。
中空体の外層(1)を構成する熱可塑性樹脂は、ブロー
成形により非発泡層を形成できるものであれば特に制限
されない。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合°体、ア
イオノマー等のオレフィン系重合体;ポリスチレン、ス
チレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジェン共重
合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ハイイン
パクトポリスチレン等のスチレン系重合体;アクリロニ
トリル−ブタジェン共重合体;ポリ塩化ビニル;エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体;アクリル樹脂、メタクリル樹
脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル;ポリカーボネート;6−ナ
イロン、6ローナイロン、6.10−ナイロン、12−
ナイロン等のポリアミド;ポリアセタール;ポリスルホ
ン;ポリ塩化ビニリデン;ポリフェニレンオキサイド等
が例示される。これらの熱可塑性樹脂のうちブロー成形
性に優れるポリエチレン、ポリプロピレン等が好ましい
。これらの熱可塑性樹脂は、一種又は二種以上混合して
用いられる。外層(1)の厚みは、用途等に応じて適宜
設定できるが、ダクト用、パイプ用等に用いられる場合
、通常、0.1〜5鴫、好ましくは0.5〜3鴫程度で
ある。
また内層■を構成する熱可塑性樹脂は、発泡剤により発
泡しうるちのであればいずれも使用できる。このような
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等の
オレフィン系重合体;ポリスチレン、スチレン−ブタジ
ェン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、
アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体等の
スチレン系樹脂:ボリ塩化ビニル;エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体;アクリル樹脂、メタクリル樹脂;ブロック
型スチレン−ブタジェン共重合体等のスチレン系熱可塑
性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー 
ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑
性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー
等、ハードセグメントとソフトセグメントとで構成され
た熱可塑性エラストマー等が例示される。これらの熱可
塑性樹脂のうち、弾性、緩衝性等に優れる熱可塑性エラ
ストマーが特に好ましい。また内層口を構成する熱可塑
性樹脂は、一体性を高めるため、前記外層(1)を構成
する熱可塑性樹脂に対して接着性に優れた樹脂が使用さ
れる。接着性に優れた熱可塑性樹脂は、外層(1)を構
成する熱可塑性樹脂の種類に応じて選択でき、通常、外
層(1)を構成する樹脂と同系統の樹脂が使用される。
より具体的には、外層(1)を構成する熱可塑性樹脂が
ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系重合体
であるとき、内層(2)を構成する熱可塑性樹脂として
、ポリオレフィン系重合体が使用できる。これら熱可塑
性樹脂は一種又は二種以上使用される。
また内層■の熱可塑性樹脂を発泡させる発泡剤としては
、従来慣用の揮発性発泡剤、分解性発泡剤等が使用でき
る。揮発性発泡剤としては、例えば、炭酸ガス;プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素;
メチルエーテル、エチルエーテル等のエーテル類:アセ
トン等のケトン類;アルコール類:フロン−11、フロ
ン−12、フロン−22等のハロゲン化炭化水素等が例
示される。揮発性発泡剤は、通常、沸点100℃以下の
液体が使用される。分解性発泡剤としては、例えば、炭
酸アニモニウム、炭酸水素アンモニウム、重炭酸ナトリ
ウム等の無機化合物;アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾジカルボンアミド、ジアゾアミノベンゼン、アゾビス
ホルムアミド等のアゾ系化合物、N、N’−ジメチル−
N、N’ジニトロソテレフタルアミド、N、N’  −
ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ系化
合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルイレン
スルホニルカルバジド、4.4’ −オキシビス(ベン
ゼンスルホニルヒドラジド)、トリヒドラジノトリアジ
ン、ジフェニルスルホン−3゜3′−ジスルホヒドラジ
ン等のスルホニルヒドラジド系化合物、5−モルホリル
−1,2,3,4゜−チアトリアゾール等のトリアゾー
ル系化合物、テレフタルアジド、り−tart−ブチル
ベンズアジド等のアジド系化合物等の有機化合物が例示
される。これらの発泡剤は、同種又は異種のものが一種
又は二種以上使用される。発泡剤の使用量は、所望する
発泡倍率等に応じて適宜設定することができるが、通常
、熱可塑性樹脂に対して0.5〜10重量%程度である
。なお、内層■を構成する熱可塑性樹脂は、上記発泡剤
を含有するビーズ状又はベレット状であるのが好ましく
、発泡剤を含有する熱可塑性樹脂からなる発泡性マスタ
ーバッチと非発泡性樹脂粉粒体との混合物も好ましい。
そして、内層■は2つの発泡層(2m) (2b)で構
成されている。各発泡層(2a) (2b)は、それぞ
れ同種又は異種の前記熱可塑性樹脂で構成することがで
きる。各発泡層(2a) (2b)の発泡倍率及び厚み
は、所望する断熱性、緩衝性、吸音性等に応じて適宜設
定することができ、特に限定されない。各発泡層(2a
) (2b)の発泡倍率は、通常、2〜25倍、好まし
くは2.5〜10倍程度であり、厚みは、通常0.1〜
10no+q好ましくは0.2〜5mm程度である。ま
た発泡層(2a) (2b)の気泡は、独立気泡であっ
てもよく連続気泡であってもよい。独立気泡は断熱性を
高めるのに有用であり、連続気泡は吸音性を高めるのに
有用である。従って、吸音性が必要とされるエアーイン
テークダクト等の用途では連続気泡であるのが好ましい
。独立気泡と連続気泡とは混在していてもよい。
上記のように、内層(2を2つの発泡層(2a) (2
b)で構成すると、ブロー成形性によりパリソンを形成
する際、一方の発泡層(2a)に生成したウェルドライ
ン(3a)と、他方の発泡層(2b)に生成したウェル
ドライン(3b)との位置が互いにずれるので、ウェル
ドライン(Ia) (8b)による機械的強度の低下を
発泡層(2a) (2b)により互いに補強することが
できる。また外層(1)と内方の発泡層(2b)との間
に発泡層(2a)が介在するので、各発泡層(2a) 
(2b)の厚みを調整することにより、内層■全体の厚
みを容易に制御することができる。さらには、内層■の
厚みを薄くしたり発泡倍率を大きくしても、少なくとも
外層(1)と内方の発泡層(2b)との間に介在する発
泡層(2a)の気泡を破泡させることがないので、均一
な内層(2)を精度よく形成することができる。
その際、内方の発泡層(2b)の発泡倍率を他の発泡層
(2a)の発泡倍率よりも小さくすると、破泡が少なく
なるので、表面平滑性に優れた内層(2)をより一層精
度よく、しかも均一に形成できる。
なお、上記の例では、内層(2が2層に形成されている
が、内層(2)は3以上の複数の発泡層で構成されてい
てもよい。また複数の発泡層は同−又は異なる発泡倍率
及び厚みに形成されていてもよい。
さらには、接着強度を高めるため、複数の発泡層には、
接着性に優れた発泡層を介在させてもよい。
また熱可塑性樹脂製中空体は、直線状、曲線状だけでな
く、立体形状であってもよく、その断面形状は、三角形
状、方形状等の多角形状、円筒状、楕円状等であっても
よく、特に制限されない。また中空体の大きさは、用途
等に応じて適宜設定できるが、空調用ダクトやパイプで
ある場合、通常外径50〜200M程度であり、長さは
300〜2000 mm程度である。
なお、上記外層(1)及び/又は内層(′2Jには、酸
化防止剤、紫外線吸収剤等の劣化防止剤;可塑剤;染料
や顔料等の着色剤;炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シ
リカ、タルク等の無機充填剤;帯電防止剤;難燃剤等の
種々の添加剤が含有されていてもよい。これらの添加剤
は、中空体の特性を低下させない範囲で添加することが
でき、通常0. 1〜25重量%程度含有させることが
できる。
上記のような構造を有する熱可塑性樹脂製中空体は、ブ
ロー成形性により製造することができる。
第2図は熱可塑性樹脂製中空体の製造装置を示す要部縦
断面図である。この製造装置は、熱可塑性樹脂を溶融し
て押出す押出し機(lla)と、内層(2)を構成する
発泡層の数に応じて設けられ、発泡剤を含む熱可塑性樹
脂を溶融して押出す押出し機(llb)(lle)と、
各押出し機(lla) (llb) (lle)から押
出された溶融樹脂から積層状態のパリソンCP’)を形
成するダイ(12)と、パリソン(P)を挾み所定の形
状に成形する分割金型(16a) (leb)とを有し
ている。またダイ(12)には、各押出し機(11a)
 (11b)(llc)から押出された溶融樹脂の流路
となる環状樹脂流路(13a) (13b) (13c
)がそれぞれ形成されており、この環状樹脂流路(13
a) (13b) (13c)は所定部で順次合流して
いる。また上記ダイ(12)の中央部から押出し口(1
4)には、パリソン(P)に圧縮気体を供給して膨らま
せる圧縮気体供給口(15)が延設されている。
上記の装置において、発泡剤を含まない熱可塑性樹脂を
押出し機(lla)から押出すと共に、発泡剤を含む熱
可塑性樹脂を押出し機(llb)(llc)からそれぞ
れ押出してダイ(12)に供給すると、各溶融樹脂が各
樹脂流路(13a) (13b) (13c)の途中部
で積層状態で合流し、積層状態でダイ(12)の押出し
口(14)から押出され、パリソン(P)が形成される
その際、発泡剤を含む熱可塑性樹脂からなる内層(2)
は、発泡し、発泡層(2a) (2b)が形成される。
そして、パリソン(P)を分割金型(tea) (16
b)で挾んだ状態で圧縮気体供給口(14)から圧縮空
気等の圧縮気体を供給することにより、内層口)の各発
泡層(2a) (2b)が発泡した所定形状の中空体が
得られる。
その際、図示する例では、各押出し機(11a) (1
1b)(llc)がダイ(12)の異なる位置に設けら
れ、しかも各溶融樹脂が加圧状態で押出されるので、各
環状樹脂流路(13a) (13b) (13e)にお
いて溶融樹脂が合流する位置が異なる。すなわち、ウェ
ルドラインの位置が互いにずれたパリソン(P)が形成
される。従って、得られた中空体の内層(2)はウェル
ドラインの位置が異なる発泡層(2a) (2b)で構
成され、ウェルドラインによる機械的強度の低下を防止
できる。
なお、溶融樹脂が加圧状態で押出されるので、各押出し
機(lla)(llb)(llc)を、ダイ(12)の
外周のうち溶融樹脂の押出に沿った同一線上に設けても
、通常各発泡層(2a) (2b)のウェルドラインの
位置に若干のずれが生じる。従って、各押出し機(ll
a)(llb)(llc)はダイ(12)の適宜の位置
に設けることができる。また各発泡層(2a) (2b
)の組成及び発泡倍率等が同一であってもよい場合には
、1つの押出し機(llb)から、ダイ(12)の複数
の環状樹脂流路(13b) (13c)へ、同一組成か
らなる発泡剤を含む熱可塑性樹脂を押出してもよい。押
出し機(IJ、a) (llb) (lie)は、溶融
樹脂の貯溜に伴い発生する負荷を補償するインラインス
クリュを備えた押出し機であってもよい。またダイ(1
2)の押出し口(14)から押出されたパリソン(P)
が自重により垂れ下る、すなわちドローダウンするのを
抑制し、精度よく中空体を製造するため、押出し機(l
 la>(Llb)(lie)とダイ(12)の押出し
口(14)との間に、溶融樹脂を貯溜する貯溜部と、所
定の圧力で溶融樹脂を押出すプランジャーとで構成され
たアキュムレータが設けられていてもよい。このアキュ
ムレータにより、各溶融樹脂の押出し量を精度よく調整
することができ、中空体の外層(1)と、内層(2)を
構成する各発泡層(2a) (2b)の厚みを制御でき
る。
また金型は、垂下状態のパリソン(P)を側方から挾む
構造の分割金型(lea) (16b)に限らず、一方
の金型でパリソンを下方より支持し、他方の金型でパリ
ソンを上方より挾む上下一対の金型であってもよい。例
えば、ダイ及び/又は下方の金型を移動させて、垂下状
態のパリソンを下方の金型のキャビティに案内して収容
すると共に、上方の金型のキャビティによりパリソンを
挾み、パリソンに圧縮空気を供給し中空体を製造しても
よい。この場合、上下一対の金型とダイとは、互いに水
平方向、上下方向に相対的に移動可能に構成されていて
もよい。また金型のキャビティは直線状に限らず曲線状
、立体形状に形成されていてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂製中空体は、上記のように、外層
を形成する発泡剤を含まない熱可塑性樹脂と、複数の発
泡層からなる内層を形成する、発泡剤を含む熱可塑性樹
脂とを積層状態で溶融押出し、パリソン内に圧縮気体を
供給することにより、形成することができる。その際、
前記のように、パリソン形成時や圧縮気体供給過程で、
内層表面に非発泡のスキン層が形成され易い。
このスキン層を有しない熱可塑性樹脂製中空体は、次の
ようにして製造することができる。すなわち、上記と同
様のブロー成形性により、熱可塑性樹脂からなる発泡層
を介して、非発泡の熱可塑性樹脂からなる外層と、上記
発泡層に対して非接着性の非接着層とを積層した中空体
を作製した後、上記非接着層を剥離することにより、ス
キン層のない発泡層を形成できる。
上記非接着層を構成する熱可塑性樹脂としては、前記発
泡層に対して剥離可能な接着性を有する樹脂であれば特
に制限されない。このような熱可塑性樹脂は、発泡層を
構成する熱可塑性樹脂の種類に応じて、前記例示の熱可
塑性樹脂の中から適宜選択できるが、熱可塑性エラスト
マーが好ましい。
より具体的には、発泡層を構成する熱可塑性樹脂がオレ
フィン系重合体であるとき、非接着層としてはポリエス
テル系熱可塑性エラストマーが使用できる。非接着層は
、適宜の膜厚に形成できるが、通常、0.05〜5間程
度、好ましくは0.1〜2.5mm程度である。なお、
非接着層は、剥離時の引張り強度を確保するため、非発
泡であるのが好ましい。
以下に、上記第2図及び第3図に基づいて熱可塑性樹脂
製中空体の製造方法について説明する。
なお、第3図は剥離工程の概要を示す一部欠截断面斜視
図である。
上記装置において、発泡剤を含まない熱可塑性樹脂を押
出し機(lla)から溶融して押出し、発泡剤を含む熱
可塑性樹脂を押出し機(llb)がら溶融して押出すと
共に、発泡剤を含まない非接着性熱可塑性樹脂を押出し
機(lie)から溶融して押出すと、ダイ(I2)内で
は、各溶融樹脂がそれぞれの環状樹脂流路(13a) 
(13b) (13c)を経て、途中部で積層状態で合
流する。積層状態の溶融樹脂をダイ(12)の押出し口
(14)から押出し、パリソン(P)を分割金型(le
a) (18b)で挾んだ状態で圧縮気体供給口(14
)から圧縮気体を供給することにより、第3図に示され
るように、発泡剤を含まない熱可塑性樹脂で形成された
外層(21)と、発泡剤を含まない非接着性熱可塑性樹
脂で形成された非接着層(23)とが、発泡層(22)
を介した積層された中空体が得られる。その際、各溶融
樹脂が加圧され、かつ発泡層(22)を形成する熱可塑
性樹脂層が、外層(21)と非接着層(23)とを形成
する非発泡性熱可塑性樹脂層で挟圧された状態で押出さ
れるので、発泡層(22)が1つの層で構成されていて
も、ウェルドラインの生成が著しく抑制される。またパ
リソン(P)を形成したとき、発泡層(22)にウェル
ドラインが生成したとしても、前記と同様に、該ウェル
ドラインと非接着層(23)のウェルドラインとはその
位置が異なる。従って、ブロー成形過程で中空体が破損
するのを防止でき、機械的強度に優れたパリソン(P)
及び中空体が得られる。
このようにして得られた中空体は、前記非接着層(23
)を発泡層(22)から剥離する剥離工程に供される。
この剥離工程で非接着層(23)を剥離すると、発泡層
(22)が、外層(21)と非接着層(23)とで挟圧
された状態で形成されているため、発泡層(22)の厚
みの如何に拘らず、表面が平滑で均一性に優れ、スキン
層のない発泡層(22)が露呈する。従って、緩衝性、
断熱性や吸音性に優れた発泡層(23)と、外層(21
)とが一体化した中空体が得られる。
なお、上記の例では、発泡層(22)が1つの層で構成
されている場合について説明したが、第2図に示す製造
装置において、押出し機及び環状樹脂流路を付加するこ
とにより、発泡層を複数の層で構成してもよい。また発
泡層の表面近傍に存在する気泡は、発泡層を露呈させる
際に、開口させてもよい。開口した気泡は、前記非接着
層を構成する熱可塑性樹脂として、発泡層から剥離可能
であり、かつ剥離時に発泡層の気泡壁を破壊可能な接着
性を有する樹脂を用いることにより、容易に形成できる
。このようにして、気泡開口させても、露呈前の発泡層
表面が平滑であるため、表面平滑性、内径寸法精度等は
損われない。
[発明の効果] 以上のように、本発明の熱可塑性樹脂製中空体は、内層
が複数の発泡層で構成されているので、緩衝性、断熱性
のみならず、均一性、吸音性及び一体性に優れている。
また本発明の熱可塑性樹脂製中空体の製造方法によれば
、外層を構成する溶融した熱可塑性樹脂と、発泡剤を含
み、複数の発泡層を構成する溶融した熱可塑性樹脂とを
積層状態で合流させてダイから押出し、生成したパリソ
ンに圧縮気体を供給すると共に、金型で成形するので、
ウェルドラインの位置がずれ、ブロー成形過程で中空体
が破損することがなく、上記特性に優れた発泡層と外層
とで構成された中空体を効率よ(製造できる。
さらに、本発明の熱可塑性樹脂製中空体によれば、発泡
層の表面にスキン層が存在せず、緩衝性、断熱性、吸音
性、均−性及び一体性に優れている。
また本発明の熱可塑性樹脂製中空体の製造方法によれば
、ブロー成形性により、発泡層を介して、外層と非接着
層とを積層した中空体を作製するので、発泡層と非接着
層のウェルドラインの位置がずれ、ブロー成形過程での
中空体の破損を防止できる。また中空体を作製した後、
上記非接着層を剥離するので、発泡層にはスキン層が生
成しない。
従って、緩衝性、断熱性、吸音性、均−性及び−体性に
優れた発泡層を有する熱可塑性樹脂製中空体を容易に製
造できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の熱可塑性樹脂製中空体の一実施例を示
す一部欠截断面斜視図、 第2図は熱可塑性樹脂製中空体の製造装置を示す要部縦
断面図、 第3図は本発明の熱可塑性樹脂製中空体の製造方法の剥
離工程を示す一部欠截断面斜視図である。 (1)(21)・・・外層、(J・・・内層、(2a)
 (2b) (22)、=−発泡層、(23)−・・非
接着層特許出願人  タイガースポリマー株式会社代 
 理  人   弁理士  鍬   1)  充   
生第 図 <=りン <;り〉 第 図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、非発泡の熱可塑性樹脂からなる外層と、発泡した熱
    可塑性樹脂からなる内層とを有するブロー成形中空体で
    あって、上記内層が複数の発泡層で構成されていること
    を特徴とする熱可塑性樹脂製中空体。 2、溶融した熱可塑性樹脂をダイ内の環状樹脂流路に供
    給すると共に、発泡剤を含み、溶融した熱可塑性樹脂を
    ダイ内の上記環状樹脂流路よりも内方に形成された複数
    の環状樹脂流路に供給し、溶融した各熱可塑性樹脂を積
    層状態で合流させてダイから押出し、生成したパリソン
    に圧縮気体を供給すると共に、金型で成形することを特
    徴とする熱可塑性樹脂性中空体の製造方法。 3、非発泡の熱可塑性樹脂からなる外層と、発泡した熱
    可塑性樹脂からなる発泡層とを有するブロー成形中空体
    であって、上記発泡層表面にスキン層が存在しないこと
    を特徴とする熱可塑性樹脂製中空体。 4、ブロー成形性により、熱可塑性樹脂からなる発泡層
    を介して、非発泡の熱可塑性樹脂からなる外層と、上記
    発泡層に対して非接着性の非接着層とを積層した中空体
    を作製した後、上記非接着層を剥離することを特徴とす
    る熱可塑性樹脂製中空体の製造方法。
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