JP2000083627A - 水産練り製品の製造法 - Google Patents

水産練り製品の製造法

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JP2000083627A
JP2000083627A JP10253600A JP25360098A JP2000083627A JP 2000083627 A JP2000083627 A JP 2000083627A JP 10253600 A JP10253600 A JP 10253600A JP 25360098 A JP25360098 A JP 25360098A JP 2000083627 A JP2000083627 A JP 2000083627A
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oil
fishery
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JP10253600A
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Masahisa Ibuki
昌久 伊吹
Ichiro Nakamura
一郎 中村
Shinichiro Nagatomo
晋一郎 長友
Masayuki Kawasaki
正之 川崎
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Fuji Oil Co Ltd
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Fuji Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】煮込みのだし液のしみ込みが早く、ジューシー
な食感を供し、且つ、冷凍、冷蔵などの低温流通におい
ても弾力性のあるしなやかな食感が失なわれない水産練
り製品を提供することを目的とした。 【構成】すり身生地に対して、融点40℃〜75℃の粉
末状の油脂を0.1〜5重量%添加することを特徴とす
る水産練り製品の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水産練り製品の製造法
に関し、詳しくは、煮込みのだし液のしみ込みが早く、
ジューシーな食感を供し、且つ、冷凍、冷蔵などの低温
流通においても弾力性のあるしなやかな食感が失なわれ
ない水産練り製品の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】水産練り製品は、一般には魚肉すり身を
主原料とし、これを加水した後、澱粉等の副原料、食塩
等の調味料を添加し、フライ、蒸し、焼き加工などして
えられるが、その他、すり身と大豆蛋白あるいは、すり
身と大豆蛋白エマルジョン(大豆蛋白、油脂及び水の均
質化物)を用いるなどして、すり身原料を比較的少なく
したものも存在する。いずれにせよ、これらは、かまぼ
こ、さつま揚げ、ちくわ、はんぺん等様々な形態として
広く消費者の食生活に浸透しており、その弾力ある食感
が好まれる要因になっている。
【0003】この弾力性の発現は、すり身のゲル形成能
によるものであるが、水産練り製品は前述したように、
その弾力性が好まれるポイントであるがゆえに、ゲル形
成が著しく強固になっている。このことは同時に、水産
練り製品の組織を緻密なものとし、弾力性強化の反面、
だし液のしみ込みにくい組織となっている。したがっ
て、おでん等の煮込み具材としてこれらの水産練製品を
利用した場合、だし液が十分に染み込みいわゆる良く煮
えた美味しい状態に仕上がるまでに時間がかかるのが常
である。
【0004】近年、一般家庭において時間をかけて調理
することは、単身者、共稼ぎ夫婦等時間的な制約や手間
をかけたくない人々の増加により、敬遠されがちになっ
てきている。この為に、だし液がすばやく染み込むよう
にするためには、水産練り製品のゲル形成を若干弱くす
ることが考えられるが、こうすると、先にも述べたよう
に弾力性という本来必要不可欠な食感の低下を免れな
く、やむなく弾力性を重視して、煮込み時間を犠牲にし
ているというのが実状である。
【0005】一方、水産練り製品は、工場において大量
生産されたのち、冷凍後、凍結保存、配送され、スーパ
ー等の販売場所においてチルド保存販売されて消費者に
届けられるため、この間に冷凍変性してその弾力性のあ
るしなやかな食感が失われやすいという課題がある。
【0006】この課題解決のために、例えば、グアガム
やカラギーナンを酵素処理してある一定の水溶液粘度を
もつものを練り込むことが提案されている(特開平8-22
875など)。しかし、この方法はしなやかな食感を維持
することにはある一定の効果は認めれるものの、だし液
の染み込み性は改良できないでいる。また、弾力性の向
上と、白色化のために、糖類、蛋白質、乳化剤を用いて
油脂を乳化したものを噴霧乾燥して得られる粉末油脂を
すり身に練り込むことも提案されている(特開平3-2624
63)。しかし、ここで使用される粉末油脂の粒子それぞ
れは、乳化構造に由来する多数の微細な油脂粒子の集合
体であり、油脂の実質的粒径が小さすぎて、だし液の染
み込み性は改良できない。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は上述の状況
を鑑みて、煮込みのだし液のしみ込みが早く、ジューシ
ーな食感を供し、且つ、冷凍、冷蔵などの低温流通にお
いても弾力性のあるしなやかな食感が失なわれない水産
練り製品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に対して鋭意検討した結果、高融点の油脂を粉末化し
たものをすり身に練り込んだ生地を用いることにより、
だし液の染み込み性が早く、しかも、冷凍流通において
も冷凍変性しにくく弾力性があってしなやかな食感をも
つ水産練り製品が作成できることを見出し、本発明を完
成させるに至った。すなわち、本発明は、すり身生地に
対して、融点40℃〜75℃の粉末状の油脂を0.1〜
5重量%添加することを特徴とする水産練り製品の製造
法及び融点40℃〜75℃の粉末状の油脂を0.1〜5
重量%含有する冷凍すり身生地を骨子とする。
【0009】本発明で用いる粉末状の油脂の原料として
は、油脂の種類は特に限定するものではないが、ひまわ
り油、ハイオレイックひまわり油、サフラワー油、ハイ
オレイックサフラワー油、大豆油、ナタネ油、オリーブ
油、パーム油、サル脂、シア脂、ヤシ油、パーム核油等
の植物油、魚油、牛脂、豚脂等の動物油から選ばれる1
種または2種以上の混合油が例示できる。
【0010】本発明の粉末状の油脂は融点を40-75℃、
好ましくは50-65℃にする必要があり、前述の油脂原料
を用いて、水素添加、分別、化学的エステル交換、酵素
的エステル交換又はこれらの2種以上の組み合わせによ
り達成される。融点が40℃未満であると水産練り製品の
弾力性が失われてしまい、75℃を超えると得られた水産
練り製品がワキシーな食感となってしまう。
【0011】本発明に用いる油脂は粉末状であることが
求められる。粉末状とは粒状、フレーク状等の形状にな
っていることを指しており、いわゆる粉体状であればそ
の個々の粉体の形状には限定されない。
【0012】粉体の大きさは、平均粒子径0.1mm以上で
すり身に練り込み易い大きさが良く、好ましくは0.2mm
〜0.5mm、より好ましくは、0.3mm〜0.4mmが良い。例え
ば、JIS規格の篩いサイズとして10#オールパス品など
が好ましい。粉体であることの必要性は、これらの粉末
状の油脂が水産練り製品中に点在して存在することによ
り、水産練り製品がなんらかの加熱処理によりゲル形成
する際に、点在している粉末状の油脂部分において不連
続な空隙が形成されることによるものである。
【0013】したがって、平均粒子径が0.1mm未満のも
の、例えば、糖類、蛋白質、乳化剤を用いて油脂を乳化
したものを噴霧乾燥などして得られる油脂組成物も「粉
末油脂」と呼ばれているが、このものは多数の微細な油
脂粒子と糖類、蛋白質などからなる集合体が粉末粒子を
形成し、見かけ状の粒子径が大きくとも、油脂の実質的
粒径は非常に小さな(10ミクロン程度)ものとなってい
る、そのため、上記空隙は明瞭には形成されず本発明の
効果を奏さない。
【0014】この不連続な空隙部分によって水産練り製
品の弾力性が損なわずしかもだし液の染み込み性に優れ
たものとなるのである。この空隙により蒸気等の気体の
出入りが自由になるため、水産練り製品が加熱による膨
張、冷蔵、冷凍による収縮の割合が最少にとどめられ、
冷凍流通によるしなやかさの減少が防止できると考えて
いる。粉末状でない場合、例えば繊維状であれば、水産
練り製品の組織が連続的に分断されて、弾力性の低下が
起こってしまう。
【0015】粉末状の油脂の添加量はすり身生地(加熱
前の最終的すり身生地)中0.1-5重量%とするのが好ま
しく、より好ましくは0.5-3重量%である。0.1重量%未
満であると、だし液の染み込み性が劣ってしまい、5重
量%を超えるとざらついた食感になってしまう。
【0016】本発明における水産練り製品の製造方法と
しては、上述した粉末状の油脂を利用する事以外既存の
製造方法でよく、特に限定されることはない。粉末状の
油脂は、すり身中に均一に分散するようにすればよく、
任意の添加時期、方法を採用することができる。例え
ば、冷凍すり身に食塩を添加して塩ずりし、氷水にて水
延ばしを行った後、予め馬鈴薯澱粉と粉末状の油脂を粉
体混合しておいたものを加えて魚肉すり身を製造する。
【0017】得られたすり身を、既存の方法、例えば押
し出し成型機、ドラム成型機、球天機等で成型し、必要
に応じて坐りを行い、油ちょう、蒸煮、焼成等により加
熱処理を行い水産練り製品を得る。得られた水産練り製
品は、トンネルフリージング等で急速冷凍を行い冷凍流
通することができる。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。尚、実施例中「%」は特に断らない限り重量
%を意味する。
【0019】〔実施例1、2及び比較例1、2〕すけそ
うすり身に3%食塩を添加し、塩ずりしたものに、50%
の氷水を加え、水延ばしし、3%馬鈴薯澱粉を加え、調
味した簡易てんぷら生地に融点58℃の硬化パーム油粉末
(篩い10#オールパス品)を0-10%添加し、成型後フラ
イした。フライ後10℃まで冷却し、-30℃で3時間冷凍
後、5℃6時間で解凍を行い食感を調べた。結果を表1に
示す。
【0020】
【表1】 粉末状の油脂の添加量と食感 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 粉末状の油脂の 食感 添加量(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例1(無添加)0 硬く、しなやかさがなくなっている 実施例1 1 しなやかさがある弾力性 実施例2 3 しなやかさがある弾力性 比較例2 10 弾力性あるが、ざらつき感あり −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0021】以上の結果から、本発明による水産練り製
品は、冷凍解凍後においてもしなやかな弾力性を有して
いることが分かる。
【0022】〔実施例3、比較例3〕すけそうすり身に
3%食塩を添加し、塩ずりしたものに、50%の氷水を加
え、水延ばしし、3%馬鈴薯澱粉を加え、調味したてん
ぷら生地に融点58℃の硬化パーム油粉末(篩い10#オー
ルパス品)を無添加(比較例3)もしくは3%添加(実
施例3)し、成型後フライした。フライ後10℃まで冷却
し、5℃6時間保存後、だし液で5、10、15、20分煮込ん
だ際の重量変化を測定し、だし液の染み込み性を評価し
た。結果を表2に示す。
【0023】
【表2】 煮込み時間と重量変化 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 煮込み時間(分) 0 5 10 15 20 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例3 40.0(g) 42.3 43.9 45.4 46.0 比較例3 40.0 42.3 43.3 44.2 45.4 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0024】以上の結果のように、本発明の水産練り製
品はだし液の染み込み性に優れており、食してもジュー
シーな食感のものであった。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、すり身配合中に融点40
-75℃の高融点粉末状の油脂を特定量配合することによ
り、だし液の染み込み性が良好になり、冷凍解凍後にお
いてもしなやかな弾力性をもった水産練り製品を製造す
ることができ、従来の問題点を一挙に改良することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川崎 正之 兵庫県宝塚市川面4丁目1−81−607 Fターム(参考) 4B034 LB07 LC05 LK10X

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】すり身生地に対して、融点40℃〜75℃
    の粉末状の油脂を0.1〜5重量%添加することを特徴
    とする水産練り製品の製造法。
  2. 【請求項2】粉末状の油脂の平均粒子径が0.1〜0.
    5mmであることを特徴とする請求項1記載の水産練り
    製品の製造法。
  3. 【請求項3】融点40℃〜75℃の粉末状の油脂を0.
    1〜5重量%含有する冷凍すり身生地。
JP10253600A 1998-09-08 1998-09-08 水産練り製品の製造法 Pending JP2000083627A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012060348A1 (ja) * 2010-11-02 2012-05-10 日本水産株式会社 内部加熱による連続加熱方法を用いるタンパク質含有食品の製造方法
JP2013039121A (ja) * 2010-11-02 2013-02-28 Nippon Suisan Kaisha Ltd 内部加熱による連続加熱方法を用いるタンパク質含有食品の製造方法
JP2020031623A (ja) * 2018-08-22 2020-03-05 株式会社紀文食品 竹輪及びその製造方法

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