JP2000083334A - 永久磁石形回転子、その製造方法、及び永久磁石形回転子の磁石固定装置 - Google Patents
永久磁石形回転子、その製造方法、及び永久磁石形回転子の磁石固定装置Info
- Publication number
- JP2000083334A JP2000083334A JP10251038A JP25103898A JP2000083334A JP 2000083334 A JP2000083334 A JP 2000083334A JP 10251038 A JP10251038 A JP 10251038A JP 25103898 A JP25103898 A JP 25103898A JP 2000083334 A JP2000083334 A JP 2000083334A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- permanent magnet
- insertion hole
- rotor
- magnet
- rotor core
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 永久磁石を比較的容易に、しかも確実に固定
することができ、また、磁気回路特性などを極力悪化さ
せることもないようにする。 【解決手段】 回転子鉄心18の磁石挿入孔17に永久
磁石20を挿入して構成される永久磁石形回転子13に
おいて、永久磁石20と回転子鉄心18との境界部22
に、パルス出力で発振されたレーザを照射することによ
り溶融固着部25を設け、この溶融固着部25により永
久磁石20を磁石挿入孔17内に固定する構成とした。
することができ、また、磁気回路特性などを極力悪化さ
せることもないようにする。 【解決手段】 回転子鉄心18の磁石挿入孔17に永久
磁石20を挿入して構成される永久磁石形回転子13に
おいて、永久磁石20と回転子鉄心18との境界部22
に、パルス出力で発振されたレーザを照射することによ
り溶融固着部25を設け、この溶融固着部25により永
久磁石20を磁石挿入孔17内に固定する構成とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転子鉄心の磁石
挿入孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転
子、その製造方法、及び永久磁石形回転子の磁石固定装
置に関する。
挿入孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転
子、その製造方法、及び永久磁石形回転子の磁石固定装
置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】図25には、永久磁石
形の回転子1を備えたモータ2の断面図が示されてい
る。この回転子1は、中央部にシャフト挿入孔3aを有
すると共に外周部に4個の磁石挿入孔3bを有した回転
子鉄心3と、シャフト挿入孔3aに圧入されたシャフト
4と、各磁石挿入孔3bに挿入配置された4個の永久磁
石5とから構成されていて、固定子6の中央部に回転自
在に配設されている。
形の回転子1を備えたモータ2の断面図が示されてい
る。この回転子1は、中央部にシャフト挿入孔3aを有
すると共に外周部に4個の磁石挿入孔3bを有した回転
子鉄心3と、シャフト挿入孔3aに圧入されたシャフト
4と、各磁石挿入孔3bに挿入配置された4個の永久磁
石5とから構成されていて、固定子6の中央部に回転自
在に配設されている。
【0003】この種の回転子1は、永久磁石が回転子鉄
心の表面に装着される構成のものとは違い、回転時の遠
心力による永久磁石5の飛散がなく、高速回転或いは大
きな外径の回転子に向いている。従って、永久磁石5と
しては、輸送時や据え付け時或いは運転時の振動のよう
な、磁石挿入孔3bからの抜け落ちが考えられるのみで
あるため、その永久磁石5に必要な固定力は小さくて済
む。
心の表面に装着される構成のものとは違い、回転時の遠
心力による永久磁石5の飛散がなく、高速回転或いは大
きな外径の回転子に向いている。従って、永久磁石5と
しては、輸送時や据え付け時或いは運転時の振動のよう
な、磁石挿入孔3bからの抜け落ちが考えられるのみで
あるため、その永久磁石5に必要な固定力は小さくて済
む。
【0004】永久磁石5を固定する手段としては、一般
には次のような方法が採用されている。回転子鉄心3の
軸方向の両端部に磁石挿入孔3bを塞ぐように端板を設
けて蓋をする方法、磁石挿入孔3bの開口部部分に突出
するように、突起を回転子鉄心3に一体に設け(この場
合の突起は、回転子鉄心3を構成する鋼板をプレスで打
ち抜く際に同時に形成する)、永久磁石5を磁石挿入孔
3bに挿入する際に、その突起をつぶしながら押し込ん
で固定する、いわゆるかしめによる固定方法、或いは、
永久磁石5の表面に接着剤を塗布し、その接着剤の接着
力を利用して固定する方法などがある。
には次のような方法が採用されている。回転子鉄心3の
軸方向の両端部に磁石挿入孔3bを塞ぐように端板を設
けて蓋をする方法、磁石挿入孔3bの開口部部分に突出
するように、突起を回転子鉄心3に一体に設け(この場
合の突起は、回転子鉄心3を構成する鋼板をプレスで打
ち抜く際に同時に形成する)、永久磁石5を磁石挿入孔
3bに挿入する際に、その突起をつぶしながら押し込ん
で固定する、いわゆるかしめによる固定方法、或いは、
永久磁石5の表面に接着剤を塗布し、その接着剤の接着
力を利用して固定する方法などがある。
【0005】しかしながら、上記した方法のうち、端板
で蓋をする方法は、永久磁石5が回転子鉄心3よりも長
い場合、或いは、回転子鉄心3が多数枚の鋼板を積層し
て構成されるものでは、積層厚さを永久磁石5の長さに
合わせても、その積層厚さがシャフト4の圧入などで縮
小変形するなどして、実質的に永久磁石5が回転子鉄心
3から飛び出すような場合には、採用は容易ではない。
で蓋をする方法は、永久磁石5が回転子鉄心3よりも長
い場合、或いは、回転子鉄心3が多数枚の鋼板を積層し
て構成されるものでは、積層厚さを永久磁石5の長さに
合わせても、その積層厚さがシャフト4の圧入などで縮
小変形するなどして、実質的に永久磁石5が回転子鉄心
3から飛び出すような場合には、採用は容易ではない。
【0006】かしめによる方法は、コストなどで非常に
有利であるが、永久磁石5が磁石挿入孔3bに挿入され
る際に、突起が完全につぶされることはなく(完全につ
ぶされたら、固定にならない)、その残った突起の長さ
分だけ、磁石挿入孔3bの内面と永久磁石5の表面とが
離れ、それらの間に隙間が生じる。この隙間は、磁気回
路の特性(パーミアンス)を悪化させるため、永久磁石
5の発生磁束密度を低下させてトルクが減退してしま
う。また、永久磁石5(膨張係数例:7.6×10−6
/℃)と回転子鉄心3を構成する電磁鋼板(膨張係数
例:12×10−6/℃)の熱膨張係数が異なるため、
温度履歴により、かしめ背圧が緩和されてしまい、永久
磁石5が抜け落ちるという心配がある。さらには、かし
めにより回転子鉄心3の変形が大きくなる場合もある。
有利であるが、永久磁石5が磁石挿入孔3bに挿入され
る際に、突起が完全につぶされることはなく(完全につ
ぶされたら、固定にならない)、その残った突起の長さ
分だけ、磁石挿入孔3bの内面と永久磁石5の表面とが
離れ、それらの間に隙間が生じる。この隙間は、磁気回
路の特性(パーミアンス)を悪化させるため、永久磁石
5の発生磁束密度を低下させてトルクが減退してしま
う。また、永久磁石5(膨張係数例:7.6×10−6
/℃)と回転子鉄心3を構成する電磁鋼板(膨張係数
例:12×10−6/℃)の熱膨張係数が異なるため、
温度履歴により、かしめ背圧が緩和されてしまい、永久
磁石5が抜け落ちるという心配がある。さらには、かし
めにより回転子鉄心3の変形が大きくなる場合もある。
【0007】接着剤による方法は、安定、強固な固定が
可能であるが、接着剤層は、前述のかしめの場合の隙間
(磁石挿入孔3bの内面と永久磁石5との間の)と同様
に磁気回路の特性(パーミアンス)を悪化させるため、
永久磁石5の発生磁束密度を低下させてトルクが減退し
てしまう。また、接着剤の使用量の加減が難しく、多量
に使用すると、磁石挿入孔3bからの垂れ落ち、積層鋼
板間への侵入をはじめ、所定以外の場所に付くなど、管
理がしにくい上、回転子1のアンバランスの原因ともな
り、騒音、振動の増加を招くおそれがある。
可能であるが、接着剤層は、前述のかしめの場合の隙間
(磁石挿入孔3bの内面と永久磁石5との間の)と同様
に磁気回路の特性(パーミアンス)を悪化させるため、
永久磁石5の発生磁束密度を低下させてトルクが減退し
てしまう。また、接着剤の使用量の加減が難しく、多量
に使用すると、磁石挿入孔3bからの垂れ落ち、積層鋼
板間への侵入をはじめ、所定以外の場所に付くなど、管
理がしにくい上、回転子1のアンバランスの原因ともな
り、騒音、振動の増加を招くおそれがある。
【0008】一方、溶接により永久磁石5を固定する方
法も考えられるが、溶接による方法は、永久磁石5が焼
結磁石で、いわゆる金属間化合物やセラミックであるた
め、回転子鉄心3を構成する電磁鋼板との融着が困難で
あり、過度に熱量を加えると、電磁鋼板の溶け落ちや変
形が甚だしく、熱衝撃により永久磁石5が破損してしま
うこともある。これは、CO2レーザなど、連続光レー
ザでの溶接においても同じである。
法も考えられるが、溶接による方法は、永久磁石5が焼
結磁石で、いわゆる金属間化合物やセラミックであるた
め、回転子鉄心3を構成する電磁鋼板との融着が困難で
あり、過度に熱量を加えると、電磁鋼板の溶け落ちや変
形が甚だしく、熱衝撃により永久磁石5が破損してしま
うこともある。これは、CO2レーザなど、連続光レー
ザでの溶接においても同じである。
【0009】本発明は上記した事情に鑑みてなされたも
のであり、その第1の目的は、永久磁石を比較的容易
に、しかも確実に固定することができ、また、磁気回路
特性などを極力悪化させることもない永久磁石形回転
子、及びその製造方法を提供することにあり、加えて、
第2の目的は、構成が比較的簡単で、しかも永久磁石を
比較的短時間で固定することができる永久磁石形回転子
の磁石固定装置を提供するにある。
のであり、その第1の目的は、永久磁石を比較的容易
に、しかも確実に固定することができ、また、磁気回路
特性などを極力悪化させることもない永久磁石形回転
子、及びその製造方法を提供することにあり、加えて、
第2の目的は、構成が比較的簡単で、しかも永久磁石を
比較的短時間で固定することができる永久磁石形回転子
の磁石固定装置を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した第1の目的を達
成するために、請求項1の発明は、回転子鉄心の磁石挿
入孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転子
において、前記永久磁石と前記回転子鉄心との境界部或
いはその近傍に、パルス出力で発振されたレーザを照射
することにより溶融固着部を設け、この溶融固着部によ
り前記永久磁石を前記磁石挿入孔内に固定する構成とし
たことを特徴とするものである。
成するために、請求項1の発明は、回転子鉄心の磁石挿
入孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転子
において、前記永久磁石と前記回転子鉄心との境界部或
いはその近傍に、パルス出力で発振されたレーザを照射
することにより溶融固着部を設け、この溶融固着部によ
り前記永久磁石を前記磁石挿入孔内に固定する構成とし
たことを特徴とするものである。
【0011】上記した手段においては、永久磁石と回転
子鉄心との境界部或いはその近傍にレーザを照射する
と、そのレーザが照射された部分が溶融し、その溶融し
た溶融固着部が永久磁石と回転子鉄心とにまたがるよう
に設けられ、この溶融固着部により永久磁石を磁石挿入
孔内に固定できるようになる。
子鉄心との境界部或いはその近傍にレーザを照射する
と、そのレーザが照射された部分が溶融し、その溶融し
た溶融固着部が永久磁石と回転子鉄心とにまたがるよう
に設けられ、この溶融固着部により永久磁石を磁石挿入
孔内に固定できるようになる。
【0012】この場合、パルス出力で発振されたレーザ
は、連続照射されるレーザの場合とは違い、少ないエネ
ルギーを照射スポットに瞬時に集中して照射できるた
め、回転子鉄心や永久磁石に照射しても、それらが過度
に加熱されないようにでき、従って熱変形も起こりにく
い。
は、連続照射されるレーザの場合とは違い、少ないエネ
ルギーを照射スポットに瞬時に集中して照射できるた
め、回転子鉄心や永久磁石に照射しても、それらが過度
に加熱されないようにでき、従って熱変形も起こりにく
い。
【0013】請求項3の発明は、回転子鉄心の磁石挿入
孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転子に
おいて、前記永久磁石を前記磁石挿入孔に挿入した状態
で、前記回転子鉄心が当該永久磁石の軸方向端面よりも
外方へ突出するように構成し、前記回転子鉄心の突出部
分を溶融手段により溶融させることにより前記磁石挿入
孔の開口縁部に当該磁石挿入孔を狭めるように溶融固着
部を設け、この溶融固着部により前記永久磁石を前記磁
石挿入孔内に固定する構成としたことを特徴とする。
孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転子に
おいて、前記永久磁石を前記磁石挿入孔に挿入した状態
で、前記回転子鉄心が当該永久磁石の軸方向端面よりも
外方へ突出するように構成し、前記回転子鉄心の突出部
分を溶融手段により溶融させることにより前記磁石挿入
孔の開口縁部に当該磁石挿入孔を狭めるように溶融固着
部を設け、この溶融固着部により前記永久磁石を前記磁
石挿入孔内に固定する構成としたことを特徴とする。
【0014】上記した手段においては、回転子鉄心が永
久磁石の軸方向端面よりも外方へ突出するように構成さ
れたものを対象としていて、その回転子鉄心の突出部分
を溶融手段により溶融させることにより、磁石挿入孔の
開口縁部に当該磁石挿入孔を狭めるように溶融固着部を
設け、この溶融固着部により永久磁石を磁石挿入孔内に
固定できるようになる。
久磁石の軸方向端面よりも外方へ突出するように構成さ
れたものを対象としていて、その回転子鉄心の突出部分
を溶融手段により溶融させることにより、磁石挿入孔の
開口縁部に当該磁石挿入孔を狭めるように溶融固着部を
設け、この溶融固着部により永久磁石を磁石挿入孔内に
固定できるようになる。
【0015】請求項6の発明は、請求項3の場合と同様
に、回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石を挿入した状態
で、回転子鉄心が前記永久磁石の軸方向端面よりも外方
へ突出するように構成した永久磁石形回転子を製造する
場合において、前記磁石挿入孔の開口部近傍に金属材料
からなるワイヤを配置すると共に、そのワイヤ部分にレ
ーザを照射して溶融させることにより前記磁石挿入孔内
にこれを狭める溶融固着部を設け、この溶融固着部によ
り前記永久磁石を磁石挿入孔内に固定するようにしたこ
とを特徴とするものである。
に、回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石を挿入した状態
で、回転子鉄心が前記永久磁石の軸方向端面よりも外方
へ突出するように構成した永久磁石形回転子を製造する
場合において、前記磁石挿入孔の開口部近傍に金属材料
からなるワイヤを配置すると共に、そのワイヤ部分にレ
ーザを照射して溶融させることにより前記磁石挿入孔内
にこれを狭める溶融固着部を設け、この溶融固着部によ
り前記永久磁石を磁石挿入孔内に固定するようにしたこ
とを特徴とするものである。
【0016】請求項7の発明は、請求項6の場合と同様
に、回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石を挿入した状態
で、回転子鉄心が前記永久磁石の軸方向端面よりも外方
へ突出するように構成した永久磁石形回転子を製造する
場合において、前記磁石挿入孔内に金属材料からなる粒
状部材を配置すると共に、その粒状部材部分にレーザを
照射して溶融させることにより前記磁石挿入孔内にこれ
を狭める溶融固着部を設け、この溶融固着部により前記
永久磁石を磁石挿入孔内に固定するようにしたことを特
徴とするものである。
に、回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石を挿入した状態
で、回転子鉄心が前記永久磁石の軸方向端面よりも外方
へ突出するように構成した永久磁石形回転子を製造する
場合において、前記磁石挿入孔内に金属材料からなる粒
状部材を配置すると共に、その粒状部材部分にレーザを
照射して溶融させることにより前記磁石挿入孔内にこれ
を狭める溶融固着部を設け、この溶融固着部により前記
永久磁石を磁石挿入孔内に固定するようにしたことを特
徴とするものである。
【0017】請求項14の発明は、回転子鉄心の磁石挿
入孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転子
において、前記回転子鉄心における磁石挿入孔の内面
に、パルス出力で発振されたレーザを照射して溶融変形
させることにより溶融突部を設け、前記永久磁石を、前
記溶融突部をつぶしながら前記磁石挿入孔に押し込むこ
とにより磁石挿入孔内に固定する構成としたことを特徴
とするものである。
入孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転子
において、前記回転子鉄心における磁石挿入孔の内面
に、パルス出力で発振されたレーザを照射して溶融変形
させることにより溶融突部を設け、前記永久磁石を、前
記溶融突部をつぶしながら前記磁石挿入孔に押し込むこ
とにより磁石挿入孔内に固定する構成としたことを特徴
とするものである。
【0018】請求項15の発明は、回転子鉄心の磁石挿
入孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転子
において、前記回転子鉄心は多数枚の鋼板を積層して構
成すると共に、それら各鋼板の磁石挿入孔の内面に、パ
ルス出力で発振されたパルスレーザを照射して溶融変形
させることにより溶融突部を設け、前記永久磁石を、前
記溶融突部をつぶしながら前記磁石挿入孔に押し込むこ
とにより磁石挿入孔内に固定する構成としたことを特徴
とするものである。
入孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転子
において、前記回転子鉄心は多数枚の鋼板を積層して構
成すると共に、それら各鋼板の磁石挿入孔の内面に、パ
ルス出力で発振されたパルスレーザを照射して溶融変形
させることにより溶融突部を設け、前記永久磁石を、前
記溶融突部をつぶしながら前記磁石挿入孔に押し込むこ
とにより磁石挿入孔内に固定する構成としたことを特徴
とするものである。
【0019】請求項16の発明は、回転子鉄心の磁石挿
入孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転子
において、前記永久磁石の表面に、パルス出力で発振さ
れたレーザを照射することにより凹凸部を設け、この永
久磁石を、前記凹凸部の凸部をつぶしながら前記磁石挿
入孔に押し込むことにより磁石挿入孔内に固定する構成
としたことを特徴とするものである。
入孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転子
において、前記永久磁石の表面に、パルス出力で発振さ
れたレーザを照射することにより凹凸部を設け、この永
久磁石を、前記凹凸部の凸部をつぶしながら前記磁石挿
入孔に押し込むことにより磁石挿入孔内に固定する構成
としたことを特徴とするものである。
【0020】請求項18の発明は、回転子鉄心の磁石挿
入孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転子
において、前記回転子鉄心の軸方向端部に端板を設ける
と共に、その端板の前記永久磁石と対応する部分に、パ
ルス出力で発振されたレーザを照射することにより溶融
固着部を設け、この溶融固着部により前記永久磁石を前
記磁石挿入孔内に固定する構成としたことを特徴とする
ものである。
入孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転子
において、前記回転子鉄心の軸方向端部に端板を設ける
と共に、その端板の前記永久磁石と対応する部分に、パ
ルス出力で発振されたレーザを照射することにより溶融
固着部を設け、この溶融固着部により前記永久磁石を前
記磁石挿入孔内に固定する構成としたことを特徴とする
ものである。
【0021】請求項19の発明は、回転子鉄心の磁石挿
入孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転子
において、前記永久磁石に係合穴を設けると共に、前記
回転子鉄心の軸方向端部に、係合凸部を有する端板を設
け、前記係合凸部を前記係合穴に係合させることにより
前記永久磁石を前記磁石挿入孔内に固定する構成とした
ことを特徴とするものである。
入孔に永久磁石を挿入して構成される永久磁石形回転子
において、前記永久磁石に係合穴を設けると共に、前記
回転子鉄心の軸方向端部に、係合凸部を有する端板を設
け、前記係合凸部を前記係合穴に係合させることにより
前記永久磁石を前記磁石挿入孔内に固定する構成とした
ことを特徴とするものである。
【0022】請求項21の発明は、上記した第2の目的
を達成するために、回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石
を挿入して構成される永久磁石形回転子を製造する際
に、前記永久磁石を前記磁石挿入孔内に固定するための
ものであって、前記回転子鉄心の軸方向端面に対して対
向配置されるパルス出力の発振が可能なレーザヘッドを
備えると共に、このレーザヘッドに対して、前記回転子
を当該回転子の回転中心を中心として回転可能な構成と
し、前記レーザヘッドを前記回転子に対して所定のレー
ザ照射位置上に固定した状態で、このレーザヘッドに対
して回転子を順次回転させ、所定の位置でレーザヘッド
から回転子に対してレーザを照射することにより、前記
回転子に、前記永久磁石を前記磁石挿入孔内に固定する
ための溶融固着部を設ける構成としたことを特徴とする
ものである。
を達成するために、回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石
を挿入して構成される永久磁石形回転子を製造する際
に、前記永久磁石を前記磁石挿入孔内に固定するための
ものであって、前記回転子鉄心の軸方向端面に対して対
向配置されるパルス出力の発振が可能なレーザヘッドを
備えると共に、このレーザヘッドに対して、前記回転子
を当該回転子の回転中心を中心として回転可能な構成と
し、前記レーザヘッドを前記回転子に対して所定のレー
ザ照射位置上に固定した状態で、このレーザヘッドに対
して回転子を順次回転させ、所定の位置でレーザヘッド
から回転子に対してレーザを照射することにより、前記
回転子に、前記永久磁石を前記磁石挿入孔内に固定する
ための溶融固着部を設ける構成としたことを特徴とする
ものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例につい
て、図1ないし図3を参照して説明する。まず、図3に
は、モータ11の断面図が示されている。このモータ1
1は、固定子12と、永久磁石形の回転子13とから構
成されている。このうち、固定子12は、多数個のティ
ース14aを有する固定子鉄心14と、ティース14a
に巻装された固定子巻線15とから構成されている。
て、図1ないし図3を参照して説明する。まず、図3に
は、モータ11の断面図が示されている。このモータ1
1は、固定子12と、永久磁石形の回転子13とから構
成されている。このうち、固定子12は、多数個のティ
ース14aを有する固定子鉄心14と、ティース14a
に巻装された固定子巻線15とから構成されている。
【0024】回転子13は、図1及び図2にも示すよう
に、中央部に円形のシャフト挿入孔16を有すると共に
外周部に4個の磁石挿入孔17を有した回転子鉄心18
と、シャフト挿入孔16に圧入されたシャフト19と、
各磁石挿入孔17に挿入配置された4個の板状の永久磁
石20とから構成されていて、固定子12の中央部に回
転自在に配設されている。回転子鉄心18は、電磁鋼板
21(図2参照)を多数枚積層して構成されている。こ
の場合、永久磁石20を回転子鉄心18の磁石挿入孔1
7に挿入した状態で、永久磁石20の軸方向端面と回転
子鉄心18の軸方向端面とがほぼ面一となっている。ま
た、4個の永久磁石20は、軸方向から見て矩形状とな
るように配置されている。
に、中央部に円形のシャフト挿入孔16を有すると共に
外周部に4個の磁石挿入孔17を有した回転子鉄心18
と、シャフト挿入孔16に圧入されたシャフト19と、
各磁石挿入孔17に挿入配置された4個の板状の永久磁
石20とから構成されていて、固定子12の中央部に回
転自在に配設されている。回転子鉄心18は、電磁鋼板
21(図2参照)を多数枚積層して構成されている。こ
の場合、永久磁石20を回転子鉄心18の磁石挿入孔1
7に挿入した状態で、永久磁石20の軸方向端面と回転
子鉄心18の軸方向端面とがほぼ面一となっている。ま
た、4個の永久磁石20は、軸方向から見て矩形状とな
るように配置されている。
【0025】ここで、上記回転子13において、各永久
磁石20は回転子鉄心18に次のようにして固定してい
る。すなわち、回転子鉄心18の軸方向の端面側におい
て、永久磁石20と回転子鉄心18との境界部22に、
YAG或いはTEAレーザなどのパルス出力の発振が可
能なレーザ発振器のレーザヘッド23からパルス出力の
レーザ24を照射することにより溶融固着部25を設
け、この溶融固着部25により永久磁石20を磁石挿入
孔17内に固定している。この場合、溶融固着部25
は、各永久磁石20の軸方向の片側について、内周部側
の中央部の1箇所と、外周部側の2箇所との計3箇所に
設けている。
磁石20は回転子鉄心18に次のようにして固定してい
る。すなわち、回転子鉄心18の軸方向の端面側におい
て、永久磁石20と回転子鉄心18との境界部22に、
YAG或いはTEAレーザなどのパルス出力の発振が可
能なレーザ発振器のレーザヘッド23からパルス出力の
レーザ24を照射することにより溶融固着部25を設
け、この溶融固着部25により永久磁石20を磁石挿入
孔17内に固定している。この場合、溶融固着部25
は、各永久磁石20の軸方向の片側について、内周部側
の中央部の1箇所と、外周部側の2箇所との計3箇所に
設けている。
【0026】ここで、上記したようなパルス出力のレー
ザ24は、連続照射されるレーザの場合とは違い、少な
いエネルギーを照射スポットに瞬時に集中して照射でき
るため、回転子鉄心18や永久磁石20に照射しても、
それらが過度に加熱されないようにでき、従って熱変形
も起こりにくい。また、一般に、永久磁石20はセラミ
ックに似た構成であるため、レーザが永久磁石20に照
射されると、その照射された部分は溶融するが、その溶
融物は比較的簡単に剥離し、飛散或いは消失するような
反応を示し、その照射部分には穴があき、空洞が形成さ
れるようになる。これに対し、回転子鉄心18を構成す
る電磁鋼板21にレーザが照射されると、その照射され
た部分は溶融し、母材(電磁鋼板21)と強固に接合さ
れることが知られている。
ザ24は、連続照射されるレーザの場合とは違い、少な
いエネルギーを照射スポットに瞬時に集中して照射でき
るため、回転子鉄心18や永久磁石20に照射しても、
それらが過度に加熱されないようにでき、従って熱変形
も起こりにくい。また、一般に、永久磁石20はセラミ
ックに似た構成であるため、レーザが永久磁石20に照
射されると、その照射された部分は溶融するが、その溶
融物は比較的簡単に剥離し、飛散或いは消失するような
反応を示し、その照射部分には穴があき、空洞が形成さ
れるようになる。これに対し、回転子鉄心18を構成す
る電磁鋼板21にレーザが照射されると、その照射され
た部分は溶融し、母材(電磁鋼板21)と強固に接合さ
れることが知られている。
【0027】上記したようにレーザ24を永久磁石20
と回転子鉄心18との境界部22に照射すると、レーザ
24は、それら永久磁石20と回転子鉄心18にまたが
ってそれぞれを溶融するが、それによって形成される溶
融固着部25は、基本的には回転子鉄心18と強固に融
着し、永久磁石20との融着力は小さい。このため、大
きな熱履歴或いは振動などの外的要因により、溶融固着
部25と永久磁石20との融着部分が剥離することが考
えられる。しかしながら、本実施例においては、溶融固
着部25と回転子鉄心18とは強固な融着を維持してい
るため、溶融固着部25が脱落するようなことはない。
また、レーザ24によって形成された溶融固着部25
は、先細状の円錐状であり、あたかも回転子鉄心18と
永久磁石20との間に楔を打ち込んだような効果が得ら
れ、永久磁石20を強固に固定することが可能になる。
このため、たとえ永久磁石20と溶融固着部25との間
に剥離が生じても、その溶融固着部25により永久磁石
20を磁石挿入孔17内に固定する役割を十分に果たす
ことができるようになる。
と回転子鉄心18との境界部22に照射すると、レーザ
24は、それら永久磁石20と回転子鉄心18にまたが
ってそれぞれを溶融するが、それによって形成される溶
融固着部25は、基本的には回転子鉄心18と強固に融
着し、永久磁石20との融着力は小さい。このため、大
きな熱履歴或いは振動などの外的要因により、溶融固着
部25と永久磁石20との融着部分が剥離することが考
えられる。しかしながら、本実施例においては、溶融固
着部25と回転子鉄心18とは強固な融着を維持してい
るため、溶融固着部25が脱落するようなことはない。
また、レーザ24によって形成された溶融固着部25
は、先細状の円錐状であり、あたかも回転子鉄心18と
永久磁石20との間に楔を打ち込んだような効果が得ら
れ、永久磁石20を強固に固定することが可能になる。
このため、たとえ永久磁石20と溶融固着部25との間
に剥離が生じても、その溶融固着部25により永久磁石
20を磁石挿入孔17内に固定する役割を十分に果たす
ことができるようになる。
【0028】従って、このような第1実施例によれば、
永久磁石20と回転子鉄心18との境界部22にパルス
出力されたレーザ24を照射することにより溶融固着部
25を設け、この溶融固着部25により永久磁石20を
磁石挿入孔17内に固定する構成としたので、永久磁石
20を比較的容易に、しかも確実に固定することができ
る。この場合、永久磁石20が固定子鉄心18に対して
軸方向に突出していたとしても、その永久磁石20を固
定することができる。また、永久磁石20と磁石挿入孔
17の内面との間に隙間は形成されないから、磁気回路
特性を悪化させるようなこともない。
永久磁石20と回転子鉄心18との境界部22にパルス
出力されたレーザ24を照射することにより溶融固着部
25を設け、この溶融固着部25により永久磁石20を
磁石挿入孔17内に固定する構成としたので、永久磁石
20を比較的容易に、しかも確実に固定することができ
る。この場合、永久磁石20が固定子鉄心18に対して
軸方向に突出していたとしても、その永久磁石20を固
定することができる。また、永久磁石20と磁石挿入孔
17の内面との間に隙間は形成されないから、磁気回路
特性を悪化させるようなこともない。
【0029】図4及び図5は本発明の第2実施例を示し
たものであり、この第2実施例は次の点に特徴を有して
いる。すなわち、回転子鉄心18の軸方向の端面側にお
いて、永久磁石20と回転子鉄心18との境界部22か
ら回転子鉄心18側に若干ずれた位置に、永久磁石20
に向けて斜めとなるようにパルス出力されたレーザ24
を照射することにより溶融固着部26を設けている。溶
融固着部26の先端部は、回転子鉄心18の内部におい
て、永久磁石20まで達していて、永久磁石20に食い
込むような状態となっている。この場合、永久磁石20
は、回転子鉄心18から軸方向に突出している。また、
溶融固着部26は、各永久磁石20の軸方向の片側につ
いて、内周部側の2箇所と、外周部側の1箇所との計3
箇所に設けている。
たものであり、この第2実施例は次の点に特徴を有して
いる。すなわち、回転子鉄心18の軸方向の端面側にお
いて、永久磁石20と回転子鉄心18との境界部22か
ら回転子鉄心18側に若干ずれた位置に、永久磁石20
に向けて斜めとなるようにパルス出力されたレーザ24
を照射することにより溶融固着部26を設けている。溶
融固着部26の先端部は、回転子鉄心18の内部におい
て、永久磁石20まで達していて、永久磁石20に食い
込むような状態となっている。この場合、永久磁石20
は、回転子鉄心18から軸方向に突出している。また、
溶融固着部26は、各永久磁石20の軸方向の片側につ
いて、内周部側の2箇所と、外周部側の1箇所との計3
箇所に設けている。
【0030】このような第2実施例においても、溶融固
着部26により、回転子鉄心18と永久磁石20との間
に楔を打ち込んだような効果が得られ、永久磁石20を
強固に固定することが可能になる。
着部26により、回転子鉄心18と永久磁石20との間
に楔を打ち込んだような効果が得られ、永久磁石20を
強固に固定することが可能になる。
【0031】また、溶融固着部26は回転子鉄心18の
内部に閉じ込められた状態となっているので、たとえ、
過大なせん断荷重或いは熱応力により溶融固着部26と
永久磁石20との間の境界面だけでなく、溶融固着部2
6と回転子鉄心18との境界面においても溶融固着部2
6の剥離が生じたとしても、溶融固着部26は楔とな
り、永久磁石20の強固な固定が維持される。さらに、
溶融固着部26は回転子鉄心18の表面ではなく、回転
子鉄心18の内部に存在するため、厳しい腐食環境にさ
らされても、腐食の侵食を防止できる。従って、高耐候
性の回転子を提供することができる。なお、一般に、永
久磁石の溶接部は腐食しやすく、腐食環境下では腐食し
やすいことが知られている。
内部に閉じ込められた状態となっているので、たとえ、
過大なせん断荷重或いは熱応力により溶融固着部26と
永久磁石20との間の境界面だけでなく、溶融固着部2
6と回転子鉄心18との境界面においても溶融固着部2
6の剥離が生じたとしても、溶融固着部26は楔とな
り、永久磁石20の強固な固定が維持される。さらに、
溶融固着部26は回転子鉄心18の表面ではなく、回転
子鉄心18の内部に存在するため、厳しい腐食環境にさ
らされても、腐食の侵食を防止できる。従って、高耐候
性の回転子を提供することができる。なお、一般に、永
久磁石の溶接部は腐食しやすく、腐食環境下では腐食し
やすいことが知られている。
【0032】なお、上記した第2実施例においては、永
久磁石20が回転子鉄心18から軸方向に突出している
場合を例示したが、永久磁石20の軸方向端面が回転子
鉄心18の軸方向端面と面一の場合であっても、或いは
回転子鉄心18の軸方向端面よりもやや低い場合であっ
ても良い。
久磁石20が回転子鉄心18から軸方向に突出している
場合を例示したが、永久磁石20の軸方向端面が回転子
鉄心18の軸方向端面と面一の場合であっても、或いは
回転子鉄心18の軸方向端面よりもやや低い場合であっ
ても良い。
【0033】図6は本発明の第3実施例を示したもので
あり、この第3実施例は次の点に特徴を有している。す
なわち、永久磁石20を回転子鉄心18の磁石挿入孔1
7に挿入した状態で、回転子鉄心18が永久磁石20の
軸方向端面よりも外方へ突出するように構成されてい
る。そして、回転子鉄心18の突出部分に、溶融手段、
この場合、第1実施例と同様なレーザ24を照射して溶
融させることにより、磁石挿入孔17の開口縁部に当該
磁石挿入孔17を狭めるように溶融固着部27を設け、
この溶融固着部27により永久磁石20を磁石挿入孔1
7内に固定する構成としている。
あり、この第3実施例は次の点に特徴を有している。す
なわち、永久磁石20を回転子鉄心18の磁石挿入孔1
7に挿入した状態で、回転子鉄心18が永久磁石20の
軸方向端面よりも外方へ突出するように構成されてい
る。そして、回転子鉄心18の突出部分に、溶融手段、
この場合、第1実施例と同様なレーザ24を照射して溶
融させることにより、磁石挿入孔17の開口縁部に当該
磁石挿入孔17を狭めるように溶融固着部27を設け、
この溶融固着部27により永久磁石20を磁石挿入孔1
7内に固定する構成としている。
【0034】このような構成とした第3実施例において
は、溶融固着部27により磁石挿入孔17が開口部側に
おいて狭められているため、永久磁石20が磁石挿入孔
17から抜け落ちる心配がない。また、永久磁石20に
は直接レーザ24を当てなくても良いため、永久磁石2
0の強度低下が避けられるだけでなく、磁気特性の低下
も防止することができる。
は、溶融固着部27により磁石挿入孔17が開口部側に
おいて狭められているため、永久磁石20が磁石挿入孔
17から抜け落ちる心配がない。また、永久磁石20に
は直接レーザ24を当てなくても良いため、永久磁石2
0の強度低下が避けられるだけでなく、磁気特性の低下
も防止することができる。
【0035】さらにこの場合、回転子鉄心18におい
て、永久磁石20から突出した部分に位置する電磁鋼板
21は、磁石挿入孔17に永久磁石20が存在しないた
め、シャフト挿入孔16へのシャフト19の圧入やその
他の組立て時などにおいてたわみやすく、そのため積層
不良による振動や騒音の増大の原因となるが、永久磁石
20から突出した部分の電磁鋼板21が溶融固着部27
により固着されるため、前記問題は解消される。
て、永久磁石20から突出した部分に位置する電磁鋼板
21は、磁石挿入孔17に永久磁石20が存在しないた
め、シャフト挿入孔16へのシャフト19の圧入やその
他の組立て時などにおいてたわみやすく、そのため積層
不良による振動や騒音の増大の原因となるが、永久磁石
20から突出した部分の電磁鋼板21が溶融固着部27
により固着されるため、前記問題は解消される。
【0036】この第3実施例において、溶融固着部27
を形成するための溶融手段としては、パルス出力される
レーザ24に代えて、連続照射されるレーザ或いは溶接
機でも良い。
を形成するための溶融手段としては、パルス出力される
レーザ24に代えて、連続照射されるレーザ或いは溶接
機でも良い。
【0037】図7は本発明の第4実施例を示したもので
あり、この第4実施例は次の点に特徴を有している。す
なわち、永久磁石20の軸方向端部に、これが先細とな
るように、傾斜面状の逃げ部28を形成し、この永久磁
石20を磁石挿入孔17内に挿入した状態で、その逃げ
部28と磁石挿入孔17の開口縁部との間に隙間29を
形成する構成とする。そして、第1実施例と同様に、永
久磁石20と回転子鉄心18との境界部22にパルス出
力されたレーザ24を照射することにより溶融固着部3
0を設け、この溶融固着部30により永久磁石20を磁
石挿入孔17内に固定する。
あり、この第4実施例は次の点に特徴を有している。す
なわち、永久磁石20の軸方向端部に、これが先細とな
るように、傾斜面状の逃げ部28を形成し、この永久磁
石20を磁石挿入孔17内に挿入した状態で、その逃げ
部28と磁石挿入孔17の開口縁部との間に隙間29を
形成する構成とする。そして、第1実施例と同様に、永
久磁石20と回転子鉄心18との境界部22にパルス出
力されたレーザ24を照射することにより溶融固着部3
0を設け、この溶融固着部30により永久磁石20を磁
石挿入孔17内に固定する。
【0038】この場合、溶融固着部30は、回転子鉄心
18と永久磁石20との間に架橋される状態で、上記隙
間29を埋めるように設けられる。この溶融固着部30
は、回転子鉄心18と永久磁石20との溶接接合に加
え、永久磁石20に対して楔効果を発揮し、永久磁石2
0の抜けを防止する。
18と永久磁石20との間に架橋される状態で、上記隙
間29を埋めるように設けられる。この溶融固着部30
は、回転子鉄心18と永久磁石20との溶接接合に加
え、永久磁石20に対して楔効果を発揮し、永久磁石2
0の抜けを防止する。
【0039】図8は本発明の第5実施例を示したもので
あり、この第5実施例は上記した第3実施例(図6参
照)とは次の点が異なっている。すなわち、永久磁石2
0を回転子鉄心18の磁石挿入孔17に挿入した状態
で、回転子鉄心18が永久磁石20の軸方向端面よりも
外方へ突出するように構成されたものにおいて、回転子
鉄心18の軸方向端面側において永久磁石20と回転子
鉄心18との境界部22から回転子鉄心18側に若干ず
れた位置に、永久磁石20に向けて斜めとなるようにレ
ーザ24を照射することにより溶融固着部31を設けて
いる。溶融固着部31は回転子鉄心18を斜めに貫通
し、先端部が磁石挿入孔17にはみ出してこの磁石挿入
孔17を狭めていて、この溶融固着部31により永久磁
石20を磁石挿入孔17内に固定している。
あり、この第5実施例は上記した第3実施例(図6参
照)とは次の点が異なっている。すなわち、永久磁石2
0を回転子鉄心18の磁石挿入孔17に挿入した状態
で、回転子鉄心18が永久磁石20の軸方向端面よりも
外方へ突出するように構成されたものにおいて、回転子
鉄心18の軸方向端面側において永久磁石20と回転子
鉄心18との境界部22から回転子鉄心18側に若干ず
れた位置に、永久磁石20に向けて斜めとなるようにレ
ーザ24を照射することにより溶融固着部31を設けて
いる。溶融固着部31は回転子鉄心18を斜めに貫通
し、先端部が磁石挿入孔17にはみ出してこの磁石挿入
孔17を狭めていて、この溶融固着部31により永久磁
石20を磁石挿入孔17内に固定している。
【0040】レーザ24により回転子鉄心18の複数枚
の電磁鋼板21を貫通させた場合、その溶融量は甚だ多
く、従って、磁石挿入孔17内にはみ出る溶融量も多く
なる。このため、溶融固着部31は回転子鉄心18と強
固に接合するため、永久磁石20の固定力も強くなる。
また、この場合も、永久磁石20には直接レーザ24を
当てなくても良いため、その永久磁石20のダメージは
小さくできる。
の電磁鋼板21を貫通させた場合、その溶融量は甚だ多
く、従って、磁石挿入孔17内にはみ出る溶融量も多く
なる。このため、溶融固着部31は回転子鉄心18と強
固に接合するため、永久磁石20の固定力も強くなる。
また、この場合も、永久磁石20には直接レーザ24を
当てなくても良いため、その永久磁石20のダメージは
小さくできる。
【0041】図9は本発明の第6実施例を示したもので
あり、この第6実施例は次の点に特徴を有している。す
なわち、回転子鉄心18が永久磁石20の軸方向端面よ
りも外方へ突出するように構成されたものにおいて、永
久磁石20を固定する場合に、磁石挿入孔17の開口部
近傍に金属材料からなるワイヤ32を配置し、そのワイ
ヤ32部分にレーザ24を照射して溶融させることによ
り磁石挿入孔17内にこれを狭める溶融固着部33を設
け、この溶融固着部33により永久磁石20を磁石挿入
孔17内に固定するようにしている。
あり、この第6実施例は次の点に特徴を有している。す
なわち、回転子鉄心18が永久磁石20の軸方向端面よ
りも外方へ突出するように構成されたものにおいて、永
久磁石20を固定する場合に、磁石挿入孔17の開口部
近傍に金属材料からなるワイヤ32を配置し、そのワイ
ヤ32部分にレーザ24を照射して溶融させることによ
り磁石挿入孔17内にこれを狭める溶融固着部33を設
け、この溶融固着部33により永久磁石20を磁石挿入
孔17内に固定するようにしている。
【0042】このような第6実施例とした場合には、回
転子鉄心18の電磁鋼板21(鉄)のみを溶融させる場
合に比べて、永久磁石20を一層容易に、しかも確実に
固定することが可能になる。また、回転子鉄心18への
ダメージを軽減でき、回転子鉄心18の溶接ひずみによ
る変形も極力防止できるようになる。
転子鉄心18の電磁鋼板21(鉄)のみを溶融させる場
合に比べて、永久磁石20を一層容易に、しかも確実に
固定することが可能になる。また、回転子鉄心18への
ダメージを軽減でき、回転子鉄心18の溶接ひずみによ
る変形も極力防止できるようになる。
【0043】ワイヤ32として、溶融時に表面張力が低
くぬれやすい材料、例えばはんだを用いた場合には、そ
の溶融体は永久磁石20と回転子鉄心18との間の隙間
に浸透すると共に、積層された電磁鋼板21間にも侵入
して固化し、永久磁石20を一層強固に固定できるよう
になる。ワイヤ32は、供給を自動化することで、連続
供給が可能となる。
くぬれやすい材料、例えばはんだを用いた場合には、そ
の溶融体は永久磁石20と回転子鉄心18との間の隙間
に浸透すると共に、積層された電磁鋼板21間にも侵入
して固化し、永久磁石20を一層強固に固定できるよう
になる。ワイヤ32は、供給を自動化することで、連続
供給が可能となる。
【0044】図10は本発明の第7実施例を示したもの
であり、この第7実施例は次の点に特徴を有している。
すなわち、回転子鉄心18が永久磁石20の軸方向端面
よりも外方へ突出するように構成されたものにおいて、
永久磁石20を固定する場合に、上記ワイヤ32に代え
て、金属材料からなる粒状部材34を、永久磁石20が
挿入された磁石挿入孔17内に配置し、その粒状部材3
4部分にレーザ24を照射して溶融させることにより磁
石挿入孔17内にこれを狭める溶融固着部35を設け、
この溶融固着部35により永久磁石20を磁石挿入孔1
7内に固定するようにしている。
であり、この第7実施例は次の点に特徴を有している。
すなわち、回転子鉄心18が永久磁石20の軸方向端面
よりも外方へ突出するように構成されたものにおいて、
永久磁石20を固定する場合に、上記ワイヤ32に代え
て、金属材料からなる粒状部材34を、永久磁石20が
挿入された磁石挿入孔17内に配置し、その粒状部材3
4部分にレーザ24を照射して溶融させることにより磁
石挿入孔17内にこれを狭める溶融固着部35を設け、
この溶融固着部35により永久磁石20を磁石挿入孔1
7内に固定するようにしている。
【0045】この第7実施例においては、ワイヤ32に
代えて粒状部材34を用いるようにしたことで、第6実
施例に比べて、レーザ24の照射位置の不確定さをカバ
ーできる利点がある。粒状部材34は、永久磁石20の
上面上に広く分布させることができ、レーザ24の焦点
精度をあげる必要がなく、さらに、溶融していない部分
の粒状部材34は振動を与えるなどにより容易に除去す
ることができる。なお、粒状部材34は、粒度が小さな
粉状のものでも良い。
代えて粒状部材34を用いるようにしたことで、第6実
施例に比べて、レーザ24の照射位置の不確定さをカバ
ーできる利点がある。粒状部材34は、永久磁石20の
上面上に広く分布させることができ、レーザ24の焦点
精度をあげる必要がなく、さらに、溶融していない部分
の粒状部材34は振動を与えるなどにより容易に除去す
ることができる。なお、粒状部材34は、粒度が小さな
粉状のものでも良い。
【0046】ここで、上記した第6及び第7実施例にお
いて、使用するレーザとしては、パルス出力されるレー
ザ24に代えて、連続照射されるレーザでも良い。
いて、使用するレーザとしては、パルス出力されるレー
ザ24に代えて、連続照射されるレーザでも良い。
【0047】また、第6実施例のワイヤ32及び第7実
施例の粒状部材34の材料としては、磁性材を用いるよ
うにしても良い。このようにした場合には、レーザ24
により溶融した溶融体は、第6実施例でも述べたよう
に、永久磁石20と回転子鉄心18との間、或いは積層
された電磁鋼板21間に侵入し、広がると、永久磁石2
0と回転子鉄心18との間、或いは電磁鋼板21間を磁
気的にも融着することができるようになる。
施例の粒状部材34の材料としては、磁性材を用いるよ
うにしても良い。このようにした場合には、レーザ24
により溶融した溶融体は、第6実施例でも述べたよう
に、永久磁石20と回転子鉄心18との間、或いは積層
された電磁鋼板21間に侵入し、広がると、永久磁石2
0と回転子鉄心18との間、或いは電磁鋼板21間を磁
気的にも融着することができるようになる。
【0048】一般に、永久磁石20を磁石挿入孔17に
挿入する際、それらの間に、挿入できるように公差(言
い換えれば、隙間)が必要となる。この隙間は、永久磁
石20の発生する磁束の流れを妨げ、従ってモータ11
においてメインギャップに発生する磁束密度を低下さ
せ、トルクを減退させてしまう。しかし、この隙間に磁
性体が詰まれば、そのような妨げにはならず、トルクの
減退を防止できる。また、電磁鋼板21間についても同
じであり、電磁鋼板21間の隙間は磁束の流れを妨害す
るため、磁束がメインギャップに届き難くなり、磁束密
度が低下するようになるが、その電磁鋼板21間の隙間
に磁性体が詰まれば、そのような妨げにはならないよう
にできる。
挿入する際、それらの間に、挿入できるように公差(言
い換えれば、隙間)が必要となる。この隙間は、永久磁
石20の発生する磁束の流れを妨げ、従ってモータ11
においてメインギャップに発生する磁束密度を低下さ
せ、トルクを減退させてしまう。しかし、この隙間に磁
性体が詰まれば、そのような妨げにはならず、トルクの
減退を防止できる。また、電磁鋼板21間についても同
じであり、電磁鋼板21間の隙間は磁束の流れを妨害す
るため、磁束がメインギャップに届き難くなり、磁束密
度が低下するようになるが、その電磁鋼板21間の隙間
に磁性体が詰まれば、そのような妨げにはならないよう
にできる。
【0049】図11は本発明の第8実施例を示したもの
であり、この第8実施例は次の点に特徴を有している。
すなわち、永久磁石20の表面に、予め、溶接性向上材
例えば金属からなる溶接性向上層37を設けておき、こ
の永久磁石20を回転子鉄心18の磁石挿入孔17に挿
入した状態で、第1実施例と同様に、回転子鉄心18の
軸方向の端面側において、永久磁石20と回転子鉄心1
8との境界部22に、パルス出力されたレーザ24を照
射することにより溶融固着部38を設け、この溶融固着
部38により永久磁石20を磁石挿入孔17内に固定し
ている。溶接性向上層37は、例えばメッキ、蒸着、或
いはイオンプレーティングにより形成する。
であり、この第8実施例は次の点に特徴を有している。
すなわち、永久磁石20の表面に、予め、溶接性向上材
例えば金属からなる溶接性向上層37を設けておき、こ
の永久磁石20を回転子鉄心18の磁石挿入孔17に挿
入した状態で、第1実施例と同様に、回転子鉄心18の
軸方向の端面側において、永久磁石20と回転子鉄心1
8との境界部22に、パルス出力されたレーザ24を照
射することにより溶融固着部38を設け、この溶融固着
部38により永久磁石20を磁石挿入孔17内に固定し
ている。溶接性向上層37は、例えばメッキ、蒸着、或
いはイオンプレーティングにより形成する。
【0050】このような第8実施例においては、溶接性
向上層37を永久磁石20の表面に予め形成しておくこ
とにより、照射するレーザ24の位置決めが比較的甘く
ても良い。また、溶接性向上層37は永久磁石20に固
着しているため、脱落や絶縁劣化、回転部への侵入など
の心配がなく、溶融した部分以外の部分を掃除する必要
もない。さらに、前述したように、回転子鉄心18の溶
融体と永久磁石20との直接の接合力は弱いが、溶接性
向上層37が永久磁石20にしっかりと固着しているた
め、それをカバーすることができる。
向上層37を永久磁石20の表面に予め形成しておくこ
とにより、照射するレーザ24の位置決めが比較的甘く
ても良い。また、溶接性向上層37は永久磁石20に固
着しているため、脱落や絶縁劣化、回転部への侵入など
の心配がなく、溶融した部分以外の部分を掃除する必要
もない。さらに、前述したように、回転子鉄心18の溶
融体と永久磁石20との直接の接合力は弱いが、溶接性
向上層37が永久磁石20にしっかりと固着しているた
め、それをカバーすることができる。
【0051】また、永久磁石20にレーザ24が照射さ
れると、その照射された部分に穴があき、その穴を起点
としてクラックが発生し、永久磁石20が破損するおそ
れがあるが、本実施例においては、溶接性向上層37が
流動化して穴に流れ込むようになるので、その穴は埋め
られ、クラックの発生が抑えられる。
れると、その照射された部分に穴があき、その穴を起点
としてクラックが発生し、永久磁石20が破損するおそ
れがあるが、本実施例においては、溶接性向上層37が
流動化して穴に流れ込むようになるので、その穴は埋め
られ、クラックの発生が抑えられる。
【0052】ここで、本発明者らは、実験を進めるなか
で、溶接性向上層37の材料として、永久磁石20を固
定するためにはアルミニウムを主体としたものが好まし
いことを突き止めた。アルミニウムは、溶接時に付き物
のドロス(かす)を低減し、強度の向上を図ることがで
き、また、比較的低融点であるため、レーザ24の照射
量が少なくても溶融し、永久磁石20を固定することが
できる。しかし、残念ながら、アルミニウムは非磁性で
あるため、上記した磁性材を用いた場合の効果は得られ
ない。
で、溶接性向上層37の材料として、永久磁石20を固
定するためにはアルミニウムを主体としたものが好まし
いことを突き止めた。アルミニウムは、溶接時に付き物
のドロス(かす)を低減し、強度の向上を図ることがで
き、また、比較的低融点であるため、レーザ24の照射
量が少なくても溶融し、永久磁石20を固定することが
できる。しかし、残念ながら、アルミニウムは非磁性で
あるため、上記した磁性材を用いた場合の効果は得られ
ない。
【0053】そこで、溶接性向上層37の材料として、
磁性材であるニッケルを主体としたものを用いることも
できる。溶接性向上層37としてニッケルを主体とした
ものを用いた場合には、磁性材を用いた場合の効果が得
られ、また、アルミニウムほどではないが、ほどほど溶
接性を向上できることを確認した。
磁性材であるニッケルを主体としたものを用いることも
できる。溶接性向上層37としてニッケルを主体とした
ものを用いた場合には、磁性材を用いた場合の効果が得
られ、また、アルミニウムほどではないが、ほどほど溶
接性を向上できることを確認した。
【0054】図12は本発明の第9実施例を示したもの
であり、この第9実施例は次の点に特徴を有している。
すなわち、永久磁石20が挿入される回転子鉄心18の
磁石挿入孔17の内面に、予め、溶接性向上材例えば金
属からなる溶接性向上層39を設けておき、永久磁石2
0を回転子鉄心18の磁石挿入孔17に挿入した状態
で、第8実施例と同様に、回転子鉄心18の軸方向の端
面側において、永久磁石20と回転子鉄心18との境界
部22に、パルス出力されたレーザ24を照射すること
により溶融固着部40を設け、この溶融固着部40によ
り永久磁石20を磁石挿入孔17内に固定している。
であり、この第9実施例は次の点に特徴を有している。
すなわち、永久磁石20が挿入される回転子鉄心18の
磁石挿入孔17の内面に、予め、溶接性向上材例えば金
属からなる溶接性向上層39を設けておき、永久磁石2
0を回転子鉄心18の磁石挿入孔17に挿入した状態
で、第8実施例と同様に、回転子鉄心18の軸方向の端
面側において、永久磁石20と回転子鉄心18との境界
部22に、パルス出力されたレーザ24を照射すること
により溶融固着部40を設け、この溶融固着部40によ
り永久磁石20を磁石挿入孔17内に固定している。
【0055】この場合、溶接性向上層39は、回転子鉄
心18の電磁鋼板21の積層後に設けても良いし、積層
前に各電磁鋼板21に設けるようにしても良い。また、
溶接性向上層39は、磁石挿入孔17の内面全部でなく
ても、レーザ24が届く範囲の深さ分、設けるようにす
れば良い。さらに、溶接性向上層39に使用する材料と
しては、上記溶接性向上層37と同様に、アルミニウム
を主体としたもの、或いは、ニッケルを主体としたもの
を用いることができる。
心18の電磁鋼板21の積層後に設けても良いし、積層
前に各電磁鋼板21に設けるようにしても良い。また、
溶接性向上層39は、磁石挿入孔17の内面全部でなく
ても、レーザ24が届く範囲の深さ分、設けるようにす
れば良い。さらに、溶接性向上層39に使用する材料と
しては、上記溶接性向上層37と同様に、アルミニウム
を主体としたもの、或いは、ニッケルを主体としたもの
を用いることができる。
【0056】図13は本発明の第10実施例を示したも
のであり、この第10実施例は次の点に特徴を有してい
る。すなわち、回転子鉄心18の磁石挿入孔17の内面
と永久磁石20の表面との間に、溶接性向上材例えば金
属の箔或いはシートからなる溶接性向上層41を設けて
おき、永久磁石20を回転子鉄心18の磁石挿入孔17
に挿入した状態で、第8,第9実施例と同様に、回転子
鉄心18の軸方向の端面側において、永久磁石20と回
転子鉄心18との境界部22に、パルス出力されたレー
ザ24を照射することにより溶融固着部42を設け、こ
の溶融固着部42により永久磁石20を磁石挿入孔17
内に固定している。
のであり、この第10実施例は次の点に特徴を有してい
る。すなわち、回転子鉄心18の磁石挿入孔17の内面
と永久磁石20の表面との間に、溶接性向上材例えば金
属の箔或いはシートからなる溶接性向上層41を設けて
おき、永久磁石20を回転子鉄心18の磁石挿入孔17
に挿入した状態で、第8,第9実施例と同様に、回転子
鉄心18の軸方向の端面側において、永久磁石20と回
転子鉄心18との境界部22に、パルス出力されたレー
ザ24を照射することにより溶融固着部42を設け、こ
の溶融固着部42により永久磁石20を磁石挿入孔17
内に固定している。
【0057】この場合も、溶接性向上層41に使用する
材料としては、上記溶接性向上層37,39と同様に、
アルミニウムを主体としたもの、或いは、ニッケルを主
体としたものを用いることができる。
材料としては、上記溶接性向上層37,39と同様に、
アルミニウムを主体としたもの、或いは、ニッケルを主
体としたものを用いることができる。
【0058】図14は本発明の第11実施例を示したも
のであり、この第11実施例は次の点に特徴を有してい
る。すなわち、永久磁石20が挿入される回転子鉄心1
8の磁石挿入孔17における開口部側の内面に、予め、
パルス出力されたレーザ24を照射して溶融変形させる
ことにより溶融突部44を設けておき、永久磁石20
を、その溶融突部44をつぶしながら磁石挿入孔17に
押し込むことにより磁石挿入孔17内に固定される構成
としている。
のであり、この第11実施例は次の点に特徴を有してい
る。すなわち、永久磁石20が挿入される回転子鉄心1
8の磁石挿入孔17における開口部側の内面に、予め、
パルス出力されたレーザ24を照射して溶融変形させる
ことにより溶融突部44を設けておき、永久磁石20
を、その溶融突部44をつぶしながら磁石挿入孔17に
押し込むことにより磁石挿入孔17内に固定される構成
としている。
【0059】この場合、回転子鉄心18の磁石挿入孔1
7の内面にレーザ24を照射すると、電磁鋼板21の一
部が溶融変形を起こし、磁石挿入孔17に対して突出す
る微小な溶融突部44が形成されると共に、その溶融突
部44の周囲に窪みが形成される。これは、レーザ24
の照射で電磁鋼板21の一部が溶融しても、電磁鋼板2
1の体積はほとんど変わらないからである。このような
溶融突部44が形成された磁石挿入孔17に永久磁石2
0を押し込むと、その溶融突部44はつぶれて変形し、
溶融突部44周囲の窪みに逃げることになる。そのた
め、この溶融突部44が、永久磁石20と磁石挿入孔1
7の内面との間に大きな隙間を形成することがなく、よ
って、永久磁石20の発生する磁束の流れが妨げられ、
メインギャップに発生する磁束密度が低下してトルクが
減退してしまうということを防止できる。
7の内面にレーザ24を照射すると、電磁鋼板21の一
部が溶融変形を起こし、磁石挿入孔17に対して突出す
る微小な溶融突部44が形成されると共に、その溶融突
部44の周囲に窪みが形成される。これは、レーザ24
の照射で電磁鋼板21の一部が溶融しても、電磁鋼板2
1の体積はほとんど変わらないからである。このような
溶融突部44が形成された磁石挿入孔17に永久磁石2
0を押し込むと、その溶融突部44はつぶれて変形し、
溶融突部44周囲の窪みに逃げることになる。そのた
め、この溶融突部44が、永久磁石20と磁石挿入孔1
7の内面との間に大きな隙間を形成することがなく、よ
って、永久磁石20の発生する磁束の流れが妨げられ、
メインギャップに発生する磁束密度が低下してトルクが
減退してしまうということを防止できる。
【0060】また、回転子鉄心18の軸方向端部側の電
磁鋼板21が、レーザ24の照射による溶融変形で互い
に固着されてブロック化しているため、シャフト挿入孔
16へシャフト19を圧入する際の電磁鋼板21の変形
が大幅に抑制され、回転子11にたわみが発生すること
を防止できる。特に、レーザ24を照射する位置(溶融
突部44を設ける位置)を、磁石挿入孔17において、
シャフト挿入孔16に近い側(図14において、右側)
とすると、一層効果的である。
磁鋼板21が、レーザ24の照射による溶融変形で互い
に固着されてブロック化しているため、シャフト挿入孔
16へシャフト19を圧入する際の電磁鋼板21の変形
が大幅に抑制され、回転子11にたわみが発生すること
を防止できる。特に、レーザ24を照射する位置(溶融
突部44を設ける位置)を、磁石挿入孔17において、
シャフト挿入孔16に近い側(図14において、右側)
とすると、一層効果的である。
【0061】図15は本発明の第12実施例を示したも
のであり、この第12実施例は次の点に特徴を有してい
る。すなわち、回転子鉄心18を構成する電磁鋼板21
を積層する際或いはその前に、各電磁鋼板21の磁石挿
入孔17の内面或いはその近傍に、パルス出力されたレ
ーザ24を照射して溶融変形させることにより溶融突部
45を設けておく。そして、各電磁鋼板21を積層して
結束することにより回転子鉄心18を形成し、永久磁石
20を、その溶融突部45をつぶしながら磁石挿入孔1
7に押し込むことにより磁石挿入孔17内に固定される
構成としている。
のであり、この第12実施例は次の点に特徴を有してい
る。すなわち、回転子鉄心18を構成する電磁鋼板21
を積層する際或いはその前に、各電磁鋼板21の磁石挿
入孔17の内面或いはその近傍に、パルス出力されたレ
ーザ24を照射して溶融変形させることにより溶融突部
45を設けておく。そして、各電磁鋼板21を積層して
結束することにより回転子鉄心18を形成し、永久磁石
20を、その溶融突部45をつぶしながら磁石挿入孔1
7に押し込むことにより磁石挿入孔17内に固定される
構成としている。
【0062】前述した第11実施例の場合には、電磁鋼
板21を積層して結束した後に、磁石挿入孔17の内面
にレーザ24を照射するようにしているため、積層され
るすべての電磁鋼板21に対して溶融突部44を形成す
ることはできず、せいぜい回転子鉄心18の端部側の数
枚の電磁鋼板21にしかレーザ24を当てることができ
ない。しかしながら、振動や温度変化が大きな環境で使
用される場合、或いは回転子鉄心18の磁石挿入孔17
の形状によっては、永久磁石20の一層強固な固定が要
求される場合もある。このような場合には、溶融突部4
4を一層深いところまで形成する必要があり、本実施例
は、そのような必要性に対処するために考えられたもの
である。
板21を積層して結束した後に、磁石挿入孔17の内面
にレーザ24を照射するようにしているため、積層され
るすべての電磁鋼板21に対して溶融突部44を形成す
ることはできず、せいぜい回転子鉄心18の端部側の数
枚の電磁鋼板21にしかレーザ24を当てることができ
ない。しかしながら、振動や温度変化が大きな環境で使
用される場合、或いは回転子鉄心18の磁石挿入孔17
の形状によっては、永久磁石20の一層強固な固定が要
求される場合もある。このような場合には、溶融突部4
4を一層深いところまで形成する必要があり、本実施例
は、そのような必要性に対処するために考えられたもの
である。
【0063】すなわち、電磁鋼板のフープからプレスに
て鉄心形状に打ち抜いた後の電磁鋼板21に対し、或い
は、打ち抜いた電磁鋼板21を積層して積層体とする際
に、積層体に電磁鋼板21を載せた後にその電磁鋼板2
1に対してレーザ24を照射して溶融突部45を形成す
ることにより、最大で、積層するすべての電磁鋼板21
に対して溶融突部45を形成することができる。特に後
者の工程を採用した場合には、電磁鋼板21一枚一枚を
結束することと、溶融突部45を形成することの両工程
を同時に行うことが可能となる。
て鉄心形状に打ち抜いた後の電磁鋼板21に対し、或い
は、打ち抜いた電磁鋼板21を積層して積層体とする際
に、積層体に電磁鋼板21を載せた後にその電磁鋼板2
1に対してレーザ24を照射して溶融突部45を形成す
ることにより、最大で、積層するすべての電磁鋼板21
に対して溶融突部45を形成することができる。特に後
者の工程を採用した場合には、電磁鋼板21一枚一枚を
結束することと、溶融突部45を形成することの両工程
を同時に行うことが可能となる。
【0064】図16は本発明の第13実施例を示したも
のであり、この第13実施例は次の点に特徴を有してい
る。すなわち、磁石挿入孔17に挿入される前の永久磁
石20の表面に、予め、パルス出力されたレーザ24を
照射することにより凹凸部46を複数個設けておく。そ
して、この永久磁石20を、それら凹凸部46の凸部を
つぶしながら回転子鉄心18の磁石挿入孔17に押し込
むことにより磁石挿入孔17内に固定される構成として
いる。
のであり、この第13実施例は次の点に特徴を有してい
る。すなわち、磁石挿入孔17に挿入される前の永久磁
石20の表面に、予め、パルス出力されたレーザ24を
照射することにより凹凸部46を複数個設けておく。そ
して、この永久磁石20を、それら凹凸部46の凸部を
つぶしながら回転子鉄心18の磁石挿入孔17に押し込
むことにより磁石挿入孔17内に固定される構成として
いる。
【0065】非常に弱いエネルギーのパルス出力のレー
ザ24を永久磁石20の表面に照射した場合、永久磁石
20の表面に微小な凹凸部46が形成される。このよう
な凹凸部46を複数個形成することで、永久磁石20を
磁石挿入孔17に挿入した状態での固定力を確保するこ
とができる。この場合、レーザ24の照射による凹凸部
46は微小なものであるため、セラミックといえる永久
磁石20へのダメージは少なく、その凹凸部46を起点
としたクラックの発生や進展を防止できる。
ザ24を永久磁石20の表面に照射した場合、永久磁石
20の表面に微小な凹凸部46が形成される。このよう
な凹凸部46を複数個形成することで、永久磁石20を
磁石挿入孔17に挿入した状態での固定力を確保するこ
とができる。この場合、レーザ24の照射による凹凸部
46は微小なものであるため、セラミックといえる永久
磁石20へのダメージは少なく、その凹凸部46を起点
としたクラックの発生や進展を防止できる。
【0066】さらに、永久磁石20の表面に溶接性向上
層などの被覆層を設け、その被覆層にレーザ24を照射
して凹凸部46を設けることもできる。また、このよう
にした場合、凹凸部46をその被覆層のみで形成するこ
とができ、永久磁石20へのダメージを一層避けること
が可能となる。
層などの被覆層を設け、その被覆層にレーザ24を照射
して凹凸部46を設けることもできる。また、このよう
にした場合、凹凸部46をその被覆層のみで形成するこ
とができ、永久磁石20へのダメージを一層避けること
が可能となる。
【0067】図17は本発明の第14実施例を示したも
のであり、この第14実施例は次の点に特徴を有してい
る。すなわち、まず、第13実施例と同様に、磁石挿入
孔17に挿入される前の永久磁石20の表面に、レーザ
24を照射することにより凹凸部46を複数個設けてお
き、この永久磁石20の表面に接着剤47を塗布する。
そして、この永久磁石20を回転子鉄心18の磁石挿入
孔17に挿入することで、永久磁石20を磁石挿入孔1
7内に固定する構成としている。
のであり、この第14実施例は次の点に特徴を有してい
る。すなわち、まず、第13実施例と同様に、磁石挿入
孔17に挿入される前の永久磁石20の表面に、レーザ
24を照射することにより凹凸部46を複数個設けてお
き、この永久磁石20の表面に接着剤47を塗布する。
そして、この永久磁石20を回転子鉄心18の磁石挿入
孔17に挿入することで、永久磁石20を磁石挿入孔1
7内に固定する構成としている。
【0068】振動や温度変化が大きな環境で使用される
場合、或いは回転子鉄心18の磁石挿入孔17の形状に
よっては、第13実施例の凹凸部46による固定力だけ
では固定強度が足らず、永久磁石20の一層強固な固定
が要求される場合がある。このような場合、表面に接着
剤47を塗布した永久磁石20を磁石挿入孔17に挿入
すると、永久磁石20表面の凹凸部46に接着剤47が
浸入し、さらに、磁石挿入孔17内面の、積層体特有の
段差や凹凸にも接着剤47が浸入して、いわゆる投錨効
果により、永久磁石20の固定が一層強固になる。
場合、或いは回転子鉄心18の磁石挿入孔17の形状に
よっては、第13実施例の凹凸部46による固定力だけ
では固定強度が足らず、永久磁石20の一層強固な固定
が要求される場合がある。このような場合、表面に接着
剤47を塗布した永久磁石20を磁石挿入孔17に挿入
すると、永久磁石20表面の凹凸部46に接着剤47が
浸入し、さらに、磁石挿入孔17内面の、積層体特有の
段差や凹凸にも接着剤47が浸入して、いわゆる投錨効
果により、永久磁石20の固定が一層強固になる。
【0069】また、永久磁石20表面の凹凸部46を永
久磁石20の幅方向(軸方向に対して直交する方向)に
連続して形成した場合には、接着剤47をその凹凸部4
6間で保持できるようになるため、永久磁石20を磁石
挿入孔17へ挿入する際の接着剤47のたれ、及び磁石
挿入孔17以外の回転子鉄心18部分へ接着剤47が付
着することを極力防止できるようになる。
久磁石20の幅方向(軸方向に対して直交する方向)に
連続して形成した場合には、接着剤47をその凹凸部4
6間で保持できるようになるため、永久磁石20を磁石
挿入孔17へ挿入する際の接着剤47のたれ、及び磁石
挿入孔17以外の回転子鉄心18部分へ接着剤47が付
着することを極力防止できるようになる。
【0070】図18は本発明の第15実施例を示したも
のであり、この第15実施例は次の点に特徴を有してい
る。すなわち、回転子鉄心18の磁石挿入孔17に永久
磁石20を挿入した後、回転子鉄心18の少なくとも一
方の軸方向端部に端板48を設け、その端板48の永久
磁石20と対応する部分に、パルス出力されたレーザ2
4を照射することにより永久磁石20まで達する溶融固
着部49を設け、この溶融固着部49により永久磁石2
0を磁石挿入孔17内に固定する構成としている。
のであり、この第15実施例は次の点に特徴を有してい
る。すなわち、回転子鉄心18の磁石挿入孔17に永久
磁石20を挿入した後、回転子鉄心18の少なくとも一
方の軸方向端部に端板48を設け、その端板48の永久
磁石20と対応する部分に、パルス出力されたレーザ2
4を照射することにより永久磁石20まで達する溶融固
着部49を設け、この溶融固着部49により永久磁石2
0を磁石挿入孔17内に固定する構成としている。
【0071】この場合、端板48のレーザ24が照射さ
れた部分が溶融し、その溶融体が、端板48の後側に存
する永久磁石20に形成された孔に侵入して永久磁石2
0の磁石成分と共に溶融固着部49を形成し、この溶融
固着部49が永久磁石20と端板48とを接合すること
になる。このとき、回転子鉄心18自体にはレーザ24
を照射しないため、その回転子鉄心18へのダメージは
なく(変形や磁気回路の悪化の心配は全くない)、ま
た、溶融固着部49のうち端板48と永久磁石20との
接合部は、端板48とその溶融部と永久磁石20とによ
ってシールされているため、悪環境下においても腐食し
にくく、永久磁石20が脱落する心配はない。なお、端
板48の材質としては、永久磁石20の漏れ磁束の増加
を防ぐため、非磁性材であるのが好ましい。また、永久
磁石20は端板48に固定されていて、回転子鉄心18
自体には直接は固定されていないので、取り替えなどの
メンテナンスが容易にできる。
れた部分が溶融し、その溶融体が、端板48の後側に存
する永久磁石20に形成された孔に侵入して永久磁石2
0の磁石成分と共に溶融固着部49を形成し、この溶融
固着部49が永久磁石20と端板48とを接合すること
になる。このとき、回転子鉄心18自体にはレーザ24
を照射しないため、その回転子鉄心18へのダメージは
なく(変形や磁気回路の悪化の心配は全くない)、ま
た、溶融固着部49のうち端板48と永久磁石20との
接合部は、端板48とその溶融部と永久磁石20とによ
ってシールされているため、悪環境下においても腐食し
にくく、永久磁石20が脱落する心配はない。なお、端
板48の材質としては、永久磁石20の漏れ磁束の増加
を防ぐため、非磁性材であるのが好ましい。また、永久
磁石20は端板48に固定されていて、回転子鉄心18
自体には直接は固定されていないので、取り替えなどの
メンテナンスが容易にできる。
【0072】図19及び図20は本発明の第16実施例
を示したものであり、この第16実施例は次の点に特徴
を有している。すなわち、永久磁石20の軸方向端部側
の側面に、レーザ24を照射することにより係合穴50
を設けると共に、回転子鉄心18の軸方向端部に、係合
凸部51を形成した端板48を設け、永久磁石20を磁
石挿入孔17に挿入した状態で、前記係合凸部51を永
久磁石20の係合穴50に押し込んで係合させることに
より、永久磁石20を磁石挿入孔17内に固定する構成
としている。
を示したものであり、この第16実施例は次の点に特徴
を有している。すなわち、永久磁石20の軸方向端部側
の側面に、レーザ24を照射することにより係合穴50
を設けると共に、回転子鉄心18の軸方向端部に、係合
凸部51を形成した端板48を設け、永久磁石20を磁
石挿入孔17に挿入した状態で、前記係合凸部51を永
久磁石20の係合穴50に押し込んで係合させることに
より、永久磁石20を磁石挿入孔17内に固定する構成
としている。
【0073】この場合、高いエネルギーにてパルス出力
されたレーザ24を永久磁石20単体に照射すると、照
射部の溶融体は飛散し、そこに穴があくことを利用して
係合穴50を形成する。そして、その係合穴50に、端
板48に設けた係合凸部51を押し込んで係合させるの
で、永久磁石20は端板48に強く保持され、抜け落ち
ることはない。また、この場合も、永久磁石20は端板
48に固定されていて、回転子鉄心18自体には直接は
固定されていないので、取り替えなどのメンテナンスが
容易にできる。なお、係合穴50及び係合凸部51の少
なくともどちらか一方に接着剤を塗布することにより、
永久磁石20を一層確実に固定することが可能になる。
されたレーザ24を永久磁石20単体に照射すると、照
射部の溶融体は飛散し、そこに穴があくことを利用して
係合穴50を形成する。そして、その係合穴50に、端
板48に設けた係合凸部51を押し込んで係合させるの
で、永久磁石20は端板48に強く保持され、抜け落ち
ることはない。また、この場合も、永久磁石20は端板
48に固定されていて、回転子鉄心18自体には直接は
固定されていないので、取り替えなどのメンテナンスが
容易にできる。なお、係合穴50及び係合凸部51の少
なくともどちらか一方に接着剤を塗布することにより、
永久磁石20を一層確実に固定することが可能になる。
【0074】図21は本発明の第17実施例を示したも
のであり、この第17実施例は次の点に特徴を有してい
る。すなわち、永久磁石20を磁石挿入孔17に挿入す
る前、或いは、磁石挿入孔17に挿入した状態で、永久
磁石20の軸方向端面に、パルス出力されたレーザ24
を照射することにより穴52を形成しておく。また、回
転子鉄心18の軸方向端部に、前記穴52に対応する注
入孔53を形成した端板48を設け、それら穴52と注
入孔53とを一致させる。そして、端板48の注入孔5
3から永久磁石20の穴52へ接着剤47を注入するこ
とにより、永久磁石20を磁石挿入孔17内に固定する
構成としている。
のであり、この第17実施例は次の点に特徴を有してい
る。すなわち、永久磁石20を磁石挿入孔17に挿入す
る前、或いは、磁石挿入孔17に挿入した状態で、永久
磁石20の軸方向端面に、パルス出力されたレーザ24
を照射することにより穴52を形成しておく。また、回
転子鉄心18の軸方向端部に、前記穴52に対応する注
入孔53を形成した端板48を設け、それら穴52と注
入孔53とを一致させる。そして、端板48の注入孔5
3から永久磁石20の穴52へ接着剤47を注入するこ
とにより、永久磁石20を磁石挿入孔17内に固定する
構成としている。
【0075】この場合も、永久磁石20は接着剤47を
介して端板48に固定されていて、回転子鉄心18自体
には直接は固定されていないので、取り替えなどのメン
テナンスが容易にできる。
介して端板48に固定されていて、回転子鉄心18自体
には直接は固定されていないので、取り替えなどのメン
テナンスが容易にできる。
【0076】図22及び図23は本発明の第18実施例
を示したものであり、この第18実施例は次の点に特徴
を有している。すなわち、第1実施例において、永久磁
石20を固定するために設けられる溶融固着部25を、
永久磁石20の外周部とこれと対応する回転子鉄心18
との境界部22のみに設けていて、溶融固着部25とし
ては永久磁石20の内周部側(シヤフト挿入孔16側)
には設けていない。従って、溶融固着部25を設けるた
めのレーザ24の照射位置を、永久磁石20の外周部と
これと対応する回転子鉄心18との境界部22のみに設
定している。
を示したものであり、この第18実施例は次の点に特徴
を有している。すなわち、第1実施例において、永久磁
石20を固定するために設けられる溶融固着部25を、
永久磁石20の外周部とこれと対応する回転子鉄心18
との境界部22のみに設けていて、溶融固着部25とし
ては永久磁石20の内周部側(シヤフト挿入孔16側)
には設けていない。従って、溶融固着部25を設けるた
めのレーザ24の照射位置を、永久磁石20の外周部と
これと対応する回転子鉄心18との境界部22のみに設
定している。
【0077】回転子鉄心18のシャフト挿入孔16にシ
ャフト19を圧入する場合、シャフト19にはローレッ
ト加工(狭いピッチの溝)が施されるのが一般的である
が、シャフト19は、シャフト挿入孔16に挿入される
際に、前記ローレット加工の山部がつぶれながら回転子
鉄心18に食い込み、固定される。そのため、回転子鉄
心18は、径方向だけでなく、軸方向にも大きな変形力
を受けることになる。その際の変形は、磁石挿入孔17
においてはシャフト19側(永久磁石20の内周部側)
が圧倒的に大きく、溶融固着部25(レーザ24の照射
位置)がそのシャフト19側のみにあると、溶融固着部
25に強度の歪みが加わり、界面剥離、脱落が生じて、
永久磁石20の固定力が低下してしまうことがある。こ
の点、本実施例のように、溶融固着部25(レーザ24
の照射位置)が永久磁石20の外周部側のみであると、
その歪みは減少し、溶融固着部25の界面剥離、脱落の
心配はない。
ャフト19を圧入する場合、シャフト19にはローレッ
ト加工(狭いピッチの溝)が施されるのが一般的である
が、シャフト19は、シャフト挿入孔16に挿入される
際に、前記ローレット加工の山部がつぶれながら回転子
鉄心18に食い込み、固定される。そのため、回転子鉄
心18は、径方向だけでなく、軸方向にも大きな変形力
を受けることになる。その際の変形は、磁石挿入孔17
においてはシャフト19側(永久磁石20の内周部側)
が圧倒的に大きく、溶融固着部25(レーザ24の照射
位置)がそのシャフト19側のみにあると、溶融固着部
25に強度の歪みが加わり、界面剥離、脱落が生じて、
永久磁石20の固定力が低下してしまうことがある。こ
の点、本実施例のように、溶融固着部25(レーザ24
の照射位置)が永久磁石20の外周部側のみであると、
その歪みは減少し、溶融固着部25の界面剥離、脱落の
心配はない。
【0078】さらに、回転子鉄心18の軸方向端部付近
では、永久磁石20に対し電磁鋼板21の変形が大き
く、永久磁石20がむき出しになる場合があり、その場
合、その露出部から生じる磁束は漏れ磁束となって、ト
ルクに寄与することはない。この点、本実施例において
は、永久磁石20の外周部側は溶融固着部25により回
転子鉄心18との接合が保持されているため、永久磁石
20がむき出しになることはなく、メインギャップ側へ
の磁路が確保され、トルクの減少を大幅に抑制すること
ができる。
では、永久磁石20に対し電磁鋼板21の変形が大き
く、永久磁石20がむき出しになる場合があり、その場
合、その露出部から生じる磁束は漏れ磁束となって、ト
ルクに寄与することはない。この点、本実施例において
は、永久磁石20の外周部側は溶融固着部25により回
転子鉄心18との接合が保持されているため、永久磁石
20がむき出しになることはなく、メインギャップ側へ
の磁路が確保され、トルクの減少を大幅に抑制すること
ができる。
【0079】図24は本発明の第19実施例を示したも
のであり、この第19実施例は、第1実施例のような永
久磁石形の回転子13を製造する場合に好適する磁石固
定装置を対象としている。
のであり、この第19実施例は、第1実施例のような永
久磁石形の回転子13を製造する場合に好適する磁石固
定装置を対象としている。
【0080】この場合、パルス出力の発振が可能なレー
ザヘッド23は、回転子鉄心18の軸方向端面に対して
対向配置されていて、このレーザヘッド23に対して、
回転子13がこれの回転中心(シャフト挿入孔16の中
心)を中心として回転可能な構成とする。
ザヘッド23は、回転子鉄心18の軸方向端面に対して
対向配置されていて、このレーザヘッド23に対して、
回転子13がこれの回転中心(シャフト挿入孔16の中
心)を中心として回転可能な構成とする。
【0081】ここで、各永久磁石20を回転子鉄心18
に固定する場合には、まず、各永久磁石20を各磁石挿
入孔17に挿入した状態で、レーザヘッド23を回転子
鉄心18の予め定められた所定のレーザ照射位置上に固
定する。そして、レーザヘッド23に対して回転子13
を回転させ、レーザヘッド23が回転子13のレーザ照
射位置(永久磁石20と回転子鉄心18との境界部2
2)に位置したところで、レーザヘッド23から回転子
13に対してレーザを照射し、溶融固着部25を設け
る。このようにして、レーザヘッド23に対して回転子
13を回転させながら、順次溶融固着部25を設けてゆ
く。
に固定する場合には、まず、各永久磁石20を各磁石挿
入孔17に挿入した状態で、レーザヘッド23を回転子
鉄心18の予め定められた所定のレーザ照射位置上に固
定する。そして、レーザヘッド23に対して回転子13
を回転させ、レーザヘッド23が回転子13のレーザ照
射位置(永久磁石20と回転子鉄心18との境界部2
2)に位置したところで、レーザヘッド23から回転子
13に対してレーザを照射し、溶融固着部25を設け
る。このようにして、レーザヘッド23に対して回転子
13を回転させながら、順次溶融固着部25を設けてゆ
く。
【0082】レーザヘッド23を固定した状態で回転子
13を回転させると、回転子13からはレーザヘッド2
3が円を描くように見え、永久磁石20と回転子鉄心1
8との境界部22がレーザヘッド23と対向した点でレ
ーザを照射することにより、回転子13やレーザヘッド
23を複雑な移動をさせる必要なく、永久磁石20の固
定作業を進めることができる。例えば、いままでの例で
示したような平板状の永久磁石20を4個配置した回転
子13においては、永久磁石20と回転子鉄心18との
境界部22とレーザヘッド23とが鎖交する点を、一つ
の永久磁石20について最大4箇所設けることができ
る。このように、回転子13側の回転だけの単純な駆動
にて、永久磁石20の固定ができるので、簡単な構成
で、設備費が安価で、しかも短時間で固定作業を行うこ
とができる。
13を回転させると、回転子13からはレーザヘッド2
3が円を描くように見え、永久磁石20と回転子鉄心1
8との境界部22がレーザヘッド23と対向した点でレ
ーザを照射することにより、回転子13やレーザヘッド
23を複雑な移動をさせる必要なく、永久磁石20の固
定作業を進めることができる。例えば、いままでの例で
示したような平板状の永久磁石20を4個配置した回転
子13においては、永久磁石20と回転子鉄心18との
境界部22とレーザヘッド23とが鎖交する点を、一つ
の永久磁石20について最大4箇所設けることができ
る。このように、回転子13側の回転だけの単純な駆動
にて、永久磁石20の固定ができるので、簡単な構成
で、設備費が安価で、しかも短時間で固定作業を行うこ
とができる。
【0083】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば次のような効果を得ることができる。請求項
1,2,4の永久磁石形回転子によれば、永久磁石を比
較的容易に、しかも確実に固定することができ、また、
磁気回路特性などを極力悪化させることもない。
によれば次のような効果を得ることができる。請求項
1,2,4の永久磁石形回転子によれば、永久磁石を比
較的容易に、しかも確実に固定することができ、また、
磁気回路特性などを極力悪化させることもない。
【0084】請求項3,5の永久磁石形回転子によれ
ば、回転子鉄心が永久磁石の軸方向端面よりも外方へ突
出するように構成されたものにおいて、請求項1と同様
な効果を得ることができる。また、永久磁石にレーザを
直接当てないようにできるため、永久磁石の強度低下が
避けられるだけでなく、磁気特性の低下も防止すること
ができる。
ば、回転子鉄心が永久磁石の軸方向端面よりも外方へ突
出するように構成されたものにおいて、請求項1と同様
な効果を得ることができる。また、永久磁石にレーザを
直接当てないようにできるため、永久磁石の強度低下が
避けられるだけでなく、磁気特性の低下も防止すること
ができる。
【0085】請求項6,7の永久磁石形回転子の製造方
法によれば、回転子鉄心が永久磁石の軸方向端面よりも
外方へ突出するように構成されたものにおいて、回転子
鉄心のみを溶融させる場合に比べて、永久磁石を一層容
易に、しかも確実に固定することが可能になる。請求項
8の永久磁石形回転子の製造方法によれば、永久磁石と
回転子鉄心との間を磁気的にも融着することが可能にな
り、磁気特性の低下を一層防止できるようになる。
法によれば、回転子鉄心が永久磁石の軸方向端面よりも
外方へ突出するように構成されたものにおいて、回転子
鉄心のみを溶融させる場合に比べて、永久磁石を一層容
易に、しかも確実に固定することが可能になる。請求項
8の永久磁石形回転子の製造方法によれば、永久磁石と
回転子鉄心との間を磁気的にも融着することが可能にな
り、磁気特性の低下を一層防止できるようになる。
【0086】請求項9,10,11,12の永久磁石形
回転子によれば、永久磁石を一層容易に、しかも確実に
固定することができるようになる。請求項13の永久磁
石形回転子によれば、磁気特性の低下を防止できるよう
になる。請求項14,15,16,17の永久磁石形回
転子においても、永久磁石を比較的容易に、しかも確実
に固定することができ、また、磁気回路特性などを極力
悪化させることもない。
回転子によれば、永久磁石を一層容易に、しかも確実に
固定することができるようになる。請求項13の永久磁
石形回転子によれば、磁気特性の低下を防止できるよう
になる。請求項14,15,16,17の永久磁石形回
転子においても、永久磁石を比較的容易に、しかも確実
に固定することができ、また、磁気回路特性などを極力
悪化させることもない。
【0087】請求項18,19の永久磁石形回転子にお
いても、永久磁石を比較的容易に、しかも確実に固定す
ることができ、また、磁気回路特性などを極力悪化させ
ることもない。また、永久磁石は端板に固定されてい
て、回転子鉄心自体には直接は固定されていないので、
取り替えなどのメンテナンスが容易にできる。請求項2
0の永久磁石形回転子によれば、回転子鉄心にシャフト
を圧入する際に、溶融固着部が剥離したり、永久磁石の
軸方向端部がむき出しになるようなことを防止できる。
いても、永久磁石を比較的容易に、しかも確実に固定す
ることができ、また、磁気回路特性などを極力悪化させ
ることもない。また、永久磁石は端板に固定されてい
て、回転子鉄心自体には直接は固定されていないので、
取り替えなどのメンテナンスが容易にできる。請求項2
0の永久磁石形回転子によれば、回転子鉄心にシャフト
を圧入する際に、溶融固着部が剥離したり、永久磁石の
軸方向端部がむき出しになるようなことを防止できる。
【0088】請求項21の永久磁石形回転子の磁石固定
装置によれば、回転子やレーザヘッドを複雑な移動をさ
せることなく永久磁石の固定ができるので、簡単な構成
で、設備費が安価で、しかも短時間で固定作業を行うこ
とができるようになる。
装置によれば、回転子やレーザヘッドを複雑な移動をさ
せることなく永久磁石の固定ができるので、簡単な構成
で、設備費が安価で、しかも短時間で固定作業を行うこ
とができるようになる。
【図1】本発明の第1実施例を示す回転子の平面図
【図2】永久磁石を固定する際の要部の縦断側面図
【図3】モータの横断平面図
【図4】本発明の第2実施例を示す回転子の部分平面図
【図5】図2相当図
【図6】本発明の第3実施例を示す図2相当図
【図7】本発明の第4実施例を示す図2相当図
【図8】本発明の第5実施例を示す図2相当図
【図9】本発明の第6実施例を示す図2相当図
【図10】本発明の第7実施例を示す図2相当図
【図11】本発明の第8実施例を示す図2相当図
【図12】本発明の第9実施例を示す図2相当図
【図13】本発明の第10実施例を示す図2相当図
【図14】本発明の第11実施例を示す図2相当図
【図15】本発明の第12実施例を示す要部の縦断側面
図
図
【図16】本発明の第13実施例を示す図2相当図
【図17】本発明の第14実施例を示す図2相当図
【図18】本発明の第15実施例を示す図2相当図
【図19】本発明の第16実施例を示す要部の縦断側面
図
図
【図20】要部の斜視図
【図21】本発明の第17実施例を示す要部の縦断側面
図
図
【図22】本発明の第18実施例を示すもので、シャフ
トを圧入する際の要部の縦断側面図
トを圧入する際の要部の縦断側面図
【図23】図4相当図
【図24】本発明の第19実施例を示す平面図
【図25】従来構成を示す図3相当図
13は回転子、17は磁石挿入孔、18は回転子鉄心、
19はシャフト、20は永久磁石、21は電磁鋼板(鋼
板)、22は境界部、23はレーザヘッド、24はレー
ザ、25,26、27は溶融固着部、28は逃げ部、2
9は隙間、30,31は溶融固着部、32はワイヤ、3
3は溶融固着部、34は粒状部材、35は溶融固着部、
37は溶接性向上層、38は溶融固着部、39は溶接性
向上層、40は溶融固着部、41は溶接性向上層、42
は溶融固着部、44,45は溶融突部、46は凹凸部、
47は接着剤、48は端板、49は溶融固着部、50は
係合穴、51は係合凸部、52は穴、53は注入孔を示
す。
19はシャフト、20は永久磁石、21は電磁鋼板(鋼
板)、22は境界部、23はレーザヘッド、24はレー
ザ、25,26、27は溶融固着部、28は逃げ部、2
9は隙間、30,31は溶融固着部、32はワイヤ、3
3は溶融固着部、34は粒状部材、35は溶融固着部、
37は溶接性向上層、38は溶融固着部、39は溶接性
向上層、40は溶融固着部、41は溶接性向上層、42
は溶融固着部、44,45は溶融突部、46は凹凸部、
47は接着剤、48は端板、49は溶融固着部、50は
係合穴、51は係合凸部、52は穴、53は注入孔を示
す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 15/03 H02K 15/03 Z (72)発明者 小林 定章 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 (72)発明者 望月 資康 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 (72)発明者 西沢 隆志 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 Fターム(参考) 5H622 CA02 CA07 CA10 CA13 CB03 CB05 PP09 PP11
Claims (21)
- 【請求項1】 回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石を挿
入して構成される永久磁石形回転子において、 前記永久磁石と前記回転子鉄心との境界部或いはその近
傍に、パルス出力で発振されたレーザを照射することに
より溶融固着部を設け、この溶融固着部により前記永久
磁石を前記磁石挿入孔内に固定する構成としたことを特
徴とする永久磁石形回転子。 - 【請求項2】 溶融固着部を設けるためのレーザの照射
位置は、回転子鉄心の軸方向端面において永久磁石と回
転子鉄心との境界部から回転子鉄心側にずれていて、溶
融固着部の先端部は、回転子鉄心の内部において永久磁
石まで達していることを特徴とする請求項1記載の永久
磁石形回転子。 - 【請求項3】 回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石を挿
入して構成される永久磁石形回転子において、 前記永久磁石を前記磁石挿入孔に挿入した状態で、前記
回転子鉄心が当該永久磁石の軸方向端面よりも外方へ突
出するように構成し、 前記回転子鉄心の突出部分を溶融手段により溶融させる
ことにより前記磁石挿入孔の開口縁部に当該磁石挿入孔
を狭めるように溶融固着部を設け、この溶融固着部によ
り前記永久磁石を前記磁石挿入孔内に固定する構成とし
たことを特徴とする永久磁石形回転子。 - 【請求項4】 永久磁石の軸方向端部に、当該永久磁石
と磁石挿入孔の開口縁部との間に隙間を形成する逃げ部
を設け、溶融固着部を、前記隙間を埋めるように設けた
ことを特徴とする請求項1記載の永久磁石形回転子。 - 【請求項5】 溶融手段としてレーザを用いると共に、
レーザの照射位置は、回転子鉄心の軸方向端面において
永久磁石と回転子鉄心との境界部から回転子鉄心側にず
れていて、溶融固着部の先端部が磁石挿入孔を狭めてい
ることを特徴とする請求項3記載の永久磁石形回転子。 - 【請求項6】 回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石を挿
入した状態で、回転子鉄心が前記永久磁石の軸方向端面
よりも外方へ突出するように構成し、 前記磁石挿入孔の開口部近傍に金属材料からなるワイヤ
を配置すると共に、そのワイヤ部分にレーザを照射して
溶融させることにより前記磁石挿入孔内にこれを狭める
溶融固着部を設け、この溶融固着部により前記永久磁石
を磁石挿入孔内に固定するようにしたことを特徴とする
永久磁石形回転子の製造方法。 - 【請求項7】 回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石を挿
入した状態で、回転子鉄心が当該永久磁石の軸方向端面
よりも外方へ突出するように構成し、 前記磁石挿入孔内に金属材料からなる粒状部材を配置す
ると共に、その粒状部材部分にレーザを照射して溶融さ
せることにより前記磁石挿入孔内にこれを狭める溶融固
着部を設け、この溶融固着部により前記永久磁石を磁石
挿入孔内に固定するようにしたことを特徴とする永久磁
石形回転子の製造方法。 - 【請求項8】 金属材料として磁性材を用いたことを特
徴とする請求項6または7記載の永久磁石形回転子の製
造方法。 - 【請求項9】 永久磁石の表面に、溶接性向上材からな
る溶接性向上層を設けたことを特徴とする請求項1記載
の永久磁石形回転子。 - 【請求項10】 磁石挿入孔の内面に、溶接性向上材か
らなる溶接性向上層を設けたことを特徴とする請求項1
記載の永久磁石形回転子。 - 【請求項11】 磁石挿入孔の内面と永久磁石の表面と
の間に、溶接性向上材からなる溶接性向上層を設けたこ
とを特徴とする請求項1記載の永久磁石形回転子。 - 【請求項12】 溶接性向上材として、アルミニウムを
主体としたものを用いたことを特徴とする請求項9,1
0または11記載の永久磁石形回転子。 - 【請求項13】 溶接性向上材として、ニッケルを主体
としたものを用いたことを特徴とする請求項9,10ま
たは11記載の永久磁石形回転子。 - 【請求項14】 回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石を
挿入して構成される永久磁石形回転子において、 前記回転子鉄心における磁石挿入孔の内面に、パルス出
力で発振されたレーザを照射して溶融変形させることに
より溶融突部を設け、前記永久磁石を、前記溶融突部を
つぶしながら前記磁石挿入孔に押し込むことにより磁石
挿入孔内に固定する構成としたことを特徴とする永久磁
石形回転子。 - 【請求項15】 回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石を
挿入して構成される永久磁石形回転子において、 前記回転子鉄心は多数枚の鋼板を積層して構成すると共
に、それら各鋼板の磁石挿入孔の内面に、パルス出力で
発振されたレーザを照射して溶融変形させることにより
溶融突部を設け、前記永久磁石を、前記溶融突部をつぶ
しながら前記磁石挿入孔に押し込むことにより磁石挿入
孔内に固定する構成としたことを特徴とする永久磁石形
回転子。 - 【請求項16】 回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石を
挿入して構成される永久磁石形回転子において、 前記永久磁石の表面に、パルス出力で発振されたレーザ
を照射することにより凹凸部を設け、この永久磁石を、
前記凹凸部の凸部をつぶしながら前記磁石挿入孔に押し
込むことにより磁石挿入孔内に固定する構成としたこと
を特徴とする永久磁石形回転子。 - 【請求項17】 永久磁石の表面に接着剤を塗布し、こ
の接着剤を磁石挿入孔内面に接着させたことを特徴とす
る請求項16記載の永久磁石形回転子。 - 【請求項18】 回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石を
挿入して構成される永久磁石形回転子において、 前記回転子鉄心の軸方向端部に端板を設けると共に、そ
の端板の前記永久磁石と対応する部分に、パルス出力で
発振されたレーザを照射することにより溶融固着部を設
け、この溶融固着部により前記永久磁石を前記磁石挿入
孔内に固定する構成としたことを特徴とする永久磁石形
回転子。 - 【請求項19】 回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石を
挿入して構成される永久磁石形回転子において、 前記永久磁石に係合穴を設けると共に、前記回転子鉄心
の軸方向端部に、係合凸部を有する端板を設け、前記係
合凸部を前記係合穴に係合させることにより前記永久磁
石を前記磁石挿入孔内に固定する構成としたことを特徴
とする永久磁石形回転子。 - 【請求項20】 溶融固着部を設けるためのレーザの照
射位置は、永久磁石の外周部とこれと対応する回転子鉄
心との境界部のみとしたことを特徴とする請求項1記載
の永久磁石形回転子。 - 【請求項21】 回転子鉄心の磁石挿入孔に永久磁石を
挿入して構成される永久磁石形回転子を製造する際に、
前記永久磁石を前記磁石挿入孔内に固定するためのもの
であって、 前記回転子鉄心の軸方向端面に対して対向配置されるパ
ルス出力の発振が可能なレーザヘッドを備えると共に、
このレーザヘッドに対して、前記回転子を当該回転子の
回転中心を中心として回転可能な構成とし、 前記レーザヘッドを前記回転子に対して所定のレーザ照
射位置上に固定した状態で、このレーザヘッドに対して
回転子を順次回転させ、所定の位置でレーザヘッドから
回転子に対してレーザを照射することにより、前記回転
子に、前記永久磁石を前記磁石挿入孔内に固定するため
の溶融固着部を設ける構成としたことを特徴とする永久
磁石形回転子の磁石固定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10251038A JP2000083334A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 永久磁石形回転子、その製造方法、及び永久磁石形回転子の磁石固定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10251038A JP2000083334A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 永久磁石形回転子、その製造方法、及び永久磁石形回転子の磁石固定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000083334A true JP2000083334A (ja) | 2000-03-21 |
Family
ID=17216700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10251038A Pending JP2000083334A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 永久磁石形回転子、その製造方法、及び永久磁石形回転子の磁石固定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000083334A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002010544A (ja) * | 2000-06-26 | 2002-01-11 | Moric Co Ltd | 永久磁石式ブラシレスdcモータ |
JPWO2004068673A1 (ja) * | 2003-01-28 | 2006-05-25 | 本田技研工業株式会社 | 永久磁石式モータ用ロータ |
JP2008125353A (ja) * | 2008-02-18 | 2008-05-29 | Fanuc Ltd | 電動機のロータ及びその製造方法 |
EP1983636A1 (en) * | 2006-02-08 | 2008-10-22 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Rotor manufacturing method |
JP2009225573A (ja) * | 2008-03-17 | 2009-10-01 | Canon Inc | 駆動装置及びその製造方法 |
JP2010249536A (ja) * | 2009-04-10 | 2010-11-04 | Ntn Corp | 磁気エンコーダおよびその製造方法 |
JP2011172441A (ja) * | 2010-02-22 | 2011-09-01 | Toyota Boshoku Corp | モータコア及びその組付け方法 |
US9003639B2 (en) | 2006-02-27 | 2015-04-14 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Method of manufacturing a rotor |
JP2016149919A (ja) * | 2015-02-09 | 2016-08-18 | アスモ株式会社 | ロータ、及びモータ |
CN110858734A (zh) * | 2018-08-20 | 2020-03-03 | 无锡小天鹅电器有限公司 | 转子、电机及洗衣机 |
US10630122B2 (en) | 2015-01-07 | 2020-04-21 | Denso Corporation | Motor |
JP2021023063A (ja) * | 2019-07-30 | 2021-02-18 | トヨタ自動車株式会社 | 回転子の製造方法 |
-
1998
- 1998-09-04 JP JP10251038A patent/JP2000083334A/ja active Pending
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002010544A (ja) * | 2000-06-26 | 2002-01-11 | Moric Co Ltd | 永久磁石式ブラシレスdcモータ |
JPWO2004068673A1 (ja) * | 2003-01-28 | 2006-05-25 | 本田技研工業株式会社 | 永久磁石式モータ用ロータ |
EP1983636A1 (en) * | 2006-02-08 | 2008-10-22 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Rotor manufacturing method |
EP1983636A4 (en) * | 2006-02-08 | 2010-04-07 | Toyota Motor Co Ltd | PROCESS FOR PRODUCING ROTOR |
US8020280B2 (en) | 2006-02-08 | 2011-09-20 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Rotor manufacturing method |
US9003639B2 (en) | 2006-02-27 | 2015-04-14 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Method of manufacturing a rotor |
JP2008125353A (ja) * | 2008-02-18 | 2008-05-29 | Fanuc Ltd | 電動機のロータ及びその製造方法 |
JP4708445B2 (ja) * | 2008-02-18 | 2011-06-22 | ファナック株式会社 | 電動機のロータ及びその製造方法 |
JP2009225573A (ja) * | 2008-03-17 | 2009-10-01 | Canon Inc | 駆動装置及びその製造方法 |
JP2010249536A (ja) * | 2009-04-10 | 2010-11-04 | Ntn Corp | 磁気エンコーダおよびその製造方法 |
JP2011172441A (ja) * | 2010-02-22 | 2011-09-01 | Toyota Boshoku Corp | モータコア及びその組付け方法 |
US10630122B2 (en) | 2015-01-07 | 2020-04-21 | Denso Corporation | Motor |
JP2016149919A (ja) * | 2015-02-09 | 2016-08-18 | アスモ株式会社 | ロータ、及びモータ |
CN110858734A (zh) * | 2018-08-20 | 2020-03-03 | 无锡小天鹅电器有限公司 | 转子、电机及洗衣机 |
JP2021023063A (ja) * | 2019-07-30 | 2021-02-18 | トヨタ自動車株式会社 | 回転子の製造方法 |
JP7275967B2 (ja) | 2019-07-30 | 2023-05-18 | トヨタ自動車株式会社 | 回転子の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2000083334A (ja) | 永久磁石形回転子、その製造方法、及び永久磁石形回転子の磁石固定装置 | |
JP5299514B2 (ja) | ロータおよびその製造方法 | |
JP4754991B2 (ja) | 摩擦攪拌接合方法 | |
US5828152A (en) | Rotor with permanent magnet of generator and method of manufacturing the same | |
EP0491959B1 (en) | Method of welding metals of different kind by laser | |
JP5910036B2 (ja) | 回転機用ロータの製造方法 | |
JP2007163073A (ja) | 熱交換器用チューブの製造方法および熱交換器 | |
US20100102664A1 (en) | Methods and apparatus for surface preparation in ultrasonic joints | |
WO2019167502A1 (ja) | 異材接合用アーク溶接法 | |
JP2008183620A (ja) | プロジェクション溶接部及びそれを形成する方法 | |
US20090045693A1 (en) | Flat Commutator and Method for Producing a Flat Commutator | |
JP3541991B2 (ja) | 電機子コイルの接合方法 | |
JPH0258034B2 (ja) | ||
JP2005539477A (ja) | ステータ及び電気機械 | |
JP4559923B2 (ja) | モータ | |
JP3823780B2 (ja) | 摩擦攪拌接合方法 | |
US7767318B2 (en) | Laser fillet welding | |
JP2011194403A (ja) | 金属導体板の重ね合わせレーザ溶接方法 | |
JP2010082673A (ja) | レーザ溶接部材およびレーザ溶接方法 | |
JP2019122185A (ja) | 固定子積層鉄心の製造方法 | |
JP2020093285A (ja) | 異種金属の接合方法 | |
JP2000316259A (ja) | 対導線列の端部接合方法 | |
JP2008054470A (ja) | モータ用コイル及びその製造方法 | |
JPH04299039A (ja) | 圧縮機用電動機の積層鉄心 | |
JPH08126290A (ja) | ヨークの接合方法 |