JP2000082503A - 空気電池 - Google Patents

空気電池

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JP2000082503A
JP2000082503A JP25288698A JP25288698A JP2000082503A JP 2000082503 A JP2000082503 A JP 2000082503A JP 25288698 A JP25288698 A JP 25288698A JP 25288698 A JP25288698 A JP 25288698A JP 2000082503 A JP2000082503 A JP 2000082503A
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battery
air
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potassium hydroxide
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JP25288698A
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Noriyuki Kobayashi
宣之 小林
Ryosuke Takagi
良介 高木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負極合剤中の亜鉛が水酸化カリウム水溶液に
よって腐食されることを防止し、また、電池内圧の上昇
による水酸化カリウム水溶液の漏出を防止した空気電池
を提供する。 【解決手段】 本発明に係る空気電池は、粒状亜鉛と、
水酸化カリウム水溶液と、ゲル化剤とを含有する負極合
剤を有し、上記負極合剤は、上記ゲル化剤として架橋分
岐型のポリアクリル酸又はその塩を用いるともに、当該
ゲル化剤を上記水酸化カリウム水溶液に対して4重量%
〜10重量%の割合で含有し、さらに、上記負極合剤
は、水酸化リチウムを0.1重量%〜1重量%の割合で
含有していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年の携帯用電子機器の普及に伴い、携
帯用電源としての電池の要求は高まるばかりである。特
に、より軽く、より強く、且つより長く使える電池、す
なわち、高エネルギー密度電池の登場が期待されてい
る。これに対し、最近では高容量のアルカリマンガン電
池が開発され、こうした要求に答えているが、未だ十分
な電気容量が得られているとは言えない。
【0003】さらに、最近では地球環境や資源の有効利
用に大きな関心が集まっており、環境への負荷をより小
さくするという要望にも答えなければならない。これら
の条件に答える有力な電池系として、酸素を正極活物質
として使用する燃料電池や空気電池などが知られてい
る。これらの電池系は、正極活物質が酸素であるため、
他の電池系と比較して、環境への負荷が小さいばかりで
はなく、取り出せる電気容量の点でも優れている。
【0004】空気電池は、電池内に正極活物質を充填せ
ず、正極活物質として空気中の酸素を用いる電池であ
る。この空気電池の正極には、空気中の酸素を反応させ
るための特殊な多孔体電極(以下、空気電極と称す
る。)が用いられる。この空気電極の厚みは、一般的な
アルカリ電池用正極に比べて極めて薄い、このために、
負極のための容積が他の電池系に比べて非常に大きい。
このことから、空気電池はエネルギー密度が、アルカリ
マンガン電池の約5倍、酸化銀電池の約3倍、水銀電池
やリチウム電池の約2倍もある、高エネルギー密度電池
である。つまり、携帯用電源として、空気電池は理想的
な一次電池である。
【0005】そして、空気電池はボタン形、コイン形の
ものが補聴器用、ページャー用などの電源として実用化
されている。しかし、これらの小型タイプの電池では用
途が限定されるため、より広い用途に対応できる円筒形
の空気電池の製品化が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】また、環境への負荷を
より小さくするために、防食剤として添加されていた水
銀を中止し、近年、水銀無添加のアルカリマンガン電池
が発売されている。また、負極に水銀を含む他の電池系
においても無水銀化が進められている。
【0007】しかしながら、負極合剤中の水銀を無添加
にすると、電解液として用いられている水酸化カリウム
水溶液によって亜鉛が腐食され水素ガスが発生する。そ
の結果、電池内の内圧が上昇して漏液を引き起こすとい
う問題があった。
【0008】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、負極合剤中の亜鉛が水酸化カリ
ウム水溶液によって腐食されることを防止し、また、電
池内圧の上昇による水酸化カリウム水溶液の漏出を防止
した空気電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る空気電池
は、粒状亜鉛と、水酸化カリウム水溶液と、ゲル化剤と
を含有する負極合剤を有し、上記負極合剤は、上記ゲル
化剤として架橋分岐型のポリアクリル酸又はその塩を用
いるともに、当該ゲル化剤を上記水酸化カリウム水溶液
に対して4重量%〜10重量%の割合で含有し、さら
に、上記負極合剤は、水酸化リチウムを0.1重量%〜
1重量%の割合で含有していることを特徴とする。
【0010】上述したような本発明に係る空気電池で
は、上記ゲル化剤として架橋分岐型のポリアクリル酸又
はその塩を用いるともに、当該ゲル化剤を上記水酸化カ
リウム水溶液に対して4重量%〜10重量%の割合で含
有しているので、上記水酸化カリウム水溶液が上記ゲル
化剤中に保持される。さらに、この空気電池では、負極
合剤が、水酸化リチウムを0.1重量%〜1重量%の割
合で含有しているので、上記粒状亜鉛の腐食が抑制され
て水素ガスの発生が抑えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0012】図1は、本発明に係る空気電池の一構成例
を示す縦断面図である。この空気電池1は、電池缶2
と、空気電極3と、空気拡散材4と、セパレータ5と、
負極合剤6と、ガスケット7と、負極集電ピン8と、負
極端子板9とを備える。
【0013】空気電極3は、中空円筒状の金属集電体1
0と、金属集電体10上に塗着された触媒層11と、触
媒層11上に圧着された気体透過膜12とを有する。さ
らに、この空気電極3は、開口両端部が、第1の金属封
止材13と第2の金属封止材14とによって封止及び補
強されている。
【0014】金属集電体10には、導電性を有する金属
ネット、エキスパンドメタル、パンチングメタル等が用
いられる。金属集電体10の材料としては、例えば、ニ
ッケル、ステンレス、或いはステンレスにニッケルめっ
きを施したもの等が挙げられる。
【0015】触媒層11は、触媒として酸素還元能力を
有する種々の金属酸化物を含有し、この触媒と、カーボ
ンブラック、分散液等が混合されてなる触媒層混合物が
金属集電体10上に塗着されてなる。酸素還元能力を有
する金属酸化物としては、例えば、マンガン酸化物等が
挙げられる。また、分散液には、例えばポリテトラフル
オロエチレン(以下、PTFEと称する。)の水性分散
液等が用いられる。
【0016】気体透過膜12は、酸素ガス透過能を有す
るとともに、撥水性にも優れた多孔性の膜である。この
ような気体透過膜12は、フッ素系樹脂からなる。この
気体透過膜12に用いられるフッ素系樹脂としては、酸
素ガス透過能を有し、耐アルカリ性を有するものであれ
ば特に限定されるものではないが、例えばPTFE等が
挙げられる。
【0017】第1及び第2の金属封止材13,14は、
それぞれ、金属板が折り返されてなる折り返し部に、空
気電極3の端部をその円周に沿って挟み込むことによ
り、空気電極3の端部を封止及び補強している。また、
第2の金属封止材14は、中空円筒形の空気電極3の一
開口端を閉塞している。
【0018】そして、第1及び第2の金属封止材13,
14は、空気電極3とともに、径方向に圧縮されてい
る。これにより、第1及び第2の金属封止材13,14
と金属集電体10との接触が図られ、さらに、触媒層1
1の密度が高くなる。これにより、円筒形の空気電極3
の両端部が強固に固定され、空気電極3の機械的強度を
大幅に向上させて耐漏液性を向上させるとともに、集電
のバラツキを低減させることができる。
【0019】この第1及び第2の金属封止材13,14
には、スチールにニッケルめっきを施したもの、ステン
レスにニッケルめっきを施したもの、銅、黄銅等が用い
られる。なお、第1及び第2の金属封止材13,14に
銅や黄銅を用いる場合は、スズめっきを施すことが好ま
しい。
【0020】そして、上述したような空気電極3を備え
た空気電池1は、図1に示すように、空気電極3が、側
面に空気孔15を有し、正極端子を兼ねる電池缶2内
に、第2の金属封止材14にて閉塞されている側が電池
缶2の底面と対向するように挿入されている。そして、
空気電極3の内側には、中空有底円筒状のセパレータ5
が挿入され、さらにセパレータ5の内側にゲル状の負極
合剤6が充填されている。
【0021】この負極合剤6は、粒状亜鉛と、酸化亜鉛
粉末と、水酸化カリウム水溶液との混合物が、ゲル化剤
によってゲル状とされている。本実施の形態に係るこの
空気電池1では、負極合剤6をゲル化するゲル化剤とし
て、架橋分岐型のポリアクリル酸又はその塩を用いる。
ゲル化剤として架橋分岐型のポリアクリル酸又はその塩
を用いることで、余分な水酸化カリウム水溶液を吸収、
保持して、外部への水酸化カリウム水溶液の漏出を防止
することができる。ポリアクリル酸の塩としては、例え
ばポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。
【0022】また、負極合剤6中に含有されるゲル化剤
の量は、水酸化カリウム水溶液に対して4重量%〜10
重量%であることが好ましい。ゲル化剤の量が4重量%
よりも少ないと、水酸化カリウム水溶液をゲル化剤中に
十分に保持することができず、余分な水酸化カリウム水
溶液が外部に進出し、電池の耐漏液特性が低下してしま
う。また、ゲル化剤の量が10重量%よりも多すぎる
と、電池反応に利用される水酸化カリウム水溶液の量が
少なくなり、放電特性が低下してしまう。
【0023】従って、ゲル化剤の量を水酸化カリウム水
溶液に対して4重量%〜10重量%とすることで、放電
特性を低下させることなく、水酸化カリウム水溶液をゲ
ル化剤中に十分に保持して耐漏液特性を向上することが
できる。
【0024】さらに、この負極合剤は、水酸化リチウム
を含有する。水酸化リチウムを負極合剤中に添加するこ
とで、粒状亜鉛の腐食を抑制し、水素ガスの発生を抑え
て電池内圧の上昇による水酸化カリウム水溶液の外部へ
の漏出を防ぐことができる。
【0025】このような水酸化リチウムの添加量は、負
極合剤全体の0.1重量%〜1重量%とすることが好ま
しい。水酸化リチウムの添加量が0.1重量%よりも少
ないと、亜鉛の腐食を抑制し水素ガスの発生を抑える効
果が十分に得られない。また、水酸化リチウムの添加量
が1重量%よりも多すぎると、水酸化リチウムが亜鉛の
表面を過剰に覆ってしまい、水酸化カリウム水溶液と粒
状亜鉛との接触が妨げられ、放電特性が低下してしま
う。従って、水酸化リチウムの添加量を0.1重量%〜
1重量%とすることで、亜鉛の表面を過剰に覆って放電
特性を低下させてしまうことなく、亜鉛の腐食を抑制し
水素ガスの発生を抑えて、耐漏液特性を向上することが
できる。
【0026】そして、上述した電池缶2の開口部が、ガ
スケット7、釘状の負極集電ピン8が溶接された負極端
子板9により封止される。これにより、空気電極3が電
池缶2の内壁に強く圧接されて、電池缶2と空気電極3
との集電が確保される。また、負極の集電は、負極端子
板9に溶接された釘状の負極集電ピン8がガスケット7
の中央部に形成された貫通孔に圧入されて負極合剤6に
達することで確保される。
【0027】そして、この電池缶2の側面には、絶縁チ
ューブ16が装着され、さらに、絶縁チューブ16の側
面には、空気孔15を密閉するためのシール17が装着
される。なお、このシール17は、電池を使用する前に
剥される。
【0028】このような空気電池1では、負極合剤6中
に水酸化リチウムが添加されているので、負極合剤6中
の亜鉛の腐食による水素ガスの発生が防止される。さら
に、この空気電池1では、負極合剤6をポリアクリル酸
又はその塩によってゲル化しているので、水素ガスによ
り電池内圧が上昇したとしても、負極合剤6中の水酸化
カリウム水溶液がポリアクリル酸又はその塩に保持され
ているので、外部への水酸化カリウム水溶液の漏出を防
止することができる。したがって、この空気電池1で
は、耐漏液特性を飛躍的に向上することができる。
【0029】つぎに、このような空気電池1の製造方法
について説明する。
【0030】まず、酸素還元能力を有する金属酸化物
と、カーボンブラックと、分散液等を混合し、ペースト
状の触媒層混合物を作製する。ここで、酸素還元能力を
有する金属酸化物としては、例えば、マンガン酸化物等
が用いられる。また、分散液には、例えばPTFEの水
性分散液等が用いられる。
【0031】次に、上記触媒層混合物を、表面にニッケ
ルメッキを施した中空円筒形状のステンレスネットから
なる金属集電体10上に塗着、乾燥する。その後、プレ
スロール工程を経て円筒形の触媒層11を形成する。
【0032】次に、触媒層11上に、PTFE等からな
り撥水性を有する気体透過膜12を巻き付け、プレスロ
ール工程を用いて気体透過膜12と金属集電体10とを
密着させることにより円筒形の空気電極3を作製する。
【0033】そして、このようにして作製された空気電
極3の上部開口端に、第1の金属封止材13を配置し、
さらにこの第1の金属封止材13を空気極開口端の円周
に沿って圧縮する方向に絞ることで、第1の金属封止材
13を空気電極3に装着する。次に、空気電極3の下部
開口端に第2の金属封止材14を配置し、さらに、この
第2の金属封止材14を空気極開口端の円周に沿って圧
縮する方向に絞ることで、第2の金属封止材14を空気
電極3に装着する。このとき、開口端に表れている金属
集電体10は、金属集電体2の円周部で第1及び第2の
金属封止材13,14と直接接触するように配置されて
いる。
【0034】そして、以上のようにして作製された空気
電極3の外側に、不織布等からなる空気拡散材4を装着
する。そして、空気拡散材4が装着された空気電極3
を、第2の金属封止材14が配されている方が電池缶2
の底面部と対向するように電池缶2に挿入する。この電
池缶2は、空気電極3の外部正極端子を兼ねるもので、
その側面に空気孔15が形成されている。
【0035】次に、空気電極3の内側に、天然パルプ材
等の不織布よりなる中空有底円筒状のセパレータ5を、
当該空気電極3に当接するように挿入する。さらに、こ
のセパレータ5の内部にゲル状の負極合剤6を充填す
る。
【0036】ここで、この負極合剤6は、粒状亜鉛と、
酸化亜鉛粉末と、水酸化カリウム水溶液との混合物を、
ゲル化剤によってゲル状とすることにより調製される。
この空気電池では、負極合剤6をゲル化するゲル化剤と
して、架橋型のポリアクリル酸又はその塩を用いる。ポ
リアクリル酸の塩としては、例えばポリアクリル酸ナト
リウムが挙げられる。
【0037】また、負極合剤6中に含有されるゲル化剤
の量は、水酸化カリウム水溶液に対して4重量%〜10
重量%であることが好ましい。ゲル化剤の量を上記のよ
うにすることで、放電特性を低下させることなく、水酸
化カリウム水溶液を十分に保持して耐漏液特性を向上す
ることができる。
【0038】さらに、この負極合剤6は、水酸化リチウ
ムを含有する。水酸化リチウムを負極合剤6中に添加す
ることで、亜鉛の腐食を抑制し、水素ガスの発生を抑え
て電池内圧の上昇による水酸化カリウム水溶液の外部へ
の漏出を防ぐことができる。
【0039】このような水酸化リチウムの添加量は、負
極合剤全体の0.1重量%〜1重量%とすることが好ま
しい。水酸化リチウムの添加量を上述のようにすること
で、亜鉛の表面を過剰に覆って放電特性を低下させてし
まうことなく、亜鉛の腐食を抑制し水素ガスの発生を抑
えて、耐漏液特性を向上することができる。
【0040】次に、ガスケット7を電池缶2の開口部に
挿入する。ここで、このガスケット7の中央には釘状の
負極集電ピン8が貫通し、負極端子板9と電気的に接続
されている。ここで、空気電極3の金属集電体10は、
第2の金属封止材14を介して、正極端子を兼ねる電池
缶2て接続される。一方、負極の集電は釘状の負極集電
ピン8がガスケット7の中央部に圧入され、ガスケット
7を貫通して負極合剤6に達することで確保される。
【0041】最後に、電池缶2の開口部を機械的に内側
に屈曲させることにより電池缶2と負極端子板9とをか
しめて封口する。そして、電池缶2の外側面に絶縁チュ
ーブ16を装着し、絶縁チューブ16上に、空気孔15
を塞ぐためのシール17を装着する。このようにして、
図1に示したような、外径が例えば14mm、高さが例
えば50mmの円筒形の空気電池1が作製される。
【0042】
【実施例】上述したような構成を有する空気電池を作製
した。
【0043】〈実施例1〉酸素還元能力を有する触媒と
してマンガン酸化物を用い、このマンガン酸化物と、カ
ーボンブラックと、活性炭と、さらにPTFEの水性分
散液とを混合し、ペースト状の触媒層混合物を得た。さ
らに、このペースト状の触媒層混合物をプレスローラ間
に通して圧延してシート状とした。
【0044】次に、このシート状の触媒層混合物を、ニ
ッケルめっきを施した中空筒状の焼結ステンレスネット
からなる金属集電体に巻き付けて圧着し、乾燥すること
により中空筒状の触媒層を形成した。
【0045】次に、この触媒層上にPTFEからなる多
孔質膜を巻き付け、プレスロール工程を用いて多孔質膜
と触媒層とを圧着した。このようにして、中空筒型の空
気電極を作製した。
【0046】そして、この空気電極の上部開口端に、第
1の金属封止材を配置し、さらにこの第1の金属封止材
を空気極開口端の円周に沿って圧縮する方向に絞ること
で、第1の金属封止材を空気電極に装着した。次に、空
気電極の下部開口端に第2の金属封止材を配置し、さら
に、この2金属封止材を空気極開口端の円周に沿って圧
縮する方向に絞ることで、第2の金属封止材を空気電極
に装着した。
【0047】上述した空気電極の外側に空気拡散紙を巻
き付け、側面に空気孔を有し正極端子を兼ねる電池缶内
に、金属封止材が正極端子側になるように挿入した。そ
して、空気電極の内側に有底円筒状のセパレータを触媒
層に当接するように挿入し、さらに、セパレータの内側
にゲル状の負極合剤を充填した。
【0048】ここで、この負極合剤は、粒状亜鉛を70
重量%と、酸化亜鉛粉末を1.4重量%と、ポリアクリ
ル酸ナトリウムを1.4重量%と、水酸化リチウムを
0.5重量%とを、26.7重量%の水酸化カリウム水
溶液に加えて混合することにより調製した。なお、この
とき、負極合剤中に含有されるポリアクリル酸ナトリウ
ムの量は水酸化カリウム水溶液に対して約5重量%であ
り、負極合剤中に含有される水酸化リチウムの量は負極
合剤に対して約0.5重量%であった。
【0049】次に、この電池缶の開口部に、ガスケット
と、釘状の負極集電ピンが溶接された負極端子板とを順
次組み込み、正極缶の開口部を冶具を用いてかしめるこ
とにより封口した。このとき、金属封止材は、電池缶の
内壁面に強く圧接される。そして、この電池缶の側面に
絶縁チューブを装着し、さらに、絶縁チューブの側面
に、空気孔を密閉するためのシールを装着して、直径が
14mm、高さが50mmの筒型の空気電池を作製し
た。
【0050】〈実施例2〉負極合剤中に含有されるポリ
アクリル酸ナトリウムの量を、水酸化カリウム水溶液に
対して約4重量%としたこと以外は、実施例1と同様に
して空気電池を作製した。
【0051】〈実施例3〉負極合剤中に含有されるポリ
アクリル酸ナトリウムの量を、水酸化カリウム水溶液に
対して約10重量%としたこと以外は、実施例1と同様
にして空気電池を作製した。
【0052】〈比較例1〉負極合剤中に含有されるポリ
アクリル酸ナトリウムの量を、水酸化カリウム水溶液に
対して約3重量%とし、負極合剤中に水酸化リチウムを
添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして空気
電池を作製した。
【0053】〈比較例2〉負極合剤中に含有されるポリ
アクリル酸ナトリウムの量を、水酸化カリウム水溶液に
対して約4重量%とし、負極合剤中に水酸化リチウムを
添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして空気
電池を作製した。
【0054】〈比較例3〉負極合剤中に含有されるポリ
アクリル酸ナトリウムの量を、水酸化カリウム水溶液に
対して約5重量%とし、負極合剤中に水酸化リチウムを
添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして空気
電池を作製した。
【0055】〈比較例4〉負極合剤中に含有されるポリ
アクリル酸ナトリウムの量を、水酸化カリウム水溶液に
対して約10重量%とし、負極合剤中に水酸化リチウム
を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして空
気電池を作製した。
【0056】〈比較例5〉負極合剤中に含有されるポリ
アクリル酸ナトリウムの量を、水酸化カリウム水溶液に
対して約12重量%とし、負極合剤中に水酸化リチウム
を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして空
気電池を作製した。
【0057】〈比較例6〉負極合剤中に含有されるポリ
アクリル酸ナトリウムの量を、水酸化カリウム水溶液に
対して約3重量%とし、負極合剤中に含有される水酸化
リチウムの量を、負極合剤に対して約0.5重量%とし
たこと以外は、実施例1と同様にして空気電池を作製し
た。
【0058】〈比較例7〉負極合剤中に含有されるポリ
アクリル酸ナトリウムの量を、水酸化カリウム水溶液に
対して約4重量%とし、負極合剤中に含有される水酸化
リチウムの量を、負極合剤に対して約2重量%としたこ
と以外は、実施例1と同様にして空気電池を作製した。
【0059】〈比較例8〉負極合剤中に含有されるポリ
アクリル酸ナトリウムの量を、水酸化カリウム水溶液に
対して約10重量%とし、負極合剤中に含有される水酸
化リチウムの量を、負極合剤に対して約2重量%とした
こと以外は、実施例1と同様にして空気電池を作製し
た。
【0060】以上のようにして作製された空気電池につ
いて、耐漏液特性及び負極利用率を評価した。
【0061】耐漏液特性は、空気電池を10サンプル用
意し、60℃で40日間密封保存した。そして、保存後
に漏液が確認された電池の個数を調べた。
【0062】また、負極利用率は、電池作製後に、2Ω
の定抵抗で、終止電圧0.9Vとなるまで放電を行い、
そのときの負極利用率を測定した。
【0063】実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例
8の空気電池についての、耐漏液特性及び負極利用率の
結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】ゲル化剤の含有量が、水酸化カリウム水溶
液に対して4重量%よりも少ない比較例1、比較例6の
空気電池では、多くのサンプル電池に漏液が発生した。
これは、水酸化カリウム水溶液をゲル化剤中に十分に保
持できないため、水酸化カリウム水溶液が外部に進出し
てしまったためと考えられる。
【0066】また、ゲル化剤の含有量が、水酸化カリウ
ム水溶液に対して10重量%よりも覆い比較例5の空気
電池では、2Ω定抵抗放電における負極利用率が減少し
た。これは、電池反応に用いられる水酸化カリウム水溶
液の量が少なくなるためと考えられる。
【0067】一方、ゲル化剤の含有量が、水酸化カリウ
ム水溶液に対して4重量%〜10重量%とされた実施例
1〜実施例3及び比較例2〜比較例4の空気電池では、
保存後においても漏液は全く発生せず、また、2Ω定抵
抗放電における負極利用率も良好な結果が得られた。
【0068】しかし、比較例2と実施例2、比較例3と
実施例1、比較例4と実施例3を比較して明らかなよう
に、負極合剤中に水酸化リチウムを添加した空気電池で
は、負極合剤中に水酸化リチウムを添加しない空気電池
に比べて、2Ω定抵抗放電の負極利用効率が向上した。
これは、水酸化リチウムが、亜鉛の腐食を抑制すること
で、亜鉛の腐食による放電特性の劣化が抑えられたため
と思われる。
【0069】また、比較例1と比較例6を比較して明ら
かなように、負極合剤中に水酸化リチウムを添加する
と、漏液電池本数が減少した。これは、水酸化リチウム
が水素ガス発生反応を抑制し、電池内の内圧上昇からく
る水酸化カリウム水溶液の外部への進出が抑えられたた
めと考えられる。
【0070】しかし、比較例7、比較例8から、水酸化
リチウムの添加量が1重量%よりも多すぎると、2Ω定
抵抗放電の負極利用効率が非常に下がってしまった。こ
れは、水酸化リチウムが粒状亜鉛の表面を過剰に覆い、
水酸化カリウム水溶液と亜鉛との接触が著しく妨げられ
るためと思われる。
【0071】従って、ゲル化剤の量を、水酸化カリウム
水溶液の4重量%〜10重量%とするとともに、水酸化
リチウムの量を、負極合剤に対して0.1重量%〜1重
量%とすることで、耐漏液特性及び放電特性に優れた空
気電池が得られることがわかった。
【0072】
【発明の効果】本発明の空気電池では、負極合剤が、架
橋分岐型のポリアクリル酸又はその塩によってゲル状と
されているので、負極合剤中の電解液がゲル化剤中に保
持され、電解液の漏出が防止される。
【0073】さらに、本発明の空気電池では、負極合剤
が、水酸化リチウムを含有しているので、亜鉛の腐食が
抑制されて水素ガスの発生が抑えられ、電池内圧の上昇
が防止される。
【0074】従って、本発明では、電池内圧の上昇によ
る水酸化カリウム水溶液の漏出を防止することができ、
耐漏液特性に優れた空気電池を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気電池の一構成例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 空気電池、 2 電池缶、 3 空気電極、 4
空気拡散材、 5 セパレータ、 6 負極合剤、 7
ガスケット、 8 負極集電ピン、 9 負極端子板
10 金属集電体、 11 触媒層、 12 気体透
過膜、 13第1の金属封止材、 14 第2の金属封
止材、 15 空気孔、 16 絶縁チューブ、 17
シール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H015 AA02 DD01 EE05 EE15 EE17 HH01 5H032 AA02 AS03 AS11 CC16 EE14 HH01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状亜鉛と、水酸化カリウム水溶液と、
    ゲル化剤とを含有する負極合剤を有し、 上記負極合剤は、上記ゲル化剤として架橋分岐型のポリ
    アクリル酸又はその塩を用いるともに、当該ゲル化剤を
    上記水酸化カリウム水溶液に対して4重量%〜10重量
    %の割合で含有し、 さらに、上記負極合剤は、水酸化リチウムを0.1重量
    %〜1重量%の割合で含有していることを特徴とする空
    気電池。
  2. 【請求項2】 上記ゲル化剤として、架橋分岐型のポリ
    アクリル酸ナトリウムを用いることを特徴とする請求項
    1記載の空気電池。
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