JPH10302808A - 酸素還元電極および空気亜鉛電池 - Google Patents

酸素還元電極および空気亜鉛電池

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JPH10302808A
JPH10302808A JP9111597A JP11159797A JPH10302808A JP H10302808 A JPH10302808 A JP H10302808A JP 9111597 A JP9111597 A JP 9111597A JP 11159797 A JP11159797 A JP 11159797A JP H10302808 A JPH10302808 A JP H10302808A
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JP
Japan
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oxygen reduction
reduction catalyst
reaction layer
manganese dioxide
zinc
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JP9111597A
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Kazuyoshi Honda
一良 本田
Tomoyuki Kanai
智之 金井
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大電流放電特性にすぐれ、かつ活性化速度が
早く、保存しても信頼性の高い酸素還元電極と、その酸
素還元電極を使用した空気亜鉛電池を提供する。 【解決手段】 本発明に係る酸素還元電極は、酸素還元
触媒と、酸素還元触媒を担持する炭素材料と、酸素還元
触媒と炭素材料を結着させるフッ素樹脂から構成される
反応層を備えるとともに、反応層と一体化され補強材お
よび集電層となる金属製スクリーンと、反応層と密着し
て一体化され酸素供給口となる多孔質膜とを備えてい
る。そして上記酸素還元触媒は四酸化三マンガンと二酸
化マンガンの混合物であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活物質として酸素
を還元して利用する酸素還元電極に関し、また、この酸
素還元電極を用いる空気亜鉛電池に関する。
【0002】
【従来の技術】酸素を活物質として使用する電極を用い
た電池として、空気亜鉛電池や燃料電池などが知られて
いる。近年では地球環境や資源の有効利用に大きな関心
が集まっており、その観点からも酸素を利用するこれら
の電池はクリーンな電源として注目を集めている。例え
ば、補聴器用の電池として従来水銀電池が使用されてい
たが、活物質として酸化水銀を使用する水銀電池は地球
環境上から問題視されるようになり、その代替として空
気亜鉛電池が使用されるようになった。また空気亜鉛電
池は、他の電池と比較して単位体積あたりのエネルギー
密度がアルカリマンガン電池の約5倍、酸化銀電池の約
3倍、水銀電池やリチウム電池の約2倍と格段に優れて
いる。よって小型で大電流を必要とし、かつ電池交換の
手間が省けることが望まれるものとしてページャーや携
帯用医療機器にもその用途が広がっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこうした大きな
長所を持つ空気亜鉛電池であるが、取り出せる電流の大
きさには限界がある。一方で、近年における補聴器やペ
ージャー等の携帯機器は、多機能化による性能向上が進
んでおり、市場からはより大きな電流での放電が要望さ
れている。これに対して、これまでの空気亜鉛電池では
連続放電で取り出せる電流は酸素還元電極の電極面あた
りで5〜7mA/cm2程度で、電流が酸素還元電極単
位面積あたり10mA/cm2以上の大電流放電になる
と著しく放電容量が低下する問題があった。
【0004】この問題に対して、従来の技術では大電流
放電特性を向上させると、耐漏液性や未使用で保存時の
電気容量保持性などが著しく低下してしまい、信頼性が
低く実使用には適さないという欠点があった。
【0005】空気亜鉛電池に使用されている電解液は、
大電流を取り出すため電気抵抗の小さい、濃厚な水酸化
カリウム水溶液である。この電解液は電池の外部に漏れ
出した場合、その強アルカリ性のため腐食性が激しい。
よって十分な液密性を確保しなければならない。しかし
大電流を取り出すためにはこの電解液が酸素還元電極に
浸透しなければならないが、浸透性が強すぎると反応層
を全部濡らしてしまい酸素が供給されない状態となり放
電不能に陥ってしまう。最悪の場合、空気孔から外部に
液漏れしてしまう恐れもある。よってある程度電解液の
浸透性を抑えても、容量劣化と液漏れが生じないような
信頼性を確保しなければならない。電解液の浸透性を抑
えることは取り出せる電流が小さくなることになる。
【0006】また空気電池は未使用状態においては空気
孔をシールで防ぐことによって自己放電等による性能劣
化を防止し、使用する直前にシールを剥がして空気孔を
解放し、そこから空気を取り入れて電池を活性化し起電
反応を発生させている。このとき活性化の速度が遅いと
機器に装填してから暫く待たないと機器が作動しないた
め、シール解放後、より短時間で電池が活性化し機器の
作動電圧に到達する特性も要望されている。
【0007】この前述した2点の性能は、主に酸素還元
電極の反応層内の触媒性能に大きく依存している。ゆえ
に活性の高い白金等の貴金属触媒を用いれば性能上の問
題は解決するが、コストで大きな問題を抱えることにな
る。そこで特開昭59−86159号公報、特開昭58
−157068号公報等に低コストのマンガン酸化物触
媒が検討されてはいるがいまだに十分な性能は得られて
いないのが実情である。
【0008】そこで本発明は、このような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、安価で優れたマンガン酸
化物の酸素還元触媒を電極に使用することで、大電流放
電特性にすぐれ、かつ活性化速度が早く、保存しても信
頼性の高い酸素還元電極と、その酸素還元電極を使用し
た空気亜鉛電池を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る酸素還元電極は、酸素還元触媒と、
酸素還元触媒を担持する炭素材料と、酸素還元触媒と炭
素材料を結着させるフッ素樹脂とから構成される反応層
を備えるとともに、反応層と一体化され補強材および集
電層となる金属製スクリーンと、反応層と密着して一体
化され酸素供給口となる多孔質膜とを備えている。そし
て上記酸素還元触媒は四酸化三マンガンと二酸化マンガ
ンの混合物であることを特徴とするものである。
【0010】また、本発明に係る空気亜鉛電池に用いら
れる酸素還元電極は、酸素還元触媒と、酸素還元触媒を
担持する炭素材料と、酸素還元触媒と炭素材料を結着さ
せるフッ素樹脂とから構成される反応層を備えるととも
に、反応層と一体化され補強材および集電層となる金属
製スクリーンと、反応層と密着して一体化され酸素供給
口となる多孔質膜とを備えている。そして上記酸素還元
触媒は四酸化三マンガンと二酸化マンガンの混合物であ
ることを特徴とするものである。
【0011】本発明は酸素還元触媒を四酸化三マンガン
と二酸化マンガンの混合物とすることにより、この電極
を使用する空気亜鉛電池を大電流放電にすぐれ、かつシ
ール解放後に短時間で作動電圧に達し、かつ保存後の信
頼性が高い電極を可能にするものである。また、四酸化
三マンガンと二酸化マンガンの結晶構造、またはブルナ
ウアー・エメット・テーラー比表面積を適正化すること
によって、さらに特性を向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明を適用した酸素還元電極の
断面図である。
【0014】酸素還元電極1は、酸素を還元する反応層
2と、補強と集電のための金属スクリーン3と、酸素供
給口となる多孔質膜4とから構成されている。
【0015】多孔質膜4は、外部から空気を取り入れる
が、同時に、内部の電解液は漏らさないことが必要とさ
れ、例えばポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹
脂が用いられる。
【0016】反応層2は酸素還元触媒とそれを担持する
炭素材料、およびそれらを結着するフッ素樹脂からな
る。フッ素樹脂として、例えばポリテトラフルオロエチ
レンが用いられる。酸素還元触媒には酸化マンガンが、
炭素材料にはカーボンブラック、活性炭等が用いられ
る。
【0017】大電流放電においては電解液による反応層
の濡れが大きくなるため、濡れによって触媒活性が低下
しない触媒が必要になる。電解液に水酸化カリウム水溶
液を用いた場合、電解液に対する安定性は、マンガン酸
化物のなかでも四酸化三マンガンが最も優れており、大
電流放電特性とともに貯蔵後の性能劣化も小さい。しか
し一方で四酸化三マンガンは空気流入時の活性化速度が
遅いという欠点を有している。この空気流入時の活性化
速度においては二酸化マンガンが優れている。
【0018】ここで、本発明を適用した酸化還元電極で
は酸化還元触媒として、四酸化マンガンと二酸化マンガ
ンを混合して用いる。この2種類のマンガン酸化物を混
合し酸素還元電極の反応層に酸素還元触媒として用いる
ことで、すべての特性にすぐれる酸化還元電極が構成で
きる。具体的には、四酸化三マンガンの混合比を、30
重量%〜80重量%とし、残りを二酸化マンガンとする
のが好ましい。
【0019】さらに、触媒性能を向上させるためには、
二酸化マンガンはβ型結晶構造のものを用い、四酸化三
マンガン、二酸化マンガンのブルナウアー・エメット・
テーラー比表面積(以下、BET比表面積と記す)をそ
れぞれ10m2/g以上、20m2/g以上とするのがよ
り好ましい。
【0020】図2は本発明を適用した空気亜鉛電池の断
面図である。
【0021】この空気亜鉛電池5は、空気孔6および上
記酸素還元電極1が設けられる正極ケース7と、負極合
剤8が充填される負極ケース9が、絶縁ガスケット10
を介して構成される。
【0022】正極ケース7は正極端子としての機能も兼
ねている。その底部には空気を取り入れるための空気孔
6が穿設され、不使用時はシール11によって外側を塞
ぐことにより保存が可能となる。正極ケース7内の底部
中心には、正極ケース7内の底部から順に空気拡散紙1
2、撥水膜13、酸素還元電極1、セパレータ14、電
解液保持層15が重ねられて配置されている。
【0023】上記空気拡散紙12は、空気孔6から取り
入れられた空気を、酸素還元電極1に均一に供給するた
めのものである。上記撥水膜13は、液漏れを防ぐため
のもので、例えばポリテトラフルオロエチレン膜などの
多孔質膜が使われる。上記酸素還元電極1は、酸素供給
口となる多孔質膜4が下側となるように配置される。上
記セパレータ14および上記電解液保持層15は、負極
ケース9内に充填された負極合剤8を閉塞するためのも
ので、例えばセルロースフィルムや不織布等からなる。
【0024】負極ケース9は負極端子としての機能も兼
ねている。負極ケース9内には負極合剤8が充填されて
いる。この負極合剤8は負極活物質となる粒状亜鉛と、
水酸化カリウム水溶液を使用した電解液と、ゲル状とし
て液漏れを防ぐためのゲル化剤とからなる。ゲル化剤に
は、例えば、カルボキシメチルセルロースなどが用いら
れる。
【0025】絶縁ガスケット10は負極ケース9に組み
込まれ一体化されている。この絶縁ガスケット10は、
負極ケース9内に充填された負極合剤8の漏出を防止す
るためのものである。
【0026】また、本発明に係る酸素還元電極は空気亜
鉛電池の電極としてのみでなく、燃料電池の電極として
使用してもよい。
【0027】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について実験
結果に基づいて説明する。
【0028】〈実験例1〉以下に示すような方法により
酸素還元電極1およびこの酸素還元電極1を用いた空気
亜鉛電池5を作製した。
【0029】まず、反応層2として酸素還元触媒を30
重量%、酸素還元触媒を担持する炭素材料を30重量
%、結着剤を40重量%で混合し、均一になるまで攪拌
した。
【0030】このとき、酸素還元触媒として二酸化マン
ガンのみを用いた。また、炭素材料はカーボンブラック
を用いた。結着剤としてポリテトラフルオロエチレンの
水性ディスパージョンを用い、その組成は水40重量
%、固形分60重量%とした。混合した材料を直径φ
0.15mmのニッケル線からなる40メッシュの金属
スクリーン3に均一に塗着し乾燥させた。乾燥後にロー
ラーを通過させて反応層を圧縮し厚さ0.40mmの反
応層2と金属スクリーン3の一体物を得た。この一体物
の片側にポリテトラフルオロエチレンの多孔質膜4を重
ねて、ローラーを通過させることで多孔質膜4と反応層
2を一体化し酸素還元電極1とした。
【0031】続いて、上記酸素還元電極1を直径11.
0mmの円形に打ち抜いて、PR44タイプの空気亜鉛
電池5を作製した。空気亜鉛電池5の作製は以下の順序
で行った。
【0032】正極端子を兼ねる正極ケース7の底部中心
に空気拡散紙12を設置した。その上に撥水膜13とな
るポリテトラフルオロエチレン多孔質膜を直径11.0
mmの円形に打ち抜いて挿入し、その上に多孔質膜4を
下側にして、前述した酸素還元電極1を挿入した。その
上にセルロースフィルムからなるセパレータ14と、セ
ルロース繊維からなる不織布の電解液保持層15とをそ
れぞれ直径11.0mmの円形に打ち抜いて挿入した。
【0033】負極端子を兼ねる負極ケース9に絶縁ガス
ケット10を組み込み一体化させ、その負極ケースと絶
縁ガスケットの一体物の内側に、粒状亜鉛と電解液とな
る水酸化カリウム水溶液をカルボキシメチルセルロース
でゲル化した負極合剤8を注入した。この負極合剤8を
注入した負極ケース9と絶縁ガスケット10に電解液保
持層15まで挿入してある正極ケース7をかぶせて正極
ケース7の開口部の全周を負極ケース9側へ機械的に屈
曲させて空気亜鉛電池5を封口した。最後に正極ケース
7の底部の空気孔6にシール11を貼り空気亜鉛電池5
を完成した。
【0034】〈実験例2〜実験例11〉酸素還元触媒と
して四酸化三マンガンと二酸化マンガンの混合物を用
い、その混合比を重量比で表1のように変えたこと以外
は、実験例1と同様にして酸素還元電極を作製し、この
酸素還元電極を用いて空気亜鉛電池を作製した。
【0035】
【表1】
【0036】〈実験例12〜実験例16〉酸素還元触媒
として従来用いられている三酸化二マンガンと二酸化マ
ンガンの混合物を用い、その混合比を表2のように変え
たこと以外は、実験例1と同様にして酸素還元電極を作
製し、この酸素還元電極を用いて空気亜鉛電池を作製し
た。
【0037】
【表2】
【0038】〈実験例17〜実験例21〉酸素還元触媒
として四酸化三マンガンと二酸化マンガンの混合物を用
い、その混合比を重量比で50:50とし、四酸化三マ
ンガンのBET比表面積を表3のように変えたこと以外
は、実験例1と同様にして酸素還元電極を作製し、この
酸素還元電極を用いて空気亜鉛電池を作製した。
【0039】
【表3】
【0040】〈実験例22〜実験例25〉酸素還元触媒
として四酸化三マンガンと二酸化マンガンの混合物を用
い、 その混合比を重量比で50:50とし、四酸化マ
ンガンはBET比表面積を12m2/gとし、二酸化マ
ンガンの結晶構造を表4に示すようにα、β、γ、δ型
と変えたこと以外は、実験例1と同様にして酸素還元電
極を作製し、この酸素還元電極を用いて空気亜鉛電池を
作製した。
【0041】
【表4】
【0042】〈実験例26〜実験例31〉酸素還元触媒
として四酸化三マンガンと二酸化マンガンの混合物を用
い、その混合比を重量比で50:50とし、四酸化マン
ガンはBET比表面積を12m2/gとし、二酸化マン
ガンはβ型結晶構造のものを用い、BET比表面積を表
5に示すように変えたこと以外は、実験例1と同様にし
て酸素還元電極を作製し、この酸素還元電極を用いて空
気亜鉛電池を作製した。
【0043】
【表5】
【0044】以上のようにして作製された空気亜鉛電池
について、それぞれ電池特性を評価した。評価は、次の
4項目について行った。
【0045】(1) 空気亜鉛電池完成直後に100Ω
の負荷で放電させ電圧0.9Vを切るまでの放電容量。
【0046】100Ωでの電流負荷は電極反応面積あた
り約11mA/cm2になる。
【0047】(2) 空気亜鉛電池の状態から空気孔の
シール11を開封して電池電圧が1.35Vに達するま
での所要時間。
【0048】空気孔のシール11を開封すると空気孔よ
り空気が空気亜鉛電池内部へと流入し、反応層1に到達
するとそこで空気中の酸素と起電反応が発生し電池電圧
が上昇を開始する。そして機器を作動させるのに十分な
電池電圧である1.35Vに達する時間が短いものほど
電極としての活性化速度が高いことになる。
【0049】(3) 空気亜鉛電池完成後60℃20日
の保存を行ってから、100Ωの負荷で放電させ電圧1
00Vを切るまでの放電容量。
【0050】60℃20日保存は常温1年保存に相当す
る加速試験である。
【0051】(4) 空気亜鉛電池完成後60℃20日
の保存を行ってから、空気孔のシール11を開封して電
池電圧が1.35Vに達するまでの所要時間。
【0052】作製した空気亜鉛電池について行った、上
記4項目の電池特性の評価結果を表6〜表10に示す。
【0053】表6は四酸化三マンガンと二酸化マンガン
の混合比を変えて行った実験例1〜実験例11について
の評価結果である。
【0054】また、図3には四酸化三マンガンと二酸化
マンガンの混合比と、100Ω負荷での放電容量の関係
を、図4には四酸化三マンガンと二酸化マンガンの混合
比と、シール開封後に電池電圧が1.35Vに達するま
での時間の関係を示す。
【0055】
【表6】
【0056】まず、四酸化三マンガンと二酸化マンガン
の混合比と、100Ω負荷での放電容量の関係をみる
と、表6および図3から明らかなように、四酸化三マン
ガンの混合比が30重量%までは四酸化三マンガンの増
加にともない、放電容量も増大するが、四酸化三マンガ
ンの混合比が30重量%を越えると放電容量はの増大は
ごくわずかとなる。よって、大きな放電容量を得るため
には四酸化三マンガンの割合を30重量%以上とするの
がよい。
【0057】つぎに、四酸化三マンガンと二酸化マンガ
ンの混合比と、シール開封後に電池電圧が1.35Vに
達するまでの時間の関係をみると、表6および図4から
明らかなように四酸化三マンガンの混合比の増大にとも
ないシール開封後に電池電圧が1.35Vに達するまで
の時間は長くなっているがその変化はごくわずかであ
る。しかし、四酸化三マンガンの混合比が80重量%を
越えるとその時間は急激に長くなる。よってシール開封
後の活性化速度を高めるためには、四酸化三マンガンの
混合比は80重量%以下とするのがよい。
【0058】したがって、四酸化三マンガンの混合比が
30重量%〜80重量%であり、残りが二酸化マンガン
である酸素還元触媒を用いることにより、大きな放電容
量とシール開封後の高い活性化速度という二つのすぐれ
た性能の両立が可能となることがわかった。
【0059】表7は、四酸化三マンガンの代わりに、従
来用いられている三酸化二マンガンを用い、三酸化二マ
ンガンと二酸化マンガンの混合比を変えて行った実験例
12〜実験例16についての評価結果である。
【0060】
【表7】
【0061】四酸化三マンガンを用いた場合と比較する
と、酸素亜鉛電池製造直後は、100Ω負荷での放電容
量、シール開封後に電池電圧が1.35Vに達するまで
の時間ともに三酸化二マンガンと四酸化三マンガンの間
に特性に大きな違いはみられなかった。しかし、60℃
20日間保存をおこなった後はその特性に違いが表れ
た。すなわち、四酸化三マンガンのばあいは長期保存後
も特性に変化が見られないのに対し、三酸化二マンガン
では放電容量が大きく低下し、シール開封後に電池電圧
が1.35Vに達するまでの時間も長くなった。
【0062】したがって、四酸化三マンガンを用いるこ
とにより、長期保存後もすぐれた品質を維持できること
がわかった。
【0063】表8は、四酸化三マンガンのBET比表面
積を変えておこなった実験例17〜実験例21について
の評価結果である。
【0064】また、図5に四酸化三マンガンのBET比
表面積と、100Ω負荷での放電容量の関係を示す。
【0065】
【表8】
【0066】四酸化三マンガンのBET比表面積が大き
くなると放電容量も増大し、BET比表面積が10m2
/g以上で大きな放電容量を得ることができた。また、
四酸化三マンガンのBET比表面積とシール開封後に電
池電圧が1.35Vに達するまでの時間の相関関係は特
にみられなかった。
【0067】したがって、四酸化三マンガンのBET比
表面積を10m2/g以上とすることにより大きな放電
容量を得られることがわかった。
【0068】表9は二酸化マンガンの結晶構造を変えて
おこなった実験例22〜実験例25についての評価結果
である。
【0069】
【表9】
【0070】α、γ、δ型の二酸化マンガンについては
シール開封後に電池電圧が1.35Vに達するまでの時
間がβ型二酸化マンガンに比べて少し短いものもある
が、100Ω負荷での放電容量がいずれも大きく劣っ
た。また、60℃20日保存後に、α、γ、δ型の二酸
化マンガンでは放電容量の低下が見られたのに対し、β
型二酸化マンガンでは放電容量の低下はほとんど見られ
なかった。この傾向は四酸化三マンガンと二酸化マンガ
ンとの混合比が変わっても同様であった。
【0071】したがってβ型の結晶構造の二酸化マンガ
ンを用いることで、大きな放電容量とシール開封後の高
い活性化速度との両立が可能となることがわかった。
【0072】表10はβ型二酸化マンガンのBET比表
面積を変えておこなった実験例26〜実験例31につい
ての評価結果である。
【0073】また、図6には、β型二酸化マンガンのB
ET比表面積とシール開封後に電池電圧が1.35Vに
達するまでの時間の関係を示した。
【0074】
【表10】
【0075】β型二酸化マンガンのBET比表面積が大
きくなるとシール開封後に電池電圧が1.35Vに達す
るまでの時間は短くなり、BET比表面積が20m2
g以上の領域で短時間で作動電圧に達した。この傾向は
四酸化三マンガンとの混合比が変わっても同様であっ
た。二酸化マンガンのBET比表面積と100Ω負荷で
の放電容量の相関関係は特に見られなかった。
【0076】したがって、β型二酸化マンガンのBET
比表面積を20m2/g以上とすることにより、シール
開封後の高い活性化速度が得られることがわかった。
【0077】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、酸素還
元触媒として四酸化三マンガンと二酸化マンガンの混合
物を用いることによって、大電流特性に優れ、短時間で
作動電圧に達し、かつ保存後の信頼性も高く安価な酸素
還元電極および空気亜鉛電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した酸素還元電極の一構成例を示
す断面図である。
【図2】本発明を適用した空気亜鉛電池の一構成例を示
す断面図である。
【図3】四酸化三マンガンと二酸化マンガンの混合比
と、100Ω負荷での放電容量との関係を示す図であ
る。
【図4】四酸化三マンガンと二酸化マンガンの混合比
と、シール開封後に電池電圧が1.35Vに達する時間
との関係を示す図である。
【図5】四酸化三マンガンのブルナウアー・エメット・
テーラー比表面積と、100Ω負荷での放電容量との関
係を示す図である。
【図6】二酸化マンガンのブルナウアー・エメット・テ
ーラー比表面積と、シール開封後に電池電圧が1.35
Vに達する時間との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 酸素還元電極、 2 反応層、 3 金属スクリー
ン、 4 多孔質膜、5 空気亜鉛電池、 6 空気
孔、 7 正極ケース、 8 負極合材、 9負極ケー
ス、 10 絶縁ガスケット、 11 シール
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】(2) 空気亜鉛電池5の状態から空気孔
のシール11を開封して電池電圧が1.35Vに達する
までの所要時間。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】(3) 空気亜鉛電池完成後60℃20日
の保存を行ってから、100Ωの負荷で放電させ電圧
0.9Vを切るまでの放電容量。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】まず、四酸化三マンガンと二酸化マンガン
の混合比と、100Ω負荷での放電容量の関係をみる
と、表6および図3から明らかなように、四酸化三マン
ガンの混合比が30重量%までは四酸化三マンガンの増
加にともない、放電容量も増大するが、四酸化三マンガ
ンの混合比が30重量%を越えると放電容量の増大はご
くわずかとなる。よって、大きな放電容量を得るために
は四酸化三マンガンの割合を30重量%以上とするのが
よい。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素還元触媒と、酸素還元触媒を担持す
    る炭素材料と、酸素還元触媒と炭素材料を結着させるフ
    ッ素樹脂とから構成される反応層と、 反応層と一体化され、補強材および集電層となる金属製
    スクリーンと、 反応層と密着して一体化され、酸素供給口となる多孔質
    膜とを備え、 上記酸素還元触媒は四酸化三マンガンと二酸化マンガン
    の混合物であることを特徴とする酸素還元電極。
  2. 【請求項2】 上記反応層の全マンガン酸化物に対する
    四酸化三マンガンの混合比が、30重量%〜80重量%
    であり、残りが二酸化マンガンであることを特徴とする
    請求項1に記載の酸素還元電極。
  3. 【請求項3】 上記四酸化三マンガンは、ブルナウアー
    ・エメット・テーラー比表面積が10m2/g以上であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の酸素還元電極。
  4. 【請求項4】 上記二酸化マンガンはβ型の結晶構造を
    有し、かつブルナウアー・エメット・テーラー比表面積
    が20m2/g以上であることを特徴とする請求項1に
    記載の酸素還元電極。
  5. 【請求項5】 酸素還元触媒と、酸素還元触媒を担持す
    る炭素材料と、酸素還元触媒と炭素材料を結着させるフ
    ッ素樹脂とから構成される反応層と、 反応層と一体化され、補強材および集電層となる金属製
    スクリーンと、 反応層と密着して一体化され、酸素供給口となる多孔性
    膜とを備える酸素還元電極を有し、 上記酸素還元触媒は四酸化三マンガンと二酸化マンガン
    の混合物であることを特徴とする空気亜鉛電池。
  6. 【請求項6】 上記反応層の全マンガン酸化物に対する
    四酸化三マンガンの混合比が、30重量%〜80重量%
    であり、残りが二酸化マンガンであることを特徴とする
    請求項5に記載の空気亜鉛電池。
  7. 【請求項7】 上記四酸化三マンガンは、ブルナウアー
    ・エメット・テーラー比表面積が10m2/g以上であ
    ることを特徴とする請求項5に記載の空気亜鉛電池。
  8. 【請求項8】 上記二酸化マンガンはβ型の結晶構造を
    有し、かつブルナウアー・エメット・テーラー比表面積
    が20m2/g以上であることを特徴とする請求項5に
    記載の空気亜鉛電池。
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