JP2000079890A - 無限軌道履帯用フランジ付きリンクとその製造方法 - Google Patents

無限軌道履帯用フランジ付きリンクとその製造方法

Info

Publication number
JP2000079890A
JP2000079890A JP10308219A JP30821998A JP2000079890A JP 2000079890 A JP2000079890 A JP 2000079890A JP 10308219 A JP10308219 A JP 10308219A JP 30821998 A JP30821998 A JP 30821998A JP 2000079890 A JP2000079890 A JP 2000079890A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
link
flange
flanged
crawler
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10308219A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Takeno
裕之 竹野
Masahiro Nakajima
正弘 中島
Isao Yoshida
功 吉田
Yasukatsu Niitsu
坦克 新津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topy Industries Ltd
Original Assignee
Topy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topy Industries Ltd filed Critical Topy Industries Ltd
Priority to JP10308219A priority Critical patent/JP2000079890A/ja
Priority to EP98309919A priority patent/EP0921057B1/en
Priority to DE69818403T priority patent/DE69818403T2/de
Priority to CNB981227635A priority patent/CN1234564C/zh
Priority to KR1019980053156A priority patent/KR100315077B1/ko
Publication of JP2000079890A publication Critical patent/JP2000079890A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D55/00Endless track vehicles
    • B62D55/08Endless track units; Parts thereof
    • B62D55/18Tracks
    • B62D55/20Tracks of articulated type, e.g. chains
    • B62D55/205Connections between track links
    • B62D55/21Links connected by transverse pivot pins
    • B62D55/211Bitubular chain links assembled by pins and double connectors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D55/00Endless track vehicles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D55/00Endless track vehicles
    • B62D55/08Endless track units; Parts thereof
    • B62D55/18Tracks
    • B62D55/26Ground engaging parts or elements

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Road Paving Structures (AREA)
  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)
  • Load-Engaging Elements For Cranes (AREA)
  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)
  • Jib Cranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リンクと履板との締結強度の向上をはかる。 【解決手段】 リンク11に一体にフランジ12を形成
し、このフランジ12に履板40との締結用のボルトが
挿通するボルト孔21を設けた無限軌道履帯用フランジ
付きリンク10。リンク11の素材を山形鋼10A、曲
げ部材10E、または溶接部材10Fとする。上記無限
軌道履帯用フランジ付きリンク10を装着した無限軌道
履帯30。山形鋼を素材10Aとして、プレス打ち抜き
により無限軌道履帯用フランジ付きリンク10を製造す
る無限軌道履帯用フランジ付きリンク10の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブルドーザーやパ
ワーショベル、その他の無限軌道装着車両の無限軌道履
帯に用いられる無限軌道履帯用フランジ付きリンクと、
それと主要部を同一とする無限軌道履帯と、無限軌道履
帯用フランジ付きリンクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無限軌道履帯は、通常、鋼製のシュー
(履板)を鋼製のリンクにボルト締結または溶接接合し
たものが用いられる。しかし、鋼製シューを装着した無
限軌道装着車両が市街地を走行する時、鋼製シューが舗
装路面を損傷することが多い。その対策として、小型履
帯の場合、内部に鉄線や芯金を入れて補強したゴムクロ
ーラーや、鋼製履板の接地面をゴムやウレタンなどの弾
性材で覆った複合履板を鋼製リンクにボルト締結した履
帯を用いることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ゴムクローラ
ーは、無限軌道帯を装着した車両が傾斜地や凹凸の多い
路面で作業する場合、無限軌道履帯が車両から脱輪して
作業中断を余儀なくされることがある。また、ゴムクロ
ーラーの一部が損傷した場合には、その部分だけを交換
できないのでゴムクローラー全体を交換しなければなら
ず、その交換には多大のコストと作業量が必要であっ
た。一方、鋼製履板の接地面をゴムやウレタンなどの弾
性材で覆った履板は、部分的交換が可能なため、前述の
ゴムクローラーの問題点は解決できるが、通常の鋼製履
帯と同じ問題、すなわち、小型履帯の場合には、リンク
の履板接触面に締結用のボルト孔を確保することが難し
く、無理にボルト孔を穿設すると、使用時に、リンクの
履板接触面のうちボルト孔周縁に亀裂が生じるという強
度上の問題が、解決されないまま残る。通常の鋼製履板
の場合にはリンクと履板を溶接接合することにより強度
を確保できるが、鋼製履板の接地面をゴムやウレタンな
どの弾性材で覆った履板の場合には弾性材で覆った履板
をリンクに溶接接合すると、溶接時の熱で弾性材が剥離
したり、焼損するので、溶接接合ができず、上記の強度
上の問題を解決できない。本発明の目的は、鋼製履板の
接地面をゴムやウレタンなどの弾性材で覆った履板を用
いた履帯で用いられ、履板との接触面を広くとれ履板と
の締結強度が確保されるリンク、該リンクを用いた履
帯、該リンクの製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
する本発明はつぎの通りである。 (1) リンクと該リンクに一体のフランジとからな
り、前記リンクは、リンク厚さ方向に互いに位置をずら
された互いに平行な2つの端部と、前記2つの端部の間
に位置し前記2つの端部に対して傾けられ前記2つの端
部に一体の中間部とを有し、前記2つの端部の一方には
ピン孔が穿設されており他方にはブッシュ孔が穿設され
ており、前記フランジは前記リンクの前記中間部から直
角に折れ曲がって前記中間部から離れる方向に延びてお
り、前記フランジにはボルト孔が穿設されている、無限
軌道履帯用フランジ付きリンク。 (2) 前記フランジ付きリンクの素材が山形鋼であ
り、前記リンクが前記山形鋼の一辺を加工したものから
なり、前記フランジが前記山形鋼の他辺を加工したもの
からなる(1)記載の無限軌道履帯用フランジ付きリン
ク。 (3) 前記フランジ付きリンクの素材が平鋼を直角に
折り曲げた曲げ部材であり、前記リンクが前記平鋼素材
の幅方向の片側部分を加工したものからなり、前記フラ
ンジが前記平鋼素材の他の片側部分を加工したものから
なる(1)記載の無限軌道履帯用フランジ付きリンク。 (4) 前記フランジ付きリンクの素材が第1の平鋼に
直角に第2の平鋼を溶接した溶接部材であり、前記リン
クが前記溶接部材の一辺を加工したものからなり、前記
フランジが前記溶接部材の他辺を加工したものからなる
(1)記載の無限軌道履帯用フランジ付きリンク。 (5) 前記リンクは前記フランジと一体側の端面と反
対側の端面にローラー踏面を有し、該ローラー踏面とリ
ンク側面との間のコーナーの湾曲の半径をRとし、リン
クの厚さをTとすると、RとTとの間に、R≦(T/2
−1)の関係がある(1)記載の無限軌道履帯用フラン
ジ付きリンク。 (6) ピンとブッシュにより無端状に連結された複数
のフランジ付きリンクと、各フランジ付きリンクに締結
される履板とからなり、各履板が、金属板と、前記金属
板の少なくとも接地側面を覆うように前記金属板に固定
された弾性部材と、からなり、前記フランジ付きリンク
が、リンクと該リンクに一体のフランジとからなり、前
記リンクは、リンク厚さ方向に互いに位置をずらされた
互いに平行な2つの端部と、前記2つの端部の間に位置
し前記2つの端部に対して傾けられ前記2つの端部に一
体の中間部とを有し、前記2つの端部の一方にはピン孔
が穿設されており他方にはブッシュ孔が穿設されてお
り、前記フランジは前記リンクの前記中間部から直角に
折れ曲がって前記中間部から離れる方向に延びており、
前記フランジにはボルト孔が穿設されており、前記履板
が、前記フランジ付きリンクのフランジの前記ボルト孔
を挿通するボルトと該ボルトのねじ部に螺合するナット
とにより、前記フランジ付きリンクに締結されている、
無限軌道履帯。 (7) 前記フランジ付きリンクの素材が山形鋼であ
り、前記リンクが前記山形鋼の一辺を加工したものから
なり、前記フランジが前記山形鋼の他辺を加工したもの
からなる(6)記載の無限軌道履帯。 (8) 前記フランジ付きリンクの素材が平鋼を直角に
折り曲げた曲げ部材であり、前記リンクが前記平鋼素材
の幅方向の片側部分を加工したものからなり、前記フラ
ンジが前記平鋼素材の他の片側部分を加工したものから
なる(6)記載の無限軌道履帯。 (9) 前記フランジ付きリンクの素材が第1の平鋼に
直角に第2の平鋼を溶接した溶接部材であり、前記リン
クが前記溶接部材の一辺を加工したものからなり、前記
フランジが前記溶接部材の他辺を加工したものからなる
(6)記載の無限軌道履帯。 (10) 前記リンクは前記フランジと一体側の端面と
反対側の端面にローラー踏面を有し、該ローラー踏面と
リンク側面との間のコーナーの湾曲の半径をRとし、リ
ンクの厚さをTとすると、RとTとの間に、R≦(T/
2−1)の関係がある(6)記載の無限軌道履帯。 (11) 前記履板の前記金属板は、炭素量が0.05
〜0.30重量%の低炭素系のボロン鋼からなり、焼入
れのみからなる熱処理が施されている(6)記載の無限
軌道履帯。 (12) 素材として山形鋼を用意する工程と、前記素
材を所定長に切断する工程と、前記素材の山形鋼の一辺
の両端部をプレス打ち抜きするとともに該一辺にボルト
孔を打ち抜いてフランジを加工し、前記素材の山形鋼の
他辺の外形状をプレス打ち抜きするとともに該他辺にピ
ン孔、ブッシュ孔、泥抜き孔を打ち抜いてリンクを加工
する工程と、前記リンクの両端部が互いに平行に中間部
が両端部に対して傾くように前記両端部の各端部と中間
部との接続部を曲げる工程と、からなる無限軌道履帯用
フランジ付きリンクの製造方法。 (13) 前記素材の切断工程で、フランジ対応部のリ
ンク対応部に対する向きを、隣接する素材間で互いに同
じにする(12)記載の無限軌道履帯用フランジ付きリ
ンクの製造方法。 (14) 前記素材の切断工程で、フランジ対応部のリ
ンク対応部に対する向きを、隣接する素材間で互いに反
対にする(12)記載の無限軌道履帯用フランジ付きリ
ンクの製造方法。 (15) 素材として平鋼を用意する工程と、前記素材
を所定長に切断する工程と、前記切断部材の幅方向の片
側部分をプレス打ち抜きするとともにボルト孔を打ち抜
いてフランジを加工し、前記切断部材の他の片側部分の
外形状を、プレス打ち抜きするとともにピン孔、ブッシ
ュ孔、泥抜き孔を打ち抜いてリンク素材を加工する工程
と、前記リンク素材を直角に折り曲げるとともに、該リ
ンク素材の両端部が互いに平行に中間部が両端部に対し
て傾くように前記両端部の各端部と中間部との接続部を
曲げる工程と、からなる無限軌道履帯用フランジ付きリ
ンクの製造方法。 (16) 前記素材の切断工程で、フランジ対応部のリ
ンク対応部に対する向きを、隣接する素材間で互いに同
じにする(15)記載の無限軌道履帯用フランジ付きリ
ンクの製造方法。 (17) 前記素材の切断工程で、フランジ対応部のリ
ンク対応部に対する向きを、隣接する素材間で互いに反
対にする(15)記載の無限軌道履帯用フランジ付きリ
ンクの製造方法。 (18) 第1の平鋼をプレス打ち抜きするとともにボ
ルト孔を打ち抜いてフランジを加工し、第2の平鋼をプ
レス打ち抜きするとともにピン孔、ブッシュ孔、泥抜き
孔を打ち抜き、ついで、リンクの両端部が互いに平行で
中間部が両端部に対して傾くように前記両端部の各端部
と中間部との接続部を曲げてリンクを加工する工程と、
前記フランジと前記リンクの前記中間部とを直角に溶接
接合する工程と、からなる無限軌道履帯用フランジ付き
リンクの製造方法。
【0005】上記(1)の無限軌道履帯用フランジ付き
リンクでは、リンクに一体のフランジに、履板をリンク
に締結するボルトを挿通するボルト孔が穿設されている
ので、リンクにボルト孔をあけていた場合に比べて、フ
ランジの大きさを自由に選定することにより、履板との
接触面が広くとれ履板との締結強度の向上を図ることが
できる。さらに、ボルト穴ピッチを調節することによ
り、種々の穴ピッチを有する履板を装着することができ
る。上記(2)の無限軌道履帯用フランジ付きリンクで
は、フランジが一体となったのリンクの素材として山形
鋼を用いるので、リンクとフランジとを溶接接合する場
合に比べて溶接欠陥による亀裂発生のおそれが無く、板
を曲げてフランジを形成する場合に比べて直角度および
フランジの履板との接触面の平坦度を確保することがで
き、強度上望ましい。上記(3)の無限軌道履帯用フラ
ンジ付きリンクでは、フランジが一体となったリンクの
素材として曲げ部材を用いるので、安価な平鋼を用いる
ことができる。上記(4)の無限軌道履帯用フランジ付
きリンクでは、2つの平鋼の溶接部材を素材として用い
るので、リンクとフランジとの接合部の直角度を確保す
ることができる。上記(5)の無限軌道履帯用フランジ
付きリンクでは、R≦(T/2−1)としたので、ロー
ラー踏面に必要最小限の平坦部が確保される。上記
(6)の無限軌道履帯では、フランジ付きリンクを用い
るので、金属板と金属板の少なくとも接地側面を覆うよ
うに金属板に固定された弾性部材とからなる履板を締結
した小型無限軌道履帯の締結用に用いても、フランジの
大きさを自由に選定することにより、履板との接触面が
広くとれるようになるので、履板との締結強度を確保す
ることができる。その結果、リンクと履板の金属板とを
溶接接合する必要がなくなるので、溶接接合の場合に問
題となる履板の弾性部材の熱損傷のおそれがない。上記
(7)の無限軌道履帯では、フランジ付きリンクの素材
として山形鋼を用いるので、リンクとフランジとを溶接
接合する場合に比べて溶接欠陥からの亀裂発生のおそれ
がなく、板を曲げてフランジを形成する場合に比べて直
角度およびフランジの履板との接触面の平坦度を確保す
ることができ、強度上望ましい。上記(8)の無限軌道
履帯では、フランジ付きリンクの素材として曲げ部材を
用いるので、安価な平鋼を用いることができる。上記
(9)の無限軌道履帯では、フランジ付きリンクの素材
として2つの平鋼の溶接部材を素材として用いるので、
リンクとフランジとの接合部の直角度を確保することが
できる。上記(10)の無限軌道履帯では、R≦(T/
2−1)としたので、ローラー踏面に必要最小限の平坦
部が確保される。上記(11)の無限軌道履帯では、履
板の金属板を、炭素量が0.05〜0.30重量%の低
炭素系のボロン鋼からなり、焼入れのみかなる熱処理が
施された熱処理部材としたので、強度と靱性に優れた金
属板を安価に製造することができる。上記(12)、
(13)の無限軌道履帯用フランジ付きリンクの製造方
法では、山形鋼からフランジ付きリンクを製造するの
で、フランジの大きさを自由に選定することにより、履
板との接触面を広く確保することができ、履板との締結
強度の向上を図ることができる。また、リンクとフラン
ジとを溶接接合する場合に比べて溶接欠陥からの亀裂発
生のおそれがなく、板を曲げてフランジを形成する場合
に比べて直角度およびフランジの履板との接触面の平坦
度を確保することができ、強度上望ましい。上記(1
4)の無限軌道履帯用フランジ付きリンクの製造方法で
は、素材の歩留りの向上を図ることができる。上記(1
5)、(16)の無限軌道履帯用フランジ付きリンクの
製造方法では、フランジが一体のリンクの素材として曲
げ部材を用いるので、安価な平鋼を用いることができ
る。上記(17)の無限軌道履帯用フランジ付きリンク
の製造方法では、素材の歩留りの向上を図ることができ
る。上記(18)の無限軌道履帯用フランジ付きリンク
の製造方法では、2つの平鋼の溶接部材を素材として用
いるので、リンクとフランジとの接合部の直角度を確保
することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1、図2は本発明実施例の無限
軌道履帯用フランジ付きリンクを示し、図3〜図6は接
地面を弾性部材で覆った履板を示し、図7、図8は本発
明実施例の無限軌道履帯を示し、図9〜図16は本発明
実施例の無限軌道履帯用フランジ付きリンクの製造方法
を示す。
【0007】まず、本発明実施例の無限軌道履帯用フラ
ンジ付きリンクを、図1、図2を参照して、説明する。
本発明実施例の無限軌道履帯用フランジ付きリンク10
は、リンク11とリンク11に一体のフランジ12とか
らなる。フランジ付きリンク10は、フランジ12部位
にて、ボルト、ナットにより履板に締結される。
【0008】リンク11は、リンク厚さ方向(T方向)
およびリンク長手方向(L方向)に互いに位置をずらさ
れた互いに平行な2つの端部13、14と、2つの端部
13、14の間に位置し2つの端部13、14に対して
傾けられ2つの端部13、14に一体に接続する中間部
15とを有する。2つの端部13、14の一方にはピン
孔16が穿設されており、他方にはピン孔16より大径
のブッシュ孔17が穿設されている。また、中間部15
には、泥抜き用の孔18が穿設されている。
【0009】フランジ12は、適宜の長さと適宜の幅を
もつ。フランジ12は、リンク11の中間部15に対し
直角に折れ曲がって、リンク端部13、14の延びる方
向と直角方向に、中間部15から離れる方向に延びてい
る。図2に示すように、フランジ12は、リンク11の
2つの端部13、14の、ローラー踏面19と反対側の
面20を結ぶ面よりもフランジ12の厚さ分、ローラー
踏面19から離れる側に突出している。ただし、フラン
ジ12はリンク11の2つの端部13、14の、ローラ
ー踏面19と反対側の面20を結ぶ面よりもフランジ1
2の厚さ分、ローラー踏面19に近づく側に位置してい
てもよい。フランジ12には、フランジ付きリンク10
を履板に締結、固定するためのボルトが挿通するボルト
孔21が穿設されている。ボルト孔21の数は、1つの
フランジ付きリンク10当たり、通常2つである。2つ
のボルト孔21の中心を結ぶ線はリンク11の中間部1
5とほぼ平行である。
【0010】フランジ付きリンク10は、圧延鋼材から
なる。望ましくは、フランジ付きリンク10の素材10
Aは互いに直交する2辺(等辺等厚、等辺不等厚、不等
辺等厚、不等辺不等厚、のいずれであってもよい)をも
つ断面を有する山形鋼(図9)である。フランジ付きリ
ンク10の素材10Aが山形鋼である場合は、リンク1
1は山形鋼の一辺10A−1を加工したものからなり、
フランジ12は山形鋼の他辺10A−2を加工したもの
からなる。フランジ付きリンク10の素材は、山形鋼以
外であってもよく、たとえば、1つの圧延材を直角に折
り曲げた曲げ部材10E(図10)、または2つの圧延
材(平鋼)を直角に接触させて溶接した溶接部材10F
(図11)であってもよい。曲げ部材の場合は、穴あけ
→曲げの順でも曲げ→穴あけの順でもよい。溶接部材の
場合は、リンク11とフランジ12の形状を先にプレス
打ち抜きで形成しておいて、その後リンク11とフラン
ジ12を溶接してもよいし、先に2つの平鋼を直角に溶
接しておいて、その後フランジ12、リンク11の形状
をプレス打ち抜きで出してもよい。
【0011】リンク11はフランジ12と一体側の端面
20と反対側の端部にローラー踏面19を有する。図9
に示すように、ローラー踏面19とリンク側面22、2
3との間のコーナーの湾曲の半径をRとし、リンク11
の厚さをTとすると、RとTに、R≦(T/2−1)の
関係がある。この関係は、素材に山形鋼を使用する際に
重要である。この関係を求めるために、T=10mmと
し、R=3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0
mmと変化させて、耐久テストを行ったところ、R=
4.0mm以下で良好な耐久性が得られた。上記関係
は、このテスト結果に基づいて求められたものである。
【0012】つぎに、フランジ付きリンク10の作用を
説明する。フランジ付きリンク10がフランジ12を一
体に有し、フランジ12にて履板と接触するので、リン
ク11で履板と接触していた従来に比べて、履板との接
触面積が大きくなり、また、この大きな面積のフランジ
12にボルト孔21が形成されているので、リンクにボ
ルト孔が穿設されていた従来に比べてボルト孔を穿設す
る部位の面積を十分に確保することができる。その結
果、フランジ付きリンク10の履板との締結強度を高く
することができる。
【0013】また、フランジ付きリンク10の素材10
Aが山形鋼である場合は、素材を作製するのに溶接工程
を必要とせず、溶接でリンクを履板に溶接接合する場合
のような溶接部からの亀裂の発生のおそれがなくなる。
また、平板を折り曲げて作製するリンクに比べて折り曲
げを必要としないので、フランジのリンクに対する良好
な直角度が得られ、かつ、フランジ自体も良好な平坦度
が得られる。そのため、履板との接触が良好であり、履
板との締結強度が向上する。さらに、RとTに、R≦
(T/2−1)の関係があるので、ローラー踏面の必要
最小限の平坦部を確保することができ、無限軌道履帯を
装着した車両の耐久性が確保される。また、フランジ付
きリンク10の素材が曲げ部材10Bである場合は、安
価な平鋼を使用することができる。また、フランジ付き
リンク10の素材が溶接部材10Cである場合は、リン
クとフランジとの接合部の直角度を確保することができ
る。
【0014】つぎに、本発明実施例の無限軌道履帯を、
図3〜図8を参照して説明する。本発明実施例の無限軌
道履帯30は、図7、図8に示すように、ピン31(無
限軌道履帯30の複数のピン31のうちひとつはマスタ
ーピン33となる)とブッシュ32により無端状(環
状)に連結された複数のフランジ付きリンク10と、フ
ランジ付きリンク10にボルト46、ナット47で連
結、固定される履板40とからなる。各フランジ付きリ
ンク10は前述したフランジ付きリンク10と同じ構
成、作用を有する。
【0015】各履板40は、図3〜図6に示すように、
金属板41と、泥抜き孔45の部位を除いて金属板41
の少なくとも接地側面43を覆うように金属板41に固
定された弾性部材42と、からなる。弾性部材42は、
金属板41の長手方向(履帯長手方向と直交方向)の両
端部の側面と、該両端部の内面(環状履帯の内側に対向
する面)も覆っている。弾性部材42は、たとえば天然
ゴム、合成ゴム、ウレタンゴム、またはその他の弾性を
有する樹脂、を主成分とする材料からなり(たとえばス
チレン−ブタジエンゴムにカーボンブラックを混合した
ものからなり)、金属板41に固定される(たとえば加
硫接着により固定される)。金属板41は、たとえば鋼
板からなり、平板、または平板をプレスなどにより適宜
の形状に成形したものからなる。履板40の金属板41
は、炭素量が0.05〜0.30重量%の低炭素系のボ
ロン鋼からなり、焼入れのみからなる熱処理が施されて
いる部材を用いることが望ましい。これによって、強度
と靱性に優れた金属板を安価に製造することができる。
履板40は、金属板41の接地側面43と反対側の面を
フランジ付きリンク10のフランジ12と接触させた状
態で、フランジ付きリンク10に締結、固定される。金
属板41のフランジ12との接触面44は弾性部材42
により覆われておらず、金属板41のフランジ12との
接触面44はフランジ12に直接接触する。履板40に
は、履板長手方向中央部に、泥抜き孔45が設けられて
いる。
【0016】金属板41のフランジ12との締結構造
は、つぎのようになっている。すなわち、図3〜図5に
示すように、金属板41には、ナット46が溶接により
固定されている。ナット46は、金属板41の接地側面
43に溶接にて固定されている。ナット46を金属板4
1に固定した状態で金属板41を型に装着し、型に溶融
弾性材料を流し込んで弾性部材42を形成する。これに
よってナット46は弾性部材42によって覆われてお
り、弾性部材42に埋入されている。金属板41にはナ
ット46のねじ孔に合わせてボルト孔があけられてい
る。ボルト47を、フランジ12のボルト孔21を挿通
せしめ、金属板41のフランジ12との接触面44側
(弾性部材42によって覆われていない側)から金属板
41のボルト孔を挿通して接地側に延ばし、ボルト47
のねじ部をナット46に螺合することにより、フランジ
付きリンク10を履板40に締結する。ボルト47はフ
ランジ12に止め溶接しておくことが望ましい。金属板
41のフランジ12との固定構造は、上記の固定構造に
代えて、つぎの構造によってもよい。すなわち、図6に
示すようにボルト47をその頭部を金属板41の接地側
の面に溶接で固定し、ねじ部を金属板41のボルト孔を
挿通させてフランジ12との結合側に延ばした状態で金
属板41に固定する。この状態で溶融弾性材料を型に流
し込んで弾性部材42を形成する。ボルトの頭部は弾性
部材42に埋入されている。このボルトのねじ部をフラ
ンジ12のボルト孔21に挿通せしめ、ボルトのねじ部
をナット46に螺合するすることにより、フランジ付き
リンク10を履板40に締結する。ナット46はフラン
ジ12に止め溶接しておくことが望ましい。
【0017】図7、図8に示すように、1つの履板40
に2つのフランジ付きリンク10が締結される。2つの
フランジ付きリンク10は、1つの履板40の長手方向
(すなわち、履帯30の長手方向)中心線を中心として
互いに対称に、かつそれぞれのリンク11を対向させた
状態で、履板40に締結される。フランジ12の向きは
つぎの通りである。すなわち、1つの履板40に締結さ
れる2つのフランジ付きリンク10のそれぞれのフラン
ジ12は、対向するフランジ付きリンク10と反対側に
向いている。ただし、1つの履板40に締結される2つ
のフランジ付きリンク10のそれぞれのフランジ12
が、対向するフランジ付きリンク10側に向いていても
よい。
【0018】履帯30の長手方向に隣接するフランジ付
きリンク10同士は、図7、図8に示すように、履帯長
手方向に、ピン31、ブッシュ32により、連結され
る。さらに詳しくは、長手方向に隣接する2つのフラン
ジ付きリンク10のうち、一方のフランジ付きリンクの
ピン孔16の軸芯と他方のフランジ付きリンクのブッシ
ュ孔17の軸芯を合わせた状態で、ブッシュ32の両端
部を長手方向と直交する方向に対向する2つのフランジ
付きリンク10のブッシュ孔17に圧入するとともに、
ピン31の両端部を長手方向と直交する方向に対向する
2つのフランジ付きリンク10のピン孔18に圧入する
ことにより、長手方向に隣接するフランジ付きリンク1
0同士を連結する。連結状態では、ピン31はブッシュ
32を挿通している。このようにして、フランジ付きリ
ンク10を無端状に連結して履帯30が得られる。履帯
30は履板40の弾性部材42で路面に接触し、リンク
11のローラー踏面19で車両のローラーに接触する。
【0019】上記履帯30は、前述したフランジ付きリ
ンク10を有するので、前述したフランジ付きリンク1
0の作用に準じる作用、すなわち、ボルト孔穿設用の面
積を十分確保することができ、履板40とフランジ付き
リンク10との締結強度が向上するといる作用を有す
る。
【0020】つぎに、本発明実施例の無限軌道履帯用フ
ランジ付きリンクの製造方法で、素材に山形鋼を用いる
場合を、図9、図12〜図15を参照して、説明する。
本発明実施例の無限軌道履帯用フランジ付きリンクの製
造方法は、図9に示す、素材10Aとして圧延で製造し
た山形鋼を用意する工程と、図12に示す、素材10A
を所定長(屈曲した1つの最終形状リンクを直線状に伸
ばしたものと同じ長さ)に切断する工程と(切断した素
材を10Bとする)、図13に示す、素材10Bの山形
鋼の一辺(フランジを形成する方の一辺)の長手方向両
端部をプレス打ち抜きして除去するとともに該一辺の中
間部にボルト孔21を打ち抜いてフランジ12を加工す
る工程と(この状態の素材を10Cとする)、図14に
示す、素材10Cの山形鋼の他辺の外形状をプレス打ち
抜きするとともに該他辺にピン孔16、ブッシュ孔1
7、泥抜き孔18を打ち抜いてリンク11を加工する工
程と(この状態の素材を10Dとする)、図15に示
す、リンク11の両端部13、14が互いに平行に、中
間部15が両端部13、14に対して傾くように両端部
の各端部13、14と中間部15との接続部を曲げる工
程と、からなる。ここで、ピン孔16およびブッシュ孔
17については、要求品質レベルによっては、プレス打
ち抜き工程後に機械加工を施してもよい。図12の切断
工程は、図16の切断工程に置き換えてもよい。図12
の工程の切断では、フランジ対応部12´のリンク対応
部11´に対する向きは、隣接する素材間で同じである
が、図16の切断では、フランジ対応部12´のリンク
対応部11´に対する向きは、隣接する素材間で互いに
反対である。図16の材料取りでは、隣接する素材のリ
ンク対応部11´の端部を、長手方向に互いに重ねてあ
る(重ね量S)。図16のように材料取りをすることに
よって、材料歩留りが向上する。製造例として、車体重
量が2.0〜4.0tのパワーショベルに使用するリン
クピッチ101.6mmのリンクを製造した。素材10
AにはT=10mm、R=4mm、辺の長さが70mm
の等辺山形鋼を用いた。プレス切断工程で全長160m
mに切断した。フランジ12に穿設したボルト孔21は
直径16mmであった。これを車体重量3.5tパワー
ショベルに装着して100時間耐久テストをおこなった
が、品質上問題ないことを確認した。
【0021】山形鋼の圧延時に、図9に示すように、ロ
ーラー踏面とリンク側面との間のコーナーの湾曲の半径
Rと、リンクの厚さTとの関係を、R≦(T/2−1)
とする。これによって、ローラー踏面19に必要最小限
の平坦部を確保する。また、素材10Aに山形鋼を用い
た場合、フランジ12の形成に、溶接や平板の曲げを施
す必要がない。これによって、十分な面積をもつフラン
ジ12をリンク11に対して直角にかつフランジ平坦度
を維持したまま作製することができ、履板40との締結
強度を高めることができる。
【0022】本発明実施例の無限軌道履帯用フランジ付
きリンクの製造方法で、素材に曲げ部材10Eを用いる
場合は、図9、図12の工程が変わるだけで、その他
(図13、図14、図15)は山形鋼10Aを素材とす
る場合と同じである。すなわち、図10、図13、図1
4、図15に示すように、平鋼を曲げた部材を素材に用
いる本発明実施例の無限軌道履帯用フランジ付きリンク
の製造方法は、素材として平鋼を用意する工程と、平鋼
素材を所定長に切断する工程と、該平鋼素材の幅方向の
片側部分をプレス打ち抜きするとともにボルト孔21を
打ち抜いてフランジ12を加工し、同時に、他の片側部
分の外形状をプレス打ち抜きするとともにピン孔16、
ブッシュ孔17、泥抜き孔18を打ち抜いてリンク11
を加工する工程と、該素材を直角に折り曲げるとともに
リンク11の両端部13、14が互いに平行に中間部1
5が両端部13、14に対して傾くように両端部の各端
部13、14と中間部15との接続部を曲げてリンク1
1を加工する工程と、からなる。山形鋼の場合と同じよ
うに、平鋼素材の切断工程で、フランジ対応部のリンク
対応部に対する向きを、隣接する素材間で互いに同じに
してもよいし、あるいは互いに反対にしてもよい。本発
明実施例の無限軌道履帯用フランジ付きリンクの製造方
法で、素材に溶接部材10Fを用いる場合は、図11、
図13〜図15に示すように、第1の平鋼をプレス打ち
抜きするとともにボルト孔21を打ち抜いてフランジ1
2を加工し、第2の平鋼をプレス打ち抜きするとともに
ピン孔16、ブッシュ孔17、泥抜き孔18を打ち抜
き、ついで、リンク11の両端部13、14が互いに平
行で中間部15が両端部13、14に対して傾くように
両端部13、14の各端部13、14と中間部15との
接続部を曲げてリンク11を加工する工程と、フランジ
12とリンク11の中間部15とを直角に溶接接合する
工程と、からなる。
【0023】
【発明の効果】請求項1の無限軌道履帯用フランジ付き
リンクによれば、リンクに一体のフランジに、履板とリ
ンクを締結するボルトを挿通するボルト孔が穿設されて
いるので、リンクにボルト孔をあけていた場合に比べ
て、フランジの大きさを自由に選定することにより、履
板との接触面が広くとれ履板との締結強度の向上を図る
ことができる。さらに、ボルト穴ピッチを調節すること
により、種々の穴ピッチを有する履板を装着することが
できる。請求項2の無限軌道履帯用フランジ付きリンク
によれば、フランジが一体となったリンクの素材として
山形鋼を用いるので、リンクとフランジとを溶接接合す
る場合に比べて溶接欠陥による亀裂発生のおそれがな
く、板を曲げてフランジを形成する場合に比べて直角度
およびフランジの履板との接触面の平坦度を確保するこ
とができ、強度上望ましい。請求項3の無限軌道履帯用
フランジ付きリンクによれば、フランジが一体となった
リンクの素材として曲げ部材を用いるので、安価な平鋼
を用いることができる。請求項4の無限軌道履帯用フラ
ンジ付きリンクによれば、2つの平鋼の溶接部材を素材
として用いるので、リンクとフランジとの接合部の直角
度を確保することができる。請求項5の無限軌道履帯用
フランジ付きリンクによれば、R≦(T/2−1)とし
たので、ローラー踏面に必要最小限の平坦部が確保され
る。請求項6の無限軌道履帯によれば、フランジ付きリ
ンクを用いるので、金属板と金属板の少なくとも接地側
面を覆うように金属板に固定された弾性部材とからなる
履板を締結した小型無限軌道履帯の締結用に用いても、
フランジの大きさを自由に選定することにより、履板と
の接触面が広くとれるようになるので、履板との締結強
度を確保することができる。その結果、リンクと履板の
金属板とを溶接接合する必要がなくなるので、溶接接合
の場合に問題となる履板の弾性部材の熱損傷のおそれが
ない。請求項7の無限軌道履帯によれば、フランジ付き
リンクの素材として山形鋼を用いるので、リンクとフラ
ンジとを溶接接合する場合に比べて溶接欠陥からの亀裂
発生のおそれがなく、板を曲げてフランジを形成する場
合に比べて直角度およびフランジの履板との接触面の平
坦度を確保することができ、強度上望ましい。請求項8
の無限軌道履帯によれば、フランジ付きリンクの素材と
して曲げ部材を用いるので、安価な平鋼を用いることが
できる。請求項9の無限軌道履帯によれば、フランジ付
きリンクの素材として2つの平鋼の溶接部材を素材とし
て用いるので、リンクとフランジとの接合部の直角度を
確保することができる。請求項10の無限軌道履帯によ
れば、R≦(T/2−1)としたので、ローラー踏面に
必要最小限の平坦部が確保される。請求項11の無限軌
道履帯によれば、履板の金属板を、炭素量が0.05〜
0.30重量%の低炭素系のボロン鋼からなり、焼入れ
のみかなる熱処理が施された熱処理部材としたので、強
度と靱性に優れた金属板を安価に製造することができ
る。請求項12、13の無限軌道履帯用フランジ付きリ
ンクの製造方法によれば、山形鋼からフランジ付きリン
クを製造するので、フランジの大きさを自由に選定する
ことにより、履板との接触面が広くとれ履板との締結強
度の向上を図ることができる。また、リンクとフランジ
とを溶接接合する場合に比べて溶接欠陥からの亀裂発生
のおそれがなく、板を曲げてフランジを形成する場合に
比べて直角度およびフランジの履板との接触面の平坦度
を確保することができ、強度上望ましい。請求項14の
無限軌道履帯用フランジ付きリンクの製造方法によれ
ば、素材の歩留りの向上を図ることができる。請求項1
5、16の無限軌道履帯用フランジ付きリンクの製造方
法によれば、フランジが一体のリンクの素材として曲げ
部材を用いるので、安価な平鋼を用いることができる。
請求項17の無限軌道履帯用フランジ付きリンクの製造
方法によれば、素材の歩留りの向上を図ることができ
る。請求項18の無限軌道履帯用フランジ付きリンクの
製造方法によれば、2つの平鋼の溶接部材を素材として
用いるので、リンクとフランジとの接合部の直角度を確
保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の無限軌道履帯用フランジ付きリ
ンクの平面図である。
【図2】図1の無限軌道履帯用フランジ付きリンクの正
面図である。
【図3】本発明実施例の無限軌道履帯の履板の平面図で
ある。
【図4】図3の履板のA−A線断面図である。
【図5】図3の履板の正面図である。
【図6】本発明実施例の無限軌道履帯のうちのもう一つ
の履板の断面図である。
【図7】本発明実施例の無限軌道履帯の一部の平面図で
ある。
【図8】図7の履帯の正面図である。
【図9】本発明実施例の無限軌道履帯用フランジ付きリ
ンクの製造方法の素材が山形鋼である場合の斜視図であ
る。
【図10】本発明実施例の無限軌道履帯用フランジ付き
リンクの製造方法の素材が曲げ部材である場合の斜視図
である。
【図11】本発明実施例の無限軌道履帯用フランジ付き
リンクの製造方法の素材が溶接部材である場合の斜視図
である。
【図12】本発明実施例の無限軌道履帯用フランジ付き
リンクの製造方法の切断後の素材とその材料取りを示す
斜視図である。
【図13】本発明実施例の無限軌道履帯用フランジ付き
リンクの製造方法のフランジ加工後の素材の斜視図であ
る。
【図14】本発明実施例の無限軌道履帯用フランジ付き
リンクの製造方法のリンク加工後の素材の斜視図であ
る。
【図15】本発明実施例の無限軌道履帯用フランジ付き
リンクの製造方法の素材の曲げ加工後のフランジ付きリ
ンクの斜視図である。
【図16】本発明実施例の無限軌道履帯用フランジ付き
リンクの製造方法の切断後の素材と、図12とは別の材
料取りを示す斜視図である。
【符号の説明】
10 フランジ付きリンク 10A 山形鋼からなる素材 10E 曲げ部材からなる素材 10F 溶接部材からなる素材 11 リンク 12 フランジ 13、14 リンク端部 15 リンク中間部 16 ピン孔 17 ブッシュ孔 18 泥抜き孔 19 ローラー踏面 20 ローラー踏面と反対側面 21 ボルト孔 22、23 リンク側面 30 履帯 31 ピン 32 ブッシュ 33 マスターピン 40 履板 41 金属板 42 弾性部材 45 泥抜き孔 46 ナット 47 ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 功 東京都千代田区四番町5番地9 トピー工 業株式会社内 (72)発明者 新津 坦克 東京都千代田区四番町5番地9 トピー工 業株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リンクと該リンクに一体のフランジとか
    らなり、 前記リンクは、リンク厚さ方向に互いに位置をずらされ
    た互いに平行な2つの端部と、前記2つの端部の間に位
    置し前記2つの端部に対して傾けられ前記2つの端部に
    一体の中間部とを有し、前記2つの端部の一方にはピン
    孔が穿設されており他方にはブッシュ孔が穿設されてお
    り、 前記フランジは前記リンクの前記中間部から直角に折れ
    曲がって前記中間部から離れる方向に延びており、前記
    フランジにはボルト孔が穿設されている、無限軌道履帯
    用フランジ付きリンク。
  2. 【請求項2】 前記フランジ付きリンクの素材が山形鋼
    であり、前記リンクが前記山形鋼の一辺を加工したもの
    からなり、前記フランジが前記山形鋼の他辺を加工した
    ものからなる請求項1記載の無限軌道履帯用フランジ付
    きリンク。
  3. 【請求項3】 前記フランジ付きリンクの素材が平鋼を
    直角に折り曲げた曲げ部材であり、前記リンクが前記平
    鋼素材の幅方向の片側部分を加工したものからなり、前
    記フランジが前記平鋼素材の他の片側部分を加工したも
    のからなる請求項1記載の無限軌道履帯用フランジ付き
    リンク。
  4. 【請求項4】 前記フランジ付きリンクの素材が第1の
    平鋼に直角に第2の平鋼を溶接した溶接部材であり、前
    記リンクが前記溶接部材の一辺を加工したものからな
    り、前記フランジが前記溶接部材の他辺を加工したもの
    からなる請求項1記載の無限軌道履帯用フランジ付きリ
    ンク。
  5. 【請求項5】 前記リンクは前記フランジと一体側の端
    面と反対側の端面にローラー踏面を有し、該ローラー踏
    面とリンク側面との間のコーナーの湾曲の半径をRと
    し、リンクの厚さをTとすると、RとTとの間に、R≦
    (T/2−1)の関係がある請求項1記載の無限軌道履
    帯用フランジ付きリンク。
  6. 【請求項6】 ピンとブッシュにより無端状に連結され
    た複数のフランジ付きリンクと、各フランジ付きリンク
    に締結される履板とからなり、 各履板が、 金属板と、 前記金属板の少なくとも接地側面を覆うように前記金属
    板に固定された弾性部材と、からなり、 前記フランジ付きリンクが、 リンクと該リンクに一体のフランジとからなり、 前記リンクは、リンク厚さ方向に互いに位置をずらされ
    た互いに平行な2つの端部と、前記2つの端部の間に位
    置し前記2つの端部に対して傾けられ前記2つの端部に
    一体の中間部とを有し、前記2つの端部の一方にはピン
    孔が穿設されており他方にはブッシュ孔が穿設されてお
    り、 前記フランジは前記リンクの前記中間部から直角に折れ
    曲がって前記中間部から離れる方向に延びており、前記
    フランジにはボルト孔が穿設されており、 前記履板が、前記フランジ付きリンクのフランジの前記
    ボルト孔を挿通するボルトと該ボルトのねじ部に螺合す
    るナットとにより、前記フランジ付きリンクに締結され
    ている、無限軌道履帯。
  7. 【請求項7】 前記フランジ付きリンクの素材が山形鋼
    であり、前記リンクが前記山形鋼の一辺を加工したもの
    からなり、前記フランジが前記山形鋼の他辺を加工した
    ものからなる請求項6記載の無限軌道履帯。
  8. 【請求項8】 前記フランジ付きリンクの素材が平鋼を
    直角に折り曲げた曲げ部材であり、前記リンクが前記平
    鋼素材の幅方向の片側部分を加工したものからなり、前
    記フランジが前記平鋼素材の他の片側部分を加工したも
    のからなる請求項6記載の無限軌道履帯。
  9. 【請求項9】 前記フランジ付きリンクの素材が第1の
    平鋼に直角に第2の平鋼を溶接した溶接部材であり、前
    記リンクが前記溶接部材の一辺を加工したものからな
    り、前記フランジが前記溶接部材の他辺を加工したもの
    からなる請求項6記載の無限軌道履帯。
  10. 【請求項10】 前記リンクは前記フランジと一体側の
    端面と反対側の端面にローラー踏面を有し、該ローラー
    踏面とリンク側面との間のコーナーの湾曲の半径をRと
    し、リンクの厚さをTとすると、RとTとの間に、R≦
    (T/2−1)の関係がある請求項6記載の無限軌道履
    帯。
  11. 【請求項11】 前記履板の前記金属板は、炭素量が
    0.05〜0.30重量%の低炭素系のボロン鋼からな
    り、焼入れのみからなる熱処理が施されている請求項6
    記載の無限軌道履帯。
  12. 【請求項12】 素材として山形鋼を用意する工程と、 前記素材を所定長に切断する工程と、 前記素材の山形鋼の一辺の両端部をプレス打ち抜きする
    とともに該一辺にボルト孔を打ち抜いてフランジを加工
    し、前記素材の山形鋼の他辺の外形状をプレス打ち抜き
    するとともに該他辺にピン孔、ブッシュ孔、泥抜き孔を
    打ち抜いてリンクを加工する工程と、 前記リンクの両端部が互いに平行に中間部が両端部に対
    して傾くように前記両端部の各端部と中間部との接続部
    を曲げる工程と、からなる無限軌道履帯用フランジ付き
    リンクの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記素材の切断工程で、フランジ対応
    部のリンク対応部に対する向きを、隣接する素材間で互
    いに同じにする請求項12記載の無限軌道履帯用フラン
    ジ付きリンクの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記素材の切断工程で、フランジ対応
    部のリンク対応部に対する向きを、隣接する素材間で互
    いに反対にする請求項12記載の無限軌道履帯用フラン
    ジ付きリンクの製造方法。
  15. 【請求項15】 素材として平鋼を用意する工程と、 前記素材を所定長に切断する工程と、 前記切断部材の幅方向の片側部分を、プレス打ち抜きす
    るとともにボルト孔を打ち抜いてフランジを加工し、前
    記切断部材の他の片側部分の外形状を、プレス打ち抜き
    するとともにピン孔、ブッシュ孔、泥抜き孔を打ち抜い
    てリンク素材を加工する工程と、 前記リンク素材を直角に折り曲げるとともに、該リンク
    素材の両端部が互いに平行に中間部が両端部に対して傾
    くように前記両端部の各端部と中間部との接続部を曲げ
    る工程と、からなる無限軌道履帯用フランジ付きリンク
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記素材の切断工程で、フランジ対応
    部のリンク対応部に対する向きを、隣接する素材間で互
    いに同じにする請求項15記載の無限軌道履帯用フラン
    ジ付きリンクの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記素材の切断工程で、フランジ対応
    部のリンク対応部に対する向きを、隣接する素材間で互
    いに反対にする請求項15記載の無限軌道履帯用フラン
    ジ付きリンクの製造方法。
  18. 【請求項18】 第1の平鋼をプレス打ち抜きするとと
    もにボルト孔を打ち抜いてフランジを加工し、第2の平
    鋼をプレス打ち抜きするとともにピン孔、ブッシュ孔、
    泥抜き孔を打ち抜き、ついで、リンクの両端部が互いに
    平行で中間部が両端部に対して傾くように前記両端部の
    各端部と中間部との接続部を曲げてリンクを加工する工
    程と、 前記フランジと前記リンクの前記中間部とを直角に溶接
    接合する工程と、からなる無限軌道履帯用フランジ付き
    リンクの製造方法。
JP10308219A 1997-12-04 1998-10-29 無限軌道履帯用フランジ付きリンクとその製造方法 Pending JP2000079890A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10308219A JP2000079890A (ja) 1997-12-04 1998-10-29 無限軌道履帯用フランジ付きリンクとその製造方法
EP98309919A EP0921057B1 (en) 1997-12-04 1998-12-03 Track link with flange for an endless track and a method for producing the same
DE69818403T DE69818403T2 (de) 1997-12-04 1998-12-03 Gleiskettenglied mit Flansch für endlose Raupenkette und Verfahren zu dessen Herstellung
CNB981227635A CN1234564C (zh) 1997-12-04 1998-12-04 环形履带用带翼缘链节及其制造方法
KR1019980053156A KR100315077B1 (ko) 1997-12-04 1998-12-04 무한궤도용플랜지부착링크와그제조방법

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33388497 1997-12-04
JP10-187424 1998-07-02
JP9-333884 1998-07-02
JP18742498 1998-07-02
JP10308219A JP2000079890A (ja) 1997-12-04 1998-10-29 無限軌道履帯用フランジ付きリンクとその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000079890A true JP2000079890A (ja) 2000-03-21

Family

ID=27325883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10308219A Pending JP2000079890A (ja) 1997-12-04 1998-10-29 無限軌道履帯用フランジ付きリンクとその製造方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP0921057B1 (ja)
JP (1) JP2000079890A (ja)
KR (1) KR100315077B1 (ja)
CN (1) CN1234564C (ja)
DE (1) DE69818403T2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101534135B1 (ko) * 2013-10-02 2015-07-07 백승조 궤도의 연결 링크 제조방법
KR20200125192A (ko) * 2019-04-26 2020-11-04 엘에스엠트론 주식회사 개선된 체결 구조를 가지는 궤도

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10326099A1 (de) * 2003-06-06 2004-12-23 Diehl Remscheid Gmbh & Co. Bändergleiskette für Kettenfahrzeuge
WO2008017257A1 (en) * 2006-08-02 2008-02-14 Hangzhou Huitong Driving Chain Co., Ltd. A bended link plate and the method to making thereof
CN102886487B (zh) * 2012-09-28 2015-05-27 湖北虎牌链条制造有限责任公司 一种直板输送链的冲压加工工艺
AU2014202781B2 (en) * 2013-05-24 2017-07-20 Joy Global Surface Mining Inc Crawler track
CN103465984A (zh) * 2013-09-24 2013-12-25 昆山凯诺尔金属制品有限公司 一种链轨节
AU2014259590B2 (en) 2013-11-12 2017-09-28 Joy Global Surface Mining Inc Guide rail for crawler track
US9493199B2 (en) * 2014-10-08 2016-11-15 Caterpillar Inc. Master link mating surface cover
CN104554502A (zh) * 2015-01-11 2015-04-29 张榕新 沼泽车防淤泥堵塞链条
CN105799800A (zh) * 2016-04-25 2016-07-27 沈阳和世泰钛金属应用技术有限公司 钛合金坦克车履带板
CN108927488A (zh) * 2018-09-05 2018-12-04 苏州环球科技股份有限公司 过渡链板及链板打弯模具

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR768568A (fr) * 1934-02-12 1934-08-08 Chantier Et Ateliers De Saint Patin pour véhicules à chenilles
US5183318A (en) * 1991-11-26 1993-02-02 Caterpillar Inc. Endless track chain for track-type vehicles

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101534135B1 (ko) * 2013-10-02 2015-07-07 백승조 궤도의 연결 링크 제조방법
KR20200125192A (ko) * 2019-04-26 2020-11-04 엘에스엠트론 주식회사 개선된 체결 구조를 가지는 궤도
KR102643485B1 (ko) * 2019-04-26 2024-03-06 엘에스엠트론 주식회사 개선된 체결 구조를 가지는 궤도

Also Published As

Publication number Publication date
CN1218727A (zh) 1999-06-09
EP0921057A2 (en) 1999-06-09
KR100315077B1 (ko) 2002-02-28
DE69818403D1 (de) 2003-10-30
CN1234564C (zh) 2006-01-04
EP0921057B1 (en) 2003-09-24
EP0921057A3 (en) 2000-12-27
KR19990062812A (ko) 1999-07-26
DE69818403T2 (de) 2004-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000079890A (ja) 無限軌道履帯用フランジ付きリンクとその製造方法
US20080174175A1 (en) Master link for machine track and method
EP1136348B1 (en) Endless track and a manufacturing method thereof
JP2008018795A (ja) トラックリンクのマスタリンク
KR100492448B1 (ko) 무한궤도 및 그 제조방법
EP1880932A1 (en) Rubberized segmented track
JPS5852866B2 (ja) 軌動リンク組立体
JP4078078B2 (ja) ゴムクローラ
CN1309049A (zh) 弹性履带板
JP2654926B2 (ja) ゴムクローラ
JP2004058688A (ja) 履帯用履板
JPH0995267A (ja) 履帯シュ−
JP2601477Y2 (ja) 鉄履帯と交換可能なゴム履帯
JPH11268673A (ja) クロ−ラの構造
JP3198220B2 (ja) ゴム履帯
JPH07257446A (ja) 連結リンク式ゴムクローラ及びその接続方法並びに補修方法
JPH08324466A (ja) 無限軌道帯用弾性履帯およびその製造方法
JPH082456A (ja) 金属製クローラの履板用弾性パッド
JPH0532271U (ja) セグメント式ゴムクローラ
JP2002166860A (ja) 無限軌道帯用弾性体付き鉄履帯
JPH08104262A (ja) 無限軌道履帯
JPH10297553A (ja) 無限軌道帯の弾性体履板
JPH09249161A (ja) 履帯ゴムシュ−
JPS6232943Y2 (ja)
JPH06115467A (ja) クローラシュー用ゴムパッド及びゴムクローラ