JP2000079705A - インク注入方法、それが用いられるインク注入装置、および、それを備えるインクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクタンク内の圧力を所定の負圧に設定す
ることができること。 【解決手段】 インク供給部３８Ｂ〜３８Ｙとインクタ
ンク８Ｂ〜８Ｙの第２の部屋３０Ｂとの間が、チューブ
４４、針３１Ｂおよびセプタム３４Ｂを介して選択的に
接続される構成において、ポンプ４０により、インク供
給部３８Ｂ〜３８Ｙに貯留されるインクＩＮがインクタ
ンク８Ｂ〜８Ｙの第２の部屋３０Ｂに、供給された後、
インクタンク８Ｂ〜８Ｙの第２の部屋３０Ｂのインクの
一部をインク供給部３８Ｂ〜３８Ｙに移動することによ
り，大気が、連通路３０Ｔを介して第１の部屋３０Ａか
ら第２の部屋３０Ｂに導入されるもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インクタンクのイ
ンク収容室にインクを注入する方法、それを用いるイン
ク注入装置、および、それを備えるインクジェット記録
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のインクジェット記録装置に備わ
る記録ヘッドにおいては、画像形成時にインクが消費さ
れるため、常時、インクを記録ヘッドに供給する必要が
ある。

【０００３】記録ヘッドのインク供給方式としては，キ
ャリッジの配設位置とは異なる位置にインクタンクを用
意し、記録ヘッドにチューブを介してインクタンクを接
続する方法が知られている。この場合，記録ヘッドに対
しては，インクタンクと記録ヘッドとの水頭差を利用し
てインクを供給する。

【０００４】また、記録ヘッドに対する負圧を内部に発
生させるインクタンクを，キャリッジに対し着脱自在に
搭載したものがある。その一形態としては、記録ヘッド
とインクタンクとを一体化可能にしたヘッドカートリッ
ジを採用する方法などがある。このように負圧をインク
タンク内に発生させるための最も容易な方法としては、
多孔質体（インク保持体）の毛管力を利用する方法が挙
げられる。

【０００５】本出願人による例えば，特開平７−１２５
２３２号公報において、単位体積当たりのインク収容効
率が、比較的低いという多孔質体の課題を解決し，安定
したインク供給を実現するために、インクタンクの一部
に多孔質体を挿入する構成が提案されている。

【０００６】図５は、上述の構成を利用したインクタン
クの概略的な断面図を示す。インクタンク１０１の内部
は、連通孔１０２を有する仕切り壁１０３で２つの空間
に仕切られている。一方の空間は、仕切り壁１０３の連
通孔１０２を除いて密閉されている。その空間は、イン
クを他の部材を混入せずにそのままの状態でインクを保
持するインク収納室１０４を形成している。もう一方の
空間は，インク保持体１０５を収納するインク保持体収
納室（大気連通型液体収納室）１０６を形成している。
このインク保持体収納室１０６を形成する壁面には、イ
ンク消費に伴う大気の導入を行うための大気連通口１０
７と、記録ヘッド部へインクを供給するための供給口１
０８とが形成されている。このようなタンク構造では、
記録ヘッドによりインク保持体１０５内のインクが消費
されるとき，大気連通口１０７からインク保持体収納室
１０５に空気が導入され、仕切り壁１０３の連通孔１０
２を通じてインク収納室１０４内に、空気が入れられ
る。

【０００７】これに代わって，インク収納室１０４から
のインクが仕切り壁１０３の連通孔１０２を通じてイン
ク保持体収納室１０６のインク保持体１０５に充填され
る。

【０００８】従って，記録ヘッドによりインクが消費さ
れてもその消費量に応じてインクがインク保持体１０５
に充填される。インク保持体１０５は、一定量のインク
を保持し、記録ヘッドに対する負圧を略一定に保つ（こ
の状態を「気液交換状態」と称する）ので、記録ヘッド
へのインク供給が安定する。特に，特開平６−４００４
３号公報に記載のように、大気を導入するための通路
を、インク保持体収納室とインク収納室との連通部の近
傍に導入、形成することで、より一層、インクの記録ヘ
ッドへの良好な供給を達成することができる。

【０００９】以上説明した形態においては、水頭圧利
用、負圧利用のいずれの形態においても、インクタンク
は，インクがなくなり次第、新品に交換されるのが一般
的である。

【００１０】一方，記録量が比較的大きい装置に搭載さ
れる場合の液体の補充という観点から、このような装置
においては、インクを保持する大容量のタンク（以下
「大型タンク」と称する）が設置されるとともに、イン
クタンクと記録ヘッドとが一体的に装着されたヘッドカ
ートリッジがキャリッジ上に装着される。そして、キャ
リッジを所定の位置に移動させて、大型タンクにヘッド
カートリッジのインクタンク（以下、「タンク部」と称
する）を接続することによりインクがタンク部に補充さ
れる。これは、所謂、ピットイン方式と呼ばれるタイプ
のインク供給方式として知られている。

【００１１】本出願人による例えば、特開平９−２３４
８８１号公報において、このようなピットイン方式を用
いつつも、図５に示すインクタンクを「タンク部」とし
て利用することで、簡単な構成で、インクの無駄な消費
を招くことなく，スループットを向上させたインク供給
方式および記録装置が提案されている。また、本出願人
による特開平１０−２９３１８号公報においては、より
短時間かつスムーズに液体補充を行うことのできるイン
ク供給方式および記録装置についても提案されている。
これらは、いずれも液体を補充するためのポンプなどを
必要としない、という点で簡単な構成で、かつ、装置の
小型化が可能となっており，優れた液体供給方式であ
る。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば，サイズが比較的大きな被記録媒体（例えば，Ａ０版
のポスター等）への記録等の場合、即ち、記録装置の小
型化に対する要求がそれほど高くない場合には、装置構
成の単純化よりも、記録時に記録ヘッドに対してタンク
部がより安定した負圧を内部に発生することや、インク
補充のスピードが求められることがある。

【００１３】以上の問題点を考慮し、本発明の第１の目
的は、インクタンクのインク収容室にインクを注入する
ことができるインク注入方法、インク注入装置、およ
び、それを備えるインクジェット記録装置であって、イ
ンクタンク内の圧力を所定の負圧に設定することができ
るインク注入方法，インク注入装置、および、それを備
えるインクジェット記録装置を提供することである。

【００１４】また、本発明の第２の目的は、記録ヘッド
における負圧がより安定したインクタンクを提供するこ
とができることである。

【００１５】さらに、本発明の第３の目的は，インクタ
ンク内を所望の負圧に維持することができるとともに、
インクの補給時間を短縮化することができることであ
る。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上述の第１、第２および
第３の目的を達成するために、本発明に係るインク注入
方法は、負圧発生部材を収容するとともに外部に液体を
供給するためのインク供給口と外部と連通するための大
気連通口とを備える第１室と、該第１室と連通部を介し
て連通し前記連通部を除いて実質的に密閉空間を形成す
る第２室とを有するインクタンクに対し、補充容器を用
いてインクを補充するインク注入方法であって、前記第
２室と前記補充容器とで前記連通部を除き大気に対して
実質的に密閉空間を形成しつつ、前記第２室内の気体と
前記補充容器内の気体とを連通する第１の経路と、前記
補充容器内のインクを前記第２室に移動させるための前
記第１の経路とは異なる第２の経路とで前記第２室と前
記補充容器とを導通する導通工程と、該導通工程の後
で、前記補充容器のインクを第２の経路を介して前記第
２室に移動させるとともに、前記第２室内の空気を前記
第１の経路を介して前記補充容器内に移動させるインク
注入工程と、該インク注入工程の後に、前記第２室から
前記補充容器へインクを排出するとともに、前記連通部
を介して前記第１室の大気連通口を介して大気を前記第
２室内に導入する気体導入工程と、を備えることを特徴
とする。

【００１７】また、本発明に係るインク注入装置は、イ
ンクを保持するインクタンクと、該インクタンクに補充
するインクを保持する補充容器とを有し、該補充容器か
らインクタンクへインクの補充を行うインク注入装置に
おいて、前記インクタンクは、負圧発生部材を収容する
とともに、外部に前記インクを供給するための供給口お
よび大気連通口を備える第１室と、該第１室と連通する
連通部を備え前記連通部を除いて実質的に密閉空間を形
成する第２室と、を有し、前記第２室と前記補充容器と
は、前記第２室内の気体と前記補充容器内の気体とを連
通する第１の経路と、前記補充容器内のインクを前記第
２室に移動させるための前記第１の経路とは異なる第２
の経路とにより導通されるとともに、前記第２の経路
に、前記補充容器から前記第２室、および、該第２室か
ら前記補充容器への双方へのインク移動を促進可能なポ
ンプが設けられていることを特徴とする。

【００１８】さらに、本発明に係るインクジェット記録
装置は、インクを保持するインクタンクと、該インクタ
ンクから供給されたインクを吐出して被記録媒体に記録
を行う記録ヘッドと、前記インクタンクに補充するイン
クを保持する補充容器とを有するインクジェット記録装
置であって、前記インクタンクは、負圧発生部材を収容
するとともに、前記記録ヘッドにインクを供給するため
の供給口および大気連通口を備える第１室と、該第１室
と連通する連通部を備え前記連通部を除いて実質的に密
閉空間を形成する第２室と、を有し、前記第２室と前記
補充容器とは、前記第２室内の気体と前記補充容器内の
気体とを連通する第１の経路と、前記補充容器内のイン
クを前記第２室に移動させるための前記第１の経路とは
異なる第２の経路とにより導通されるとともに、前記第
２の経路に、前記補充容器から前記第２室、および、前
記第２室から前記補充容器への双方へのインク移動を促
進可能なポンプが設けられていることを特徴とする。

【００１９】

【発明の実施の形態】図２は、本発明に係るインク注入
装置を備えるインクジェット記録装置の一例の概略構成
を示す。

【００２０】図２においては、インクジェット記録装置
は、ケーシング２内に長手方向に沿って設けられ記録媒
体としての用紙４を図２に示す矢印Ｃの示す方向に間欠
的に搬送する搬送装置６と、搬送装置６による用紙４の
搬送方向に対し略直交する方向に略平行に往復移動せし
められる記録部８と、記録部８を伴ってキャリッジ部材
８ａを往復移動させるキャリッジ駆動部１０とを含んで
構成されている。

【００２１】搬送装置６は、互いに略平行に対向配置さ
れる一対のローラユニット１２ａおよび１２ｂと、一対
のローラユニット１４ａおよび１４ｂと、これらのロー
ラユニット１２ａおよび１２ｂと、ローラユニット１４
ａおよび１４ｂとを駆動させる駆動部１６とを備えてい
る。従って、駆動部１６が作動状態とされるとき、用紙
４が図２に示す矢印Ｃの方向にそれぞれのローラユニッ
ト１２ａおよび１２ｂと、ローラユニット１４ａおよび
１４ｂとにより狭持されて間欠送りで搬送されることと
なる。

【００２２】キャリッジ駆動部１０は、所定の間隔をも
って対向配置される回転軸に配されるプーリ１８ａおよ
び１８ｂに巻掛けられるベルト２０と、ローラユニット
１２ａおよび１２ｂに対し略平行に配置され記録部８の
キャリッジ部材８ａの移動を案内するガイドシャフト２
２と、記録部８におけるキャリッジ部材８ａに連結され
るベルト２０を順方向および逆方向に駆動させるモータ
１０ｍとを含んで構成されている。

【００２３】モータ１０ｍが作動状態とされる場合、モ
ータ１０ｍに連結されるプーリ１８ａとともに、ベルト
２０が図２の矢印Ｓに示す方向に回転されるとき、記録
部８のキャリッジ部材８ａが同一の方向に所定の移動量
だけ移動される。また、モータ１０ｍが作動状態とされ
てベルト２０が図４の矢印Ｓに示す方向とは逆方向に回
転されるとき、記録部８のキャリッジ部材８ａが図４の
矢印Ｓが示す方向とは反対の方向に所定の移動量だけ移
動されることとなる。

【００２４】記録部８には、インクタンク８Ｙ、８Ｍ、
８Ｃ、８Ｂが各色のインク、例えば、イエロー、マゼン
タ、シアン、およびブラックのインクごとにそれぞれ、
設けられている。また、各インクタンク８Ｙ〜８Ｂは、
それぞれ、インクジェットヘッド２８を有している。各
インクジェットヘッド２８は、用紙４の搬送方向に沿っ
て所定の相互間隔をもって形成される複数のインク吐出
口を有している。各インクジェットヘッド２８は、その
インク吐出部に、インクを加熱し吐出させる電気熱変換
体を有した既知の構造を備えている。

【００２５】各インクジェットヘッド２８にそれぞれ各
色のインクを供給するインクタンク８Ｙ〜８Ｂは、記録
部８のキャリッジ部材８ａに対して着脱自在に備えられ
ている。各インクタンク８Ｙ〜８Ｂは、図１に示される
ような同一構造を有するのでインクタンク８Ｂについて
説明し、他のインクタンクについての説明を省略する。

【００２６】（第１実施例）図１は，本発明に係るイン
ク注入装置の第１実施例におけるインク供給経路を説明
するための構成図である。樹脂材料で成形されたインク
タンク８Ｂのケース３０の内部は、仕切壁３０Ｗにより
インク吸収体３２を収容する第１の部屋３０Ａと、イン
クＩＮが所定量、貯留される第２の部屋３０Ｂとに分割
されており、また、第１の部屋３０Ａと第２の部屋３０
Ｂとは、連通路３０Ｔにより互いに連通している。

【００２７】第１の部屋３０Ａのインク吸収体３２は、
例えば、ウレタンフォームなどの多孔質材料で作られて
いる。第１の部屋３０Ａの上部には、外気と第１の部屋
３０Ａの内部とを連通させる連通孔３０ａが設けられて
いる。また、第１の部屋３０Ａには、インクジェットヘ
ッド２８の他端が連結されている。

【００２８】従って、インク吸収体３２に含まれるイン
クがインクジェットヘッド２８のインクの吐出動作に応
じて逐次インク吐出部に供給されることとなる。

【００２９】第２の部屋３０Ｂに貯留されるインクＩＮ
は、初期状態において第２の部屋３０Ｂに所定量、例え
ば、図１に二点鎖線で示される位置に液面が形成される
ように満たされている。また、第２の部屋３０Ｂにおけ
る仕切壁３０Ｗに対向する壁面には、後述するインク注
入装置２６の針３１Ａおよび３１Ｂの先端がそれぞれ突
き刺されるセプタム３４Ａおよび３４Ｂが所定の相互間
隔をもって設けられている。セプタム３４Ａおよび３４
Ｂは、例えば、ゴム材料で作られており、針３１Ａおよ
び３１Ｂの先端がそれぞれ突き刺されるとき、針３１Ａ
および３１Ｂの外周部を封止する。また、セプタム３４
Ａおよび３４Ｂは、針３１Ａおよび３１Ｂの先端が引き
抜かれるとき、針３１Ａおよび３１Ｂの先端により形成
された孔を自動的に閉塞するものとされる。

【００３０】なお、第２の部屋３０Ｂと後述するチュー
ブ（針３１Ａおよび３１Ｂ）との接続は、セプタム３４
Ａおよび３４Ｂを利用したものに限られることなく、チ
ューブと第２の部屋３０Ｂとを自己シール方式のコネク
タを介して行われてもよいことは勿論である。さらに、
ローラユニット１２ａおよび１２ｂの一端部側には、図
２に示されるように、キャリッジ部材８ａのホームポジ
ションとなる位置に、記録部８の吐出回復処理を行うた
めの回復ユニット２４が記録部８のインク吐出口配列に
対向して設けられている。回復ユニット２４は、各イン
クジェットヘッド２８に対応してそれぞれ、キャッピン
グ部材３６Ｙ、３６Ｍ、３６Ｃ、および、３６Ｂを備え
ている。

【００３１】各キャッピング部材３６Ｙ〜３６Ｂは、図
示が省略される昇降機構により各インクジェットヘッド
２８のインク吐出口形成面に対して近接して密封する位
置、あるいは、離隔した位置をとるものとされる。ま
た、各キャッピング部材３６Ｙ〜３６Ｂが各インクジェ
ットヘッド２８のインク吐出口形成面に対して近接した
位置とされ、各インクジェットヘッド２８が吐出回復処
理としてインクの予備吐出を行うとき、吐出された各イ
ンクは、各キャッピング部材３６Ｙ〜３６Ｂを通じて図
示が省略される廃液タンクに供給される。また、回復ユ
ニット２４に対向しガイドシャフト２２を挟んでインク
注入装置２６が設けられている。

【００３２】インク注入装置２６は、図１に示されるよ
うに、各インクタンク８Ｙ〜８Ｂに対応してそれぞれ、
補給される各色のインクが貯留されるインク供給部３８
Ｙ〜３８Ｂと、各インク供給部３８Ｙ〜３８Ｂごとに設
けられる注入機構部３１とを含んで構成されている。各
インク供給部３８Ｙ〜３８Ｂおよび各注入機構部３１
は、それぞれ、同一の構造とされるのでインクタンク８
Ｂについて設けられたインク供給部３８Ｂおよび注入機
構部３１について説明し、他のインクタンクに対応して
設けられたインク供給部および注入機構部についての説
明を省略する。

【００３３】インク供給部３８Ｂの内部には、ブラック
のインクＩＮが所定量、貯留されている。インク供給部
３８Ｂの上部には、その内部空間と外気とを連通させる
大気連通口３８ｂが設けられている。また、インク供給
部３８Ｂの導出／導入路４２には、インクＩＮをインク
タンク８Ｂ側に供給するとともに、インクタンク８Ｂの
第２の部屋３０Ｂに貯留されるインクＩＮを所定量イン
ク供給部３８Ｂの内部に戻すポンプ４０が設けられてい
る。ポンプ４０は、例えば、輸液ポンプとされ、回転軸
の回りの複数のローラの公転によりチューブの外周部が
しごかれてインクを送液するものとされる。その回転軸
は、駆動用のモータの出力軸に連結されている。従っ
て、モータの出力軸が順方向もしくは逆方向の回転され
ることにより、複数のローラが自転しつつ順方向もしく
は逆方向に公転されることとなる。モータは、後述する
制御部６２からの制御信号に基づいて駆動制御される。

【００３４】導入／導出路４２には、柔軟性のある材料
で作られたチューブ４４の一端が接続されている。チュ
ーブ４４の他端は、チューブ４４の内側に連通する孔を
先端に有する針３４Ｂに接続されている。

【００３５】針３４Ｂは、支持部材５８により針３１Ａ
とともに連結されている。

【００３６】針３４Ａと針３４Ｂとは互いに平行に、か
つ、インクタンク８Ｂの背面側の壁面のセプタム３４Ａ
および３４Ｂの表面に対して略垂直となるように支持さ
れている。針３４Ｂの長さは、針３４Ａの長さに比して
所定の寸法Ｌだけ長いものとされる。針３４Ａは、その
内部を通じて大気に連通する透孔を先端に有している。

【００３７】支持部材５８における針３４Ａと針３４Ｂ
との間に設けられる連結部材５６は、その雌ねじ部にボ
ールねじ軸５０の一端側がはめ合わされている。

【００３８】ボールねじ軸５０は、基台４８の上面に設
けられる軸受部材５２に回動可能に支持されている。ボ
ールねじ軸５０の他端側は、継手部材５４を介してモー
タ４６の出力軸に連結されている。モータ４６は、例え
ば、ステッピングモータとされ、後述する制御部６２か
らの制御信号に基づいて駆動制御される。

【００３９】モータ４６が作動状態とされ、その出力軸
が順方向に回転されるとき、支持部材５８が針３４Ａお
よび３４Ｂを伴ってインクタンク８Ｂに対して近接する
方向に移動せしめられる。また、その出力軸が逆方向に
回転されるとき、支持部材５８が針３４Ａおよび３４Ｂ
を伴ってインクタンク８Ｂに対して離隔する方向に移動
せしめられる。従って、支持部材５８が針３４Ａおよび
３４Ｂを伴ってインクタンク８Ｂに対して近接する方向
に所定距離、移動せしめられるとき、針３４Ａおよび３
４Ｂは、それぞれ、セプタム３４Ａおよび３４Ｂの表面
に対して突き刺されることとなる。

【００４０】インク注入装置２６には、加えて、図１に
示されるように、ポンプ４０およびモータ４６の動作制
御を行う制御部６２が備えられている。

【００４１】制御部６２には、インクタンク８Ｂ〜８Ｙ
が搭載されたキャリッジ部材８ａが所定のホームポジシ
ョンに到達したことをあらわす検出信号Ｓｐ、および、
各インクタンク８Ｂ〜８Ｙのインク残量が所定値以下と
なったことを検出するインク残量検出部６４からのそれ
ぞれの検出出力信号群ＳＲが供給される。インク残量検
出部６４は、例えば、各インクタンク８Ｂ〜８Ｙに設け
られインク残量を光学的に検出する液面センサとされ
る。なお、インク残量は、インク残量の初期値と記録部
８の所定の単位あたりのインク量の吐出ドット数の計数
値との演算により、検出されてもよい。

【００４２】制御部６２は、先ず、検出信号Ｓｐおよび
検出出力信号群ＳＲに基づいてインクの補給が必要とさ
れる各インクタンク８Ｂ〜８Ｙに対応する注入機構部３
１の針３１Ａおよび３１Ｂの先端をそれぞれセプタム３
４Ａおよび３４Ｂに突き刺すべく、制御信号群Ｃｍｆを
形成し、それらを駆動回路部６８に供給する。駆動回路
部６８は、制御信号群Ｃｍｆに基づいて駆動制御パルス
信号群ＣＭＦを形成し、それらをモータ４６に供給す
る。これにより、各支持部材５８が各インクタンク８Ｂ
〜８Ｙに向けて所定距離、前進され、針３１Ａおよび３
１Ｂの先端が、それぞれ、図１に示されるように、セプ
タム３４Ａおよび３４Ｂを貫通して第２の部屋３０Ｂの
内部に到達せしめられる。その際、キャッピング部材３
６Ｂ〜３６Ｙが上昇されてインクジェットヘッド２８の
インク吐出口形成面を覆う。

【００４３】次に、制御部６２は、所定量の各インクが
各インクタンク８Ｂ〜８Ｙにそれぞれ補給されるように
制御信号群Ｃｈｐを形成し、それらを駆動回路部６６に
供給する。駆動回路部６６は、制御信号群Ｃｈｐに基づ
いて駆動パルス制御信号群ＣＨＰを形成し、それらを各
ポンプ４０に供給する。

【００４４】なお、インクの供給量は、注入作業を短縮
化する観点からキャッピング部材３６Ｂから外部にイン
ク漏れがない程度であって単位時間あたりの供給量が比
較的大となるように設定されることが望ましい。

【００４５】これにより、インクＩＮがチューブ４４お
よび針３１Ｂを通じて所定量、第２の部屋３０Ｂに補給
され、例えば、連通路３０Ｔ近傍位置から図３（ａ）で
示される位置まで液面が上昇せしめられることとなる。
その際、針３１Ａの孔を通じて第２の部屋３０Ｂにおい
てインクＩＮの上方を占める空間内の空気が排出される
こととなる。この時、ポンプ４０の液体供給能力によっ
ては（例えば，空気の排出より液体の補給の方が著しく
早い場合など）、補給された液体の一部が連通路３０Ｔ
を介して第１の部屋３０Ａへ移動してもよい。この場合
でも、インクジェットヘッド２８のインク吐出口形成面
は、キャッピング部材３６Ｂにより覆われているため、
インクがインクジェットヘッド２８から漏れ出すことは
ない。

【００４６】続いて、制御部６２は、針３１Ａおよび３
１Ｂの先端を、それぞれ、図３（ａ）で示される位置か
ら図３（ｂ）で示される位置まで後退させるべく、制御
信号群Ｃｍｒを形成し、それらを駆動回路部６８に供給
する。駆動回路部６８は、制御信号群Ｃｍｒに基づいて
駆動制御パルス信号群ＣＭＲを形成し、それらをモータ
４６に供給する。これにより、針３１Ａの先端はセプタ
ム３４Ａから引き抜かれる。

【００４７】続いて、制御部６２は、インクタンク８Ｂ
〜８Ｙの内部圧力を所定の負圧に設定すべく、所定量の
各インクが各インクタンク８Ｂ〜８Ｙからそれぞれイン
ク供給部３８Ｂ〜３８Ｙに戻されるように制御信号群Ｃ
ｈｒを形成し、それらを駆動回路部６６に供給する。駆
動回路部６６は、制御信号群Ｃｈｒに基づいて駆動パル
ス制御信号群ＣＨＲを形成し、それらを各ポンプ４０に
供給する。これにより、例えば、インクタンク８Ｂの第
２の部屋３０ＢのインクＩＮの液面が図３（ａ）で示さ
れる位置から図３（ｂ）で示される位置までΔｈだけ下
降されるようにインクＩＮが所定量分だけインク供給部
３８Ｂに戻される。その際、大気連通口３０ａを通じて
導入された空気の一部が気泡Ａとなって連通路３０Ｔを
介して第２の部屋３０Ｂの取り込まれる。

【００４８】また、仮に第１の部屋３０Ａに収納されて
いるインク吸収体３２に保持されるインク量が、気液交
換状態の時のインク吸収体のインク保持量より多い場合
は、その分だけインクは連通路３０Ｔを経て針３１Ｂか
ら外部へ抜き出される。従って，この時，インク吸収体
の気体と液体との界面は、タンク部が単独でインクタン
クとして動作する際の「気液交換状態」のときの界面と
同等のものとなる。

【００４９】そして、制御部６２は、針３１Ａおよび３
１Ｂの先端を、それぞれ、図３（ｃ）に示す初期位置ま
でさらに後退させるべく、制御信号群Ｃｍｒを形成し、
それらを駆動回路部６８に供給する。駆動回路部６８
は、制御信号群Ｃｍｒに基づいて駆動制御パルス信号群
ＣＭＲを形成し、それらを各モータ４６に供給する。こ
れにより、針３１Ａおよび３１Ｂの先端は、インクタン
ク８Ｂ〜８Ｙに対して所定距離、離隔した位置に戻され
る。

【００５０】ここで、図３（ｂ）に示す状態での第２の
部屋３０Ｂへの大気の導入は、連通路３０Ｔを介して行
われるため、針３１Ａおよび針３１Ｂが初期位置まで戻
ったときには、タンク部は、タンク部単体が気液交換状
態でヘッドからの液体消費を停止させたときと同じ状態
となっている。その結果、各インクがインクタンク８Ｂ
〜８Ｙに対して所定量補給されるとともにインクタンク
８Ｂ〜８Ｙの内部圧力が所定の負圧に設定されることと
なる。よって、この補充動作終了後、記録ヘッドからの
インクを吐出して記録が行われるときから前述の残量検
知手段により補給動作に入るまで、タンク部における気
液交換状態を維持することができる。

【００５１】このように、本願発明の構成によれば、イ
ンク保持体を備える第１の部屋３０Ａと、インクが補充
された第２の部屋３０Ｂとの圧力バランスを補充動作の
後に放置することで調整する必要がないので，上述した
一連の液体補充動作の直後から、略安定した負圧を発生
することができる。よって、圧力バランスを調整する必
要がある構成で見られるような，第２の部屋３０Ｂから
第１の部屋３０Ａへの過度のインク移動に伴う第１の部
屋３０Ａからのインク漏れの虞がなく，それに伴う吸引
回復処理等の必要もないため，記録に使用するインクを
無駄なく使用することができる。

【００５２】また、補給動作および抜き取り動作にポン
プを併用することで、単なる位置エネルギーを利用して
液体補給を行う場合に比べ、液体補給の時期を短縮する
ことができる。

【００５３】（第２実施例）図４は、本発明に係るイン
ク注入装置の第２実施例の要部を示す。本実施例は、上
述の第１実施例に基づき想起されたものである。

【００５４】なお、図４に示される例においては、適用
されるインクジェット記録装置の全体構成は、図２に示
される構成と略等しいので省略する。また、図１に示さ
れる例における同一の構成要素については同一の符号を
付して示し、その重複説明を省略する。

【００５５】図４において、ブラックインクが貯留され
るインクタンク８２Ｂ、シアンインクが貯留されるイン
クタンク８２Ｃ、マゼンタインクが貯留されるインクタ
ンク８２Ｍ、イエローインクが貯留されるインクタンク
８２Ｙは、図１に示される例と同様に配列され、キャリ
ッジ部材８ａに着脱自在に搭載されるものであり、互い
に同一の構造を有している。

【００５６】比較的透明性のある樹脂材料で成形された
インクタンク８２Ｂは、インクジェットヘッド８６を用
紙４の記録面に対向する部分に備えている。また、イン
クタンク８２Ｂは、内部に上述の例のようにインク吸収
体を有することなく、ブラックのインクがケース８３内
に所定量、貯留されている。さらに、インクタンク８２
Ｂの上部には、ケース８３の内部の圧力を調整する圧力
調整部８４が設けられている。圧力調整部８４は、例え
ば、特開平５−２５６３７５号公報にも示されるよう
に、二枚の薄膜が互いにシリコンオイルにより密着され
たものが支持部に設けられる構造とされ、内部圧力を所
定の負圧以上に減圧させないものとされる。

【００５７】インクタンク８２Ｂにおけるインク注入装
置２６’に対向する背面側の壁面には、針８０Ａおよび
８０Ｂの先端により突き刺されるセプタム８４が設けら
れている。セプタム８４は、例えば、ゴム材料で作ら
れ、針８０Ａおよび８０Ｂの先端がそれぞれ突き刺され
るとき、針８０Ａおよび８０Ｂの外周部を封止する。ま
た、セプタム８４は，針８０Ａおよび８０Ｂの先端が引
き抜かれるとき、針８０Ａおよび８０Ｂの先端により形
成された孔を自動的に閉塞するものとされる。

【００５８】インク注入装置２６’は、図４に示される
ように、各インクタンク８２Ｂ〜８２Ｙに対応してそれ
ぞれ、補給される各色のインクが貯留されるインク供給
部７０Ｂ〜７０Ｙと、各インク供給部７０Ｂ〜７０Ｙご
とに設けられる注入機構部８０とを含んで構成されてい
る。各インク供給部７０Ｂ〜７０Ｙおよび各注入機構部
８０は、それぞれ、同一の構造とされるのでインクタン
ク８２Ｂについて設けられたインク供給部７０Ｂおよび
注入機構部８０について説明し、他のインクタンクに対
応して設けられたインク供給部および注入機構部につい
ての説明を省略する。

【００５９】インク供給部７０Ｂの内部には、ブラック
のインクＩＮが所定量、貯留されている。インク供給部
７０Ｂの上部には、その内部空間と外気とを連通させる
大気連通口７０ｂが設けられている。また、インク供給
部７０Ｂの下部に接続される導出／導入路７４には、イ
ンクＩＮをインクタンク８２Ｂ側に供給するとともに、
インクタンク８２Ｂに貯留されるインクＩＮを所定量イ
ンク供給部７０Ｂの内部に戻すポンプ７８が設けられて
いる。また、インク供給部７０Ｂの上部に接続される戻
し通路７２には、インクタンク８２Ｂから溢れ出たイン
クＩＮをインク供給部７０Ｂに戻すポンプ７６が設けら
れている。なお、戻し通路７２には、インクＩＮを濾過
するフィルタが設けられてもよい。

【００６０】ポンプ７６および７８は、例えば、輸液ポ
ンプとされ、回転軸の回りの複数のローラの公転により
チューブの外周部がしごかれてインクを送液するものと
される。その回転軸は、駆動用のモータの出力軸に連結
されており、モータの出力軸が順方向もしくは逆方向の
回転されることにより、複数のローラが自転するととも
に、順方向もしくは逆方向に公転されることとなる。モ
ータは、後述する制御部９０からの制御信号に基づいて
駆動制御される。

【００６１】導出／導入路７４には、柔軟性のある材料
で作られたチューブ８７の一端が接続されている。チュ
ーブ８７の他端は、チューブ８７の内側に連通する孔を
先端に有する針８０Ｂに接続されている。また、戻し通
路７２には、柔軟性のある材料で作られたチューブ８８
の一端が接続されている。チューブ８８の他端には、そ
の内部を通じてチューブ８８に連通する透孔を先端に有
する針８０Ａに接続されている。針８０Ｂの支持部材５
８から突出した長さは、針８０Ａの長さと等しく設定さ
れている。

【００６２】針８０Ｂは、支持部材５８により針８０Ａ
とともに連結されている。

【００６３】針８０Ａと針８０Ｂとは互いに平行に、か
つ、インクタンク８２Ｂの背面側の壁面のセプタム８４
の表面に対して略垂直となるように支持されている。

【００６４】インク注入装置２６’には、加えて、図４
に示されるように、ポンプ７６および７８、モータ４６
の動作制御を行う制御部９０が備えられている。

【００６５】制御部９０には、インクタンク８２Ｂ〜８
２Ｙが搭載されたキャリッジ部材８ａが所定のホームポ
ジションに到達したことをあらわす検出信号Ｓｐ、およ
び、各インクタンク８２Ｂ〜８２Ｙのインク残量が所定
値以下となったことを警告すべく操作される警告操作部
９４からの警告信号群ＳＣが供給される。

【００６６】制御部９０は、先ず、検出信号Ｓｐおよび
警告信号群ＳＣに基づいてインクの補給が必要とされる
各インクタンク８２Ｂ〜８２Ｙに対応する注入機構部８
０の針８０Ａおよび８０Ｂの先端をそれぞれセプタム８
４に突き刺すべく、制御信号群Ｃｍｆを形成し、それら
を駆動回路部６８に供給する。駆動回路部６８は、制御
信号群Ｃｍｆに基づいて駆動制御パルス信号群ＣＭＦを
形成し、それらをモータ４６に供給する。これにより、
各支持部材５８が各インクタンク８２Ｂ〜８２Ｙに向け
て所定距離分前進され、針８０Ａおよび８０Ｂの先端
が、それぞれ、図４に示されるように、セプタム８４を
貫通してその内部に到達せしめられる。

【００６７】次に、制御部９０は、所定量の各インクが
各インクタンク８２Ｂ〜８２Ｙにそれぞれ補給されるよ
うに制御信号群Ｃｈｐを形成し、それらを駆動回路部９
２に供給する。駆動回路部９２は、制御信号群Ｃｈｐに
基づいて駆動パルス制御信号群ＣＨＰを形成し、それら
をポンプ７８に供給する。

【００６８】これにより、インクＩＮがチューブ８７お
よび針８０Ｂを通じて所定量、各インクタンク８２Ｂ〜
８２Ｙの内部に補給され、例えば、実線で示される位置
から二点鎖線で示される位置まで液面が上昇せしめるこ
ととなる。その際、制御部９０は、空気およびインクを
所定量分インク供給部７０Ｂ〜７０Ｃ側に戻すためにポ
ンプ７６を作動状態とすべく、制御信号群Ｃｂｐを形成
し、それらを駆動回路部９２に供給する。駆動回路部９
２は、制御信号群Ｃｂｐに基づいて駆動制御パルス信号
ＣＢＰをポンプ７６に供給する。

【００６９】従って、針８０Ａの孔を通じて各インクタ
ンク８２Ｂ〜８２Ｙの内部においてインクＩＮの上方を
占める空間内の空気および針８０Ａの孔に到達したイン
クが排出されることとなる。即ち、インクの液面は、針
８０Ａの設定された位置以上に上昇する虞、および、イ
ンクが外部に漏れ出す虞はないこととなる。

【００７０】続いて、制御部９０は、インクタンク８２
Ｂ〜８２Ｙの内部圧力が所定の負圧に設定すべく、所定
量の各インクが各インクタンク８２Ｂ〜８２Ｙからそれ
ぞれインク供給部７０Ｂ〜７０Ｙに戻されるように制御
信号群Ｃｈｒを形成し、それらを駆動回路部９２に供給
する。駆動回路部９２は、制御信号群Ｃｈｒに基づいて
駆動パルス制御信号群ＣＨＲを形成し、それらをポンプ
７８に供給する。これにより、例えば、インクタンク８
２ＢのインクＩＮの液面が図４に二点鎖線で示される位
置から一点鎖線で示される位置まで下降されるようにイ
ンクＩＮが所定量分だけチューブ８７を介してインク供
給部７０Ｂに戻される。その際、ポンプ７６は停止状態
とされている。

【００７１】続いて、制御部９０は、針８０Ａおよび８
０Ｂの先端を、それぞれ、図４に実線で示される位置か
ら二点鎖線で示される位置まで後退させるべく、制御信
号群Ｃｍｒを形成し、それらを駆動回路部６８に供給す
る。駆動回路部６８は、制御信号群Ｃｍｒに基づいて駆
動制御パルス信号群ＣＭＲを形成し、それらをモータ４
６に供給する。これにより、針８０Ａおよび８０Ｂの先
端はセプタム８４から引き抜かれる。そして、針８０Ａ
および８０Ｂの先端は、インクタンク８２Ｂ〜８２Ｙに
対して所定距離、離隔した位置に戻される。

【００７２】従って、インク残量検出装置が備えられて
いない場合であっても、インクの不所望な外部への漏れ
を生じることなく、各インクがインクタンク８２Ｂ〜８
２Ｙに対して補給されるとともにインクタンク８２Ｂ〜
８２Ｙの内部圧力が所定の負圧に設定されることとな
る。

【００７３】なお、以上の説明は，インクジェット記録
装置に限って説明を行ったが、本発明のインク注入方
法、および、インク注入装置は、インクジェット記録装
置のほかにも，例えば，負圧を発生して記録を行う他の
記録装置等にも適用可能である。

【００７４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るインク注入方法、インク注入装置、および、それ
を備えるインクジェット記録装置によれば、インク注入
後のインクタンクは、外部にインクを導出する際に、所
謂、気液交換状態でインクの導出を行うことができるの
で、記録ヘッドにおける負圧がより安定したインクタン
クを提供することができる。これにより、第１室の圧力
よりも第２室の圧力が高いことによる第１室の導出部か
らのインク漏れなどが起こる虞はない。

【００７５】また、補給動作および抜き取り動作にポン
プを併用することで、単なる位置エネルギーを利用して
液体補給を行う場合に比べ、液体補給の時間を短縮する
ことができる。また、インク残量検知手段を備えること
で、ピットイン装置等に本発明のインク注入方法を容易
に用いることができる。

【００７６】さらに、インクの抜き取り工程を備えるこ
とで、インクタンク内を所望の負圧に維持することがで
きるとともに、インクの注入，排出にポンプが用いられ
ることにより、インク補給時間を短縮化することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るインク注入装置の第１実施例の概
略構成を、インクタンクとともに示す構成図である。

【図２】本発明に係るインク注入装置が備えられるイン
クジェット記録装置の一例を示す斜視図である。

【図３】（ａ）、（ｂ）、および、（ｃ）は、図１に示
される例における動作説明に供される図である。

【図４】本発明に係るインク注入装置の第２実施例の概
略構成を、インクタンクとともに示す構成図である。

【図５】従来のインクタンクの一例を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

８Ｂ，８Ｃ，８Ｍ，８Ｙ インクタンク ８ａ キャリッジ部材 ２６，２６’ インク注入装置 ２８ インクジェットヘッド ３２ インク吸収体 ４０，７６，７８ ポンプ ４４，８７，８８ チューブ ６２，９０ 制御部

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 負圧発生部材を収容するとともに外部に
   液体を供給するためのインク供給口と外部と連通するた
   めの大気連通口とを備える第１室と、該第１室と連通部
   を介して連通し前記連通部を除いて実質的に密閉空間を
   形成する第２室とを有するインクタンクに対し、補充容
   器を用いてインクを補充するインク注入方法であって、 前記第２室と前記補充容器とで前記連通部を除き大気に
   対して実質的に密閉空間を形成しつつ、前記第２室内の
   気体と前記補充容器内の気体とを連通する第１の経路
   と、前記補充容器内のインクを前記第２室に移動させる
   ための前記第１の経路とは異なる第２の経路とで前記第
   ２室と前記補充容器とを導通する導通工程と、 該導通工程の後で、前記補充容器のインクを第２の経路
   を介して前記第２室に移動させるとともに、前記第２室
   内の空気を前記第１の経路を介して前記補充容器内に移
   動させるインク注入工程と、 該インク注入工程の後に、前記第２室から前記補充容器
   へインクを排出するとともに、前記連通部を介して前記
   第１室の大気連通口を介して大気を前記第２室内に導入
   する気体導入工程と、 を備えることを特徴とするインク注入方法。
2. 【請求項２】 前記気体導入工程において、前記第１の
   経路は、前記第２室に対して非導通状態となることを特
   徴とする請求項１に記載のインク注入方法。
3. 【請求項３】 前記第２室内のインク量を検知するイン
   ク残量検知手段を備えるとともに、前記導通工程は、前
   記インク残量検知部により前記第２室内のインクが所定
   量以下であることを検知した後、行われることを特徴と
   する請求項１に記載のインク注入方法。
4. 【請求項４】 前記インク注入工程、および、前記気体
   導入工程におけるインク移動は、ポンプを使って行われ
   ることを特徴とする請求項１に記載のインク注入方法。
5. 【請求項５】 インクを保持するインクタンクと、該イ
   ンクタンクに補充するインクを保持する補充容器とを有
   し、該補充容器からインクタンクへインクの補充を行う
   インク注入装置において、 前記インクタンクは、負圧発生部材を収容するととも
   に、外部に前記インクを供給するための供給口および大
   気連通口を備える第１室と、 該第１室と連通する連通部を備え前記連通部を除いて実
   質的に密閉空間を形成する第２室と、を有し、 前記第２室と前記補充容器とは、前記第２室内の気体と
   前記補充容器内の気体とを連通する第１の経路と、前記
   補充容器内のインクを前記第２室に移動させるための前
   記第１の経路とは異なる第２の経路とにより導通される
   とともに、 前記第２の経路に、前記補充容器から前記第２室、およ
   び、該第２室から前記補充容器への双方へのインク移動
   を促進可能なポンプが設けられていることを特徴とする
   インク注入装置。
6. 【請求項６】 前記第１の経路と前記第２の経路とは、
   前記インクタンクとの接続部分に対して前記第２の経路
   が前記第１の経路よりも近接した位置にあることを特徴
   とする請求項５に記載のインク注入装置。
7. 【請求項７】 前記第２の経路は、前記第１の経路に対
   して重力方向で下方に設けられることを特徴とする請求
   項５に記載のインク注入装置。
8. 【請求項８】 前記第２室内のインク量を検知するイン
   ク残量検知手段を備えるとともに、該検知手段の検出結
   果に基づいて前記第１および第２の経路の導通を制御す
   る制御手段を備えることを特徴とする請求項５に記載の
   インク注入装置。
9. 【請求項９】 インクを保持するインクタンクと、該イ
   ンクタンクから供給されたインクを吐出して被記録媒体
   に記録を行う記録ヘッドと、前記インクタンクに補充す
   るインクを保持する補充容器とを有するインクジェット
   記録装置であって、 前記インクタンクは、負圧発生部材を収容するととも
   に、前記記録ヘッドにインクを供給するための供給口お
   よび大気連通口を備える第１室と、 該第１室と連通する連通部を備え前記連通部を除いて実
   質的に密閉空間を形成する第２室と、を有し、 前記第２室と前記補充容器とは、前記第２室内の気体と
   前記補充容器内の気体とを連通する第１の経路と、前記
   補充容器内のインクを前記第２室に移動させるための前
   記第１の経路とは異なる第２の経路とにより導通される
   とともに、 前記第２の経路に、前記補充容器から前記第２室、およ
   び、前記第２室から前記補充容器への双方へのインク移
   動を促進可能なポンプが設けられていることを特徴とす
   るインクジェット記録装置。
10. 【請求項１０】 前記インクジェット記録装置は、前記
    インクタンクを搭載可能なキャリッジと、該キャリッジ
    を前記記録媒体の記録面に沿って相対移動させる走査部
    と、該記録媒体を搬送する搬送手段と、をさらに備える
    ことを特徴とする請求項９に記載のインクジェット記録
    装置。
11. 【請求項１１】 インクを保持するインクタンクと、該
    インクタンクから供給されたインクを吐出して被記録媒
    体に記録を行う記録ヘッドと、前記インクタンクに補充
    するインクを保持する補充容器とを有するインクジェッ
    ト記録装置であって、 前記インクタンクに対して接続可能で、前記インクタン
    クと前記補充容器とを連通する第１の経路と、 前記インクタンクに対して接続可能で、前記インクタン
    クを前記補充容器とを連通するとともに双方向にインク
    移動可能なインク移動手段を備え、前記インクタンクへ
    の接続部が前記第１の経路のインクタンクの接続部より
    下方に設けられる第２の経路と、 前記第１および第２の経路の接続および前記インク移動
    手段の動作を制御する制御手段と、を備え、 該制御手段により、 少なくとも前記第１および第２の経路と前記インクタン
    クとを接続状態とし、前記第２の経路から前記インクタ
    ンクに前記インクを注入すると共に、前記インクの注入
    に応じ前記第１の経路から前記第１の経路から該インク
    タンク内の空気を排出させるインク注入工程と、 前記第１の経路を非接続状態とした上で、前記インク移
    動手段により前記第２の経路を介して注入したインクを
    該インクタンク内の負圧が所定の負圧となるように該イ
    ンクタンクから排出する排出工程と、を備えたことを特
    徴とするインクジェット記録装置。
12. 【請求項１２】 前記インク注入工程の後に、前記第２
    の経路から前記インクタンクに前記インクを注入すると
    ともに、前記インクの注入に応じ前記第１の経路から該
    インクタンク内のインクを排出させることでインクタン
    ク内のインク量を所定量に維持するインク循環工程を備
    えることを特徴とする請求項１１に記載のインクジェッ
    ト記録装置。