JP2000075239A - ヘッドアップディスプレイ装置の製造方法 - Google Patents

ヘッドアップディスプレイ装置の製造方法

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JP2000075239A
JP2000075239A JP24397598A JP24397598A JP2000075239A JP 2000075239 A JP2000075239 A JP 2000075239A JP 24397598 A JP24397598 A JP 24397598A JP 24397598 A JP24397598 A JP 24397598A JP 2000075239 A JP2000075239 A JP 2000075239A
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Shoichi Takeuchi
彰一 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱可塑性樹脂からなるコンバイナとコンバイナ
ホルダを、外観的に影響を与えず、かつ耐久性があるよ
うに接合したヘッドアップディスプレイ装置を得る。 【解決手段】超音波溶着機の工具ホーン1を降ろし、コ
ンバイナホルダ3の底面(図1では上側)で、コンバイ
ナ2が挿入される凹部の上記底面の部分を加圧し、加圧
されている状態で、工具ホーン1により超音波による振
動を与えて、コンバイナ2とコンバイナホルダ3とを溶
着接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘッドアップディ
スプレイ装置の製造方法に関し、特に車両のダッシュボ
ードなどの上に置いて使用する、別置き型ヘッドアップ
ディスプレイ装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両内の運転者などの観視者に情報を表
示する手段として、ヘッドアップディスプレイ(以下H
UDという)と呼ばれる装置が最近用いられている。こ
れは、液晶表示装置などの発光手段から投射された光学
的情報を、ハーフミラーなどからなるコンバイナに映
し、運転者が運転状態からほとんど視線を動かすことな
く情報を読み取れるようにしたものである。
【0003】このHUD装置には、フロントガラスにコ
ンバイナを形成したもののほか、発光手段とコンバイナ
とを一体化し、車両のダッシュボード上などに後付けし
て設置するいわゆる別置き型HUD装置がある。この別
置き型HUD装置はフロントガラスにコンバイナを形成
しないので、後付けでも容易にダッシュボード上などに
設置してHUD装置の機能が得られ、また運転者の希望
の位置に容易に移動もでき、さらには取り外しもできる
利点がある。
【0004】上記別置き型HUD装置に用いられるコン
バイナとしては、ガラスや透明樹脂の基板などに誘電体
多層膜や金属の薄膜などを形成したハーフミラータイプ
のコンバイナが知られている。
【0005】さらに、光学素子としての簡素さおよび付
加される機能の豊富さから上記のコンバイナとして、ホ
ログラムを用いたものが提案されている。このホログラ
ムを用いたコンバイナは、回折機能のみならずレンズ機
能などを併有しうるので、光学的情報を運転者の視野方
向に回折したり、他にレンズなどの光学部品を使用せず
に、運転者の視野方向の任意の位置に表示虚像を結像さ
せることができる。また、車両の前景輝度を損なわず、
すなわちコンバイナの透過率を大幅に下げることなく運
転者の視野方向に高輝度の表示像が得られる特徴もあ
る。
【0006】上記のハーフミラータイプおよびホログラ
ムタイプのコンバイナの基板としては上記のようにガラ
スや透明樹脂が用いられている。ガラスは熱的変形が少
なくさらに耐擦傷性や光学的特性が優れ、誘電体または
金属多層膜の保持やホログラムの保持の点でも優れる
が、反面コスト、重量、強度(脆さ)の点では問題があ
り、ガラスの代わりに透明樹脂を用いることが一般的で
ある。
【0007】図3は、車載用の別置き型HUD装置を示
す概念図である。本体41は発光手段としての自己発光
型の表示素子を備えており、表示素子から発した光は、
コンバイナホルダ43を介して本体41に支持されてい
るコンバイナ42に向けて投射され、コンバイナ42に
よって反射または回折されて情報を含む光44として運
転者などの観視者45によって視認される。
【0008】図4は、コンバイナとコンバイナホルダの
主要部の分解図である。図4における主要部は、それぞ
れ別個に作製された2つの部品である、コンバイナ42
とコンバイナホルダ43からなり、コンバイナ42はコ
ンバイナホルダ43の凹部に挿入され保持される。
【0009】通常、コンバイナ42は、例えば図3に示
すように、HUD装置で用いられるため、基板としては
透明またはやや着色された材料が適しており、コンバイ
ナ42を保持する支持部材であるコンバイナホルダ43
は通常本体41の筐体部に用いられる材料と同種類の不
透明な材料が用いられる。コンバイナホルダ43は本体
41の筐体部の成形時に同時に一体に形成されてもよい
が、コンバイナ42の使用時には起立させ、非使用時に
は倒してコンパクトにすることが多いため、本体41の
筐体部とは別部品となることが多い。
【0010】また、コンバイナ42側に支持部材となる
部分を一体に形成することも考えられるが、コンバイナ
の形状が複雑になり、特に射出成形法による樹脂成形品
の場合にはその光学的特性や金型の複雑さ、生産歩留ま
りや価格などの観点から別部品とすることが多い。
【0011】図5は、従来のコンバイナと支持部材の接
合方法を説明する概念図であり、図4におけるコンバイ
ナ42およびコンバイナホルダ43の長手方向の中心部
における垂直断面を示している。従来の接合方法ではコ
ンバイナホルダ43の凹部の内部底面に接着剤40を適
量塗布後、コンバイナ42をコンバイナホルダ43の凹
部に挿入して接着し、接合される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】接着剤を使用してコン
バイナと支持部材を接合する従来の技術では、接着剤の
塗布量を適量とする必要がある。つまり、接着剤が少な
い場合には必要とする接着強度が得られないなど、逆に
接着剤が多い場合には不必要な部分にはみ出し見栄えが
悪くなるなどのため、接着剤の定量吐出装置などを用い
て均一に適量を塗布する必要があった。
【0013】さらに、コンバイナ42をコンバイナホル
ダ43に挿入後、接着剤40が硬化し充分な強度が得ら
れるまで所定の時間静かに放置する必要があるなど、生
産性や作業性において問題があった。さらに、作業時に
接着剤からの有毒ガスが発生するなどの問題もあった。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、発光手段を収納する本体と、前記発光手
段から投射された光学的情報を観視者に向けて反射また
は回折するコンバイナと、前記コンバイナをその端部に
おいて固定する支持部材でありかつ前記本体に設置され
ている支持部材と、を備えたヘッドアップディスプレイ
装置の製造方法において、前記コンバイナと前記支持部
材はともに熱可塑性樹脂からなり、かつ前記コンバイナ
と前記支持部材とを溶着によって接合することを特徴と
するヘッドアップディスプレイ装置の製造方法を提供す
る。また、前記溶着が、超音波による溶着である上記の
製造方法、および、前記コンバイナを構成する熱可塑性
樹脂の変形温度が、前記支持部材を構成する熱可塑性樹
脂の変形温度よりも高い上記の製造方法、を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法においては、H
UD装置のコンバイナと支持部材とは溶着によって接合
される。溶着の手段としては、加圧下または非加圧下で
の加熱によるものであり、それらは高周波利用などによ
る誘電加熱、回転溶接などの摩擦加熱、超音波振動加
熱、加熱ガスの使用、加熱工具の使用などがある。これ
ら加熱に基づく溶着による接合方法は、いずれもコンバ
イナと支持部材を一体化するものであり、接着剤などを
使用する方法よりは、固定の確実性による耐久性や外観
の優美さの観点から優れる。
【0016】また、コンバイナと支持部材とは、熱可塑
性樹脂からなるので変形温度が低く、上記の種々の加熱
による溶着が容易に行える。この熱可塑性樹脂には、ポ
リスチレン、アクリロニトリル−スチレン(AS)、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポ
リメチルメタアクリレート(PMMA:アクリル)、ポ
リカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)な
どがあり、同一の熱可塑性樹脂の組み合わせが最適であ
るが、異なる材料間の組み合わせとして、例えばPMM
A製のコンバイナに対しては、AS、ABS、PC、P
VCなどの支持部材が適合できる。この組み合わせは、
材料の光透過率などの光学特性、剛性など機械的特性に
よって決められる。それらの変形温度は一般的に70〜
145℃であって扱いやすい温度であり、溶着作業上好
ましい。
【0017】また、本発明の製造方法においては、熱可
塑性樹脂からなるコンバイナと支持部材とを、超音波に
よって溶着することが好ましい。超音波による溶着は、
発熱軟化溶融現象と考えられる作用によるものであり接
合面の熱可塑性樹脂同士が衝突し合って発熱するが、機
械的エネルギーが熱に変換する。この溶着は、接着剤を
使用する方法などと比べてきわめて短時間で行えるし、
外観上も優れていて好ましい。
【0018】また、コンバイナを構成する熱可塑性樹脂
の変形温度が、支持部材を構成する熱可塑性樹脂の変形
温度よりも高いことが好ましい。コンバイナの変形温度
が支持部材の変形温度よりも高いため、支持部材よりも
先にコンバイナが変形することはなく、コンバイナの接
合部分の変形を極力抑制できる。したがって、上記の変
形歪みも極力抑制できる。
【0019】さらに、本発明においては、コンバイナ
が、光学的情報の回折部材としてのフォトポリマーのホ
ログラムが装着されている熱可塑性樹脂からなってお
り、このコンバイナと支持部材が溶着により接合される
ことが好ましい。後述するように、ホログラムであれば
回折像を任意の位置にかつ倍率も自由に採れて設計の自
由度が大きく、さらにフォトポリマーの使用によりホロ
グラムの作製が少ない工程でかつ容易に短時間で行え
る。このホログラムの作製を含めたコンバイナの作製工
程、コンバイナと支持部材の溶着工程などが短時間に効
率よくできて生産効率を向上させるうえできわめて好ま
しい。
【0020】フォトポリマーのホログラムは、高分子材
料であり耐熱温度が例えば140℃程度と低いが、熱可
塑性樹脂の変形温度も一般的に70〜145℃と低く、
超音波によるコンバイナと支持部材の溶着工程中に、加
熱がフォトポリマーのホログラムに熱的な影響を与える
ことはなく好ましい。
【0021】
【実施例】以下、本発明における好ましい実施の形態、
つまり、溶着法として超音波による溶着を採用し、さら
に支持部材の一つとしコンバイナホルダに限定した場合
について、図面に基づいて本発明のHUD装置の製造方
法を詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明におけるコンバイナのコン
バイナホルダへの接合方法の一例を示す概念図である。
図1は、HUD装置が通常使用される状態とは上下逆の
配置を示しており、コンバイナ2はコンバイナホルダ3
の凹部に挿入された状態で、図示しないジグによってコ
ンバイナは固定され、コンバイナ2の下端面(図1では
上側)とコンバイナホルダ3の凹部底面が接している状
態となっている。
【0023】そして、図1において上部から超音波溶着
機の工具ホーン1を降ろし、コンバイナホルダ3の底面
(図1では上側)を加圧する。これはコンバイナ2の下
端面とコンバイナホルダ3の凹部の内部底面が接して加
圧されている状態であり、この状態で約1秒間超音波に
よる振動を与えて、コンバイナ2とコンバイナホルダ3
とを溶着接合した。ここで使用した超音波溶着機は、精
電舎電子工業製の超音波ウェルダーSONOPET12
03Bであり、発振器出力1.2kW、発振周波数1
9.15kHzであった。超音波溶着機の工具ホーン1
は図1のように、本例のコンバイナホルダ3の形状に合
わせて作製した。
【0024】図1において、コンバイナ2とコンバイナ
ホルダ3は通常使用される状態とは上下逆の配置で溶着
しているが、上下逆とする必要はなく、通常使用される
状態としてもよい。この場合は、超音波溶着機の工具ホ
ーン1は下からコンバイナホルダ3に接することとな
る。コンバイナ2とコンバイナホルダ3は互いに横にな
るように配置してもよく、この場合は超音波溶着機の工
具ホーン1も横方向からコンバイナホルダ3に接するこ
ととなる。
【0025】接合原理としては、上でも簡単に述べた
が、超音波溶着機の工具ホーン1からの超音波振動がコ
ンバイナホルダ3内を伝播し、接触しているコンバイナ
2の下端面とコンバイナホルダ3の凹部底面にエネルギ
ーが集中し、熱可塑性樹脂の発熱軟化溶融現象と考えら
れる作用によって、溶着し瞬時に接合される。そのた
め、接着剤による方法と比べて、放置・乾燥する必要が
ないため、きわめて短時間に作業ができ、また、接着剤
などのようなはみ出しを気にする必要がなく、さらには
外観上の問題もない。そして、本発明によってコンバイ
ナとコンバイナホルダを接合したものを作り、図3に示
すような別置き型HUD装置を製造し、従来の接着剤に
よる接合方法と比較したところ充分な強度、信頼性およ
び優美な外観が得られた。
【0026】コンバイナは光学的情報を反射または回折
して像表示する光学部品であり、光学部品は一般的に変
形歪み、汚れ、傷などの欠陥があるとその光学特性を低
下させる。コンバイナも例外ではなく、上記のような欠
陥があると、表示像が歪んだり、輝度むらが生じたり、
表示像の一部が欠落する。接着剤を使用する接合方法で
は、コンバイナを長時間固定する必要があり変形が生じ
やすく、接着剤による汚れなども生じやすい。これに対
し加熱による方法、特に超音波を使用する接合方法は、
短時間で接合が完了するためコンバイナに変形など上記
のような欠陥が生じにくくコンバイナの光学特性にほと
んど悪影響を与えないので好ましい。
【0027】本例においては、コンバイナとして、熱可
塑性樹脂の透明基板にフォトポリマーのホログラムを装
着したものを用いた。その構成は、厚さ20μmのアク
リル系フォトポリマーよりなるリップマンタイプのホロ
グラムを粘着剤により、透明基板に貼付し、さらにその
上を粘着剤で同じく熱可塑性樹脂の透明基板を貼付した
ものである。このように、コンバイナは、透明基板/粘
着剤/ホログラム/粘着剤/透明基板の順に積層されて
なるものである。なお、透明基板は厚さ1.0mmのP
MMAを使用した。
【0028】本発明における熱可塑性樹脂の透明基板の
材料としては、PMMAのほか、PC、ポリスチレンな
どを使用できるが、透明性がよいものが好ましい。さら
に、熱可塑性樹脂の透明基板の材料は、透明基板と粘着
剤との粘着性や、透明基板のホログラムに対する影響、
作業性、生産性を考慮して適宜決められる。さらに、耐
久性のある透明基板が好ましい。
【0029】コンバイナを構成する熱可塑性樹脂の屈折
率は、ホログラム材料の有する屈折率にほぼ等しいこと
が好ましい。熱可塑性樹脂の屈折率は1.44〜1.6
4がよく、この値は熱可塑性樹脂材料とホログラムとの
界面で生じる光の反射によるノイズが少なくなる点で好
ましい。
【0030】そして、コンバイナを構成する熱可塑性樹
脂材料は複屈折性を示さないことが好ましい。材料の複
屈折性が大きいと、材料とホログラムに入射する光の偏
光方向の整合性がよくない場合には、表示像の輝度が低
く、表示像の劣化をもたらし視認性が充分でない。複屈
折性が小さい熱可塑性樹脂の材料としては、PMMAな
どが好ましい。
【0031】コンバイナを構成する熱可塑性樹脂は、白
濁を示さずかつ光透過率が大きいことが好ましい。材料
の白濁量を表わすヘイズ値が小さいと、白濁が目立たず
外観上好ましく、光透過率を高める原因ともなる。ま
た、材料の光透過率が大きいとコンバイナ背後の景色が
充分確認でき、車両などに搭載するHUD装置を構成す
る場合は安全上の観点から好ましい。また光透過率は、
可視光線透過率で50%以上が好ましく、さらにコンバ
イナを車両などのフロントガラス近くに設置する場合に
は70%以上がより好ましい。
【0032】熱可塑性樹脂の透明基板の厚さは0.5〜
3.0mmが好ましい。0.5mm未満では強度が弱く
取扱いが困難となる。さらに、この透明基板にはコンバ
イナ表面となる面に反射防止膜や熱線反射膜、基板表面
の保護のためのハードコート膜などが設けられていても
よいが、表示像に影響を与えず、溶着の妨げにならない
ものが望ましい。しかし、これらの膜が溶着の妨げにな
る場合には、溶着部分のみ膜を除去したり、形成しない
方が好ましい。
【0033】ホログラムとしては、数〜数十μm程度の
厚みを有し、光回折機能を有すればいかなるホログラム
でも使用できる。ホログラム材料としては、アクリル系
フォトポリマーのほか、ポリビニルカルバゾール系の他
のフォトポリマー、重クロム酸ゼラチン、銀塩系、フォ
トレジストなど種々の感光材料を採用できるが、透明基
板に積層可能であることが望ましい。
【0034】また、ホログラム感光材料はポリビニルカ
ルバゾール系や重クロム酸ゼラチンなどのようにホログ
ラムが湿式の作業工程で作製されるもの、アクリル系の
フォトポリマーなどのように乾式の作業工程で作製され
るものがあるが、乾式の作業工程でホログラムが作製で
きるホログラム感光材料を使用することが、ホログラム
作製作業の効率化を図るうえで好ましい。ここで、湿式
の作業工程とは、ホログラム作製作業を写真の現像、定
着に見立てるならば、現像液、定着液に対応する処理溶
液が必要な工程である。これに対し、乾式の作業工程で
は、現像、定着は、紫外線の照射や加熱のみでよく処理
溶液を使用する操作を必要としない。
【0035】したがって、乾式の作業工程でホログラム
が作製できるホログラム感光材料を使用してコンバイナ
を形成することが、本発明の超音波によるコンバイナの
溶着作業の時間効率化に加え、さらに生産性向上を図れ
て好ましい。
【0036】なお、上記の透明基板の透明とは、無色透
明であってもよく、多少の着色がなされていても光を通
過するものであればよい。一方、コンバイナホルダの材
料としては、価格の面からABSを用いた。このほか、
PCなどの各種熱可塑性樹脂を使用でき、機械的強度向
上のためガラス繊維を添加したものでもよい。
【0037】図2は、本発明における溶着接合で用いた
コンバイナホルダの端部およびコンバイナの端部の断面
形状図である。(a)は、コンバイナホルダの端部の一
例を示す断面形状図、(b)は、コンバイナホルダの端
部の他の例を示す断面形状図、(c)は、コンバイナの
端部の一例を示す断面形状図、(d)は、コンバイナの
端部の他の例を示す断面形状図である。図2において、
20、22はコンバイナホルダ、24、25はコンバイ
ナ、21、23は溶着代(しろ)である。
【0038】本例では、射出成形法によりコンバイナホ
ルダの断面を図2(b)の示す形状に作製した。その理
由は、溶着時に超音波振動によるエネルギーが集中し、
熱可塑性樹脂が発熱軟化溶融する部分である溶着代を設
け、より強固に溶着できるようにするためである。
【0039】本例では、コンバイナホルダの射出成形時
の金型の作製のしやすさから溶着代を図2(b)の形状
としたが、図2(a)のように凹部内部底面の中央部を
山形にした溶着代21としてもよい。一方、図2(c)
や図2(d)に示すようにコンバイナの端部先端を山形
などに加工し、溶着代となるようにしてもよく、種々変
更できる。
【0040】さらに、本例ではコンバイナは平板形状の
ものとしたが、曲面形状を有するものでもよく、その場
合にはコンバイナの形状にあわせてコンバイナホルダの
形状や上記の工具ホーンの形状を変更し超音波振動が効
率よく伝播し、溶着しやすいように対処することが重要
である。
【0041】本例では、ホログラムタイプのコンバイナ
を設置したHUD装置としたが、ハーフミラータイプの
コンバイナを設置したHUD装置においても同様に本発
明におけるコンバイナと支持部材の溶着方法が使用でき
る。さらに、コンバイナの使用時にはコンバイナを起立
させ、非使用時には倒してコンパクトとするために、コ
ンバイナホルダが本体の筐体部と一体化されている場合
であっても、本発明における溶着による接合方法は適用
できる。
【0042】なお、本発明におけるコンバイナと支持部
材の溶着による接合方法は、上記の車両用の別置き型H
UD装置のコンバイナとして用いる以外にも、各種のH
UD装置に適用できる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂からなる
コンバイナとコンバイナホルダなどの支持部材とを外観
的に影響を与えることなく接合したHUD装置を製造で
きる。さらに、熱可塑性樹脂を溶着という手段によって
接合するので耐久性に富み、かつ安価にコンバイナと支
持部材とを接合したHUD装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるコンバイナのコンバイナホルダ
への接合方法の一例を示す概念図。
【図2】本発明における溶着接合で用いたコンバイナホ
ルダの端部およびコンバイナの端部の断面形状図。
(a)は、コンバイナホルダの端部の一例を示す断面形
状図、(b)は、コンバイナホルダの端部の他の例を示
す断面形状図、(c)は、コンバイナの端部の一例を示
す断面形状図、(d)は、コンバイナの端部の他の例を
示す断面形状図。
【図3】車載用の別置き型HUD装置を示す概念図。
【図4】コンバイナとコンバイナホルダの主要部の分解
図。
【図5】従来のコンバイナと支持部材の接合方法を説明
する概念図。
【符号の説明】
1:超音波溶着機の工具ホーン 2、24、25、42:コンバイナ 3、20、22、43:コンバイナホルダ 21、23:溶着代 40:接着剤 41:本体 44:情報を含む光 45:観視者

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光手段を収納する本体と、前記発光手段
    から投射された光学的情報を観視者に向けて反射または
    回折するコンバイナと、前記コンバイナをその端部にお
    いて固定する支持部材でありかつ前記本体に設置されて
    いる支持部材と、を備えたヘッドアップディスプレイ装
    置の製造方法において、前記コンバイナと前記支持部材
    はともに熱可塑性樹脂からなり、かつ前記コンバイナと
    前記支持部材とを溶着によって接合することを特徴とす
    るヘッドアップディスプレイ装置の製造方法。
  2. 【請求項2】前記溶着が、超音波による溶着である請求
    項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】前記コンバイナを構成する熱可塑性樹脂の
    変形温度が、前記支持部材を構成する熱可塑性樹脂の変
    形温度よりも高い請求項1または2に記載の製造方法。
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