JPH10119163A - ホログラム積層体およびその製造方法 - Google Patents

ホログラム積層体およびその製造方法

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JPH10119163A
JPH10119163A JP9233017A JP23301797A JPH10119163A JP H10119163 A JPH10119163 A JP H10119163A JP 9233017 A JP9233017 A JP 9233017A JP 23301797 A JP23301797 A JP 23301797A JP H10119163 A JPH10119163 A JP H10119163A
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JP
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hologram
substrate
resin
resin layer
laminate
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JP9233017A
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English (en)
Inventor
Shoichi Takeuchi
彰一 竹内
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】意匠性、耐久性に富んだホログラム積層体を得
る。 【解決手段】基板2と、基板2に配されたホログラム1
と、ホログラム1の基板2と反対側の面を被覆する樹脂
層6とからなり、ホログラム1が基板2および樹脂層6
によって被包されてなるホログラム積層体10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板にホログラム
が配されたホログラム積層体およびその製造方法に関す
る。特には、ホログラムを用いて観視者に情報を視認さ
せるホログラフィックディスプレイのコンバイナに用い
るホログラム積層体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両内の運転手等に情報表示する手段と
して、ヘッドアップディスプレイ(以下HUDという)
と呼ばれるものが最近用いられてきている。これは、液
晶表示装置等の発光手段から投射された光学的情報を、
ハーフミラー等からなるコンバイナに映し、運転手が運
転状態からほとんど視線を動かすことなく情報を読み取
れるようにしたものである。
【0003】このHUDには、フロントガラスにコンバ
イナを形成したもののほか、発光手段とコンバイナとを
一体化し、車両のダッシュボード上に後付けで設置する
いわゆる別置き型のHUDがある。
【0004】さらに、光学的素子としての簡素さ、およ
び付加される機能の豊富さから、上記のコンバイナにホ
ログラムが使用される。このホログラムを用いたコンバ
イナは、反射機能(回折機能)のみならずレンズ機能等
を併有させうるので、光学的情報を運転手の視野方向に
回折したり、他のレンズ等の光学系を使用せずに、任意
の位置に表示虚像を結像させたりできる。また、前景輝
度を損なわずに高輝度の表示像が得られる特徴もある。
【0005】こうした別置き型の車載用HUDを示す概
念図が図6である。ここで、31は運転者等の観視者の
観視位置、32はホログラムを有するコンバイナ、33
は情報を含む光、34は遠方表示の虚像の位置、35は
透過型液晶表示素子、光源を含む本体、37はフロント
ガラス、38は車両ボディーである。
【0006】本体35は発光手段として光源と透過型液
晶表示素子とを備えており、光源から発した光は透過型
液晶表示素子を通過し、本体35に備えられたホログラ
ムを有するコンバイナ32に照射され、反射回折されて
運転者等の観視者の観視位置31で視認される。この
際、表示情報は34の位置に虚像として運転者に認識さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の別置き型HUD
のコンバイナに用いられるホログラムは、通常は数十m
m角〜数百mm角程度の面積、数μm〜数十μm程度の
厚みであり、光回折機能を持つもので、リップマンタイ
プ(反射型)のものが使われる。また、ホログラム材料
としては、アクリル系フォトポリマーやその他のフォト
ポリマー、重クロム酸ゼラチン、銀塩など種々の感光材
料が用いられる。
【0008】ホログラム自身は上記のように非常に薄い
フィルム状で脆弱であるため、変形しにくい透明基板等
に貼付、または挟持して保持せざるを得ない。また、ホ
ログラムは放置すると大気中の水分等により干渉縞の構
造が乱されたり、消失したりして特性の経時変化が生じ
像品質が劣化することが多いため、何らかの方法でホロ
グラムを密閉する必要がある。特に重クロム酸ゼラチン
のホログラムの場合には耐湿性が問題で、完全に密閉す
る必要がある。
【0009】このため、ホログラムは外的要因からの保
護の点で合わせガラスの内部に封入したり、透明樹脂基
板に貼付しさらにカバーフィルム等で封止することが多
い。ガラス板は熱的変形が少なく耐擦傷性に優れる点で
ホログラムの保持には最適であるが、コスト面、軽量
化、割れの点からはガラス板のかわりに透明樹脂基板が
よい。
【0010】図5は従来のホログラムを用いたコンバイ
ナの基本的構成の断面図であり、21はホログラム、2
2はホログラムを貼付する樹脂製透明基板、23および
24は粘着剤、25はカバーフィルムである。図5にお
いて、厚さ20μmのアクリル系フォトポリマーよりな
るリップマンタイプ(反射型)のホログラム21が粘着
剤23により、透明基板22に貼付され、さらにその上
に粘着剤24でカバーフィルム25を貼付している。
【0011】このホログラムを用いたコンバイナの構成
では、作製時に端部の処理が困難で見栄えのよいものと
することが困難であり、またコンバイナの開閉等の際の
操作による手指の度重なる接触のため、次第に端部より
剥離する欠点や、さらに端部からの水分の進入により劣
化する欠点があった。本発明の目的は、従来技術の前述
の課題を解決できる新規なホログラム積層体およびその
製造方法の提供にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板と、該基
板に配されたホログラムと、該ホログラムの基板とは反
対側の面を被覆する樹脂層とからなり、前記基板および
樹脂層の外形寸法がホログラムの外形寸法よりも大き
く、基板および/または樹脂層によってホログラムの端
面が覆われて、ホログラムが基板および樹脂層によって
被包されてなるホログラム積層体を提供する。
【0013】また、基板にホログラムが配されたホログ
ラム積層体の製造方法であって、前記ホログラムの基板
とは反対側の面と隔置されるように樹脂成形型の内壁を
配し、該内壁とホログラムとで構成される樹脂材料注入
空間に液状樹脂材料を注入し、固化させてホログラムを
樹脂層で被覆し、樹脂層で被覆されたホログラムを前記
樹脂成形型から取りだすことを特徴とするホログラム積
層体の製造方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明のホログラム積層体
の一例を示す概略断面図である。ホログラム1は、一方
の面が粘着剤3を介して基板2に貼り付けられており、
端面を含む基板2と反対側の面が粘着剤4、カバーフィ
ルム5を介して、概略盆状の樹脂層6によって被覆さ
れ、基板2および樹脂層6によって封止されている。こ
うして、ホログラム積層体10は、基板2/粘着剤3/
ホログラム1/粘着剤4/カバーフィルム5/樹脂層6
の順に積層されてなる。基板2および樹脂層5の外形寸
法は、ホログラム1の外形寸法よりも大きく構成されて
いて、ホログラム1は基板2および樹脂層6によって被
包されることになる。なお、本例において、基板2は厚
さ2.3mmの透明ポリメチルメタクリレート樹脂基
板、樹脂層6は厚さ4mmの透明エポキシ系樹脂から構
成した。
【0015】このホログラム積層体は、例えば図2に示
す方法によって作製される。まず、粘着剤3を介してホ
ログラム1を基板2に貼る。そして、基板2側を仮止め
用テープによってガラス板11に密着配置させる。ガラ
ス板11には、基板2の外形寸法にほぼ一致し、基板2
の外周を取り囲むようにスペーサ12が設けられてい
る。スペーサ12は、ガラス板の3辺に沿うように設け
られていて、ガラス板の上辺に相当する位置が開口して
いる。次いで、スペーサ12上に離型処理を施したガラ
ス板13を載せ、ガラス板11とガラス板13とを所定
の力でクランプする。本例では、スペーサ12を幅約4
mmのフッ素樹脂から形成した。
【0016】こうして、ガラス板11、13およびスペ
ーサ12によって樹脂成形型14が形成される。このと
き、ガラス板13、スペーサ12、ホログラム1および
基板2のホログラム1から張出している部分で樹脂注入
空間15を形成している。
【0017】これらを垂直に立てて保持し、上辺の開口
(樹脂材料注入口)より、液状樹脂材料を泡が生じない
ように樹脂材料注入空間15にゆっくりと注入した。こ
こで用いた液状樹脂材料は、常温硬化型のものであり、
透明なビスフェノールA型液状エポキシ樹脂からなる主
剤と、透明液状の変性脂環式ポリアミンからなる硬化剤
とを、重量比100:50の割合で混合し、均一になる
ようによく撹拌した透明液状樹脂材料である。この樹脂
材料を注入した後、ゴミ、ほこりが立ちにくいところに
室温で静かに24時間放置して硬化させ、ホログラム1
および基板2からガラス板11、13、スペーサ12を
外した。
【0018】こうして、基板2のホログラム1から張出
している部分、ホログラム1の基板2と反対側の面およ
び端面が透明な樹脂層6によって被覆されたホログラム
積層体が作製される。なお、上記の樹脂材料注入口に相
当する部分にバリが発生している場合には、このバリを
切り落としておく。この際、バリ取りが必要となる部分
は、ホログラム積層体の使用状態におけるホログラム積
層体の取付部位となるように設定することは、このバリ
部分が隠蔽されるので好ましい。
【0019】次に、本発明のホログラム積層体の別の例
を示す(図3)。ここで、基板7の形状のみ先の例の基
板2の形状と異なる。すなわち、基板7はホログラム1
が貼付される部分に凹部を有する概略盆形状のもので、
後に説明するこの例のホログラム積層体を製造する際に
樹脂材料を注入する注入口が形成されるように、盆状立
壁部の一部に切り欠きを有する。
【0020】図1の例と同様に、粘着剤3を介してホロ
グラム1が基板7に貼り付けられ、さらに粘着剤4を介
してカバーフィルム5が積層されている。さらに、この
カバーフィルム5の上から、基板7の凹部を埋めるよう
に概略盆状の樹脂層6が積層されて、ホログラム1が基
板7および樹脂層6によって被包されてホログラム積層
体10’が構成される。
【0021】このホログラム積層体10’も、図2に示
した方法と同様の方法で作製される。これを図4に示
す。図2に示した例とは、スペーサ12が不要で、基板
7の盆状立壁部71がガラス板13とホログラムとの間
隔を保持する点で相違する。そして、図2に示した例と
同様に、ガラス板11とガラス板13とでホログラム1
が貼り付けられた基板7を挟持し、適度な力でクランプ
した。
【0022】こうして、ガラス板13、ホログラム1、
基板2のホログラム1から張出している部分および盆状
立壁部71で樹脂材料注入空間15’を形成し、この樹
脂材料注入空間15’に液状樹脂材料を注入して、ホロ
グラム積層体10’が作製される。このとき、基板2の
ホログラム1から張出している部分、ホログラム1の基
板2と反対側の面および端面が透明な樹脂層6によって
被覆されて、ホログラム積層体10’が構成されてい
る。この場合、特殊形状加工した基板7の加工が必要で
はあるが、図2の例に比べて作業工程が簡略化されてい
る。
【0023】図2、図4では、ホログラム1に粘着剤を
介して積層されるカバーフィルムおよび粘着剤の図示を
省略している。カバーフィルムは、注入される液状樹脂
材料や固化後の樹脂層がホログラムに対して悪影響を及
ぼすおそれがある場合に、その影響を阻止するために積
層されるものである。液状樹脂材料や樹脂層がホログラ
ムに特に悪影響を及ぼさなければ、このカバーフィルム
を設けなくてもよい。
【0024】このようにカバーフィルムが用いられる場
合、樹脂材料注入空間は実質的にカバーフィルム、ガラ
ス板13、スペーサ12(または盆状立壁部71)とで
形成される。本発明において、上記のようにカバーフィ
ルムが樹脂材料注入空間の一部を形成する場合について
は、カバーフィルムが粘着剤を介してホログラムに積層
されていることから、ホログラムが樹脂材料注入空間の
一部を形成することに含まれるものとする。カバーフィ
ルムを設けなくてもよい場合は、当然ホログラム自身が
樹脂材料注入空間の一部を形成することになる。
【0025】上記例では樹脂成形型にガラス板を用いて
いるが、平坦性が得られる金属板、樹脂板等、種々の型
材を用いてもよい。そのうち、注入された樹脂の固化後
の型離れがよく、容易に平坦な形状のものが得られる点
で、ガラス板の使用が好ましい。ガラス板1を基板2
(7)で代用させることもできる。すなわち、基板7
(2)とガラス板13と(スペーサ12と)で樹脂成形
型を形成することもできる。この場合、ガラス板13と
基板7(2)とをクランプすることになる。
【0026】本発明における樹脂層の材料としては、上
記のエポキシ系樹脂のほか、塩化ビニル系樹脂、ポリス
チレン系樹脂、その他各種樹脂を使用できるが、透明性
が高く、注入時の泡抜けの点から低粘度で可使時間が長
い方が好ましい。さらに、基板やカバーフィルムとの接
着性や、これらやホログラムに対しての影響、作業性、
生産性を考慮して適宜決められる。加えて、基板2
(7)やホログラム1、カバーフィルム5、粘着剤3、
4が変化を受けない温度で硬化する樹脂材料でもよく、
さらに紫外線硬化型の樹脂材料でもよい。
【0027】例えば、ポリメチルメタクリレートのほか
透明性、耐久性等の点から、ポリカーボネート、ポリオ
レフィン、ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト、ポリスチレン、硬質ポリ塩化ビニル、メチルメタク
リレート−スチレン共重合体樹脂、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−
1)等が例示できる。
【0028】基板および/または樹脂層は、透明材料か
ら形成される。再生光がホログラムに対して入射する側
が、透明でなければならないからである。ホログラムが
反射型ホログラムである場合は、再生光が入射する側に
回折光が反射回折するので、この側のみ透明であれば回
折光を視認できるが、ホログラムが透過型ホログラムで
ある場合には、両面とも透明である必要がある。ここで
いう透明とは、無色透明であってもよく、多少の着色が
なされていてもよい。
【0029】上記の透明基板としても平板状樹脂の材料
と同様にポリメチルメタクリレートのほか透明性、耐久
性等の点から、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ジ
エチレングリコールビスアリルカーボネート、ポリスチ
レン、硬質ポリ塩化ビニル、メチルメタクリレート−ス
チレン共重合体樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重
合体樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)等が例示で
きる。
【0030】これらの基板や樹脂層の光学特性として
は、屈折率がホログラムに近似していることが望まし
く、屈折率は1.44〜1.64であることが、基板や
樹脂層とホログラムとの界面で生じる反射によるノイズ
が少ない点で好ましい。複屈折は低く、ヘイズは小さ
く、光透過率は大きいことが好ましい。複屈折が高い場
合には、偏光面の整合性の悪化により表示像の劣化をも
たらし、さらにヘイズが大きく光透過率が小さい場合に
は、光が充分ホログラムに入射することが困難となり表
示像が見にくくなる。
【0031】基板の厚さは0.2mm〜3.0mmが好
ましい。0.2mm未満では強度的に取扱いが困難とな
るおそれがある。さらに、基板は外側となる表面に反射
防止膜や熱線反射膜、基板表面の保護のためのハードコ
ート膜等が設けられていてもよいが表示される像に影響
を与えないものが望ましい。
【0032】上記例では、ホログラム1として図5の従
来例と同様に厚さ20μmのアクリル系フォトポリマー
よりなるリップマンタイプ(反射型)のホログラムを用
いたが、本発明におけるホログラムには、数μm〜数十
μm程度の厚みを持ち、光回折機能を持つホログラムと
呼ばれるものを広く使用できる。また、ホログラム材料
としては、アクリル系フォトポリマーのほか、他のフォ
トポリマー、重クロム酸ゼラチン、銀塩など種々の感光
材を使用できる。
【0033】こうして得られたホログラム積層体は、例
えば次の用途に好ましく応用できる。図6は別置き型の
車載用HUDを示す概念図を示すが、このHUDのコン
バイナ32に、上記ホログラム積層体を好ましく使用で
きる。この場合、ホログラム積層体のバリ取りをした部
分を取付部位として、発光手段を備えた本体35に取付
け、発光手段から発せられた光をホログラム積層体のホ
ログラムによって反射回折させ、運転者等の観視者の観
視位置31で視認させうる。そして、ホログラム積層体
の基板および樹脂層に透明材料を用いることによって、
表示像をフロントガラスの前景とともに観視できる。
【0034】このように車両内でHUDのコンバイナと
してホログラム積層体が用いられる場合、コンバイナの
開閉等の際の操作による手指の接触が頻繁に行われるも
のではあるが、ホログラムが基板および樹脂層によって
封止されて外部に露出していないので、端部における剥
離を低減でき、さらに端部からの水分の進入による劣化
も防止できる。
【0035】なお、本発明のホログラム積層体は、上記
の車両用HUDのコンバイナとして用いる以外にも、各
種ホログラフィックディスプレイのコンバイナに用いう
るが、上記のように頻繁に開閉が行われるような別置き
型HUDのコンバイナとして用いるときに、特にその特
徴を活かせる。
【0036】上記の別置き型の車載用HUD用コンバイ
ナに適したホログラム積層体の例を、次に示す。図7
は、図1の構成のホログラム積層体の変形例を示す。こ
の例のホログラム積層体の断面構成は、図1に示したも
のと同じである。図7において、点線の内側がホログラ
ムが被包された部分であり、基板2および樹脂層6の外
形寸法は、ホログラム1の外形寸法よりも大きく構成さ
れていて、ホログラム1は基板2および樹脂層6によっ
て被包されることになる。なお、本例において、基板2
は厚さ0.4mmのポリメチルメタクリレート樹脂基
板、樹脂層6は厚さ2.6mmの成形により形成される
ポリメチルメタクリレート樹脂から構成した。
【0037】このホログラム積層体10は、図2に示し
た方法の変形である以下に示す方法によって作製され
る。まず、粘着剤3を介してホログラム1を基板2に貼
り、さらにカバーフィルム5を貼付したものを準備す
る。この基板は最終的に切除される部分に樹脂成形型へ
のセッティング用の孔を有する(図示しないが、本例で
は図7(a)において中央上部とした。)。
【0038】一方、図2に示した樹脂成形型の形状を変
更し、図7に示した形状となるような樹脂材料が注入さ
れる樹脂材料注入空間が形成される雄型、雌型1組より
なる樹脂成形型を準備する。この成形型には、ホログラ
ム1を貼付した基板2に設けた孔に対応する突起が設け
られている。この樹脂成形型の樹脂材料注入空間には、
図7に示すように、得られるホログラム積層体をHUD
の本体35に取り付けるための連結部55が形成されて
いる。本例の場合、ホログラム積層体の下部の端面から
両方向に突き出た丸棒などが形成される。なお、図6の
本体35側には、このホログラム積層体下部の棒を回転
軸として、ホログラム積層体が所定の角度範囲で回動可
能に取り付けられる。
【0039】基板2側のセッティング用の孔とそれに対
応した成形型側の突起とを用い、成形型の樹脂材料注入
空間の内壁にホログラム1を貼付した基板2を密設して
配置して成形型を閉じ、樹脂材料を注入して樹脂層をホ
ログラムに一体化させてホログラム積層体を成形した。
【0040】注入される樹脂材料の反応速度を上げるた
め、成形型の温度を70〜80℃とした。材料にはポリ
メチルメタクリレート樹脂を用い、280℃に加熱して
注入口より600kg/cm2 の注入圧で注入した。
【0041】なお、樹脂材料注入口を基板を成形型へセ
ットするための孔の近傍に設け、注入口に見られる樹脂
材料注入跡とともに孔部分を切除することは好ましい。
さらに、バリが発生している場合には仕上げの加工を行
い切除する。この際、切除が必要となる部分は、ホログ
ラム積層体の使用状態におけるホログラム積層体の連結
部近傍の部位などとなるように設定することは、本体3
5にこの部分が隠蔽されるので好ましい。このために、
図7(a)の図示状態における下側が注入口側に配され
るように、ホログラムが貼り付けられた基板を成形型の
樹脂材料注入空間に配置することが好ましい。
【0042】こうして、ホログラム1が基板2と反対側
の面および端面が透明な樹脂層6によって被覆され、本
体との連結部とが一体に形成されたコンバイナが作製さ
れる。そして、本体との連結部がコンバイナに一体化さ
れているので部品点数が削減され、組立の作業工程が簡
略化される。
【0043】樹脂材料注入空間の形状は、意匠的効果や
構造、機構、機械的強度等に鑑みて適宜選択できる。成
形による樹脂材料の流れ等を考慮して決定することが好
ましい。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、ホログラムの一方の面
が基板に貼付され、ホログラムの露出部分が樹脂層によ
り封止されているので、積層体の剥離が防止され、水分
等の端面からのホログラムへの侵入、これにともなうホ
ログラム等の劣化が防止されたホログラム積層体を得る
ことができる。
【0045】特に、上記のように得られたホログラム積
層体によれば、ホログラフィックディスプレイ用のコン
バイナとして、意匠性、信頼性の高いコンバイナを提供
できる。さらに、このホログラフィックディスプレイが
車両用のHUDである場合に、開閉が頻繁に行われるよ
うなコンバイナであっても、本発明のホログラム積層体
は、耐久性に富むコンバイナとして有効に使用できる。
【0046】さらに、ホログラム積層体を上記のコンバ
イナに用いる場合に、成形される樹脂層の形状をHUD
本体にコンバイナを取り付けるための連結部分の形状が
備えられるように成形することによって、ホログラムを
覆う樹脂層の成形と同時に連結部を形成でき、全体の部
品点数を削減でき、組立工数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラム積層体の一例を示す概略断
面図。
【図2】図1の構成のホログラム積層体の製造方法の一
例を示す概略正面図(a)、図2(a)のA−A線概略
断面図(b)。
【図3】本発明のホログラム積層体の別の例を示す概略
断面図。
【図4】図3の構成のホログラム積層体の製造方法の一
例を示す概略正面図(a)、図4(a)のB−B線概略
断面図(b)。
【図5】従来のホログラム積層体の基本的構成を示す断
面図。
【図6】車載用の別置き型HUDを示す概念図。
【図7】図1の構成のホログラム積層体の変形例を示す
概略正面図(a)、概略上面図(b)、概略側面図
(c)。
【符号の説明】
1、21:ホログラム 2、7、22:基板 3、4、23、24:粘着剤 5、25:カバーフィルム 6:樹脂層 31:観視者の観視位置 32:コンバイナ 33:情報を含む光 34:表示虚像 35:本体 37:フロントガラス 38:車両ボディー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、該基板に配されたホログラムと、
    該ホログラムの基板とは反対側の面を被覆する樹脂層と
    からなり、前記基板および樹脂層の外形寸法がホログラ
    ムの外形寸法よりも大きく、基板および/または樹脂層
    によってホログラムの端面が覆われて、ホログラムが基
    板および樹脂層によって被包されてなるホログラム積層
    体。
  2. 【請求項2】前記樹脂層が透明樹脂からなる請求項1記
    載のホログラム積層体。
  3. 【請求項3】前記樹脂層が、基板およびホログラムとと
    もに樹脂成形型内にて成形されて基板およびホログラム
    に一体化されてなるものである請求項1または2記載の
    ホログラム積層体。
  4. 【請求項4】基板にホログラムが配されたホログラム積
    層体の製造方法であって、前記ホログラムの基板とは反
    対側の面と隔置されるように樹脂成形型の内壁を配し、
    該内壁とホログラムとで構成される樹脂材料注入空間に
    液状樹脂材料を注入し、固化させてホログラムを樹脂層
    で被覆し、樹脂層で被覆されたホログラムを前記樹脂成
    形型から取りだすことを特徴とするホログラム積層体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】液状樹脂材料が透明な液状樹脂材料である
    請求項4記載のホログラム積層体の製造方法。
JP9233017A 1996-08-29 1997-08-28 ホログラム積層体およびその製造方法 Pending JPH10119163A (ja)

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