JPH11184363A - ホログラム積層体、その製造方法およびホログラフィック表示装置 - Google Patents

ホログラム積層体、その製造方法およびホログラフィック表示装置

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JPH11184363A
JPH11184363A JP9349717A JP34971797A JPH11184363A JP H11184363 A JPH11184363 A JP H11184363A JP 9349717 A JP9349717 A JP 9349717A JP 34971797 A JP34971797 A JP 34971797A JP H11184363 A JPH11184363 A JP H11184363A
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JP
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hologram
laminate
cut
predetermined shape
sandwiched
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Application number
JP9349717A
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English (en)
Inventor
Osahito Nakazawa
伯人 中沢
Yuji Aizawa
祐二 相澤
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】形状加工性、密封性を向上できるホログラム積
層体を得る。 【解決手段】接着剤3を介して2枚の樹脂基体2、2’
の間にホログラム1が挟着された積層体が、所定形状に
切削加工され、その切削端面に保護被覆層4が設けられ
たホログラム積層体20。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂基体にホログ
ラムが配されたホログラム積層体とその製造方法、およ
びこのホログラム積層体を光学素子として用いたホログ
ラフィック表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のホログラム材料やレーザ技術の進
展により、ホログラムを用いた製品が増加している。例
えば、情報を含む光を回折し観察者に情報を表示するホ
ログラフィック表示装置などにおいて、ホログラムは光
学素子として用いられている。IDカードやクレジット
カードの偽造防止用マークや、装飾用ホログラム、ホロ
グラムカレンダーなどではイメージを記録したホログラ
ムが用いられている。
【0003】具体的例として以下のものがある。自動車
等の車両の運転者に情報を表示する方法として、ヘッド
アップディスプレイ(以下HUDという)が最近用いら
れてきている。これは、液晶表示装置等の情報投射手段
から投射された光学的情報を、自動車の風防ガラス等に
設けられたコンバイナに映し、運転者が運転状態からほ
とんど視点を動かすことなく情報を読み取れるようにし
たものである。また、情報表示源を備えた小型の本体部
にコンバイナが軸支され、車両のダッシュボード上に載
置された別置き型のHUDも用いられてきている。
【0004】これらのHUDにおいて、コンバイナとし
てホログラムを用いたものは、運転者に向かって光学的
情報を回折する機能とともにレンズ機能等を併有させう
るので、光学的情報を運転者の視野方向に回折したり、
他にレンズや凹面鏡等の光学部品を使用せず任意の位置
に結像したりすることができる。また、回折スペクトル
の半値幅が狭いため、前景輝度を損なわずに高輝度の表
示像が得られる特徴があり、表示装置のコンバイナとし
ては有効である。
【0005】こうしたホログラフィックコンバイナの材
料としては、古くからホログラム材料として知られる重
クロム酸ゼラチン(DCG)や銀塩系材料、近年開発が
進んだフォトポリマーが考えられる。ホログラムの基板
としては、平坦性に優れ透明性が高いガラス板が従来か
ら広く用いられてきた。特に、DCGや銀塩系材料は水
分に弱いため、光学接着剤を用いてガラス基板でサンド
イッチする形で密封する必要があった。
【0006】図4は、従来のホログラム積層体の一例を
示す概略断面図(a)、概略正面図(b)である。ホロ
グラム1は、ガラス基板12、12’間に光学接着剤1
3により接着されている。11は接着剤からホログラム
1を守るための保護層であり、必要に応じて用いられ
る。また、ホログラム1、ガラス基板12、保護層11
それぞれの間に接着層を設ける場合もあった。また、耐
湿性の低いホログラムを守るため、端面からホログラム
が露出しないように、ホログラムのサイズをガラス基板
のサイズよりひとまわり小さくトリミングし、図4
(b)に示すようなホログラム非封入部14を設けるこ
とも提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の別置
き型HUDはダッシュボードの上に載置するため、小型
軽量であることが望ましい。しかし、ホログラムがガラ
ス基板間に封入されたコンバイナは重量が重いため、コ
ンバイナの保持や開閉機構への負担が大きくなり、剛性
の高い構造が必要となる。その結果、全体として大きく
重いものになる問題があった。
【0008】また、別置き型HUDはダッシュボードの
めだつ位置に載置するため、高い意匠性が求められる。
しかし、ガラス基板は固く割れやすく形状加工が難しい
ので、コンバイナを所定の形状に加工するのは手間とコ
ストがかかる問題もあった。また、ホログラム非封入部
分で段差が生ずるため、気泡の混入や密封性の低下の要
因になったりする問題もあった。
【0009】そこで、ガラス基板から樹脂基体への変更
による加工性向上が求められている。しかし、樹脂基体
にホログラムを封入する具体的方法はこれまで知られて
いなかった。また、樹脂基体はガラスと異なり吸水性、
水分透過性があるため、水分に弱いDCGや銀塩系材料
のホログラムは、そもそも使用できない問題があった。
また、水分だけでなく有機溶剤などに対する耐溶剤性も
弱い問題もあった。
【0010】本発明の目的は、樹脂基体を用いたホログ
ラム積層体において、従来技術が有していた形状加工
性、密封性、コストの両立という前述の課題を解決する
新規なホログラム積層体とその製造方法、およびこのホ
ログラム積層体を光学素子として用いたホログラフィッ
ク表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の樹脂基
体と、該複数の樹脂基体の間に挟着されたホログラムと
を備えた積層体が切削加工により所定形状の積層体とさ
れていて、該所定形状の積層体の切削端面に保護被覆層
が設けられているホログラム積層体を提供する。
【0012】また、本発明は、複数の樹脂基体と、該複
数の樹脂基体の間に挟着されたホログラムとを備えた積
層体が切断加工により所定形状の積層体とされていて、
該所定形状の積層体の切断端面が融着されているホログ
ラム積層体を提供する。
【0013】また、本発明は、複数の樹脂基体の間にホ
ログラムを挟着し、次いで複数の樹脂基体の間にホログ
ラムが挟着された積層体を所定形状に切削加工した後
に、切削加工された積層体の端面に保護被覆層を設ける
ホログラム積層体の製造方法を提供する。
【0014】また、本発明は、複数の樹脂基体の間にホ
ログラムを挟着する工程(A)と、工程(A)により得
られた複数の樹脂基体の間にホログラムが挟着された積
層体を所定形状に切断加工する工程(B)と、切断加工
された積層体の切断面を融着して、切断加工された積層
体の切断面に融着領域を設ける工程(C)と、を有する
ホログラム積層体の製造方法を提供する。
【0015】また、本発明は、光源と表示すべき情報を
表示する表示体とを有し、表示すべき情報を光として発
生する情報表示源と、前記光を観察者に向けて回折し虚
像として表示するホログラムを有するコンバイナとを少
なくとも備えたホログラフィック表示装置において、前
記コンバイナはホログラムが2枚の透明樹脂基板の間に
挟着されたホログラム積層体からなり、該ホログラム積
層体は2枚の透明樹脂基板の間にホログラムが挟着され
た積層体が切削加工により所定形状の積層体とされてい
て、該所定形状の積層体の切削端面に保護被覆層が設け
られているホログラム積層体であることを特徴とするホ
ログラフィック表示装置を提供する。
【0016】また、本発明は、光源と表示すべき情報を
表示する表示体とを有し、表示すべき情報を光として発
生する情報表示源と、前記光を観察者に向けて回折し虚
像として表示するホログラムを有するコンバイナとを少
なくとも備えたホログラフィック表示装置において、前
記コンバイナはホログラムが2枚の透明樹脂基板の間に
挟着されたホログラム積層体からなり、該ホログラム積
層体は2枚の透明樹脂基板の間にホログラムが挟着され
た積層体が切断加工により所定形状の積層体とされてい
て、該所定形状の積層体の切断端面が融着されているホ
ログラム積層体であることを特徴とするホログラフィッ
ク表示装置を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明をさ
らに詳細に説明する。図1は、本発明のホログラム積層
体の一例を示す概略断面図(a)、概略正面図(b)で
ある。ホログラム1は接着剤3により樹脂基体2、2’
の間に積層され挟着されている。このホログラム積層体
20は、図1(b)に示すように、もともと所定形状よ
り大きい積層体から所定の形状に切削加工されたもので
ある。
【0018】このホログラム積層体20は、まず樹脂基
体2、2’間に接着剤3を介して接合した大形状の積層
体を準備し、この積層体を数値制御(NC)による切削
加工により所定の形状に切り出して得られる。切り出し
加工後に、切り出された積層体をハードコート液浴に漬
け、端面を含む積層体表面に保護被覆層4が設けられる
ことによって、水分などからホログラム1が保護されて
いる。なお、本例のホログラム積層体には、その一方の
面に反射防止(AR)層が設けられている。
【0019】このように、本発明のホログラム積層体は
樹脂基体を用いているため、ガラス基板に比べ小型軽量
化が容易であり、形状加工も容易である。そして、大形
状の樹脂基体/(接着剤)/ホログラム/(接着剤)/
樹脂基体からなる積層体から切削加工して所定形状に切
り出しているので、任意の形状に加工でき意匠性を高め
ることができ、しかも所定形状の積層体を得る作業を簡
便化できる。
【0020】また、より大きな積層体から所定の形状に
切削加工するため、特別な金型を必要とせず、初期コス
トを低減できる。複数のホログラムを一定間隔に配置し
たより大きなホログラム積層体を作製すれば、切削加工
により複数のホログラムを切り出すことができ、ホログ
ラム積層体の大量生産を可能とする。
【0021】さらに、この積層体の周囲(表面、裏面、
端面)はハードコーティングによる皮膜4により覆われ
ており、外部の水分などからホログラム1を保護でき
る。そのため、ホログラム1は切削加工時に加工面(端
面)に露出したままのいわゆる切りっぱなしでよい。し
たがって、従来のように端面にホログラムが露出しない
ように、ホログラムの周縁をトリミングする必要がな
く、生産性が高く低コストである。しかも、ホログラム
のトリミングによる段差が生じないため、気泡の混入や
密閉性の低下を引き起こすこともない。
【0022】また、必要に応じて少なくとも一方の面に
はAR層5がコーティングされており、この積層体をホ
ログラフィック表示器のコンバイナや3次元像を記録し
たディスプレイホログラムとして使用する場合に、不要
な表面反射を防止でき、視認性の高いホログラフィック
表示装置やディスプレイホログラムを作製できる。
【0023】図2は、本発明のホログラム積層体の他の
例を示す概略断面図(a)、概略正面図(b)である。
図1に示した例と同様に、ホログラム1は接着剤3によ
り樹脂基体2、2’の間に積層され挟着されている。そ
して、より大きな積層体から所定の形状に切断加工され
たものであり、その切断面は一旦溶融した後固化し融着
されている。したがって、切断面にあたる端面には融着
領域10が設けられている。
【0024】具体的には、数値制御されたレーザ加工機
が例示できる。レーザ光線を集光し熱的に樹脂基体を溶
融切断するものであり、切断と端面の融着とが同時に行
えるため好ましい。その他NC切削加工機で切断後切断
面を融着することもできる。例えば断面をバフ研磨すれ
ば、切断面の表層が一旦溶融された後固化し融着させる
ことができる。切断面の磨きと融着ができるので外観上
好ましい。また、発熱する刃物で型抜きしたり、電熱線
で所定形状に溶融切断することもできる。
【0025】こうして、切断面には融着領域10が設け
られているため、外部環境からホログラム1を保護でき
る。さらに、この積層体の周囲(表面、裏面、端面)は
保護被覆層4により覆われており、外部の水分などから
ホログラム1を保護できる。したがって、従来のように
端面にホログラムが露出しないように、ホログラムの周
縁をトリミングする必要がなく、生産性が高く低コスト
である。しかも、ホログラムのトリミングによる段差が
生じないため、気泡の混入や密閉性の低下を引き起こす
こともない。
【0026】本発明のホログラム積層体における積層構
成およびその構成要素には様々なバリエーションがあ
る。すなわち後述するようなホログラムの種類、材質、
樹脂基体や接着剤、ハードコート層、AR層の種類につ
いては多数の形態がある。
【0027】本発明におけるホログラムは、通常数10
mm〜数100mm角程度の面積で、数μm〜数10μ
m程度の厚みを有するものが例示される。このホログラ
ムは、リップマンタイプ等の体積・位相型のホログラム
が高い回折効率を得られる点で望ましいが、エンボスタ
イプ、レインボータイプ等のホログラムと呼ばれるもの
を広く使用できる。そして、ホログラムのタイプも、光
学素子としてのホログラム、イメージを記録したホログ
ラム、また、反射型、透過型等、特に制限はない。ま
た、ホログラムは切削加工した積層体全面に記録されて
いてもよく、部分的に記録されていない領域があっても
よい。
【0028】ホログラム材料としては耐水性が比較的良
いアクリル系フォトポリマーやポリビニルカルバゾー
ル、光レジストなどが好ましい。保護被覆層等により密
閉性、耐水耐溶剤性を向上させているため、通常では使
用できないDCGや銀塩系材料でも使用できる。
【0029】本発明における樹脂基体は、ホログラム積
層体の用途や使用状態に応じて適宜選択される。ホログ
ラムに対して、再生光の入射側や回折光の出射側が透明
な基材であることが、光の利用率の点で好ましく、これ
は光を部分的に透過するものでもよい。例えば、グレ
ー、ブロンズなどのように可視光線領域全体にわたって
透過率を制限したものでもよい。また、ホログラムで使
用する波長の光は透過し、それより短い波長の光を吸収
するいわゆる短波長カットフィルタのようなものでもよ
い。例えば、緑色の光を回折するホログラムに対し黄色
に色付けした基板、赤色の光を回折するホログラムに対
し橙色や赤色に色付けした基板などが例示できる。な
お、再生光や回折光が通過しない部分は不透明でもよ
い。
【0030】樹脂基体の材質としては、アクリル樹脂、
ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、
ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース
などの樹脂が例示できる。樹脂基体の厚さも厚さ数mm
の板状のもののほか、厚さ1mm以下のフィルム状のも
のでもよく、厚さ数cmのブロック体でもよい。これら
の樹脂基体には必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤
などを添加することが望ましい。
【0031】接着剤としては樹脂基体とホログラムを必
要な強度で接着し、長期の信頼性を確保できるものが好
ましい。材質としてはアクリル系、エポキシ系、ウレタ
ン系、酢酸ビニル系、ゴム系などが広く利用できる。ま
た、粘着剤なども利用できる。それらの形態としては光
硬化型、熱硬化型、硬化剤混合型、ホットメルト型など
が例示できる。再生光や回折光の損失が少ない点で透明
性の高いものが特に好ましい。また、切削加工の際に刃
物に絡み付かないように、室温付近で硬化して粘着性が
少ないものが望ましい。
【0032】保護被覆層としては、ガラスに比べ柔らか
くキズが付きやすく、耐溶剤性も弱い樹脂基体を保護で
きるハードコート層が好ましい。例えば、耐擦傷性や耐
薬品性を高めるハードコート層が好ましく用いられる。
その他としては、密閉性、ガスバリヤ性、耐溶剤性を高
めるコーティングなどが例示できる。コーティングの方
法としては液状材料を用いたディップ(浸漬)法、スプ
レー法なの塗布法や真空中での蒸着法やデポジション
(堆積)法などが挙げられる。特に、基体の表面、裏
面、端面全体を被覆しやすい点でディップ法が好まし
い。
【0033】コーティングの材料としてはオルガノシラ
ン系(シリコーン系)、多官能アクリレート系、メラミ
ン系、ウレタン系、ケイ酸塩系、コロイダルシリカ系な
どが挙げられ、コートした材料を熱または光などにより
硬化させる。シリコーン系、多官能アクリレート系が広
く用いられており、好ましく使用できる。また、ハード
コート層と樹脂基体の密着性を向上させる下地膜(プラ
イマーコート)をあらかじめ施してもよい。
【0034】AR層としては、真空状態で屈折率の異な
る複数の物質を膜厚を制御してコーティングする方法が
一般的である。いわゆる誘電体多層膜コーティングであ
る。コーティングの方法としては真空蒸着、スパッタリ
ング、デポジション法などがある。また、液状のコート
液をディップコートして熱硬化させる方法などもある。
フッ素系の透明樹脂などが低屈折率材料として好適であ
る。また、コーティングのかわりにARコートされたフ
ィルムを貼り付ける方法も有効である。ARコートの表
面に汚れ防止や撥水効果のあるトップコートを施すこと
も好ましい。
【0035】本発明のホログラム積層体は、ホログラム
に向けて情報を含む光を出射する情報表示源からの光を
観察者に向けて回折し、観察者に表示像を視認させるホ
ログラフィック表示装置のコンバイナに、適切に用いら
れる。特に、小型軽量であることから、情報表示源を備
えた本体部にコンバイナが軸支され、車両のダッシュボ
ード上に載置され、運転者等に運転情報を視認させる、
いわゆる別置き型HUDのコンバイナとしても好ましく
使用できる。
【0036】この場合、樹脂基体がガラスと異なり小型
・軽量であり、万一の事故の際にぶつかっても人体に対
する損傷が少ない点で好ましい。また、任意の形状に切
削加工できるため本体部と調和の取れたデザインを付与
できる利点がある。
【0037】この別置き型HUDの一例を、図3に示
す。ホログラム積層体20からなるコンバイナは、HU
Dの本体部30に回動自在に軸支されている。本体部3
0は例えば車両のダッシュボード上などに保持設置され
る。本体部30内には、情報表示源31が備えられてい
て、コンバイナに向けて情報を含む光32を照射する。
この光がホログラムによって反射回折され、観察者(例
えば運転者)に運転情報などとして視認される。このホ
ログラム積層体20として、図1や図2に例示したホロ
グラム積層体を用いることによって、別置き型HUDに
好適な軽量化とコンバイナの高い形状自由度を達成でき
る。この場合、表示される運転情報と車外の情報とを視
線を動かすことなく視認できるように、樹脂基体として
透明樹脂基板を用いている。
【0038】この別置き型HUDに代表されるホログラ
フィック表示装置における情報表示源は光を発して表示
する機能を持つものであり、液晶表示素子等のいわゆる
受光型表示素子からなる表示体に熱陰極管、冷陰極管、
蛍光表示管、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体
レーザなどからなる光源から発した光を照射するもので
あり、これらの機能を併有するものでもよい。
【0039】また、それとは別に、受光型表示素子を用
いず、上記の光源自体をパターン化して配列し特定の情
報を光として発生する自発光型表示素子であってもよ
い。蛍光表示管、フィールドエミッションディスプレ
イ、プラズマディスプレイ、有機EL素子、または発光
ダイオードや半導体レーザを配列したものなどが例示で
きる。
【0040】このようなホログラフィック表示装置をカ
ラー表示とする場合、液晶表示素子としては、カラーフ
ィルタと透過型液晶表示素子等からなるカラー液晶表示
素子等が好ましく使用できる。また、蛍光材料、発光材
料、半導体材料をカラー化した自発光型表示素子であっ
てもよい。
【0041】受光型表示素子に光源を併用したものの場
合は、この受光型表示素子と光源との間にレンズ系や曲
面反射鏡等の適当な光線平行化手段、導光板等の適当な
導光手段、偏光制御手段などを配置してもよい。さら
に、ホログラムに光が投射されるまでの光径路内に、反
射、屈折、回折光学素子を適宜配置してもよい。また、
必要に応じて、偏光制御手段、非線形光学素子などを配
置してもよい。
【0042】このホログラフィック表示装置を乗物用に
用いる場合、表示すべき情報として、その表示用途によ
り適宜選択され、車両のスピード計、タコメータ、シフ
トレバー表示、さらには種々の警告ランプや、ナビゲー
ション情報、エアコン、オーディオ機器など付属機器の
情報等が例として挙げられる。また、道路交通情報、駐
車場空き情報、自動料金支払いシステム、車車間通信情
報、などの車両外からの情報を表示することもできる。
航空機や船舶などでは緯度、経度、高度、進行方向など
の位置・方位情報や、気象情報、レーダの障害物情報、
魚群探知機の情報など、乗物の運行や業務に関わる様々
な情報が考えられる。また、観察者とは主には車両等の
乗物の運転手であるが、助手席その他の同乗者や、これ
らすべての者を含めることができる。
【0043】上記自動車用のHUDに応用した例以外に
も、本発明のホログラム積層体、ホログラフィック表示
装置は種々の用途に使用できる。例えば、車両後部に配
し、運転者の制動動作に同期して光を発する発光表示手
段からの光を、ホログラムによって後方車両の運転者等
の観察者に向けて回折するハイマウントストップラン
プ、または車両のコーナーを指示する虚像コーナーマー
カーなど、ホログラムを用いた表示装置全般に広く応用
できる。
【0044】さらに、表示装置以外にも3次元像などを
記録して意匠性を高めたホログラムオーナメントやエン
ブレム、ショーウィンドウや街頭広告などに用いる装飾
ホログラム、または鑑賞用のホログラムにも、本発明の
ホログラム積層体を使用できる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、形状加工性に優れた樹
脂基体を用いてホログラムを挟着しているので、所望の
形状のホログラム積層体が容易に得られる。この場合、
所定形状に切削または切断された積層体の端面にホログ
ラムを被覆する保護被覆層や融着領域を設けているの
で、ホログラムの外的要因からの保護性、密封性の高い
ホログラム積層体が得られる。特に、樹脂基体にホログ
ラムが挟着され、その端面に保護被覆層や融着領域が設
けられた本発明のホログラムを光学素子として用いるこ
とによって、小型軽量で意匠性に優れた表示装置を構成
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラム積層体の一例を示す概略断
面図(a)、概略正面図(b)。
【図2】本発明のホログラム積層体の一例を示す概略断
面図(a)、概略正面図(b)。
【図3】本発明におけるHUDの一例を示す概略断面
図。
【図4】従来のホログラム積層体の一例を示す概略断面
図(a)、概略正面図(b)。
【符号の説明】
1:ホログラム 2、2’:樹脂基体 3:接着剤 4:保護被覆層 5:AR層 10:融着領域 20:ホログラム積層体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の樹脂基体と、該複数の樹脂基体の間
    に挟着されたホログラムとを備えた積層体が切削加工に
    より所定形状の積層体とされていて、該所定形状の積層
    体の切削端面に保護被覆層が設けられているホログラム
    積層体。
  2. 【請求項2】複数の樹脂基体と、該複数の樹脂基体の間
    に挟着されたホログラムとを備えた積層体が切断加工に
    より所定形状の積層体とされていて、該所定形状の積層
    体の切断端面が融着されているホログラム積層体。
  3. 【請求項3】複数の樹脂基体の間にホログラムを挟着
    し、次いで複数の樹脂基体の間にホログラムが挟着され
    た積層体を所定形状に切削加工した後に、切削加工され
    た積層体の端面に保護被覆層を設けるホログラム積層体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】複数の樹脂基体の間にホログラムを挟着す
    る工程(A)と、工程(A)により得られた複数の樹脂
    基体の間にホログラムが挟着された積層体を所定形状に
    切断加工する工程(B)と、切断加工された積層体の切
    断面を融着して、切断加工された積層体の切断面に融着
    領域を設ける工程(C)と、を有するホログラム積層体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】光源と表示すべき情報を表示する表示体と
    を有し、表示すべき情報を光として発生する情報表示源
    と、前記光を観察者に向けて回折し虚像として表示する
    ホログラムを有するコンバイナとを少なくとも備えたホ
    ログラフィック表示装置において、前記コンバイナはホ
    ログラムが2枚の透明樹脂基板の間に挟着されたホログ
    ラム積層体からなり、該ホログラム積層体は2枚の透明
    樹脂基板の間にホログラムが挟着された積層体が切削加
    工により所定形状の積層体とされていて、該所定形状の
    積層体の切削端面に保護被覆層が設けられているホログ
    ラム積層体であることを特徴とするホログラフィック表
    示装置。
  6. 【請求項6】光源と表示すべき情報を表示する表示体と
    を有し、表示すべき情報を光として発生する情報表示源
    と、前記光を観察者に向けて回折し虚像として表示する
    ホログラムを有するコンバイナとを少なくとも備えたホ
    ログラフィック表示装置において、前記コンバイナはホ
    ログラムが2枚の透明樹脂基板の間に挟着されたホログ
    ラム積層体からなり、該ホログラム積層体は2枚の透明
    樹脂基板の間にホログラムが挟着された積層体が切断加
    工により所定形状の積層体とされていて、該所定形状の
    積層体の切断端面が融着されているホログラム積層体で
    あることを特徴とするホログラフィック表示装置。
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