JPH09236774A - ホログラフィック表示装置 - Google Patents

ホログラフィック表示装置

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JPH09236774A
JPH09236774A JP7341379A JP34137995A JPH09236774A JP H09236774 A JPH09236774 A JP H09236774A JP 7341379 A JP7341379 A JP 7341379A JP 34137995 A JP34137995 A JP 34137995A JP H09236774 A JPH09236774 A JP H09236774A
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JP
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light
hologram
flare
angle
sin
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JP7341379A
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English (en)
Inventor
Norihito Nakazawa
伯人 中沢
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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    • G02B27/0101Head-up displays characterised by optical features
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    • G02B2027/0118Head-up displays characterised by optical features comprising devices for improving the contrast of the display / brillance control visibility

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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヘッドアップディスプレイの外部光によるフレ
ア光を低減する。 【解決手段】水平に対するホログラム2の傾斜角θw
発光表示手段から風防ガラス7への光の入射角θ1 とホ
ログラム2で回折されて風防ガラス7から観察者に向か
う出射角θ2 とが90≦θw +θ1 、90≦θw +θ3
0の関係を満たすHUD。なお、sinθ3 =n×si
n(2θ2'−θ1')、sinθ1 =n×sinθ1'、s
inθ2 =n×sinθ2'、nはホログラムの屈折率。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホログラムを用い
た表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、運転者が運転状態からほとんど視
点を動かすことなく運転情報を読み取れるように、ヘッ
ドアップディスプレイ(以下単にHUDという)が提案
されている。これは、液晶表示装置等の情報投射手段か
ら投射された光学的情報を、自動車の風防ガラス等に組
み込まれたホログラムやハーフミラー等からなるコンバ
イナに映すものである。
【0003】特に、コンバイナとしてホログラムを用い
たものは、運転者に向かって光学的情報を回折する機能
とともにレンズ機能等を併せ持ちうるので、光学的情報
を運転者の視野方向に回折したり、または、他にレンズ
等の光学系を使用せず、任意の位置に結像したりするこ
とができる。また、回折スペクトルの半値幅が狭いた
め、前景輝度を損なわずに高輝度の表示像が得られると
いう特徴を持ち、表示装置のコンバイナとしては有効で
ある。
【0004】図13は、従来のHUDの一例を示す概念
図である。光源6から発し、レンズ系4を介して透過型
液晶表示素子5を通過した表示すべき情報を含む光3
は、車体の風防ガラス7に備えられたホログラム2に照
射され、回折されて運転者に観察位置1で視認される。
上記レンズ系4はコリメータとしての機能を持つもので
ある。
【0005】ホログラム2に倍率を持たせれば、速度表
示8、警告表示9の表示像を遠方に結像させることも可
能になる。さらに、必要に応じてホログラム2のほかに
波長選択フィルタや、収差補正のためのホログラムを用
いることもできる。また、ホログラム2は波長選択機能
を持つので、希望する色の像が表示可能となる。通常そ
の色は単一であることが多いが、多重露光したホログラ
ムによる多色表示も可能であり、表示情報の量と質を向
上できる。例えば、速度表示8を緑色、警告表示9を赤
色とすることによって、運転者に対してより的確に情報
を伝達することが可能となる。
【0006】かかるホログラムには、通常反射型のホロ
グラムが用いられる。反射型ホログラムの作製において
は、ホログラムの感光材料面の一方の面から参照光、他
方の面から物体光を照射して、回折格子を作製する。
【0007】ホログラムの感光材料内部では、これら2
つのレーザ光が干渉して光の明暗の干渉縞が生じ、それ
が感光材料の屈折率または密度などの物性の違いに基づ
く回折格子として記録される。この種の反射型ホログラ
ムにおいて、光の入射角度と反射回折角度が異なる場合
は、その回折格子面はホログラム表面に対して傾いてお
り、表面と平行ではない。
【0008】図2は、風防ガラス内部にホログラムを封
入した構成の一例を示す概略断面図である。コンバイナ
として機能する反射型ホログラム24は、2枚のガラス
板21、22の間に中間膜23を介して封入されてい
る。本例では、ホログラム24は車内側ガラス板21に
備えられ、ポリビニルブチラール(PVB)よりなる中
間膜23とホログラム24との間には、バリヤ層26を
配して積層している。
【0009】バリヤ層26は、例えばポリビニルアルコ
ール(PVA)などからなり、PVB中に含まれる可塑
剤によるホログラムの特性に対する影響を防ぐものであ
る。また、図中には示さないが車内側ガラス板21、ホ
ログラム24、バリヤ層26、中間膜23の各界面には
相互の接着力を向上させる接着剤を配している。なお、
上述のようにホログラム24の内部には図に示すような
表面に対して傾きを持った回折格子25が形成されてい
る。
【0010】このようなホログラムを車両に取り付けた
際には、図13に示すように太陽や街灯などの外部光源
100からの光101が、ホログラム2に対しある特定
の角度で入射する場合、その光はガラス板面の反射とホ
ログラム2の回折作用により103のように、情報を含
む光3と共に観察者の観察位置1に到達する。この外部
光によるノイズ光103をフレア光と呼ぶ。
【0011】このようなフレア光が発生すると車外から
の光の入射角度によって、明るいむらとして見えたり、
スポット状の輝点として見えたりして、HUDの表示像
の視認性を低下させるなどの悪影響をもたらす。特に太
陽光が特定の角度で入射すると輝度の高いフレア光が発
生した。また、夜間では周囲が暗いため昼間には気付か
ないような街路灯などの弱い光も、フレア光として観察
されてしまい非常に目障りであった。このフレア光は太
陽や街路灯などの外部の光源を直線的に見るのとは異な
る角度で観察されるため、1つの光源が複数個に見える
こととなり目障りな存在であった。
【0012】図3にこのようなホログラムである風防ガ
ラスを車両に取り付けた場合の要部垂直断面図を示し、
フレア光の発生機構について説明する。本図では無用な
複雑さを避けるため、図2のホログラムの配置構成のう
ち必要な部分のみを示す。すなわち、2枚のガラス板2
1、22の各表面21’、22’およびホログラム内部
の回折格子面25だけを図示している。このとき、上述
のように回折格子25はホログラム表面、ひいてはガラ
ス板の表面に対して傾き(角度θs )を持っている。な
お、当然のことながら回折格子面は複数存在するが、本
図では簡略化のため1つの回折格子面のみを代表として
示す。
【0013】発光表示手段より発せられた情報を含む光
3は、ホログラムの配されている車内側ガラス板表面2
1’に対し入射角θ1 で入射し、風防ガラス内で屈折し
ホログラムの回折格子面で回折された後、再び車内側ガ
ラス板表面21’から出射角θ2 で出射し車内の観察者
に到達する。2つの表面21’および22’が互いに平
行であれば、車外の光源からの光101が車外側表面2
2’に対しθ1 で入射すると、内部で屈折した光が車内
側表面21’で反射した後、情報を含む光3と同じ経路
をたどりフレア光103として観察される。これが、フ
レア光の発生機構である。
【0014】このフレア光の発生を防ぐための提案がな
されている(特開平7−172212、特開平7−13
4265)。これらは、一般的に外部光源がホログラム
より上方に位置することを利用し、フレア光の入射角を
水平以下あるいは水平に対し5°以下とするものであ
る。すなわち外部入射光101の水平に対する角度θi
を、前者ではθi ≒−θw −θ1 +90≦0とし、後者
ではθi ≒−θw −θ1+90≦5とすることを提案し
ている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】車両には種々の形状の
ものがあるため、風防ガラスの取り付け角度もさまざま
である。そのため、上記の傾斜角θw もいろいろ設定さ
れる。これらいろいろな傾斜角θw 、入射角θ1 、出射
角θ2 の条件のホログラムについて詳細に検討したとこ
ろ、従来知られていなかった別のフレア光が発生するこ
とがわかった。図3において、外面フレア光102とし
て示すものである。
【0016】これは、外側表面22’に対し外部光10
2が入射角θ3 で入射する場合、内部で屈折した後回折
格子面25の外側で回折し、外側表面22’で再び反射
内側表面21’に向かい、情報を含む光3と同じ経路を
たどりフレア光103として観察されるものである。こ
れら2つのフレア光を区別するため従来知られていた内
面側で反射・回折するフレア光を内面回折フレアと呼
び、外面側で回折・反射するフレア光を外面回折フレア
光と呼ぶことにする。
【0017】外面回折フレア光は従来のθw 、θ1 、θ
2 の組み合わせにおいては、水平よりかなり下向きであ
ったり、全反射条件となり発生しないことが多いため、
従来は知られていなかった。しかし、上述の内面フレア
光が水平以下となるような系を詳細に検討することによ
り、外面回折フレア光が発生することが見いだされ、従
来提案されていた上述の方法では完全にフレア光を防げ
ないことがわかった。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされ、光源と表示すべき情報を表示する表
示体とを少なくとも備えて表示すべき情報を光として発
生する発光表示手段と、略平行な2つの面を有する透明
基板に配されていて前記光を観察者に向けて回折するホ
ログラムとを少なくとも備えたホログラフィック表示装
置において、水平に対する前記ホログラムの傾斜角をθ
w (単位:度)、発光表示手段から透明基板のホログラ
ムが配されている部分への光の入射角をθ1 (単位:
度)、ホログラムで回折されて透明基板から観察者に向
かう回折角をθ2 (単位:度)、α=90−θw −θ
1 、β=90−θw −θ3 としたときに、車外からのフ
レア光の入射角が水平以下となるようにαおよびβの値
が0以下の値または0に近い正の値であることを特徴と
するホログラフィック表示装置を提供する。
【0019】ただし、sinθ3 =n×sin(2×θ
2'−θ1')、sinθ1 =n×sin(θ1')、sin
θ2 =n×sin(θ2')、nはホログラムの屈折率で
ある。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明のホ
ログラフィック表示装置を詳細に説明する。図1は、本
発明のホログラフィック表示装置としてHUDを一例に
あげて示す概念図である。風防ガラス7は、少なくとも
略平行の2つの面をそれぞれ車内、外に有するガラス板
からなり、ホログラム2を備える。風防ガラス7の下方
には発光表示手段が備えられており、この発光表示手段
は光源6から発した光がコリメータであるレンズ系4を
介し、表示体5を通過した表示すべき情報を光3として
発する。この光3は、車体の風防ガラス7に配されたホ
ログラム2に照射されて、回折され、運転者に観察位置
1で視認される。
【0021】このとき、発光表示手段から発せられた光
は、入射角θ1 で風防ガラスのホログラムが配されてい
る部分へ入射し、ホログラムで回折されて風防ガラスか
ら観察者に向かう回折光は、出射角θ2 で出射する。
【0022】本発明によるHUDを用いれば、内面回折
フレア光だけでなく外面回折フレア光の入射方向も水平
以下となるため、一般的に上部に位置する外部の光源か
らの光が風防ガラスに入射しても、運転者にはフレア光
としては観察されないこととなり、問題となっていたフ
レア光を有効に低減できる。
【0023】また、フレア光の入射方向の延長線上にボ
ンネット等の光遮蔽物を配置すれば、万一登り坂等でフ
レア光の入射方向が水平以上となったり、あるいは先行
車の尾燈のように水平以下から入射する光も遮ることが
できるので有効にフレア光を低減できる。
【0024】すなわち、上記の事がらは、内面回折フレ
ア光の水平に対する角度θi ≦0、かつ外面回折フレア
光の水平に対する角度θo ≦0とすることを意味する。
α=90−θw −θ1 、β=90−θw −θ3 とする
と、車内側ガラス板表面と車外側ガラス板表面とが完全
に平行であれば、α=θi 、β=θo となる。したがっ
て、α≦0、β≦0とすることによって、フレア光を有
効に低減できる。
【0025】ところが、一般に車両の風防ガラスは湾曲
形状であり、またガラス板やPVB膜の厚みに若干の誤
差を有することもあるため、車内側ガラス板表面と車外
側ガラス板表面とは、厳密には平行でないことがある。
この場合、α、βの値は、それぞれθi 、θo と若干異
なることになる。
【0026】そのため、場合によってはα≦0、β≦0
を満足しなくともθi ≦0、θo ≦0となり、フレア光
を低減させうる。さらに、発光表示手段、ホログラム、
観察者の視点が同一垂直断面内に並ばない場合や、観察
者の視点がある範囲内で自由に動く場合を想定すると、
α≦0、β≦0を満足しなくとも、フレア光が低減され
ることがある。この場合、α、βの値は0に近い値であ
る。
【0027】この理由のひとつに、ガラス板の曲率がそ
れほど大きいものでないことがあげられる。ほかに、発
光表示手段、ホログラム、観察者の視点が同一垂直断面
内からずれている場合には、θ1 、θ2 、θW の値とし
て、ひとつの垂直断面内に斜影した値を用いることがあ
る。この場合の斜影する前後の角度に大きな違いがない
ため、α、βが正の値であっても0に近い値となる。
【0028】いずれにしても、本発明においてα、βの
値は内面回折フレア光、外面回折フレア光ともにそれら
の入射角を水平以下とするように定められる。そして、
本発明においてα、βが正の値である場合に0に近い程
度としては、内面回折フレア光、外面回折フレア光とも
にそれらの入射角を水平以下とできる程度であればよ
い。
【0029】したがって、本発明において、上記の値
α、βは、目安としてはそれぞれ0以下の値、さらに場
合によって0に近い正の値とするものであり、以下、簡
略化のためα≦0、β≦0で表現することとする。
【0030】なお、θ3 は外面回折フレア光の風防ガラ
スへの入射角であり、次のようにして求められる。ホロ
グラム材料の屈折率をnとするとき、情報を含む光3の
内部角θ1'、θ2'は、スネルの法則により、 sinθ1 =n×sin(θ1')、 sinθ2 =n×sin(θ2')、 となる。θ1 ≠θ2 の場合、発光表示手段からの光はガ
ラス板表面21’に対して非正反射であるが、回折格子
面25に対してはブラック条件により正反射でなければ
ならないため、回折格子面25はガラス板表面に対しス
ラント角θs だけ傾いていることになる。
【0031】このθs は、θs =(θ2'−θ1')/2で
表される。このようなホログラムにおいて、外面回折フ
レア光が風防ガラスから出射角θ2 で出射するために
は、簡単な幾何学的考察により回折格子面の外側での回
折角がθ2'+θs となり、外側表面22’への入射の内
部角がθ2'+2×θs となればよいことがわかる。
【0032】したがって、外面回折フレア光の入射角θ
3 は、 sinθ3 =n×sin(2×θ2'−θ1') を満足すればよいことがわかる。
【0033】次に具体的な例をあげて、上述の事項につ
いて説明する。まず一般乗用車を想定する。この場合の
風防ガラスの妥当な取り付け角から、ホログラムの水平
に対する傾斜角θw を30°とする。この場合、α=6
0−θ1 であり、α≦0とするθ1 の条件は、θ1 ≧6
0である。
【0034】図4に、θi をθ1 、θ2 に対して計算し
た結果を示す。この結果から、上記条件として、θ1
60のときに内面回折フレア光の入射角が負(水平以
下)となることが確認できる。なお、図5は入射角が水
平となる境界条件を示した図であり、白色の部分が内面
回折フレア光の入射角が水平以下になる条件である。
【0035】一方、外面回折フレア光の入射角が水平以
下になる条件は、β(=60−θ3)≦0であるから、
θ3 ≧60である。
【0036】θ3 はθ1 とθ2 とに依存するため、内面
回折フレア光のように単純ではない。図6に外面回折フ
レア光の入射角をθ1 とθ2 に対して計算した結果を示
す。また、図7に入射角が水平となる境界条件を示した
図であり、白色の部分が外面回折フレア光の入射角が水
平以下になる条件である。
【0037】上記の結果より、内面回折フレア光、外面
回折フレア光ともにそれらの入射角を水平以下となしう
る条件は、図5と図7の白色領域の重なった部分である
ことがわかる。
【0038】これをもとに、θw =30°の場合におい
て、フレア光を低減させる入射角θ1 および出射角θ2
の領域を図示したのが図8である。本発明のHUDは、
発光表示手段の配置位置や、風防ガラスに配されるホロ
グラムの回折特性等を、θw=30°の場合において入
射角θ1 および出射角θ2 が図8の白色領域に含まれる
ものとなるように定めることによって、フレア光を低減
できる。
【0039】次に、θw =45°、60°、75°にそ
れぞれ対応した、フレア光を低減させる入射角θ1 およ
び出射角θ2 の領域を、図9、10、11に示す。この
角度θw =45°は、例えばRV(リクレーショナルビ
ークル)車と呼ばれる車種等の風防ガラスの取り付け角
に対応する。θw =60°は、例えばRV車やワンボッ
クスカーと呼ばれる車種等の風防ガラスの取り付け角に
対応する。θw =75°は、例えばトラックやバス等の
風防ガラスの取り付け角に対応する。
【0040】このように、車種に応じて種々の風防ガラ
スの取り付け角に対応して、ホログラムへの入・出射角
を決めることによって、フレア光を効果的に低減でき
る。
【0041】なお、ホログラムは通常数十mmから数百
mm角程度の面積で、数μmから数十μm程度の厚みで
ある。このようなホログラムは、リップマンタイプ等の
体積・位相型のホログラムが高い回折効率を得られると
いう点で望ましいが、エンボスタイプ、レインボータイ
プ等のホログラムと呼ばれるものを広く採用できる。ま
た、ホログラム材料としては、ポリビニルカルバゾール
やアクリル系などのフォトポリマー、重クロム酸ゼラチ
ン、光レジスト、銀塩など種々の感光材料を使用でき
る。
【0042】上記では透明基板として風防ガラスを例示
したが、本発明の表示装置の種類に応じて、適宜好まし
い透明基板が選択される。この透明基板として、完全に
透明なものだけでなく、光を部分的に透過するものを含
めて透明基板という。例えば、色付きでない透明ガラス
板だけでなくブロンズやグリーンなどに色付けされたガ
ラス板も透明基板として使用できる。
【0043】また、材質についてはガラス板のみでな
く、アクリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポ
リオレフィンなどの樹脂基板でもよく、透明な結晶体な
どであってもよい。また、基板の厚さについても厚さ数
mmの板のみでなく、厚さ1mm以下のフィルムでもよ
く、厚さ数cmのブロック体であっても、略平行な2つ
の面を有する透明基板であればよい。
【0044】本発明におけるホログラフィック表示装置
の発光表示手段は光を発して表示する機能を持つもので
あり、液晶表示素子等のいわゆる受光型表示素子からな
る表示体に熱陰極管(HCT)、冷陰極管、蛍光表示管
(VF)、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レ
ーザなどからなる光源から発した光を照射するものであ
り、また、これらの機能を併せ持つものであってもよ
い。
【0045】また、カラー表示の表示装置とする場合、
上記の液晶表示素子としては、カラーフィルタと透過型
のツイストネマチック型液晶素子や、スーパーツイスト
ネマチック型液晶表示素子等からなるカラー液晶表示素
子等が好ましく使用でき、一つの光源から発せられた光
を所望の色の光として照射できる。
【0046】このようにして複数の色の光は、同一の発
光表示手段から発することができ、これら複数の色の光
が同時に表示される場合には表示像が重なって表示さ
れ、逆にこの表示像の重なりを防ぐためには、必要に応
じてカラーフィルタと光源の組み合わせによって、また
はカラー液晶表示素子を制御することによって、複数の
色の光が同時に照射されないようにしてもよい。
【0047】また、それとは別に、受光型表示素子を用
いず、上記の光源自体をパターン化して配列し特定の情
報を光として発生するものであってもよい。受光型表示
素子に上記光源を併用したものの場合は、この受光型表
示素子と光源との間にレンズ系や曲面反射鏡等の適当な
光平行化手段、導光板等の適当な導光手段を配置しても
よい。さらに、ホログラムに光が投射されるまでの光径
路内に、必要に応じて、光偏光手段、または、KNO3
等の非線形光学素子を配置してもよい。
【0048】さらに、本発明のホログラフィック表示装
置をカラー表示とする場合、ホログラムから表示像まで
の距離は各色で同一とすれば同一平面内にカラー表示が
でき、また、色によって変えた場合には表示色によって
表示像の観察される距離の異なる立体的な像が得られ
る。
【0049】本発明における表示すべき情報とは、その
表示用途により適宜選択でき、車両のスピード計、タコ
メーター、シフトレバー表示、さらには種々の警告ラン
プや、ナビゲーション情報、エアコン、オーディオ機器
など付属機器の情報等が例として挙げられる。また、道
路情報、駐車場空き情報などの車両外からの情報を表示
することもできる。また、観察者とは主には車両等の乗
り物の運転手であるが、助手席その他の同乗者や、これ
らすべての者を含めることができる。
【0050】これまでの説明は本発明を自動車用のHU
Dの例を中心にして説明したが、それに限定されない。
例えば、リヤガラス板にホログラムを配し、運転者の制
動動作に同期して光を発する発光表示手段からの光をホ
ログラムによって後方車両の運転者等の観察者に向けて
制動情報を回折するハイマウントストップランプも、本
発明の表示装置の構成とすることによって、好適にフレ
ア光を低減できる。また、ダッシュボード上やインスツ
ルメントパネル近傍などにコンバイナを配置するタイプ
のHUDにおいても、フレア光の発生を防止できる。
【0051】さらに、車両用に限定されず、航空機や船
舶などの情報を表示するための装置にも、本発明の表示
装置を適用できる。この情報としては、緯度、経度、高
度、進行方向などの位置・方位情報や、気象情報、レー
ダの障害物情報、魚群探知機の情報など、乗り物の運行
や業務に関わる様々な情報が考えられる。さらにまた、
これら乗り物以外に、例えば建築物の間仕切りや店頭の
窓ガラスに装飾効果を加える表示装置にも、本発明の表
示装置を適用できる。
【0052】図12は、取り付け角をθw =90°に想
定したものである。例えば建築物の壁面や窓開口部等に
装飾効果を付与するために用いられるホログラフィック
表示装置についての、フレア光を低減させる入射角θ1
および出射角θ2 の領域を示す。この領域に従った角度
配置を用いることによって、建築物用のホログラフィッ
ク表示装置であっても、その取り付け角に応じてフレア
光の低減されたホログラフィック表示装置が得られる。
【0053】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明におけるホログラフィック表
示装置として、自動車用HUDを例示した実施例につい
て説明する。図1に示すように風防ガラス7の下方には
発光表示手段が備えられており、この発光表示手段は熱
陰極管を用いた光源6から発した光がコリメータである
レンズ系4を介し、透過型カラー液晶表示素子からなる
表示体5を通過した表示すべき情報を光3として発する
ものである。この光3は、車体の風防ガラス7に備えら
れたホログラム2に照射されて、回折され、運転者に観
察位置1で視認される。
【0054】ホログラム2は倍率を持ち、速度表示8、
警告表示9の表示像は遠方に結像している。また、ホロ
グラムは波長選択機能を持つので、希望する色の像が表
示可能であり、さらに、多重露光や複数枚のホログラム
の積層によって多色表示が可能となり、表示情報の量と
質の向上ができる。本実施例では熱陰極管の発光ピーク
波長に対応する545nmと612nmの光を回折する
多重露光のホログラムを用い、速度表示8を緑色、警告
表示9を緑色と赤色とを混合しアンバー色(橙色)等と
して表示した。その結果、運転者に対してより的確に情
報を伝達することが可能となっている。
【0055】本実施例ではホログラムである風防ガラス
7の傾きθw は45°であり、情報を含む光3のホログ
ラム2が封入されている風防ガラスのホログラムが配さ
れている部分への入射角θ1 を50°としホログラム2
で回折した光が風防ガラスから出射する出射角θ2 を6
5°となるように露光したホログラムを風防ガラスに封
入した。
【0056】なお図1は概念的な図であり、必ずしもこ
れらの角度関係を厳密に表したものではない。このθ
1 、θ2 は図9の白色領域にあり、α≦0、β≦0とす
るものである。したがって、図1に示すようにフレア光
の入射方向10は水平より低くなる。その結果、太陽や
街路灯などの上方からの光がフレア光として車両内に入
るのを防止できた。
【0057】さらに本実施例ではホログラム2の風防ガ
ラスへの取り付け位置を調整し、フレア光の入射方向1
0の延長線上にボンネットが位置するようにしており、
登り坂での外部光や先行車の尾燈などもフレア光として
車両内に入ることを防止できた。
【0058】本実施例ではコンバイナとして横150m
m×縦150mmの大きさで厚さが20μmのアクリル
系フォトポリマーよりなる感光材料を用い、体積位相型
の反射型ホログラムを用いた。このホログラム感光材料
の屈折率は1.5であった。かかるホログラムは風防ガ
ラスに備えられるものであり、例えば風防ガラスの表面
(車両外表面)や車両内側表面に備えられてもよいが、
特にホログラムの保護の点に鑑みて、本実施例のように
合わせガラス板である風防ガラスの内部に封入して用い
ることが好ましい。なお、本実施例における封入の構成
は図2に示す通りである。
【0059】(実施例2)本実施例では、θw =75°
となるトラックに関する例を示す。入射角はθ1=20
°、出射角は40°とした。それ以外のホログラム材
料、構造、露光方法等実施例1と基本的に同一である。
これらの角度条件は、図11の白色領域にあり、α≦
0、β≦0とするものである。したがってフレア光の入
射方向10は水平より低くなる。その結果、太陽や街路
灯などの上方からの光がフレア光として車両内に入るの
を防止できた。
【0060】上記実施例として、2組のθw 、θ1 、θ
2 の組み合わせを示したが、本発明はこれらの組み合わ
せに限定されず、α≦0、β≦0を満足する角度であれ
ばよい。また、アクリル系フォトポリマーよりなるホロ
グラムとして2つの波長で露光されたホログラムの例を
示したが、この材料、露光方法等に限定されない。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、従来知られていた内面
回折フレア光の入射方向だけでなく、外面回折フレア光
の入射方向も水平以下となるため、太陽や街路灯などの
上方からの光がフレア光として車両内に入ることを防止
できる。また、本発明のホログラムを用いれば、風防ガ
ラスのみでなくサイドガラス板、リヤガラス板などを用
いるホログラフィック表示装置、またはダッシュボード
上やインスツルメントパネル近傍などにコンバイナを配
置するタイプのホログラフィック表示装置においても、
フレア光の発生を防止できる。
【0062】さらに、フレア光の入射方向の延長線上に
ボンネット等の障害物を設けているため、登り坂での外
部光や先行車の尾燈などの水平以下からの外部光に対し
ても、フレア光として車両内に入るのを有効に防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるHUDの一例を示す概念図
【図2】本発明におけるホログラムの封入構成の一例を
示す概略断面図
【図3】ホログラムを車両に取り付けた状態を示す要部
垂直断面図
【図4】θw =30°において内面回折フレア光の入射
角を示す図
【図5】θw =30°において内面回折フレア光の入射
角が水平以下になる領域を示す図
【図6】θw =30°において外面回折フレア光の入射
角を示す図
【図7】θw =30°において外面回折フレア光の入射
角が水平以下になる領域を示す図
【図8】θw =30°において内面および外面回折フレ
ア光の入射角が水平以下になる領域を示す図
【図9】θw =45°において内面および外面回折フレ
ア光の入射角が水平以下になる領域を示す図
【図10】θw =60°において内面および外面回折フ
レア光の入射角が水平以下になる領域を示す図
【図11】θw =75°において内面および外面回折フ
レア光の入射角が水平以下になる領域を示す図
【図12】θw =90°において内面および外面回折フ
レア光の入射角が水平以下になる領域を示す図
【図13】従来のホログラフィック表示装置を示す概念
【符号の説明】
1:車両内の観察者の観察位置 2:ホログラム 3:情報を含む光 4:レンズ系 5:表示素子 6:光源 7:風防ガラス 8:速度表示 9:警告表示 10:フレア光の入射方向 11:ボンネット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と表示すべき情報を表示する表示体と
    を少なくとも備えて表示すべき情報を光として発生する
    発光表示手段と、略平行な2つの面を有する透明基板に
    配されていて前記光を観察者に向けて回折するホログラ
    ムとを少なくとも備えたホログラフィック表示装置にお
    いて、 水平に対する前記ホログラムの傾斜角をθw (単位:
    度)、発光表示手段から透明基板のホログラムが配され
    ている部分への光の入射角をθ1 (単位:度)、ホログ
    ラムで回折されて透明基板から観察者に向かう回折角を
    θ2 (単位:度)、α=90−θw −θ1 、β=90−
    θw −θ3 としたときに、車外からのフレア光の入射角
    が水平以下となるようにαおよびβの値が0以下の値ま
    たは0に近い正の値であることを特徴とするホログラフ
    ィック表示装置。ただし、sinθ3 =n×sin(2
    ×θ2'−θ1')、sinθ1 =n×sin(θ1')、s
    inθ2 =n×sin(θ2')、nはホログラムの屈折
    率である。
  2. 【請求項2】前記角度θw 、θ1 、θ2 に、垂直断面内
    に射影した角度を代用して用いることを特徴とする請求
    項1のホログラフィック表示装置。
  3. 【請求項3】前記フレア光の入射方向の延長線上に、ホ
    ログラムへのフレア光の入射を阻害する光遮蔽物が配置
    されていることを特徴とする請求項1または2のホログ
    ラフィック表示装置。
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