JP2000071612A - 新規画像記録媒体および画像記録方法 - Google Patents

新規画像記録媒体および画像記録方法

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JP2000071612A
JP2000071612A JP10246323A JP24632398A JP2000071612A JP 2000071612 A JP2000071612 A JP 2000071612A JP 10246323 A JP10246323 A JP 10246323A JP 24632398 A JP24632398 A JP 24632398A JP 2000071612 A JP2000071612 A JP 2000071612A
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JP10246323A
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English (en)
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Atsuhiro Okawa
敦裕 大川
Tatsuhiko Obayashi
達彦 大林
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱感度が高く、レーザーを用いたヒートモード
の画像記録方式を利用する場合にもアブレーションをお
こさない程度の低出力レーザーでの記録が可能であり、
別個の受像シートを必要とせず、かつ保存安定性に優れ
た画像記録媒体を用いて優れた画像を得る。 【解決手段】熱または酸の作用によりリン酸誘導体にお
けるリンとの結合の切断が起こり、その結合開裂または
それに続く後続反応により360nmから900nmの間の
吸収に変化が生じる化合物を含有する画像記録媒体を用
いて画像形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸または熱の作用
により360nmから900nmに吸収が変化する化合物を
利用したイメージング材料に関するものである。更に詳
しくは、レーザーを利用した、ドライシステムによる画
像記録媒体に関するものである。また製版フィルムに必
要な360〜420nmの画像ならびに視認性用の画像形
成が可能な高感度でかつ保存性の良好な画像記録媒体お
よびそれを用いた画像記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料は画像部と非画像部を温度
差分布として表現するもので、着色剤の溶融転写や昇華
転写、加熱溶融やカプセル破壊による2成分間の発色反
応、相転位による光学特性の変化等、多くの方式が考案
されてきた。この種の熱記録媒体においては、乾式でか
つ簡単なシステムで記録像が得られ、しかもメンテナン
スフリーという利点があるため各種プリンター、ワード
プロセッサー、ファクシミリ等の出力材料として広く利
用されている。また近年、レーザー記録装置の進歩に伴
い光ディスクや製版材料にも応用が検討されている。
【0003】従来、製版材料としては、湿式処理を必要
とするハロゲン化銀感光材料が使用されてきたが、処理
工程の簡易化に対する要求、および処理液による環境汚
染などの問題から乾式工程の開発が望まれ、近年感熱記
録方式によるいくつかの技術的な提案がなされてきた。
解像度の観点からレーザーを用いた画像記録が好まし
く、例えば、高出力レーザーを用いた色素アブレーショ
ンと呼ばれる方式が開発されており、その記録材料が特
開平7−164755号、同7−149063号、同7
−149065号等に、画像形成装置が特開平8−48
053号、同8−72400号等に開示されている。
【0004】このシステムでは支持体上に塗布された画
像色素、レーザー波長域に吸収を有する物質(赤外吸収
物質)およびバインダーからなる色素組成物を有する記
録材料を、色素層側からレーザー照射することによって
画像記録が行われる。レーザーによって与えられたエネ
ルギーは、レーザービームが材料に当たったスポットで
画像形成層に急激な局部変化を起こし、それによって物
質を層から追い出す。上記特許公報によれば、これは完
全に物理的な変化(例えば、溶融、蒸発または昇華)で
はなく、ある種の化学変化(例えば、結合破壊)であ
り、部分的な画像色素の除去ではなく、完全な除去であ
るといわれている。この様な色素アブレーション方式で
は、レーザー露光部位における色素の除去効率を高める
ためには高出力のレーザーが不可欠であり、また除去さ
れた色素を集めるために集塵機の併設が必要であるとい
った問題点があった。
【0005】集塵機を必要としない方式として、レーザ
ーを熱源とするアブレーション転写式画像記録法に関す
る記載が米国特許第5,171,650号等に開示され
ている。この方式では、アブレイティブキャリアートッ
プコートを上塗りした動的剥離層を含有する色素ドナー
シートが用いられており、画像は、隣接して位置合わせ
をした別の受容シートへと転写される。このため画像記
録後に不要となったシートが廃材になるという問題点が
あった。またこの場合も転写効率を高めるためには高出
力のレーザーが不可欠であった。このようにレーザーに
よるアブレーションを利用した従来の感熱記録方式では
高出力のレーザーが必要であり、ゴミや廃材が避けられ
ないという問題点があった。
【0006】また、レーザーを利用したアブレーション
を伴わない感熱記録方式として、「ドライシルバー」と
称されるシステムを発展させたものが特開平6−194
781号等に記載されている。このシステムでは、熱的
に還元されうる銀源、銀イオンの還元剤、および光熱変
換色素を含有する記録材料に対してレーザーで記録が行
われるが、非画像部の保存性、および熱感度の点で実用
性能には不十分であった。
【0007】また、レーザーを利用したその他の感熱記
録方式として米国特許第4,602,263号、同第
4,826,976号にはカルバメートの熱分解によっ
て吸収の変化する化合物が記載されている。さらに同第
5,243,052号には水酸基に導入したアルコキシ
カルボニル基の熱分解によってイエロー発色する化合物
が記載されており、特開平4−124175号、同5−
2748342号、同6−227139号、同5−28
1654号および同6−255256号には水酸基に導
入したアルコキシカルボニル基の熱分解によってイエロ
ー、マゼンタおよびシアンに発色する化合物が記載され
ている。これらの方式は不可逆な単分子反応を利用した
もので、レーザーを利用した極短時間の画像記録に対し
ても好ましい方式ではあるが、感度が不十分であり更に
高感度化が望まれていた。
【0008】その他、製版材料用途に共するUVマスク
像(360nm〜420nm;PS版への露光光源に対応)
の形成方法として、レーザーを利用したヒートモード方
式では実用的な提案はなされていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は熱感度
が高く、レーザーを用いたヒートモードの画像記録方式
を利用する場合にもアブレーションをおこさない程度の
低出力レーザーでの記録(特に製版用マスクフィルムと
して不可欠な360nm〜420nmに対応する画像記録)
が可能であり、別個の受像シートを必要とせず、かつ保
存安定性に優れた新規な画像記録媒体もしくは画像記録
方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記に
示す方法により解決された。 熱または酸の作用によりリン酸誘導体におけるリン
との結合の切断が起こり、その結合開裂またはそれに続
く後続反応により360nmから900nmの間の吸収に変
化が生じる化合物を含有することを特徴とする画像記録
媒体。
【0011】 上記吸収に変化が生じる化合物が、下
記一般式(1)で表されることを特徴とする上記記載
の画像記録媒体。
【0012】
【化2】
【0013】(式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独
立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、
21O−基、R21S−基またはR2122N−基を表す。
Zは酸素原子、硫黄原子または=N−R23基を表す。R
21、R22およびR23はそれぞれ独立に水素原子、アルキ
ル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Lは酸素、
窒素または硫黄原子でP(リン原子)に結合し、Dye
中の酸素、窒素または硫黄原子と結合する基であり、熱
または酸の作用によりPとLの結合が切れ、その後Lと
Dyeの結合が切れることによりDyeの吸収に変化を
生じさせる基である。nは0または1を表す。Dyeは
LまたはPとの結合が切れることにより360nmから9
00nmの間に吸収変化を生じる化合物である。また R
1、R2、Z、LおよびDyeはそれぞれ互いに結合して
環を形成しても良い。)
【0014】 更に、光または熱の作用により酸を発
生する化合物を含有することを特徴とする上記または
記載の画像記録媒体。 更に、赤外線吸収化合物を含有することを特徴とす
る上記〜のいずれかに記載の画像記録媒体。
【0015】 上記吸収に変化が生じる化合物をマイ
クロカプセルに内包させ、酸と隔離することを特徴とす
る上記〜のいずれかに記載の画像記録媒体。 上記吸収に変化が生じる化合物と酸を隣接する別々
の層に含有することを特徴とする上記〜のいずれか
に記載の画像記録媒体。
【0016】 上記〜のいずれかに記載の画像記
録媒体をレーザーにより走査露光することによって画像
形成させることを特徴とする画像記録方法。 画像記録媒体をあらかじめ60℃以上120℃以下
の温度で加熱しておき、レーザーにより走査露光するこ
とにより画像を形成させることを特徴とする上記記載
の画像記録方法。
【0017】
【発明の実施形態】以下、本発明について詳しく説明す
る。本発明では、熱または酸の作用によりリン酸誘導体
におけるリンとの結合の切断が起こり、その結合開裂ま
たはそれに続く後続反応により360nmから900nmの
間の吸収に変化が生じる化合物(以下単に本発明の化合
物と称することもある)を含有することを大きな特徴と
する。更に詳しくは、熱または酸の作用による分子内ま
たは分子間反応により360nmから900nmの吸収域に
変化を生じる(例えば、当該領域に消失画像を形成す
る、あるいは当該領域に発色画像を形成する)化合物を
含有することを大きな特徴とする。
【0018】本発明において、酸の作用による分子内ま
たは分子間反応により360〜900nmの吸収域に変化
を生じる化合物とは、中性〜塩基性の条件下で保存する
限りにおいては安定であるが、酸が作用すると分子内、
または分子間反応の活性化エネルギーが下がり、加熱に
よって容易に反応が進行して前記範囲における吸収に変
化を生じる化合物のことである。この際画像を形成する
ための加熱温度としては60〜200℃であることが好
ましく、特に好ましくは80〜120℃である。
【0019】一般式(1)において、R1およびR2はそ
れぞれ独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、イ
ソプロピル、t−ブチル、オクチル、2−エチルヘキシ
ル、ドデシル)、アリール基(例えばフェニル、1−ナ
フチル、2−ナフチル)、ヘテロ環基{例えばチエニ
ル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソ
チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジ
ル、ピラジル、ピリミジニル、インドリル、キナゾリ
ル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル(いずれも
結合可能な位置で置換して良い)}、R21O−基、R21
S−基またはR21 22N−基を表す。R1とR2は結合し
て環を形成しても良い。ここで、R21とR22はそれぞれ
独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ
環基を表し、それぞれの具体例はR1、R2の場合と同様
である。また、R21とR22は結合して環を形成してもよ
い。
【0020】これらのR1、R2、R21およびR22基はさ
らに置換基を有していても良く、置換基としてはハロゲ
ン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、沃素)、アルキル
基(具体例は前述と同じ)、アルケニル基(例えばビニ
ル、アリル、2−フェニルビニル)、アルキニル基、ア
リール基(具体例は前述と同じ)、ヘテロ環基(具体例
は前述と同じ)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エト
キシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、2−エチルオク
チルオキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキ
シ)、アルコキシカルボニル基(例えばエトキシカルボ
ニル、イソプロポキシカルボニル、デシルオキシカルボ
ニル)、フェノキシカルボニル基、−CON(R11)R
12基(R11とR12はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基またはアリール基を表し、その具体例は前述と同じで
あり、以下も同様である)、−N(R 11)COR12基、
−SO2N(R11)R12基、−N(R11)SO212基、
−SR 13基(R13はアルキル基またはアリール基を表
し、その具体例は前述と同じであり、以下も同様であ
る)、−COR11基、−Si(R13)(R14)R15基(R
14とR15はR13と同義である)、シアノ基、ヒドロキシ
ル基、カルボキシル基、ニトロ基、−N(R11)R12
等が挙げられる。
【0021】Zは酸素原子、硫黄原子または=N−R23
基を表す。R23はR21、R22と同義である。Zは好まし
くは酸素または硫黄原子であり、特に好ましくは硫黄原
子である。
【0022】Lは酸素、窒素もしくは硫黄原子でP(リ
ン原子)に結合し、Dye中の酸素、窒素または硫黄原
子と結合する基であり、熱または酸の作用によりPとL
の結合が外れその後LとDyeの結合が外れることによ
り、Dyeの吸収に変化を生じさせる基である。nは0
または1を表す。尚、nが0のときには、熱または酸の
作用によりP(リン原子)とDyeの結合が切れるもの
である。
【0023】Lとしては、写真業界で知られている−O
C(=O)−基や、−OCH2−基、分子内求核置換型
タイミング基、電子移動型タイミング基等が挙げられ
る。これらの具体例としては、例えば、特開昭51−1
46828号、同54−145135号、同56−11
4946号、米国特許第4,962,018号、欧州特
許第346,399号等に記載されている。
【0024】Dyeは、L以下の基が外れることによ
り、またはL以下の基が外れ、それに続く後続反応によ
って360nmから900nmの間に吸収変化を生じる基で
ある。また、R1、R2、LおよびDyeはそれぞれ互い
に結合して環を形成しても良い。
【0025】本発明の化合物は複数の分子が結合するこ
とによりポリマーを形成してもよい。その際、ポリマー
の分子量として1000から100万の範囲にあること
が好ましく、更に好ましくは5000から20万の範囲
にあることである。この際ポリマーは単独重合体でもよ
いし、他のモノマーとの共重合体であってもよい。共重
合を形成するモノマーとしては、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、アクリルアミド、ビニルエーテ
ル、スチレン等が好ましい。
【0026】また本発明の化合物の色相として好ましく
は400nmより長波な部分、より好ましくは360nmよ
り長波な部分に、実質的に吸収を持たないことが好まし
い。
【0027】以下に本発明の化合物、あるいは一般式
(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】
【化6】
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】本発明の化合物は、例えば、Bull. Chem.
Soc. Jpn.,52巻、1431頁(1979年)や、同5
2巻、2424頁(1979年)、同55巻、204頁
(1982年)、同56巻、1187頁(1983
年)、同57巻、2156頁(1984年)、Tetrahed
ron Lett.,27巻、4181頁(1986年)に記載の
方法またはそれらに引用されている文献等を参考にして
合成することができる。
【0036】例示化合物(1)の具体的な合成例を示
す。 (合成例)例示化合物1の合成
【0037】
【化10】
【0038】化合物(1a)3.23gをテトラヒドロ
フラン30mlに溶かし、そこに水素化ナトリウムのオ
イル分散物(含量60%)を0.48g加え、室温で3
0分攪拌した。その後化合物(1b)1.97gを加
え、室温で更に4時間攪拌した。その後、酢酸エチル6
0mlと水50mlを加えて攪拌し、水層を分離した。
有機層を食塩水で洗った後、減圧下濃縮した。得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製す
ることにより、例示化合物(1)3.75gを得た。
【0039】本発明では、光または熱の作用によって酸
を発生する酸発生剤を含有することが好ましい。本発明
において、光または熱の作用によって酸を発生する酸発
生剤とは、本来酸ではない化合物であるが、光の照射ま
たは加熱により分解して酸を発生する化合物である。本
発明ではレーザー露光時にのみ分解し、保存時またはレ
ーザー露光後の全面加熱時には分解しない酸発生剤が有
用である。
【0040】光の作用によって酸を発生する化合物とし
ては、有機エレクトロニクス材料研究会(ぶんしん出
版)編「イメージング用有機材料」p.187〜198(1993)
に種々の例(非イオン性化合物としてハロゲン化水素を
発生するハロゲン化物、スルホン酸を発生するスルホン
化物、カルボン酸を発生するカルボニル化物、リン酸を
発生するリン化合物等、イオン性化合物として各種オニ
ウム塩等)が記載されている。本発明ではこれらのいず
れも使用することができるが、安全性の観点から、スル
ホン酸、カルボン酸、またはリン酸を発生する酸発生剤
が特に有用である。またこれらの光酸発生剤の感光域を
広げる目的で種々増感剤(J.Polymer.Sci.,16 2441(197
8) 等に例が記載されている) を添加することもでき
る。
【0041】以下に本発明に有用な光によって酸を発生
する化合物の具体例を示すが本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0042】
【化11】
【0043】
【化12】
【0044】
【化13】
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】熱によって酸を発生する熱酸発生剤として
第1に挙げられるのはジアゾニウム、ヨードニウム、ス
ルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物
のスルホネート、 PF6 - 塩、AsF6 - 塩、SbF6 - 塩等であ
る。これらは光の作用によって酸を発生する化合物でも
あり、例としては光酸発生剤の例として記載したものが
挙げられる。
【0048】熱酸発生剤として第2に挙げられるのは酸
のアンモニウム塩またはアミン錯体である。酸のアンモ
ニウム塩は、酸をアンモニアまたはアミンで中和するこ
とによって合成できる。酸としては例えばp−トルエン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、1,8−ナフタレン
ジスルホン酸、p−ニトロ安息香酸、2,4−ジクロロ
安息香酸、フェニルホスホン酸、HPF6等を挙げることが
できる。また酸のアミン錯体としてはBF3 ・Et2Oとアミ
ンを混合することによって得られる錯体等を挙げること
ができる。アミンは第1級、第2級、または第3級のア
ミンのいずれでも良く揮発性である場合が特に好まし
い。例としてメチルアミン、エチルアミン、iso-プロピ
ルアミン、t−ブチルアミン、アニリン、ピリジン等を
挙げることができる。
【0049】これらの酸のアンモニウム塩の具体例を以
下に例示するが本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0050】
【化16】
【0051】
【化17】
【0052】熱酸発生剤として第3に挙げられるのは、
加熱によりβ−水素脱離して酸を発生する化合物であ
る。この様な化合物としてはスルホン酸、カルボン酸も
しくはリン酸のβ位に水素原子を有するアルキルエステ
ル(例えばt−ブチルエステル、シクロヘキシルエステ
ル、2−フェニルエチルエステル、4,5−ジヒドロ−
2−メチルフラン−5−イルエステル、2−シクロヘキ
セニルエステルなど)、または下記一般式イで示される
化合物等を挙げることができる。
【0053】
【化18】
【0054】式イ中、YはYOHで表されるスルホン
酸、カルボン酸またはリン酸の残基を表す。Wは置換ま
たは無置換のアリール基を表し、炭素数は6〜60が好
ましく、例としては、フェニル基、2,4−ジメトキシ
フェニル基、1−ナフチル基、2−メトキシ−1−ナフ
チル基、2−クロロ−1−ナフチル基等を挙げることが
できる。
【0055】加熱によってβ水素離脱することにより酸
を発生する化合物の具体例を以下に示すが本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0056】
【化19】
【0057】
【化20】
【0058】熱酸発生剤として第4に挙げられるのはス
ルホン酸、カルボン酸およびリン酸の2−ニトロベンジ
ルエステル、あるいはベンゾインエステルである。これ
らは光によって酸を発生する化合物でもあり、例として
は光酸発生剤の例として前記したものが挙げられる。
【0059】これ以外の熱酸発生剤としては、以下に代
表されるような多段階の分解反応により酸を放出する化
合物等が挙げられる。
【0060】
【化21】
【0061】
【化22】
【0062】
【化23】
【0063】
【化24】
【0064】
【化25】
【0065】
【化26】
【0066】
【化27】
【0067】これらの化合物は、特開平8−24856
1号に記載の方法に準じて合成することができる。ま
た、本発明の化合物は、WO94/10607号に記載
されるような、一次酸発生剤と二次酸発生剤を併用した
画像形成媒体においても使用することができる。
【0068】本発明の化合物は、マイクロカプセルによ
って隔離したり、隣接する別々の層に含有させることに
よって保存安定性を高めることもできる。
【0069】本発明の化合物をマイクロカプセルに内包
させる場合には従来公知のマイクロカプセル化技術を用
いることができる。即ち、本発明の化合物とマイクロカ
プセル壁前駆体とを水に難溶もしくは不溶の有機溶剤に
溶解し、水溶性高分子の水溶液中に添加し、ホモジナイ
ザー等を用いて乳化分散し、昇温してマイクロカプセル
壁となる高分子物質の壁膜を油/水界面に形成すること
により調整することができる。
【0070】マイクロカプセルの壁膜となる高分子物質
の具体例としては、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、アミノアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリ
スチレン樹脂、スチレン−アクリレート共重合体樹脂、
スチレン−メタクリレート共重合体樹脂、ゼラチン、ポ
リビニルアルコール等及びこれらの混合物が挙げられ
る。これらの中でも、特に好ましいものは、ポリウレタ
ン・ポリウレア樹脂からなる壁膜を有するマイクロカプ
セルである。ポリウレタン・ポリウレア樹脂からなる壁
膜を有するマイクロカプセルは、多価イソシアネート等
のマイクロカプセル壁前駆体をカプセル化すべき芯物質
中に混合し、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子の
水溶液に乳化分散し、液温を上昇させて油滴界面で高分
子形成反応を起こすことによって製造される。
【0071】マイクロカプセル壁前駆体としての多価イ
ソシアネート化合物としては、m−フェニレンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−
トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシ
アネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジ
フェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,
3′−ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネ−
ト、キシレン−1,4−ジイソシアネート、4,4′−
ジフェニルプロパンジイソシアネ−ト、トリメチレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プ
ロピレン−1,2−ジイソシアネ−ト、ブチレン−1,
2−ジイソシアネ−ト、シクロヘキシレン−1,2−ジ
イソシアネ−ト、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシ
アネ−ト等のジイソシアネ−ト類、4,4′,4″−ト
リフェニルメタントリイソシアネ−ト、トルエン−2,
4,6−トリイソシアネ−ト等のトリイソシアネ−ト
類、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,
5,5′−テトライソシアネ−ト等のテトライソシアネ
−ト類、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロ
ールプロパンとの付加物、2,4−トリレンジイソシア
ネートとトリメチロ−ルプロパンとの付加物、キシリレ
ンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加
物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールと
の付加物等のイソシアネートプレポリマー等が例として
挙げられる。また必要に応じ二種以上の併用も可能であ
る。これらの中でも特に好ましいものは分子内にイソシ
アネート基を三個以上有するものである。
【0072】マイクロカプセル化において本発明の化合
物を溶解するために使用される有機溶剤は常温で固体で
も液体でもよく、ポリマーでもよい。例えば、酢酸エス
テル、メチレンクロライド、シクロヘキサノン等の低沸
点補助溶剤および/またはりん酸エステル、フタル酸エ
ステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、
その他カルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アルキル化
ビフェニル、アルキル化ターフェニル、アルキル化ナフ
タレン、ジアリールエタン、塩素化パラフィン、アルコ
ール系、フェノール系、エーテル系、モノオレフィン
系、エポキシ系等の高沸点オイルが挙げられるが、これ
らの中でも特に好ましくはアルコール系、リン酸エステ
ル系、カルボン酸エステル系、アルキル化ビフェニル、
アルキル化ターフェニル、アルキル化ナフタレン、ジア
リールエタンが挙げられる。さらに、前記高沸点オイル
に、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の酸化
防止剤を添加してもよい。また、オイルとしては、特に
不飽和脂肪酸を有するものが好ましく、具体的にはα−
メチルスチレンダイマー等を挙げることができる。
【0073】マイクロカプセル作製時に用いられる水溶
性高分子としては、ポリビニルアルコール、シラノール
変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニル
アルコール、アミノ変性ポリビニルアルコール、イタコ
ン酸変性ポリビニルアルコール、スチレン変性ポリビニ
ルアルコール、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ブ
タジエン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マ
レイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、ポリスチレン
スルホン酸ポリビニルピロリドン、エチレン−アクリル
酸共重合体、ゼラチン等が挙げられ、これらの中でも、
特にカルボキシ変性ポリビニルアルコールが好ましい。
また、疎水性高分子のエマルジョンまたはラテックス等
を併用することもできる。具体的な例としては、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、カルボキシ変性スチレン−ブ
タジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体等が挙げられる。この際、乳化安定性を向上させる
等の目的で、必要に応じて従来公知の界面活性剤等を加
えてもよい。
【0074】マイクロカプセルの粒径としては0.1〜
1.0μmが好ましく、0.2〜0.7μmがより好ま
しい。
【0075】該感熱記録材料の熱感度を高めるために増
感剤を添加する場合には、分子内に芳香族性の基と極性
基を適度に有している低融点有機化合物が好ましく、p
−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、α−ナフチルベン
ジルエーテル、β−ナフチルベンジルエーテル、β−ナ
フトエ酸フェニルエステル、α−ヒドロキシ−β−ナフ
トエ酸フェニルエステル、β−ナフトール−(p−クロ
ロベンジル)エーテル、1,4−ブタンジオ−ルフェニ
ルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−メチルフェ
ニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−エチルフ
ェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−m−メチル
フェニルエーテル、1−フェノキシ−2−(p−トリル
オキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(p−エチルフ
ェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(p−クロロ
フェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル等を挙げ
ことができる。
【0076】その他の添加剤としては、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩から
なるヘッド摩耗およびスティッキング防止剤、パラフィ
ン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレ
ン、カスターワックス等のワックス類等が挙げられ、必
要に応じて添加することができる。
【0077】本発明の化合物をマイクロカプセルに内包
させた場合、カプセル外に酸を分散させ、熱等によって
発色させることができる。その際に用いられる酸として
は、前述の酸発生剤も用いることができるが、以下に挙
げる酸を用いることもできる。
【0078】
【化28】
【0079】
【化29】
【0080】
【化30】
【0081】
【化31】
【0082】
【化32】
【0083】
【化33】
【0084】
【化34】
【0085】
【化35】
【0086】
【化36】
【0087】
【化37】
【0088】
【化38】
【0089】
【化39】
【0090】本発明の画像記録媒体は一般的に前記酸発
生剤、酸増殖剤および酸の作用により360〜900nm
の吸収域に変化を生じる化合物を含有する組成物を支持
体上に塗布して作製される。この際、これらのいずれか
がポリマーである場合、あるいは塗布性の良いアモルフ
ァスである場合を除き、通常はバインダーを共存させ
る。バインダーを使用しなくてもよい場合は、膜厚を薄
くし易く、切れの良い画像が得られるという利点があ
る。
【0091】また該画像記録媒体の保存安定性を高める
目的で少量の塩基を添加したり、必要に応じて顔料、酸
化防止剤、スティッキング防止剤等種々の添加剤を添加
することもできる。また、画像形成層を保護するために
オーバーコート層を設けたり、支持体の裏面にバックコ
ート層を設けても良い。なお、画像形成層と支持体との
間に単層あるいは複数層の顔料あるいは樹脂からなるア
ンダーコート層を設けるなど、感熱記録材料等における
種々の公知技術を用いることもできる。
【0092】塩基を添加する場合には有機塩基が好まし
く、例えばグアニジン誘導体(例えば1,3−ジフェニ
ルグアニジン、1,3−ジメチルグアニジン、1,3−
ジブチルグアニジン、1−ベンジルグアニジン、1,
1,3,3−テトラメチルグアニジン等)、アニリン誘
導体(例えばアニリン、p−t−ブチルアニリン、N,
N′−ジメチルアニリン、N,N′−ジブチルアニリ
ン、トリフェニルアミン等)、アルキルアミン誘導体
(例えばトリブチルアミン、オクチルアミン、ラウリル
アミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン等)、およ
びヘテロ環化合物(例えばN,N′−ジメチルアミノピ
リジン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−
ウンデセン、トリフェニルイミダゾール、ルチジン、2
−ピコリン等)が好ましい例として挙げられる。これら
の塩基は酸発生剤に対して1〜50mol%添加することが
好ましく、特に好ましくは5〜20mol%添加する場合で
ある。
【0093】バインダーとしては、ゼラチン、カゼイ
ン、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミド、エチレン−無水マレイン酸コポリマー等
の水溶性バインダー、およびポリビニルブチラール、ト
リアセチルセルロース、ポリスチレン、アクリル酸メチ
ル−ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジ
エンコポリマー等の水不溶性バインダーのいずれも用い
ることができる。
【0094】顔料を添加する場合には、ケイソウ土、タ
ルク、カオリン、焼成カオリン、酸化チタン、酸化ケイ
素、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム、尿素−ホルマリン樹脂等が例として挙げられ
る。
【0095】その他の添加剤としては、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属
塩からなるヘッド摩耗およびスティッキング防止剤、パ
ラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエ
チレン、カスターワックス等のワックス類等が挙げられ
必要に応じて添加することができる。
【0096】本発明の画像記録媒体に用いられる支持体
としては、上質紙、バライタ紙、コート紙、キャストコ
ート紙、合成紙等の紙類、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフチレンジカルボキシレート、ポリアリーレン、
ポリイミド、ポリカーボネート、トリアセチルセルロー
ス等のポリマーフィルム、ガラス、金属箔、不織布等を
挙げることができる。本発明の画像記録媒体を利用して
透過型の画像、例えばOHP用フィルムや製版用フィル
ム等の用途に供する場合には、透明な支持体が用いられ
る。また、製版フィルム用には、熱膨張率が小さく寸度
安定性が良好で、かつ、PS版の感光域に吸収を持たな
い支持体が選ばれる。
【0097】本発明の画像記録媒体に含まれる酸発生剤
が熱の作用によって酸を発生する化合物である場合に
は、ヒートモードでの画像記録が行なわれる。この際画
像形成手段としての加熱方法には、加熱されたブロック
やプレートと接触させる方法、熱ローラーや熱ドラムと
接触させる方法、ハロゲンランプや赤外ないし遠赤外ラ
ンプヒーターを照射させる方法、感熱プリンターの熱ヘ
ッドで画像状に加熱する方法、レーザー光を照射する方
法等があるが、製版材料用途等の高い高解像度が要求さ
れる場合にはレーザー光を照射する方法が好ましい。ま
たより少ない熱エネルギーで画像を形成させるために予
め、本発明の感熱記録材料を適当な温度に加熱しておく
こともできる。
【0098】レーザー光照射により画像を形成する場合
には、レーザー光を熱エネルギーに変換するために、該
レーザー光の波長の光を吸収する色素を存在させる必要
がある。レーザー光源としては、エキシマレーザー、ア
ルゴンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、半導体レー
ザー、ガラス(YAG)レーザー、炭酸ガスレーザー、
色素レーザー等があるが、ヘリウムネオンレーザー、半
導体レーザーおよびガラスレーザーが本発明に有用なレ
ーザー光源である。その中でも装置が小型で安価なこと
から、半導体レーザーが特に有用である。半導体レーザ
ーの発振波長は通常、670〜830nmであり、該近赤
外に吸収を持つ色素が用いられる。近赤外吸収色素とし
ては、シアニン色素、スクァリリウム色素、メロシアニ
ン色素、オキソノール色素、フタロシアニン色素等が用
いられる。その具体例としては、例えば米国特許第4,
973,572号、同第4,948,777号、同第
4,950,640号、同第4,950,639号、同
第4,948,776号、同第4,948,778号、
同第4,942,141号、同第4,952,552
号、同第5,036,040号、および同第4,91
2,083号明細書に記載されている物質が挙げられ
る。
【0099】本発明では前述の加熱方法により熱酸発生
剤からイメージワイズに酸触媒を発生させた後、全面加
熱することによって画像イメージを増幅させることがで
きる。この際、全面加熱する温度は非画像部の酸発生剤
の分解が起こらない温度であることが必須であり、また
製版材料用途に供する場合にはベースの寸法安定性が保
障される温度でなくてはならない。本発明における熱現
像温度としては60℃〜150℃の範囲にあることが好
ましく、特に好ましくは80〜120℃の場合である。
【0100】本発明の画像記録媒体が光の作用によって
酸を発生する化合物(光酸発生剤)を含有する場合に
は、該酸発生剤、あるいは感光域を広げるために添加さ
れた増感剤の吸収波長に合わせてレーザー光源が選択さ
れる。レーザー露光後の熱現像に関しては熱酸発生剤を
使用した場合と同様である。
【0101】
【実施例】以下に実施例を掲げ、本発明を更に詳しく説
明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0102】実施例1 〈感熱記録シートの製造例〉本発明の化合物と酸発生
剤、赤外色素をクロロホルムに溶解し、厚み100μm
のポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布、乾燥
して試料1〜8を作製した。ポリスチレンは和光純薬製
ポリスチレンビーズ(直径;約3.2mm)を使用した。
同様にして、比較例として試料9、10を作成した。
【0103】 試料 酸発生剤 4mmol/m2 本発明の化合物 2mmol/m2 IR色素 113mg/m2 ポリスチレン 2.2g/m2
【0104】
【化40】
【0105】
【表1】
【0106】<画像記録のためのレーザー露光条件>Sp
ectra Diode Labs No.SDL-2430(波長範囲:800
〜830nm)を8本合波して、400mWの出力にして画
像書き込み用レーザーとした。このレーザーを用いて、
ビーム径160μm、レーザー走査スピードを1.0m
/秒(走査中央部)、試料送りスピードを15mm/秒、
走査ピッチを8本/mmに設定して、22mm×9mmの画像
になるような露光を前述した試料1〜8および比較試料
9、10に対して行った。この時の試料上のレーザーエ
ネルギー密度は2.5mJ/mm2であった。
【0107】さらに、試料1〜10に対して前記レーザ
ー露光条件で走査露光を行った後、120℃−60秒の
熱現像を行った。その後、試料1〜6と試料9に関して
は、露光部における365nmでの発色濃度を、試料7、
8と試料10に関しては、420nmでの発色濃度を測定
し、100%発色した時の理論値よりお発色率を求め
た。その結果を表1に併記する。
【0108】表1に示したように、本発明の化合物は、
いずれも良好な発色性を示した。また、本発明の化合物
を用いた試料は、画像形成部におけるヘイズがほとんど
なく、鮮明な画像を与えた。
【0109】また、本発明の化合物はレーザー露光のみ
でも比較的良好な発色性を示すことが上記結果より判
る。レーザーのみで十分な発色濃度を得ることは、装置
の簡略化の点からも有用である。発色濃度を更に高める
手段の一つとして素材の塗布量を増やす方法がある。具
体的には、本実施例の試料2で示した素材の塗布量を2
倍に増やしたサンプルにレーザー照射のみを行った場
合、上記試料2のレーザーのみで発色した濃度の1.7
倍の発色濃度が得られた。これにより、本発明は、レー
ザーの照射のみで十分な発色濃度を得るシステムとして
も有用であると言える。
【0110】
【発明の効果】本発明によれば、熱感度が高く、レーザ
ーを用いたヒートモードの画像記録方式を利用する場合
にもアブレーションをおこさない程度の低出力レーザー
での記録(特に製版用マスクフィルムとして不可欠な3
60nm〜420nmに対応する画像記録)が可能であり、
別個の受像シートを必要とせず、かつ保存安定性に優れ
た新規な画像記録媒体及びそれを用いた画像記録方法を
得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H026 AA07 AA24 BB48 DD02 DD12 DD42 DD43 DD45 DD46 DD53 DD56 FF05 2H111 HA09 HA14 HA22 HA23 HA24 HA35

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱または酸の作用によりリン酸誘導体に
    おけるリンとの結合の切断が起こり、その結合開裂また
    はそれに続く後続反応により360nmから900nmの間
    の吸収に変化が生じる化合物を含有することを特徴とす
    る画像記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記吸収に変化が生じる化合物が、下記
    一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1記載
    の画像記録媒体。 【化1】 (式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原
    子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、R21O−
    基、R21S−基またはR2122N−基を表す。Zは酸素
    原子、硫黄原子または=N−R23基を表す。R21、R22
    およびR23はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ア
    リール基またはヘテロ環基を表す。Lは酸素、窒素また
    は硫黄原子でP(リン原子)に結合し、Dye中の酸
    素、窒素または硫黄原子と結合する基であり、熱または
    酸の作用によりPとLの結合が切れ、その後LとDye
    の結合が切れることによりDyeの吸収に変化を生じさ
    せる基である。nは0または1を表す。DyeはLまた
    はPとの結合が切れることにより360nmから900nm
    の間の吸収に変化を生じる化合物である。また R1
    2、Z、LおよびDyeはそれぞれ互いに結合して環
    を形成しても良い。)
  3. 【請求項3】 更に、光または熱の作用により酸を発生
    する化合物を含有することを特徴とする請求項1または
    2記載の画像記録媒体。
  4. 【請求項4】 更に、赤外線吸収化合物を含有すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像記録
    媒体。
  5. 【請求項5】 上記吸収に変化が生じる化合物をマイク
    ロカプセルに内包させ、酸と隔離することを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の画像記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記吸収に変化が生じる化合物と酸を隣
    接する別々の層に含有することを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の画像記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の画像記
    録媒体をレーザーにより走査露光することによって画像
    形成させることを特徴とする画像記録方法。
  8. 【請求項8】 画像記録媒体をあらかじめ60℃以上1
    20℃以下の温度で加熱しておき、レーザーにより走査
    露光することにより画像を形成させることを特徴とする
    請求項7記載の画像記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011081907A (ja) * 2011-01-07 2011-04-21 Sony Corp 光情報記録媒体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011081907A (ja) * 2011-01-07 2011-04-21 Sony Corp 光情報記録媒体

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