JP2000071495A - カラー感熱プリント方法及びプリンタ - Google Patents

カラー感熱プリント方法及びプリンタ

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JP2000071495A
JP2000071495A JP10249553A JP24955398A JP2000071495A JP 2000071495 A JP2000071495 A JP 2000071495A JP 10249553 A JP10249553 A JP 10249553A JP 24955398 A JP24955398 A JP 24955398A JP 2000071495 A JP2000071495 A JP 2000071495A
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Japan
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recording paper
color
thermal
coloring layer
thermosensitive
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JP10249553A
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English (en)
Inventor
Katsuya Inena
克哉 稲名
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録用サーマルヘッドを用いて保護層を平滑
化処理する。 【解決手段】 記録紙10のプリント方向への送りにお
いて、発熱素子66の中心がプラテンローラ35の中心
に対して、オフセット量OS1分だけ下流側にずれるよ
うに配置する。記録時においては、発熱素子66よりも
下流側の記録紙接触領域LCRの長さが短くなる。LC
Rを通過する間に、グレーズ層65で記録紙10が急に
冷却されることがなく、これに起因する濃度むらの発生
が抑えられる。シアン記録後に、記録時とは逆に記録紙
10を戻して、各発熱素子66が均一に発熱するように
駆動し、保護層の平滑化処理を行う。LCR長が長くな
るので、記録紙10がグレーズ層65に接触している時
間が長くなり、保護層が急速に冷却されて、ガラス転移
点以下になる。保護層が硬化した後に、この保護層がグ
レーズ層65から離れるので、ブロックキング防止剤等
の添加剤が表面に浮きでることがなく、保護層の表面が
平滑化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー感熱プリント
方法及びプリンタに関し、更に詳しくは、三色面順次記
録の後に保護層を平滑化するようにしたカラー感熱プリ
ント方法及びプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】カラー感熱プリンタでは、シアン感熱発
色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層、透明
な保護層を支持体上に順次層設したカラー感熱記録紙が
用いられる。これらの3つの感熱発色層は、最上層とな
るイエロー感熱発色層の熱感度が最も高く、小さな熱エ
ネルギで発色する。他方、シアン感熱発色層は、表面か
ら深い位置になるので、熱感度が最も低く、発色させる
には大きな熱エネルギが必要である。また、イエロー感
熱発色層とマゼンタ感熱発色層は、特定波長域の紫外線
等が照射されたときに、発色成分が分解する性質が与え
られている。
【0003】発色記録(印画)時には、サーマルヘッド
に対してカラー感熱記録紙を相対移動させ、この移動中
にサーマルヘッドでカラー感熱記録紙を加圧・加熱して
最上層の感熱発色層から面順次で発色記録する。マゼン
タ感熱発色層の記録中に、イエロー感熱発色層内に残っ
ていた未発色成分が発色しないようにするために、イエ
ロー画像のプリント後に420nmの紫色可視光線を照
射して定着する。同様に、マゼンタ感熱発色層の記録後
に、365nmの紫外線を照射してマゼンタ感熱発色層
を定着する。
【0004】サーマルヘッドは、アルミナ基板上に、シ
リンドリカルな形状をしたグレーズ層が形成され、この
グレーズ層の頂点付近に複数の発熱素子がライン状に形
成されている。発色記録時の熱エネルギーが高いと、保
護層はかなりの温度に加熱される。この保護層がグレー
ズ層から離れる時点での温度がガラス転移点以上である
と、保護層内に閉じ込められていた物質(例えばブロッ
キング防止剤等)が保護層の表面に飛び出すため、表面
に不規則な微細な凹凸が発生する。この不規則な凹凸が
保護層に発生すると、カラー感熱記録紙の表面の光沢度
が低下し、ざらついた画像となる。
【0005】従来は、熱ローラを有する平滑処理装置を
用い、プリント済みのカラー感熱記録紙の上に平滑なシ
ートを重ね、これらを一対の熱ローラの間を通して、カ
ラー感熱記録紙を加圧・加熱することで、保護層を平滑
化することが知られている。この平滑化処理(光沢化処
理)により、カラー感熱記録紙の表面の凹凸がならさ
れ、光沢度が良好となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
平滑化処理では、プリント済みのカラー感熱記録紙に平
滑なシートを重ねているため、平滑化処理の作業が面倒
であった。
【0007】平滑化処理では、光沢度が最も高くなる熱
エネルギーの範囲が狭いが、熱ローラは内部にヒータを
収納した構造であるため、熱エネルギーの微妙な制御が
困難であるという問題がある。また、従来の装置では、
カラー感熱プリント装置の他に平滑化処理装置を用意
し、プリント作業とは別個に平滑化処理作業をしなけれ
ばならないという問題もある。
【0008】これに対して、本出願人は、平滑化用のサ
ーマルヘッドを内蔵させて、これを用いて平滑化するよ
うにしたカラー感熱プリンタを例えば特願平9−352
542号で提案している。このカラー感熱プリンタで
は、記録用の他に平滑化用のサーマルヘッドを内蔵さ
せ、これによりフルカラー画像を記録した後に、平滑化
用のサーマルヘッドにより保護層をほぼ均一な温度でな
らして平滑化処理を行っている。また、平滑化用サーマ
ルヘッドを別個に用いることなく、記録用のサーマルヘ
ッドを用いて、三色面順次を記録した後に、再度プリン
ト方向に記録紙を送って平滑化処理を行うことも提案し
ている。
【0009】しかしながら、記録紙の保護層と発熱素子
アレイとの好ましい接触条件(ヘッドタッチ)は、記録
時と平滑時とでは異なるため、単にサーマルヘッドを共
用するだけでは、両者に好ましいヘッドタッチを得るこ
とができない。したがって、いずれか一方が犠牲になる
ため、記録時には濃度むらが発生したり、平滑化処理時
には充分な平滑度が得られないという問題がある。
【0010】本発明は、1個のサーマルヘッドを用い
て、記録と平滑化処理とを両立させるようにしたカラー
感熱プリント方法及びプリンタを提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のカラー感熱プリント方法では、第1
の感熱発色層の記録後に、サーマルヘッドとプラテンロ
ーラとでカラー感熱記録紙をニップさせてカラー感熱記
録紙を戻し方向に送るとともに、第1の感熱発色層が発
色することのない範囲でサーマルヘッドを加熱し、保護
層の平滑化処理を施すようにしている。
【0012】請求項2記載のカラー感熱プリント方法で
は、平滑化処理に際して、保護層のガラス転移点となる
値から第1感熱発色層が発色する直前の値までの範囲内
の熱エネルギが用いられ、各発熱素子は均一な温度とな
るように加熱される。
【0013】請求項3記載のカラー感熱プリント方法で
は、サーマルヘッドは、シリンドリカルな形状をしたグ
レーズ層の頂点に発熱素子が形成されており、このサー
マルヘッドとともにカラー感熱記録紙を挟み付けるため
のプラテンローラは、その中心線がグレーズ層の頂点よ
りもカラー感熱記録紙のプリント方向への送りの上流側
にずれて配置されている。
【0014】請求項4記載のカラー感熱プリント方法で
は、サーマルヘッドは、シリンドリカルな形状をしたグ
レーズ層の頂点に対し、カラー感熱記録紙のプリント方
向への送りにおける下流側に発熱素子をずらして形成さ
れており、このサーマルヘッドとともにカラー感熱記録
紙を挟み付けるためのプラテンローラは、その中心線が
発熱素子の中心線に対して、カラー感熱記録紙のプリン
ト方向への送りの上流側にずれて配置されている。
【0015】請求項5記載のカラー感熱プリント方法で
は、プラテンローラを正逆に回転駆動する駆動部から、
記録紙送り手段を構成し、プラテンローラを一方向に回
転させてカラー感熱記録紙をプリント方向に送るととも
に、プラテンローラを他方向に回転させてカラー感熱記
録紙を戻し方向に送っている。
【0016】請求項6記載のカラー感熱プリント方法で
は、カラー感熱記録紙のプリント方向への送りにおける
プラテンローラの下流側に配置した搬送ローラ対と、こ
の搬送ローラ対を正転又は逆転させる駆動部と、この駆
動部と前記プラテンローラとの間に配置され、駆動部の
駆動を選択的にプラテンローラに伝達するクラッチとか
ら、前記記録紙送り手段が構成され、前記搬送ローラ対
の正転時にはカラー感熱記録紙をプリント方向に送り、
逆転時には前記クラッチにより前記駆動部の駆動を前記
プラテンローラに伝達して搬送ローラ対とプラテンロー
ラとによりカラー感熱記録紙を戻し方向に送っている。
【0017】請求項7記載のカラー感熱プリンタでは、
第1の感熱発色層の記録後に、記録紙を戻し方向に送
り、この記録紙の送り中に、第1感熱発色層が発色する
ことのない範囲でサーマルヘッドの各発熱素子を均一に
加熱させて平滑化処理する制御部を備えている。
【0018】請求項8記載のカラー感熱プリンタでは、
カラー感熱記録紙の戻しの際に、前記駆動部の回転をプ
ラテンローラに伝達して、このプラテンローラを戻し方
向に回転させるクラッチ部と、第1の感熱発色層の記録
後に、記録紙を戻し方向に送り、この記録紙の送り中
に、第1感熱発色層が発色することのない範囲でサーマ
ルヘッドの各発熱素子を均一に加熱させて平滑化処理す
る制御部とを備えている。
【0019】
【発明の実施の形態】図2において、カラー感熱記録紙
(以下、単に記録紙という)10は、支持体11の上
に、シアン感熱発色層12、マゼンタ感熱発色層13、
イエロー感熱発色層14、透明な保護層15が順次層設
されている。シアン感熱発色層12は、深層にあるため
熱感度が最も低く、比較的大きな熱エネルギを与えたと
きにシアンに発色する。マゼンタ感熱発色層13は、熱
感度が中程度であり、加熱によってマゼンタに発色す
る。イエロー感熱発色層14は、表面側にあるため熱感
度が最も高く、比較的に小さな熱エネルギを与えた時に
イエローに発色する。
【0020】符号16,17は、各感熱発色層の熱感度
を調整するための中間層であり、符号18はバック層で
ある。なお、各感熱発色層の順番を入れ換えてもよい。
感熱発色層の熱感度は、成分に関係するのではなく、表
面からの深さに関係しているから、やはり深層ほど熱感
度が低くなる。
【0021】保護層15は、PVA(ポリビニルアルコ
ール)を主剤とする透明な樹脂層であり、各感熱発色層
に傷が付いたりするのを防止する。このようにPVAを
主剤とした保護層15の場合には、ガラス転移点が約7
0℃であり、これを越えると軟化する。保護層15に
は、ブロッキング(貼りつき)防止等のために、種々の
物質が添加されており、そのために表面が荒れている。
【0022】イエロー感熱発色層14とマゼンタ感熱発
色層13とは、その下層にある感熱発色層を発色記録す
る際に、未発色の発色成分が発色することがないよう
に、電磁線による定着性が与えられている。すなわち、
マゼンタ感熱発色層13は、最大吸収波長が約365n
mであり、この波長域の紫外線が照射されると、発色能
力が消失する。イエロー感熱発色層14は、最大吸収波
長が約420nmであり、この波長域の紫色可視光線に
よって発色能力が消失する。
【0023】図3は各感熱発色層の発色特性を示すもの
である。イエロー(Y)感熱発色層14は熱感度が最も
高く、小さな熱エネルギで発色する。シアン(C)感熱
発色層12は、熱感度が最も低く、発色させるためには
大きな熱エネルギが必要である。これらの熱感度の違い
に基づいて、熱感度の大きな感熱発色層から順番に発色
記録する。
【0024】図1は、カラー感熱プリンタ20を示すも
のである。記録紙10は巻き芯21にロール状に巻き取
られて、記録紙ロール22とされている。この記録紙ロ
ール22はロール収納部23に装填される。記録紙ロー
ル22の斜め下方には給紙ローラ24が配置されてい
る。この給紙ローラ24は、記録紙ロール22の最外周
の記録紙10に転がり接触して、記録紙10をプリント
ステージ25に送り出す。記録紙ロール22は巻き芯2
1に嵌められた取付軸26を介して、ロール収納部23
の長孔23aに取り付けられおり、図示しないバネ部材
により給紙ローラ24側に付勢されている。したがっ
て、記録紙10の使用により記録紙ロール22のロール
径が小さくなっても、記録紙ロール22の最外周面に給
紙ローラ24が接触する。
【0025】プリントステージ25へ記録紙10を案内
するために、記録紙10の搬送路に沿ってペーパーガイ
ド27,28,29が設けられている。これらペーパー
ガイド27〜29の内、下側のペーパーガイド27,2
8により、給紙ガイド30が構成されている。また、上
側のペーパーガイド28,29により排紙ガイド31が
構成されている。
【0026】プリントステージ25には、プラテンロー
ラ35と、これに転がり接触するニップローラ36と、
サーマルヘッド37とが設けられている。また、ペーパ
ーガイド27,29とプラテンローラ35との間にはペ
ーパーカッタ38が配置されている。ペーパーカッタ3
8は、ドライバ38aを介してシステムコントローラ4
4により駆動制御され、記録紙10を切断する。
【0027】ニップローラ36は、プラテンローラ35
の上部に配置されている。サーマルヘッド37は取付軸
37bを介して回転自在にフレーム(図示せず)に取り
付けられており、縦型に配置されている。そして、ヘッ
ドシフト部40により発熱素子アレイ37aがプラテン
ローラ35の右側部で接触するように構成されている。
ヘッドシフト部40は、発熱素子アレイ37aを記録紙
10に圧接させた記録位置と、記録紙10から離した退
避位置との間で変位させる。ニップローラ36と発熱素
子アレイ37aとにより、記録紙10はプラテンローラ
35に90度の角度で巻き付けられるため、確実な搬送
力が得られる。
【0028】プラテンローラ35はパルスモータ42で
回転される。パルスモータ42はドライバ43を介して
システムコントローラ44により回転制御される。パル
スモータ42の正転によりプラテンローラ35は時計方
向に回転し、矢印Aで示すプリント方向に記録紙10が
送られる。このときにサーマルヘッド37により記録紙
10の各感熱発色層に熱記録が行われる。
【0029】また、パルスモータ42への駆動パルス
は、パルスカウンタ45でカウントされ、これに基づき
システムコントローラ44は、プリント開始位置、記録
紙戻し位置、カット位置等を特定する。パルスカウンタ
45は、パルスモータ42の正転時には駆動パルスをア
ップカウントし、パルスモータ42の逆転時には駆動パ
ルスをダウンカウントする。
【0030】サーマルヘッド37は、多数の発熱素子を
ライン状に形成した発熱素子アレイ37aを備えてい
る。この発熱素子アレイ37aは、ヘッドシフト部40
によりプラテンローラ35上の記録紙10に押圧されて
いる。発熱素子アレイ37aは、ヘッドドライバ46を
介してシステムコントローラ44により制御される。プ
リント部47は、1フレーム分の画像データから記録紙
10の送りに同期させて1ライン分の画像データをヘッ
ドドライバ46に送る。ヘッドドライバ46は、1ライ
ン分の画像データに基づき各発熱素子を駆動する。これ
により、1ラインずつ記録紙10に各色の画像が記録さ
れる。
【0031】プラテンローラ35の斜め下方には、ペー
パーガイド50,51と、このペーパーガイド50,5
1に沿って、ペーパーセンサ52と、イエロー定着器5
3と、マゼンタ定着器54が配置されている。ペーパー
ガイド50,51は、各色を三色面順次で熱記録する際
の記録紙10をロール収納部23の下側に案内する。ペ
ーパーガイド51はロール収納部23を巻くように配置
されており、コンパクト化が図られている。そして、ペ
ーパーガイド51は、ロール収納部23との隙間に記録
紙10を案内する。ペーパーセンサ52は、記録紙10
の先端を検出して、この先端検出信号をシステムコント
ローラ44に送る。
【0032】イエロー定着器53は、発光ピークが42
0nmの波長域の紫色可視光線を放射する蛍光管55を
2本並べてリフレタク56に配置して構成されている。
同様にして、マゼンタ定着器54は、発光ピークが36
5nmの波長域の紫外線を放射する蛍光管57を2本並
べてリフレクタ58に配置して構成されている。
【0033】システムコントローラ44は周知のマイク
ロコンピュータから構成されており、指令等を入力する
ためのキーボード60と、入力された指令や各種モード
を表示するためのディスプレイ61とを備えており、各
部を制御して、三色面順次により記録紙10にフルカラ
ー画像を記録する。
【0034】次に、本実施形態の作用を図4のフローチ
ャートに基づき図1を参照して説明する。キーボード6
0の図示しないプリント開始キーが操作されると、パル
スモータ42が正転する。これにより、給紙ローラ24
及びプラテンローラ35が時計方向に回転し、記録紙1
0をプリントステージ25に送り出す。記録紙10の先
端がニップローラ36に到着すると、記録紙10がニッ
プされて、サーマルヘッド37の発熱素子アレイ37a
側に送られる。記録紙10の先端が発熱素子アレイ37
aを通過すると、ペーパーセンサ52で記録紙10の先
端が検出される。この検出後にヘッドシフト部40がオ
ンになり、サーマルヘッド37が退避位置から記録位置
になり、発熱素子アレイ37aが記録紙10に押圧され
る。
【0035】この後、パルスカウンタ45でパルスモー
タ42の駆動パルスがアップカウントされる。そして、
このパルスカウンタ45のカウント値に基づき、記録紙
10の画像記録開始位置、パルスモータ42の停止位置
等が特定される。
【0036】発熱素子アレイ37aが記録開始位置に達
すると、イエロー画像の第1ラインの画像データに基づ
き各発熱素子の通電時間が制御される。これにより、イ
エロー感熱発色層14に記録すべき画素の濃度に応じた
熱エネルギが与えられ、画像が1ライン記録される。以
下同様にして他のラインも1ラインずつ順次記録され
る。そして、この記録時にイエロー定着器53の蛍光管
55が点灯して、イエロー感熱発色層14が光定着され
る。
【0037】イエロー画像の記録を終了し、記録エリア
の終端がイエロー定着器53の照射エリアに達し、定着
を終了すると、パルスカウンタ45のパルス数に基づき
パルスモータ42の停止位置が特定され、パルスモータ
42の正転が停止される。次に、パルスモータ42が逆
転される。この逆転によりパルスカウンタ45はアップ
カウントからダウンカウントに切り換えられる。そし
て、カウント値が「0」になったときに、パルスモータ
42の逆転が停止される。
【0038】この記録紙10の戻し時には、サーマルヘ
ッド37を記録位置にし、且つ各発熱素子を駆動させ
て、記録紙10のプリント方向送り時と同じように、記
録紙10に熱エネルギを印加する。これにより、プリン
ト方向への送り時と、戻し方向への送り時とで、サーマ
ルヘッド37と記録紙10との間の摩擦係数をほぼ同じ
にすることができる。したがって、同じ駆動パルス数で
パルスモータ42を回転させた場合に、記録紙10を正
確に元の位置に戻すことができ、各色の画像がずれて記
録されることがなくなる。
【0039】この記録紙10の戻し時における各発熱素
子の駆動データは、戻す前の画像記録の際の駆動データ
と同じにすることで、サーマルヘッド37と記録紙10
との間の摩擦係数がプリント時と戻し時とで同じにな
り、同じ駆動パルス数でパルスモータ42を回転させる
と、プリント時と戻し時とで記録紙10の送り量が同じ
になり、記録紙10の戻しをより一層精度よく行うこと
ができる。
【0040】なお、戻し時における各発熱素子の駆動デ
ータは、上記のものに限定されることがなく、例えば、
イエロー画像の中間調を記録する程度の熱エネルギを各
発熱素子に均一に与えるようにしてもよい。この場合に
は、記録紙の戻し時に各発熱素子による均一な加熱によ
って、記録面が平滑化される。したがって、次のマゼン
タ記録の際のヘッドタッチを良好なものとして、精度の
よい階調記録が可能になる。また、中間調記録の際に、
イエロー画像記録時の総熱エネルギを演算し、この総熱
エネルギを各ラインで割った値(1ライン当たりの総熱
エネルギ)に基づき中間調記録の際の1ライン当たりの
熱エネルギを求めてもよい。なお、戻しの際に各発熱素
子に与える熱エネルギは、当然のことながら、次に記録
する例えばマゼンタ感熱発色層が発色することがない熱
エネルギに設定される。
【0041】記録紙10の戻しを終了すると、パルスモ
ータ42が正転し、記録紙10をプリント方向に送っ
て、イエロー画像の記録と同様にしてマゼンタ記録が行
われる。このマゼンタ記録では、マゼンタ定着器54の
蛍光管57の点灯によりマゼンタ感熱発色層13が光定
着される。
【0042】マゼンタ記録が終了すると、同様にして記
録紙10が戻される。この記録紙10の戻し時にも、マ
ゼンタ記録時の総印加熱エネルギ相当になるように、各
発熱素子が駆動される。したがって、この戻し時にも、
マゼンタ記録時とほぼ同じヘッドタッチとされるため、
記録紙10を記録開始位置に精度よく戻すことができ
る。
【0043】記録紙10の戻しを終了すると、記録紙1
0がプリント方向に送られて、シアン感熱記録が行われ
る。なお、シアン感熱発色層12は光定着性が与えられ
ていないため、定着ランプ等は不要になる。しかし、マ
ゼンタ定着器54の蛍光管57を点灯することで、未記
録部分を漂白することができるため、シアン感熱記録の
際にも、マゼンタ定着器54が点灯される。
【0044】シアン感熱記録を終了すると、パルスモー
タ42が逆転され、記録紙10が戻される。この記録紙
10の戻し時にも、各発熱素子が均一な温度となるよう
に駆動され、シアン感熱記録時とほぼ同じようなヘッド
タッチ状態が維持される。しかも、各発熱素子が均一な
温度になるように駆動されるため、記録紙10の保護層
15にシアン記録時に発生した微細な凹凸がならされ
る。この平滑化処理によって保護層15が平坦になるか
ら、記録紙10の光沢度が向上し、画像のザラツキが減
少する。
【0045】平滑化処理では、保護層を軟化させるため
に、そのガラス転移点以上に加熱することができる熱エ
ネルギを与えることが必要である。保護層のガラス転移
点は、その組成成分にもよるが、本出願人が現在市販中
の記録紙(商品名:サーモオートクロームペーパーA−
20)では、保護層として、PVAを主剤としており、
そのガラス転移点は約70℃であるから、イエロー感熱
発色層を最低濃度に発色させるに必要な熱エネルギを与
えると、保護層15の軟化が始める。
【0046】他方、平滑化処理の際に、定着が行われて
いないシアン感熱発色層を発色させることがないよう
に、平滑化処理の際に与える熱エネルギは、シアン感熱
発色層が発色する熱エネルギH1(図3参照)よりも小
さい値に設定する。
【0047】したがって、平滑化のための熱エネルギ
は、イエロー感熱発色層を最低濃度に発色させるための
熱エネルギから、シアン感熱発色層が発色する直前の熱
エネルギの範囲内で適当に定めればよい。この際に、最
も電力量が少なくて良好な光沢度が得られるように、熱
エネルギを決定する。
【0048】また、記録サイクルに対するパルス幅(デ
ューティ比)が大きい場合には、ヘッドが蓄熱しやすく
なるため、温度制御が難しくなり、光沢むらが発生しや
すくなる。逆に、パルス幅が小さいと冷却時間が過大に
なり、記録紙の表面上に保護層が軟化した部分(通電オ
ン)と、しない部分(通電オフ)との差が1〜2μm程
度の規則的な凹凸になる。この凹凸は、感応検査で判る
ものであり、プリント品位の低下の原因となる。実験に
よれば、デューティ比が70%が平滑化には良いことが
判った。
【0049】なお、シアン感熱記録後の戻し中も加熱す
ることにより、プリント方向への送り時と、戻し時の送
り時とで、記録紙のサーマルヘッドとの間の摩擦係数を
ほぼ同じ状態に維持することができるため、カット位置
に記録紙10を精度良く位置決めすることができる。
【0050】この記録紙10の戻し時にパルスカウンタ
45でパルスモータ42の駆動パルスがダウンカウント
される。そして、このカウント値に基づき、カット位置
が特定され、このカット位置がペーパーカッタ38に到
着したときに、パルスモータ42が停止され、ペーパー
カッタ38で記録紙10が画像記録部分と未記録部分と
に切り離される。切り離された画像記録部分は図示しな
い排紙ローラにより、排紙口63に送られる。次のプリ
ントを行う場合には、パルスモータ42の正転により記
録紙10の先端がプリントステージ25に送られて、以
下同様にして三色面順次記録によりカラー画像が記録紙
10に記録される。また、プリントを終了すると、パル
スモータ42が一定駆動パルス数で駆動され、記録紙1
0の先端がロール収納部23内に巻き戻される。
【0051】図5(A)は、記録時のサーマルヘッド3
7とプラテンローラ35とを示すものである。サーマル
ヘッド37は、基板上にグレーズ層65が形成されてい
る。このグレーズ層65は、記録紙10の幅方向(主走
査方向)に延びたシリンドリカルな形状をしている。こ
のグレーズ層65の頂点に沿って、多数の発熱素子66
が主走査方向にライン状に形成されている。また、グレ
ーズ層65の中心線と、各発熱素子66との中心線CL
1とが一致するように、各発熱素子66がグレーズ層6
5の頂点に形成されている。
【0052】サーマルヘッド37の発熱素子アレイ37
aは、プラテンローラ35の中心を通り且つ記録紙10
に対し直交する方向の中心線CL2に対して、記録紙1
0のプリント方向への送りにおいて、下流側に、ずれ量
(ヘッドオフセット量)OS1だけ、その中心線CL1
がずらして配置されている。
【0053】このオフセット配置状態において、記録紙
10のプリント方向への送りにおいて、発熱素子66に
接触している記録紙10の領域をHCRとする。また、
記録紙10のプリント方向への送りにおいて、発熱素子
66の上流側で記録紙10がグレーズ層65に接触して
いる領域をUCRとし、同様に下流側での接触領域をL
CRとする。
【0054】図5(A)に示す記録時には、サーマルヘ
ッド37の発熱素子66がプラテンローラ35の中心線
CL2に対して下流側に配置されているので、LCR長
が短くなっている。このLCR長が短いために、記録紙
10は早めにグレーズ層65から離れる。したがって、
LCRを通過する間に、グレーズ層65で記録紙10が
急に冷却されることがないので、これに起因する濃度む
らの発生が抑えられる。
【0055】図5(B)に示す戻し時に行う平滑化処理
では、図5(A)に示す記録時とでは、記録紙10の送
り方向が逆になるので、サーマルヘッド37の発熱素子
66がプラテンローラ35の中心線CL2に対して上流
側に配置され、プリント時とは反対になる。すなわち、
図5(A)のLCRが図5(B)ではUCRになり、図
5(A)のUCRが図5(B)ではLCRになる。した
がって、平滑化処理では、LCR長を大きくすることが
できる。このLCR長が大きいと、記録紙10がグレー
ズ層65に接触している時間が長くなる。このため、記
録紙10がグレーズ層65によって急速に冷却されて、
保護層15がガラス転移点以下に低下する。そして、保
護層15が硬化した後にグレーズ層から離れるので、ブ
ロッキング防止剤等の添加物が浮きでることがない。こ
れにより、保護層15が平滑化される。
【0056】図6は、ヘッドオフセット量OS1と光沢
度(G(20°))の関係を示すものである。G(20
°)は、照射角が20度であることを表し、これはJI
Sに決められている。横軸は、ヘッドオフセット量OS
1を示し、例えば「上流0.2」は、図5(B)におい
て、発熱素子66の中心線CL1がプラテンローラ35
の中心線CL2に対して、記録紙10の戻し送り方向
(プリント方向と反対)において、0.2mmだけ上流
側に配置されていることを表している。逆に、「下流
0.2」は、発熱素子の中心線CL1がプラテンローラ
35の中心線CL2に対して、0.2mmだけ下流側に
配置されていることを表している。この図6から、サー
マルヘッド37の発熱素子66をプラテンローラ35よ
りも上流側に配置した方が、平滑度が高くなることが分
かる。
【0057】図7は、LCR長と光沢度の関係を示すも
のであり、LCR長が大きいほど、光沢度が向上してい
る。
【0058】図8は、グレーズ層65の曲率半径と光沢
度の関係を示すものであり、曲率半径が大きいほど光沢
度が向上している。なお、記録時には、グレーズ層の曲
率半径が小さい方が濃度ムラの防止に効果があることが
判っている。したがって、グレーズ層65の曲率半径に
ついては、記録と平滑化処理とでは両立しないので、実
験により両者に適する曲率半径を決定する。
【0059】上記実施形態では、図5に示すように、グ
レーズ層65の中心に発熱素子66を形成したサーマル
ヘッド37を用い、プラテンローラ35の中心線CL2
とグレーズ層65の中心線CL1とを記録紙の送り方向
でずらしたが、この他に、図9に示すように、グレーズ
層70の中心線CL3に対して発熱素子71の中心線C
L4を、記録紙10のプリント方向への送りにおける下
流側に、オフセット量OS2分だけずらした発熱素子オ
フセット型のサーマルヘッド72を用いてもよい。更に
は、この発熱素子オフセット型のサーマルヘッド72を
用いて、図5に示すような、サーマルヘッドとプラテン
ローラとの配置にしてもよい。
【0060】上記実施形態では、パルスモータ42を正
転して記録紙10をプリント方向に送り、パルスモータ
42を逆転して記録紙10を戻し方向に送るようにした
が、この他に、パルスモータ42は正転方向のみに回転
させ、減速ギヤの一部に反転ギヤ機構を設けて、記録紙
10をプリント方向と戻し方向とに選択的に送るように
してもよい。また、上記実施形態では、パルスモータ4
2の駆動パルスをパルスカウンタ45でカウントして紙
送り量を特定したが、パルスカウンタ45を設ける代わ
りに、システムコントローラ44でパルスモータ42の
制御信号に基づき紙送り量を特定してもよい。
【0061】上記実施形態では、プラテンローラを正転
又は逆転させて、記録紙をプリント方向または戻し方向
に送るようにしたが、この他にキャプスタン駆動方式を
採用して、記録紙10を往復動させてもよい。この場合
には、図10に示すように、記録紙10のプリント方向
(矢印A)への送りにおいて、プラテンローラ70に対
し下流側に搬送ローラ対71を配置する。搬送ローラ対
71は、パルスモータ72で駆動されるキャプスタンロ
ーラ71aと、ピンチローラ71bとから構成されてい
る。
【0062】プラテンローラ70には一方向クラッチ7
3が連係されている。この一方向クラッチ73は、パル
スモータ72の逆転時にこれの駆動をプラテンローラ7
0に伝達し、パルスモータ72の正転時には駆動を伝達
することがない。したがって、プリント時には搬送ロー
ラ対71により記録紙10がプリント方向に送られ、こ
のときプラテンローラ70はフリーに回転する。また、
戻し時には、搬送ローラ対71及びプラテンローラ70
により記録紙10が戻し方向に送られる。なお、一方向
クラッチ73の代わりに電磁クラッチを設けて、プリン
ト時はプラテンローラ70をフリー回転にさせておき、
戻し時のみ、プラテンローラ70を回転させてもよい。
【0063】また、プリント方向への記録紙送りにおい
て、搬送ローラ対71の下流側には分岐ガイド74が設
けてある。この分岐ガイド74は、イエロー記録時には
上方に変位し、記録紙10をイエロー定着ガイド75に
案内する。このイエロー定着ガイド75に対面する位置
には、イエロー定着器76が配置してあり、イエロー感
熱発色層を定着する。
【0064】また、分岐ガイド74は、マゼンタ及びシ
アン記録時には下方に変位し、記録紙10をマゼンタ定
着ガイド77に案内する。マゼンタ定着ガイド77に対
面する位置には、マゼンタ定着器78が配置してある。
このように分岐ガイド74を設けることにより、各定着
器76,78の定着エリアが搬送ローラ対71に近接す
るため、定着のための記録紙10の送り量を少なくする
ことができる。なお、このような分岐ガイド方式に代え
て、図1に示すように、単に各定着器53,54を並べ
てもよい。また、反転式の定着ランプとしてもよく、こ
の場合には180度ずつ回転させることで、イエロー又
はマゼンタ定着器を記録紙に対面させる。
【0065】上記実施形態は、帯状の記録紙10をロー
ル形態に巻き取った記録紙ロール22を用いたが、この
他に、カットシートタイプの記録紙に対して本発明を実
施してもよい。
【0066】上記実施形態では、パルスモータ42,7
2を用いたが、この他に、通常のDCモータ等でプラテ
ンローラ35,70や搬送ローラ対71を回転させても
よい。この場合には、プラテンローラ軸にパルスエンコ
ーダを設けて、プラテンローラの回転数に対応したパル
ス数をカウントし、このカウント値に基づきモータを制
御する。
【0067】上記実施形態では図1に示すように、プラ
テンローラ35にニップローラ36を転接させて、プラ
テンローラ35への記録紙10の巻き付き角度を大きく
して搬送力を上げるようにしたが、このニップローラ3
6は省略してもよい。また、サーマルヘッド37の下流
側に第2のニップローラを設けて、プラテンローラ35
への記録紙10の巻き付け角度を更に増大させ、搬送力
をより一層上げるようにしてもよい。
【0068】サーマルヘッド37は、各発熱素子の抵抗
値が所定値(設計値)になるように精密に作製されてい
る。しかし、実際のサーマルヘッドでは、抵抗値が設計
値から僅かであるがずれている発熱素子が相当数含まれ
ている。この抵抗値が適正でない発熱素子では、一定の
平滑化データで駆動しても、所定の熱エネルギーを発生
することができない。そこで、各発熱素子毎に、抵抗値
のバラツキに応じて平滑化データを修正し、この修正済
みの平滑化データで発熱素子を駆動し、一定の熱エネル
ギーを発生させることが好ましい。
【0069】また、発熱素子は発熱と冷却とを繰り返す
が、繰り返して通電すると、グレーズ層等に熱が蓄積さ
れる。この蓄熱によって、カラー感熱記録紙に与えられ
る熱エネルギーが変わる。そこで、各発熱素子毎に、こ
れまでの発熱の状態(熱履歴)を考慮した補正、いわゆ
る熱履歴補正を平滑化データに施すことが好ましい。ま
た、発熱素子は、主走査方向の位置によって、蓄熱の状
態が異なるので、この位置に応じた補正を平滑化データ
に施すことが好ましい。
【0070】上記実施形態では、イエロー画像記録とき
のプリント方向への記録紙送りで、イエロー定着器53
を点灯してイエロー定着を行うようにしたが、この定着
は戻し時に行うようにしてもよい。更にはプリント方向
と戻し方向の両方で定着してもよい。マゼンタ定着も同
様にして行ってもよい。また、図1において、イエロー
定着器53とマゼンタ定着器54との位置は入れ換えて
もよい。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、第1感熱発色層への感
熱発色後に、記録紙をプリント方向とは反対の戻し方向
に送り、この戻し中に、サーマルヘッドとプラテンロー
ラとでカラー感熱記録紙をニップさせるとともに、第1
感熱発色層が発色することのない範囲でサーマルヘッド
の各発熱素子を加熱させたから、簡単な構成で保護層を
平滑化することができる。
【0072】シリンドリカルな形状をしたグレーズ層の
頂点に発熱素子を形成したサーマルヘッドを用い、この
サーマルヘッドとともにカラー感熱記録紙を挟み付ける
ためのプラテンローラは、その中心線がグレーズ層の頂
点よりもカラー感熱記録紙のプリント方向への送りの上
流側にずらしたから、プリント方向へ記録紙を送ってプ
リントを行う際には、LCR長を短くすることができ、
濃度むらの発生を抑えることができる。しかも、戻し方
向に記録紙を送って平滑化処理を行う際には、プリント
時とは逆にLCR長を長くすることができ、平滑化を向
上させることができる。このように、1つのサーマルヘ
ッドを用いて、記録と平滑化とを行う場合に、濃度むら
の発生を抑えつつ平滑化を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー感熱プリンタの一例を示す概略図であ
る。
【図2】カラー感熱記録紙の層構造を示す説明図であ
る。
【図3】各感熱発色層の発色特性を示すグラフである。
【図4】カラー感熱プリンタにおける処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図5】(A)は、記録時におけるサーマルヘッドとプ
ラテンローラと記録紙との関係を示し、(B)は、平滑
化処理時におけるサーマルヘッドとプラテンローラと記
録紙との関係を示す説明図である。
【図6】ヘッドオフセット量と光沢度との関係を示すグ
ラフである。
【図7】LCR長と光沢度との関係を示すグラフであ
る。
【図8】グレーズ層の曲率半径と光沢度との関係を示す
グラフである。
【図9】発熱素子オフセット型のサーマルヘッドを用い
たものであり、(A)は記録状態を、(B)平滑化処理
状態を示す説明図である。
【図10】キャプスタン駆動方式のカラー感熱プリンタ
の要部を示す概略図である。
【符号の説明】
10 カラー感熱記録紙 15 保護層 20 カラー感熱プリンタ 22 記録紙ロール 23 ロール収納部 24 給紙ローラ 25 プリントステージ 35 プラテンローラ 36 ニップローラ 37 サーマルヘッド 38 ペーパーカッタ 37a 発熱素子アレイ 42 パルスモータ 52 ペーパーセンサ 53 イエロー定着器 54 マゼンタ定着器 65 グレーズ層 66 発熱素子 70 プラテンローラ 71 搬送ローラ対 72 パルスモータ 74 分岐ガイド

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱感度及び発色する色が異なった第1〜
    第3の感熱発色層と、これらのうち最も上に位置する第
    3の感熱発色層の上に層設された保護層とを有するカラ
    ー感熱記録紙を、記録紙送り手段により、プリント方向
    と、このプリント方向とは逆の戻し方向とに交互に送
    り、多数の発熱素子がライン状に形成されたサーマルヘ
    ッドと、このサーマルヘッドにカラー感熱記録紙を圧着
    させるプラテンローラとを用いて、前記プリント方向へ
    の3回の記録紙送り時に、各感熱発色層をサーマルヘッ
    ドで加熱して上層から順番に発色させるとともに、第3
    及び第2の感熱発色層に対しては、その記録直後に各感
    熱発色層に特有な電磁線を照射して定着させて、カラー
    感熱記録紙にカラー画像をプリントするカラー感熱プリ
    ント方法において、 前記第1の感熱発色層の記録後に、前記サーマルヘッド
    とプラテンローラとでカラー感熱記録紙をニップさせて
    カラー感熱記録紙を戻し方向に送るとともに、第1の感
    熱発色層が発色することのない範囲でサーマルヘッドを
    加熱し、保護層の平滑化処理を施すようにしたことを特
    徴とするカラー感熱プリント方法。
  2. 【請求項2】 前記平滑化処理のための熱エネルギは、
    保護層のガラス転移点となる値から第1感熱発色層が発
    色する直前の値までの範囲内であり、前記サーマルヘッ
    ドの各発熱素子は均一な温度となるように加熱されるこ
    とを特徴とする請求項1記載のカラー感熱プリント方
    法。
  3. 【請求項3】 前記サーマルヘッドは、シリンドリカル
    な形状をしたグレーズ層の頂点に発熱素子が形成されて
    おり、このサーマルヘッドとともにカラー感熱記録紙を
    挟み付けるためのプラテンローラは、その中心線がグレ
    ーズ層の頂点よりもカラー感熱記録紙のプリント方向へ
    の送りの上流側にずれて配置されていることを特徴とす
    る請求項1又は2記載のカラー感熱プリント方法。
  4. 【請求項4】 前記サーマルヘッドは、シリンドリカル
    な形状をしたグレーズ層の頂点に対し、カラー感熱記録
    紙のプリント方向への送りにおける下流側に発熱素子を
    ずらして形成されており、このサーマルヘッドとともに
    カラー感熱記録紙を挟み付けるためのプラテンローラ
    は、その中心線が発熱素子の中心線に対して、カラー感
    熱記録紙のプリント方向への送りの上流側にずれて配置
    されていることを特徴とする請求項1又は2記載のカラ
    ー感熱プリント方法。
  5. 【請求項5】 前記記録紙送り手段を、プラテンローラ
    を正逆に回転駆動する駆動部から構成し、前記プラテン
    ローラを一方向に回転させてカラー感熱記録紙をプリン
    ト方向に送るとともに、プラテンローラを他方向に回転
    させてカラー感熱記録紙を戻し方向に送ることを特徴と
    する請求項1ないし4いずれか1つ記載のカラー感熱プ
    リント方法。
  6. 【請求項6】 前記カラー感熱記録紙のプリント方向へ
    の送りにおけるプラテンローラの下流側に配置した搬送
    ローラ対と、この搬送ローラ対を正転又は逆転させる駆
    動部と、この駆動部と前記プラテンローラとの間に配置
    され、駆動部の駆動を選択的にプラテンローラに伝達す
    るクラッチとから、前記記録紙送り手段を構成し、前記
    搬送ローラ対の正転時にはカラー感熱記録紙をプリント
    方向に送り、逆転時には前記クラッチにより前記駆動部
    の駆動を前記プラテンローラに伝達して搬送ローラ対と
    プラテンローラとによりカラー感熱記録紙を戻し方向に
    送ることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1つ記
    載のカラー感熱プリント方法。
  7. 【請求項7】 熱感度及び発色する色が異なった第1〜
    第3の感熱発色層と、これらのうち最も上に位置する第
    3の感熱発色層の上に層設された保護層とを有するカラ
    ー感熱記録紙を、サーマルヘッドとプラテンローラとに
    より挟持するとともに、プラテンローラを正転又は逆転
    して、プリント方向とこのプリント方向とは逆の戻し方
    向とに交互に送り、このプリント方向への3回の記録紙
    送り時に、各感熱発色層をサーマルヘッドで加熱して上
    層の第3感熱発色層から順番に発色させるとともに、第
    3及び第2の感熱発色層に対しては、その記録直後に各
    感熱発色層に特有な電磁線を照射して定着させて、カラ
    ー感熱記録紙にカラー画像をプリントするカラー感熱プ
    リンタにおいて、 前記第1の感熱発色層の記録後に、記録紙を戻し方向に
    送り、この記録紙の送り中に、第1感熱発色層が発色す
    ることのない範囲でサーマルヘッドの各発熱素子を均一
    に加熱させて平滑化処理する制御部を有することを特徴
    とするカラー感熱プリンタ。
  8. 【請求項8】 熱感度及び発色する色が異なった第1〜
    第3の感熱発色層と、これらのうち最も上に位置する第
    3の感熱発色層の上に層設された保護層とを有するカラ
    ー感熱記録紙を、サーマルヘッドとプラテンローラとに
    より挟持するとともに、駆動部により搬送ローラ対を正
    転させてプリント方向へ、又は逆転させてプリント方向
    とは逆の戻し方向とに交互に送り、このプリント方向へ
    の3回の記録紙送り時に、各感熱発色層をサーマルヘッ
    ドで加熱して上層の第3感熱発色層から順番に発色させ
    るとともに、第3及び第2の感熱発色層に対しては、そ
    の記録直後に各感熱発色層に特有な電磁線を照射して定
    着させて、カラー感熱記録紙にカラー画像をプリントす
    るカラー感熱プリンタにおいて、 前記カラー感熱記録紙の戻しの際に、前記駆動部の回転
    をプラテンローラに伝達して、このプラテンローラを戻
    し方向に回転させるクラッチ部と、 前記第1の感熱発色層の記録後に、記録紙を戻し方向に
    送り、この記録紙の送り中に、第1感熱発色層が発色す
    ることのない範囲でサーマルヘッドの各発熱素子を均一
    に加熱して平滑化処理する制御部とを有することを特徴
    とするカラー感熱プリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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