JP2015107622A - サーマルヘッド印字機構 - Google Patents
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ここで、印字品質を上げるためには、印字を行うサーマルヘッドと媒体とが接触して生じるガタつきを最小限に抑え、サーマルヘッドを媒体に安定して接触させることや、サーマルヘッドとプラテンローラとの相対位置を調整することが有効である。
この点、特許文献1には、スライドベアリングを用いてサーマルヘッドの位置を移動させ、角度調整部材によりサーマルヘッドの取り付け傾斜角度を調整可能とする技術が開示されている。
印字機構10は、挿入部1、排出部13、搬送ローラ2、搬送路11、センサ部3、マークセンサ12、ICリーダ/ライタ部4、印字部5、ホッパ部6、回収部7、制御部8及びフレーム部9から構成される。
サーマルヘッド20は、接合される保持部材21によって保持され、保持部材21は支持部材であるサーマルヘッド20の上部を固定する上側アーム22及び下部を固定する下側アーム23に接続される。アーム22・23は、サーマルヘッド20を安定して固定するため、保持部材21を上下2箇所の接続点28で支持する。また、アーム22・23は、保持部材21との接続点28とは異なる反対側の端点を上下2箇所の接続点29でそれぞれ固定部材と接続する。固定部材は、本実施例では、印字機構10のフレーム9としているが、その他、サーマルヘッド20を固定する部材を別に設けてもよい。なお、本実施例では、サーマルヘッド20とは別に保持部材21を有するものとして図示しているが、サーマルヘッド20の一部が保持部材21の機能を有する構成とするのでもよい。
サーマルヘッド20は、図3に示すようにサーマルヘッド20を上側一対及び下側一対の計二組のアーム22・23によって支持される。2組のアーム22・23でサーマルヘッド20を両側から支持することにより、サーマルヘッド20の安定性を高めることができる。
また、一対のアーム22・23は、保持部材21とフレーム9とを架設部材によって接続する。図3にはサーマルヘッド20の上側一対のアーム部22を固定する架設部材26・27が図示されているが、下側一対のアーム部23を固定する架設部材(不図示)が同様に構成される。
以上のように、サーマルヘッド20を上側一対及び下側一対の計二組のアーム22・23によって支持し、アーム22・23を架設部材26・27で接続することにより、媒体19への片当たりによる印字乱れを防止することができる。
印字機構10は、挿入部1に実装された挿入検知センサ31により、媒体19が挿入されたことを検知すると、モータで駆動される搬送ローラ2により取り込み動作を行う。媒体19には表裏や挿入方向の識別が可能なように予め方向識別用マークが媒体19の裏面にプレ印字されており、印字機構10はマークセンサ12により方向識別用マークを読取り、取り込んだ媒体19の表裏と挿入方向を識別する。
サーマルヘッド20の動作機構はさらに、押圧バネ41、カム42、カムフォロワー43、モータ44、印字起動センサ45及びサーマルヘッド位置センサ46を有する。
押圧バネ41は、サーマルヘッド20を媒体19に接触させる際に、サーマルヘッド20に一定の圧力を掛ける。カム42は、サーマルヘッド20が印字動作を行っていないときにサーマルヘッド20を退避位置へ退避させる。カムフォロワー43は、カム42がサーマルヘッド20を移動させるときに保持部材21に力を加える。カム42が保持部材21を持ち上げて媒体19との接触を退避させ、カム42が回転してカムフォロワー43から離れることで、サーマルヘッド20と媒体19とを確実に接触させる。図6は、カム42及びカムフォロワー43が動作して、サーマルヘッド20が退避位置から動作位置に移動する様子を描いた図である。カム42が180°回転することにより、カム42とカムフォロワー43との隙間ができ、サーマルヘッド20と媒体19とが接触する。
なお、媒体19に安定して印字するには、サーマルヘッド20の媒体19に対する押圧を一定にすることが必要である。しかし、媒体19には、製造時の厚さのばらつきや、エンドユーザが長期間媒体を携帯することによる反りや変形が発生する可能性があるため、媒体表面の状態が予測できない。そこで、媒体19に接触する動作位置への移動は押圧バネ41によるバネ圧で行い、媒体19への印字を行わない退避位置への移動はモータ44で駆動するカム42によって行う。
制御部8は、アーム22・23の固定部材であるフレーム部9側の接続点29を支点として、アーム22・23の保持部材21側の支点を実質的に円弧状(例えば、アーム22・23を半径とする円の円弧状をいう。)に動かし、サーマルヘッド20を退避位置から動作位置へと移動させる。カム42の駆動は、サーマルヘッド位置センサ46の検知情報に基づいて行われるため、サーマルヘッド40の移動を適切な位置で停止させることができる。
このように、アーム22・23を用いた制御を行うことで、印字機構10の大型化を防止して、精度の高い印字を行うことができる。
架設部材26と架設部材27をコの字形状の板金80でサーマルヘッド20の媒体19の走査方向に対して副走査方向の動きを規制する。これにより、サーマルヘッド20と媒体19との密着度を向上させて、精度の高い印字を実現できる。
媒体19には、印字エリアの他に磁気ストライプ等、サーマルヘッド20による熱の印加ができないエリアを有するものがあり、そのようなエリアを有する媒体を取り扱う場合、印字位置を正確にサーマルヘッド20に接触させる必要がある。そのため、搬送ガイド91の基準面92に沿って媒体を搬送するように媒体を基準面92方向に押し付けるバネ93を設置したり、アーム支点に媒体19の副走査方向のガタツキを押さえるバネ94を実装したりする。これにより、サーマルヘッド20の副走査方向の位置を一定に保つことができ、印字精度を確保することができる。
印字機構10は、アーム22のフレーム9側の接続点29を架設部材の断面の直径よりも長い長穴100にする印字機構10である。長穴100にすることで、図10調整後の図に示すようにサーマルヘッド20と媒体19との接触角度を調整することができる。これにより、サーマルヘッド20のヒータラインがサーマルヘッド20の頂点からずれている部品である場合等、サーマルヘッド20と媒体19との接触不良がある場合であっても、高い印字品質を確保することができる。
また、定期券の継続購入等、特定の媒体に繰り返し印字/印字の消去がなされ、媒体19とサーマルヘッド20との摩擦が大きくなるような場合であっても、サーマルヘッド20をアーム22・23で固定し動作制御することにより精度の高い印字を行うことができる。
2…搬送ローラ
3…センサ部
4…ICリーダ/ライタ部
5…印字部
6…ホッパ部
7…回収部
8…制御部
9…フレーム部
11…搬送路
12…マークセンサ
13…排出部
19…媒体
21…保持部材
22・23…アーム
27…架設部材
28…接続点
29…接続点
31…挿入検知センサ
35…通信起動センサ
36…印字起動センサ
40…印字消去ヘッド
41…押圧バネ
42…カム
43…カムフォロワー
44…モータ
45…印字起動センサ
46…サーマルヘッド位置センサ
80…板金
81…バネ
91…搬送ガイド
92…基準面
93・94…バネ
Claims (10)
- 媒体に印字を行うサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドに接合して前記サーマルヘッドを保持する保持部材と、
前記保持部材と接続する端部とは異なる端部で固定部材に固定して前記サーマルヘッドを前記媒体と交わる方向に動作させる支持部材と、
前記媒体が印字領域へ搬送されたことを検知する媒体センサ部と、
前記媒体センサ部が、前記媒体を検知しない場合、前記サーマルヘッドを第1の位置へ退避させるように前記支持部材を制御し、前記媒体を検知する場合、前記サーマルヘッドを前記第2の位置へ移動させるように前記支持部材を制御する制御部と
を有するサーマルヘッド印字機構。 - 前記制御部は、前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記支持部材の固定部材に接続される接続部を支点として、前記支点と反対側の他点の移動に伴って、前記サーマルヘッドを実質的に円弧状に移動させること
を特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド印字機構。 - 前記サーマルヘッド印字機構は、前記媒体との距離が前記媒体に交わる方向に異なる2つの前記支持部材を有し、
前記固定部材と2つの前記支持部材とは、それぞれ接続部によって固定されること
を特徴とする請求項2に記載のサーマルヘッド印字機構。 - 前記サーマルヘッド印字機構は、前記サーマルヘッドを二組の前記支持部材で狭持し、
二組の前記支持部材は、前記支持部材を接続する架設部材によって連動して動作すること、
を特徴とする請求項3に記載のサーマルヘッド印字機構。 - 前記サーマルヘッド印字機構は、
前記接続部のうち、前記媒体に交わる方向に前記媒体との距離が長い接続部で前記架設部材と接続される接続穴の直径が、前記架設部材の断面の直径よりも大きいこと
を特徴とする請求項4に記載のサーマルヘッド印字機構。 - 前記サーマルヘッド印字機構は、
二つの前記架設部材を接続し、前記サーマルヘッドを前記媒体の副走査方向の動きを制限する板金部をさらに有すること
を特徴とする請求項5に記載のサーマルヘッド印字機構。 - 前記サーマルヘッド印字機構は、
前記支持部材を動作させるカム駆動部材と前記サーマルヘッドの位置を検知するサーマルヘッド位置センサとをさらに有し、
前記制御部は、
前記サーマルヘッド位置センサの検知情報に基づいて、前記カム駆動部材を動作させること
を特徴とする請求項4に記載のサーマルヘッド印字機構。 - 前記媒体を搬送する搬送路には、前記媒体を搬送するための基準面と、前記媒体を前記基準面に押し付けて搬送するための搬送用バネ部材が構成されること
を特徴とする請求項4に記載のサーマルヘッド印字機構。 - 前記第1の位置は、前記サーマルヘッドと前記媒体とが接触しない位置であり、
前記第2の位置は、前記サーマルヘッドと前記媒体とが接触し、前記サーマルヘッドが前記媒体に印字する位置であること
を特徴とする請求項2に記載のサーマルヘッド印字機構。 - 前記固定部材は、前記サーマルヘッド印字機構のフレームであること
を特徴とする請求項2に記載のサーマルヘッド印字機構。
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