JP2000063652A - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及びブロー成形品 - Google Patents

難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及びブロー成形品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリカーボネート樹脂の耐衝撃性、強度、熱安
定性を維持しつつ、難燃性にすぐれ、且つブロー成形性
にすぐれた難燃性ポリカーボネート樹脂組成部およびブ
ロー成形品を提供する。 【解決手段】(A)ポリカーボネート樹脂30〜100
重量%、(B)スチレン系樹脂70〜0重量%からなる
樹脂100重量部に対して、(C)難燃剤1〜50重量
部および(D)重量平均分子量100万以上のメタクリ
ル酸メチル系重合体1〜20重量部を含有してなるブロ
ー成形性にすぐれた難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物。必要により、(E)フルオロオレフィン樹脂、
(F)ゴム状弾性体、(G)無機充填剤を含有させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性ポリカーボネ
ート樹脂組成物及びブロー成形品に関し、さらに詳しく
は、難燃性、熱安定性を低下させることなく、耐ドロー
ダウン性にすぐれ、ブロー成形、真空または圧空成形に
おいて、大型の成形品を製造することができる難燃性ポ
リカーボネート樹脂組成物およびブロー成形品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、すぐれた耐衝
撃特性、耐熱性、電気的特性などにより、OA(オフィ
スオートメーション)機器、家庭電化機器、電気・電子
機器、自動車分野、建築分野等様々な分野において幅広
く利用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹
脂は、成形加工温度が高い、溶融流動性が悪いという問
題点を有している。このため、成形温度が比較的高く、
特に、各種添加剤を配合した場合に成形時の熱安定性が
低下したり、その性能が十分生かされない場合がある。
一方、ポリカーボネート樹脂は、一般的に自己消火性樹
脂ではあるが、OA機器、家庭電化機器、電気・電子機
器分野を中心として、高度の難燃性を要求される分野が
あり、各種難燃剤の添加により、その改善が図られてい
る。
【0003】この、ポリカーボネート樹脂による、OA
機器、電気・電子機器、家庭電化機器などにあっては、
射出成形による成形が一般的であるが、機器の軽量化、
省資源の立場から薄肉化が望まれている。しかし、射出
成形では、樹脂の溶融粘度による制約や成形品の剛性確
保の点から、薄肉化にも自ずと限界がある。このため、
これら機器、機器部品として、中空の成形品即ちブロー
成形により軽量化を図ることが考えられる。しかしなが
ら、難燃性を高いレベルに保つためには、難燃剤の含有
量を比較的高くする必要があり、特に成形性、耐衝撃性
を両立させるために、ゴム状重合体変成スチレン系樹脂
とのポリマーアロイにあっては、ブロー成形性は十分で
なく、安定生産できない問題点を有している。
【0004】ポリカーボネート樹脂のブロー成形の改良
としては、分岐構造のポリカーボネートを用いることが
知られている。しかしながら、分岐構造のみでは、成形
品の大きさや形状によっては、溶融流動性、ブロー成形
性、ピンチオフ強度を満足できない場合がある。一方、
近時、複写機などのOA機器の扉やハウジングなどの場
合に軽量化、省資源の見地から成形品の薄肉化の要求に
対して、射出成形に変わって、ブロー成形の採用が考え
られている。しかしながら、これらの成形品の場合比較
的面積の広い成形品となり、通常の容器の場合のよう
な、中空部を持つブロー成形品とは全くことなり、表面
部材の間にパリソンが溶着したリブを形成して、薄肉化
による強度と剛性の低下を防止しなければならない。し
たがって、このような成形品の場合にはピンチオフ強度
に加えて、成形品の内部で溶着するリブ形成部において
も、溶着強度が必要となる。特に、難燃性を高めるため
に、難燃剤の含有量が比較的多い場合、耐衝撃性などの
物性も考慮して、ゴム状重合体変性スチレン系樹脂との
配合組成物を用いる場合にブロー成形性に優れたポリカ
ーボネート樹脂組成物が望まれている。
【0005】ポリカーボネート樹脂の溶融流動性の改良
のために、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹
脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン樹脂
(AS樹脂)などのスチレン系樹脂をポリカーボネート
樹脂に配合した組成物は、ポリマーアロイとして、その
耐熱性、耐衝撃性の特性を生かし、射出成形を主体に多
くの成形品分野に用いられてきている。一方、これらの
用途の中でも、OA機器、電気・電子機器などに用いる
場合には、その製品の安全性を高めるために、あるレベ
ル以上の難燃性を求められている。
【0006】これらを目的として、多くの方法が提案さ
れている。具体的には、特開昭61−55145号公報
には、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)AB
S樹脂、(C)AS樹脂、(D)ハロゲン化合物、
(E)リン酸エステル、(F)ポリテトラフルオロエチ
レン成分からなる熱可塑性樹脂組成物が記載されてい
る。特開平2−32154号公報には、(A)芳香族ポ
リカーボネート樹脂、(B)ABS樹脂、(C)AS樹
脂、(D)リン酸エステル、(E)ポリテトラフルオロ
エチレン成分からなる難燃性高衝撃性ポリカーボネート
成形用組成物が記載されている。特開平8−23956
5号公報には、(A)芳香族ポリカーボネート、(B)
ゴム状弾性体を含有する耐衝撃ポリスチレン樹脂、
(C)ハロゲン非含有リン酸エステル、(D)コアシエ
ルタイプグラフトゴム状弾性体、(D)タルクを含むポ
リカーボネート樹脂組成物が記載されている。
【0007】これらは、いずれも、ポリカーボネート樹
脂の溶融流動性の改良による成形性、耐衝撃性、難燃性
の改良を目的としたもので、すぐれた効果を生かし、各
種成形品として用いられてきている。しかしながら、こ
れらのポリカーボネート樹脂組成物は、射出成形を対象
としたものであり、このままではブロー成形方法には適
用が困難である。特に、比較的大型の成形品の成形や前
記した、板状に近いリブを有するブロー成形品への適用
は困難である。
【0008】ポリカーボネート樹脂のブロー成形性を改
良するものとして、(1)特開平1−268761号公
報には、ポリカーボネート樹脂などのエンジニアリング
樹脂に、重量平均分子量が少なくとも約500,000
のアクリルポリマーを混合する方法、(2)特公平5−
422号公報には、特定の乳化剤の存在下での乳化重合
法で得られたメタクリル酸メチルとビニル系単量体との
共重合体を熱可塑性樹脂用加工助剤とすることが提案さ
れている。また、(3)特公平8−6022号公報に
は、ポリカーボネート樹脂やポリブチレンテレフタレー
ト樹脂に、特定の比粘度を有するメタクリル酸アルキル
とアクリル酸アルキルとの共重合体と特定の比表面積と
吸油量のカーボンブラックを配合した熱可塑性樹脂組成
物が提案されている。しかしながら、上記(3)は、カ
ーボンブラックの配合が必須であり、白色系の成形品の
製造は困難であり、その応用分野が制限されるととも
に、これらには、難燃性についての記載はない。
【0009】一方、難燃性のブロー成形用樹脂組成物と
して、(4)特開平9−310011号公報には、芳香
族ポリカーボネート樹脂、スチレン−アクリロニトリル
系樹脂、燐酸エステル系難燃剤、超微粒子無水シリカを
含む樹脂組成物。(5)特開平10−158497号公
報には、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、SAN樹
脂、難燃剤、ポリテトラフルオロエチレンからなるブロ
ー成形用樹脂組成物が提案されている。これらの方法で
は、超微粒子無水シリカやスチレン−アクリロニトリル
系樹脂添加によりブロー成形性は改良されている。しか
しながら、これらの添加剤による改良効果はブロー成形
品によっては十分でない場合も考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状の
下、ポリカーボネート樹脂による、軽量化のための薄肉
化、複雑化するOA機器、電気・電子機器、家庭電化機
器、自動車などに用いられる、特にブロー成形品の成形
において、耐衝撃性、強度を維持しつつ、難燃性を付与
する場合おいて、難燃性、耐熱安定性を低下させること
なく、成形性、ピンチオフ強度などにすぐれたブロー成
形特性を有するポリカーボネート樹脂組成物及びこの組
成物を用いたブロー成形品の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ため、本発明者らは、難燃性ポリカーボネート樹脂のブ
ロー成形性を、各種添加剤について鋭意検討した。その
結果、難燃剤を含有するポリカーボネート樹脂、特にゴ
ム変性スチレン系樹脂を含有してなる樹脂組成物に、特
定の樹脂を選択使用することにより、難燃性、耐熱安定
性を低下させることなく、ブロー成形性が向上し、大
型、複雑な板状に近い成形品であっても、精度よく、高
品質の成形品が安定してブロー成形できることを見出
し、本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は、 (1)(A)ポリカーボネート樹脂30〜100重量
%、(B)スチレン系樹脂70〜0重量%からなる樹脂
100重量部に対して、(C)難燃剤1〜50重量部お
よび(D)重量平均分子量100万以上のメタクリル酸
メチル系重合体1〜20重量部を含有してなる難燃性ポ
リカーボネート樹脂組成物。 (2)難燃剤がハロゲン非含有リン酸エステルである上
記(1)記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。 (3)さらに、(E)フルオロオレフィン樹脂を、
(A)および(B)からなる樹脂100重量部に対し
て、0.05〜5重量部含有する上記(1)または
(2)記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。 (4)フルオロオレフィン樹脂がフィブリル形成能を有
する上記(3)記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物。 (5)スチレン系樹脂がゴム質重合体変性スチレン系樹
脂であり、(A)ポリカーボネート樹脂70〜95重量
%、(B)スチレン系樹脂30〜5重量%である上記
(1)〜(4)のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネ
ート樹脂組成物。 (6)さらに、(F)ゴム状弾性体を、(A)および
(B)からなる樹脂100重量部に対して、1〜30重
量部含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の難
燃性ポリカーボネート樹脂組成物。 (7)(F)ゴム状弾性体が、コアシェルタイプグラフ
トゴム状弾性体である上記(6)記載の難燃性ポリカー
ボネート樹脂組成物。 (8)さらに、(G)無機充填剤を、(A)および
(B)からなる樹脂100重量部に対して、1〜50重
量部含有する上記(1)〜(7)のいずれかに記載の難
燃性ポリカーボネート樹脂組成物。 (9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の難燃性ポ
リカーボネート樹脂組成物からなるブロー成形品、およ
び (10)ブロー成形品が、OA機器、電気・電子機器ま
たは家庭電化機器のハウジングまたは部分品である上記
(8)記載のブロー成形品を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の構
成成分(A)〜(D)について説明する。 (A)ポリカーボネート樹脂(PC) 本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を構成する
(A)成分であるポリカーボネート樹脂(PC)として
は、特に制限はなく種々のものが挙げられる。通常、二
価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造
される芳香族ポリカーボネートを用いることができる。
すなわち、2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶
液法あるいは溶融法、すなわち、二価フエノールとホス
ゲンの反応、2価フエノールとジフェニルカーボネート
などとのエステル交換法により反応させて製造されたも
のを使用することができる。
【0014】2価フェノールとしては、様々なものが挙
げられるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロアルカン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキ
シド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトンなどが挙げられる。
【0015】特に好ましい2価フエノールとしては、ビ
ス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノ
ールAを主原料としたものである。また、カーボネート
前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエス
テル、またはハロホルメートなどであり、具体的にはホ
スゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニ
ルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネートなどである。この他、二価フェノールとして
は、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げ
られる。これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用
いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0016】なお、ポリカーボネート樹脂は、分岐構造
を有していてもよく、分岐剤としては、1,1,1−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,
α”−トリス(4−ビドロキシフェニル)−1,3,5
−トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、トリメ
リット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などがあ
る。また、分子量の調節のためには、フェノール、p−
t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、
p−クミルフェノールなどが用いられる。
【0017】また、本発明に用いるポリカーボネート樹
脂としては、ポリカーボネート部とポリオルガノシロキ
サン部を有する共重合体、あるいはこの共重合体を含有
するポリカーボネート樹脂であってもよい。また、テレ
フタル酸などの2官能性カルボン酸、またはそのエステ
ル形成誘導体などのエステル前駆体の存在下でポリカー
ボネートの重合を行うことによって得られるポリエステ
ル−ポリカーボネート樹脂であってもよい。また、種々
のポリカーボネート樹脂の混合物を用いることもでき
る。本発明において用いられる(A)成分のポリカーボ
ネート樹脂は、ハロゲンを含まないものが好ましく、ま
た機械的強度および成形性の点から、その粘度平均分子
量は、10,000〜100,000のものが好まし
く、特に14,000〜40,000のものが好適であ
る。
【0018】(B)スチレン系樹脂 本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を構成する
(B)成分のスチレン系樹脂としては、スチレン、α−
メチルスチレンなどのモノビニル系芳香族単量体20〜
100重量%、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
などのシアン化ビニル系単量体0〜60重量%、および
これらと共重合可能なマレイミド、(メタ)アクリル酸
メチルなどの他のビニル系単量体0〜50重量%からな
る単量体または単量体混合物を重合して得られる重合体
がある。これらの重合体としては、ポリスチレン(GP
PS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹
脂)などがある。
【0019】また、スチレン系樹脂としてはゴム質重合
体変性スチレン系樹脂が好ましく利用できる。この変性
スチレン系樹脂としては、好ましくは、少なくともスチ
レン系単量体がゴム質重合体にグラフト重合した耐衝撃
性スチレン系樹脂である。ゴム変性スチレン系樹脂とし
ては、たとえば、ポリブタジエンなどのゴム質重合体に
スチレンが重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIP
S)、ポリブタジエンにアクリロニトリルとスチレンと
が重合したABS樹脂、ポリブタジエンにメタクリル酸
メチルとスチレンが重合したMBS樹脂などがあり、ゴ
ム変性スチレン系樹脂は、二種以上を併用することがで
きるとともに、前記のゴム未変性であるスチレン系樹脂
との混合物としても使用できる。
【0020】ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム質重合体
の含有量は、例えば2〜50重量%、好ましくは、5〜
30重量%である。ゴム質重合体の割合が2重量%未満
であると、耐衝撃性が不十分となり、また、50重量%
を超えると熱安定性が低下したり、溶融流動性の低下、
ゲルの発生、着色などの問題が生じる場合がある。上記
ゴム質重合体の具体例としては、ポリブタジエン、アク
リレートおよび/またはメタクリレートを含有するゴム
質重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)
ゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエ
ン・アクリルゴム、イソプレン・ゴム、イソプレン・ス
チレンゴム、イソプレン・アクリルゴム、エチレン・プ
ロピレンゴム等が挙げられる。
【0021】このうち、特に好ましいものはポリブタジ
エンである。ここで用いるポリブタジエンは、低シスポ
リブタジエン(例えば1,2−ビニル結合を1〜30モ
ル%、1,4−シス結合を30〜42モル%含有するも
の)、高シスポリブタジエン(例えば1,2−ビニル結
合を20モル%以下、1,4−シス結合を78モル%以
上含有するもの)のいずれを用いてもよく、また、これ
らの混合物であってもよい。
【0022】(C)難燃剤 成形品がOA機器、電気・電子機器などに用いられる場
合には、難燃性が要求される。この場合には、各種難燃
剤を含有することによって要求に対応することが必要と
なる。難燃剤としては、有機リン系化合物、ハロゲン非
含有リン系化合物、ハロゲン系化合物、チッソ系化合
物、金属水酸化物、赤リン、アンチモン化合物などを例
示できる。ハロゲン系化合物としては、テトラブロモビ
スフェノールA、ハロゲン化ポリカーボネートまたはハ
ロゲン化ポリカーボネート共重合体オリゴマー、デカブ
ロモジフェニルエーテル、ハロゲン化ポリスチレン、ハ
ロゲン化ポリオレフィンなどがある。また、チッソ系化
合物としては、メラミン、アルキル基または芳香族基置
換メラミンなど、金属水酸化物としては、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウムなど、アンチモン化合物と
しては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどを例
示できる。
【0023】しかしながら、ハロゲン系の難燃剤は、成
形品の焼却時に有害物質を排出する恐れがあり、好まし
い難燃剤は、ハロゲン非含有の有機リン系難燃剤であ
る。有機リン系難燃剤としては、リン原子を有し、ハロ
ゲンを含まない有機化合物であれば特に制限なく用いる
ことができる。好ましくは、リン原子に直接結合するエ
ステル性酸素原子を1つ以上有するリン酸エステル系化
合物が用いられる。
【0024】リン酸エステル系化合物としては、たとえ
ば、次式(1)
【化1】
【0025】(ここで、R1 、R2 、R3 、R4 は、そ
れぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、Xは2
価以上の有機基を表し、pは0または1であり、qは1
以上の整数であり、rは0以上の整数を表す。)で示さ
れるリン酸エステル系化合物である。式(1)におい
て、有機基とは、置換されていてもいなくてもよいアル
キル基、シクロアルキル基、アリール基などである。ま
た置換されている場合の置換基としては、アルキル基、
アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリー
ルチオ基などがある。さらに、これらの置換基を組み合
わせた基であるアリールアルコキシアルキル基など、ま
たはこれらの置換基を酸素原子、窒素原子、イオウ原子
などにより結合して組み合わせたアリールスルホニルア
リール基などを置換基としたものなどがある。
【0026】また、式(1)において、2価以上の有機
基Xとしては、上記した有機基から、炭素原子に結合し
ている水素原子の1個以上を除いてできる2価以上の基
を意味する。たとえば、アルキレン基、(置換)フェニ
レン基、多核フェノール類であるビスフェノール類から
誘導されるものである。好ましいものとしては、ビスフ
ェノールA、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジフエニ
ルメタン、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフ
タレン等がある。
【0027】ハロゲン非含有リン酸エステル系化合物
は、モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの
混合物であってもよい。具体的には、トリメチルホスフ
ェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェ
ート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチル
ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジ
ルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オ
クチルジフェニルホスフェート、トリ(2−エチルヘキ
シル)ホスフェート、ジイソプピルフェニルホスフェー
ト、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピ
ルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェー
ト、ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノン
ビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、レゾ
ルシノール−ジフェニルホスフェート、トリオキシベン
ゼントリホスフェート、クレジルジフェニルホスフェー
トなどを例示できる。
【0028】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物の(C)成分として好適に用いることができる市販の
ハロゲン非含有リン酸エステル化合物としては、たとえ
ば、大八化学工業株式会社製の、TPP〔トリフェニル
ホスフェート〕、TXP〔トリキシレニルホスフェー
ト〕、PFR〔レゾルシノール(ジフェニルホスフェー
ト)〕、PX200〔1,3−フェニレン−テスラキス
(2,6−ジメチルフェニル)リン酸エステル、PX2
01〔1,4−フェニレン−テトラキス(2,6−ジメ
チルフェニル)リン酸エステル、PX202〔4,4’
−ビフェニレン−テスラキス)2,6−ジメチルフェニ
ル)リン酸エステル、CR733S〔フェニルレゾルシ
ンポリホスフェート〕などを挙げることができる。
【0029】ここで、難燃剤の含有量は、前記(A)お
よび(B)からなる樹脂100重量部に対して、1〜5
0重量部、好ましくは、2〜30重量部、特に、3〜1
5重量部である。ここで、2重量部未満であると、目的
とする難燃性を得ることが難しく、また、50重量部を
越えると、耐熱性の低下、衝撃強度の低下が起こる場合
がある。したがって、この含有量は、成形品の要求性状
を考慮して、他のゴム質弾性体や無機充填剤の含有量な
どをもとに総合的に決定される。
【0030】(D)重量平均分子量100万以上のメタ
クリル酸メチル系重合体 本発明のポリカーボネート樹脂組成物の(D)成分であ
る重量平均分子量が100万以上のメタクリル酸メチル
系重合体とは、好ましくは、30重量%以上のメタクリ
ル酸メチルと共重合可能な他のビニル系単量体との共重
合体である。ここで、メタクリル酸メチルと共重合可能
な他のビニル単量体としては、例えば、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチルなどのアク
リル酸アルキルエステル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル
酸アルキルエステル、スチレン、α−メチルスチレンな
どの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタアク
リロニトリルなどのシアン化ビニル化合物などを挙げる
ことができる。
【0031】特に、メタクリル酸メチルが50重量%以
上である共重合体が含有成形品の外観を良好にする点で
好ましい。このメタクリル酸メチル共重合体は、メタク
リル酸メチルと例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸
ブチルからなる単量体を溶液重合、懸濁重合、乳化重合
など公知の重合法によって単段、多段重合の採用により
製造される。中でも乳化重合法、なかんずく、例えば、
炭素数10〜24のアルキルまたはアルケニル基を少な
くとも有するジカルボン酸のナトリウムまたはカリウム
からなる乳化剤の存在下に共重合して得られるものが、
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の加熱成形安定性
の点から好ましく用いられる。
【0032】これらのメタクリル酸メチル系重合体は、
その重量平均分子量が100万以上、好ましくは150
万〜500万である。分子量が100万未満であると、
本発明のブロー成形性の改善効果が小さくなる。この共
重合体は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物中に含
有されると非常に高分子量であるため、混練により分散
し溶融体の溶融弾性(ゴム弾性)の向上に寄与するもの
と考えられる。このメタクリル酸メチル系の重合体は、
三菱レーヨン株式会社製、メタブレンP〔P−550
A、P−551A、P−530A、P531〕として、
入手することができる。
【0033】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物は、基本的には、(A)、(C)および(D)からな
る組成物によって、本発明の目的である、難燃性のブロ
ー成形品の成形が可能になるものである。難燃性ポリカ
ーボネート樹脂組成物の組成は、具体的には、(A)ポ
リカーボネート樹脂30〜100重量%、好ましくは、
50〜95重量%、(B)スチレン系樹脂70〜0重量
%、好ましくは、50〜5重量%である樹脂100重量
部に対して、(C)難燃剤1〜50重量部、好ましく
は、2〜30重量部、および(D)重量平均分子量が1
00万以上のメタクリル酸メチル系重合体1〜20重量
部、好ましくは1.5〜10重量部を含有してなるもの
である。ここで、(A)成分のポリカーボネート樹脂が
30重量%未満では、耐熱性、強度が十分でなく、
(B)成分のスチレン系樹脂は、溶融流動性を必要とす
る場合に配合するものであり、5重量%未満では、成形
性の改良効果が不十分である。(C)成分の難燃剤が、
1重量部未満では、難燃性の改良効果が少なく、50重
量部を越えると、耐熱性、強度、耐衝撃性が不十分とな
る場合がある。したがって、この難燃剤の配合量は、成
形品の要求特性、成形性、他の含有成分の組成によつて
適宜決定することができる。
【0034】また、(D)成分の重量平均分子量100
万以上のメタクリル酸メチル系重合体が、1重量部未満
であると、ブロー成形性の改善効果が十分でなく、20
重量部を越えると、押し出し成形性が低下するととも
に、溶着強度にも悪影響が生じる場合がある。したがっ
て、この(D)成分の含有量は、(A)および(B)か
らなる樹脂成分の比率、(C)成分の難燃剤の含有量、
後述の(F)成分であるゴム状弾性体、(G)成分であ
る無機充填剤の含有量に加えて、ブロー成形品の大き
さ、重量、形状などにより、ブロー成形性、ピンチオフ
強度、溶着強度などを総合的に判断して決定することが
好ましい。
【0035】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物には、燃焼時の滴下防止を目的にさらに、(E)フル
オロオレフィン樹脂を含有することができる。ここで
(E)フルオロオレフィン樹脂としては、フルオロエチ
レン構造を含む重合体、共重合体であり、たとえば、ジ
フルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重合
体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ素を含まな
いエチレン系モノマーとの共重合体である。好ましく
は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、
その平均分子量は、500,000以上であることが好
ましく、特に好ましくはは500,000〜10,00
0,000である。本発明で用いることができるポリテ
トラフルオロエチレンとしては、現在知られているすべ
ての種類のものを用いることができる。
【0036】なお、ポリテトラフルオロエチレンのう
ち、フィブリル形成能を有するものを用いると、さらに
高い溶融滴下防止性を付与することができる。フィブリ
ル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)には特に制限はないが、例えば、ASTM規格にお
いて、タイプ3に分類されるものが挙げられる。その具
体例としては、例えばテフロン6−J(三井・デュポン
フロロケミカル株式会社製)、ポリフロンD−1、ポリ
フロンF−103、ポリフロン201L(ダイキン工業
株式会社製)、CD−076(旭アイシーアイフロロポ
リマーズ株式会社)等が挙げられる。
【0037】また、上記タイプ3に分類されるもの以外
では、例えばアルゴフロンF5(モンテフルオス株式会
社製)、ポリフロンMPA、FA−100(ダイキン工
業株式会社製)等が挙げられる。これらのポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)は、単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせてもよい。上記のようなフィ
ブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)は、例えばテトラフルオロエチレンを水性溶媒
中で、ナトリウム、カリウム、アンモニウムパーオキシ
ジスルフィドの存在下で、1〜100psiの圧力下、
温度0〜200℃、好ましくは20〜100℃で重合さ
せることによって得られる。
【0038】ここで、フルオロオレフィン樹脂の含有量
は、、前記(A)および(B)からなる樹脂100重量
部に対して、0.05〜5重量部、好ましくは、0.1
〜2重量部である。ここで、0.05重量部未満である
と、目的とする難燃性における耐溶融滴下性が十分でな
い場合があり、5重量部を越ても、これに見合った効果
の向上はなく、耐衝撃性、成形品外観に悪影響を与える
場合がある。したがって、それぞれの成形品に要求され
る難燃性の程度、たとえば、UL−94のV−0、V−
1、V−2などにより他の含有成分の使用量などを考慮
して適宜決定することができる。
【0039】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物には、さらに、(F)成分としてのゴム状弾性体を、
難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の耐衝撃性の一層の
向上のために含有することができる。その含有量は、前
記(A)および(B)成分からなる樹脂100重量部に
対して、1〜30重量部、好ましくは2〜15重量部で
ある。このゴム状弾性体の含有量は、目的の成形品に要
求される耐衝撃性、耐熱性、剛性などを総合的に考慮し
て決定される。ゴム状弾性体としては、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、スチレン・ブタジエン・スチレン
(SBS)ゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SB
R)、ブタジエン・アクリルゴム、イソプレン・スチレ
ンゴム、イソプレン・アクリルゴム、エチレン・プロピ
レンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、シロキ
サンゴム等が挙げられる。
【0040】このうち、好ましくは、コア(芯)とシェ
ル(殻)から構成される2層構造を有しており、コア部
分は軟質なゴム状態であって、その表面のシェル部分は
硬質な樹脂状態であり、弾性体自体は粉末状(粒子状
態)のものである。このゴム状弾性体は、ポリカーボネ
ート樹脂と溶融ブレンドした後も、その粒子状態は、大
部分がもとの形態を保っている。配合されたゴム状弾性
体の大部分がもとの形態を保っていることにより、表層
剥離を起こさない効果が得られる。このコアシェルタイ
プグラフトゴム状弾性体としては、種々なものを挙げる
ことができる。市販のものとしては、例えばハイブレン
B621(日本ゼオン株式会社製)、KM−330(ロ
ーム&ハース株式会社製)、メタブレンW529、メタ
ブレンS2001、メタブレンC223、メタブレンB
621(三菱レイヨン株式会社製)等が挙げられる。
【0041】これらの中で、例えば、アルキルアクリレ
ートやアルキルメタクリレート、ジメチルシロキサンを
主体とする単量体から得られるゴム状重合体の存在下
に、ビニル系単量体の1種または2種以上を重合させて
得られるものが挙げられる。ここで、アルキルアクリレ
ートやアクリルメタクリレートとしては、C2〜C10
アルキル基を有するものが好適である。具体的には、例
えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、n−オクチルメタクリレー
ト等が挙げられる。これらのアルキルアクリレート類を
主体とする単量体から得られるゴム状弾性体としては、
アルキルアクリレート類70重量%以上と、これと共重
合可能な他のビニル系単量体、例えばメチルメタクリレ
ート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン等30
重量%以下とを反応させて得られる重合体が挙げられ
る。なお、この場合、ジビニルベンゼン、エチレンジメ
タクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイ
ソシアヌレート等の多官能性単量体を架橋剤として適宜
添加して反応させてもよい。
【0042】ゴム状重合体の存在下に反応させるビニル
系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル化合物、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル等
が挙げられる。これらの単量体は、1種または2種以上
を組み合わせて用いてもよいし、また、他のビニル系重
合体、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のシアン化ビニル化合物や、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等のビニルエステル化合物等と共重合させてもよ
い。この重合反応は、例えば塊状重合、懸濁重合、乳化
重合などの各種方法によって行うことができる。特に、
乳化重合法が好適である。
【0043】このようにして得られるコアシェルタイプ
グラフトゴム状弾性体は、前記ゴム状重合体を20重量
%以上含有していることが好ましい。このようなコアシ
ェルタイプグラフトゴム状弾性体としては、具体的には
60〜80重量%のn−ブチルアクリレートと、スチレ
ン、メタクリル酸メチルとのグラフト共重合体などのM
AS樹脂弾性体が挙げられる。中でも、ポリシロキサン
ゴム成分が5〜95重量%とポリアクリル(メタ)アク
リレートゴム成分95〜5重量%とが、分離できないよ
うに相互に絡み合った構造を有する、平均粒子径が0.
01〜1μm程度の複合ゴムに少なくとも一種のビニル
単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共
重合体がある。この共重合体は、それぞれのゴム単独で
のグラフト共重合体よりも耐衝撃改良効果が高い。この
複合ゴム系グラフト共重合体は、市販品としての、三菱
レーヨン株式会社製メタブレンS−2001などとし
て、入手できる。
【0044】また、本発明の難燃性ポリカーボネート樹
脂組成物には、さらに、(G)無機充填剤を、成形品の
剛性、さらには難燃性、ブロー成形性をさらに向上させ
るために含有させることができる。ここで、無機充填剤
としては、タルク、マイカ、カオリン、珪藻土、炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊
維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維などをあげること
ができる。なかでも、板状であるタルク、マイカなど
や、繊維状の充填剤が好ましい。タルクとしては、、マ
グネシウムの含水ケイ酸塩であり、一般に市販されてい
るものを用いることができる。タルクには、主成分であ
るケイ酸と酸化マグネシウムの他に、微量の酸化アルミ
ニウム、酸化カルシウム、酸化鉄を含むことがあるが、
本発明の樹脂組成物を製造するには、これらを含んでい
てもかまわない。また、タルクなどの無機充填剤の平均
粒径は0.1〜50μm、好ましくは、0.2〜20μ
mである。これら無機充填剤、特にタルクを含有させる
ことにより、剛性向上効果に加えて、難燃剤としてのハ
ロゲン非含有リン酸エステルの配合量を減少させること
ができる。
【0045】ここで、(G)無機充填剤の含有量は、、
前記(A)および(B)からなる樹脂100重量部に対
して、1〜50重量部、好ましくは、2〜30重量部で
ある。ここで、1重量部未満であると、目的とする剛
性、難燃性、ブロー成形性改良効果が十分でない場合が
あり、50重量部を越えると、耐衝撃性、溶融流動性が
低下する場合があり、成形品の大きさ、重量、成形品の
要求特性とブロー成形性を考慮して適宜決定することが
できる。
【0046】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物は、ブロー成形性、難燃性に加えて、ブロー成形性、
難燃性のさらなる改良、外観改善、耐候性改善、剛性改
善等の目的で、上記(A)、(C)、(D)からなる必
須成分に、(B)、(E)〜(G)から選ばれた任意成
分の一種以上とともに、熱可塑性樹脂に常用されている
添加剤成分を必要により添加含有することができる。例
えば、フェノール系、リン系、イオウ系酸化防止剤、帯
電防止剤、ポリアミドポリエーテルブロック共重合体
(永久帯電防止性能付与)、ベンゾトリアゾール系やベ
ンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系の
光安定剤(耐候剤)、抗菌剤、相溶化剤、着色剤(染
料、顔料)等が挙げられる。任意成分の配合量は、本発
明の,難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の特性、特に
ブロー成形性が維持される範囲であれば特に制限はな
い。
【0047】次に、本発明の難燃性ポリカーボネート樹
脂組成物の製造方法について説明する。本発明の難燃性
ポリカーボネート樹脂組成物は、前記の各成分(A)、
(C)、(D)を上記割合で、さらに必要に応じて用い
られる、(B)、(E)〜(G)の各種任意成分、さら
には他の成分を適当な割合で配合し、混練することによ
り得られる。このときの配合および混練は、通常用いら
れている機器、例えばリボンブレンダー、ドラムタンブ
ラーなどで予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバ
リーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー
押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等を用いる方
法で行うことができる。混練の際の加熱温度は、通常2
40〜300℃の範囲で適宜選択される。なお、ポリカ
ーボネート樹脂とスチレン系樹脂以外の含有成分は、あ
らかじめ、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂ある
いはこれ以外の他の熱可塑性樹脂と溶融混練、すなわち
マスターバッチとして添加することもできる。
【0048】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物は、上記の溶融混練成形機、あるいは、得られたペレ
ットを原料として、射出成形法、射出圧縮成形法、押出
成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法、発
泡成形法などにより各種成形品を製造することができ
る。しかし、上記溶融混練方法により、ペレット状の成
形原料を製造し、ついで、このペレットを用いて、押出
ブロー成形、押出しシート成形でえられたシートを用い
た真空成形など、溶融樹脂の耐ドローダウン特性が要求
される成形方法、特に、ブロー成形用として好適に用い
ることができる。
【0049】本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物から得られるブロー成形品としては、特に制限はなく
多くの分野があるが、難燃性が要求される複写機などの
扉、蓋などのOA機器を始め、冷蔵庫、電子レンジなど
の家庭電化機器のハウジウングや各種部分品、さらに
は、自動車部品など他の分野にも用いられる。
【0050】
【実施例】本発明について実施例および比較例を示して
より具体的に説明するが、これらに、何ら制限されるも
のではない。 実施例1〜4および比較例1〜2 表1に示す割合で各成分を配合〔(A)および(B)成
分は重量%、他の成分は(A)および(B)からなる樹
脂100重量部に対する、重量部で示す。〕し、押出機
(機種名:VS40、田辺プラスチック機械株式会社
製)に供給し、260℃で溶融混練し、ペレット化し
た。なお、すべての実施例および比較例において、酸化
防止剤としてイルガノックス1076(チバガイギー株
式会社製)0.2重量部およびアデカスタブC(旭電化
工業株式会社製)0.1重量部をそれぞれ配合した。得
られたペレットの、メルトインデックス、溶融張力の測
定結果および、ペレットを80℃で12時間乾燥した
後、成形温度260℃で射出成形して試験片を得、難燃
性を評価し、その結果を表1に示した。
【0051】なお、用いた材料および性能評価方法を次
に示す。 (A)ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールAポリカ
ーボネート樹脂) PC−1:タフロン:A2700(出光石油化学株式会
社製)、粘度平均分子量:27000) PC−2:タフロン:A2500(出光石油化学株式会
社製)、粘度平均分子量:25000) PC−3:タフロン:IB2500(出光石油化学株式
会社製)、粘度平均分子:25000(分岐ポリカーボ
ネート) (B)スチレン系樹脂:耐衝撃ポリスチレン樹脂(HI
PS):IDEMITSU PS HT52(出光石油
化学社株式会社製)、ポリブタジエンにポリスチレンが
グラフト重合したもの、MI:2g/10分(200
℃、5Kg荷重) (C)難燃剤 レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、リン
酸エステルPFR(旭電化工業株式会社製) (D)メタクリル酸メチル系共重合体(MMA) メタブレンP−530A(三菱レイヨン株式会社製)、
重量平均分子量:300万) (E)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE) F201L(ダイキン化学工業株式会社製)、分子量:
400万〜500万 (F)ゴム状弾性体:コアシェルタイプグラフトゴム状
弾性体 メタブレンS2001(三菱レーヨン株式会社製)、複
合ゴム系グラフト共重合体:(ポリジメチルシロキサン
含有量:50重量%以上) (G)タルク FFR(浅田製粉株式会社製)、平均粒径:0.7μm 〔性能評価方法] (1)メルトインデックス(MI) 280℃、2.16kg荷重の条件で測定 (2)難燃性:UL94燃焼試験に準拠(1.5mm) (3)溶融張力(g) キャピラリー径:2mm、せん断速度:1sec-1、樹
脂温度:250℃の条件で押し出し、引き取り荷重を測
定 (4)ブロー成形性の評価 成形機(プラコー株式会社製、DAC−50)を用い、
成形温度を240℃、金型温度:40℃で、ブロー成形
品(テスト用中空パネル、パリソン重量:2Kg)を成
形して評価した。 ・ドローダウン(秒) パリソン押出し完了後、パリソン長さが20%伸びるま
での時間を測定した。時間が長い方が耐ドローダウン性
が良好で成形しやすい。 ・ピンチオフ強度 ブロー成形品のピンチオフ部から、25mm×40mm
の試験片を切り出し、引き裂き試験を行いピンチオフ強
度(MPa)とした。 ・総合評価 〇:良好なパリソンが形成されるとともに、良好な成形
品が得られた。 ×:良好なパリソンが得られなかった。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、ポリカーボネート樹脂
(PC)、必要によりスチレン系樹脂(PS)からなる
樹脂に、難燃剤、超高分子量のメタクリル酸メチル系重
合体を含有させることにより、難燃性を維持しながら、
特にブロー成形性の付与が可能となる。また、難燃剤と
してハロゲン非含有リン酸エステル、さらにはフルオロ
オレフィン系樹脂を含有させることにより、すぐれたブ
ロー成形性、物性を維持しつつ、環境汚染の問題のない
難燃性にすぐれたブロー成形品などを製造することがで
きる。さらに、ゴム状弾性体、無機充填剤を用いること
により、成形品に要求される耐衝撃性、剛性、耐熱性、
難燃性に対しての対応範囲を拡大することができ、OA
機器などの軽量化、省資源化に貢献できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 69/00 25:00 33:12 27:12 51:04) B29K 69:00 B29L 24:00 Fターム(参考) 4F201 AA13 AA16 AA21 AA28 AA45 AB05 AH42 BA03 BC02 BC12 BC37 BD06 BM14 4F208 AA13 AA16 AA21 AA28 AA45 AB05 AH42 LA08 LB01 LG01 4J002 AC035 AC065 AC085 BB155 BB243 BC032 BC042 BC062 BC092 BC113 BD125 BD155 BD165 BG064 BN122 BN142 BN152 BN162 BN165 CG011 CG021 CP035 DA017 DA056 DE076 DE126 DE146 DE187 DE237 DG047 DG057 DJ007 DJ037 DJ047 DJ056 DJ057 DL007 EU186 EW046 FA047 FD017 FD133 FD136 GQ00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリカーボネート樹脂30〜10
    0重量%、(B)スチレン系樹脂70〜0重量%からな
    る樹脂100重量部に対して、(C)難燃剤1〜50重
    量部および(D)重量平均分子量100万以上のメタク
    リル酸メチル系重合体1〜20重量部を含有してなる難
    燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 難燃剤がハロゲン非含有リン酸エステル
    である請求項1記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 さらに、(E)フルオロオレフィン樹脂
    を、(A)および(B)からなる樹脂100重量部に対
    して、0.05〜5重量部含有する請求項1または2記
    載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 フルオロオレフィン樹脂がフィブリル形
    成能を有する請求項3記載の難燃性ポリカーボネート樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 スチレン系樹脂がゴム質重合体変性スチ
    レン系樹脂であり、(A)ポリカーボネート樹脂70〜
    95重量%、(B)スチレン系樹脂30〜5重量%であ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネ
    ート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 さらに、(F)ゴム状弾性体を、(A)
    および(B)からなる樹脂100重量部に対して、1〜
    30重量部含有する請求項1〜5のいずれかに記載の難
    燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (F)ゴム状弾性体が、コアシェルタイ
    プグラフトゴム状弾性体である請求項6記載の難燃性ポ
    リカーボネート樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 さらに、(G)無機充填剤を、(A)お
    よび(B)からなる樹脂100重量部に対して、1〜5
    0重量部含有する請求項1〜7のいずれかに記載の難燃
    性ポリカーボネート樹脂組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の難燃性ポ
    リカーボネート樹脂組成物からなるブロー成形品。
  10. 【請求項10】ブロー成形品が、OA機器、電気・電子
    機器または家庭電化機器のハウジングまたは部分品であ
    る請求項9記載のブロー成形品。
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