JP2000062158A - 液体噴射記録ヘッド等の記録ヘッド検査装置、液体噴射記録ヘッド着弾点検査方法、液体噴射記録ヘッドの製造方法、液体噴射記録ヘッドおよび該ヘッドを搭載可能な液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射記録ヘッド等の記録ヘッド検査装置、液体噴射記録ヘッド着弾点検査方法、液体噴射記録ヘッドの製造方法、液体噴射記録ヘッドおよび該ヘッドを搭載可能な液体噴射記録装置

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JP2000062158A
JP2000062158A JP14754599A JP14754599A JP2000062158A JP 2000062158 A JP2000062158 A JP 2000062158A JP 14754599 A JP14754599 A JP 14754599A JP 14754599 A JP14754599 A JP 14754599A JP 2000062158 A JP2000062158 A JP 2000062158A
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recording
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ejection
liquid jet
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English (en)
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Kimiyuki Hayashizaki
公之 林崎
Yasuo Kotaki
小瀧  靖夫
Masaaki Furukawa
雅朗 古川
Akio Saito
昭男 斎藤
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体噴射記録ヘッドから吐出される液滴の着
弾位置や吐出口位置を観察し、かつ液滴を構成する主滴
とサテライトの各々の吐出角度を測定することができる
記録ヘッド着弾点検査方法および記録ヘッド検査装置を
提供する。 【解決手段】 ベースキャリッジ2に保持された記録ヘ
ッド1aの吐出口から少なくとも1個の液滴を吐出させ
て、吐出口面から離間して位置する記録媒体11に着弾
させ、吐出口および記録媒体11に着弾した液滴を記録
媒体11の下方に配置した画像処理用カメラ9により認
識して画像処理することによりそれぞれの座標を測定
し、着弾液滴と吐出口の座標から両者間の水平距離およ
び垂直距離を画像認識座標差分より算出し、該算出距離
を基づいて液滴を構成する主滴とサテライトの各々の吐
出角度を算出する。これらの測定され算出されたデータ
は、記録ヘッド製造工程にフィードバックし、あるいは
記録ヘッドに記憶させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク等の記録液
を吐出して記録媒体に記録を行なう液体噴射記録装置に
搭載し記録液を吐出せしめる液体噴射記録ヘッド等の記
録ヘッドにおいて、記録装置本体に搭載することなく、
記録ヘッドのドットパターンや液体噴射記録ヘッドから
吐出される液滴の着弾位置を測定し記録ヘッドの印字性
能を検査する記録ヘッド検査装置、吐出される液滴の着
弾位置を測定し液滴を構成する主滴とサテライトの各々
の吐出角度を測定する液体噴射記録ヘッド着弾点検査方
法、液体噴射記録ヘッドの製造方法、液体噴射記録ヘッ
ドおよび該記録ヘッドを搭載可能な液体噴射記録装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、布、プラスチックシート、O
HP用シート等の記録媒体(以下、単に記録紙ともい
う。)に対して記録を行なう記録装置としては、種々の
記録方式、例えば、ワイヤードット方式、感熱記録方
式、熱転写方式、あるいは液体噴射記録(インクジェッ
ト)方式等を用いた記録ヘッドを搭載したものが提案さ
れている。これらのうち、液体噴射記録方式を用いた液
体噴射記録装置(インクジェット記録装置)について
は、情報処理システムの出力手段、例えば、複写機、フ
ァクシミリ、電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワ
ークステーション等の出力端末としてのプリンタ、ある
いはパーソナルコンピュータ、ホストコンピュータ、デ
ィスク装置、ビデオ装置等に具備されるハンディまたは
ポータブルプリンタとして利用され、商品化されてい
る。
【0003】そして、液体噴射記録装置の記録ヘッドに
は、吐出口から記録液を吐出するための吐出エネルギー
発生素子として、ピエゾ素子等の電気機械変換体を用い
たもの、レーザー等の電磁波を照射して発熱させこの発
熱による作用で記録液を吐出させるもの、あるいは発熱
抵抗体を有する電気熱変換素子によって記録液を加熱さ
せて液滴を吐出させるもの等を用いている。
【0004】また、液体噴射記録装置において、最近で
は、ソフトおよびコンピュータの進歩によりカラー画像
の出力が求められる状況となり、この状況に応じて液体
噴射記録ヘッドもまたカラー対応を行なっている。そし
て、これを実現する手段として現在行なわれている方法
は、単色ヘッドのアッセンブリによる多色ヘッドであ
り、また、ヘッドの製造方法によってはマルチカラーヘ
ッドも存在する。具体的には、例えば、同じ種類のヘッ
ドユニットを対向させることによりヘッドユニットとし
て記録密度を倍にすることも可能であり、対向あるいは
並列させたヘッドユニットにそれぞれ異なるインクを対
応させて、高画質なカラー印字や耐水性画像を達成する
ことも行なわれている。
【0005】このようなカラー化の状況に加え、画像出
力の高精細化も求められており、液体噴射記録方式にお
いては、印字密度の高密度化や記録液の濃度変化でより
高精細でかつ高画質を実現しようとしている。
【0006】高精細でかつ高画質な画像を形成するため
には、液滴を吐出口から設計された方向へ吐出させ、そ
の液滴を記録媒体の決められた画素位置に着弾させるこ
とが重要であるが、これらを検査する従来の方法では、
液体噴射記録ヘッドを記録装置本体に搭載し、予め設定
された印字パターンを印字し、この印字パターンをコン
ピュータにより演算解析することによって、決められた
画素位置に対して液滴の着弾位置がどの程度ずれている
かを確認する検査を行ない、その後に工場出荷してい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、液体噴射記
録ヘッドにおいて、液滴は吐出口に生じているメニスカ
スを突き破り吐出される。このとき、液滴は、その液体
特性上必ず主滴(画像を形成する主たる液滴)とサテラ
イト(主滴の吐出に遅れて吐出される主滴より小さい液
滴)の2つ以上の液滴として吐出される。そこで、この
主滴とサテライトの着弾位置をコントロールし、不必要
な着弾画素(サテライト)を画像認識させない状態にす
ることにより、前述の高精細でかつ高画質な画像が得ら
れる。
【0008】ここで、高精細でかつ高画質な画像を得ら
れるか否かで問題となるのは液滴の吐出方向であり、吐
出口の配置された面に対していかなる角度で吐出口が形
成されているかで決まる。すなわち、吐出口角度の変化
で主滴とサテライトの各々の吐出角度が変化してしま
い、吐出口角度が適正でない場合に、サテライトの目立
つ画像となり、高精細でかつ高画質な画像を得ることは
できない。
【0009】このような背景において、前述のような従
来の検査方法には次のような問題点があった。
【0010】(1) 前述した従来の検査方法では、得られ
た画像単体の評価を行なうことは可能であるけれども、
液体噴射記録ヘッドからいかなる角度で液滴が吐出され
たかは確認できない。したがって、従来の検査方法で
は、記録媒体にサテライトが認められた場合でも、液体
噴射記録ヘッドの製造工程に吐出口形成角度を変更すべ
くフィードバックすることは不可能であり、記録ヘッド
の出来に左右されるため歩留まりを向上させることがで
きなかった。
【0011】(2) 前述した従来の検査方法では、液滴の
着弾位置を検査するとき、記録ヘッドを必ず記録装置本
体に搭載しなければならない。そして、検査は設定され
た印字パターンを印字した後に別の検査システム化され
た顕微鏡により印字パターンを画像認識および座標記録
し、決められた画素位置に対してどの程度ずれが生じて
いるかをコンピュータにより解析するという2つの検査
工程が必要であり、工場出荷までに時間がかかり過ぎる
という問題があった。
【0012】(3) また、前述した従来の検査方法では、
印字に使用する記録媒体は記録装置にて印字を行なうた
めにプリンタフィード用の最低限のサイズ限定をしなけ
ればならず無駄な未印字領域を残したまま記録媒体を破
棄するという非エコロジー的な点も問題であった。
【0013】さらに加えて、ヘッドユニットを対向ある
いは並列させて作製した記録ヘッドを記録装置本体のキ
ャリッジに取り付けて印字すると、記録ヘッド単独では
記録要素毎の調整ができていても、装置本体キャリッジ
との突き当てによる位置バラツキまで考慮されておら
ず、装置本体キャリッジに組み込んだ際の印字品位が損
なわれるという問題もあった。
【0014】そこで、本発明は、上述の従来技術の有す
る未解決の課題に鑑みてなされたものであって、本発明
の第1の目的は、高精細でかつ高画質な画像を得るため
に、液体噴射記録ヘッドを記録装置本体に搭載すること
なく、液体噴射記録ヘッドから吐出される液滴の決めら
れた画素位置に対して着弾位置がどの程度ずれているか
を確認し、また液滴を構成する主滴とサテライトの各々
の吐出角度を測定することができる液体噴射記録ヘッド
着弾点検査方法およびその検査装置を提供し、さらに、
適正な吐出角度をもって決められた画素位置へ液滴を着
弾させることができる液体噴射記録ヘッドを製造する液
体噴射記録ヘッドの製造方法を提供することである。
【0015】本発明の第2の目的は、上記第1の目的に
加えて、あるいは単独で、記録ヘッドの高画質化を達成
するために、記録ヘッドを記録装置本体に搭載すること
なく、記録ヘッドの記録要素や記録媒体に記録された記
録パターンの位置を測定して検査することができ、さら
に、測定したデータを記録ヘッド製造装置に反映させる
ことができる記録ヘッド検査装置を提供することであ
る。
【0016】本発明の他の目的は、上述の検査方法、検
査装置により検査される記録ヘッド、および該記録ヘッ
ドを備えた記録装置など、関連する諸発明を提供するこ
とにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッド着弾点検査方法は、液
体噴射記録ヘッドの吐出エネルギー発生素子を駆動さ
せ、前記液体噴射記録ヘッドの吐出口から少なくとも1
個の記録液滴を吐出させて吐出口面から離間して配置し
た記録媒体に着弾させ、前記吐出口および前記記録媒体
に着弾した液滴を前記記録媒体を介して前記吐出口面お
よび前記記録媒体の垂直下方から画像認識してそれぞれ
の座標を記録し、前記着弾液滴と前記吐出口の記録座標
から両者間の水平距離および記録媒体と吐出口間の垂直
距離を画像認識座標差分より算出し、該算出距離を基づ
いて液滴の吐出角度を算出することを特徴とする。
【0018】また、本発明の液体噴射記録ヘッド検査装
置は、吐出エネルギー発生素子の駆動により記録液を吐
出する吐出口を有する液体噴射記録ヘッドを保持する記
録ヘッド保持手段と、該記録ヘッド保持手段に保持され
る液体噴射記録ヘッドの吐出口の下方に所定の間隔をお
いて記録媒体を固定する記録媒体固定手段と、前記吐出
口や該吐出口から少なくとも1個の記録液滴を吐出させ
て前記記録媒体上に着弾した着弾液滴を観察するように
前記記録媒体の下方に配置された画像処理用観察系と、
該画像処理用観察系により、前記吐出口および前記記録
媒体に着弾した液滴を前記記録媒体を介して観察しかつ
画像処理してそれらの座標を記録し、着弾液滴と吐出口
の記録座標から両者間の水平距離および記録媒体と吐出
口の垂直距離を画像認識座標差分より算出し、該算出距
離を基づいて液滴の吐出角度を算出する制御手段を具備
することを特徴とする。
【0019】本発明の液体噴射記録ヘッド着弾点検査方
法あるいは検査装置において、液体噴射記録ヘッドが少
なくとも2つ以上の吐出口列を有し、少なくとも2つ以
上の各吐出口列からそれぞれ少なくとも1個の記録液を
吐出させてそれぞれの液滴の吐出角度を算出することも
できる。
【0020】本発明の液体噴射記録ヘッド着弾点検査方
法あるいは検査装置において、記録媒体は、全光線透過
率が80%以上のものであることが好ましく、また、水
溶性樹脂を含む受容層が塗布され該受容層側に液滴を着
弾させる記録媒体が好適である。
【0021】そして、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法は、上述の液体噴射記録ヘッド着弾点検査方法に
より画像認識された吐出口や記録媒体に着弾した液滴お
よび算出された液滴の吐出角度に関するデータを液体噴
射記録ヘッドの製造工程にフィードバックさせて、適正
な吐出角度をもって吐出口を加工するようになしたこと
を特徴とする。
【0022】また、本発明の他の形態の記録ヘッド検査
装置は、ドットパターンを形成する複数の記録要素を有
する記録ヘッドの基準位置を検査装置の特定位置に当接
させて前記記録ヘッドを固定する記録ヘッド固定機構
と、該記録ヘッド固定機構に固定される前記記録ヘッド
の記録要素に対して所定の間隔をおいて記録媒体を固定
する記録媒体固定台と、前記記録ヘッドの記録要素およ
び前記記録媒体に記録される記録パターン等を観察する
画像処理用観察系と、前記記録媒体に記録パターンを記
録するように前記記録ヘッドを制御する記録制御手段
と、前記記録媒体に記録された記録パターンや前記記録
ヘッドの記録要素を画像処理することにより前記記録ヘ
ッドの基準位置からの前記記録ヘッドの印字着弾性能を
検査する検査手段とを有し、前記記録ヘッド固定機構
は、記録ヘッドを記録装置本体の当接機構と同様な形態
で当接させ固定することを特徴とする。
【0023】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッド検査
装置においては、算出された吐出角度に関する情報や検
査された液滴着弾性能に関する情報を、液体噴射記録ヘ
ッドに設けられた記憶手段に記憶させるためのデータ書
き込み手段を備えていることが好ましい。
【0024】本発明の液体噴射記録ヘッドは、上述の液
体噴射記録ヘッド着弾点検査方法により液滴の吐出角度
等が検査される液体噴射記録ヘッドであって、該検査方
法により算出された吐出角度に関する情報を記憶するた
めの記憶手段を有することを特徴とする。
【0025】また、本発明の液体噴射記録装置は、上述
の液体噴射記録ヘッドを搭載可能な液体噴射記録装置で
あって、前記記憶手段に記憶された吐出角度に関する情
報を読み取る読み取り手段を備えていることを特徴とす
る。
【0026】
【作用】本発明の液体噴射記録ヘッド着弾点検査方法お
よび液体噴射記録ヘッド検査装置によれば、液体噴射記
録ヘッドを記録装置本体に搭載することなく、液体噴射
記録ヘッドから吐出される液滴の決められた画素位置に
対して着弾位置がどの程度ずれているか、さらに吐出口
の位置が適正かどうか等を確認でき、そして、液滴を構
成する主滴とサテライトの各々の吐出角度を測定するこ
とができる。これにより、記録媒体にサテライトが認め
られた場合や決められた画素位置に対して着弾位置がず
れている場合等においては、液体噴射記録ヘッドの製造
工程に吐出口形成角度を調整変更すべく直ちにフィード
バックすることが可能となる。したがって、測定されか
つ算出されたデータを液体噴射記録ヘッドの製造工程に
速やかに反映させることができ、適正でかつ高品位な液
体噴射記録ヘッドを製造することが可能となり、製品の
歩留まりを大きく向上させることができる。
【0027】また、記録装置本体にて印字を行なうこと
なく記録ヘッドの検査を行なうことができ、必要最低限
度の記録媒体を使用すれば良く、現状の検査方式よりも
エコロジーな検査方式となる。
【0028】また、本発明の他の形態の記録ヘッド検査
装置によれば、記録装置本体と同様な記録ヘッド固定機
構により記録ヘッドを固定した状態で印字制御により記
録された記録ドットを画像処理することができ、記録ヘ
ッドの装置本体キャリッジへの取り付け時と同様な状態
での相対的な記録状態までも検査できるので、ヘッド単
体ではわかりにくい記録装置本体上での相対ずれ量や絶
対ずれ量を測定することが可能となる。
【0029】これらの測定データは、液体噴射記録ヘッ
ドにおいては液滴着弾性能として、その他の記録ヘッド
においては印字着弾性能として測定することができ、高
解像度でかつ高画質な記録装置の印字品位を直接的にデ
ータ化することを可能にするものである。
【0030】また、測定された記録ドットとそれに対応
する記録要素の位置関係から記録ヘッド要素の着弾ずれ
量を測定することができ、このずれ量に関するデータを
ヘッド製造装置(液体噴射記録ヘッドの場合には吐出口
製造装置)に適宜反映させるデータとして活用できるた
め、歩留まりを向上させ、高解像度でかつ高画質な記録
ヘッドを製造段階で確立することができる。
【0031】さらに、本発明の記録ヘッドや記録装置に
よれば、記録ヘッド検査方法および検査装置により測定
され算出された吐出角度情報や着弾点位置ずれ等に関す
るデータを記録ヘッドに記録あるいは記憶させておくこ
とにより、該データを記録ヘッドの記録装置への装着時
や印刷実行時等に記録ヘッドから読み取り、印刷実行時
に吐出タイミングなどの補正や調整を行ない、各記録ヘ
ッドに最適な吐出タイミングで着弾点位置ずれのない印
字や記録を行なうことが可能となり、記録ヘッドの歩留
まりを大きく向上させることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0033】(第1実施例)図1は、本発明の第1実施
例の液体噴射記録ヘッド検査装置を概略的に図示する構
成図である。
【0034】図1において、1は、電気的信号によりイ
ンク等の記録液を吐出する液体噴射記録ヘッド(以下、
単に記録ヘッドともいう。)1aと記録液を貯留する記
録液タンク1bで構成される記録ヘッドカートリッジ
(インクジェットカートリッジ)であり、この記録ヘッ
ドカートリッジ1を位置決め部材2a、2b、2cによ
り固定して保持するベースキャリッジ2は、ベース12
上に搭載されたステージ装置に支持されている。このス
テージ装置は、ベース12上でY方向に沿って移動可能
なYステージ7、X方向に移動可能なXステージ6、お
よびZ方向に移動可能なZステージ5を備え、さらに、
Zステージ5の上で水平方向の角度が調整可能なθステ
ージ4およびベースキャリッジ2の取り付け角度の調整
を行なうことができるゴニオステージ3aおよび3bを
備えている。したがって、ベースキャリッジ2は、ゴニ
オステージ3aおよび3bにより取り付け角度の調整を
行なうことができ、水平方向の角度調整はθステージ4
により行なうことができるように構成され、記録ヘッド
1aの吐出口とその下方に配置される記録媒体11との
距離を調整するためにZステージ5が用いられる。そし
て、記録ヘッド着弾点検査のための測定を行なうときに
記録ヘッドカートリッジ1をX方向およびY方向へ移動
させるためにXステージ6およびYステージ7が用いら
れる。これらのステージは、その移動精度が測定座標値
に与える影響が大きいため自動ステージが好ましく精度
に応じたボールネジのステージを使用する必要がある。
【0035】記録ヘッド1aの吐出口から吐出する液滴
を着弾させる記録媒体11は、ベースキャリッジ2に保
持された記録ヘッドカートリッジ1の記録ヘッド1aに
対向して位置するようにベース12に搭載された記録媒
体吸着ベース10上にエア吸着等により固定保持され
る。記録媒体11は、記録液の着弾点を正確に読み取る
ために記録媒体に着弾した直後の液滴がランダムに広が
る形状にならないように液吸収性の良い水溶性樹脂を含
む受容層が塗布されており、また、記録媒体11は、記
録媒体の下方から着弾液滴や記録ヘッド1aの吐出口等
を観察しうるように、厚さが薄くかつ全光線透過率の高
いものが望ましく、特に、厚さ200μm以下で全光線
透過率80%以上のものが好適である。そして、記録媒
体11の大きさは、記録装置本体における記録紙搬送メ
カシステム(搬送ロールピッチ等)の制約はなく、記録
媒体吸着ベース10に吸着可能な寸法であれば良く、ロ
ール状態にすることで必要最低限の媒体使用量とするこ
とも可能である。また、記録媒体11の固定方法は、エ
ア吸着に代えて電気的な吸着方法を使用することもでき
るが、電気的な吸着方法を用いる場合は吐出される液滴
が電気的影響を受けないように考慮しなければならな
い。
【0036】そして、記録ヘッド1aの吐出口や記録媒
体11に着弾した液滴を観察し画像認識するための画像
処理用カメラ(例えば、CCD)9は、記録媒体11の
下方に配置され、Zステージ8により焦点合わせを行な
うことができるように構成されている。したがって、画
像処理用カメラ(CCD)9により、記録媒体11を通
して、吐出口や着弾液滴を観察し画像処理することがで
きるように、記録媒体11は前述したように厚さが薄く
全光線透過率の高いものが望ましいところである。
【0037】以上のような装置構成部品は、ベース12
に固定されるが、測定座標値の精度向上のために振動吸
収ゴム(図示しない)を介して取り付けることがより好
適である。
【0038】また、本実施例の記録ヘッド検査装置は、
図1には図示しないけれども、記録ヘッド1aの液吐出
動作等を駆動制御する記録ヘッド駆動制御手段と、各ス
テージの調整や駆動を制御するステージ制御手段と、画
像処理用カメラ(CCD)9により観察される吐出口や
着弾液滴等をモニタしそれらを画像処理するための画像
処理制御手段、およびこれらの各制御手段を制御し、さ
らに測定され演算された各種のデータを記録ヘッド製造
工程へフィードバックする機能を備えたCPUを具備し
ている。
【0039】図2は、本発明の第1実施例の記録ヘッド
検査装置に適用しうる液体噴射記録ヘッドの一例を図示
し、同(a)は記録ヘッドカートリッジの側面図であ
り、同(b)は記録ヘッドを吐出口が設けられた側から
見た概略的な平面図であり、同(c)は記録ヘッドの構
成部品の分解説明図である。
【0040】記録ヘッド1aは、液滴を吐出する複数の
微細な吐出口15、16および液流路(図2には図示し
ない)が設けられた液流路構成部材22、電気的信号を
熱変換する発熱素子を複数配設したヒーターボード19
(19a、19b)、複数のコンタクトパッド18(1
8a、18b)を配設したフレキシブルケーブル17
(17a、17b)、放熱板20(20a、20b)お
よび押さえばね21(21a、21b)を有し、記録液
タンク1bに結合されて記録ヘッドカートリッジ(イン
クジェットカートリッジ)1を構成する。液流路構成部
材22はプラスチックモールド成形あるいは金属メカ加
工等によって作られるが、記録液の流路および吐出口1
5、16はレーザー加工やメカ加工等により形成され
る。フレキシブルケーブル17(17a、17b)とリ
ード線23(図3の(a)参照)にて繋がれた電気的信
号を熱変換する発熱素子を配設したヒーターボード19
(19a、19b)はその放熱効果向上のために熱伝導
性の良い接着剤(不図示)を介して放熱板20(20
a、20b)に密着させている。この放熱板20と密着
したヒーターボード19は、押さえばね21(21a、
21b)により液流路構成部材22と密着接合され、内
部に液流路が完成する。なお、フレキシブルケーブル1
7(17a、17b)に配設された複数のコンタクトパ
ッド18(18a、18b)は、記録ヘッドカートリッ
ジ1を記録装置本体に装着したときに記録装置本体と電
気的信号のやりとりを行なうためのパッドである。
【0041】図3の(a)は、図2の(b)における記
録ヘッドのA−A線に沿って破断して示す部分断面図で
あり、同(b)は吐出口部分の拡大断面図である。
【0042】図3において、ヒーターボード19とフレ
キシブルケーブル17はリード線23にて繋がれてお
り、また、押さえばね21によってヒーターボード19
と液流路構成部材22を密着させることにより流路溝2
6および液室24が完成しており、また、この密着状態
における密閉性を向上させるために耐インク性および耐
ガスバリヤ性に優れた封止剤(不図示)を用いる。
【0043】そして、図3の(b)に示すような吐出口
16と流路溝26により構成される液流路において、吐
出口16から吐出される液滴の吐出方向は、液吐出面2
5に対する吐出口16の穴開け角度によって決定され
る。
【0044】ここで、吐出口の液吐出面に対する穴開け
角度が適正な記録ヘッドおよび適正でない記録ヘッドに
おける液滴の吐出状態について、図4ないし図6を用い
て説明する。
【0045】先ず、適正な吐出口角度で吐出口が形成さ
れた液体噴射記録ヘッドで構成された記録ヘッドカート
リッジにて記録液を吐出し記録紙へ着弾させた場合につ
いて図4を参照して説明する。
【0046】図4は、吐出口が液吐出面に対して適正な
穴開け角度をもって形成された液体噴射記録ヘッドを用
いて液滴を吐出した状態を図示するものであり、同
(a)は記録ヘッドの液流路の拡大断面図であり、同
(b)は記録紙に着弾した液滴を構成する主滴とサテラ
イトの着弾状態を示す着弾状態図であり、同(c)は記
録ヘッドから記録紙へ液滴を吐出した直後の状態図であ
る。
【0047】図4に図示する記録ヘッド1aにおける液
流路の吐出口16は、図4の(a)に示すように、液吐
出面25に垂直な線に対して適正な吐出口角度θ1 をも
って形成されており、この記録ヘッド1aにより記録紙
27に着弾した液滴は、図4の(b)に示す状態とな
る。28は液滴を構成する主滴であり、29は液滴を構
成するサテライトであって、サテライト29は主滴28
の内側に着弾しているために、画像として見るときサテ
ライト29は殆ど目立つことがない。すなわち、必要な
着弾画素のみを認識させる画像が得られている。なお、
図4の(b)中、矢印は、記録ヘッドの送り方向すなわ
ち主走査方向、および記録紙の送り方向すなわち副走査
方向をそれぞれ示す。
【0048】このように吐出口角度が適正な角度θ1
あるとき、主滴28とサテライト29は、図4の(c)
に示すように、吐出口16からθ1 方向に等しく吐出さ
れ、結果として図4の(b)に図示するようなサテライ
ト29の目立たない画像を得ることができる。
【0049】次に、適正な吐出口角度からはずれた角度
で吐出口が形成された記録ヘッドで構成された記録ヘッ
ドカートリッジにて記録液を吐出し記録紙へ着弾させた
場合について図5を参照して説明する。
【0050】図5は、吐出口の液吐出面に対する穴開け
角度が適正でない記録ヘッドを用いて液滴を吐出した状
態を図示するものであり、同(a)は記録ヘッドの液流
路の拡大断面図であり、同(b)は記録紙に着弾した液
滴を構成する主滴とサテライトの着弾状態を示す着弾状
態図であり、同(c)は記録ヘッドから記録紙へ液滴を
吐出した直後の状態図である。
【0051】図5に図示する記録ヘッド1aにおける吐
出口16は、図5の(a)に示すように、液吐出面25
に対して適正でない穴開け角度θ2 をもって形成されて
おり、この記録ヘッド1aにより記録紙27に着弾した
液滴は、図5の(b)に示す状態となる。28は記録紙
27に着弾した主滴であり、29はサテライトであっ
て、サテライト29は、主滴28の外側に着弾している
ために、目立った状態にある。すなわち、不必要な着弾
画素を認識させる画像となってしまっている。
【0052】これは、吐出口16が、液吐出面25に対
してθ2 という角度で形成されており、前述した記録ヘ
ッドにおける適正な吐出口角度θ1 と異なる吐出口角度
θ2となっているために、図5の(c)に図示するよう
に、主滴28とサテライト29が吐出口16からそれぞ
れ異なる角度θ2 とθ3 で吐出されてしまい、サテライ
ト29が目立つ着弾画像となってしまう。
【0053】また、前述した適正でない吐出口角度θ2
と逆方向に適正でない角度をもって吐出口が形成された
記録ヘッドで構成された記録ヘッドカートリッジにて記
録液を吐出し記録紙へ着弾させた場合について図6を参
照して説明する。
【0054】図6は、吐出口の液吐出面に対する穴開け
角度が適正でない記録ヘッドを用いて液滴を吐出した状
態を図示するものであり、同(a)は記録ヘッドの液流
路の拡大断面図であり、同(b)は記録紙に着弾した液
滴を構成する主滴とサテライトの着弾状態を示す着弾状
態図であり、同(c)は記録ヘッドから記録紙へ液滴を
吐出した直後の状態図である。
【0055】図6に図示する記録ヘッド1aにおける吐
出口16は、図6の(a)に図示するように、液吐出面
25に対して適正でない穴開け角度θ4 をもって形成さ
れており、この記録ヘッド1aにより記録紙27に着弾
した液滴は、図6の(b)に示す状態となる。すなわ
ち、主滴28の外側にサテライト29が着弾しているた
めにサテライト29は目立った状態にあり、不必要な着
弾画素を画像認識させる画像となってしまっている。
【0056】これは、吐出口16が、図6の(a)に示
すように、液吐出面25に対してθ 4 という角度で形成
されており、前述した記録ヘッドにおける適正な吐出口
角度θ1 と異なる吐出口角度θ4 となっているために、
図6の(c)に図示するように、主滴28とサテライト
29がそれぞれ吐出口16から異なる角度θ4 とθ5
吐出されてしまい、結果として、図6の(b)に図示す
るようにサテライト29が目立つ着弾画像となってしま
っている。この記録ヘッドは前述した適正でない吐出口
角度θ2 と逆方向に形成されているために、図6の
(b)に図示するように、図5の(b)の主走査方向
(ヘッド送り方向)と逆の主走査方向に記録ヘッドが送
られて液吐出される時に、図6の(b)に図示するよう
にサテライト29が目立つ着弾画像となる。
【0057】以上のように、液体噴射記録ヘッドの吐出
口角度が適正でない角度で形成された場合、吐出液滴を
構成する主滴とサテライトの吐出角度が異なり、記録ヘ
ッドカートリッジの主走査方向によってサテライトの目
立つすなわち不必要な着弾画素が目立つ着弾画像となっ
てしまう。
【0058】次に、本実施例における液体噴射記録ヘッ
ド検査装置を用いて、記録ヘッドの吐出角度を算出し、
かつ該算出結果を液体噴射記録ヘッドの製造工程(特
に、吐出口加工形成工程)へフィードバックする態様に
ついて説明する。
【0059】図7は、本発明の第1実施例における液体
噴射記録ヘッド検査装置を用いて、吐出角度を算出する
測定フローを示すフローチャートであり、以下、図7の
フローに沿って説明する。なお、この測定フローにおい
て、液体噴射記録ヘッドの基準座標、着弾点を測定する
ための吐出口および着弾点等の座標の測定は、図1に図
示するように、記録媒体11の下方に配置された画像処
理用カメラ(CCD)9により観察しそして画像処理す
ることにより行なう。図8の(a)は、図1に図示する
記録ヘッドカートリッジ1を構成する記録ヘッド1aを
垂線下方から画像処理用カメラ(CCD)9により画像
認識した状態を示すものであり、この画像は、記録媒体
11を介して認識されることとなる。したがって、記録
媒体11は、厚さが薄くかつ全光線透過率の高いものが
望ましく、前述したように、特に、厚さ200μm以下
で全光線透過率80%以上のものが好適である。
【0060】先ず、液体噴射記録ヘッド(記録ヘッドカ
ートリッジ)の取り付け(S1)は、図1に図示するよ
うに、記録ヘッド1aを液体噴射記録ヘッド検査装置の
ベースキャリッジ2に位置決め部材2a、2b、2cに
より固定する。なお、このとき記録装置本体での吐出状
態を装置再現するために、記録装置本体のキャリッジと
同様の位置決めが望ましい。そして、記録媒体の取り付
け(S2)は、記録媒体11を記録媒体吸着ベース10
上にエア吸着等により固定する。
【0061】S3およびS4において、記録ヘッド1a
の基準座標を測定する。ここで、記録ヘッド1aの基準
座標としては、記録ヘッド1aを加工する際に基準とし
た加工基準部位、あるいは記録装置本体への取り付け基
準位置を用いることができる。記録ヘッド1aの基準部
位を、Xステージ6やYステージ7等により基準座標測
定位置へ移動させ、画像処理用カメラ(CCD)9によ
り記録ヘッド1aの基準位置を観察し、画像処理するこ
とにより、基準座標を測定して記録する。
【0062】そして、S5において、着弾点を測定する
ための吐出口(以下、着弾点測定吐出口という。)をX
ステージ6やYステージ7等により画像処理用カメラ
(CCD)9の測定位置へ移動させる。図8の(a)に
おけるE部が着弾点測定吐出口であり、図8の(b)は
着弾点測定吐出口を観察した状態を示し、測定対象であ
る着弾点測定吐出口16の中心に測定カーソルFを合わ
せた状態にある。このとき、画像処理用カメラ(CC
D)9の焦点合わせはZステージ8の移動により行なう
ことができる。その後、着弾点測定吐出口の座標を測定
し記録する(S6)。
【0063】S7において、着弾点測定吐出口から記録
媒体に液滴を着弾すべく記録液を吐出する。なお、記録
液の吐出は、吐出口の乾燥状態すなわち記録液の蒸発に
よる粘性上昇や染料固着、さらには吐出口に付着する微
小ごみ等の影響を受けやすいので、例えば、次のような
予備吐出シーケンスを行なう必要がある。 1. 予備吐出 駆動周波数:2kHz×500発 2. 測定吐出 1発 これらの予備吐出と測定吐出は、予備吐出の効果が失わ
れない数秒間のうちに行なう必要がある。このような予
備吐出シーケンスの後に、着弾点測定吐出口から吐出さ
れた記録液が記録媒体11上に着弾した状態を図8の
(c)に図示する。図8の(c)においては主滴28と
サテライト29が観察されている。
【0064】次に、S8において、Zステージ8を用い
て画像処理用カメラ(CCD)9を移動調整して記録媒
体11上の着弾液滴28、29に焦点合わせを行ない、
次いで、図8の(c)に図示するように、液滴を構成す
る主滴28とサテライト29のそれぞれの中心に測定カ
ーソルG、Hを順次合わせて、画像処理することによ
り、それぞれの座標を測定し記録する。
【0065】そして、S10およびS11において、前
述のように測定し記録されたそれぞれの座標値に基づい
て演算処理を行ない、主滴およびサテライトの吐出角度
を算出する。すなわち、着弾点測定吐出口の記録座標と
記録媒体着弾液滴の画像認識Z座標差分より、吐出口と
記録媒体間の距離(Z方向)を算出し(S10)、そし
て、着弾点測定吐出口の記録座標と記録媒体着弾液滴の
画像認識水平座標差分から吐出口と記録媒体着弾液滴間
の水平距離を算出し、これらの吐出口と記録媒体着弾液
滴間の距離(Z方向)と水平距離から液吐出角度を算出
する(S11)。
【0066】以上のように、本実施例の液体噴射記録ヘ
ッド検査装置を用いることにより、図4の(b)、図5
の(b)および図6の(b)に図示するような着弾液滴
画像を、記録装置本体や記録紙を用いることなく得るこ
とができ、そして、記録ヘッドから吐出される液滴の決
められた画素位置に対して着弾位置がどの程度ずれてい
るか、さらに吐出口の位置が適正かどうか等を確認で
き、さらに、着弾液滴を構成する主滴およびサテライト
のそれぞれの吐出角度を算出することができる。その結
果、主滴とサテライトのそれぞれの吐出角度に差異が認
められれば、適正な液の吐出角度でないと判断し、測定
されかつ算出されたデータを液体噴射記録ヘッドの製造
工程、特に吐出口加工形成工程、へフィードバックし、
吐出口加工角度を適宜調整することが可能となり、測定
されかつ算出されたデータを製造工程に速やかに反映さ
せることができ、適正でかつ高品位な液体噴射記録ヘッ
ドを製造することが可能となる。
【0067】また、必要に応じて、測定座標を演算処理
することで、図4の(b)、図5の(b)および図6の
(b)に図示する着弾液滴列の長さを確認することも可
能である。
【0068】次に、記録ヘッドカートリッジを構成する
液体噴射記録ヘッドに2種類の記録液であるインク(I
およびJ)が搭載されている場合について説明する。
【0069】図9の(a)は、穴開け角度が適正な吐出
口30(インク:I)と穴開け角度が適正でない吐出口
31(インク:J)を有する液体噴射記録ヘッドで構成
された記録ヘッドカートリッジを液吐出面側から見た平
面図であり、図9の(b)は、記録ヘッド1aの液流路
の拡大断面図であり、吐出口30は液吐出面25に対し
て適正な吐出口角度θ6 で形成され、吐出口31は液吐
出面25に対して適正でない吐出口角度θ7 で形成され
ており、すなわち、インクJを吐出する吐出口31は、
適正な吐出口角度θ6 と異なる吐出口角度θ7 となって
いる状態を図示する。そして、図10の(a)は、図9
に図示する液体噴射記録ヘッドの吐出口30、31から
それぞれ吐出されたインクの記録紙27に着弾した液滴
の主滴32、34とサテライト33、35の着弾状態を
示す図面であり、図10の(b)は記録ヘッド1aから
記録紙27へインクI、Jを吐出した直後の状態図であ
る。
【0070】図10の(a)において、記録紙27に吐
出されたインクIは、適正な吐出口角度θ6 で形成され
た吐出口30から吐出されているために、主滴32の内
側にサテライト33が着弾している。したがって、サテ
ライトの目立たない必要な着弾画素のみを画像認識させ
る画像となっている。しかし、適正でない吐出口角度θ
7 で形成された吐出口31から吐出されたインクJは、
主滴34の外側にサテライト35が着弾しているため
に、サテライトの目立つすなわち不必要な着弾画素を画
像認識させる画像となってしまっている。
【0071】図10の(b)は記録ヘッド1aから記録
紙27へインクI、Jを吐出した直後の状態図であり、
インクIの主滴32およびサテライト33は吐出口30
からθ6 方向へ等しく吐出されており、結果として、図
10の(a)に図示するようにサテライトの目立たない
着弾画像となる。一方、インクJの主滴34およびサテ
ライト35は吐出口31からそれぞれθ7 およびθ8
向へ吐出されており、結果として、図10の(a)に図
示するようにサテライトの目立つ着弾画像となってしま
っている。ここで、両吐出口30および31間の距離L
は決められた画素位置に対してどの程度ずれてしまうか
の重要な要因となる。すなわち、両吐出口間の距離Lが
大きければ、図10の(a)に図示するインクIとイン
クJの着弾ずれKは比例して大きくなるからである。
【0072】以上のように、インクJを吐出する吐出口
31は、適正な吐出口角度θ6 と異なる吐出口角度θ7
で形成されており、図10の(a)および(b)に図示
するように、インクJは主滴34とサテライト35がそ
れぞれ異なる角度で吐出されてしまい、サテライトの目
立つ着弾画像となってしまう。
【0073】なお、本実施例における吐出口30および
31からそれぞれ吐出されるインクは、それらの用途に
応じて種々選択することができる。例えば、高精細でか
つ高画質な画像を得るために、インクのそれぞれの染料
濃度を変化させる。あるいは、インクの耐水性を向上さ
せるために、記録処理液として次のような組成の処理液
をインクIかJのいずれか一方に搭載する。 <記録処理液組成> グリセリン 7部 ジエチレングリコール 7部 ポリアリルアミン 4部 塩化ベンザルコニウム 1部 水 残部 (なお、上記処理液を酢酸によりpH=7.5に調整す
る。)
【0074】この記録処理液を搭載する場合は、インク
IとJの着弾ずれK(図10の(a))が半ドット以上
ずれてしまうと、インクの耐水性が著しく低下してしま
うため、主滴とサテライトの吐出角度差だけでなく、決
められた画素位置に対してどの程度ずれてしまうかも重
要な検査項目となる。
【0075】また、前述した測定フローのS7(図7)
において安定した液吐出を得るために予備吐出シーケン
スを行なっているが、上記記録処理液は通常のインクよ
りも乾燥やごみ等の影響を受けやすいために、例えば、
次のような予備吐出シーケンスを行なう必要がある。 1. 予備吐出 駆動周波数:2kHz×1000発 2. 測定吐出 1発 これらの予備吐出と測定吐出は、予備吐出の効果が失わ
れない数秒間のうちに行なう必要があり、そして、イン
クや記録処理液の組成の変更に応じて予備吐出シーケン
スを適宜変更する必要がある。
【0076】また、上記記録処理液は無色透明であって
視認性が悪いため、記録媒体に下記の組成の塗工液を塗
布することにより、着弾点を発色させるようにすること
がより好適である。 <記録媒体塗工液組成> ポリビニールアルコール(PVA−205 クラレ(株)製) 15部 ブロモチモールブルー 0.4部 水 残部
【0077】このような組成の塗工液を厚さ100μm
のポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥膜厚1
0μmとなるように塗布、乾燥させ、受容層を形成す
る。
【0078】次に、本発明の第1実施例の液体噴射記録
ヘッド検査装置を用いて、2種類の記録液を搭載した記
録ヘッドカートリッジにおける各吐出口の吐出角度を算
出し、かつ液体噴射記録ヘッドの製造工程へフィードバ
ックする態様について説明する。
【0079】図11は、図1に図示する液体噴射記録ヘ
ッド検査装置を用いて、記録ヘッドの各吐出口の吐出角
度をそれぞれ算出する測定フローを示すフローチャート
であり、以下、図11のフローに沿って説明する。
【0080】S21〜S24においては、図7の測定フ
ローに関連して説明したS1〜S4と同様に、液体噴射
記録ヘッド検査装置にそれぞれ液体噴射記録ヘッドおよ
び記録媒体を取り付け、そして液体噴射記録ヘッドの基
準位置を測定して記録する。
【0081】次いで、S25〜S29において、着弾点
を測定するための着弾点測定吐出口30および吐出口3
0から吐出された着弾液滴32、33(図10参照)に
ついて、図7の測定フローに関連して説明したS5〜S
9と同様に、それらの座標を測定し記録する。そして、
S30〜S34においては、着弾点測定吐出口31およ
び吐出口31から吐出された着弾液滴34、35(図1
0参照)についても、図7の測定フローに関連して説明
したS5〜S9と同様に、それらの座標を測定し記録す
る。その後、S35およびS36において、図7の測定
フローに関連して説明したS10〜S11と同様に、そ
れぞれの着弾点測定吐出口30と31および着弾液滴3
2、33、34、35の記録座標に基づいて、吐出口と
記録媒体間の距離(Z方向)および吐出口と着弾液滴間
の水平距離を算出し、そして、吐出口30と31のそれ
ぞれの液吐出角度を算出する。
【0082】以上のように、本発明の第1実施例におけ
る液体噴射記録ヘッド検査装置を用いることにより、図
10の(a)に図示するような着弾インクIおよびJの
画像を、記録装置本体や記録紙を用いることなく得るこ
とができ、そして、各吐出口から吐出されるそれぞれの
液滴の決められた画素位置に対して着弾位置がどの程度
ずれているか、さらに各吐出口の位置が適正かどうか等
を確認でき、さらに、着弾インクIおよびJのそれぞれ
の主滴およびサテライトの吐出角度を算出することがで
きる。主滴とサテライトの吐出角度に差異が認められれ
ば、適正な液吐出角度でないと判断し、測定されかつ算
出されたデータを液体噴射記録ヘッドの製造工程、特に
吐出口加工形成工程、へフィードバックし、吐出口加工
角度を適宜調整することが可能となり、測定されかつ算
出されたデータを製造工程に速やかに反映させることが
でき、適正な液吐出角度を有しかつ高品位な液体噴射記
録ヘッドを製造することが可能となる。
【0083】また、必要に応じて測定座標を演算処理す
ることで、図10の(a)に図示する着弾インク列の長
さを確認することも可能である。
【0084】そして、前述した記録処理液を搭載する場
合や高精細でかつ高画質な画像に重要な着弾位置ずれの
要因となる吐出口30、31間の距離Lは、図11に示
す測定フローにおけるS26およびS31の記録座標差
分を演算処理することで容易に確認可能である。
【0085】なお、図12は、以上に説明した吐出口形
成角度や形成位置を適正にフィードバックするフローを
示すフローチャートである。図12において、工程
[A]は、液体噴射記録ヘッドの製造工程であり、工程
[B]は、本発明の液体噴射記録ヘッド検装置による検
査工程と、測定されあるいは算出された着弾点の位置ず
れや吐出角度、吐出口の位置ずれ等に応じてそれらのデ
ータを必要に応じて吐出口加工工程へフィードバックす
る態様を図示する。これにより、記録装置本体や記録紙
を用いることなく、記録ヘッドの着弾液滴の位置ずれや
吐出口の位置ずれ、さらに液吐出角度を測定することが
でき、しかも、それらのデータを記録ヘッドの製造工程
に速やかにフィードバックし反映させることができ、適
正な液吐出角度を有しかつ高品位な記録ヘッドを製造す
ることが可能となり、製品の歩留まりを大きく向上させ
ることができる。
【0086】(第2実施例)図13は、本発明の第2実
施例の記録ヘッド検査装置の主要構成を概略的に図示す
る斜視図であり、図14は、本発明の第2実施例の記録
ヘッド検査装置の制御系の構成ブロック図である。
【0087】液体噴射記録装置等の記録装置は、一般
に、記録ヘッドを搭載する記録ヘッドキャリッジを紙送
り方向と直交する方向に往復移動させて画像形成を行な
うように構成されており、記録ヘッドの印字着弾性能
は、記録要素の位置と、静止状態にある記録要素と記録
紙との間に所定の距離をおいて記録される着弾位置との
位置関係で計測することができる。したがって、記録ヘ
ッドの検査装置としては、記録装置本体での画像記録状
態を再現するために、装置本体と同様に記録要素と記録
紙の間隔距離を満足し、かつ装置本体のキャリッジと同
様の記録ヘッド固定機構を具備することが重要である。
【0088】図13において、記録ヘッド41を固定す
るための記録ヘッド固定機構は、XおよびY方向に移動
可能な移動ステージ(不図示)に搭載された記録ヘッド
固定治具42を有し、この記録ヘッド固定治具42には
記録ヘッド41を受け入れる貫通した開口部42aおよ
び記録ヘッド41の基準部に当接するL字形の当接部材
43が配設され、さらに、L字形の当接部材43の各直
線部に対向する部位にX軸突き当てシリンダ44および
Y軸突き当てシリンダ45が設けられている。そして、
装置本体と同様に記録ヘッドを挿入方向特定位置に規制
する機構(不図示)を設けておくことが望ましい。記録
ヘッド41を記録ヘッド固定治具42に装着するに際し
て、記録ヘッド41を開口部42aに挿入し、記録ヘッ
ド41の基準部をL字形の当接部材43に当接させると
ともに、X軸およびY軸の突き当てシリンダ44および
45を作動させてより確実に当接部材43に当接させ
て、記録ヘッド41を固定する。このように、記録ヘッ
ド固定機構を装置本体のキャリッジのヘッド固定部と同
様の機構および同様の態様とすることにより、記録ヘッ
ドの装着形態を記録ヘッド検査装置において再現するこ
とができる。
【0089】図示しない移動ステージに搭載された記録
媒体固定台46上には記録媒体47が吸着等により固定
される。この記録媒体47は、記録ヘッド固定治具42
に固定される記録ヘッド41の下方に位置付けられ、こ
の記録ヘッド41の記録要素との間隔は、装置本体にお
ける記録要素と記録紙の間隔の規定値となるように設定
されている。そして、記録媒体47としては図示するよ
うに連続シートの形態でも良いが、光透過性に優れたO
HPシートのようなものが望ましい。
【0090】記録ヘッド固定治具42に固定される記録
ヘッド41の記録要素や記録媒体47上に着弾された記
録画素(あるいは液滴)を観察し画像処理するための画
像処理用カメラ48は、記録媒体固定台46の下方に配
置され、Z方向に移動可能なステージ(不図示)に搭載
される。画像処理用カメラ48により記録ヘッド41の
記録要素を観察し画像処理する際に、記録媒体47が光
透過性材料であれば、観察の都度記録媒体47や記録媒
体固定台46を退避させることなく、記録媒体47を通
して記録ヘッド41の記録要素を観察することが可能と
なる。
【0091】記録ヘッド41を固定した固定機構と記録
媒体固定台46は高精度に位置決めされていることが、
本検査装置の必要条件となる。そして、本検査装置は装
置自身の精度が規定値を達成できない場合、その精度を
補正することができるような機能を備えておくことが望
ましい。また、記録ヘッドを測定する際には、必ず検査
装置の精度を確認するシーケンスを通過することが重要
である。
【0092】図13で説明した各機構は、図14に図示
するように、ホストとなるCPU60から各制御手段を
介して制御される。記録制御手段61は、記録ヘッド4
1の印字動作に必要な駆動信号を作成し、同時に記録ヘ
ッド41に印加する電圧の制御も行なう。シリンダ・ス
テージ制御手段62は、記録ヘッドの固定用シリンダを
制御し、さらに印字記録や画像処理の際に各移動ステー
ジを移動させるパルスモータ等のドライバーを含む。移
動ステージは、記録ヘッド固定治具42と記録媒体固定
台46を同時にX方向およびY方向に移動させ、また、
画像処理用カメラ48はZ方向のみに移動可能とする。
これらの移動ステージは各ステージのピッチングとヨー
イングを極力抑えたものであることが重要である。画像
処理制御手段63は、画像処理用カメラ48を介して、
記録ヘッド41の位置決め基準部、記録要素、記録媒体
に着弾した記録ドット等を観察して、それらの画像演算
処理を行なうほか、装置精度の確認ポイントを計測す
る。装置精度確認手段(不図示)は、前記シリンダ・ス
テージ制御手段62とリンクして達成するほか、レーザ
ー測長器等を用いたフィードバック手段でもよい。ま
た、CPU60は、本検査装置にて測定された測定デー
タを記録ヘッド製造工程にフィードバックしうるように
通信する手段を備えている。
【0093】次に、本発明の第2実施例の記録ヘッド検
査装置を用いた検査手順を、動作フローチャートである
図15に沿って説明する。
【0094】記録ヘッド検査装置は、S41およびS4
2において、電源立ち上げと同時に原点出しを含む動作
待機状態にするための立ち上げ処理を開始する。ここ
で、検査装置に異常があれば再度原点出しを行ない、問
題がある場合には異常終了処理に移行する。正常な場合
には検査装置は記録ヘッドの装着を促し(S43)、記
録ヘッド装着後、装置精度を確認するシーケンスに移行
する(S44)。この機能は、測定データの信頼性を確
実なものにする重要な機能であり、この装置精度確認シ
ーケンスは、記録ヘッドおよび当接部材に固定された記
録ヘッドの状態が正確な測定を達成できるかどうか判断
することにある。その判断項目は、(1) 記録ヘッドの確
実な取り付けが達成されているか、(2) 検査装置の初期
位置において、オフセットを必要とするような要因が発
生していないか、等である。
【0095】(1) の要因は、完全突き当て方式ならば、
発生の可能性は低いが異物等によるずれが懸念される。
この場合には通常位置にて画像処理できないため再試行
となる。また、(2) の要因は、記録ヘッドの誤挿入と検
査装置の精度不良があげられる。記録ヘッドが誤挿入状
態で当接部材へ突き当てされると、記録ヘッドの表面
(液体噴射記録ヘッドにおいては吐出口プレート)の平
行度が出なくなり、測定精度(液体噴射記録ヘッドにお
いては吐出角度等の測定精度)を落とすこととなる。同
様に、検査装置自身が精度を得られないような状態にあ
るときも測定精度が落ちる。本検査装置は、これらの測
定精度を確実なものにするために、 (1) 記録ヘッドの表面(例えば、液体噴射記録ヘッドに
おいては、吐出口プレート)上を少なくとも3点画像処
理することで記録ヘッドの取り付け平行度を確立する。 (2) 記録ヘッド固定治具の裏側を少なくとも3点画像処
理することで検査装置精度を確立する。 (3) 前記の(1) または(2) が適切でない場合、3次元座
標にオフセット処理をすることで高精度測定に対応する
フィードバック機能を必要とする。
【0096】そして、S44の装置精度確認が終了する
と、基準位置設定を行なうシーケンスに移行する(S4
5)。この基準位置の設定は、図16を参照して以下に
説明するように行われる。ここで設定した測定基準によ
り後述する各種のデータが測定される。
【0097】図16の(a)は、基準位置の設定を説明
するために、記録ヘッド固定治具における当接部付近を
図示する概略図であり、L字型の当接部材43に記録ヘ
ッドの基準部が当接している状態を図示する。図16の
(a)において、50は、記録ヘッドの一例としての液
体噴射記録ヘッドの吐出口プレートであり、吐出口プレ
ート50上に2個の吐出口列51および52が形成され
た型式のものである。なお、当接部材43は、記録ヘッ
ドの形態により種々変更することができ、図示の形状に
限定されるものではない。また、図16の(b)は当接
部付近を拡大して図示するものであり、当接部材43に
当接させる部位は記録ヘッドの吐出口プレート50でな
くともよいが、同図においては、当接部材43に記録ヘ
ッドの吐出口プレート50の基準部が少なくとも4点接
している状態を示す。これらの少なくとも4点を画像処
理用カメラ48(図13)により観察し画像処理するこ
とにより、a、bの2点でX軸を規定し、c、dの2点
でY軸を規定し、このX軸とY軸の交点を測定の原点O
(Xo,Yo)とする。なお、原点Oを設定する方法は
記録ヘッドの形状に依存し、他にも考えられる。例え
ば、X軸のみを規定し他の一点から原点を規定すること
もでき、あるいは記録ヘッドの理想基準点を特定ポイン
トからある角度を持たせて設定したり、装置原点そのも
のを対応させる方法もある。各ポイントの認識は画像処
理検出によって達成することができる。これら手法によ
り、記録ヘッド検査装置においては、記録ヘッドの基準
部から吐出口位置や着弾位置を相対的に計測することが
できる。
【0098】次いで、各種のデータを測定する。測定デ
ータとしては記録ヘッドの必要な特性に合わせて取得す
ることができるが、本実施例の検査装置においては、以
下の項目を測定できる機能を有する。 (1) 記録要素位置の測定(S47〜S48) (2) 記録ドット着弾位置の測定(S49〜S51) これらの測定ポイントを任意に設定して、画像処理用カ
メラ48によりそれぞれの測定ポイントに焦点合わせを
して観察しそして画像演算処理することによって各測定
ポイントのデータを得るものである。個別の測定ポイン
トについては後述する。なお、これらの測定に当たって
は、記録制御手段により、記録ヘッドの構成や特性に応
じて種々の記録パターンを記録印字しうるように制御さ
れ、また、記録ドット着弾位置の測定に際しては、通常
の装置本体での記録と同様の安定した記録状態で行なわ
れることが望ましく、S50において、測定する記録ド
ット着弾に先立って、記録ドットの着弾が安定するまで
予備的に記録パターンの記録印字を行ない、記録印字状
態が安定した後に、測定する記録ドットを記録媒体に着
弾させることが好ましい。
【0099】そして、S52において、測定データは、
記録ヘッドの必要な特性に合わせて演算処理され、総合
的な判定をモニタ、ファイル等に出力する。製造工程デ
ータとして製造装置に反映させるために、直接通信した
り、工程内ネットワークにアクセスできるようにしても
良い。このようにして、記録ヘッドの特性を知るととも
に、製造工程に反映させることも可能である。次いで、
さらに別の記録ヘッドの測定を行なうとき(S53)
は、S43に戻って繰り返し測定を行ない、測定を終了
する際には測定終了動作のシーケンスを行ない終了する
(S54)。
【0100】以下、本実施例の検査装置における個別測
定項目を、液体噴射記録ヘッドを例にとって説明する。
【0101】記録要素である吐出口の位置測定(図15
におけるフローチャートのS47〜S48)は、図13
に図示する記録ヘッド検査装置において、記録ヘッド固
定治具42に固定された記録ヘッド(液体噴射記録ヘッ
ド)41の吐出口を、画像処理用カメラ48により焦点
合わせをして観察しそして画像処理することにより行な
うことができ、また、記録ドットである液滴(インク)
の着弾位置の測定(図15におけるフローチャートのS
49〜S51)は、記録ヘッド41の吐出口から液滴を
吐出させ記録媒体47上に着弾させた後に、その着弾液
滴を画像処理用カメラ48により焦点合わせをして観察
しそして画像処理することにより行なうことができる。
なお、液滴着弾位置の測定において、測定する液滴の吐
出(S50)は、通常の装置本体での記録液の吐出と同
様の安定した状態で行なわれることが望ましく、測定す
る液滴の吐出の先立って、液滴の吐出が安定するまで予
備的に記録パターンの液滴吐出を行ない、吐出が安定し
た後に、測定する液滴を記録媒体に着弾するように吐出
することが好ましい。
【0102】記録ヘッドの吐出口の位置に対する液滴着
弾位置の関係を測定する概念図を図17の(a)に図示
し、また、図16の(a)に示すように2列の吐出口列
を有する記録ヘッドの場合には、図17の(b)のよう
に吐出口列の相対位置関係も測定可能である。なお、吐
出口を○印で示された形状とすると、その中心(重心)
座標は+で示され、着弾形状は○内に斜線を施した形状
で示す。
【0103】これらの測定データはそれぞれX方向、Y
方向の座標を持ち(なお、Z方向の座標は平行確認用で
ある)、基準位置からの相対的な位置関係を知ることが
でき、例えば、吐出口位置に対する着弾位置の(Xおよ
びY)ズレ、1列目と2列目の吐出口位置の(Xおよび
Y)相対距離や1列目と2列目の着弾位置の(Xおよび
Y)相対距離等のデータが得られる。このように、記録
ヘッドの吐出特性を直接的に確認できるので、これらの
取得データから液滴の吐出角度等のデータを得ることが
できる。すなわち、液滴の吐出角度については、吐出口
位置と着弾位置間の距離および吐出口から記録媒体まで
間隔距離により算出できる。そして、例えばある特定の
角度分オフセットされた形でデータが得られた場合、こ
の結果をインクジェット記録ヘッドの吐出口穴開け工程
に反映させることで、工程の製造バラツキを解消するこ
とができ、歩留まりを向上させ、低コストで高画質の記
録ヘッドを製造することが可能となる。このサイクルを
定期的に行ない、逐次反映するように工程設定すれば、
自己完結型の工程システムを構築することができる。今
後、さらに液体噴射記録ヘッドの高精細化が進むなか、
安定した製造工程システムを具現化することが可能とな
る。
【0104】図18の(a)および(b)は、液体噴射
記録ヘッドの吐出口位置と液滴着弾位置を、それぞれの
設計値と実測値とを比較する概念図である。設計位置を
○印で示し、その中心(重心)座標を+で示す。実測形
状は○内に斜線を施した形状で示す。測定データはそれ
ぞれX方向、Y方向の座標を持ち、設計値に対してバラ
ツキの絶対量を知ることができる。この機能は、液体噴
射記録ヘッドの吐出口位置と液滴着弾位置についての製
造工程能力を直接的に確認することができるので、規格
値を設定すれば、これらの取得データから簡単に製品の
OK/NGの判別ができる。
【0105】図19の(a)および(b)は、液体噴射
記録ヘッドの吐出口列としての吐出口および着弾位置の
特性を確認する概念図である。吐出口および着弾位置の
実測形状を○印で示し、その中心(重心)座標は+で示
す。測定データはそれぞれX方向、Y方向の座標を持
ち、吐出口列の設計値に対してバラツキの絶対量を知る
ことができる。さらに、隣接吐出口や着弾位置毎の詳し
い位置関係、吐出口列および着弾位置列の実測近似直線
からどれだけ外れているか、また、最大値および最小値
等の統計演算処理も可能である。この機能は、液体噴射
記録ヘッドの吐出口位置についての製造工程能力を直接
的に確認することができるので、規格値を設定すれば、
これらの取得データから簡単に製品のOK/NGの判別
ができる。
【0106】図20の(a)は、液体噴射記録ヘッドの
特殊なパラメータ特性、すなわち基準位置からの絶対ポ
イント2点と各吐出口列の着弾近似直線の相対角度、を
確認する概念図である。図20の(b)には、この測定
に必要な着弾ポイントを基準位置に近い方の吐出口列で
示し、着弾形状は○内に斜線を施した形状で示し、その
中心(重心)座標は+で示す。基準位置からの絶対ポイ
ント2点と各吐出口列の着弾近似直線の相対角度の測定
は、複数の吐出口列を有する記録ヘッドにおいて重要な
パラメータとなる。このパラメータが規格値を超える
と、記録ドットが理想格子状に着弾しないばかりか、こ
のような記録ヘッドを記録装置本体のキャリッジに複数
個搭載する場合、記録装置としての機能を満たすことが
できなくなる。このポイントはそれぞれX方向およびY
方向の座標を持ち、吐出口列の設計値に対してバラツキ
の絶対量を知ることができる。各吐出口列における基準
座標軸に対する角度と列中心座標は、記録ヘッドの着弾
目標として重要である。同様に規格値を設定すれば、こ
れら取得データより簡単にOK/NG判別ができる。い
ずれの場合においても、基準位置に対する測定データが
取得できれば、その後の必要な記録ヘッド特性データ取
得は演算処理のみで可能である。
【0107】(第3実施例)以上説明した各実施例で
は、算出されたデータは記録ヘッドの製造工程内でフィ
ードバックをかけるために利用されているが、このデー
タを液体噴射記録ヘッドに記録もしくは記憶することも
可能である。そこで、本実施例において、本発明の液体
噴射記録ヘッドの着弾点検査方法により算出された液滴
の吐出角度等に関するデータを備える記録ヘッドの例に
ついて、図21ないし図25を用いて説明する。
【0108】図21は、記録媒体上の着弾点ばらつきを
規定する一例を示す図である。本実施例においては、着
弾点を中心ランク(または規定中心値)として定義
し、その前後の補正可能範囲を3ランクに分けた。ラン
クが設定されている横方向は、組合わせるヘッド着弾点
に対応するノズルを印字する時間調整で補正することが
でき、ランク分けされている範囲はこの時間調整で補正
できる範囲にあるものである。例えば、第1ヘッドの第
1ノズル目を印字したときの着弾点をの中心値と仮定
し、本来第2ヘッドが同一点で印字されるはずの着弾点
がの位置となった場合、そのランク差分の印字開始時
間を調整すればよい。もちろん、それぞれのヘッドの着
弾点を個別にランク分けして、そのランクが全て特定ラ
ンク位置になるように時間調整してもよい。
【0109】図22は、本実施例における着弾ランク作
成に関するフローチャートである。このフローチャート
に入る前に、着弾点の時間調整可能な範囲を設定してお
き、それをもとに、補正可能な範囲のランクとそれ以外
のランクとに予めランクを作成しておく。このランクテ
ーブルをもとに図22に示す着弾点ランク作成フローが
開始される。
【0110】前述の検査方法により着弾位置データを測
定し(S61)、このデータをもとに任意設定されたノ
ズルにおける着弾位置のランクを作成する(S62)。
その着弾位置が補正範囲内か否かをチェックし(S6
3)、補正範囲内のランクであれば、記録ヘッドに補正
データを書き込み(S64)、正常終了となる。また、
着弾位置が補正範囲外のランクであれば、NGなので書
き込みは行なわず(S65)、異常終了して、この記録
ヘッドを排出する。その上で、前述の各実施例にあるよ
うに製造工程へのフィードバックを行なうことがより望
ましい。
【0111】図23は、本実施例における記録ヘッド検
査装置と記録ヘッドの関係を示すブロック図である。図
22において説明したランク分けは、図23に図示する
記録ヘッド検査装置(着弾位置測定)64のランク分け
データ作成部65で行なわれる。記録ヘッド検査装置6
4は、データ書き込み手段としてのメモリ制御部66を
備えており、このメモリ制御部66によって、上述のデ
ータを記録ヘッド67上のメモリ(記憶手段)68に書
き込むことができる。また、必要に応じて書き込まれた
データを再度記録ヘッドから読み込むことができるよう
にしていてもよい。ここで、記録ヘッド67の記憶手段
68としては、記録ヘッド上の特定パターンのカット
や、記録ヘッド上の半導体回路の状態変化を用いてもよ
く、EEPROM等のメモリを用いてもよい。いずれの
場合であっても、記録装置本体(プリンタ本体)と通信
できる端子の一部(記録装置との電気的接続部が望まし
い)にこれらのデータを反映できる機能を持たせればよ
い。この図23から明らかなように、記録ヘッド検査装
置64に記録ヘッド67上の記憶手段68への書き込み
手段を持たせることで、製造工程を複雑化させることな
く、記録ヘッド67に対して吐出角度等の情報を付与す
ることができる。
【0112】次に、上述した記録ヘッドを搭載可能な記
録装置について図24を参照して説明する。図24は、
本発明の一実施形態にかかる液体噴射記録装置を示す概
略斜視図である。
【0113】本実施形態の液体噴射記録装置は、上述し
た記録ヘッド67を備えるとともに、該記録ヘッド67
へインクを供給するためのインクタンク71を着脱自在
に分離可能な記録ヘッドカートリッジ70を搭載可能で
ある。図24に図示する例では2つの記録ヘッドカート
リッジ70がキャリッジ72に不図示の機構により着脱
自在に装着される。キャリッジ72はガイドレール75
と摺動可能に係合し、また、不図示のモータにより回転
駆動される一対のプーリー74に張られたベルト73の
一部と接続している。これにより、キャリッジ72はガ
イドレール75に沿った移動が可能となる。また、キャ
リッジ72の下方では被記録媒体としての記録紙が不図
示の紙送り機構により所定量づつ搬送され、この記録紙
の搬送毎にキャリッジの移動による記録ヘッドの走査が
行なわれることにより、記録紙上に画像等の記録がなさ
れて行く。76はフレキシブルケーブルであり、記録ヘ
ッドへの画像データ送信等を行なうためのものである。
なお、キャリッジ72の移動範囲の一端には、吐出回復
ユニット77が設けられ、例えばそのキャップ78によ
り各記録ヘッドの吐出口が配設された面をカバーするこ
とができる。
【0114】図25は、上述の図24に示す記録装置の
制御回路の構成を示すブロック図である。図25におい
て、100は記録信号を入力するインターフェース、1
01はMPU、102はMPU101が実行する制御プ
ログラムを格納するROM、103は各種データ(上記
記録信号や記録ヘッド67に供給される記録データ等)
を保存しておくDRAMである。104は記録ヘッド6
7に対する記録データの供給制御を行なうゲートアレイ
(G.A.)であり、インターフェース100、MPU10
1、DRAM103間のデータ転送制御も行なう。10
5は記録ヘッド67を駆動するヘッドドライバ、10
6、107はそれぞれフィードモータ110、キャリッ
ジモータ111を駆動するためのモータドライバであ
る。そして、109は記録ヘッド67のメモリ等の記憶
手段68の内容を読み取るための読取り手段である。な
お、読み取ったデータから上述の記録ヘッド67のラン
クデータをMPU101やインターフェースを通して外
部で作成する場合は、この読取り手段は単なる記録ヘッ
ドとの電気的接続部であってもよい。
【0115】上記制御回路の動作を説明すると、記録装
置に装着された記録ヘッド67のメモリ等の記憶手段6
8から、読取り手段109によって記録ヘッド67のラ
ンクデータの読取りを行なう。そして、インターフェー
ス100に記録信号が入るとゲートアレイ104とMP
U101との間で記録信号がプリント用の記録データに
変換される。このとき、上述の読み取られたランクデー
タをもとに、現在装着している記録ヘッドに最適な吐出
タイミングの調整を行なうように、データを補正する。
そして、モータドライバ106、107が駆動されると
ともに、ヘッドドライバ105に送られた記録データに
したがって記録ヘッド67が駆動され、記録が行なわれ
る。このときの記録ヘッドの駆動は、上述の記録ヘッド
67内のメモリ68の情報が吐出タイミングなどに反映
されたものとなり、このような補正を行なわない場合に
比べ、着弾点位置ずれを防止することで高品位な記録を
行なうことができる。
【0116】なお、記録装置において、記録ヘッドのラ
ンクデータを読み取るタイミングやその方法は、記録ヘ
ッドの装置への取り付け時や印刷実行時など、記録装置
の構成にあわせて任意に設定できるものである。
【0117】上述の説明では、第1ヘッドと第2ヘッド
との着弾点位置ずれについての例で説明を行なったが、
2以上の組み合わせにおいても適用できることはいうま
でもない。また、記録ヘッドに設けられた記憶手段の形
態に左右されるものでもない。いずれにしても、本実施
例により、組み合わせヘッドの着弾点位置ずれのない、
高品位な記録を行なうことのできる記録装置を提供する
ことができる。
【0118】加えて、本実施例の記録装置によれば、吐
出タイミングなどの補正を行なわない場合には若干の着
弾点位置ずれが生じるような記録ヘッドであっても、記
録装置側で吐出時にその吐出タイミングなどの補正を行
なうことでその着弾点位置ずれを修正できるので、記録
ヘッドの歩留まりを向上させることができるという効果
がある。また、本実施例の記録ヘッドは、予め着弾点位
置の補正のためのデータを備えているために、記録ヘッ
ドを記録装置に装着した際に、ユーザが着弾点位置補正
用の確認パターンを印刷する必要がなくなるという利点
もある。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液体噴射記録ヘッドから吐出される液滴の決められた画
素位置に対して着弾位置がどの程度ずれているか、さら
に吐出口の位置が適正かどうか等を確認し、また、液滴
を構成する主滴とサテライトの各々の吐出角度を測定す
ることができ、記録媒体にサテライトが認められた場合
や決められた画素位置に対して着弾位置がずれている場
合等においては、液体噴射記録ヘッドの製造工程に吐出
口形成角度を変更すべく素早くフィードバックすること
が可能となる。これにより、測定されそして算出された
データを記録ヘッドの製造工程に速やかに反映させるこ
とができ、高品位な記録ヘッドを製造することが可能と
なり、製品の歩留まりを大きく向上させることができ
る。また、本発明によれば、記録装置本体にて印字を行
なうことなく記録ヘッドの検査を行なうことができ、さ
らに、必要最低限度の記録媒体を使用すれば良く、現状
の検査方式よりもエコロジーな検査方式となる。
【0120】また、本発明によれば、記録装置本体と同
様な記録ヘッド当接機構により記録ヘッドを固定した状
態で、印字制御により記録された記録ドットを画像処理
することで、装置本体のキャリッジに対する記録ヘッド
の取り付け時と同様な態様での相対的な記録状態までも
検査できるので、記録ヘッド単体ではわかりにくい記録
装置本体上での相対ずれ量や絶対ずれ量が測定可能であ
る。これらの測定データは、液体噴射記録ヘッドにおい
ては液滴着弾性能として、その他の記録ヘッドにおいて
は印字着弾性能として測定することができ、高解像度で
かつ高画質な記録装置の印字品位を直接的にデータ化す
ることを可能にするものである。
【0121】また、測定された記録ドットと、それに対
応する記録要素の位置関係から記録ヘッド要素の着弾ず
れ量を測定することができ、このずれ量に関するデータ
をヘッド製造装置(液体噴射記録ヘッドの場合には吐出
口製造装置)に適宜反映させるデータとして活用できる
ため、高解像度でかつ高画質な記録ヘッドを製造段階で
確立することができる。この結果、記録装置における画
像ずれ調整等を必要としない記録ヘッドを提供すること
ができる。
【0122】本発明は上記のような効果を呈するもので
あって、記録ヘッドの種類や解像度に左右されるもので
はない。特に、液体噴射記録ヘッドにおいては、液滴着
弾性能という観点は重要なパラメータであり、これを直
接測定でき、かつ製造段階でデータを反映できる効果は
絶大である。例えば、液体噴射記録ヘッドの吐出口加工
工程で、これらのデータをもとに製造すれば、均一な着
弾性能を達成した液体噴射記録ヘッドを提供することが
可能となる。このように、高解像度でかつ高品位の記録
装置を低コストで市場に提供するための検査および製造
方法として自己完結型の製造システムを構築でき、その
効果は絶大なものである。
【0123】さらに、記録ヘッド検査方法および検査装
置により測定され算出された吐出角度情報や着弾点位置
ずれ等に関するデータを記録ヘッドに記録あるいは記憶
させておくことにより、該データを記録ヘッドの記録装
置への装着時や印刷実行時等に記録ヘッドから読み取
り、印刷実行時に吐出タイミングなどの補正や調整を行
ない、各記録ヘッドに最適な吐出タイミングで着弾点位
置ずれのない印字や記録を行なうことが可能となり、記
録ヘッドの歩留まりを大きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の液体噴射記録ヘッド検査
装置を概略的に図示する構成図である。
【図2】本発明の第1実施例の液体噴射記録ヘッド検査
装置に適用しうる液体噴射記録ヘッドの一例を図示し、
(a)は記録ヘッドを取り付けた記録ヘッドカートリッ
ジの側面図であり、(b)は記録ヘッドの液吐出面側か
ら見た記録ヘッドの概略的な平面図であり、(c)は記
録ヘッドの構成部品の分解説明図である。
【図3】(a)は図2の(b)における記録ヘッドのA
−A線に沿って破断して示す部分断面図であり、(b)
は吐出口部分の拡大断面図である。
【図4】吐出口が適正な穴開け角度をもって形成された
液体噴射記録ヘッドを用いて液滴を吐出した状態を説明
するものであり、(a)は記録ヘッドの液流路の拡大断
面図であり、(b)は記録紙に着弾した液滴を構成する
主滴とサテライトの着弾状態を示す着弾状態図であり、
(c)は記録ヘッドから記録紙へ液滴を吐出した直後の
状態図である。
【図5】吐出口の穴開け角度が適正でない液体噴射記録
ヘッドを用いて液滴を吐出した状態を図示するものであ
り、(a)は記録ヘッドの液流路の拡大断面図であり、
(b)は記録紙に着弾した液滴を構成する主滴とサテラ
イトの着弾状態を示す着弾状態図であり、(c)は記録
ヘッドから記録紙へ液滴を吐出した直後の状態図であ
る。
【図6】吐出口の穴開け角度が適正でない液体噴射記録
ヘッドを用いて液滴を吐出した状態を図示するものであ
り、(a)は記録ヘッドの液流路の拡大断面図であり、
(b)は記録紙に着弾した液滴を構成する主滴とサテラ
イトの着弾状態を示す着弾状態図であり、(c)は記録
ヘッドから記録紙へ液滴を吐出した直後の状態図であ
る。
【図7】本発明の第1実施例の液体噴射記録ヘッド検査
装置を用いて、吐出口角度を算出する測定フローを示す
フローチャートである。
【図8】(a)は液体噴射記録ヘッドを下方から画像認
識した状態を示す状態図であり、(b)は着弾点測定吐
出口に測定カーソルを合わせた状態を示す状態図であ
り、(c)は着弾点測定吐出口から吐出され記録媒体に
着弾された液滴を構成する主滴とサテライトの各々に順
次測定カーソルを合わせた状態を示す状態図である。
【図9】(a)は穴開け角度が適正な吐出口と穴開け角
度が適正でない吐出口を有する液体噴射記録ヘッドで構
成された記録ヘッドカートリッジを液吐出面側から見た
平面図であり、(b)は記録ヘッドの液流路の拡大断面
図である。
【図10】(a)は図9に図示する液体噴射記録ヘッド
の2個の吐出口から吐出され記録紙に着弾したそれぞれ
の液滴を構成する主滴とサテライトの着弾状態を示す状
態図でり、(b)は記録ヘッドの各吐出口から記録紙へ
液滴を吐出した直後の状態図である。
【図11】本発明の第1実施例の液体噴射記録ヘッド検
査装置を用いて、複数の吐出口における各々の吐出口角
度をそれぞれ算出する測定フローを示すフローチャート
である。
【図12】本発明の第1実施例の液体噴射記録ヘッド検
査装置を用いて、吐出口形成角度や形成位置を適正にフ
ィードバックするフローを示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2実施例の記録ヘッド検査装置の
主要構成を概略的に図示する斜視図である。
【図14】本発明の第2実施例の記録ヘッド検査装置の
制御系の構成ブロック図である。
【図15】本発明の第2実施例の記録ヘッド検査装置の
動作フローチャートである。
【図16】本発明の第2実施例の記録ヘッド検査装置に
おける基準位置の設定を説明する図であり、(a)は記
録ヘッド固定治具の当接部材付近を示す概略図であり、
(b)はその一部を拡大して示す概略図である。
【図17】(a)は記録ヘッドの吐出口の位置に対する
液滴着弾位置の関係を測定する概念図であり、(b)は
2列の吐出口列を有する記録ヘッドにおいて吐出口の位
置に対する液滴着弾位置の関係を測定する概念図であ
る。
【図18】(a)は記録ヘッドの吐出口位置の設計値と
実測値を比較する概念図であり、(b)は同じく液滴着
弾位置の設計値と実測値を比較する概念図である。
【図19】(a)および(b)は、記録ヘッドの吐出口
列としての吐出口と着弾位置に関する特性を確認する概
念図である。
【図20】液体噴射記録ヘッドの特殊なパラメータ特性
を確認する概念図であり、(a)は複数の吐出口列を有
する記録ヘッドの基準位置に対する概略図であり、
(b)は、測定された液滴着弾位置から吐出口列の着弾
近似直線の相対角度を測定する概念図である。
【図21】本発明の第3実施例における、記録媒体上の
着弾点ばらつきを規定する一例を示す説明図である。
【図22】本発明の第3実施例における着弾ランク作成
に関するフローチャートである。
【図23】本発明の第3実施例における記録ヘッド検査
装置と記録ヘッドの関係を示す構成ブロック図である。
【図24】本発明の第3実施例における記録ヘッドを搭
載可能な記録装置を概略的に示す斜視図である。
【図25】図24に示す記録装置の制御回路の構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド(インクジェット)カートリッジ 1a 液体噴射記録ヘッド 1b 記録液タンク 2 ベースキャリッジ 3a、3b ゴニオステージ 4 θステージ 5 Zステージ 6 Xステージ 7 Yステージ 8 Zステージ 9 画像処理用カメラ(CCD) 10 記録媒体吸着ベース 11 記録媒体 12 ベース 15、16 吐出口 17(17a、17b) フレキシブルケーブル 18(18a、18b) コンタクトパッド 19(19a、19b) ヒーターボード 20(20a、20b) 放熱板 21(21a、21b) 押さえばね 22 液流路構成部材 23 リード線 24 液室 25 液吐出面 26 流路溝 27 記録紙 28 主滴 29 サテライト 30、31 吐出口 32、34 主滴 33、35 サテライト 41 記録ヘッド 42 記録ヘッド固定治具 43 当接部材 44、45 突き当てシリンダ 46 記録媒体固定台 47 記録媒体 48 画像処理用カメラ 50 吐出口プレート 51、52 吐出口列 60 CPU 61 記録制御手段 62 シリンダ・ステージ制御手段 63 画像処理制御手段 64 記録ヘッド検査装置 65 ランク分けデータ作成部 66 メモリ制御部 67 記録ヘッド 68 メモリ(記憶手段) 70 記録ヘッドカートリッジ 71 インクタンク 72 キャリッジ 73 ベルト 74 プーリー 75 ガイドレール 76 フレキシブルケーブル 77 吐出回復ユニット 78 キャップ 100 インターフェース 101 MPU 102 ROM 103 DRAM 104 ゲートアレイ 105 ヘッドドライバ 106、107 モータドライバ 109 読取り手段 110 フィードモータ 111 キャリッジモータ
フロントページの続き (72)発明者 古川 雅朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 斎藤 昭男 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体噴射記録ヘッドの吐出エネルギー発
    生素子を駆動させ、前記液体噴射記録ヘッドの吐出口か
    ら少なくとも1個の記録液滴を吐出させて吐出口面から
    離間して配置した記録媒体に着弾させ、前記吐出口およ
    び前記記録媒体に着弾した液滴を前記記録媒体を介して
    前記吐出口面および前記記録媒体の垂直下方から画像認
    識してそれぞれの座標を記録し、前記着弾液滴と前記吐
    出口の記録座標から両者間の水平距離および記録媒体と
    吐出口間の垂直距離を画像認識座標差分より算出し、該
    算出距離を基づいて液滴の吐出角度を算出することを特
    徴とする液体噴射記録ヘッド着弾点検査方法。
  2. 【請求項2】 液体噴射記録ヘッドが少なくとも2つ以
    上の吐出口列を有し、少なくとも2つ以上の各吐出口列
    からそれぞれ少なくとも1個の記録液滴を吐出させてそ
    れぞれの液滴の吐出角度を算出することを特徴とする請
    求項1記載の液体噴射記録ヘッド着弾点検査方法。
  3. 【請求項3】 記録媒体は、全光線透過率が80%以上
    のものであることを特徴とする請求項1または2記載の
    液体噴射記録ヘッド着弾点検査方法。
  4. 【請求項4】 記録媒体は、水溶性樹脂を含む受容層が
    塗布され、該受容層側に液滴を着弾させることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体噴射
    記録ヘッド着弾点検査方法。
  5. 【請求項5】 吐出エネルギー発生素子の駆動により記
    録液を吐出する吐出口を有する液体噴射記録ヘッドを保
    持する記録ヘッド保持手段と、 該記録ヘッド保持手段に保持される液体噴射記録ヘッド
    の吐出口の下方に所定の間隔をおいて記録媒体を固定す
    る記録媒体固定手段と、 前記吐出口や該吐出口から少なくとも1個の記録液滴を
    吐出させて前記記録媒体上に着弾した着弾液滴を観察す
    るように前記記録媒体の下方に配置された画像処理用観
    察系と、 該画像処理用観察系により、前記吐出口および前記記録
    媒体に着弾した液滴を前記記録媒体を介して観察しかつ
    画像処理してそれらの座標を記録し、着弾液滴と吐出口
    の記録座標から両者間の水平距離および記録媒体と吐出
    口の垂直距離を画像認識座標差分より算出し、該算出距
    離を基づいて液滴の吐出角度を算出する制御手段を具備
    することを特徴とする液体噴射記録ヘッド検査装置。
  6. 【請求項6】 液体噴射記録ヘッドが少なくとも2つ以
    上の吐出口列を有し、少なくとも2つ以上の各吐出口列
    からそれぞれ少なくとも1個の記録液滴を吐出させてそ
    れぞれの液滴の吐出角度を算出することを特徴とする請
    求項5記載の液体噴射記録ヘッド検査装置。
  7. 【請求項7】 記録ヘッド保持手段は移動調整可能なス
    テージ上に支持され、画像処理用観察系は吐出口や記録
    媒体上に着弾した着弾液滴に対して焦点合わせを行なう
    ことができるように構成されていることを特徴とする請
    求項5または6記載の液体噴射記録ヘッド検査装置。
  8. 【請求項8】 記録媒体は、全光線透過率が80%以上
    のものであることを特徴とする請求項5ないし7のいず
    れか1項に記載の液体噴射記録ヘッド検査装置。
  9. 【請求項9】 請求項1または2記載の液体噴射記録ヘ
    ッド着弾点検査方法により画像認識された吐出口や記録
    媒体に着弾した液滴および算出された液滴の吐出角度に
    関するデータを液体噴射記録ヘッドの製造工程にフィー
    ドバックさせて、適正な吐出角度をもって吐出口を加工
    するようになしたことを特徴とする液体噴射記録ヘッド
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 ドットパターンを形成する複数の記録
    要素を有する記録ヘッドの基準位置を検査装置の特定位
    置に当接させて前記記録ヘッドを固定する記録ヘッド固
    定機構と、 該記録ヘッド固定機構に固定される前記記録ヘッドの記
    録要素に対して所定の間隔をおいて記録媒体を固定する
    記録媒体固定台と、 前記記録ヘッドの記録要素および前記記録媒体に記録さ
    れる記録パターン等を観察する画像処理用観察系と、 前記記録媒体に記録パターンを記録するように前記記録
    ヘッドを制御する記録制御手段と、 前記記録媒体に記録された記録パターンや前記記録ヘッ
    ドの記録要素を画像処理することにより前記記録ヘッド
    の基準位置からの前記記録ヘッドの印字着弾性能を検査
    する検査手段とを有し、 前記記録ヘッド固定機構は、記録ヘッドを記録装置本体
    の当接機構と同様な形態で当接させ固定することを特徴
    とする記録ヘッド検査装置。
  11. 【請求項11】 記録ヘッドの基準位置は、記録ヘッド
    を記録ヘッド固定機構に設けた当接部材に当接させて固
    定することにより、検査装置の特定位置における相対位
    置をもって設定することを特徴とする請求項10記載の
    記録ヘッド検査装置。
  12. 【請求項12】 記録ヘッドの基準位置は、記録ヘッド
    の基準位置付近の形状を画像演算処理した結果をもって
    設定することを特徴とする請求項10記載の記録ヘッド
    検査装置。
  13. 【請求項13】 記録制御手段は、記録ヘッドの記録状
    態が安定するまで、予備的な記録信号パターンを送出可
    能であることを特徴とする請求項10ないし12のいず
    れか1項に記載の記録ヘッド検査装置。
  14. 【請求項14】 記録ヘッド固定機構に固定された記録
    ヘッドの記録要素が位置する表面上の少なくとも3点を
    画像処理することにより、記録ヘッドの取り付け精度を
    確認し、そして記録ヘッド固定機構の固定治具の裏面の
    少なくとも3点を画像処理することにより検査装置の精
    度を確認するようになしたことを特徴とする請求項10
    ないし13のいずれか1項に記載の記録ヘッド検査装
    置。
  15. 【請求項15】 記録ヘッドが液体噴射記録ヘッドであ
    り、その記録要素が液滴吐出用の吐出口であることを特
    徴とする請求項10ないし14のいずれか1項に記載の
    記録ヘッド検査装置。
  16. 【請求項16】 記録媒体は光透過性材料で形成されて
    いるとともに、液体噴射記録ヘッドの基準位置、吐出口
    および記録媒体上に着弾された液滴を、前記記録媒体の
    下方に配置された前記画像処理用観察系により観察して
    画像演算処理することを特徴とする請求項15記載の記
    録ヘッド検査装置。
  17. 【請求項17】 前記記録媒体上に着弾された液滴パタ
    ーンと該液滴パターンに対応する吐出口位置を画像処理
    することにより液体噴射記録ヘッドの液滴着弾性能を検
    査することを特徴とする請求項15または16記載の記
    録ヘッド検査装置。
  18. 【請求項18】 印字着弾性能データをもとに記録ヘッ
    ド製造工程の装置パラメータに反映させるべく、前記デ
    ータを記録ヘッド製造工程に送信するための通信手段を
    さらに有することを特徴とする請求項10ないし17の
    いずれか1項に記載の記録ヘッド検査装置。
  19. 【請求項19】 算出された吐出角度に関する情報を液
    体噴射記録ヘッドに設けられた記憶手段に記憶させるた
    めのデータ書き込み手段を備えていることを特徴とする
    請求項5記載の液体噴射記録ヘッド検査装置。
  20. 【請求項20】 検査された液滴着弾性能に関する情報
    を液体噴射記録ヘッドに設けられた記憶手段に記憶させ
    るためのデータ書き込み手段を備えていることを特徴と
    する請求項17記載の記録ヘッド検査装置。
  21. 【請求項21】 請求項1記載の液体噴射記録ヘッド着
    弾点検査方法により液滴の吐出角度等が検査される液体
    噴射記録ヘッドであって、該検査方法により算出された
    吐出角度に関する情報を記憶するための記憶手段を有す
    ることを特徴とする液体噴射記録ヘッド。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の液体噴射記録ヘッド
    を搭載可能な液体噴射記録装置であって、前記記憶手段
    に記憶された吐出角度に関する情報を読み取る読み取り
    手段を備えていることを特徴とする液体噴射記録装置。
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