JP2011084072A - 打滴位置誤差の調整方法、打滴制御方法、並びに画像形成装置 - Google Patents

打滴位置誤差の調整方法、打滴制御方法、並びに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】打滴位置誤差の原因をヘッドの装着不良等によるものと、ノズル固有の吐出方向ずれによるものとに分離して、より正確な打滴位置の調整(補正)を可能にする。
【解決手段】複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドから液滴の吐出を行い、記録媒体上に液滴を付着させる打滴工程(S34)と、前記打滴工程で得られる打滴結果から、記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する打滴位置誤差(△X)を測定する打滴位置誤差測定工程(S40)と、液体の吐出方向を測定する工程と(S36)、測定した打滴位置誤差量から、吐出方向の情報を利用して、液体吐出ヘッドと記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分(δXH)と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分(δXD)とを分離する。第1の誤差成分の誤差情報にしたがってヘッド位置の調整が行われ、第2の誤差成分の情報を利用して打滴配置の補正(スジムラの補正)が行われる。
【選択図】 図12

Description

本発明は打滴位置誤差の調整方法、打滴制御方法、並びに画像形成装置に係り、特に複数のインク吐出口(ノズル)が形成された印字ヘッドから記録媒体上にインクを打滴して画像を形成するインクジェット記録装置に好適な打滴位置誤差の測定方法及びその誤差を是正するための調整方法、打滴制御方法並びにその方法を用いる画像形成装置に関する。
複数のノズルを有する印字ヘッドを備えたインクジェット記録装置(インクジェットプリンター)では、印字ヘッドが所定の取付位置(設計上の理想的な装着位置)に対して傾いて装着されると、所望の位置にドットが形成されず、ドットの記録位置(打滴位置)がずれるという問題がある。
上記の課題に対して、特許文献1は、印字ヘッドが記録紙搬送方向に対してどの程度傾いているかを判断するために、複数のインク吐出口が並んだ長さ分の線分状パターンを複数本印字し、これら複数本の線分状パターンの印字結果を目視で判断して、印字ヘッドの搭載位置を調整する方法を提案している。
また、特許文献2は、ヘッドの傾きを調整可能なキャリッジ部の構造を開示しており、テスト記録の結果と、予め定められている傾き補正量との相関から傾きを補正する構成を提案している。
なお、特許文献1及び2は、何れも記録紙の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に印字ヘッドを往復走行させながら画像を記録するシリアルスキャン方式のインクジェット記録装置を想定した技術内容となっている。
特開平11−277721号公報 特開2001−129983号公報
記録ヘッドの傾きによる打滴位置誤差を更に詳細に検討すると、特許文献1及び2に開示されている課題(シリアルスキャン方式のスキャン間のドット位置ずれによる印字線のぎざつき)の他に、特にノズルを高密度化した場合には、以下のような課題がある。
[1] マトリクスヘッドの折り返し部で発生するスジムラ
インクジェット記録装置では、高品質の画像を高速に印字するために、多数のノズルをマトリクス状に2次元配列させた記録ヘッド(いわゆるマトリクスヘッド)が提案されている。このマトリクスヘッドで打滴を行う場合、ヘッドが傾いて装着されていると、記録媒体上に隣接ドットを打滴するノズル間のピッチがずれて、マトリクスの折り返し部でスジムラ(以下、このスジムラを「マトリクス折り返しムラ」と呼ぶ)となることがある。この現象を図13により説明する。
図13はマトリクスヘッドの一部を模式的に示した平面透視図である。図13の左図は、マトリクスヘッドが正常に装着されている場合を示し、右図はマトリクスヘッドが紙面内で反時計回りに回転して取り付けられた場合を示している。図13中、符号210はノズル、符号212は各ノズルに対応する圧力室である。
各ノズル210に対応した圧力室212は、それぞれ図示せぬ個別の供給口(不図示)を介してインク供給用の共通流路(不図示)と連通しており、該共通流路から各圧力室212にインクが充填されるようになっている。また、各圧力室212には図示せぬ圧力発生素子(例えば、圧電素子)が設けられており、印字データに応じて圧力発生素子を駆動制御することによってノズル210からインク滴を吐出させることができる。記録媒体を搬送しながら、各ノズル210のインク吐出タイミングを制御することによって、記録媒体上に所望の画像を記録することができる。
図13の左図に示したように、マトリクスヘッドが正常に装着されている場合は、記録媒体上に記録されるドットは主走査方向に沿って等間隔で並ぶように整列する。これに対し、図13の右図に示したように、マトリクスヘッドが紙面上で反時計回りに回転して取り付けられたときは、マトリクス配列の折り返し部分のドット間隔が、他と比べて著しく開いている(図中、B1と記載)。したがって、マトリクス配列の折り返し単位でスジムラが発生してしまう。なお、以後の説明において、マトリクス配列における折り返し単位のノズルの集合(図中、Cで示したノズル群)を「ノズルブロック」と呼ぶことにする。
[2] 短尺ヘッドの繋ぎ部で発生するスジムラ
短尺のヘッドモジュール(短尺ヘッド)を複数本繋いでラインヘッドを形成する場合は、短尺ヘッド間の繋ぎ目の位置がずれると、隣接ドットを打滴するノズルのピッチがずれて、短尺ヘッドの繋ぎ目でスジムラ(以下、このスジムラを「短尺ヘッド繋ぎムラ」と呼ぶ)が発生する。この現象を図14で説明する。
図14の上図は、短尺ヘッド221,222が正常に装着されている場合を示しており、このとき記録媒体上に記録されるドットは主走査方向に沿って等間隔で並ぶように整列する。これに対し、下図は短尺ヘッド221,222が互いに離れる方向にずれて(同図において、右側の短尺ヘッドが正常の装着位置よりも右方向にシフトして)取り付けられた場合を示している。このときは、短尺ヘッドの繋ぎ部分のドット間隔が他と比べて著しく開いている(図中B2と記載)。したがって、短尺ヘッドの繋ぎ単位でスジムラが発生
してしまう。
次に、ドットが所望の位置からずれる原因について考える。ドットの位置ずれの原因は、上述のようなヘッドの装着不良による誤差の他に、ノズル固有の誤差がある。ノズル固有の誤差とは、ノズル近傍の汚れ(撥液状態の不均一)や、ノズル部の製造不良によるものであり、これらにより、各々のノズルから吐出される液滴は、所望の方向(通常はノズル面に対して垂直方向)からずれることになる。これらの誤差は、通常、各々のノズルで独立に起こる(すなわち、異ノズル間には相関が無い)と考えられる。
なお、ノズル固有の誤差には、吐出方向ずれを生まない誤差(例えば、製造段階においてノズルの穴が所望の位置からずれて開けられているといった誤差)もあるが、現在の製造技術ではこのようなことはほとんど起こらず、ノズル固有の誤差は主として吐出方向ずれの誤差である。したがって、以下ではノズル固有の誤差として、ノズル自身の吐出方向ずれの誤差のみを考えることにする。
上述した特許文献1及び2は、実際にテストプリントを行うことによって、ヘッドの装着ずれ量を見積もるものであるが、これは上記のヘッドの装着不良による誤差と、ノズル固有の誤差とを分離しておらず、テストパターンによってヘッドの位置調整を精密に行おうとした場合には十分とは言えない。
特に、「マトリクス折り返しムラ」や「短尺ヘッド繋ぎムラ」を防ぐために、テストパターンによってヘッドの位置調整を行おうとした場合は、測定すべきドットの位置ずれ量は数μmのオーダーであり、これはノズル固有の位置誤差のオーダーと等しくなる。そのため、測定されるドットの位置ずれ量の値からヘッド位置の調整量(補正量)を正しく評価することが困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、打滴位置誤差の原因をヘッドの装着不良等によるものと、ノズル固有の誤差(ノズル自身の吐出方向ずれによるもの)とに分離して、より正確な打滴位置の調整(補正)を行うことを可能とする打滴位置誤差の調整方法、打滴制御方法、並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る打滴位置誤差の調整方法は、複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドから液滴の吐出を行い、記録媒体上に液滴を付着させる打滴工程と、前記打滴工程で得られる打滴結果から、前記記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する打滴位置誤差量を求める打滴位置誤差測定工程と、前記液滴吐出口から吐出される液滴の吐出方向を測定する吐出方向測定工程と、前記打滴位置誤差測定工程で求めた前記打滴位置誤差量から、前記吐出方向測定工程で得られる吐出方向の情報を利用して、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とを分離する誤差要因分離工程と、を含み、前記分離された前記第1及び第2の誤差成分のうち少なくとも前記第1の誤差成分の誤差情報を取得し、この取得した誤差情報に基づいて、前記第1の誤差成分の誤差を是正するように、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置を調整することを特徴とする。
本発明に係る打滴制御方法は、複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドから液滴の吐出を行い、記録媒体上に液滴を付着させる打滴工程と、前記打滴工程で得られる打滴結果から、前記記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する打滴位置誤差量を求める打滴位置誤差測定工程と、前記液滴吐出口から吐出される液滴の吐出方向を測定する吐出方向測定工程と、前記打滴位置誤差測定工程で求めた前記打滴位置誤差量から、前記吐出方向測定工程で得られる吐出方向の情報を利用して、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とを分離する誤差要因分離工程と、を含み、前記分離された前記第2の誤差成分の誤差情報を取得し、この取得した誤差情報に基づいて、前記第2の誤差成分の誤差に起因する記録画像上のスジムラの視認性を低減するように、前記液体吐出ヘッドによる打滴を制御することを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドから液滴を吐出させ、記録媒体上に液滴を付着させる制御を行う打滴制御手段と、前記記録媒体上に記録されたドットの位置を読み取り、前記記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する打滴位置誤差量を測定する打滴位置誤差測定手段と、前記液滴吐出口から吐出される液滴の吐出方向を測定する吐出方向測定手段と、前記打滴位置誤差測定手段で得られた前記打滴位置誤差量から、前記吐出方向測定手段で得られる吐出方向の情報を利用して、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とを分離する誤差要因分離手段と、前記誤差要因分離手段で分離された前記第1の誤差成分の誤差情報に基づいて、前記第1の誤差成分の誤差を是正するために必要な、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置の調整量を算出する調整量算出手段と、前記調整量算出手段で算出された調整量にしたがって前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置を調整するための位置調整手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様に係る画像形成装置は、複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドから液滴を吐出させ、記録媒体上に液滴を付着させる制御を行う打滴制御手段と、前記記録媒体上に記録されたドットの位置を読み取り、前記記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する打滴位置誤差量を測定する打滴位置誤差測定手段と、前記液滴吐出口から吐出される液滴の吐出方向を測定する吐出方向測定手段と、前記打滴位置誤差測定手段で得られた前記打滴位置誤差量から、前記吐出方向測定手段で得られる吐出方向の情報を利用して、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とを分離する誤差要因分離手段と、前記誤差要因分離手段で分離された前記第2の誤差成分の誤差情報に基づいて、前記第2の誤差成分の誤差に起因する記録画像上のスジムラの視認性を低減するように、前記液体吐出ヘッドによる打滴配置を決定する打滴配置決定手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本明細書は下記の発明も開示する。
発明1に係る打滴位置誤差の測定方法は、複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドから液滴の吐出を行い、記録媒体上に液滴を付着させる打滴工程と、前記打滴工程で得られる打滴結果から、前記記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する打滴位置誤差量を測定する打滴位置誤差測定工程と、前記測定した前記打滴位置誤差量から、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とを分離する誤差要因分離工程と、を含み、前記第1及び第2の誤差成分のうち少なくとも一方の誤差情報を取得することを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体上への打滴結果から記録媒体上における実際の打滴位置を把握して理想打滴位置からの誤差(打滴位置誤差)を特定する。このとき測定される誤差には、ヘッドと記録媒体の相対的な配置不良に起因する第1の誤差成分と、ノズル(液滴吐出口)固有の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とが含まれている。したがって、条件の異なる複数の測定や検出等を行い、これらの情報を組み合わせることで第1の誤差成分と、第2の誤差成分とを分離し、それぞれの要因による誤差を評価することができる。
こうして得られる要因別の誤差の値を用いることにより、ヘッドと記録媒体の相対的な配置不良を是正するための調整や、吐出方向不良による画質低下を抑制する補正などを効果的に行うことが可能になる。
液体吐出ヘッドと記録媒体の相対的配置不良には、例えば、ヘッドの取り付け位置不良(装着不良)、記録媒体搬送系の搬送不良(搬送装置の設置不良)による斜行・蛇行などの態様がある。
打滴位置誤差の測定には、テストプリント(又は実技プリント)の印字結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ又はエリアセンサなどの撮像素子)を具備する印字検出手段(例えば、CCDスキャナー)を用いることができる。印字検出手段にてテストパターンを読み取り、得られた画像信号を解析(処理)して、理想打滴位置からのずれ量を求めることができる。
測定時の記録媒体は、にじみの程度が弱い媒体(例えば多孔質の受像層を有する媒体、インクジェット専用写真用紙など)とすることが好ましい。このような、媒体を用いることで、きれいなドット形状が媒体上で再現されるため、位置誤差の測定精度が上がる。
或いはまた、記録媒体を保持・搬送するための搬送ベルト自体を媒体として兼用する態様も可能である。すなわち、テストパターンを搬送ベルト上に直接プリントする態様も可能である。この場合、無駄な媒体が消費されないという利点があることに加え、次のような利点もある。
搬送ベルト上にテストパターンをプリントする態様は、打滴の飛翔距離が最も長くなるため、斜め飛翔による打滴位置ずれ量も大きくなる(搬送ベルト上にテスト印刷用の媒体を載せる場合、媒体の厚み分だけ飛翔距離は短くなるので、何も載せない搬送ベルト上にプリントする場合に、吐出面−媒体間距離は最大となる)。したがって、印字検出部での打滴位置誤差の測定が容易となる。また、装置の所定位置に印字検出手段を取り付けた構成の場合、当該印字検出手段のセンサによる観察距離が固定値(センサ−ベルト間距離が固定値)になるため、印字検出手段における光学式センサの焦点深度は浅くてよい。
ノズル面−媒体間距離の測定には、例えば、パルスレーザによって距離測定を行う測距手段を用いることができる。また、媒体の厚み情報をユーザーインターフェースから与えてもよい。
発明2は、発明1に係る打滴位置誤差の測定方法の一態様であり、複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドの吐出面から第1の距離にある第1の記録媒体に対して前記液体吐出ヘッドから液滴の吐出を行い、前記第1の記録媒体上に液滴を付着させる第1の打滴工程と、前記第1の打滴工程で得られる打滴結果から、前記第1の記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する第1の打滴位置誤差量を測定する第1の打滴位置誤差測定工程と、前記吐出面から前記第1の距離とは異なる第2の距離にある第2の記録媒体に対して前記液体吐出ヘッドから液滴の吐出を行い、前記第2の記録媒体上に液滴を付着させる第2の打滴工程と、前記第2の打滴工程で得られる打滴結果から、前記第2の記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する第2の打滴位置誤差量を測定する第2の記録位置誤差測定工程と、前記第1及び第2の記録位置誤差測定工程で測定した前記第1及び第2の打滴位置誤差量から、前記液体吐出ヘッドと前記第1及び第2の記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とを分離する演算を行う誤差要因分離工程と、を含み、前記第1及び第2の誤差成分のうち少なくとも一方の誤差情報を取得することを特徴とする。
液体吐出ヘッドの吐出面と記録面の距離を変えて複数回の打滴を行うことにより、その打滴結果から誤差要因を容易に分離することができる。
発明3は、発明1に係る打滴位置誤差の測定方法の一態様であり、複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドから液滴の吐出を行い、記録媒体上に液滴を付着させる打滴工程と、前記打滴工程で得られる打滴結果から、前記記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する打滴位置誤差量を求める打滴位置誤差測定工程と、前記液滴吐出口から吐出される液滴の吐出方向を測定する吐出方向測定工程と、打滴位置誤差測定工程で求めた前記打滴位置誤差量から、前記吐出方向測定工程で得られる吐出方向の情報を利用して、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とを分離する誤差要因分離工程と、を含み、前記第1及び第2の誤差成分のうち少なくとも一方の誤差情報を取得することを特徴とする。
発明3に係る発明によれば、記録媒体上への打滴結果から記録媒体上における実際の打滴位置を把握して理想打滴位置からの誤差(打滴位置誤差)を特定する。このとき測定される誤差には、ヘッドと記録媒体の相対的な配置不良に起因する第1の誤差成分と、ノズル(液滴吐出口)固有の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とが含まれている。液滴吐出口から液滴が吐出されるときの様子を観測するなどして、液滴の吐出方向(飛翔方向)を把握することで、その吐出角度から液滴吐出口の吐出方向不良に起因する打滴位置誤差(第2の誤差成分)を特定することができる。したがって、この第2の誤差成分の情報と、打滴結果から測定される打滴位置誤差(理想打滴位置に対する誤差)の情報とに基づいて、液体吐出ヘッドと記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分を特定することができる。
発明4に係る発明は、前記目的を達成するための打滴位置誤差の調整方法を提供する。すなわち、発明4に係る打滴位置誤差の調整方法は、発明1乃至3の何れか1項に記載の記録位置誤差の測定方法にしたがって、前記第1の誤差成分の誤差情報を取得し、この取得した誤差情報に基づいて、前記第1の誤差成分の誤差を是正するように、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置を調整することを特徴とする。
例えば、ヘッドの装着不良に対しては、ヘッド装着位置の調整を行い、記録媒体搬送系の搬送不良に対しては、搬送装置の位置調整などを行う。これにより、相対的配置不良による誤差を適切に是正することができる。
発明5に係る発明は、前記目的を達成する打滴制御方法を提供する。すなわち、発明5に係る打滴制御方法は、発明1乃至3の何れか1項に記載の打滴位置誤差の測定方法にしたがって、前記第2の誤差成分の誤差情報を取得し、この取得した誤差情報に基づいて、前記第2の誤差成分の誤差に起因する記録画像上のスジムラの視認性を低減するように、前記液体吐出ヘッドによる打滴を制御することを特徴とする。
吐出方向不良に起因する打滴位置誤差の成分(第2の誤差成分)を正しく把握するとともに、かかる要因から生じるスジムラの発生を抑える観点から打滴配置(ドット配置)を補正することにより、高品位の画像形成を実現できる。
例えば、第2の誤差成分の情報に基づいて、当該第2の誤差成分に起因するスジムラの発生を抑える観点から画像データの補正を行い、補正後のデータに対して中間階調処理(ハーフトーニング処理)を行って打滴配置(ドット配置)データを得る。そして、この打滴配置データに従って液体吐出ヘッドによる打滴を制御することで、良好な画像形成が可能である。
発明6に係る発明は、前記目的を達成する画像形成装置を提供する。すなわち、発明6に係る画像形成装置は、複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドから液滴を吐出させ、記録媒体上に液滴を付着させる制御を行う打滴制御手段と、前記記録媒体上に記録されたドットの位置を読み取り、前記記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する打滴位置誤差量を測定する打滴位置誤差測定手段と、前記打滴位置誤差測定手段で得られた前記打滴位置誤差量から、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とを分離する誤差要因分離手段と、前記誤差要因分離手段で分離された前記第1の誤差成分の誤差情報に基づいて、前記第1の誤差成分の誤差を是正するために必要な、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置の調整量を算出する調整量算出手段と、前記調整量算出手段で算出された調整量にしたがって前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置を調整するための位置調整手段と、を備えたことを特徴とする。
また、発明7に係る画像形成装置は、複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドから液滴を吐出させ、記録媒体上に液滴を付着させる制御を行う打滴制御手段と、前記記録媒体上に記録されたドットの位置を読み取り、前記記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する打滴位置誤差量を測定する記録位置誤差測定手段と、前記打滴位置誤差測定手段で得られた前記打滴位置誤差量から、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とを分離する誤差要因分離手段と、前記誤差要因分離手段で分離された前記第2の誤差成分の誤差情報に基づいて、前記第2の誤差成分の誤差に起因する記録画像上のスジムラの視認性を低減するように、前記液体吐出ヘッドによる打滴配置を
決定する打滴配置決定手段と、を備えたことを特徴とする。
発明8に係る発明は、発明6又は7記載の画像形成装置の一態様であり、前記液滴吐出口から吐出される液滴の吐出方向を測定する吐出方向測定手段を有し、前記誤差要因分離手段は、前記記録位置誤差測定手段で測定した前記記録位置誤差量から、前記吐出方向測定手段で得られる吐出方向の情報を利用して、前記第1の誤差成分と、前記第2の誤差成分とを分離する演算を行うことを特徴とする。
発明6乃至8に係る画像形成装置の一態様としてのインクジェット記録装置は、ドットを形成するためのインク液滴を吐出するノズル及び吐出圧を発生させる圧力発生手段(圧電素子や加熱素子など)を含む液滴吐出素子を複数配列させた液滴吐出素子列を有する液体吐出ヘッド(記録ヘッド)と、画像データから生成された打滴配置データに基づいて記録ヘッドからの液滴の吐出を制御する吐出制御手段とを備え、前記ノズルから吐出した液滴によって記録媒体上に画像を形成する。
記録ヘッドの構成例として、記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズルを配列させたフルライン型のヘッドを用いることができる。この場合、記録媒体の全幅に対応する長さに満たないノズル列を有する比較的短尺の記録ヘッドモジュールを複数個組み合わせ、これらを繋ぎ合わせることで全体として記録媒体の全幅に対応する長さのノズル列を構成する態様がある。
フルライン型のヘッドは、通常、記録媒体の相対的な送り方向(相対的搬送方向)と直交する方向に沿って配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿って記録ヘッドを配置する態様もあり得る。
「記録媒体」は、液体吐出ヘッド(記録ヘッド)から吐出される液が付着する媒体であり、記録ヘッドの作用によって画像の記録を受ける。すなわち、「記録媒体」は、印字媒体、被画像形成媒体、被記録媒体、受像媒体、被吐出媒体など呼ばれ得るものであり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、配線パターン等が形成されるプリント基板、中間転写媒体、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
「搬送手段」は、停止した(固定された)記録ヘッドに対して記録媒体を搬送する態様、停止した記録媒体に対して記録ヘッドを移動させる態様、或いは、記録ヘッドと記録媒体の両方を移動させる態様の何れをも含む。
インクジェットヘッドによって、カラー画像を形成する場合は、複数色のインク(記録液)の色別に記録ヘッドを配置してもよいし、1つの記録ヘッドから複数色のインクを吐出可能な構成としてもよい。
また、本発明は、上記のフルライン型のヘッドに限らず、シャトルスキャン方式の記録ヘッド(記録媒体の搬送方向に略直交する方向に往復移動しながら打滴を行う記録ヘッド)についても適用可能である。
本発明によれば、液体吐出ヘッドと記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とを分離して、各要因に対応する誤差情報を取得することができる。これにより、適切な装置調整及び打滴制御を実現でき、高品位な画像形成が可能となる。
マトリクスヘッドにおけるノズルブロック毎の理想位置からの打滴位置ずれ量△Xを例示した図 短尺ヘッドを繋いだヘッド構成における理想位置からの打滴位置ずれ量△Xを例示した図 スジムラの視認性を低下させる打滴配置の補正例を示す模式図 本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態を示すインクジェット記録装置の全体構図 図4に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 ヘッドの構造例を示す平面透視図 図6(a)の要部拡大図 フルライン型ヘッドの他の構造例を示す平面透視図 図6(a)中の7−7線に沿う断面図 図6(a)に示したヘッドのノズル配列を示す拡大図 第1の実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 第1の実施形態に係るインクジェット記録装置における打滴位置誤差の測定時の制御手順を示すフローチャート 本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 第2の実施形態に係るインクジェット記録装置における打滴位置誤差の測定時の制御手順を示すフローチャート マトリクスヘッドの装着角度不良によって打滴位置誤差が発生する現象を説明するために用いた模式図 短尺ヘッドの装着位置不良によって打滴位置誤差が発生する現象を説明するために用いた模式図
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔測定の原理〕
初めに、本発明の実施形態による打滴位置誤差の測定の原理について説明する。以下の説明において、記録媒体上に記録されるドットの主走査方向理想位置をX0、実際の位置をXとする。また、ヘッド装着不良による誤差をδXH、ノズル自身の吐出方向ずれによる誤差をδXDとして、次式の関係を前提とする。
X=X0+δXH+δXD …[式1]
計算の便宜上、△X=X−X0 とする。
測定の手順として、まず、所定のテストパターンを印字する。印字すべきテストパターンは、各ノズルから1つのドットでも良いが、上述のように主走査方向の位置誤差を問題にしているので、各ノズルから連続吐出をして副走査方向に平行なドット列(ライン)を形成してもよい。
次に、テストパターンで打滴されたドットの位置Xをスキャナーなどの画像読取装置で測定する。各ノズルから吐出される液滴の理想の打滴位置(「理想打滴位置」に相当)X0と、誤差△Xとの関係を示すグラフの例を図1及び図2に示す。
図1は、マトリクスヘッドにおいて、2つのノズルブロック(各々のノズルブロックは49個のノズルを持つ)が、0.02度傾いたときの△Xを算出したものである。もし、ノズル自身の吐出方向ずれがなければ、△Xはノズルブロックごとに一定の傾きをもった直線になる(図1(a))。しかしながら、実際はノズル自身の吐出方向ずれがあり、δXDが各ノズル毎に異なるため、△Xは図1(b)のようになる。図1(b)に示すような、△Xの結果から、正確なヘッドの調整量を算出することは困難である。
また、図2は、複数の短尺ヘッド(ここでは、短尺ヘッド1と短尺ヘッド2)を繋いで構成されるラインヘッドにおいて、短尺ヘッド1が理想位置から主走査方向に+4μmずれて装着され、短尺ヘッド2が主走査方向方向に−2.5μmずれて装着されているときの△Xを算出したものである。
もし、ノズル自身の吐出方向ずれがなければ、△Xは短尺ヘッドごとに一定の値をもつ(図2(a))。しかしながら、実際はノズル自身の吐出方向ずれがあり、δXDが各ノズル毎に異なるため、△Xは図2(b)のようになり、この場合も正確なヘッドの調整量を算出することは困難である。
そこで、本実施形態においては、誤差△XからδXDとδXHとを分離する処理を行う。以下、δXDとδXHと算出する方法の例を説明する。
〔算出方法1〕 ノズルから記録媒体までの距離を、上記の(1回目の)テストパターン打滴時に対してk倍(ただし、k>0かつk≠1)の位置にしてテストパターン(2回目)を打滴する。この2回目のテストパターンで打滴されたドットの位置X’をスキャナーなどの画像読取装置で測定する。このときのドットの位置X’は、次式となる。
X’=X0+δXH+k×δXD …[式2]
つまり、ヘッドの装着不良による誤差δXHは変わらないが、吐出方向ずれによる誤差は、k倍になる。
上記の[式1]、[式2]より、δXH,δXDを求め、導出されたδXHに基づいて、ヘッドの回転角度又は繋ぎ部のシフト量(すなわち、ヘッドの調整量)を算出する。
このようにして求めた調整量の値にしたがって、ヘッドの位置を調整する。ヘッドの位置を調整するための手段としては、例えば、マトリクスヘッドの場合、回転移動機構を備える。また、短尺ヘッドを繋いだ構成の場合、短尺ヘッド間の距離を可変するヘッド間距離移動機構を備える。
これら移動機構の具体的な構造については、特に限定されず、目的の可動機能を果たす公知の構成を適用できる。なお、マトリクス配列の短尺ヘッドを繋いで構成されるラインヘッドの場合には、回転移動機構と、短尺ヘッド間の距離を可変する移動機構の両方を具備する構成が好ましい。この場合、まず短尺ヘッド間の位置(シフト量)を調整してから、回転を調整することが好ましい調整手順である。
〔算出方法2〕 δXDは吐出角度のずれによるものであるため、吐出の状態を高速度カメラ等で撮影し、その画像を解析することで、吐出角度のずれ量を算出する。この算出された値(吐出角度のずれ量)と、ノズルから記録媒体までの距離とから、δXDを算出し、このδXDと上記の[式1]より、δXHを算出することができる。
次に、吐出方向ずれによる誤差δXDの補正方法の例を説明する。
各々のノズル固有の誤差δXDについて考える。特に主走査方向に飛翔方向ずれがあると、副走査方向に平行なスジムラを発生させ、大きな画質劣化要因になる。以下では、各々のノズルの打滴率を変化させることで、このスジムラを防ぐ方法について述べる。以下にその例を示す。
図3は、ノズルピッチ(密度)を1200npi(ノズル・パー・インチ)とした場合の打滴配置の模式図である。なお、ノズルはマトリクス構造で配列されていてもよいが、本例では模式的に、ノズルを図示のように一列の配列として示した。
図3(a)では、ノズルnz3 , nz4 が吐出方向ずれをもち、記録面上で主走査方向にそれぞれ−5μm、+5μmの打滴位置誤差(着弾位置ずれ)を持っているものとする(ただし、図において右方向を正とした)。このため、ノズルnz3 , nz4 の間に白スジが入っている(図中のBで示す領域)。
この白スジを補正したものが図3(b)である。すなわち、ノズルnz3 , nz4 の間に発生する白スジ(図3(a)の符号Bで示す領域)の視認性を下げるために、図3(b)では、ノズルnz3 , nz4 から吐出されるドットを1つずつ増やしていると同時に、その隣のノズルnz2 , nz5 からのドットを1つずつ減らしている。同図において、符号α1,α2で示したドットが追加したドットであり、符号β1,β2で示した白抜きのドット円が減らした(記録を省略した)ドットを表している。
このように打滴配置を補正することで、濃度平均値を維持しつつ、白スジの視認性を下げることができる。
本発明の実施に際して、打滴位置誤差の情報を利用した打滴配置の補正処理の方法は、上記の例に限定されず、公知の手法を含めて、多様な方法を用いることが可能である。
〔インクジェット記録装置の構成〕
次に、本発明に係る画像形成装置の具体例としてのインクジェット記録装置について説明する。
図4は、本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態を示すインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すように、このインクジェット記録装置110は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェット記録ヘッド(以下、ヘッドという。)112K,112C,112M,112Yを有する印字部112と、各ヘッド112K,112C,112M,112Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録媒体たる記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、前記印字部112のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送するベルト搬送部122と、記録面までの距離を測定する距離測定部123と、印字部112による印字結果を読み取る印字検出部124と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とを備えている。
インク貯蔵/装填部114は、各ヘッド112K,112C,112M,112Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンクを有し、各タンクは所要の管路を介してヘッド112K,112C,112M,112Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部114は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
図4では、給紙部118の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録媒体(メディア)を利用可能な構成にした場合、メディアの種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部118から送り出される記録紙116はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部120においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム130で記録紙116に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図4のように、裁断用のカッター(第1のカッター)128が設けられており、該カッター128によってロール紙は所望のサイズにカットされる。なお、カット紙を使用する場合には、カッター128は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙116は、ベルト搬送部122へと送られる。ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト(搬送ベルトに相当)133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。また、打滴位置ずれ量を測定するためのテストパターンをベルト133上に直接記録する構成の場合には、当該ベルト133にテストパターン印字用の領域が設けられる。
図4に示したとおり、ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによって記録紙116がベルト133上に吸着保持される。なお、吸引吸着方式に代えて、静電吸着方式を採用してもよい。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方にモータ(図9中符号188)の動力が伝達されることにより、ベルト133は図4上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図4の左から右へと搬送される。
打滴位置ずれ量を測定するためのテストパターンをベルト133上の所定領域(テストパターン印字領域)に印字したり、縁無しプリント等を印字したりするとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133のクリーニング手段として、印字領域以外の所定位置にベルト清掃部136が設けられている。
図4の例では、印字検出部124の後段において、且つ搬送用ローラ137の手前にベルト清掃部136が配置されている。ベルト清掃部136の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組合せなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、ベルト搬送部122に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部112の上流側には、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部112の各ヘッド112K,112C,112M,112Yは、当該インクジェット記録装置110が対象とする記録紙116の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている(図5参照)。
ヘッド112K,112C,112M,112Yは、記録紙116の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド112K,112C,112M,112Yが記録紙116の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。
ベルト搬送部122により記録紙116を搬送しつつ各ヘッド112K,112C,112M,112Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙116上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド112K,112C,112M,112Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録紙116と印字部112を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙116の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組合せについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
図4に示した距離測定部123は、パルスレーザによって記録面までの距離を測定する手段であり、その測定結果からヘッド112K,112C,112M,112Yのノズル面と記録面間の距離情報を得る。吐出面と記録面間の距離を特定する手段(距離特定手段)としては、実際にその距離を測定する測定手段を用いてもよいし、使用される記録媒体の厚みの情報を獲得する手段を用いてもよい。なお、記録媒体の厚みの情報を獲得する手段としては、実際に厚みを測定する手段の他、ユーザーインターフェースを利用して厚み情報を入力する態様、記録媒体を収容している容器(マガジン、カセットなど)に付した情報記録部から読み取る態様などがあり得る。
ノズル面と記録面間の距離を可変する手段としては、記録媒体(記録紙116)の有り/無し、又は、厚みの異なる記録媒体(記録紙116)の利用の他、ヘッド112K,112C,112M,112Yをベルト搬送部122の媒体支持面122Aに対して接近させたり、遠ざけたりするヘッド移動手段(図4の場合、ヘッド112K,112C,112M,112Yを上下動させる移動手段)を設ける態様、或いは、ヘッド112K,112C,112M,112Yのノズル面に対して、ベルト搬送部122の媒体支持面122Aを接近させたり、遠ざけたりするようにベルト搬送部122を移動させるベルト搬送部移動手段(図4の場合、ベルト搬送部122を上下動させる移動手段)を設ける態様、若しくはこれらの適宜の組合せがある。
印字検出部124は、印字部112の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ又はエリアセンサ)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりや打滴位置誤差などの吐出特性をチェックする手段として機能する。各色のヘッド112K,112C,112M,112Yにより印字されたテストパターン又は実技画像が印字検出部124により読み取られ、各ヘッドの吐出判定が行われる。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置(打滴位置)の測定などで構成される。
印字部112によって記録が行われたプリント物は排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置110では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)148によってテスト印字の部分を切り離す。また、図4には示さないが、本画像の排出部126Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッドの構造について説明する。色別の各ヘッド112K,112C,112M,112Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号150によってヘッドを示すものとする。
図6(a) はヘッド150の構造例を示す平面透視図であり、図6(b) はその一部の拡大図である。また、図6(c) はヘッド150の他の構造例を示す平面透視図、図7は1チャンネル分の液滴吐出素子(1つのノズル151に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図6(a) 中の7−7線に沿う断面図)である。
記録紙116上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド150におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド150は、図6(a),(b) に示したように、インク吐出口であるノズル151と、各ノズル151に対応する圧力室152等からなる複数のインク室ユニット(液滴吐出素子)153を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録紙116の送り方向と略直交する方向に記録紙116の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図6(a) の構成に代えて、図6(c) に示すように、複数のノズル151が2次元に配列された短尺のヘッドモジュール150’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録紙116の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル151に対応して設けられている圧力室152は、その平面形状が概略正方形となっており(図6(a),(b) 参照)、対角線上の両隅部の一方にノズル151への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口(供給口)154が設けられている。なお、圧力室152の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図7に示したように、各圧力室152は供給口154を介して共通流路155と連通されている。共通流路155はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路155を介して各圧力室152に分配供給される。
圧力室152の一部の面(図7において天面)を構成している加圧板(共通電極と兼用される振動板)156には個別電極157を備えたアクチュエータ158が接合されている。個別電極157と共通電極間に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ158が変形して圧力室152の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル151からインクが吐出される。なお、アクチュエータ158には、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムなどの圧電体を用いた圧電素子が好適に用いられる。インク吐出後、アクチュエータ158の変位が元に戻る際に、共通流路155から供給口154を通って新しいインクが圧力室152に再充填される。
また、吐出安定性並びに吐出面(ノズル面150A)のクリーニング性を向上させる等の観点から、ヘッド150のノズル面150Aには撥液層159が設けられている。ノズル面150Aに撥液性を付与する方法(撥液処理方法)は、特に限定されず、例えば、フッ素系の撥液材を塗布する方法や、フッ素系高分子粒子(PTFE)等の撥液材を真空中で蒸着し表面に薄層を形成する方法等がある。
入力画像から生成さる打滴配置データに応じて各ノズル151に対応したアクチュエータ158の駆動を制御することにより、ノズル151からインク滴を吐出させることができる。図4で説明したように、記録媒体たる記録紙116を一定の速度で副走査方向に搬送しながら、その搬送速度に合わせて各ノズル151のインク吐出タイミングを制御する
ことによって、記録紙116上に所望の画像を記録することができる。
上述した構造を有するインク室ユニット153を図8に示す如く主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
すなわち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット153を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル151が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図8に示すようなマトリクス状に配置されたノズル151を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル151-11 、151-12 、151-13 、151-14 、151-15 、151-16 を1つのブロックとし(他にはノズル151-21 、…、151-26 を1つのブロック、ノズル151-31 、…、151-36 を1つのブロック、…として)、記録紙116の搬送速度に応じてノズル151-11 、151-12 、…、151-16 を順次駆動することで記録紙116の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。すなわち、本実施形態では、記録紙116の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ158の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
〔制御系の説明〕
図9は、インクジェット記録装置110のシステム構成を示すブロック図である。同図に示したように、インクジェット記録装置110は、通信インターフェース170、システムコントローラ172、ノズル面−媒体間距離情報取得部173、画像メモリ174、ROM175、モータドライバ176、ヒータドライバ178、プリント制御部180、画像バッファメモリ182、ヘッドドライバ184、ヘッド位置調整機構185等を備え
ている。
通信インターフェース170は、ホストコンピュータ186から送られてくる画像データを受信する画像入力手段として機能するインターフェース部(画像入力部)である。通信インターフェース170にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
ホストコンピュータ186から送出された画像データは通信インターフェース170を介してインクジェット記録装置110に取り込まれ、一旦画像メモリ174に記憶される。画像メモリ174は、通信インターフェース170を介して入力された画像を格納する記憶手段であり、システムコントローラ172を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ174は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ172は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置110の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システムコントローラ172は、通信インターフェース170、画像メモリ174、モータドライバ176、ヒータドライバ178等の各部を制御し、ホストコンピュータ186との間の通信制御、画像メモリ174及びROM175の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ188やヒータ189を制御する制御信号を生成する。
また、システムコントローラ172は、ノズル面−媒体間距離情報取得部173から得た距離情報と印字検出部124から読み込んだテストパターンの読取データから打滴位置誤差のデータを生成する演算処理を行う打滴誤差測定演算部172Aと、測定された位置誤差のノズル固有の吐出方向ずれに起因する誤差成分の情報(δXD)から濃度補正係数を算出する濃度補正係数算出部172Bと、測定され位置誤差のヘッド装着ずれに起因する誤差成分の情報(δXH)からヘッドの調整量を算出するヘッド調整量算出部172Cとを含んで構成される。なお、打滴誤差測定演算部172A、濃度補正係数算出部172B及びヘッド調整量算出部172Cの処理機能はASICやソフトウエア又は適宜の組合せによって実現可能である。
濃度補正係数算出部172Bでは、各ノズルについてそれぞれのδXDから濃度補正係数が算出される。濃度補正係数算出部172Bにおいて求められた濃度補正係数のデータは、濃度補正係数記憶部190に記憶される。
また、ヘッド調整量算出部172Cで求められたヘッド調整量の値にしたがって、ヘッド位置調整機構185を動かしてヘッド装着位置を調節する。ヘッド位置調整機構185は、モータ等に代表される電動の駆動手段を用いて自動的に制御される構成でもよいし、ヘッド調整量算出部172Cで求められたヘッド調整量の値を不図示のディスプレイ等に表示させ、これを基にオペレーターが手動によりヘッド位置調整機構185を操作してヘッド装着位置を調節する構成も可能である。
濃度補正係数算出部172BにおいてδXDの値から濃度補正係数を求める方法、並びに、ヘッド調整量算出部172CにおいてδXHの値からヘッド調整量を求める方法については、所定のアルゴリズムによる演算式(相関を示す関数など)を用いてもよいし、ルックアップテーブルなどを用いてもよい。
ノズル面−媒体間距離情報取得部173は、図4で説明した距離測定部123、或いは、ユーザーが記録媒体(記録紙116)の厚み情報を入力するためのユーザーインターフェースなどの態様を含む。
ROM175には、システムコントローラ172のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データ(例えば、打滴位置誤差測定用のテストパターンのデータ、打滴位置ずれ量の演算に必要な演算式、ルックアップテーブル)などが格納されている。ROM175は、書換不能な記憶手段であってもよいが、打滴位置の誤差情報を更新する場合は、EEPROMのような書換可能な記憶手段を用いることが好ましい。また、このROM175の記憶領域を活用することで、ROM175を濃度補正係数記憶部190として兼用する構成も可能である。
画像メモリ174は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ176は、システムコントローラ172からの指示に従って搬送系のモータ188を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ178は、システムコントローラ172からの指示に従って後乾燥部等のヒータ189を駆動するドライバである。
プリント制御部180は、システムコントローラ172の制御に従い、画像メモリ174内の画像データ(多値の入力画像のデータ) から打滴制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理手段として機能するとともに、生成したインク吐出データをヘッドドライバ184に供給してヘッド150の吐出駆動を制御する吐出制御手段として機能する。
すなわち、プリント制御部180は、濃度データ生成部180Aと、補正処理部180Bと、インク吐出データ生成部180Cと、駆動波形生成部180Dとを含んで構成される。これら各機能ブロック(180A〜D)は、ASICやソフトウエア又は適宜の組合せによって実現可能である。
濃度データ生成部180Aは、入力画像のデータからインク色別の濃度データを生成する信号処理手段であり、濃度変換処理(UCR処理や色変換を含む)及び必要な場合には画素数変換処理を行う。
補正処理部180Bは、濃度補正係数記憶部190に格納されている濃度補正係数を用いて濃度補正の演算を行う処理手段である。
インク吐出データ生成部180Cは、補正処理部180Bで生成された補正後の濃度データから2値(又は多値)の打滴配置データ(ドットデータ)に変換するハーフトーニング処理(中間階調処理)手段を含む信号処理手段である。
ここで、プリント制御部180における画像処理フローを説明する。入力画像のデータ形態は、特に限定されないが、例えば、24bitのRGBデータとする。この入力画像に対して、ルックアップテーブルによる濃度変換処理を行い、プリンタの持つインク色に対応した濃度データD(i,j)に変換する。なお、(i,j)は画素の位置を表し、各画素について濃度データが割り当てられる。
本例では、入力画像の解像度とプリンタの解像度(ノズル解像度)は一致しているものとする。なお、両者が一致しない場合は、プリンタ解像度に合わせて、入力画像について画素数変換の処理が行われる。
濃度変換処理は一般的な処理であり、下色除去(UCR: Undercolor Removal)処理、或いはライトインク(同色系の淡インク)を使用するシステムの場合におけるライトインクへの分配処理などが含まれる。
例えば、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)の3色インクの構成の場合には、CMYの濃度データD(i,j)に変換される。或いはまた、上記3色に加えてK(黒),LC(ライトシアン),LM(ライトマゼンタ)などの他のインクを含むシステムの場合は、そのインク色を含む濃度データD(i,j)に変換される。
上記の濃度データD(i,j)の生成処理は、図9に示した濃度データ生成部180Aにおいて行われる。
補正処理部180Bは、上記の濃度変換処理を経て得られた濃度データD(i,j)に対して補正処理を行う。ここでは、対応するノズルに応じた濃度補正係数(打滴率補正係数)diを濃度データD(i,j)に乗ずる演算が行われる。
すなわち、ノズルnziの位置(主走査方向位置)iと副走査方向位置jによって画像上の画素位置(i,j)が特定され、各画素について濃度データD(i,j)が与えられる。今、図3の符号Bで示した白スジ(スジムラ)の発生箇所に対して、近隣の画素列の打滴を受け持つノズルについて補正処理を行う場合、補正後の濃度データD’(i,j)は次式、
D’(i,j)=D(i,j)+di×D(i,j)
で計算される。こうして、補正済みの濃度データD’(i,j)が得られる。
上記の計算式によって補正済みのD’(i,j)を生成する処理は、図9の補正処理部180Bにおいて行われる。
その後、上記の補正済みの濃度データD’(i,j)からハーフトーニング処理を行うこと
によって、ドットのオン/オフ信号(2値データ)、または、ドットサイズ変調を含む場合はサイズの種類(ドットサイズの選択)を含んだ多値データに変換される。ハーフトーニングの手法は特に限定されず、誤差拡散法やディザ法など周知の2値(多値)化手法を用いることができる。
このようにして得られた2値(多値)信号に基づいて各ノズルのインク吐出(打滴)データが生成される。上記のハーフトーニング処理を含むインク吐出データの生成処理は、図9のインク吐出データ生成部180Cにおいて行われる。
インク吐出データ生成部180Cにて生成されたインク吐出データはヘッドドライバ184に与えられ、ヘッド150のインク吐出動作が制御される。
駆動波形生成部180Dは、ヘッド150の各ノズル151に対応したアクチュエータ158(図7参照)を駆動するための駆動信号波形を生成する手段であり、該駆動波形生成部180Dにて生成された信号(駆動波形)は、ヘッドドライバ184に供給される。なお、駆動波形生成部180Dから出力される信号は、デジタル波形データであってもよいし、アナログ電圧信号であってもよい。
図9に示したように、プリント制御部180には画像バッファメモリ182が備えられており、プリント制御部180における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ182に一時的に格納される。なお、図9において画像バッファメモリ182はプリント制御部180に付随する態様で示されているが、画像メモリ174と兼用することも可能である。また、プリント制御部180とシステムコントローラ172とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
画像入力から印字出力までの処理の流れを概説すると、印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース170を介して外部から入力され、画像メモリ174に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの多値の画像データが画像メモリ174に記憶される。
インクジェット記録装置110では、インク(色材) による微細なドットの打滴密度やドットサイズを変えることによって、人の目に疑似的な連続階調の画像を形成するため、入力されたデジタル画像の階調(画像の濃淡)をできるだけ忠実に再現するようなドットパターンに変換する必要がある。そのため、画像メモリ174に蓄えられた元画像(RGB)のデータは、システムコントローラ172を介してプリント制御部180に送られ、該プリント制御部180の濃度データ生成部180A、補正処理部180B、インク吐出データ生成部180Cを経てインク色ごとのドットデータに変換される。
すなわち、プリント制御部180は、入力されたRGB画像データをK,C,M,Yの4色のドットデータに変換する処理を行う。こうして、プリント制御部180で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ182に蓄えられる。この色別ドットデータは、ヘッド150のノズルからインクを吐出するためのCMYK打滴配置データに変換され、印字されるインク吐出データが確定する。
ヘッドドライバ184は、プリント制御部180から与えられるインク吐出データ及び駆動波形の信号に基づき、印字内容に応じてヘッド150の各ノズル151に対応するアクチュエータ158を駆動するための駆動信号を出力する。ヘッドドライバ184にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
こうして、ヘッドドライバ184から出力された駆動信号がヘッド150に加えられることによって、該当するノズル151からインクが吐出される。記録紙116の搬送速度に同期してヘッド150からのインク吐出を制御することにより、記録紙116上に画像が形成される。
上記のように、プリント制御部180における所要の信号処理を経て生成されたインク吐出データ及び駆動信号波形に基づき、ヘッドドライバ184を介して各ノズルからのインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。また、本例では、ハーフトーニング処理(中間階調処理)の前段階で、打滴位置誤差を考慮した画像データの補正を行うようにしているため、打滴位置誤差に起因するスジムラを精度よく補正することができる。
印字検出部124は、図4で説明したように、イメージセンサを含むブロックであり、記録紙116に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴の打滴位置ばらつき、光学濃度など)を検出し、その検出結果をプリント制御部180及びシステムコントローラ172に提供する。
プリント制御部180は、必要に応じて印字検出部124から得られる情報に基づいてヘッド150に対する各種補正を行うとともに、必要に応じて予備吐出や吸引、ワイピング等のクリーニング動作(ノズル回復動作)を実施する制御を行う。
本例の場合、システムコントローラ172とプリント制御部180の組合せが「打滴制御手段」に相当し、印字検出部124と打滴誤差測定演算部172Aの組合せが「打滴位置誤差測定手段」に相当する。また、本例の打滴誤差測定演算部172Aは「誤差要因分離手段」としての機能を内包している。また、ヘッド調整量算出部172Cが「調整量算出手段」に相当しており、ヘッド位置調整機構185が「位置調整手段」に相当している。
図10は、本実施形態によるインクジェット記録装置110における打滴位置誤差の測定時の制御手順を示すフローチャートである。
図示の打滴位置誤差の測定フローの開始タイミングは特に限定されず、装置の製造時、ヘッド交換時、メンテナンス時、装置起動時、累積稼働時間の管理に基づく所定のタイミング、或いは、オペレーターによる随時の指定タイミングなど、多様な場合があり得る。
打滴位置誤差の測定フローがスタートすると(ステップS10)、まず、ノズル面と媒体間の距離を第1の距離(Y1)に設定し(ステップS12)、所定のテストパターンの印字を実行する(ステップS14)。このステップS14によるテストパターンの印字工程(1回目)が発明1でいう「打滴工程」或いは発明2でいう「第1の打滴工程」に相当する。
その後、ステップS14によるテストパターンの打滴結果を読み取り、理想位置からの誤差量(△X1=X−X0)を測定する(ステップS16)。このステップS16による誤差量の測定工程(1回目)が発明1でいう「打滴位置誤差測定工程」或いは発明2でいう「第1の打滴位置誤差測定工程」に相当し、誤差量(△X1)が発明1でいう「打滴位置誤差量」或いは発明2でいう「第1の打滴位置誤差量」に相当する。
なお、ステップS12における第1の距離(Y1)の情報とステップS16で得た誤差
量(△X1)の情報は、メモリ等の記憶手段に記憶される。
続いて、ノズル面と媒体間の距離を第2の距離(Y2)に変更する(ステップS18)。このとき、第2の距離(Y2)は、第1の距離(Y1)のk倍とする(Y2=k×Y1)。
そして、この第2の距離(Y2)において、所定のテストパターン(ステップS14と同一の駆動制御によるテストパターン)の印字を行う(ステップS20)。このステップS20によるテストパターンの印字工程(2回目)が発明1でいう「打滴工程」或いは発明2でいう「第2の打滴工程」に相当する。
その後、ステップS20によるテストパターンの打滴結果を読み取り、理想位置からの誤差量(△X2=X'−X0)を測定する(ステップS22)。このステップS22による誤差量の測定工程(2回目)が発明1でいう「打滴位置誤差測定工程」或いは発明2でいう「第2の打滴位置誤差測定工程」に相当し、誤差量(△X2)が発明1でいう「打滴位置誤差量」或いは発明2でいう「第2の打滴位置誤差量」に相当する。
なお、ステップS18における第2の距離(Y2)の情報とステップS22で得た誤差量(△X2)の情報は、メモリ等の記憶手段に記憶される。
次いで、上記のステップS16及びステップS22で得た誤差量の情報(△X1,△X2)から、[式1],[式2]の方程式を解いてδXHとδXDを算出する(ステップS24)。このステップS24による演算工程が「誤差要因分離工程」に相当する。
そして、ステップS24で得られたδXHからヘッド調整量を求め(ステップS26)、測定処理を終了する(ステップS28)。
上記の測定フローによって得られたヘッド調整量にしたがって、ヘッド位置の調整が行われる。また、上記の測定フローによって得られたδXDの情報を利用して、濃度補正係数が決定される。
なお、本実施形態では、δXHとδXDの両方を求めているが、何れか一方の値のみを算出し、ヘッド装着位置の調整、或いは、打滴配置の補正の何れか一方を実施するという態様も可能である。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図11は本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。図11において、図9に示した構成と同一又は類似の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図11に示したインクジェット記録装置110’は、既述した〔測定原理〕の説明中で述べた〔算出方法2〕を実施する形態の構成例である。
すなわち、図11に示したインクジェット記録装置110’は、ヘッド150の各ノズルからの吐出状態を撮影する手段として、高速度カメラ194を設備えている。また、この高速度カメラ194から得られる画像信号を解析して、液滴の吐出角度等を算出する信号処理を行う手段として、システムコントローラ172内に画像解析部172Dが設けられている。
高速度カメラ194は、インクジェットによる液滴の飛翔を撮影するという目的から、例えば、100,000コマ/秒程度の撮影速度のものが用いられる。画像解析部172Dは、ソフトウエアで実現してもよいし、専用の画像処理ICで構成されてもよい。画像解析部172Dで求めた吐出角度の情報とノズル面−媒体間距離の情報からδXDが算出され、このδXDと上記の[式1]より、δXHが算出される。
図11に例示した構成の場合、高速度カメラ194と画像解析部172Dの組合せが「吐出方向測定手段」に相当し、画像解析部172Dと打滴誤差測定演算部172Aの組合せが「誤差要因分離手段」に相当している。
図12は、図11に示したインクジェット記録装置110’における打滴位置誤差の測定時の制御手順を示すフローチャートである。
図示の打滴位置誤差の測定フローの開始タイミングは特に限定されず、装置の製造時、ヘッド交換時、メンテナンス時、装置起動時、累積稼働時間の管理に基づく所定のタイミング、或いは、オペレーターによる随時の指定タイミングなど、多様な場合があり得る。
打滴位置誤差の測定フローがスタートすると(ステップS30)、まず、ノズル面と媒体間の距離を所定の距離(例えば、Y1)に設定し(ステップS32)、所定のテストパターンの印字を実行する(ステップS34)。このステップS34によるテストパターンの印字工程が発明1或いは発明3でいう「打滴工程」に相当する。
このテストパターンの印字中に、高速度カメラ194(図11参照)で吐出状態を撮影し、得られる画像データ(液滴の飛翔軌跡を示すデータ)を解析して、吐出角度のずれ量を測定する(図12のステップS36)。このステップS36による工程が発明3でいう「吐出方向測定工程」に相当する。
そして、ステップS36で求めた吐出角度ずれ量の値と、ステップS32から得られるノズル面−媒体間距離の値から、吐出角度ずれに起因する打滴位置誤差の成分δXDを算出する(ステップS38)。
また、ステップS34によるテストパターンの打滴結果を読み取り、理想位置からの誤差量(△X=X−X0)を測定する(ステップS40)。このステップS40による誤差量の測定工程(1回目)が発明1或いは発明3でいう「打滴位置誤差測定工程」に相当し、誤差量(△X)が「打滴位置誤差量」に相当する。
続いて、ステップS40で得た誤差量の情報(△X)とステップS38で得たδXDの情報から、[式1]を用いてδXHを算出する(ステップS42)。このステップS42による演算工程が「誤差要因分離工程」に相当する。
そして、ステップS42で得られたδXHからヘッド調整量を求め(ステップS44)、測定処理を終了する(ステップS46)。
上記の測定フローによって得られたヘッド調整量にしたがって、ヘッド位置の調整が行われる。また、上記の測定フローによって得られたδXDの情報を利用して、濃度補正係数が決定される。
〔変形例1〕
図9又は図11で説明した打滴誤差測定演算部172A、濃度補正係数算出部172B、ヘッド調整量算出部172C、画像解析部172D、濃度データ生成部180A、補正処理部180Bが担う処理機能の全て又は一部をホストコンピュータ186側に搭載する態様も可能である。
更に、本発明の適用はラインヘッド方式のプリンタに限定されず、シャトルスキャン方式のプリンタに対しても有効に適用できる。
〔変形例2〕
上述の実施形態では、液体吐出ヘッドと記録媒体の相対的配置不良としてヘッドの装着不良を例示したが、ヘッド装着不良の他、搬送部の設置不良(例えば、正常な装着位置に取り付けられたヘッドに対して、記録媒体搬送用のベルトが斜めに装着された場合)などによって、再現性のある斜行・蛇行が生じる場合の打滴位置誤差についても本発明を適用できる。この場合、ヘッド位置調整機構185に代えて、又はこれと併用して、搬送手段の位置を調整するための手段(機構)が設けられる。
110…インクジェット記録装置、112…印字部、112K,112C,112M,112Y…ヘッド、114…インク貯蔵/装填部、116…記録紙(記録媒体)、122…ベルト搬送部(搬送手段)、123…距離測定部、124…印字検出部、150…ヘッド、151…ノズル、152…圧力室、153…インク室ユニット、158…アクチュエータ、172…システムコントローラ、172A…打滴誤差測定演算部、172B…濃度補正係数算出部、172C…ヘッド調整量算出部、172D…画像解析部、173…ノズル面−媒体間距離情報取得部、175…ROM、180…プリント制御部、180A…濃度データ生成部、180B…補正処理部、180C…インク吐出データ生成部、180D…駆動波形生成部、184…ヘッドドライバ、185…ヘッド位置調整機構、194…高速度カメラ

Claims (6)

  1. 複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドから液滴の吐出を行い、記録媒体上に液滴を付着させる打滴工程と、
    前記打滴工程で得られる打滴結果から、前記記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する打滴位置誤差量を求める打滴位置誤差測定工程と、
    前記液滴吐出口から吐出される液滴の吐出方向を測定する吐出方向測定工程と、
    前記打滴位置誤差測定工程で求めた前記打滴位置誤差量から、前記吐出方向測定工程で得られる吐出方向の情報を利用して、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とを分離する誤差要因分離工程と、
    を含み、前記分離された前記第1及び第2の誤差成分のうち少なくとも前記第1の誤差成分の誤差情報を取得し、この取得した誤差情報に基づいて、前記第1の誤差成分の誤差を是正するように、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置を調整することを特徴とする打滴位置誤差の調整方法。
  2. 複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドから液滴の吐出を行い、記録媒体上に液滴を付着させる打滴工程と、
    前記打滴工程で得られる打滴結果から、前記記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する打滴位置誤差量を求める打滴位置誤差測定工程と、
    前記液滴吐出口から吐出される液滴の吐出方向を測定する吐出方向測定工程と、
    前記打滴位置誤差測定工程で求めた前記打滴位置誤差量から、前記吐出方向測定工程で得られる吐出方向の情報を利用して、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とを分離する誤差要因分離工程と、
    を含み、前記分離された前記第2の誤差成分の誤差情報を取得し、この取得した誤差情報に基づいて、前記第2の誤差成分の誤差に起因する記録画像上のスジムラの視認性を低減するように、前記液体吐出ヘッドによる打滴を制御することを特徴とする打滴制御方法。
  3. 請求項1に記載の打滴位置誤差の調整方法における前記誤差要因分離工程にしたがって、前記第2の誤差成分の誤差情報を取得し、この取得した誤差情報に基づいて、前記第2の誤差成分の誤差に起因する記録画像上のスジムラの視認性を低減するように、前記液体吐出ヘッドによる打滴を制御することを特徴とする打滴制御方法。
  4. 複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドから液滴を吐出させ、記録媒体上に液滴を付着させる制御を行う打滴制御手段と、
    前記記録媒体上に記録されたドットの位置を読み取り、前記記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する打滴位置誤差量を測定する打滴位置誤差測定手段と、
    前記液滴吐出口から吐出される液滴の吐出方向を測定する吐出方向測定手段と、
    前記打滴位置誤差測定手段で得られた前記打滴位置誤差量から、前記吐出方向測定手段で得られる吐出方向の情報を利用して、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とを分離する誤差要因分離手段と、
    前記誤差要因分離手段で分離された前記第1の誤差成分の誤差情報に基づいて、前記第1の誤差成分の誤差を是正するために必要な、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置の調整量を算出する調整量算出手段と、
    前記調整量算出手段で算出された調整量にしたがって前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置を調整するための位置調整手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 複数の液滴吐出口が形成された液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドから液滴を吐出させ、記録媒体上に液滴を付着させる制御を行う打滴制御手段と、
    前記記録媒体上に記録されたドットの位置を読み取り、前記記録媒体の記録面上での理想打滴位置に対する打滴位置誤差量を測定する打滴位置誤差測定手段と、
    前記液滴吐出口から吐出される液滴の吐出方向を測定する吐出方向測定手段と、
    前記打滴位置誤差測定手段で得られた前記打滴位置誤差量から、前記吐出方向測定手段で得られる吐出方向の情報を利用して、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の相対的配置不良に起因する第1の誤差成分と、液滴吐出口の吐出方向不良に起因する第2の誤差成分とを分離する誤差要因分離手段と、
    前記誤差要因分離手段で分離された前記第2の誤差成分の誤差情報に基づいて、前記第2の誤差成分の誤差に起因する記録画像上のスジムラの視認性を低減するように、前記液体吐出ヘッドによる打滴配置を決定する打滴配置決定手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記誤差要因分離手段で分離された前記第2の誤差成分の誤差情報に基づいて、前記第2の誤差成分の誤差に起因する記録画像上のスジムラの視認性を低減するように、前記液体吐出ヘッドによる打滴配置を決定する打滴配置決定手段を備えることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
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