JP2000058336A - 電子部品のモールド構造 - Google Patents

電子部品のモールド構造

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JP2000058336A
JP2000058336A JP10223137A JP22313798A JP2000058336A JP 2000058336 A JP2000058336 A JP 2000058336A JP 10223137 A JP10223137 A JP 10223137A JP 22313798 A JP22313798 A JP 22313798A JP 2000058336 A JP2000058336 A JP 2000058336A
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resin
core
mold
molding
coating
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JP10223137A
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Kazumi Kobayashi
一三 小林
Yumiko Ozaki
由美子 尾崎
Masami Takahashi
正己 高橋
Yoshiaki Akachi
義昭 赤地
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】モールド樹脂のふくれやクラックの発生がな
く、歩留りが向上し、かつ小型化とコストダウンが図れ
る電子部品のモールド構造を提供する。 【解決手段】コア2を有するコイル部品1を他の回路部
品5と共に基板に搭載するかあるいはコイル部品1を単
体として構成する。コア2の表面をコーティング樹脂8
で覆う。コーティング樹脂8上にモールド樹脂3を施
し、回路部品1、5またはコイル部品1単体をモールド
樹脂3により覆う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂モールドされ
た電子部品のモールド構造に係わり、特にDC−DCコ
ンバータやハイブリッドIC等として用いられる面実装
型電子部品やコイル部品のモールド構造に関する。
【0002】
【従来の技術】DC−DCコンバータ等の複合電子部品
は、例えば実開平4−72610号公報に開示されてい
るように、基板上にトランスやインダクタ等のコイル部
品や、コンデンサ、抵抗、半導体素子などの回路部品が
表面のみ、または表面と裏面に搭載され、これらの回路
部品は、これらを保護するためのモールド樹脂により覆
われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような電子部品に
おいては、これらの電子部品を内蔵する電子機器の小型
化、薄型化の要求から、これらの電子部品もまた小型
化、薄型化が要求される。このため、図4(A)に示す
ように、基板に実装されるコイル部品1のコア2(4は
コイルである)の上面を覆うモールド樹脂3の厚みhも
薄くすることが要求される。しかしながら、樹脂3のモ
ールド時や電子部品を基板に半田付けするためのリフロ
ー時、すなわち樹脂3やコイル部品1の温度が上昇した
時に、コア2と樹脂3に含まれていた水分が蒸発した
り、コア2とモールド樹脂3との間、あるいはコア2に
内蔵する空気が膨張するため、図4(B)に示すよう
に、コア2の上部の樹脂3aがふくれたり、クラックを
生じたりして製品の品質が低下し、歩留りが低下する。
特にコア2がフェライトコアのように粉末の成形体でな
る場合には、コア内に空気を含みやすく、またフェライ
ト粒子入りエポキシ樹脂のようなモールド樹脂3の場
合、コア2との密着性が低いために、両者間に空気層が
生じ、これらの空気がリフロー時の熱により膨張して前
記ふくらみが生じやすい。なお、モールド樹脂3にコア
2との密着性の高いものを選択すると、モールド用金型
との型離れが悪くなり、金型も汚れ易くなるので、モー
ルド樹脂3にあまり密着性の高いものを選択することは
できない。
【0004】図4(C)はコア2の上面を覆うモールド
樹脂3の厚みhとモールド樹脂3のふくれ量δとの関係
を示す図であり、モールド時またはリフロー時のふくれ
を抑えるためには、実際には前記厚みhを0.7mm以
上とする必要がある。このため、電子部品の厚みが大き
くなってしまう。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑み、モールド樹
脂のふくれやクラックの発生がなく、歩留りが向上し、
かつ小型化とコストダウンが図れる電子部品のモールド
構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の電子部品のモ
ールド構造は、コアを有するコイル部品をモールド樹脂
により覆った電子部品のモールド構造であって、前記コ
イル部品のコアの表面をコーティング樹脂で覆い、該コ
ーティング樹脂上にモールド樹脂を施したことを特徴と
する。
【0007】請求項2の電子部品のモールド構造は、コ
アを有するコイル部品を他の回路部品と共に基板上に搭
載し、かつ前記回路部品をモールド樹脂により覆った電
子部品のモールド構造であって、前記コイル部品のコア
の上面をコーティング樹脂で覆い、該コーティング樹脂
上にモールド樹脂を施したことを特徴とする。
【0008】請求項1、2のように、コアを下地材とし
てのコーティング樹脂で覆う構造を採用すれば、コーテ
ィング樹脂は塗布によって被着可能であるから、モール
ド樹脂よりもコアに対する接着性が高く、また流動性が
あって表面の微細凹部に浸透しやすい材料を選択するこ
とができるのでコーティング樹脂をコアに強く結合させ
ることができる。また、モールド樹脂は、コアの上面に
おいて、コーティング樹脂に対して被着されることとな
るので、コアに対して被着する場合よりも密着性が向上
し、コア上のモールド樹脂のはがれやふくれあるいはク
ラック発生を防止することができる。
【0009】請求項3の電子部品のモールド構造は、請
求項1において、前記コーティング樹脂とモールド樹脂
が共にエポキシ系樹脂でなることを特徴とする。
【0010】このように、コーティング樹脂とモールド
樹脂が共にエポキシ系樹脂でなることにより、モールド
時において、コーティング樹脂とモールド樹脂とを反応
させて両者を一体化することができ、モールド樹脂のコ
ーティング樹脂に対する結合が強固に行われる。
【0011】請求項4の電子部品のモールド構造は、請
求項1または2において、前記モールド樹脂がフェライ
ト粒子を含有することを特徴とする。
【0012】このように、モールド樹脂がフェライト粒
子を含むものである場合、コアを有するトランスのQを
向上させることができる。また、このようにフェライト
粒子を含むものでありながら、コア上面とモールド樹脂
との結合を強固にすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1(A)は本発明による電子部
品の一実施の形態を示す断面図、図1(B)はその平面
図であり、DC−DCコンバータに例をとって示すもの
である。図1において、1はフェライトでなるドラム型
コア2とコイル4からなるトランス等のコイル部品、5
は他の回路部品であり、これらは基板7に半田により電
気的に接続して搭載される。3はこれらの回路部品1、
5および基板7をモールドした樹脂、6は基板7の端部
に固定した端子である。コイル部品1は、そのコア2の
巻芯が基板7に対して垂直になるようにセットされる。
【0014】前記モールド樹脂3は、フェライト入り樹
脂を用いることにより、外部へ放射するノイズと外部か
ら飛来するノイズを低減する構造としている。
【0015】図2(A)は図1(A)のコイル部品1の
部分拡大図である。図1(A)、(B)および図2
(A)に示すように、コア2の上面には下地材としての
コーティング樹脂8を被着してなる。このように、モー
ルド樹脂3はコア2の上面に対し、コーティング樹脂8
を介して被着される。
【0016】図2(B)は従来のモールド樹脂3とコア
2との間の境界面を示すもので、モールド樹脂3にエポ
キシ系樹脂を用いて例えば射出成形により成形を行う場
合、モールド樹脂3の材料が過度の流動性を持つと、金
型から樹脂の漏れ等の問題や成形性の悪化の問題を生じ
るため、流動性も有る程度抑える必要がある。また、特
にフェライト粒子10を含む場合、フェライト粒子10
を含ませるためには、モールド樹脂3の流動性も抑える
必要がある。このため、成形にあたり、モールド樹脂3
の材料を金型内に注入した場合、コア2のフェライト粒
子9との間に空気層11が形成され易く、また、このよ
うな空気層11やコア7の内部の空気がモールド樹脂の
硬化のための熱により膨張してモールド樹脂3のふくれ
やはがれあるいはクラック発生を起こし易くなる。
【0017】一方、本発明のように、図2(C)に示す
ように、下地材としてのコーティング樹脂8をコア12
の上面に被着するようにすれば、上記のようなモールド
樹脂3の成形時の流動性の制約を受けないため、コア2
の表面のフェライト粒子9の隙間に十分に浸透する高い
流動性の状態でコーティング樹脂8を塗布、固着させる
ことができ、アンカー効果が得られる。また、従来のよ
うなコア2とモールド樹脂3との間の空気層11が生じ
にくくなる。またコーティング樹脂8とモールド樹脂3
との間は凹凸面ではなく、モールド樹脂3がコーティン
グ樹脂8の全面に密着するので、結合強度があがる。
【0018】このようなコーティング樹脂8とモールド
樹脂3の形成は、次のように行うことができる。エポキ
シ系コーティング樹脂8をコーティングした後、120
℃〜160℃で30分〜120分加熱することにより、
完全に硬化させ、例えば直径が3mmのコア2の上面に
20μmの膜厚のコーティング膜を形成した。次に、粒
径が0.5μm〜50μmのフェライト粒子を60wt
%混合した射出成形用エポキシ系樹脂によるモールド成
形を行った。このモールド成形時には、170℃で2分
〜3分加熱した。なお、硬化を完全にして強度を向上す
るためには、アフターキュアを120℃〜160℃で1
0分〜30分行うことが好ましい。このような工程によ
り、コーティング樹脂8を含めたコア2の上面の樹脂
3、8のトータルの厚みhを0.3mmに形成した。
【0019】このように、モールド樹脂3の下地材とし
てコーティング樹脂8を設けることにより、モールド樹
脂3がコーティング樹脂8を介してコア2に強固に結合
されるので、コア2の上部のモールド樹脂3の厚みを従
来より薄くしても、モールド時やリフロー時におけるモ
ールド樹脂のふくらみやクラック発生を防止することが
できる。したがって、品質向上、歩留りの向上が達成で
きる。また、コア2の上部の肉厚hを薄くすることがで
き、ひいては部品全体の厚みを薄くすることができる。
また、歩留りが向上し、小型になるため、コストダウン
が図れる。本実施の形態によれば、コア2の上部のモー
ルド樹脂3の厚みhは0.2mm〜0.6mm程度に設
定できる。
【0020】特に前記のように、コーティング樹脂8と
モールド樹脂3の双方にエポキシ系樹脂を用いた場合、
コーティング樹脂8とモールド樹脂3が一体に結合する
ので、結合強度があがる。
【0021】なお、コーティング樹脂8と、モールド樹
脂3の形成は、次のように行うことが両樹脂8、3間の
結合をより強固にする上でさらに有効である。すなわ
ち、前記コーティング樹脂8の形成工程において、コア
2の上面に流動状態にあるコーティング樹脂8を塗布し
た後、120℃〜160℃で10分〜20分加熱するこ
とにより、完全に硬化させないで半硬化状態とし、モー
ルド成形時に170℃で2分〜3分加熱して完全に硬化
させ、さらに必要に応じてアフターキュアを120℃〜
160℃で10分〜30分行う。
【0022】このように、コーティング樹脂8をコア2
の上面に形成したモールド前の状態においては、コーテ
ィング樹脂8を半硬化状態とし、モールド樹脂3による
モールド成形時にモールド樹脂3とコーティング樹脂8
を同時に完全に硬化させることにより、モールド樹脂3
とコーティング樹脂8との反応を強く起こさせ、その結
果、強固な結合を得ることができる。
【0023】図3はトランスあるいはインダクタとして
構成されるコイル部品単体をモールド樹脂3によりモー
ルドしたものに本発明を適用した実施の形態である。す
なわち、コア2の上面にコーティング樹脂8を被着し、
その上にモールド樹脂3をモールドしたものである。こ
の場合にもモールド樹脂3のモールド時やリフロー時に
おいてふくらみやはがれあるいはクラックの発生を無く
することができる。
【0024】本発明は、図1(A)において、基板7の
片面のみに回路部品を搭載した構造の複合電子部品や、
従来例で示した実開平4−72610号公報に開示され
ているように、基板に設けた孔にコイル部品の一部を落
とし込んで搭載した構造や、基板の板面方向に巻軸を配
置して搭載した構造にも適用できる。また、基板に搭載
したコイル部品のみをモールドする構造や、回路部品の
一部を含みモールドする等種々の変形例に適用できる。
【0025】また、コイル部品に用いるコアはドラム型
に限らず、EI型、EE型等の組合せ型のコアでも良
く、コーティング樹脂を設ける位置は、相対的にモール
ド厚さが確保できない面とすることが好ましい。さらに
基板7の端部にスルーホールを利用して端子電極を形成
した構造の表面実装型の複合電子部品等として実現する
ことも可能である。
【0026】
【発明の効果】請求項1、2によれば、コアを有するコ
イル部品をモールド樹脂により覆った電子部品のモール
ド構造、あるいはコアを有するコイル部品を他の回路部
品と共に基板上に搭載し、かつ前記回路部品をモールド
樹脂により覆った電子部品のモールド構造であって、前
記コイル部品のコアの表面、上面をコーティング樹脂で
覆い、該コーティング樹脂上にモールド樹脂を施したの
で、コーティング樹脂は流動性やコアに対する接着性の
面でモールド樹脂のような制約をうけず、コアに対して
強いアンカー効果を得ることができ、かつコアとモール
ド樹脂との間に空気層が残留しにくいため、モールド樹
脂をコアに対して直接被着する場合よりも密着性が向上
し、モールド時やリフロー時におけるモールド樹脂のコ
ア上のはがれやふくらみあるいはクラックの発生を防止
することができる。また、これにより歩留まりが向上
し、かつモールド樹脂の薄層化による小型化とコストダ
ウンが図れる。
【0027】請求項3によれば、請求項1または2にお
いて、前記コーティング樹脂とモールド樹脂が共にエポ
キシ系樹脂でなるため、モールド時において、コーティ
ング樹脂とモールド樹脂とを反応させて両者を一体化す
ることができ、モールド樹脂のコーティング樹脂に対す
る結合が強固に行われる。
【0028】請求項4によれば、請求項1から3までの
いずれかにおいて、前記モールド樹脂がフェライト粒子
を含有するため、コアを有するトランスのQを向上させ
ることができる。また、このようにフェライト粒子を含
むものでありながら、コーティング樹脂がコア上面とモ
ールド樹脂との結合を強固にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明による電子部品の一実施の形態
を示す断面図、(B)はその平面図である。
【図2】(A)は図1(A)のコイル部品1の部分拡大
図、(B)は従来のコア上面とモールド樹脂との間の微
細構造の説明図、(C)は本発明のコア上面とモールド樹
脂との間の微細構造の説明図である。
【図3】本発明による電子部品の他の実施の形態を示す
断面図である。
【図4】(A)は従来の電子部品のモールド構造を示す
断面図、(B)はそのふくらみを説明する断面図、
(C)はコアの上面のモールド樹脂の厚みとふくらみと
の関係図である。
【符号の説明】
1:コイル部品、2:コア、3:モールド樹脂、4:コ
イル、5:他の回路部品、6:端子、7:基板、8:コ
ーティング樹脂、9、10:フェライト粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09D 163/00 H01F 31/00 K A J (72)発明者 高橋 正己 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ −ディ−ケイ株式会社内 (72)発明者 赤地 義昭 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ −ディ−ケイ株式会社内 Fターム(参考) 4J036 AA01 JA01 JA07 4J038 EA011 PA07 5E044 AB01 AC05 AD02 DA03 5E070 AA01 AB02 BA03 DA13 DA17 5H730 AA02 AA03 AA15 ZZ09 ZZ16 ZZ17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コアを有するコイル部品をモールド樹脂に
    より覆った電子部品のモールド構造であって、 前記コイル部品のコアの表面をコーティング樹脂で覆
    い、該コーティング樹脂上にモールド樹脂を施したこと
    を特徴とする電子部品のモールド構造。
  2. 【請求項2】コアを有するコイル部品を他の回路部品と
    共に基板上に搭載し、かつ前記回路部品をモールド樹脂
    により覆った電子部品のモールド構造であって、 前記コイル部品のコアの上面をコーティング樹脂で覆
    い、該コーティング樹脂上にモールド樹脂を施したこと
    を特徴とする電子部品のモールド構造。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記コーティ
    ング樹脂およびモールド樹脂が共にエポキシ系樹脂でな
    ることを特徴とする電子部品のモールド構造。
  4. 【請求項4】請求項1から3までのいずれかにおいて、
    前記モールド樹脂がフェライト粒子を含有することを特
    徴とする電子部品のモールド構造。
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