JP3539719B2 - 導電性接着剤を用いた電子部品の実装体およびその製造方法 - Google Patents

導電性接着剤を用いた電子部品の実装体およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハンダの代わりに導電性接着剤を用いた電子部品の実装体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
回路基板上に電子部品を実装するときは、一般にはハンダが使用されていた。しかしながら、環境問題から電子機器から有害物質を削除する取組みが活発がしており、早急にはハンダに含まれる鉛を削除することが盛んに検討されている。低融点金属であるハンダは短い加熱時間と特有のセルフアライメント効果を有することで非常に優れた接合材料である。すなわちハンダ接合のメカニズムは、ハンダを熱で溶融させることにより、接続する電極材料と合金化すると考えられ、従って電極材料上ではハンダの濡れ性がよく、他の領域はハンダに濡れないので、溶融したハンダは、回路基板と電子部品の電極材料と選択的に濡れようとしてその結果としてセルフアライメント効果が現れるものである。
【0003】
また、鉛を無くしたハンダでは融点が従来の共晶ハンダと比べて高くなるので、添加材により低融点化を図っている。
【0004】
ところで、ハンダによる接続信頼性を考察すると、ハンダは金属からなるので、接合部分に繰返し応力が加わった場合、金属特有の疲労破壊が発生しやすい。
【0005】
一方、ハンダを使用しない接続方法としては導電性接着剤を使用する方法がある。導電性接着剤を使用する実装ではハンダの場合と比べて、次の点が優れている。すなわち導電性接着剤による接合は金属接合ではないので、繰返し応力による疲労破壊は発生しにくいことと、回路基板の両面に電子部品を実装するような場合はハンダのようにオモテ面とウラ面とで使用するハンダの融点を変える必要が無いことである。すなわち、ハンダによる接続の場合には、オモテ面とウラ面とで使用するハンダの融点が同じハンダを用いた場合には、仮に、先にオモテ面をハンダで接続し、次にウラ面を同じ融点を有するハンダで接続する場合に、ハンダを溶融するための熱がオモテ面に伝わり、オモテ面のハンダが溶融し接続が外れる恐れがあるからである。導電性接着剤を使用した場合には、特殊な場合を除いて、通常、オモテ面もウラ面も区別なく同一の導電性接着剤を使用することができる。
【0006】
以下、図を参照しながら導電性接着剤を使用した電子部品の実装について説明する。
【0007】
図5は導電性接着剤を使用して回路基板上に電子部品(チップ部品)を搭載した時の従来の搭載状態を示す断面の模式図、図6は導電性接着剤を使用して回路基板上に電子部品を搭載した時の従来の搭載状態を示す平面図である。図5、図6において、41は回路基板、42は電極端子部分、44は電子部品(チップ部品)、45は電子部品の電極そして46は熱硬化性の導電性接着剤である。
【0008】
導電性接着剤46を使用して回路基板41上に電子部品45を搭載する時の工程はまず、回路基板41の電子部品44が搭載される電極端子部分42に導電性接着剤ペースト46を塗布する。次に電子部品44を回路基板41上に搭載する。最後に導電性接着剤ペースト46を加熱硬化して実装体を得る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように、ハンダの代わりに熱硬化性の導電性接着剤を使用しただけでは導電性接着剤を加熱硬化しても、ハンダの場合のようにセルフアライメント効果は得られない(図6参照)。すなわち、図6からも明らかなように、電子部品44の電極45が、回路基板41上に設けられている電極端子部分42の所定の位置上に、正確に載置されない。したがって、導電性接着剤を使用する場合は、電子部品を高い位置精度で載置する必要があり、それを行う実装装置も高価なものになってしまう。
【0010】
そこで本発明は上記課題を解決し、従来の実装装置を用いても電子部品を載置した後でセルフアライメント効果が得られる導電性接着剤を用いた電子部品の実装体とその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の導電性接着剤を用いた電子部品の実装体は、
(1)回路基板上にハンダの代わりに熱硬化性導電性接着剤を用いて電子部品を搭載した実装体であって、電子部品の電極の全体または少なくとも回路基板上の電極端子と対向する面が導電性強磁性材料からなり、前記電極と接続される回路基板上の電極端子の全体または少なくとも前記電子部品の電極と対向する面が導電性強磁性材料からなり、導電性強磁性材料のキュリー温度が、導電性接着剤を硬化する温度以下であることを特徴とする。
【0012】
ハンダを用いずに、導電性接着剤を用いた本発明の電子部品の実装体によれば、セルフ アライメント効果が得られるので、電子部品載置時に位置精度が悪くても正確な位置で電子部品を実装できるとともに、導電性強磁性材料のキュリー温度が、導電性接着剤を硬化する温度以下であることにより、導電性接着剤の硬化処理による加熱によって、導電性強磁性材料の磁力を消磁でき、着磁状態で使用した場合に生じる恐れのある電子部品実装体の誤作動の可能性を少なくでき好ましい。
【0013】
)前記(1)に記載の実装体においては、電子部品の電極が、回路基板上の電極端子と対向する面の表面が前記導電性強磁性材料の層で被覆されている構造の電極からなることが好ましい。こうすることにより、電子部品の電極が、回路基板上の電極端子と対向する面が磁力により、回路基板上の電極端子と対向することになるので、接合すべき面が選択的に電極端子と対向でき好ましい。
【0014】
)前記()に記載の実装体においては、導電性強磁性材料の層が、導電性強磁性材料粉末と樹脂との混合物からなる層であることが好ましい。こうすることにより、簡単に導電性強磁性材料の被膜を電子部品の電極表面に形成でき好ましい。
【0015】
)前記(1)に記載の実装体においては、回路基板上の電極端子が、電子部品の電極と対向する面の表面が前記導電性強磁性材料の層で被覆されている構造の電極端子からなることが好ましい。こうすることにより、電子部品の電極との接合位置がより正確になり好ましい。
【0016】
)前記()に記載の実装体においては、導電性強磁性材料の層が、導電性強磁性材料粉末と樹脂との混合物からなる層であることが好ましい。こうすることにより、簡単に導電性強磁性材料の被膜を電子部品の電極端子表面に形成でき好ましい。
【0017】
)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の実装体においては、導電性強磁性材料が、鉄、コバルト、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも一種類以上を主成分とする金属を含む材料からなることが好ましい。
【0018】
また、本発明の導電性接着剤を用いた電子部品の実装体の製造方法は、
)回路基板上の電子部品が搭載される電極端子の少なくとも前記電子部品の電極と対向する面の表面に導電性強磁性材料の層を形成する工程と、前記電子部品の電極と対向する面の電極端子表面に熱硬化性の導電性接着剤を塗布する工程と、搭載する電子部品の電極の少なくとも回路基板上の電極端子と対向する面の表面に導電性強磁性材料の層を形成する工程と、前記電子部品を回路基板上に搭載する工程と、導電性接着剤を加熱硬化する工程からなり、導電性接着剤を硬化する温度が導電性強磁性材料のキュリー温度以上である。
【0019】
ハンダを用いずに、導電性接着剤を用いた本発明の電子部品の実装体の製法によれば、セルフアライメント効果が得られるので、電子部品載置時に位置精度が悪くても正確な位置で電子部品を実装できるとともに、導電性接着剤を硬化処理による加熱によって、導電性強磁性材料の磁力を消磁でき、着磁状態で使用した場合に生じる恐れのある電子部品実装体の誤作動の可能性を少なくでき好ましい。
【0020】
)前記(7)に記載の実装体の製造方法においては、導電性強磁性材料が、鉄、コバルト、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも一種類以上を主成分とする金属を含む材料からなることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明において、保磁力の大きい導電性強磁性材料を用いる場合の保磁力は、特に限定するものではないが、1000Oe以上のものが好ましい。
【0022】
また、本発明において、電子部品の電極として、少なくとも回路基板上の電極端子と対向する面の表面が導電性強磁性材料の層で被覆されている構造の電極を用いる場合には、導電性強磁性材料からなる被覆層の厚みは特に限定するものではないが、5〜20μm程度でよい。もちろん更に厚くてもかまわないが、被覆工程に時間がかかり若干生産効率が低下するので、必要以上に厚くしなくてもよい。この場合、被覆される方の電子部品の電極材料も、特に限定されるものではないが、例えば、Ag電極とか、Ag−Pdの焼結電極などが好ましく用いられる。また、必要に応じて、電子部品の電極全体が導電性強磁性材料からなる電極を用いることもできる。
【0023】
また、回路基板上の電極端子として、少なくとも電子部品の電極と対向する面の表面が前記導電性強磁性材料の層で被覆されている構造の電極端子を用いる場合には、導電性強磁性材料からなる被覆層の厚みは特に限定するものではないが、5〜20μm程度でよい。もちろん更に厚くてもかまわないが、被覆工程に時間がかかり若干生産効率が低下するので、必要以上に厚くしなくてもよい。この場合、被覆される方の電極端子の材料も、特に限定されるものではないが、例えば、Cu箔(Cu箔が用いられる場合には、酸化防止のため、通常、その表面がプリフラックス処理もしくは防錆処理されているものが好ましく用いられる。)とか、Cu箔表面にNi−Auメッキが施されたもの、あるいは、Auメッキ電極などが好ましく用いられる。また、必要に応じて、回路基板上の電極端子部分全体が導電性強磁性材料からなる電極端子部分を用いることもできる。
【0024】
【実施例】
次に、本発明の導電性接着剤を用いた電子部品の実装体及びその製造方法について本発明の実施例を参照して具体的に説明する。
【0025】
参考例1)
図1は一参考例における導電性接着剤を用いた電子部品の実装体の断面模式図、図2はその平面図である。図1及び図2において、11は回路基板、12は電極端子部分、13は導電性強磁性材料の被覆層(以下、被覆層を膜と略称することがある。)、14は電子部品(チップ部品)、15は電子部品の電極、15aは電子部品の電極15の表面に被覆された導電性強磁性材料の被覆層、16は導電性接着剤である。以上のように構成された電子部品の実装体の製造方法について以下に説明する。
【0026】
まず、配線回路が形成された回路基板11を準備し、電子部品14が搭載される電極端子12表面に導電性強磁性材料の被覆層13として保磁力の小さい強磁性のステンレス鋼の膜を形成する。被覆層13は強磁性ステンレス鋼粉末と熱硬化性エポキシ樹脂とを混合したペーストを作製しスクリーン印刷により回路基板上の所望の電極上に形成し、加熱硬化して形成した。硬化後の層の厚みは約10μmであった。なお、導電性強磁性材料の被覆層13としての強磁性ステンレス鋼膜は金属蒸着法などの薄膜プロセスで形成しても良い。回路基板11の基板材料としては、ガラス繊維強化エポキシ樹脂基板を用いたが、その他、アラミド繊維強化エポキシ樹脂基板、セラミック基板、ビルドアップ基板、フィルム基板、樹脂成形基板など各種のものが用い得る。
【0027】
次に電子部品(チップ部品)14の電極15の表面に保磁力の大きい強磁性材料であるNd−Fe−B系合金からなる強磁性材料の被覆層15aを形成する。Nd−Fe−B系合金からなる強磁性材料の被覆層15aはNd−Fe−B系合金粉末と熱硬化性エポキシ樹脂とを混合したペーストを作製し、電子部品14の電極15の表面に塗布して加熱硬化して形成した。なお、Nd−Fe−B系合金膜は金属蒸着法などの薄膜プロセスで形成しても良い。形成されたNd−Fe−B系合金膜の表面にNiやAuのメッキ膜を形成した方が好ましい。さらに、強磁性材料としてはSm−Co系合金やSm−Fe系合金を使用しても良い。電子部品14に導電性強磁性材料の被覆層15aを形成した後、前記強磁性材料の被覆層を着磁装置を用いて着磁させた。
【0028】
導電性強磁性体材料の被覆層13として強磁性ステンレス鋼膜が形成された回路基板11上の所望の箇所に熱硬化性の導電性接着剤16を印刷塗布した後、着磁した導電性強磁性材料の被覆層15aを形成した電子部品14を回路基板11上の所望の位置に載置した。このとき、Nd−Fe−B系合金膜は着磁されているので、電子部品14の載置精度が悪くても、磁力により正しい位置に修正される。(図2参照)。
【0029】
最後に導電性接着剤を加熱硬化して、回路基板11へ電子部品14が搭載された実装体を得ることができる。この状態でも回路として十分に機能するが、Nd−Fe−B系合金膜の磁力を消磁した方が誤作動の可能性が少なくなり好ましい。
【0030】
尚、導電性接着剤16としては、Ag粉末がフェノール硬化剤系のエポキシ樹脂材料に混合されたペースト状の熱硬化性導電性接着剤(ナミックス株式会社製の品番9268)を用いたが、これに限定されるものではなく、金属粉末としては、Ag、Ag−Pd合金、Ni、Cu、Auなどが挙げられ、通常これらの金属粉末が、およそ70〜80重量%の割合で硬化性液状樹脂に混合されたペースト状の導電性接着剤が用いられる。
【0031】
参考例2)
図3は一参考例における導電性接着剤を用いた電子部品の実装体の断面模式図である。図3において、21は回路基板、22は電極端子部分、23は導電性強磁性材料の被覆層、24は電子部品、25は電子部品の電極、25aは電子部品の電極表面に被覆された導電性強磁性材料の被覆層、26は導電性接着剤である。以上のように構成された電子部品の実装体の製造方法について以下に説明する。
【0032】
まず、配線回路が形成された回路基板21を準備し、電子部品24が搭載される電極端子22表面に導電性強磁性材料の被覆層23として、保磁力の大きい導電性強磁性材料であるNd−Fe−B系合金膜を形成する。被覆層23はNd−Fe−B系合金粉末と熱硬化性エポキシ樹脂とを混合したペーストを作製しスクリーン印刷により回路基板上の所望の電極上に形成し加熱硬化した。硬化後の被覆層の厚みは約10μmであった。なお、導電性強磁性材料の被覆層23としてのNd−Fe−B系合金膜は金属蒸着などの薄膜プロセスで形成しても良い。Nd−Fe−B系合金膜を形成した後、着磁処理を行った。形成されたNd−Fe−B系合金膜の表面にNiやAuのメッキ膜を形成した方が好ましい。さらに、強磁性材料としてはSm−Co系合金やSm−Fe系合金を使用しても良い。
【0033】
回路基板21の基板材料としては、ガラス繊維強化エポキシ樹脂基板を用いたが、その他、アラミド繊維強化エポキシ樹脂基板、セラミック基板、ビルドアップ基板、フィルム基板、樹脂成形基板など各種のものが用い得る。
【0034】
次に電子部品(チップ部品)24の電極25の表面に導電性強磁性体材料の被覆層25aとして保磁力の小さい強磁性ステンレス鋼膜を形成する。強磁性ステンレス鋼膜は強磁性ステンレス鋼粉末と熱硬化性エポキシ樹脂とを混合したペーストを作製し、電子部品24の電極25の表面に塗布して加熱硬化して形成した。なお、強磁性ステンレス鋼膜は金属蒸着法などの薄膜プロセスで形成しても良い。
【0035】
導電性強磁性材料の被覆層23として保磁力の大きいNd−Fe−B系合金膜を形成した回路基板21上の所望の箇所に熱硬化性の導電性接着剤26を印刷塗布した後、保磁力の小さい導電性強磁性材料の被覆層25aが形成された電子部品24を回路基板21上の所望の位置に載置した。このとき、Nd−Fe−B系合金膜は着磁されているので、電子部品24の載置精度が悪くても、磁力により正しい位置に修正される。
【0036】
最後に導電性接着剤を加熱硬化して、回路基板21へ電子部品24が搭載された実装体を得ることができる。この状態でも回路として十分に機能するが、Nd−Fe−B系合金膜の磁力を消磁した方が誤作動の可能性が少なくなり好ましい。
【0037】
尚、導電性接着剤16としては、ナミックス株式会社製のAg粉末がフェノール硬化剤系のエポキシ樹脂材料に混合されたペースト状の熱硬化性導電性接着剤(ナミックス株式会社製の品番9268)を用いたが、これに限定されるものではなく、金属粉末としては、Ag、Ag−Pd合金、Ni、Cu、Auなどが挙げられ、通常これらの金属粉末が、およそ70〜80重量%の割合で硬化性液状樹脂に混合されたペースト状の導電性接着剤が用いられる。
【0038】
(実施例
図4は本発明の一実施例における導電性接着剤を用いた電子部品の実装体の断面模式図である。図4において、31は回路基板、32は電極端子部分、33は導電性強磁性材料膜、34は電子部品、35は電子部品34の電極、35aは電子部品の電極表面に被覆された導電性強磁性材料の被覆層、36は導電性接着剤である。以上のように構成された電子部品の実装体の製造方法について以下に説明する。
【0039】
まず、配線回路が形成された回路基板31を準備し、電子部品34が搭載される電極端子32表面に導電性強磁性材料の被覆層33として重量割合でFeが90、Coが5、Niが5からなるFe、Co、Niを主成分とする強磁性合金膜を形成する。被覆層33はFe、Co,Niを主成分とする強磁性合金粉末と熱硬化性エポキシ樹脂とを混合したペーストを作製しスクリーン印刷により回路基板上の所望の電極上に形成し加熱硬化した。硬化後の被覆層の厚みは約10μmであった。なお、Fe、Co、Niを主成分とする強磁性合金膜は金属蒸着などの薄膜プロセスで形成しても良い。形成された強磁性合金膜の表面にはNiやAuのメッキ膜を形成した方が好ましい。
【0040】
回路基板31の基板材料としては、ガラス繊維強化エポキシ樹脂基板を用いたが、その他、アラミド繊維強化エポキシ樹脂基板、セラミック基板、ビルドアップ基板、フィルム基板、樹脂成形基板など各種のものが用い得る。
【0041】
次に電子部品(チップ部品)34の電極35の表面に導電性強磁性材料の被覆層35aとしてのFe、Co、Niを主成分とする強磁性合金膜(重量割合でFeが90、Coが5、Niが5からなる)を形成する。導電性強磁性材料の被覆層35aはFe、Co、Niを主成分とする強磁性合金粉末と熱硬化性エポキシ樹脂とを混合したペーストを作製し、電子部品34の電極35の表面に塗布して加熱硬化して形成した。なお、Fe、Co、Niを主成分とする強磁性合金膜は金属蒸着法などの薄膜プロセスで形成しても良い。
【0042】
回路基板31上に形成した導電性強磁性体材料の被覆層33のFe、Co、Niを主成分とする強磁性合金膜を着磁させた。このとき強磁性合金のキュリー温度は150℃であった。なお、着磁させるのは電子部品の電極35の表面に形成した導電性強磁性体材料の被覆層33の強磁性合金膜の方でも良い。
【0043】
回路基板31上の所望の箇所に熱硬化性の導電性接着剤36を印刷塗布した後、導電性強磁性材料の被覆層35aの強磁性合金膜を形成した電子部品34を回路基板31上の所望の位置に載置した。このとき、Fe、Co、Niを主成分とする強磁性合金膜は着磁されているので、電子部品34の載置精度が悪くても、磁力により正しい位置に修正される。
【0044】
最後に導電性接着剤を180℃で加熱硬化して、回路基板31への電子部品34の実装体を得ることができる。Fe、Co、Niを主成分とする強磁性合金膜のキュリー温度が150℃なので導電性接着剤を180℃で硬化した後はFe、Co、Niを主成分とする強磁性合金膜は磁力を失っている。
【0045】
尚、導電性接着剤16としては、ナミックス株式会社製のAg粉末がフェノール硬化剤系のエポキシ樹脂材料に混合されたペースト状の熱硬化性導電性接着剤(ナミックス株式会社製の品番9268)を用いたが、これに限定されるものではなく、金属粉末としては、Ag、Ag−Pd合金、Ni、Cu、Auなどが挙げられ、通常これらの金属粉末が、およそ70〜80重量%の割合で硬化性液状樹脂に混合されたペースト状の導電性接着剤が用いられる。
【0046】
【発明の効果】
以上に説明したように、ハンダを用いずに、導電性接着剤を用いた本発明の電子部品の実装体ならびにその製法によれば、セルフアライメント効果が得られるので、電子部品載置時に位置精度が悪くても正確な位置で電子部品を実装できるとともに、導電性強磁性材料のキュリー温度が、導電性接着剤を硬化する温度以下であることにより、導電性接着剤の硬化処理による加熱によって、導電性強磁性材料の磁力を消磁でき、着磁状態で使用した場合に生じる恐れのある電子部品実装体の誤作動の可能性を少なくできる
【図面の簡単な説明】
【図1】一参考例における導電性接着剤を用いた電子部品の実装体の断面の模式図である。
【図2】一参考例における導電性接着剤を用いた電子部品の実装体の平面の模式図である。
【図3】別の一参考例における導電性接着剤を用いた電子部品の実装体の断面の模式図である。
【図4】本発明一実施例における導電性接着剤を用いた電子部品の実装体の断面の模式図である。
【図5】従来の導電性接着剤を用いた電子部品の実装体の断面の模式図である。
【図6】従来の導電性接着剤を用いた電子部品の実装体の平面の模式図である。
【符号の説明】
11,21,31,41 回路基板
12,22,32,42 回路基板上の電極端子部分
13,23,33 回路基板上の導電性強磁性材料の被覆層
14,24,34,44 電子部品
15,25,35,45 電子部品の電極
15a,25a,35a 電子部品の電極表面に形成された導電性強磁性材料の被覆層
16、26、36、46 導電性接着剤

Claims (8)

  1. 回路基板上にハンダの代わりに熱硬化性導電性接着剤を用いて電子部品を搭載した実装体であって、電子部品の電極の全体または少なくとも回路基板上の電極端子と対向する面が導電性強磁性材料からなり、前記電極と接続される回路基板上の電極端子の全体または少なくとも前記電子部品の電極と対向する面が導電性強磁性材料からなり、導電性強磁性材料のキュリー温度が、導電性接着剤を硬化する温度以下であることを特徴とする実装体。
  2. 電子部品の電極が、回路基板上の電極端子と対向する面の表面が前記導電性強磁性材料の層で被覆されている構造の電極からなる請求項1に記載の実装体。
  3. 導電性強磁性材料の層が、導電性強磁性材料粉末と樹脂との混合物からなる層である請求項に記載の実装体。
  4. 回路基板上の電極端子が、電子部品の電極と対向する面の表面が前記導電性強磁性材料の層で被覆されている構造の電極端子からなる請求項1に記載の実装体。
  5. 導電性強磁性材料の層が、導電性強磁性材料粉末と樹脂との混合物からなる層である請求項4に記載の実装体。
  6. 導電性強磁性材料が、鉄、コバルト、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも一種類以上を主成分とする金属を含む材料からなる請求項1〜5のいずれかに記載の実装体。
  7. 回路基板上の電子部品が搭載される電極端子の少なくとも前記電子部品の電極と対向する面の表面に導電性強磁性材料の層を形成する工程と、前記電子部品の電極と対向する面の電極端子表面に熱硬化性の導電性接着剤を塗布する工程と、搭載する電子部品の電極の少なくとも回路基板上の電極端子と対向する面の表面に導電性強磁性材料の層を形成する工程と、前記電子部品を回路基板上に搭載する工程と、導電性接着剤を加熱硬化する工程からなり、導電性接着剤を硬化する温度が導電性強磁性材料のキュリー温度以上である実装体の製造方法。
  8. 導電性強磁性材料が、鉄、コバルト、ニッケルからなる群から選ばれた少なくとも一種類以上を主成分とする金属を含む材料からなる請求項に記載の実装体の製造方法。
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