JP2000053730A - ゴム変性スチレン系樹脂 - Google Patents
ゴム変性スチレン系樹脂Info
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Abstract
とした際にその特性を発揮するゴム変性スチレン系樹脂
を提供する。 【解決手段】 共役ジエン99〜60/スチレン1〜4
0重量%のゴムAと、共役ジエンからなるゴムBを、各
重量割合をWA 、WB として、WA :WB =1:99
〜99:1、式Fη=WA /(WA +WB )× Log
(ηA )+WB /(WA +WB )× Log(ηB )=2.
0〜2.35、(ηA 、ηB はゴムA、Bの溶液粘度
〔cP単位〕)、式Fn =|nP −nA ×WA /(W
A +WB )−n B ×WB /(WA +WB )|≦0.06
8、(nP 、nA およびnB はスチレン系単量体からな
る重合体、ゴムAおよびBの屈折率)を全て満たす比率
下にスチレン系モノマーを重合させ、ゴムの体積平均
粒子径dV =1.2〜5.0μm、共役ジエン含有量
WG =3〜15重量%のゴム変性スチレン系樹脂を得
る。
Description
樹脂に関するものであり、強度及び透明性に優れ、特に
シートとした際にその特性を発揮するゴム変性スチレン
系樹脂に関するものである。
ることを目的として、ポリブタジエン系ゴム物質を不活
性溶剤の存在下もしくは不存在下にスチレン系単量体に
溶解して、連続溶液重合、連続塊状重合あるいは塊状−
懸濁重合によりゴム変性スチレン系樹脂を製造する事は
広く工業化されている。強靭化剤としてポリブタジエン
ゴムを用いたゴム変性スチレン系樹脂は、耐衝撃性、引
張強度、剛性、弾性等の各種の物性バランスに優れ、成
形・加工性が良好であり、かつ比較的安価な事から家電
製品、食品包材、シート、雑貨、玩具等広い分野で使用
されている。これらの用途のうち、食品包材に用いられ
る場合は、例えば豆腐容器や乳製品容器などのように非
常に薄いシートとして使用される事が多いため、その原
料となるゴム変性スチレン系樹脂には耐衝撃性、抗張
力、剛性、加工性が良好である事以外に、実用物性とし
てシート成形物の強度が求められてきた。更に最近はこ
れらの物性に加えてさらに、外から見て内容物の量が分
かる程度の透明性が求められている。しかしながら、従
来のポリブタジエンゴムを用いたゴム変性スチレン系樹
脂ではゴム濃度と透明性は相反し、結果として強度と透
明性の両方を満足させるに十分なものは得られていなか
った。
靭化材として用いたゴム変性スチレン系樹脂の欠点を改
良・補強するために既に幾つかの試みがなされてきた。
例えば具体例としては、特公昭46−15017号公報
では、スチレン単位量が15〜30重量%のスチレン−
ブタジエン共重合体(SBR)を用いる方法が提案さ
れ、また、特公昭54−37906号公報においてはS
BR中のスチレン単位量やムーニー粘度およびブタジエ
ン部分のミクロ組成を特定し、シート用ゴム変性スチレ
ン系樹脂の欠点を改良する試みがなされている。しか
し、これらの方法では確かに加工性や抗張力に改善がみ
られるものの、SBRを単独で用いるため生成するゴム
粒子の界面張力が小さく粒子径が小さくなりやすく、得
られたゴム変性スチレン系樹脂は強度が低くなりやすい
という欠点がある。これは、特公平7−14989号公
報にも述べられているように、ゴム粒子中の内包スチレ
ン系重合体の含有量が多いために起こる現象であるとさ
れており、生産性の向上を目的として重合開始剤として
有機過酸化物などを用いた際に顕著となる。また、SB
Rを単独で用いているため、樹脂中のブタジエン単位と
スチレン単位の比率を目標とする一定値に調整するため
には、SBRのスチレン含有量分だけ過剰にSBRを使
用せねばならず、コスト的にも有利ではない。
ジエンブロック共重合体を一定比率で混合して使用する
方法が特開平2−34612号公報、特開平2−346
13号公報、特開平2−34614号公報で提案されて
いるが、これらの方法ではゴム粒径が1.1μm以下と
小さく、光沢は優れるものの衝撃強度や、シート成形物
の腰強度や透明感については充分とはいえない。更に、
透明性の向上を目的として、特定粘度のポリブタジエン
を用いる方法が特開平6−157687号公報に示され
ているが、この方法ではポリブタジエンの溶液粘度が3
00〜2000センチポイズと高いため溶液の取扱いに
制限を受け、特に混合、伝熱などの面で不利となる。ま
た衝撃強度も低いといった問題がある。
ゴム変性スチレン系樹脂に比べて衝撃強度と透明性に優
れ、特に食品包材など肉厚の薄いシート用途に適したゴ
ム変性スチレン系樹脂および該ゴム変性スチレン系樹脂
からなるシート、さらにそのシートの成形体を提供する
ことである。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の組成、
構造及び性状を有する2種類のゴム状物質を特定の比率
で含有させてなるゴム変性スチレン系樹脂がこの目的に
適合することを見出し、本発明を完成するに至った。
にスチレン系単量体を重合させて得られる、スチレン系
樹脂中にゴム状物質が分散したゴム変性スチレン系樹脂
であって、(I)該重合に際して(a)共役ジエン単位
99〜60重量%とスチレン単位1〜40重量%からな
るゴム状物質A、および(b)共役ジエン単位100%
からなるゴム状物質Bとを、下記(c)ないし(e)の
条件を全て満たす比率で存在させてスチレン系単量体を
重合させ、かつ(II)得られた該ゴム変性スチレン系
樹脂が下記(f)ないし(g)の条件を満たすものであ
ることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂に関する。 (c)ゴム状物質Aとゴム状物質Bの重量割合をそれぞ
れWA 、WB としたとき、WA :WB が1:99〜9
9:1であり、(d)式、Fη=WA /(WA +WB )
× Log(ηA )+WB /(WA +WB )× Log(ηB )
で表されるFηの値が2.0〜2.35の範囲にあり、
(但し、ここでηA およびηB はゴム状物質AおよびB
の温度25℃における5重量%スチレン溶液粘度で、セ
ンチポイズ(cP)単位で示す) (e)式、Fn =|np −nA ×WA /(WA +WB )
−nB ×WB /(WA +WB )|で表されるFn の値が
0.068以下の範囲にある。(但し、ここでn p 、n
A およびnB は屈折率で、該スチレン系単量体からなる
重合体、ゴム状物質AおよびBの温度20℃における屈
折率を示す。また、||は絶対値記号である。) (f)ゴム変性スチレン系樹脂中の共役ジエン単位の含
有量WG が3〜15重量%であり、(g)ゴム変性スチ
レン系樹脂中のゴム状物質の体積平均粒子径dv が1.
2〜5.0μmの範囲にある。
樹脂からなるシート、および該シートを成形してなる成
形物に関するものである。
おけるスチレン系単量体とは、スチレン及びo−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレ
ン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチ
レン、エチルスチレンなどの核アルキル置換スチレン、
α−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレン、
o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロ
スチレンなどの核ハロゲン化スチレンをいい、これらか
ら1種が選ばれる。本発明においてはとくにスチレンが
好ましい。
ン単位60〜99重量%とスチレン単位1〜40重量%
からなる。共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレンまたはこれらの混合物が挙げられる
が、とくにブタジエンが好適である。スチレン単位量が
1重量%未満であると、得られるゴム変性スチレン系樹
脂の透明性が低いものとなる。スチレン単位量が40重
量%を超えると、得られるゴム変性スチレン系樹脂中の
ゴム粒子径が小さくなり、強度が低くなる。
物質Aは共役ジエンとスチレンのランダム共重合体であ
り、ゴム状物質Aが共役ジエンとスチレンのブロック共
重合体を含む場合には、ブロック状のスチレン単位量が
全スチレン単位中の好ましくは0〜20%、さらに好ま
しくは0〜10%である。全スチレン単位中のブロック
状のスチレン単位量が20%を超えると得られるゴム変
性スチレン系樹脂中のゴム粒子径が小さくなり、強度が
低くなることがある。なお、ここで、ブロック状スチレ
ン単位とはスチレン単位が5個以上連続して結合してい
るスチレン連鎖をいう。ブロック状スチレン単位は核磁
気共鳴吸収法(1 H−NMR法)により測定できる。
ジエンがブタジエン単位であって、かつブタジエン単位
の1,4−シス結合が全ブタジエン単位に対して30〜
45%、1,2ビニル結合が5〜15%の範囲にあるゴ
ム状物質Aの例である。1,4−シス結合が30〜45
%、1,2ビニル結合が5〜15%の範囲にあれば、得
られるゴム変性スチレン系樹脂中のゴム粒子に内包され
るスチレン単位量またはグラフト重合したスチレン単位
量が多くなり、強度の高いゴム変性スチレン系樹脂が得
られる。
からなる。共役ジエンとしては、前記ゴム状物質Aで説
明したものと同様のものが用いられ、とくにブタジエン
が好適に用いられる。
ジエン単位の1、4−シス結合が全ブタジエン単位の9
0重量%以上であるゴム状物質である。ゴム状物質B中
のブタジエン部分の1、4−シス結合がこの範囲にあれ
ば、透明性が高いゴム変性スチレン系樹脂が得やすい。
製造方法にはとくに制限はなく、例えば共役ジエン単独
または共役ジエンとスチレンを有機リチウム系触媒の存
在下に溶液重合をして得られたもの、チーグラー触媒等
で配位重合をして得られたもの、または乳化重合によっ
て得られたもので良い。
するゴム状物質Aとゴム状物質Bの重量を各々WA 、W
B としたとき、WA :WB が1:99〜99:1、好ま
しくは10:90〜90:10、さらに好ましくは3
0:70〜70:30の範囲にその比率が選ばれる。W
A :WB がこの範囲外であると、得られるゴム変性スチ
レン系樹脂は透明性と強度のバランスに欠けたものとな
る。
温度25℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度を各々
ηA センチポイズ、ηB センチポイズとしたとき、下記
式で定義されるFηが2.0〜2.35の範囲になるよ
うにゴム状物質Aの重量WAおよびゴム状物質Bの重量
WB の比率が選ばれる。 Fη=WA /(WA +WB )× Log(ηA )+WB /
(WA +WB )× Log(ηB ) Fηの値が2.0未満であれば、得られるゴム変性スチ
レン系樹脂中のゴム粒子径が小さくなり易く、強度が低
くなり易い。反対に、2.35を超える場合には、該ゴ
ム状物質をスチレン系単量体に溶解するときにこのゴム
溶液の粘度が高くなり、多大なエネルギーを要し、やは
り好ましくない。
物質B、およびスチレン系単量体からなる重合体の温度
20℃における屈折率を各々nA 、nB 、およびnp と
したとき、下記式で定義されるFn が0.068以下に
なるようにゴム状物質Aおよびゴム状物質Bの重量
WA 、WB が選ばれる。 Fn =|np −nA ×WA /(WA +WB )−nB ×W
B /(WA +WB )| 但し、| |は絶対値記号である。このFn の値が0.
068を超えると透明性が損なわれる。なお、ここでい
う屈折率は、該ゴム状物質を0.5mm以下の薄片と
し、アッベ式屈折計(例えばアタゴ社製、「NAR−1
T」)で20℃における屈折率を読みとることで測定で
きる。上記式中のnp は、スチレン系単量体の種類に基
づいて、例えばポリマーハンドブック(POLYMER HANDBO
OK、Third Edition 、VI-451〜461 頁)のような文献値
からそのスチレン系単量体からなる重合体の屈折率を知
ることができる。スチレン系単量体がスチレンである場
合はその重合体ポリスチレンの屈折率は1.592を用
いる。
ン系樹脂中の共役ジエン単位の重量WG が、ゴム変性ス
チレン系樹脂量に対して3〜15重量%であることが必
要であり、好ましくは5〜10重量%である。WG が3
重量%未満または15重量%を超えた範囲にあると、得
られるゴム変性スチレン系樹脂は透明性と強度のバラン
スに欠けたものとなる。
中のゴム状物質の体積平均粒子径d V が1.2〜5.0
μmの範囲にあることが必要である。dV が1.2μm
未満であるとゴム変性スチレン系樹脂の強度が発現せ
ず、5.0μmを超える場合には、強度の向上率に比較
して弾性の低下率が著しく、また、得られるゴム変性ス
チレン系樹脂を成形加工した場合の成形物表面が粗くな
り、いずれも実用的でない。ここで、ゴム状物質の体積
平均粒子径dv は、30μmのアパーチャーチューブを
装着したコールターカウンター(COULTER社製、TA-II
型)において、少量の樹脂ペレット(2〜3粒)を常温
でジメチルホルムアミド(DMF)約5ミリリットルに
溶かし、その後DMFとチオシアン酸アンモニウムとの
混合電解液に適度な濃度で分散させて測定して求めた。
粒子径をd、粒子径dのゴム粒子の個数をnとして、次
式により求めることができる。 dV =Σ(d4 n)/Σ(d3 n) なお、ゴム状物質の体積平均粒子径dV は、例えば重合
反応時の攪拌数によって調整される。
法として、スチレン系単量体に本発明に規定する比率で
ゴム状物質Aおよびゴム状物質Bを溶解し、これを公知
の方法で重合反応させることにより製造できる。重合時
には必要に応じてエチルベンゼンやトルエン等の溶剤を
加えて重合反応に供することもできる。
法についてさらに説明する。本発明のゴム変性スチレン
系樹脂の製造方法には、従来から広く工業的に行われて
いる連続溶液重合法、連続塊状重合法、連続塊状−懸濁
二段重合法、ならびにこれらの回分式重合法が採用でき
る。
は、0〜50重量%の溶剤を含んだ原料溶液を温度80
〜180℃に昇温された1個または2個以上が連結され
た重合反応器へ連続的に供給し、ゴム状物質がスチレン
単量体の重合したマトリックスにゴム粒子として分散す
る(転相する)まで重合を進め、この重合反応液を原料
供給量に相当する量だけ連続的に抜き出し、必要に応じ
て、後段に直列に接続された反応器で重合反応をおこな
い、スチレン単量体の転化率を60重量%以上とする。
重合操作が完了した後、重合生成物中に残留した未反応
単量体や溶剤を除去する場合には、生成物を減圧下の揮
発分除去槽(脱揮槽)や揮発分除去を目的とした押し出
し装置などで除去する。得られた重合生成物は通常はペ
レット化もしくは粉末化して使用される。
溶剤を含まない原料溶液を温度80〜180℃に昇温さ
れた撹拌機付きの反応器で回分操作によりゴム状物質が
ゴム粒子として分散するまでスチレン系単量体を部分的
に重合する。ついでこの部分的に重合した重合反応液を
懸濁安定剤及び/または界面活性剤の存在下に撹拌状態
で水性溶媒中に懸濁・分散させながら所定の転化率まで
重合を進め、実質的に反応を完結させて重合生成物を得
る。重合生成物は、濾過、遠心分離により水性溶媒から
単離し、水洗・乾燥した後必要に応じてペレット化し使
用される。
い熱重合によっても良いが、重合開始剤を加えるラジカ
ル重合が好ましい。重合開始剤としては有機過酸化物や
アゾ化合物などが選ばれる。この様な有機過酸化物の例
として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,
5−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケター
ル類、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキル
パーオキサイド類、t−ブチルパーオキシイソプロピル
カーボネートなどのパーオキシエステル類、アゾ化合物
としてはアゾビスイソブチロニトリルや1,1’−アゾ
ビス−1−シクロヘキサンカーボニトリルなどが挙げら
れ、これらを単独または2種以上混合して用いる事がで
きる。
に応じて連鎖移動剤、例えばメルカプタン類、α−メチ
ルスチレンダイマー、テルピノーレン等を添加すること
ができる。
レン系単量体種の互いに異なる2種以上を混合してシー
トやその成形体に用いてもよい。また、本発明のゴム変
性スチレン系樹脂に、所望によりさらにこれと別に製造
されたゴム変性スチレン系樹脂あるいはポリスチレンを
混合したゴム変性スチレン系樹脂組成物としてシートや
その成形体に用いることも可能である。
要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、ミネラルオイル、シリコンオイルなどの添加
剤を添加することができる。これらの添加剤は、重合反
応の原料に添加、または、重合反応途中に添加、また
は、重合反応終了後の造粒工程で添加することができ、
更には、シート化や他樹脂との混合する際や成形体を得
る際に添加しても良く、これらの複数箇所で添加しても
良い。
に使用されている成形機を使用することができ、成形法
としては、例えば射出成形、押出成形、ブロー成形、イ
ンジェクションブロー成形等公知の成形法が挙げられ
る。
系樹脂は、従来のゴム変性ポリスチレン系樹脂に比し
て、強度及び透明性および加工性のバランスに優れたも
のであり、特に食品包材など肉厚の薄いシート用途に供
した際にその特性を発揮し、本発明の工業的価値は大き
い。
はこれらの実施例に限定されるものではない。
評価方法について記す。 ゴム粒子径dV ;前記説明のとおり実施した。 共役ジエン含有量;ハロゲン付加(沃素滴定)により
測定した。 衝撃強度;射出成形機により厚さ2mm、120mm
×120mmの角板を50枚成形し、この試験片を用い
て落錘衝撃試験(JIS K7211に準拠)によっ
た。 全光線透過率;射出成形機により厚さ1mmの試験片
を10枚成形し、この試験片の全光線透過率をJIS
K7105の方法に従って測定した。全光線透過率が大
きい程、透明性が良好である。 透明性(目視評価);押出成形機により厚さ0.35
mmのシートを成形し、肉眼により透明性を観察・評価
した。
温度25℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度が85
センチポイズ、温度20℃における屈折率が1.539
9であるゴム状物質(旭化成工業社製、商品名タフデン
2100AS)1.3重量%、およびゴム状物質Bと
してポリブタジエン100%、温度25℃で測定した5
重量%スチレン溶液粘度が202センチポイズ、温度2
0℃における屈折率が1.5243、ポリブタジエン部
分の1,4−シス結合が98重量%であるゴム状物質
(宇部興産社製、商品名UBEPOL−BR22H)
3.8重量%を81.1重量%のスチレンモノマー、1
2.3重量%のエチルベンゼン、1.5重量%のミネラ
ルオイル、0.0001重量%の重合開始剤(1,1−
ビス−t−ブチルパーオキシ3,3,5トリメチルシク
ロヘキサン)の混合溶液に溶解し原料溶液とした。この
原料溶液を容積18リットルの撹拌機付きのオートクレ
ーブ及びオートクレーブの後段に直列に接続された容積
42リットルの管型反応器に毎時7.2リットルで連続
的に供給した。オートクレーブでの撹拌数は110rp
m、反応温度128℃に、管型反応器での反応温度は、
反応液の流れ方向に100〜170℃の温度勾配がつく
ように調整した。オートクレーブ出口におけるモノマー
転化率は31重量%、管型反応器出口におけるモノマー
転化率は91重量%であった。管型反応器を出た反応液
は熱交換器によって220℃まで加熱された後、真空度
10torrに調整された脱揮槽に導かれ、未反応モノ
マー、溶剤等揮発分を除去した後、ギアポンプにより脱
揮槽から抜き出しダイプレートを通してストランドとし
水冷後ペレット化して製品として回収した。
粒子径dV は4.0μm、ブタジエン単位の含有量WG
は6.0重量%であった。重合仕込み時のWA :WB が
1.3:3.8、Fηの値が2.21、Fn の値が0.
064であり、これらは、本発明のゴム変性スチレン系
樹脂の条件に全て合致するものである。50%破壊エネ
ルギーは1.25ジュール、全光線透過率は64.7%
で良好であった。また、シートの透明性も良好であっ
た。得られたこれらの組成、性状、評価結果を表1に記
載した。
施例1と同一条件で製造を行った。重合仕込み組成、得
られた製品の組成、性状、評価結果を表1に記載した。
シートの透明性も良好であった。これらは、本発明のゴ
ム変性スチレン系樹脂の条件に全て合致するものであ
る。
名タフデン 2100AS)2.6重量%、および実施
例1とおなじゴム状物質B(宇部興産社製、商品名UB
EPOL−BR22H)3.0重量%を80.6重量%
のスチレンモノマー、12.3重量%のエチルベンゼ
ン、1.5重量%のミネラルオイル、0.0001重量
%の重合開始剤(1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ
3,3,5トリメチルシクロヘキサン)に溶解し原料溶
液とした。そしてオートクレーブの撹拌数を140rp
mとした以外は実施例1と同一条件で製造を行った。重
合仕込み組成、得られた製品の組成、性状、評価結果を
表1に記載した。シートの透明性も良好であった。これ
らは、本発明のゴム変性スチレン系樹脂の条件に全て合
致するものである。
℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度が170センチ
ポイズ、温度20℃における屈折率が1.5202、ポ
リブタジエン部分の1,4−シス結合が35重量%、
1,2−ビニル結合が13重量%であるゴム状物質(旭
化成工業社製、商品名ジエン 55AS)を用いた以外
は実施例3と同一条件で製造を行った。重合仕込み組
成、得られた製品の組成、性状、評価結果を表1に記載
した。シートの透明性も良好であった。これらは本発明
のゴム変性スチレン系樹脂の条件に全て合致するもので
ある。
化成工業社製、商品名ジエン 55AS)4.9重量%
のみを81.3重量%のスチレンモノマー、12.3重
量%のエチルベンゼン、1.5重量%のミネラルオイ
ル、0.0001重量%の重合開始剤(1,1−ビス−
t−ブチルパーオキシ3,3,5トリメチルシクロヘキ
サン)に溶解し原料溶液とした。このときのFηは2.
23、Fnは0.072と計算される。そしてオートク
レーブの撹拌数を140rpmとした以外は実施例1と
同じ条件で製造を行った。得られた製品の組成、性状、
評価結果を表2に記載した。得られた製品は強度、透明
性ともに不十分であった。また、シートの透明性は、実
施例1〜4に比較し劣るものであった。なお、比較例1
はゴム状物質Aを含まず、Fn が0.072である点で
本発明の要件を満足していない。
化成工業社製、商品名タフデン 2100AS)0.8
重量%、およびゴム状物質Bとして実施例4で使用した
ゴム状物質(旭化成工業社製、商品名ジエン 55A
S)4.1重量%を81.3重量%のスチレンモノマ
ー、12.3重量%のエチルベンゼン、1.5重量%の
ミネラルオイル、0.0001重量%の重合開始剤
(1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ3,3,5トリ
メチルシクロヘキサン)に溶解し原料溶液とした。そし
てオートクレーブの撹拌数を140rpmとした以外は
実施例1と同じ条件で製造を行った。得られた製品の組
成、性状、評価結果を表2に記載した。得られた製品は
強度、透明性ともに満足できるものではなかった。ま
た、シートの目視による評価結果も実施例1〜4に比較
し劣っていた。なお、比較例2はFn が0.069と計
算されるので本発明の要件を満足していない。
化成工業社製、商品名タフデン 2100AS)1.3
重量%、およびゴム状物質Bとしてポリブタジエン10
0%、25℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度が8
5センチポイズ、20℃における屈折率が1.520
2、ポリブタジエン部分の1,4−シス結合が35重量
%、1,2−ビニル結合が13重量%であるゴム状物質
(旭化成工業社製、商品名ジエン35AS)3.8重量
%を81.1重量%のスチレンモノマー、12.3重量
%のエチルベンゼン、1.5重量%のミネラルオイル、
0.0001重量%の重合開始剤(1,1−ビス−t−
ブチルパーオキシ3,3,5トリメチルシクロヘキサ
ン)に溶解し原料溶液とした。そしてオートクレーブの
撹拌数を140rpmとした以外は実施例1と同じ条件
で製造を行った。得られた製品の組成、性状、評価結果
を表2に記載した。得られた製品は強度は満足できるも
のではなかった。なお、比較例3はFηが1.93と計
算され、ゴム粒子径dv は0.9μmであるので本発明
の要件を満足していない。
品名タフデン 2100AS)0.4重量%およびゴム
状物質B(宇部興産社製、商品名UBEPOL−BR2
2H)1.4重量%を84.4重量%のスチレンモノマ
ー、12.3重量%のエチルベンゼン、1.5重量%の
白色鉱油、0.0001重量%の重合開始剤(1,1−
ビス−t−ブチルパーオキシ3,3,5トリメチルシク
ロヘキサン)に溶解し原料溶液とした。そしてオートク
レーブの撹拌数を140rpmとした以外は実施例1と
同じ条件で製造を行った。得られた製品の組成、性状、
評価結果を表2に記載した。得られた製品は強度が満足
できるものではなかった。なお、比較例4はWG が2.
1重量%であるので本発明の要件を満足していない。
スチレン系樹脂は、特定組成および特定性状のゴム状物
質を内包しているため、衝撃強度、透明性といった実用
物性に優れており、とくにシートおよび該シートの成形
品としたときにその特性を発揮する。
Claims (3)
- 【請求項1】 ゴム状物質の存在下にスチレン系単量体
を重合させて得られる、スチレン系樹脂中にゴム状物質
が分散したゴム変性スチレン系樹脂であって、(I)該
重合に際して(a)共役ジエン単位99〜60重量%と
スチレン単位1〜40重量%からなるゴム状物質A、お
よび(b)共役ジエン単位100%からなるゴム状物質
Bとを、下記(c)ないし(e)の条件を全て満たす比
率で存在させてスチレン系単量体を重合させ、かつ(I
I)得られた該ゴム変性スチレン系樹脂が下記(f)な
いし(g)の条件を満たすものであることを特徴とする
ゴム変性スチレン系樹脂。 (c)ゴム状物質Aとゴム状物質Bの重量割合をそれぞ
れWA 、WB としたとき、WA :WB が1:99〜9
9:1であり、(d)式、Fη=WA /(WA +WB )
× Log(ηA )+WB /(WA +WB )× Log(ηB )
で表されるFηの値が2.0〜2.35の範囲にあり、
(但し、ここでηA およびηB はゴム状物質AおよびB
の温度25℃における5重量%スチレン溶液粘度で、セ
ンチポイズ(cP)単位で示す) (e)式、Fn =|np −nA ×WA /(WA +WB )
−nB ×WB /(WA +WB )|で表されるFn の値が
0.068以下の範囲にある。(但し、ここでn p 、n
A およびnB は屈折率で、該スチレン系単量体からなる
重合体、ゴム状物質AおよびBの温度20℃における屈
折率を示す。また、||は絶対値記号である。) (f)ゴム変性スチレン系樹脂中の共役ジエン単位の含
有量WG が3〜15重量%であり、(g)ゴム変性スチ
レン系樹脂中のゴム状物質の体積平均粒子径dv が1.
2〜5.0μmの範囲にある。 - 【請求項2】 請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂
からなることを特徴とするシート。 - 【請求項3】 請求項2記載のシートを成形してなるこ
とを特徴とする成形体。
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JP22574198A JP4080067B2 (ja) | 1998-08-10 | 1998-08-10 | ゴム変性スチレン系樹脂 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002080542A (ja) * | 2000-09-06 | 2002-03-19 | Toyo Styrene Co Ltd | ゴム変性スチレン系樹脂組成物 |
-
1998
- 1998-08-10 JP JP22574198A patent/JP4080067B2/ja not_active Expired - Fee Related
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