JP2000047001A - レンズ用芳香族ポリカーボネート樹脂 - Google Patents

レンズ用芳香族ポリカーボネート樹脂

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JP2000047001A
JP2000047001A JP10212510A JP21251098A JP2000047001A JP 2000047001 A JP2000047001 A JP 2000047001A JP 10212510 A JP10212510 A JP 10212510A JP 21251098 A JP21251098 A JP 21251098A JP 2000047001 A JP2000047001 A JP 2000047001A
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Masatoshi Ando
正寿 安藤
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族ポリカーボネート樹脂よりなる透明
性、熱安定性、耐衝撃性を損なわず、屈折率、アッベ数
のバランスの優れたレンズを提供する。 【解決手段】 1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等で代表される
構成単位[A]及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン及び
2,2−ビス(3−s−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン等で代表される構成単位[B]からなり、
構成単位[A]と[B]の合計を100単位とした時、
構成単位[A]が10〜95単位であるレンズ用芳香族
ポリカーボネート樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズに関するも
のであり、更に詳しくは軽量で透明性、熱安定性、耐衝
撃性を損なわず、流動性がよく、屈折率、アッベ数のバ
ランスの優れたレンズ用芳香族ポリカーボネート樹脂に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、代表的な芳香族ポリカーボネート
樹脂として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(通称ビスフェノールA)にホスゲンやジフェニ
ルカーボネート等のカーボネート前駆体物質を反応させ
て得られるものが知られており、透明性、耐熱性、寸法
精度が良い等の優れた性質を有することから多くの分野
に用いられている。しかしながら、光学用途特に光学レ
ンズ用途には屈折率が大きく且つアッベ数が大きいこと
が要求されているが、ビスフェノールAだけを用いてな
るポリカーボネートの場合、屈折率は1.585と高い
が、アッベ数が30と低い欠点を有する。またアッベ数
の高いレンズとしては、ビスアリルカーボネートからの
ポリカーボネート(CR−39)あるいはポリメチルメ
タクリレートが実用化しているが、屈折率が低い。
【0003】一方、屈折率を高く保持したままでアッベ
数を高くする試みがなされて来た(特開平6−2480
63号公報、特開平6−263861号公報、特開平6
−107780号公報、特開平10−120777号公
報)。しかし、特開平6−248063号公報、特開平
6−263861号公報、特開平10−120777号
公報の実施例で例示されているポリカーボネート樹脂は
二次転移点が119〜133℃と低く、そのため冷却時
間が長くなり実質成形時間がかかる。また、特開平6−
107780号公報の実施例で例示されているポリカー
ボネート樹脂の二次転移点は208℃であり高い耐熱性
を示している。かかる高い二次転移点のポリカーボネー
ト樹脂を用いて成形を行う場合、成形機の設定温度を変
更する必要がある。それ故、かかるポリカーボネート樹
脂は大量に同一物を成形する場合や品質を優先したもの
を成形する時には好適なものである。しかしながら、例
えば汎用の眼鏡レンズの如く少量多品種の製品を成形す
る場合、設定温度の変更は成形機の稼働率を下げること
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、レン
ズ用途に適した、軽量で、透明性、熱安定性、耐衝撃性
を損なわず、流動性がよく、屈折率、アッベ数のバラン
スの優れた芳香族ポリカーボネート樹脂を提供すること
にある。
【0005】本発明者は、上記目標を達成せんとして鋭
意検討を重ねた結果、特定の構造を有する二価フェノー
ルを共重合することによって、芳香族ポリカーボネート
樹脂の優れた透明性、熱安定性、耐衝撃性を保持しつ
つ、流動性がよく、屈折率、アッベ数のバランスの優れ
た上に更に軽量な芳香族ポリカーボネート樹脂を与える
ことを見出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
[1]
【0007】
【化3】
【0008】[式中R1及びR2は互いに独立して水素原
子、フェニル基、炭素数1〜8の互いに結合しても良い
炭化水素基を表わし、R3〜R6は互いに独立して炭素原
子数1〜10の直鎖状又は分岐状アルキル基を表わ
す。]で表わされる構成単位[A]及び下記一般式
[2]
【0009】
【化4】
【0010】[式中Wは単結合、アルキリデン基、置換
もしくは非置換のシクロアルキリデン基、フェニル基置
換アルキリデン基、スルホン基、スルフィド基又はオキ
シド基であり、R7及びR8は水素原子、ハロゲン原子、
フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基であって、同一
又は異なっていてもよく、m及びnは夫々0または1の
整数である。]で表わされる構成単位[B]からなり、
構成単位[A]と[B]の合計を100単位とした時、
構成単位[A]が10〜95単位であり、且つ0.7g
を100mlの塩化メチレンに溶解した溶液の比粘度が
0.19〜0.63であるレンズ用芳香族ポリカーボネ
ート樹脂(以下、芳香族ポリカーボネート樹脂と略称す
ることがある。)に関するものである。
【0011】本発明の前記一般式[1]で表わされる構
成単位[A]位を芳香族ポリカーボネート樹脂中に誘導
する二価フェノールとしては、例えば、ビス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
t−ブチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
t−ブチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタ
ン、2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
t−ブチルフェニル)ペンタン、3,3−ビス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ペン
タン、3,3−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフェニル)ヘキサン1,1−ビス(2−エ
チル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(2−n−プロピル−4−ヒドロキシ
−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2
−イソプロピル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェ
ニル)ブタン、1,1−ビス(2−s−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1−
ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)ブタン、1,
1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−s−ブチ
ルフェニル)ブタン等が挙げられる。中でも、1,1−
ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフ
ェニル)ブタンが好ましい。また、これらは単独または
二種以上組み合わせて用いてもよい。
【0012】又一般式[2]で表わされる構成単位
[B]を芳香族ポリカーボネート樹脂中に誘導する二価
フェノールとしては、例えば、4,4−ジヒドロキシビ
フェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−s−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3−
ジメチル−4,4−ジヒドロキシジフェニルスルフィド
等が挙げられる。中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]、2,2
−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン及び2,2−ビス(3−s−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましく、
更に好ましくは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン及び2,2−ビス(3−s
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンである。
また、これらは単独または二種以上組み合わせて用いて
もよい。
【0013】前記一般式[1]で表わされる構成単位
[A]と[B]の割合は、構成単位[A]と[B]の合
計を100単位とした時、10〜95単位であり、好ま
しくは30〜90単位である。10単位未満では、アッ
ベ数が低いままであり、95単位を越えるとアッベ数に
ついては改善されるが屈折率が低くなりすぎて実用性が
なくなる。
【0014】また本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂
の構成は、前記構成単位[A]又は[B]を主成分と
し、前記2種の構成単位以外の構成単位[C]を少量含
有することができる。かかる構成単位[C]を芳香族ポ
リカーボネート樹脂中に誘導する二価フェノールとして
は、1,4−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキ
シフェニル)プロピル]ベンゼン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス(3−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1
−ビス[4−(2−ヒドロキシエチルオキシ)フェニ
ル]フルオレン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。かか
る構成単位[C]の含有量は、構成単位[A]、[B]
及び[C]の合計を100単位とした時、0〜15単位
であり、好ましくは0〜5単位である。
【0015】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂を製
造するには、通常のビスフェノールAからの芳香族ポリ
カーボネート樹脂を製造する方法、例えば二価フェノー
ルとホスゲンとの反応、又は二価フェノールとビスアリ
ールカーボネートとのエステル交換反応が好ましく採用
される。二価フェノールとホスゲンとの反応では、通常
酸結合剤及び有機溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤
としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属の水酸化物、ピリジン等が用いられる。有
機溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等
のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進の
ために例えば第三級アミン、第四級アンモニウム塩等の
触媒を用いることができるが、特に、トリメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウム
クロライド、トリエチルアンモニウムクロライド、テト
ラブチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジル
アンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブ
ロマイド、テ、トリエチルアンモニウムブロマイド、ト
ラブチルアンモニウムブロマイド等の第四級アンモニウ
ム塩を用いる事が望ましい。触媒等の使用量はビスフェ
ノール全量に対するモル比で通常0.0001〜0.0
2、好ましくは0.001〜0.01であり、ホスゲン化
反応時、あるいはホスゲン化終了後重合時に用いる。分
子量調節剤としては例えばフェノール、p−tert−
ブチルフェノール等の末端停止剤を用いることが望まし
い。反応温度は通常0〜40℃で、反応時間は数分〜5
時間、反応中のpHは10以上に保つのが好ましい。
【0016】一方、エステル交換反応では、不活性ガス
の存在下に二価フェノールとビスアリールカーボネート
を混合し、減圧下通常120〜350℃で反応させる。
減圧度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下
にして生成したフェノール類を系外に留去させる。反応
時間は通常1〜4時間程度である。また、必要に応じて
例えば触媒、分子量調節剤、酸化防止剤等を加えてもよ
い。
【0017】かくして得られる芳香族ポリカーボネート
樹脂の分子量は、塩化メチレンに0.7g/100ml
の濃度に溶解し、20℃で測定した比粘度が0.19〜
0.63が適当であり、0.26〜0.45が好まし
い。この比粘度が0.19未満では成形品がもろくな
り、0.63より高くなると流動性が悪く成形不良を生
じ、光学的に良好な成形品が得られ難くなる。本発明レ
ンズは射出成形、圧縮成形、押出成形、注型成形等各種
の成形方法により成形されるが、射出成形が最も簡便な
方法である。射出成形加工温度は250〜350℃が好
ましい。成形に当たって、例えば必要に応じてトリフェ
ニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファ
イト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ジフェニルヒドロジェンホスファイト、ステアリル
−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート[イルガノックス107
6]等のような安定剤、例えば2−(2−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−
ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オク
トキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ
−4−オクトキシベンゾフェノン等のような耐候剤、帯
電防止剤、離型剤、染顔料等を透明性を損なわない範囲
で添加してもよい。
【0018】本発明のレンズとは、光の屈折及び反射を
利用して物体の像をつくり、光線束を発散させたり収束
させたりする光学系及びレーザー光線の位相差による干
渉現象や発散を利用したものをいい、具体的には眼鏡レ
ンズ、カメラレンズ、顕微鏡レンズ、プロジェクターレ
ンズ、フレンネルレンズ、ピックアップレンズ等があげ
られ、好ましくは眼鏡レンズ、カメラレンズであり、よ
り好ましくは眼鏡レンズである。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。なお、実施例中の部及び%は重量部及び重量%であ
る。また比粘度、屈折率、アッベ数、透明性、耐衝撃
性、熱安定性、流動性及び二次転移点は下記の方法で測
定した。
【0020】(1)比粘度 塩化メチレンを溶媒として、0.7g/100mlの濃度
で測定した。尚、測定温度を25℃とした。
【0021】(2)屈折率およびアッベ数 ポリカーボネートのキャスティングフィルム(厚み10
0μm)を作成し、アタゴ(株)製アッベ屈折計により
α−ブロモナフタレンを接触液として25℃で測定し
た。
【0022】(3)全光線透過率 JIS K−7105に準拠して、厚さ1.2mmの試
験片を用いて日本電色(株)製Σ80により測定した。
【0023】(4)落球衝撃値 FDA規格に準拠し、60×80×2mmの試験片に1
27cmの高さから鋼球を落下させ、試験片が破壊する
衝撃値(g・cm)を測定した。
【0024】(5)5%減量温度 デュポン社製951型TGAを用いて5%減量開始する
温度を測定した。
【0025】(6)MFR JIS K−7210に準拠し、東洋精機製セミオート
メルトインデクサーを用いて、280℃、荷重2.16
kgで10分間に流出したポリマー量(g)測定した。
【0026】(7)比重 ASTM D−0792に準拠し、測定した。
【0027】(8)二次転移点 デュポン社製910 DSCを用いて測定した。
【0028】(9)1H−NMR CDCl3を溶媒として測定し、それぞれの構成単位由
来のピーク面積値より構成単位[A]:構成単位[B]
の組成比率を算出した。
【0029】[実施例1]温度計、撹拌機及び滴下漏斗
付き反応器にイオン交換水401部、48%水酸化ナト
リウム水溶液70部及びテトラブチルアンモニウムブロ
マイド0.32部を加え、これに1,1−ビス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタ
ン90部、2,2−ビス(3−s−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン10部及びハイドロサルファイ
ト0.1部を溶解した後、塩化メチレン170部を加
え、撹拌下18〜25℃でホスゲン30部を60分を要
して吹込んだ。ホスゲン吹込み終了後p−tert−ブ
チルフェノール0.60部を加え、更に48%水酸化ナ
トリウム水溶液33部、テトラブチルアンモニウムブロ
マイド0.32部を加え、激しく攪拌して乳化させ、3
0℃で約2時間撹拌して反応を終了した。反応終了後生
成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にし
て水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じにな
ったところで塩化メチレンを蒸発して無色のパウダーを
得た。得られたパウダーは、1H−NMRにより1,1
−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル
フェニル)ブタンよりなるカ−ボネ−ト構造(構成単位
A):2,2−ビス(3−s−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンよりなるカ−ボネ−ト構造(構成単
位B)=90:10の共重合体であった。また、このパ
ウダーの比粘度は0.339であった。このポリマーの
評価結果を表1及び2に示した。
【0030】[実施例2]1,1−ビス(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン22
9部、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン51部、ビスフェノールA57部、
ジフェニルカーボネートを220重量部及びテトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシドを9.1×10-3部、水酸
化ナトリウム4×10-4部を攪拌装置、蒸留器及び減圧
装置を備えた反応槽に仕込窒素置換をした後、140℃
で溶解した。30分攪拌後、内温を180℃に昇温しつ
つ徐々に減圧し、100mmHgで30分間反応させ、
生成するフェノールを溜去した。次に200℃に昇温し
つつ徐々に減圧し、50mmHgで30分間フェノール
を溜去せしめ反応させた。さらに220℃/30mmH
gまで、徐々に昇温、減圧し、同圧で30分、さらに2
40℃/10mmHg、260℃/1mmHg、270℃
/1mmHg以下にまで上記と同じ手順で昇温、減圧を
繰り返して反応を続行し、最終的に270℃/1mmH
g以下で3時間反応せしめた。得られたポリマーは、1
H−NMRにより1,1−ビス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタンからなるカ−
ボネ−ト構造(構成単位A):2,2−ビス(3−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンからなるカ
−ボネ−ト構造(構成単位B):ビスフェノールAから
なるカ−ボネ−ト構造(構成単位B)=60:15:2
5の共重合体であった。また、このポリマーの比粘度は
0.336であった。このポリマーの評価結果を表1及
び2に示した。
【0031】[比較例1]温度計、撹拌機及び滴下漏斗
付き反応器にイオン交換水458部及び48%水酸化ナ
トリウム水溶液15.4部を加え、ドデカン二酸19.
5部を溶解させた。この溶液に1,3−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタンを6
8.9部、塩化メチレン363部、 p−tert−ブチ
ルフェノール0.42部及びトリエチルアミン0.64
部を加え、撹拌下18〜25℃の温度でpH7〜8を保つ
ように滴下漏斗から水酸化ナトリウム水溶液を滴下しな
がらホスゲン39.2部を50分を要して吹込んだ。ホ
スゲン吹込み終了後溶液のpHを10〜12にして28〜
33℃で約1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後
生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性に
して水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じに
なったところで塩化メチレンを蒸発して無色のパウダー
85.7部(収率93%)を得た。得られたパウダーの
比粘度は0.265であった。このポリマーの評価結果
を表1に示した。
【0032】[比較例2]温度計及び撹拌機を設けた反
応器にイオン交換水5300部及び48%水酸化ナトリ
ウム63.4部を入れ、1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−メチル−4−(4−ヒドロキシクミル)シク
ロヘキサン55.6部及びハイドロサルファイト0.1
部を溶解した後、塩化メチレン300部を加え、撹拌下
15〜25℃でホスゲン20.4部を45分を要して吹
込んだ。次いで、p−tert−ブチルフェノール0.
5部を加え、攪拌して乳化させた後トリエチルアミン
0.12部を加え、28〜33℃で約2時間撹拌して反
応を終了した。反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈
して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率
がイオン交換水と殆ど同じになったところで塩化メチレ
ンを蒸発して無色のパウダーを得た。得られたパウダー
の比粘度は0.339であった。このポリマーの評価結
果を表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかのように本発明の樹脂組成
物は、従来の高アッベ数のポリカーボネート樹脂と同等
の透明性を保持しながら、ほどよい耐熱性を示してい
る。耐熱性が高すぎる場合は、レンズの成形が行ないが
たいし、耐熱性が低すぎる場合は、ハードコート処理、
研磨加工処理等を行ないがたい。また優れた流動性を示
していることからも、成形が行ない易く、レンズ用途に
好適である。
【0035】[比較例3]比粘度が0.340であるビ
スフェノールA型ポリカーボネート樹脂パウダー[帝人
化成(株)製パンライトAD−5503]を実施例1と
同様に評価した。このポリマーの評価結果を表2に示し
た。
【0036】
【表2】
【0037】表2から明らかのように本発明の樹脂組成
物は、汎用のビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂
より適度な耐衝撃性を有し、二次転移点が高いのにもか
かわらずMFRがよく成形性がよい。またアッベ数が高
い上に比重が低く、軽量性が重要な特性である眼鏡レン
ズの如くの用途に特に好適である。
【0038】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂
は、軽量で、透明性、耐衝撃性、熱安定性を損なわず、
流動性がよく、バランスの良い屈折率、アッベ数を有し
ているので、レンズ分野に好適に利用できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA09 AA10 AB01 AC02 AD01 AD07 AD10 AE04 BB09A BB09B BB10A BB12A BB12B BB12C BB13A BD01 BD09A BD09B BF14A BF14B BG06X BG08X BH07 DB07 DB11 DB13 HA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1] 【化1】 [式中R1及びR2は互いに独立して水素原子、フェニル
    基、炭素数1〜8の互いに結合しても良い炭化水素基を
    表わし、R3〜R6は互いに独立して炭素原子数1〜10
    の直鎖状又は分岐状アルキル基を表わす。]で表わされ
    る構成単位[A]及び下記一般式[2] 【化2】 [式中Wは単結合、アルキリデン基、置換もしくは非置
    換のシクロアルキリデン基、フェニル基置換アルキリデ
    ン基、スルホン基、スルフィド基又はオキシド基であ
    り、R7及びR8は水素原子、ハロゲン原子、フェニル
    基、炭素数1〜4のアルキル基であって、同一又は異な
    っていてもよく、m及びnは夫々0または1の整数であ
    る。]で表わされる構成単位[B]からなり、構成単位
    [A]と[B]の合計を100単位とした時、構成単位
    [A]が10〜95単位であり、且つ0.7gを100
    mlの塩化メチレンに溶解した溶液の比粘度が0.19
    〜0.63であるレンズ用芳香族ポリカーボネート樹
    脂。
  2. 【請求項2】 構成単位[B]を芳香族ポリカーボネー
    ト樹脂中に誘導する二価フェノールが、2,2−ビス
    (4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
    (3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
    ン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
    ェニル)プロパン及び2,2−ビス(3−s−ブチル−
    4−ヒドロキシフェニル)プロパンから選ばれた少なく
    とも1種の二価フェノールである請求項1記載のレンズ
    用芳香族ポリカーボネート樹脂。
  3. 【請求項3】 構成単位[A]を芳香族ポリカーボネー
    ト樹脂中に誘導する二価フェノールが、1,1−ビス
    (2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
    ル)ブタンである請求項1記載のレンズ用芳香族ポリカ
    ーボネート樹脂。
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JP2002201348A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Mitsui Chemicals Inc ポリカーボネート樹脂組成物、及びそれを含んで構成される光学部品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002201348A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Mitsui Chemicals Inc ポリカーボネート樹脂組成物、及びそれを含んで構成される光学部品
JP4514080B2 (ja) * 2000-12-28 2010-07-28 三井化学株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物、及びそれを含んで構成される光学部品

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