JP2000045330A - 建設機械の冷却装置 - Google Patents

建設機械の冷却装置

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JP2000045330A
JP2000045330A JP10213782A JP21378298A JP2000045330A JP 2000045330 A JP2000045330 A JP 2000045330A JP 10213782 A JP10213782 A JP 10213782A JP 21378298 A JP21378298 A JP 21378298A JP 2000045330 A JP2000045330 A JP 2000045330A
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Japan
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fuel tank
cooling device
engine
cooling
construction machine
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JP10213782A
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Osamu Watanabe
修 渡邉
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】建設機械の冷却装置において、燃料タンクを十
分に冷却して燃料の昇温を防止し、作業効率の低下を防
止する。 【解決手段】旋回体2を覆う上部カバー8内に配置した
ラジエータ45、オイルクーラ46等の熱交換器及びエ
ンジン32を、冷却ファン44で生起する空気流ア,イ
で冷却する建設機械の冷却装置において、上部カバー8
の前部8aに設けた開口部51と、上部カバー8内の空
間を、熱交換器45,46、エンジン32及び冷却ファ
ン44が配置されるエンジン室40と燃料タンク34が
配置される燃料タンク室52とに仕切る隔壁53と、内
部に燃料タンク34の外周部を冷却するダクト55を構
成し、開口部51とエンジン室40とを隔壁53を貫通
して連通させる略角筒部材54とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械の冷却装
置に関し、更に詳しくは、燃料タンクを十分に冷却し、
作業効率の低下を防止できる建設機械の冷却装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】建設機械の旋回体は、通常、カバーで覆
われており、旋回体の後部に載置されるエンジン及びこ
のエンジンに関連する補機や、旋回体の前部に載置され
る燃料タンクは、このカバー内の閉空間に配置されてい
る。この種の建設機械では、前記エンジン及び前記補機
の冷却を行うために、前記旋回体後部の前記カバーの一
方側に設けた吸気孔から吸気した空気を、冷却ファンに
よりラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器に通過させ
た後、更に前記エンジンの側方を通過させ、前記エンジ
ンカバーの他方側及び前記旋回体下部のフレームに設け
た排気孔から外部に排出している。
【0003】建設機械では、作業が比較的長時間に及ぶ
ことがしばしばあるが、屋外における長時間の日射によ
ってカバー内の空気が暖められる。このとき、上記した
冷却空気の流れは、旋回体の後部に載置されたエンジン
及び補機の冷却を行うものであり、旋回体の前部に載置
された燃料タンクの周囲には導かれない。そのため、燃
料タンク周囲の空気は滞留状態となり、燃料タンク周囲
の空気は徐々に温度が上昇し、燃料の温度上昇を招く。
また、上記エンジン及び補機の冷却を行って昇温した空
気が、カバー内の燃料タンク周囲空間へと漏出する場合
もあり、これによっても燃料タンクが暖められて燃料の
温度上昇を招く可能性がある。このようにして燃料の温
度が上昇すると、燃料の物性変化によって種々の障害が
生じる。例えば、燃料の粘度が低下し、燃料供給系統配
管の可動部やシール部等からの漏れが生じたり、実開平
5−73226号公報に記載のようないわゆるベーパー
ロックが生じたりする。これらにより、燃料の噴射量が
落ち、エンジンの出力が低下していた。
【0004】この点を解決するために、特開平8−30
2737号公報に記載されているように、旋回体前部の
カバーに吸気孔を増設し、この吸気孔から取り入れた空
気を旋回体前部のカバー内空間を通過させることによ
り、燃料タンク周囲の空気を冷却する構成が提案されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、旋
回体後部のカバーに設けた通常の吸気孔の他に、旋回体
前部のカバーに増設した吸気孔から冷却空気を導入する
ことにより、従来のエンジン及び補機の冷却を確保しつ
つ、さらに燃料タンク周囲の空気を併せて冷却するもの
である。しかし、上記従来技術は、旋回体前部の吸気孔
からの冷却空気が旋回体後部へと流れるとき、燃料タン
クの周囲に冷却用の流路を設けその流路中に冷却空気を
集約して流すのではなく、冷却空気は旋回体前部のカバ
ー内全域に広がって流れ、そこに配置された燃料タン
ク、バッテリ、作動油タンク等の機器の周囲をまんべん
なく通過する。その結果、燃料タンクに導かれる冷却空
気はそのうちの一部となり、また有効放熱面積も実質的
に小さくなるため、十分な冷却効果を得ることができな
いという憾みがある。
【0006】またこの種の建設機械では、通常、エンジ
ンとしてディーゼルエンジンが採用されるが、このディ
ーゼルエンジンでは、エンジンに送られた燃料の一部が
消費されずに燃料タンクに戻される構造となることが多
い。この還流する燃料は、エンジンに送られた際に暖め
られ、その後燃料タンクに戻されるため、燃料タンク内
の燃料の温度上昇をさらに招きやすくなる。このような
場合に燃料タンクの十分な冷却効果を得られないと、上
記したように燃料の昇温によって燃料噴射量が落ちエン
ジンの出力が低下しやすくなる。そしてこれにより、作
業効率が低下するという問題が生じる。
【0007】本発明の目的は、燃料タンクを十分に冷却
して燃料の昇温を防止し、作業効率の低下を防止できる
建設機械の冷却装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、旋回体を覆うカバー内に配置したラジエ
ータ、オイルクーラ等の熱交換器及びエンジンを、ファ
ンで生起する空気流で冷却する建設機械の冷却装置にお
いて、前記カバーの前方側に設けた開口部と、前記カバ
ー内の空間を、前記熱交換器、前記エンジン及び前記フ
ァンが配置される後方領域と燃料タンクが配置される前
方領域とに仕切る仕切手段と、内部に前記燃料タンクの
外周部を冷却する軸方向流路を構成し、前記開口部と前
記後方領域とを前記仕切手段を貫通して連通させる略筒
状部材とを有することを特徴とする建設機械の冷却装置
にある。後方領域に配置されたファンが駆動されると、
空気流が生起され、この空気流によってラジエータ、オ
イルクーラ等の熱交換器及びエンジンが冷却される。こ
のとき、この後方領域とカバー前方側の開口部とが略筒
状部材を介し連通していることにより、その開口部から
流入する空気流も併せて生起される。この生起された空
気流は、略筒状部材内の軸方向流路を介して後方領域に
流出するが、このとき、略筒状部材の内部は燃料タンク
の外周部を冷却する流路を構成していることにより、空
気流は燃料タンクのまわりに集約され、比較的高速の流
れとなって燃料タンクまわりを通過する。したがって、
高い熱伝達率で冷却を行うことができ、かつ、有効放熱
面積も拡大することができる。以上により、燃料タンク
を十分に冷却することができる。
【0009】好ましくは、前記燃料タンクの外周部に接
続され該燃料タンクからの放熱を促進する外部フィン部
材を、前記略筒状部材内に設ける。これにより、さらに
放熱面積を拡大し、冷却の促進を図ることができる。
【0010】さらに好ましくは、前記外部フィン部材は
前記略筒状部材の内周面に接続され、前記略筒状部材に
対して前記燃料タンクを支持する。燃料タンクを略筒状
部材に対し外部フィン部材で支持することにより、燃料
タンク外周部にフィンによるリブ構造が形成され、燃料
タンクはこのリブ構造を介して旋回体の床面に固定され
ることとなる。したがって、燃料タンクをそのまま旋回
体床面に固定する場合よりも、外部からの振動や衝撃に
対する強度を向上することができる。
【0011】さらに好ましくは、前記外部フィン部材は
横断面形状が略波型形状となるように構成されており、
その略波型形状の山部及び谷部のうち一方が前記燃料タ
ンクの外周部に接続され、他方が前記略筒状部材の内周
面に接続されている。これにより、外部からの振動や衝
撃に対する強度をさらに向上することができる。
【0012】また好ましくは、前記燃料タンクの内周部
に固定され該燃料タンクからの放熱を促進する内部フィ
ン部材を有する。これにより、さらに放熱面積を拡大
し、冷却の促進を図ることができる。
【0013】さらに好ましくは、前記内部フィン部材は
複数個あり、かつ、それら複数の内部フィン部材は、前
記燃料タンク内の上部に位置するものほど、伝熱面積が
大きくなるように構成されている。これにより、相対的
に温度の高い上部の燃料ほど放熱が向上し冷えやすくな
る。そして、その冷えた燃料が下方に流動して高温の燃
料と入れ替わることで、対流が生じやすくなるので、さ
らに冷却効果を向上できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を油圧ショベルに適
用した場合の一実施の形態を図面を用いて説明する。図
1は、本発明を適用する油圧ショベルの全体構造を示す
ものであり、図2は図1に示した油圧ショベルを斜め後
方からみた一部透視斜視図を示すものである。
【0015】これら図1及び図2において、油圧ショベ
ルは、左右の無限軌道履帯1L,1Rを備えた走行体2
と、この走行体2の上部に旋回可能に搭載される旋回体
の基礎下部構造をなすメインフレーム3と、このメイン
フレーム3に垂直ピン(図示せず)を中心にして水平方
向に回動可能に取り付けられたスイングポスト4と、こ
のスイングポスト4に上下方向に回動可能に取り付けら
れた多関節型のフロント装置5と、前記メインフレーム
3の後端部に取り付けられたカウンタウェイト6と、前
記メインフレーム3上に設けられた運転室7と、前記メ
インフレーム3上の運転室7以外の大部分を覆う上部カ
バー8とを備えている。
【0016】前記の走行体2は、略H字形状のトラック
フレーム9と、このトラックフレーム9の左・右両側の
後端近傍に回転自在に支持された駆動輪10L,10R
と、これら駆動輪10L,10Rをそれぞれ駆動する左
・右走行モータ11L,11Rと、前記トラックフレー
ム9の左・右両側の前端近傍に回転自在に支持され、前
記無限軌道履帯1L,1Rを介し前記駆動輪10の駆動
力でそれぞれ回転される回転輪(アイドラ)12L,1
2Rと、前記トラックフレーム9の前方側に上下動可能
に設けられ、ブレードシリンダ13により上下動する排
土用のブレード14とを備えている。また前記走行体2
の中央部には旋回台軸受15が配置されている。
【0017】前記の多関節型のフロント装置5は、ロア
ブーム16Lとアッパーブーム16Uとからなるツーピ
ースブームであるブーム16と、前記アッパーブーム1
6Uに回動可能に結合されたアーム17と、このアーム
17に回動可能に結合されたバケット18と、一端が前
記アッパーブーム16Uに連結されアッパーブーム16
Uと前記ロアブーム16Lとの間の角度を変化させるク
ロスロッド19とを備えている。このクロスロッド19
は、フロント装置5の形状を規制するリンク部材として
機能し、前記ロアブーム16Lの前記メインフレーム3
に対する回動角に応じて、前記アッパーブーム16Uと
前記ロアブーム16Lとの間の角度を変化させるように
なっている。そして、前記ロアブーム16L、アーム1
7、及びバケット18は、それぞれブームシリンダ2
0、アームシリンダ21、及びバケットシリンダ22に
より駆動動作される。
【0018】前記のスイングポスト4は、前記メインフ
レーム3に設けられたスイングシリンダ23に、連結ピ
ン(図示せず)を介して連結されており、スイングシリ
ンダ23の伸縮でスイングポスト4全体が回動すること
によって、前記多関節型のフロント装置5が左・右にス
イングするようになっている。
【0019】前記のメインフレーム3は、その中心近傍
に、前記走行体2に対しメインフレーム3を旋回させる
旋回モータ24が配置されている。このとき、前記メイ
ンフレーム3は、特に明確には図示しないが、前記走行
体2の車幅内に近い直径(=車幅よりも若干大きい直
径)内で旋回可能な寸法に構成されている。また、前記
ブーム16を最大に振り上げブーム16が前記上部カバ
ー8に最も近づく最小旋回姿勢をとる際において、前記
ロアブーム16Lを上昇させ前記多関節型のフロント装
置5を畳み込むと(図1に示した状態)、多関節型のフ
ロント装置5がメインフレーム3の旋回半径の範囲内、
すなわち走行体2の車幅内に近い直径内で旋回可能とな
るよう構成されている。
【0020】なお、ここまでに述べてきた駆動機器、す
なわち、前述したブレードシリンダ13、旋回モータ2
4、ブームシリンダ20、アームシリンダ21、バケッ
トシリンダ22、スイングシリンダ23、及び左・右走
行モータ11といった油圧アクチュエータは、特に詳細
な説明を行わないが、公知の油圧駆動装置(例えば特開
平7−189298号公報や特開平7−26592号公
報に記載のもの)により駆動される。すなわち、これら
駆動機器は、運転室7内の操作者によって操作される操
作手段(後述する左・右走行レバー25L,25R、ス
イングペダル26、左・右作業レバー27L,27R、
ブレードレバー等)の操作に応動し、エンジン32(後
述する)で駆動される油圧ポンプ33(同)からの圧油
を制御する制御弁装置(図示せず)からの圧油により駆
動される。
【0021】一方、前記の運転室7は、前記メインフレ
ーム3上の左側に設けられている。この運転室7内に
は、前記走行体2の左・右走行モータ11L,11Rを
それぞれ駆動するための左・右走行レバー25L,25
Rと、前記スイングシリンダ23を駆動し前記多関節型
のフロント装置5をスイングさせるためのスイングペダ
ル26と、前記ブームシリンダ20、アームシリンダ2
1、及びバケットシリンダ22を駆動して前記ロアブー
ム16L、アーム17、及びバケット18をそれぞれ動
作させるための左・右作業レバー27L,27Rと、前
記ブレードシリンダ13を駆動しブレード14を上下動
させるためのブレードレバー(図示せず)とが設けられ
ている。また、運転室7は、座席28と、この座席28
の上方に設けられたルーフ29と、前記座席28の後方
に設けられた後壁30と、前記座席の内側(右側)側方
に設けられた側壁31とを備えており、これら後壁30
及び側壁31はいずれも大部分が透過性材料で形成さ
れ、略鉛直に配設されている。
【0022】また、前記の上部カバー8は、図2に示す
ように、その内部に、エンジン32、このエンジン32
に連結されその駆動力によって駆動される油圧ポンプ3
3、前記エンジン32の燃料を貯留する燃料タンク3
4、前記油圧ポンプ33の圧油源となる作動油タンク3
5、前記エンジン32への吸入空気を清浄化するエアク
リーナ36、このエアクリーナ36に接続された吸気パ
イプ37(後述の図3を参照)、前記エンジン32から
の排気ガスが導かれてその消音を行うマフラー38、こ
のマフラー38の吐出側に一端が連結され他端が前記カ
ウンタウェイト6の貫通孔6aを貫通して外部に露出し
た排気ガス管39等の機器を収納するエンジン室40を
形成している。なお前記上部カバー8の後方下部には、
前記エンジン室40内部のメンテナンス用の開閉ドア4
1が設けられており、前記カウンタウェイト6はこの開
閉ドア41の下方に位置している。また、前記作動油タ
ンク35は、前記油圧ポンプ33やオイルクーラ46
(後述する)等と図示しない配管により接続されてい
る。
【0023】このようなエンジン室40に、本発明の冷
却装置の一実施の形態が設けられている。図3は、本発
明の冷却装置の一実施の形態を備えたエンジン室40内
の詳細構造を表す旋回体2の水平断面図であり、図4
は、図1中A方向(図3中B方向にも相当)からの矢視
斜視図であり、図5は、図3中C方向からの矢視斜視図
であり、図6は、燃料タンク34の内部及びその周囲の
詳細構造を表す横断面図である。これら図3〜図6にお
いて、図1及び図2と同符号のものは同一部分を示す。
図3〜図6において、前記したエンジン32は、前記メ
インフレーム3上に振動減衰装置(図示せず)を介して
設置されている。本発明の一実施の形態による冷却装置
は、前記エンジン32のクランク軸(図示せず)にベル
ト42を介して連結された補助回転軸43の一方側に設
けた冷却ファン44と、この冷却ファン44の前段(上
流側)に配置した熱交換器としてのラジエータ45及び
オイルクーラ46と、前記ラジエータ45を固定する仕
切材47と、前記ラジエータ45の下流側に固定された
シュラウド48と、前記上部カバー8のうち前記ラジエ
ータ45及びオイルクーラ46の上流側部分に設けられ
た吸気孔49と、前記冷却ファン44から流出する空気
流を外部に排出するために、前記メインフレーム3のう
ち前記エンジン32の直下部分に設けられた排気孔50
とを備えている。
【0024】前記の補助回転軸43の他方側には、前記
ラジエータ45にエンジン冷却水を循環させる水ポンプ
(図示せず)が連結されている。前記の冷却ファン44
は、通常のこの種の建設機械の冷却装置と同様、軸流フ
ァンが用いられている。前記のラジエータ45は、前記
エンジン32の冷却水が循環供給されてこれを冷却し、
前記のオイルクーラ46は、前記油圧ポンプ33から前
記アクチュエータに供給される作動油を冷却する。
【0025】本発明の冷却装置の一実施の形態の最も大
きな特徴は、上記の構成に加え、前記上部カバー8の前
面8aに設けた多数の開口部51と、前記上部カバー8
内の空間を、前記ラジエータ45、オイルクーラ46、
エンジン32、及び冷却ファン44等が配置される後方
領域としての前記エンジン室40とそれ以外の前方領域
としての燃料タンク室52とに仕切る仕切手段としての
隔壁53と、前記開口部51と前記エンジン室40とを
前記隔壁53を貫通して連通させる略角筒部材54とを
有することである。
【0026】前記隔壁53は、前述した運転室7の後壁
30の一部を兼ねている。また、隔壁53のオイルクー
ラ46近傍には貫通孔53aが形成されており、この貫
通孔53aに略角筒部材54の端部が挿入固定されてい
る。
【0027】前記の略角筒部材54は、図6に示すよう
に、横断面略U字形状の下部部材54aと、略プレート
形状の上部部材54bとから構成されており、内部に燃
料タンク34の外周部を冷却する軸方向流路すなわちダ
クト55を構成している。このダクト55のエンジン室
40側端部は、図3及び図5に示すようにオイルクーラ
46の上流側端部近傍に位置しており、また反エンジン
室40側端部は、上部カバー8の前面8a近傍に位置し
ている。なお、このダクト55の開口面積は、前方側の
全開口部51の開口総面積と同等以上となるように構成
されている。また、ダクト55には、多数の外部フィン
部材56が設けられ、これによってダクト55が多数の
小流路55Aに分割された構造となっている。これら外
部フィン部材56は、略角筒部材54の内周面に固定さ
れる(あるいは単に当接しているだけでもよい)と共
に、燃料タンク34の外周面に当接しており、放熱面積
を拡大して燃料タンク34からの放熱を促進するように
なっている。また、外部フィン部材56は、ダクト55
の各小流路55Aの反エンジン室40側端部が上部カバ
ー前面8aに設けた各開口部51にそれぞれ臨むように
配置されている(図4を参照)。なお、これら外部フィ
ン部材56は、燃料タンク34を略角筒部材54に対し
て支持する支持部材としても機能する。一方、燃料タン
ク34内にも放熱促進のために多数の内部フィン部材5
7が設けられている。これら内部フィン部材57は、燃
料タンク34の内周面に固定されており、図6に示すよ
うに、燃料タンク34内の上部に位置するものほどその
放熱面積が大きくなるように配置されている。また、燃
料タンク34の内部は燃料58(例えば、軽油や灯油
等)で満たされ、燃料タンク34の上部にその燃料58
を補給するための燃料補給口34aが上部に突出するよ
うに設けられ、また燃料タンク34の下方にはエンジン
32に燃料58を送るための燃料配管59(図6には図
示せず、図4を参照)が取り付けられている。
【0028】なお、上記した燃料タンク34、その周囲
の外部フィン部材56、及び略角筒部材54の組み立て
は、例えば以下のような手順で行う。まず、所定位置に
外部フィン部材56を溶接固定した下部部材54aの下
部に、下部部材54aを支持するためのマウント部材6
0(図4を参照)を溶接固定しておき、このマウント部
材60を固定ボルト61(同)によってメインフレーム
3上に固定する。次に、こうしてメインフレーム3上に
固定された下部部材54aの略U字状内の所定位置に、
燃料タンク34を挿入配置する。このとき燃料タンク3
4外周部と下部部材54aに固定されている外部フィン
部材56とを当接させるが、これらは良好な放熱確保の
観点からは少なくとも一部分(例えば数カ所)を溶接等
により固定することが好ましい。その後、上部部材54
bに設けた貫通孔54bA(図6を参照)に燃料補給口
34aを通しつつ、上部部材54bを下部部材54aの
上部に載置する。このとき、燃料補給口34aと貫通孔
54bAとの隙間は例えばゴム部材等で塞げばよい。そ
して最後に、上部部材54bのフランジ部54bB(図
6を参照)と下部部材54aのフランジ部54aA
(同)とを取り付けボルト62(図4を参照)で締結す
ることにより、上部部材54bを下部部材54aに取り
付ける。
【0029】前述した本発明の冷却装置の一実施の形態
の動作を説明する。エンジン32を駆動すると、エンジ
ン32のクランク軸の回転がベルト42を介して補助回
転軸43に伝達され、補助回転軸43が回転する。この
補助回転軸43の回転により、冷却ファン44が回転す
る。この冷却ファン44の回転により、図3の矢印ア、
イに示すように吸気孔49から空気が吸入されて、オイ
ルクーラ46及びラジエータ45を冷却する。そして、
オイルクーラ46及びラジエータ45を通過した空気
は、冷却ファン44に流入する。
【0030】このとき、前述したように、略角筒部材5
4が構成するダクト55によってオイルクーラ46の上
流側近傍と上部カバー前面8aの開口部51とが連通し
ているため、図3の矢印ウに示すように開口部51から
も空気が吸入され、この空気流が矢印ウのようにダクト
55を通ってオイルクーラ46の上流側に至り、矢印
ア、イの空気流と合流する。このとき、ダクト55は燃
料タンク34の外周部に沿って設けられていることによ
り、空気流ウは燃料タンク34のまわりに集約され、比
較的高速の流れとなって燃料タンク34まわりを通過す
る。したがって、燃料タンク34を高い熱伝達率で冷却
を行うことができ、かつ、そのときの有効放熱面積も拡
大することができるので、燃料タンク34を十分に冷却
することができる。またこのとき、ダクト55内にダク
ト55を小流路55Aに分割する外部フィン部材56を
設け、かつ燃料タンク34の内周面に内部フィン部材5
7を設けたことにより、さらに放熱面積を拡大できる。
具体的には、燃料58が高温になった場合、その熱は、
まず一部が燃料タンク34の外周面から放熱され、さら
にその燃料タンク34外周面から外部フィン部材56に
熱伝導してここからも放熱され、残りはさらに外部フィ
ン部材56から略角筒部材54に熱伝導してここから放
熱される。すなわち、燃料タンク34の外周面、外部フ
ィン部材56、及び略角筒部材54の3つで放熱面積を
確保することにより、燃料タンク外周面のみで放熱する
場合の例えば4倍近くの放熱面積を得ることができる。
したがって、さらに燃料タンク34の冷却促進を図るこ
とができる。このときさらに、内部フィン部材57が、
燃料タンク34内の上部に位置するものほどその放熱面
積が大きくなるように配置されていることにより、相対
的に温度の高い上部の燃料58ほど放熱が向上し冷えや
すくなる。そして、その冷えた燃料58が下方に流動し
て高温の燃料58と入れ替わることで、燃料タンク34
内で燃料58の対流が生じやすくなるので、これによっ
ても冷却効果を向上できる。
【0031】冷却ファン44に流入した空気は、冷却フ
ァン44で昇圧されて流出し、エンジン32等を冷却し
て、排気孔50から外部(旋回体2の下方)に放出され
る。
【0032】以上説明したように、上記本発明の一実施
の形態によれば、燃料タンク34を十分に冷却し、燃料
58の昇温によって燃料噴射量が落ちエンジン32の出
力が低下するのを防止できるので、作業効率の低下を防
止できる。またこれに加え、燃料タンク34を略角筒部
材54に対し外部フィン部材56で支持するので、燃料
タンク34外周部にその外部フィン部材56によるリブ
構造が形成され、燃料タンク34はこのリブ構造を介し
て旋回体2のメインフレーム3に固定されることとな
る。したがって、燃料タンク34をそのままメインフレ
ーム3に固定する場合よりも、外部からの振動や衝撃に
対する強度を向上できるという効果もある。
【0033】なお、以上の説明においては、油圧ショベ
ルの上部カバー8内にエンジン32、油圧ポンプ33、
オイルクーラ46、ラジエータ45、燃料タンク34、
作動油タンク35等を配置するにあたって、後方のエン
ジン室40に作動油タンク35、油圧ポンプ33、エン
ジン32、ラジエータ45、オイルクーラ46を収納す
る一方、前方の燃料タンク室52に燃料タンク34を収
納した。これは、近年の小規模な掘削現場での作業に対
するニーズに応える形で提唱されている、メインフレー
ム3を走行体2の車幅内に近い直径内で旋回可能な寸法
とするとともに最小旋回姿勢でフロント装置5がメイン
フレーム3の旋回半径の範囲内で旋回可能とするいわゆ
る小旋回型油圧ショベルの場合、上部カバー8内の空間
が通常の油圧ショベルよりも狭く、これらの機器の配置
の自由度が限られるからである。このような配置に対し
て、通常の油圧ショベルと同様に冷却ファン44で生起
する軸方向の空気流ア,イでエンジン室40内の各機器
を冷却する場合、燃料タンク室52には空気流ア,イは
導かれないため、燃料タンク34を冷却するには別途上
部カバー前面8aに吸気孔51を設け、燃料タンク室5
2内に外気を取り入れる必要がある。これによって、冷
却ファン44が駆動されるときに上記空気流ア,イとと
もに燃料タンク室52からエンジン室40への空気流ウ
を生起し、燃料タンク34を冷却することが可能とな
る。その上で、本発明においては、燃料タンク室52と
エンジン室40とを仕切る隔壁53を設けるとともに、
空気流ウが流れる流路としてこの隔壁53を貫通するダ
クト55を設け、しかもそのダクト55に燃料タンク3
4の外周部を通過させることで、高速流を用いて積極的
に燃料タンク34の冷却促進を図るようにしたものであ
る。従って、図3〜図6等に示した構造に限定されるも
のではない。例えば、ダクト55を画定する略角筒部材
54は略円筒部材等の他の略筒状部材であってもよく、
また燃料タンク34外周部の全部ではなく特に効果的な
部分のみを冷却するようにダクト55を上・下方向又は
左・右方向に少しずらして配置してもよく、そのため
に、小流路55Aをどのように構成するか、開口部51
との位置関係をどのようにするか、等については、様々
な設計が可能である。また図6に示す構造の代わりに、
図7に示すように、外部フィン部材56を全体横断面形
状が略波型形状となるように構成し、その略波型形状の
山部及び谷部のうち一方を燃料タンク34の外周部に固
定(又は当接)し、他方を略角筒部材54の内周面に固
定(又は当接)してもよい。この場合、外部からの振動
や衝撃に対する強度をさらに向上できるという効果があ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、空気流が燃料タンクの
まわりに集約され高速流となって流れるので、高い熱伝
達率で冷却を行うことができ、かつ、有効放熱面積も拡
大することができる。したがって、燃料タンクを十分に
冷却することができるので、燃料の昇温によって燃料噴
射量が落ちエンジンの出力が低下するのを防止し、作業
効率の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する油圧ショベルの全体構造を示
す側面図である。
【図2】図1に示す油圧ショベルを斜め後方からみた一
部透視斜視図である。
【図3】本発明の冷却装置の一実施の形態を備えたエン
ジン室内の詳細構造を表す旋回体の水平断面図である。
【図4】図3に示す本発明の冷却装置の要部構造を表す
図1中A方向からの矢視斜視図である。
【図5】図3に示す本発明の冷却装置の要部構造を表す
図3中C方向からの矢視斜視図である。
【図6】図3に示す本発明の冷却装置に備えられた燃料
タンクの内部及びその周囲の詳細構造を示す横断面図で
ある。
【図7】図6に示す本発明の冷却装置に備えられた燃料
タンク周囲の詳細構造に関する変形例を示す横断面図で
ある。
【符号の説明】
3…メインフレーム、5…多関節型フロント装置、8…
上部カバー(カバー)、8a…前面、32…エンジン、
33…油圧ポンプ、34…燃料タンク、34a…燃料補
給口、35…作動油タンク、40…エンジン室(後方領
域)、44…冷却ファン(ファン)、45…ラジエータ
(熱交換器)、46…オイルクーラ(熱交換器)、49
…吸気孔、50…排気孔、51…開口部、52…燃料タ
ンク室(前方領域)、53…隔壁(仕切手段)、54…
略角筒部材(略筒状部材)、54a…下部部材、54a
A…フランジ部、54b…上部部材、54bA…貫通
孔、54bB…フランジ部、55…ダクト(軸方向流
路)、55A…小流路、56…外部フィン部材、57…
内部フィン部材、58…燃料。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】旋回体を覆うカバー内に配置したラジエー
    タ、オイルクーラ等の熱交換器及びエンジンを、ファン
    で生起する空気流で冷却する建設機械の冷却装置におい
    て、 前記カバーの前方側に設けた開口部と、 前記カバー内の空間を、前記熱交換器、前記エンジン及
    び前記ファンが配置される後方領域と燃料タンクが配置
    される前方領域とに仕切る仕切手段と、 内部に前記燃料タンクの外周部を冷却する軸方向流路を
    構成し、前記開口部と前記後方領域とを前記仕切手段を
    貫通して連通させる略筒状部材とを有することを特徴と
    する建設機械の冷却装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記燃料タンクの外周部に接続され該燃料タンクか
    らの放熱を促進する外部フィン部材を、前記略筒状部材
    内に設けたことを特徴とする建設機械の冷却装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記外部フィン部材は前記略筒状部材の内周面に接
    続され、前記略筒状部材に対して前記燃料タンクを支持
    することを特徴とする建設機械の冷却装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記外部フィン部材は横断面形状が略波型形状とな
    るように構成されており、その略波型形状の山部及び谷
    部のうち一方が前記燃料タンクの外周部に接続され、他
    方が前記略筒状部材の内周面に接続されていることを特
    徴とする建設機械の冷却装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記燃料タンクの内周部に固定され該燃料タンクか
    らの放熱を促進する内部フィン部材を有することを特徴
    とする建設機械の冷却装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記内部フィン部材は複数個あり、かつ、それら複
    数の内部フィン部材は、前記燃料タンク内の上部に位置
    するものほど、伝熱面積が大きくなるように構成されて
    いることを特徴とする建設機械の冷却装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010168838A (ja) * 2009-01-23 2010-08-05 Kubota Corp 旋回作業機
JP2014114763A (ja) * 2012-12-11 2014-06-26 Hitachi Constr Mach Co Ltd 建設機械

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JP2010168838A (ja) * 2009-01-23 2010-08-05 Kubota Corp 旋回作業機
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