JPH11286961A - 建設機械の冷却装置 - Google Patents

建設機械の冷却装置

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JPH11286961A
JPH11286961A JP8895298A JP8895298A JPH11286961A JP H11286961 A JPH11286961 A JP H11286961A JP 8895298 A JP8895298 A JP 8895298A JP 8895298 A JP8895298 A JP 8895298A JP H11286961 A JPH11286961 A JP H11286961A
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JP
Japan
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cylindrical member
cooling device
substantially cylindrical
construction machine
engine
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JP8895298A
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Osamu Watanabe
修 渡邉
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】周囲への騒音を増大させることなく、冷却効率
を十分に向上できる建設機械の冷却装置を提供する。 【解決手段】旋回体を覆うカバー内に配置したラジエー
タ、オイルクーラ等の熱交換器及びエンジンを、ファン
で生起する空気流で冷却する建設機械の冷却装置におい
て、カバーの前方側に設けた開口部と、カバー内の空間
を、熱交換器、エンジン及びファンが配置される後方領
域とそれ以外の前方領域とに仕切る仕切手段と、内部に
軸方向流路を構成し、開口部と後方領域とを仕切手段を
貫通して連通させる第1の略筒状部材とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械の冷却装
置に関し、更に詳しくは、周囲への騒音を増加させるこ
となく、冷却効率を十分に向上できる建設機械の冷却装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械の旋回体は、通常、カバーで覆
われており、旋回体の後部に載置されるエンジン及びこ
のエンジンに関連する補機や、旋回体の前部に載置され
る燃料タンクは、このカバー内の閉空間に配置されてい
る。この種の建設機械では、前記エンジン及び前記補機
の冷却を行うために、前記カバーの一方側に設けた吸気
孔から吸気した空気を、冷却ファンによりラジエータ、
オイルクーラ等の熱交換器に通過させた後、更に前記エ
ンジン及び前記油圧ポンプの側方を通過させ、前記エン
ジンカバーの他方側及び前記旋回体下部のフレームに設
けた排気孔から外部に排出している。
【0003】近年、比較的小規模な掘削現場への用途か
ら、小型の建設機械が数多く提唱されている。このよう
な小型の建設機械では、前記カバー内のスペースが極め
て限定されるため、前記ラジエータの上流側に配置され
る前記吸気孔が前記冷却ファンや前記エンジン等の騒音
源に近接する。そのため、前記吸気孔を介し周囲に洩れ
る騒音が著しく大きくならないように、前記吸気孔の開
口面積を比較的小さくせざるを得ず、その結果、この小
さい開口面積が冷却空気の流れ抵抗の増大を招き、冷却
に十分な風量が得られず、冷却効率が低下していた。
【0004】この点を解決するために、特開平8−30
2737号公報に記載されているように、騒音源から離
れた旋回体の前部に吸気孔を増設する構成が提案されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、カ
バーに設けた通常の吸気孔のみならず、増設した吸気孔
からも併せて冷却空気を導入することにより、冷却空気
の流量を増加させ、騒音を増大させることなく冷却効率
を向上させるものである。しかし、上記従来技術は、旋
回体前部の吸気孔からの冷却空気が旋回体後部へと流れ
るとき、旋回体前部のカバー内に配置された燃料タン
ク、バッテリ、作動油タンク等の機器の周囲を通過す
る。そのため、これら機器の外形の凹凸が障害物とな
り、冷却空気が衝突して乱れが発生する。その結果、流
れ抵抗の増大を招くため、冷却効率の向上が十分でない
という憾みがある。
【0006】また、前述のように旋回体の前部に吸気孔
を増設する場合、その増設した吸気孔からエンジン室内
の騒音が漏れ出ることが考えられる。そのため、騒音低
減の万全を期すために、増設吸気孔からの冷却空気の流
路に吸音材を貼付することが考えられる。しかし、上記
従来技術では、前述のように冷却空気が旋回体後部へと
流れるときに、旋回体前部のカバー内に配置された機器
周辺の比較的広い領域を通過するため、その通過領域ま
わりの内壁面全面にすべて吸音材を貼付しなければなら
ない。その結果、大量の吸音材が必要となってコストア
ップを招くという憾みがある。
【0007】本発明の第1の目的は、周囲への騒音を増
大させることなく、冷却効率を十分に向上できる建設機
械の冷却装置を提供することにある。
【0008】本発明の第2の目的は、コストアップを招
くことなく、周囲への騒音を低減できる建設機械の冷却
装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記第1の目
的を達成するために、旋回体を覆うカバー内に配置した
ラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器及びエンジン
を、ファンで生起する空気流で冷却する建設機械の冷却
装置において、前記カバーの前方側に設けた開口部と、
前記カバー内の空間を、前記熱交換器、前記エンジン及
び前記ファンが配置される後方領域とそれ以外の前方領
域とに仕切る仕切手段と、内部に軸方向流路を構成し、
前記開口部と前記後方領域とを前記仕切手段を貫通して
連通させる第1の略筒状部材とを有することを特徴とす
る建設機械の冷却装置にある。後方領域に配置されたフ
ァンが駆動されると、空気流が生起され、この空気流に
よってラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器及びエン
ジンが冷却される。このとき、この後方領域とカバー前
方側の開口部とが第1の略筒状部材を介し連通している
ことにより、その開口部から流入する空気流も併せて生
起される。この生起された空気流は、第1の略筒状部材
内の軸方向流路を介し後方領域に流出する。この結果、
冷却空気の流量が増加するので、騒音を増加させること
なく、冷却効率を向上させることができる。このとき、
カバー前方側の開口部から流入する空気流は、第1の略
筒状部材内に構成される流路内を通過し後方領域へ円滑
に導かれる。そのため、従来構造のように旋回体前部の
カバー内の機器に衝突することがなく、流れ抵抗が増大
することがない。したがって、十分に冷却効率を向上す
ることができる。
【0010】好ましくは、上記建設機械の冷却装置にお
いて、前記第1の略筒状部材は、ダクトを構成する角筒
部材であることを特徴とする建設機械の冷却装置にあ
る。
【0011】また好ましくは、上記第1及び第2の目的
を達成するために、上記建設機械の冷却装置において、
前記第1の略筒状部材の軸方向流路の壁面に吸音材を設
けたことを特徴とする建設機械の冷却装置にある。これ
により、後方領域にあるエンジンやファンの騒音が、第
1の略筒状部材を介して開口部から周囲へ洩れ出るのを
抑制することができる。またこのとき、第1の略筒状部
材内の流路壁面という限られた領域だけに吸音材を設け
れば足りるので、旋回体前部のカバー内における機器周
辺の内壁面全面に吸音材を設ける必要がある従来構造に
比べ、設置する吸音材の量を大幅に低減することができ
る。したがって、コストを削減することができる。
【0012】さらに好ましくは、上記建設機械の冷却装
置において、前記第1の略筒状部材の中間部に、形状寸
法要素で決定される周波数の脈動を吸収する脈動吸収手
段を接続したことを特徴とする建設機械の冷却装置にあ
る。脈動吸収手段は、形状寸法要素で決定される周波数
が分岐して取り付けられた脈動吸収手段を通過するとき
に減音するものである。そこで、消音したい騒音の周波
数がある値に決まっている場合には、例えば、消音した
い周波数の波長の1/4となるように、脈動吸収手段の
形状寸法を決定する。これにより、第1の略筒状部材を
通過して脈動吸収手段に進入する騒音のうち、脈動吸収
手段の4倍の波長の周波数をもつ成分が、第1の略筒状
部材へ戻るとき、その往復によって1/4の2倍、つま
り1/2だけ位相がずれるため、騒音の原音と逆位相と
なる。その結果、騒音の原音と逆位相で戻ってきた騒音
とが相互に干渉して打ち消し合うので、騒音の原音レベ
ルを大きく低減することができる。これにより、エンジ
ンやファンの騒音が第1の略筒状部材を介し周囲へ洩れ
出るのをさらに抑制することができる。
【0013】また好ましくは、上記建設機械の冷却装置
において、前記脈動吸収手段は、前記第1の略筒状部材
の前記中間部壁面に設けた第1の孔と、この第1の孔を
介して前記第1の略筒状部材に接続され、先端が閉塞さ
れた所定長さの第2の略筒状部材とを備えたサイドブラ
ンチ型脈動吸収手段であることを特徴とする建設機械の
冷却装置にある。
【0014】さらに好ましくは、上記建設機械の冷却装
置において、前記脈動吸収手段は、前記第1の略筒状部
材の前記中間部壁面に設けた第2の孔と、この第2の孔
を介して前記第1の略筒状部材に接続された所定容積の
共鳴室とを備えたヘルムホルツ共鳴器型脈動吸収手段で
あることを特徴とする建設機械の冷却装置にある。
【0015】また好ましくは、上記建設機械の冷却装置
において、前記所定長さ又は前記所定容積は、消音した
い騒音の波長に応じて決定されていることを特徴とする
建設機械の冷却装置にある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を油圧ショベルに適
用した場合の実施の形態を図面を用いて説明する。ま
ず、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図4により説
明する。図1は、本発明を適用する油圧ショベルの全体
構造を示すものであり、図2は図1に示した油圧ショベ
ルを斜め後方からみた一部透視斜視図を示すものであ
る。
【0017】これら図1及び図2において、油圧ショベ
ルは、左右の無限軌道履帯1L,1Rを備えた走行体2
と、この走行体2の上部に旋回可能に搭載される旋回体
の基礎下部構造をなすメインフレーム3と、このメイン
フレーム3に垂直ピン(図示せず)を中心にして水平方
向に回動可能に取り付けられたスイングポスト4と、こ
のスイングポスト4に上下方向に回動可能に取り付けら
れた作業フロント5と、前記メインフレーム3の後端部
に取り付けられたカウンタウェイト6と、前記メインフ
レーム3上に設けられ座席27(後述の図3参照)を備
えた運転室7と、前記メインフレーム3上の運転室7以
外の大部分を覆う上部カバー8とを備えている。
【0018】前記の走行体2は、略H字形状のトラック
フレーム9と、このトラックフレーム9の左・右両側の
後端近傍に回転自在に支持された駆動輪10L,10R
と、これら駆動輪10L,10Rをそれぞれ駆動する左
・右走行用のモータ11L,11Rと、前記トラックフ
レーム9の左・右両側の前端近傍に回転自在に支持さ
れ、前記無限軌道履帯1L,1Rを介し前記駆動輪10
の駆動力でそれぞれ回転される回転輪(アイドラ)12
L,12Rと、前記トラックフレーム9の前方側に上下
動可能に設けられ、ブレードシリンダ13により上下動
する排土用のブレード14とを備えている。また前記走
行体2の中央部には旋回台軸受15が配置されている。
【0019】前記の作業フロント5は、ロアブーム16
Lとアッパーブーム16Uとからなるツーピースブーム
であるブーム16と、前記アッパーブーム16Uに回動
可能に結合されたアーム17と、このアーム17に回動
可能に結合されたバケット18と、一端が前記アッパー
ブーム16Uに連結されアッパーブーム16Uと前記ロ
アブーム16Lとの間の角度を変化させるクロスロッド
19を備えている。このクロスロッド19は、フロント
形状を規制するリンク部材として機能し、前記ロアブー
ム16Lの前記メインフレーム3に対する回動角に応じ
て、前記アッパーブーム16Uと前記ロアブーム16L
との間の角度を変化させるようになっている。そして、
前記ロアブーム16L、アーム17、及びバケット18
は、それぞれブームシリンダ20、アームシリンダ2
1、及びバケットシリンダ22により駆動動作される。
【0020】前記のスイングポスト4は、前記メインフ
レーム3に設けられたスイングシリンダ23に、連結ピ
ン(図示せず)を介して連結されており、スイングシリ
ンダ23の伸縮でスイングポスト4全体が回動すること
によって、前記作業フロント5が左・右にスイングする
ようになっている。
【0021】前記のメインフレーム3は、その中心近傍
に、前記走行体2に対しメインフレーム3を旋回させる
旋回用のモータ24が配置されている。このとき、前記
メインフレーム3は、特に明確には図示しないが、前記
走行体2の車幅内に近い直径(=車幅よりも若干大きい
直径)内で旋回可能な寸法に構成されている。また、前
記ブーム16を最大に振り上げブーム16が前記上部カ
バー8に最も近づく最小旋回姿勢をとる際において、前
記ロアブーム16Lを上昇させ前記作業フロント5を畳
み込むと(図1に示した状態)、作業フロント5がメイ
ンフレーム3の旋回半径の範囲内、すなわち走行体2の
車幅内に近い直径内で旋回可能となるよう構成されてい
る。
【0022】なお、ここまでに述べてきた駆動機器、す
なわち、前述したブレードシリンダ13、旋回用のモー
タ24、ブームシリンダ20、アームシリンダ21、バ
ケットシリンダ22、スイングシリンダ23、及び左・
右走行用のモータ11といった油圧アクチュエータは、
特に詳細な説明を行わないが、公知の油圧駆動装置(例
えば特開平7−189298号公報や特開平7−265
92号公報)により駆動される。
【0023】一方、前記の運転室7は、前記メインフレ
ーム3上の左側に設けられている。この運転室7内に
は、前記走行体2の左・右走行用のモータ11L,11
Rをそれぞれ駆動するための左・右走行レバー25L,
25Rと、前記スイングシリンダ23を駆動し前記作業
フロント5をスイングさせるためのスイングペダル26
と、前記ブームシリンダ20、アームシリンダ21、及
びバケットシリンダ22を駆動して前記ロアブーム16
L、アーム17、及びバケット18をそれぞれ動作させ
るための左・右作業レバー34L,34Rと、前記ブレ
ードシリンダ13を駆動しブレード14を上下動させる
ためのブレードレバー(図示せず)とが設けられてい
る。また、運転室7は、前記座席27の上方に設けられ
たルーフ36と、前記座席27の後方に設けられた後壁
37と、前記座席の内側(右側)側方に設けられた側壁
38とを備えており、これら後壁37及び側壁38はい
ずれも大部分が透過性材料で形成され、略鉛直に配設さ
れている。
【0024】また、前記の上部カバー8は、図2に示す
ように、その内部に、エンジン42、このエンジン42
に連結されその駆動力によって駆動される油圧ポンプ4
3、前記エンジン42の燃料を貯留する燃料タンク4
4、前記油圧ポンプ43の圧油源となる作動油タンク4
5、前記エンジン42への吸入空気を清浄化するエアク
リーナ46、このエアクリーナ46に接続された吸気パ
イプ41(後述の図3参照)、前記エンジン42からの
排気ガスが導かれてその消音を行うマフラー49、この
マフラー49の吐出側に一端が連結され他端が前記カウ
ンタウェイト6の貫通孔6aを貫通して外部に露出した
排気ガス管50等の機器を収納するエンジン室48を形
成している。なお前記上部カバー8の後方下部には、前
記エンジン室48内部のメンテナンス用の開閉ドア47
が設けられており、前記カウンタウェイト6はこの開閉
ドア47の下方に位置している。また、前記作動油タン
ク45は、前記油圧ポンプ43やオイルクーラ55(後
述)等と図示しない配管により接続されている。
【0025】このようなエンジン室48に、本発明の冷
却装置の一実施の形態が設けられている。図3は、本発
明の冷却装置の一実施の形態を備えたエンジン室48内
の詳細構造を表す旋回体2の水平断面図であり、図4
は、図3中A方向からの矢視斜視図である。これら図3
及び図4において、図1及び図2と同符号のものは同一
部分を示す。図3及び図4において、前記したエンジン
42は、前記メインフレーム3上に振動減衰装置(図示
せず)を介して設置されている。本発明の一実施の形態
による冷却装置は、前記エンジン42のクランク軸(図
示せず)にベルト51を介して連結された補助回転軸5
2の一方側に設けた冷却ファン53と、この冷却ファン
53の前段(上流側)に配置した熱交換器としてのラジ
エータ54及びオイルクーラ55と、前記ラジエータ5
4を固定する仕切材56と、前記ラジエータ54の下流
側に固定されたシュラウド58と、前記上部カバー8の
うち前記ラジエータ54及びオイルクーラ55の上流側
部分に設けられた吸気孔59と、前記冷却ファン53か
ら流出する空気流を外部に排出するために、前記メイン
フレーム3のうち前記エンジン42の直下部分に設けら
れた排気孔60とを備えている。
【0026】前記の補助回転軸52の他方側には、前記
ラジエータ54にエンジン冷却水を循環させる水ポンプ
(図示せず)が連結されている。前記の冷却ファン53
は、通常のこの種の建設機械の冷却装置と同様、軸流フ
ァンが用いられている。前記のラジエータ54は、前記
エンジン42の冷却水が循環供給されてこれを冷却し、
前記のオイルクーラ55は、前記油圧ポンプ43から前
記アクチュエータに供給される作動油を冷却する。
【0027】本発明の冷却装置の一の実施形態の最も大
きな特徴は、上記の構成に加え、前記上部カバー8の前
方側に設けた開口部61と、前記上部カバー8内の空間
を、前記ラジエータ54、オイルクーラ55、エンジン
42及び冷却ファン53等が配置される後方領域として
の前記エンジン室48とそれ以外の前方領域としての燃
料タンク室57とに仕切る仕切手段としての隔壁62
と、前記開口部61と前記エンジン室48とを前記隔壁
62を貫通して連通させる略角筒部材63とを有するこ
とである。
【0028】前記隔壁62は、前述した運転室7の後壁
37の一部を兼ねている。
【0029】前記の略角筒部材63は、例えば、4枚の
略長方形の板材を各長辺で接合して組み立てることによ
り形成され、また内部に軸方向流路としてのダクト64
を構成しており、そのダクト64の内壁面には、吸音材
65が設けられている。前記ダクト64のエンジン室4
8側端部は、図3に示すようにオイルクーラ55の上流
側端部近傍に位置している。また、ダクト64の開口面
積は、開口部61と同等以上となるように構成されてい
る。
【0030】前述した本発明の冷却装置の一実施の形態
の動作を説明する。エンジン42を駆動すると、エンジ
ン42のクランク軸の回転がベルト51を介して補助回
転軸52に伝達され、補助回転軸52が回転する。この
補助回転軸52の回転により、冷却ファン53が回転す
る。この冷却ファン53の回転により、図3の矢印ア、
イに示すように吸気孔59から空気が吸入されて、オイ
ルクーラ55及びラジエータ54を冷却する。そして、
オイルクーラ55及びラジエータ54を通過した空気
は、冷却ファン53に流入する。
【0031】このとき、前述したように、略角筒部材6
3が構成するダクト64によってオイルクーラ55の上
流側と開口部61とが連通しているため、図3の矢印ウ
に示すように開口部61からも空気が吸入され、ダクト
64を通ってオイルクーラ55の上流側に至り、矢印
ア、イの空気流と合流する。これにより、吸気孔59か
らの空気流ア、イのみの場合よりも開口面積及び流路断
面積がともに増加し冷却空気の流量が増加するので、騒
音を増加させることなく、冷却効率を向上させることが
できる。またこのとき、開口部61から流入する空気流
は、ダクト64内を通過しエンジン室48へ円滑に導か
れる。そのため、従来構造のように旋回体前部のカバー
内の機器(例えば燃料タンク等)に衝突することがな
く、流れ抵抗が増大することがない。したがって、十分
に冷却効率を向上することができる。さらに、ダクト6
4の内壁面に吸音材65を設けたことにより、エンジン
室48にあるエンジン42、冷却ファン53、油圧ポン
プ43等の騒音のうち、吸音材65の吸収効果のある周
波数帯(例えば1kHz以上の周波数)の音が吸音され
るため、ダクト64を介して開口部61から周囲へ洩れ
出る騒音を抑制することができる。またこのとき、ダク
ト64内壁面という限られた領域だけに吸音材65を設
ければ足りるので、旋回体前部のカバー内における機器
周辺の内壁面全面に吸音材を設ける必要がある従来構造
に比べ、設置する吸音材の量を大幅に低減することがで
きる。したがって、コストを削減することができる。
【0032】以上のように冷却ファン53に流入した空
気は、冷却ファン53で昇圧されて流出し、エンジン4
2等を冷却して、排気孔60から外部(旋回体2の下
方)に放出される。
【0033】図5は、本発明の冷却装置の他の実施の形
態を備えたエンジン室48内の詳細構造を表す旋回体2
の水平断面図であり、図6は、図5中B方向からの矢視
斜視図であり、これらの図において、図1乃至図4と同
符号のものは同一部分又は相当する部分を示す。この実
施例における冷却装置は、ダクト64を構成する略角筒
部材63の中間部(両端部以外の部分)に、形状寸法要
素で決定される周波数(詳細は後述)を減音する脈動吸
収手段として、前記略角筒部材63及び吸音材65の壁
面に設けた孔66と、この孔66を介して前記略角筒部
材63及び吸音材65に接続されかつ先端が閉塞された
軸方向長さL(図6参照)の略丸筒部材68とを設けて
いる。前記孔66と略丸筒部材68とは、いわゆるサイ
ドブランチ型脈動吸収手段を構成しており、その動作に
ついて以下詳細に説明する。
【0034】一般に、脈動吸収手段は、形状寸法要素で
決定される周波数の音が脈動吸収手段の接続された位置
を通過するときに減音するものである。このサイドブラ
ンチ型脈動吸収手段の場合、略角筒部材63により構成
されるダクト64内を伝播する音は、孔66の位置を通
過するときに、開口部61へ向かって進行する主たる成
分(以下、主成分という)と、孔66から略丸筒部材6
8の中に進行していく成分(以下、副成分という)とに
分岐し、副成分の音のうち波長が略丸筒部材68の長さ
の4倍にあたる周波数の音は、脈動吸収手段端部で反射
して1/2波長の経路を経て戻ってくるため、主成分と
1/2波長ずれて逆位相となってもとの位置に戻る。そ
してこのとき、前記略丸筒部材68の軸方向寸法Lを適
宜所定の値に設定することにより、この副成分の波長を
主成分と1/2波長だけずらして逆位相とし、ダクト6
4で騒音の主成分と逆位相の副成分とを干渉させ互いに
打ち消させ、騒音レベルをさらに低減することができ
る。
【0035】具体的に、例えばエンジン42の爆発一次
音による騒音をこのサイドブランチ型脈動吸収手段を利
用して低減する場合を例にとって説明する。エンジン4
2は通常の油圧ショベルと同様に4気筒4サイクルのデ
ィーゼルエンジンであるとし、通常の掘削作業時を想定
し、エンジン回転数Nを、 N=2000[R.P.M.] とする。このときのエンジンの爆発一次音の周波数FE
は、 FE=(2000/60)×(4/2) ≒66.7[Hz] となる。このとき、媒質である空気の温度を20℃とす
ると、この温度における空気中の音速vAは、 vA≒344[m/s] である。したがって、騒音の主成分の波長λAは λA=344/66.7 ≒5.16[m] となる。そこで、脈動吸収周波数FRに対応する波長λR
を決定する略丸筒部材68の軸方向長さLを、主成分の
波長λAの4分の1とし、 L=λA/4 =5.16/4 ≒1.29[m] と設定する。これにより、略丸筒部材68内に進入した
音波のうち、脈動吸収周波数FRの成分のみが、端部で
反射し再び戻ってきて孔66を介しダクト64へと戻さ
れる。その往復によって主成分の波長λA=の4分の1
の2倍、つまり主成分の波長λAの1/2だけ位相がず
れるため、ダクト64へと戻される副成分は、主成分と
逆位相となる。その結果、ダクト64で、騒音の主成分
と逆位相の副成分とが干渉して互いに打ち消し合うの
で、騒音レベルを大きく低減することができる。これに
より、エンジン42の爆発一次音がダクト64を介し周
囲へ洩れ出るのをさらに抑制することができるので、前
述した本発明の一の実施形態よりもさらに騒音を低減す
ることができる。
【0036】なお、上記の説明は、エンジン42の爆発
一次音による騒音を低減する場合について説明したが、
もちろんこれに限られるものではない。他の一例として
は、冷却ファン53の回転一次風切り音を低減する場合
がある。この場合、エンジン42のクランク軸から補助
回転軸52へのプーリ比(=補助回転軸回転数/クラン
ク軸回転数=クランクプーリ有効径/補助回転軸プーリ
有効径)xを、 x=1.2 とし、冷却ファン53の羽根車の羽根の枚数nを、 n=10[枚] とし、さらに上記同様にN=2000[R.P.
M.]、vA≒344[m/s]とすると、冷却ファン
53の回転一次風切り音の周波数FFは、 FF=(2000×1.2/60)×10 =400[Hz] となり、騒音の主成分の波長λAは λA=344/400 =0.86[m] となる。したがって、Lを、 L=λA/4 =0.86/4 =0.215[m] と設定すればよい。このように、略丸筒部材68の軸方
向長さLを打ち消したい騒音の周波数(波長)に応じて
決定することで、その音を消音することができる。ま
た、このようなサイドブランチ型脈動吸収手段を複数取
り付けることで複数の周波数の音を消音することもでき
る。
【0037】また、この実施形態においては、サイドブ
ランチ型脈動吸収手段を構成するために略丸筒部材68
を用いたが、これに限られず、パイプやホースを用いて
も構わない。
【0038】さらに、この実施形態においては、脈動吸
収手段として、略丸筒部材68の軸方向寸法Lで脈動吸
収周波数が決定されるサイドブランチ型脈動吸収手段を
用いたが、これに限られず、いわゆるヘルムホルツ共鳴
器型脈動吸収手段を用いても良い。この変形例を図7及
び図8に示す。図7は、本発明の他の実施の形態の変形
例を備えたエンジン室48内の詳細構造を表す旋回体2
の水平断面図であり、図8は、図7中C方向からの矢視
斜視図であり、これらの図において、図1乃至図6と同
符号のものは同一部分又は相当する部分を示す。この実
施例における冷却装置は、ダクト64を構成する略角筒
部材63の中間部に、ヘルムホルツ共鳴器型脈動吸収手
段として、略角筒部材63及び吸音材65の壁面に設け
た孔69と、この孔69を介し略角筒部材63及び吸音
材65に接続された所定容積Vの共鳴室である燃料タン
ク室57とを設けている。このヘルムホルツ共鳴器型脈
動吸収手段の場合、脈動吸収周波数FFは、共鳴室とし
ての前記燃料タンク室57の容積V、前記孔69の長さ
t及び穴69の孔径yによって決定される。音波がダク
ト64を進行することは、すなわち圧力変化が伝播する
ことであるが、音波がダクト64内部の脈動吸収手段の
接続された地点を通過する際、ダクト64と脈動吸収手
段内に圧力差が生じる。ダクト64の圧力が高い場合
は、孔69を通じて脈動吸収手段内部に流体が流れ込
む。逆にダクト64の圧力が低くなった場合は、脈動吸
収手段内部の流体が孔69を通じてダクト64に流れ込
む。このようにして、ダクト64内の圧力脈動振幅が緩
和されるように流体は移動する。一方、ヘルムホルツ共
鳴器型脈動吸収手段内部の流体は前記V、t、yによっ
て決定される周波数で単振動する。したがって、脈動吸
収手段の前記V、t、yによって決定される周波数成分
については、永続的に上記のダクト64と脈動吸収手段
間での流体の移動が起こり、ダクト64内の圧力脈動の
振幅が小さくなり、脈動を吸収することができる。前述
した本発明の冷却装置の他の実施の形態と同様、これら
V、t、yを適宜所定の値に設定することにより、ある
特定の周波数の圧力脈動を吸収させて、騒音レベルをさ
らに低減することができる。
【0039】なお、上述の実施の形態では、エンジン室
48内に、熱交換器としてラジエータ54及びオイルク
ーラ55を配置したが、これに限られず、必要に応じ
て、吸気パイプ41及びエアクリーナ46を介しエンジ
ン42へ導かれる燃焼用空気を予冷するために、インタ
ークーラを設置しても良い。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、周囲への騒音を増大さ
せることなく、冷却効率を十分に向上できる。また、コ
ストアップを招くことなく、周囲への騒音を低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する油圧ショベルの全体構造を示
す側面図である。
【図2】図1に示す油圧ショベルを斜め後方からみた一
部透視斜視図である。
【図3】本発明の冷却装置の一実施の形態を備えたエン
ジン室内の詳細構造を表す旋回体の水平断面図である。
【図4】図3に示す本発明の冷却装置の要部構造を表す
図3中A方向からの矢視斜視図である。
【図5】本発明の冷却装置の他の実施の形態を備えたエ
ンジン室内の詳細構造を表す旋回体の水平断面図であ
る。
【図6】図5に示す本発明の冷却装置の要部構造を表す
図5中B方向からの矢視斜視図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の変形例を備えたエン
ジン室内の詳細構造を表す旋回体の水平断面図である。
【図8】図7に示す本発明の冷却装置の要部構造を表す
図7中C方向からの矢視斜視図である。
【符号の説明】
2…旋回体、8…上部カバー(カバー)、42…エンジ
ン、48…エンジン室(後方領域)、53…冷却ファン
(ファン)、54…ラジエータ、55…オイルクーラ、
57…燃料タンク室(前方領域、共鳴室)、61…開口
部、62…隔壁(仕切手段)、63…略角筒部材(第1
の略筒状部材)、64…ダクト、65…吸音材、66…
孔(第1の孔)、68…略丸筒部材(第2の略筒状部
材)、69…孔(第2の孔)。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】旋回体を覆うカバー内に配置したラジエー
    タ、オイルクーラ等の熱交換器及びエンジンを、ファン
    で生起する空気流で冷却する建設機械の冷却装置におい
    て、 前記カバーの前方側に設けた開口部と、 前記カバー内の空間を、前記熱交換器、前記エンジン及
    び前記ファンが配置される後方領域とそれ以外の前方領
    域とに仕切る仕切手段と、 内部に軸方向流路を構成し、前記開口部と前記後方領域
    とを前記仕切手段を貫通して連通させる第1の略筒状部
    材とを有することを特徴とする建設機械の冷却装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記第1の略筒状部材は、ダクトを構成する角筒部
    材であることを特徴とする建設機械の冷却装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記第1の略筒状部材の軸方向流路の壁面に吸音材
    を設けたことを特徴とする建設機械の冷却装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記第1の略筒状部材の中間部に、形状寸法要素で
    決定される周波数の騒音を減音する脈動吸収手段を接続
    したことを特徴とする建設機械の冷却装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記脈動吸収手段は、前記第1の略筒状部材の前記
    中間部壁面に設けた第1の孔と、この第1の孔を介して
    前記第1の略筒状部材に接続され、先端が閉塞された所
    定長さの第2の略筒状部材とを備えたサイドブランチ型
    脈動吸収手段であることを特徴とする建設機械の冷却装
    置。
  6. 【請求項6】請求項4記載の建設機械の冷却装置におい
    て、前記脈動吸収手段は、前記第1の略筒状部材の前記
    中間部壁面に設けた第2の孔と、この第2の孔を介して
    前記第1の略筒状部材に接続された所定容積の共鳴室と
    を備えたヘルムホルツ共鳴器型脈動吸収手段であること
    を特徴とする建設機械の冷却装置。
  7. 【請求項7】請求項5又は6記載の建設機械の冷却装置
    において、前記所定長さ又は前記所定容積は、消音した
    い騒音の波長に応じて決定されていることを特徴とする
    建設機械の冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7131422B2 (en) 2004-03-01 2006-11-07 Kobelco Construction Machinery Co., Ltd. Construction machine
EP1840277A2 (en) * 2006-03-30 2007-10-03 Kobleco Construction Machinery Co., Ltd. Working machine

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EP1840277A3 (en) * 2006-03-30 2009-01-28 Kobleco Construction Machinery Co., Ltd. Working machine
US7874390B2 (en) 2006-03-30 2011-01-25 Kobelco Construction Machinery Co., Ltd. Working machine

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