JP2007211613A - 建設機械 - Google Patents

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Seiichiro Takeshita
清一郎 竹下
Osamu Watanabe
修 渡邉
Kunihiko Ikeda
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Abstract

【課題】 エンジン室とポンプ室とを隔壁で仕切った状態においても、ポンプ室内の温度を低減できるようにする。
【解決手段】 建屋カバー25内に隔壁27を設けることにより、建屋カバー25内をエンジン15、熱交換器18等を収容するエンジン室29と、油圧ポンプ16を収容するポンプ室32とに仕切り、エンジン室29内には冷却ファン17を設け、ポンプ室32内には、冷却ファン17とは別個に貫流ファン35を設ける構成とする。これにより、冷却ファン17によってポンプ室32内に外気を取込むことができない場合でも、貫流ファン35によってポンプ室32内に外気を取込むことができ、この外気によって油圧ポンプ16を冷却することにより、ポンプ室32内の温度を低減することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば油圧ショベル、ホイールローダ等の建設機械に関し、特に、フレームに搭載されたエンジン等を収容する建屋カバーを備えた建設機械に関する。
一般に、建設機械としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより大略構成されている。
ここで、上部旋回体は、通常、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレームの前部左側に設けられ運転室を画成するキャブと、旋回フレームの後端側に設けられ作業装置との重量バランスをとるカウンタウエイトと、カウンタウエイトの前側に位置して旋回フレーム上に設けられた建屋カバーとにより大略構成されている。そして、建屋カバーは、旋回フレームに搭載されたエンジン、熱交換器、油圧ポンプ等の搭載機器を収容するものである。
ところで、従来技術による油圧ショベルは、通常、エンジンによって油圧ポンプを駆動し、この油圧ポンプから吐出した高圧の作動油を、油圧ホース、制御弁等を介して油圧ショベルに搭載された各種の油圧アクチュエータに供給する構成となっている。
この場合、エンジンに設けられた排気マフラはエンジンの作動時に高温となるため、例えば油圧ポンプと油圧ホースとの接続部等から漏れた作動油が、高温となった排気マフラに飛散して火災が発生するのを防止する必要がある。
このため、建屋カバー内に隔壁(ファイヤウォール)を設けることにより、建屋カバー内をエンジンを収容するエンジン室と、油圧ポンプを収容するポンプ室とに仕切る構成となった油圧ショベルが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平11−148348号公報
この従来技術によれば、隔壁によってエンジン室とポンプ室とを仕切ることができるので、仮に油圧ポンプと油圧ホースとの接続部等から作動油が飛散したとしても、この作動油がエンジン、排気マフラ等に付着するのを阻止することができ、失火を防止することができる。また、建屋カバー内に隔壁を設けることにより、エンジンの作動時に発生する騒音が外部に漏れるのを隔壁によって遮蔽することができ、油圧ショベルの周囲の騒音を低減することができる。
しかし、上述した従来技術では、隔壁によってエンジン室とポンプ室とが仕切られているため、ファンによってエンジン室内に供給された冷却風は、熱交換器、エンジン等を冷却した後、ポンプ室に導入されることなく建屋カバーに形成された開口部を通じて外部に排出される構成となっている。
このように、ポンプ室内に冷却風が導入されないため、油圧ポンプが作動時に熱を発生することによりポンプ室内の雰囲気温度が上昇し、油圧ポンプに設けられた電装部品等の信頼性が低下してしまうだけでなく、油圧ポンプ等の誤作動を招くという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、エンジン室とポンプ室とを隔壁で仕切った状態においても、ポンプ室内の温度を低減することができるようした建設機械を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため本発明は、支持構造体をなすフレームと、該フレームに搭載されたエンジンと、該エンジンによって駆動される油圧ポンプと、前記フレームに搭載され冷却すべき流体の熱交換を行う熱交換器と、該熱交換器に外部からの冷却風を供給する熱交換器用ファンと、前記フレーム上に設けられ前記エンジン、前記油圧ポンプ及び前記熱交換器を収容する建屋カバーとを備え、前記建屋カバー内には、該建屋カバー内を前記エンジン及び前記熱交換器を収容するエンジン室と前記油圧ポンプを収容するポンプ室とに仕切る隔壁を設けてなる建設機械に適用される。
そして、請求項1の発明の特徴は、前記ポンプ室には、外部から冷却風を取込んで前記油圧ポンプを冷却するポンプ用ファンを前記熱交換器用ファンとは別個に設ける構成としたことにある。
請求項2の発明は、前記ポンプ用ファンは貫流ファンにより構成し、該貫流ファンは前記ポンプ室の上部位置または下部位置に設ける構成としたことにある。
請求項3の発明は、前記貫流ファンは前記フレームの前,後方向に沿って配置する構成としたことにある。
請求項1の発明によれば、隔壁によってエンジン室とポンプ室とを仕切った状態でも、エンジン室内には熱交換器用ファンによって冷却風を取込むことができ、ポンプ室内にはポンプ用ファンによって冷却風を取込むことができる。従って、ポンプ室内の温度上昇を抑えることができ、油圧ポンプに設けられた電装部品等を保護することができるので、油圧ポンプの信頼性を高めることができる。
また、エンジン室とポンプ室とを隔壁によって仕切ることにより、例えば油圧ポンプから作動油が飛散したとしても、この作動油が高温となったエンジン等に付着するのを抑えることができる。さらに、エンジンの作動時の騒音がエンジン室からポンプ室を通じて外部に漏れるのを隔壁によって遮蔽することができるので、建設機械の周囲の騒音を低減し、作業現場の環境を良好に保つことができる。
請求項2の発明によれば、ポンプ用ファンとして貫流ファンを用いることにより、ポンプ室内に十分な冷却風を取込むことができる。また、貫流ファンは作動音が小さいため、建設機械の周囲の騒音を一層低減することができる。さらに、貫流ファンをポンプ室の上部位置または下部位置に配置することにより、ポンプ室内のデッドスペースを有効に利用して貫流ファンを設けることができる。
請求項3の発明によれば、前,後方向に延びる縦長な貫流ファンを用いることができるので、ポンプ室内に大量の冷却風を取込むことができ、ポンプ室内の温度を一層効率良く低減することができる。
以下、本発明に係る建設機械の実施の形態を、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図6を参照しつつ詳細に説明する。
図中、1は油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより大略構成され、土砂の掘削作業等に好適に用いられるものである。
ここで、油圧ショベル1は、後述のカウンタウエイト14を旋回中心に近付けて配置し、上部旋回体3の前,後方向の長さを可及的に小さくすることにより、上部旋回体3がほぼ下部走行体2の車幅内で旋回することができる小旋回式の油圧ショベルとして構成されている。
5は上部旋回体3のベースとなる旋回フレームで、該旋回フレーム5は、図4に示すように、厚肉な平板状に形成され前,後方向に延びた底板6と、該底板6上に立設され左,右方向で一定の間隔をもって対面しつつ前,後方向に延びた左縦板7及び右縦板8と、左縦板7から左側方に張出して設けられた複数の左張出しビーム9,9,…と、右縦板8から右側方に張出して設けられた複数の右張出しビーム10,10,…と、各左張出しビーム9の先端側に固着され前,後方向に延びた断面D型の左サイドフレーム11と、各右張出しビーム10の先端側に固着され前,後方向に延びた断面D型の右サイドフレーム12とにより大略構成され、強固な支持構造体をなしている。そして、左,右の縦板7,8の前端側には作業装置4が取付けられ、左,右の縦板7,8の後端側には後述のカウンタウエイト14が取付けられる構成となっている。
13は旋回フレーム5の左前部に搭載されたキャブで、該キャブ13は、オペレータが搭乗する運転室を画成するものである。そして、キャブ13の内部には、オペレータが着座する運転席、各種操作レバー、空調装置の室内機等(いずれも図示せず)が配設されている。
14は旋回フレーム5の後端側に配設されたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト14は、左,右の縦板7,8の後端部に取付けられ、作業装置4との重量バランスをとるものである。
15はカウンタウエイト14の前側に位置して旋回フレーム5上に搭載されたエンジンで、該エンジン15は、図3に示すように旋回フレーム5の左,右の縦板7,8上にマウント部材を介して支持され、左,右方向に延びる横置き状態に配置されている。ここで、エンジン15の上部右側には、エンジン15の排気音を低減する排気マフラ15Aが設けられ、この排気マフラ15Aの内部を通過した排気ガスは、尾管15Bを通じて外部に排出される。そして、排気マフラ15Aは、エンジン15から排出される排気ガスによって高温になるものである。
16はエンジン15の右端側に配設された油圧ポンプで、該油圧ポンプ16は、排気マフラ15Aよりも下側に配置され、動力伝達機構を介してエンジン15の出力軸に接続されている。そして、油圧ポンプ16は、油圧ホース16A等を介して制御弁(図示せず)に接続され、エンジン15によって駆動されることにより、油圧ショベル1に搭載された各種油圧アクチュエータに対し、制御弁を介して作動用の圧油を供給するものである。また、油圧ポンプ16は、後述の隔壁27によってエンジン15と仕切られる構成となっている。
17はエンジン15の左端側に配設された熱交換器用ファンとしての冷却ファンで、該冷却ファン17は、エンジン15の出力軸にベルト等を介して連結され該エンジン15によって回転駆動されるものである。そして、冷却ファン17は、エンジン15の作動時に回転することにより、後述の熱交換器18に外気(冷却風)を供給するものである。
18は冷却ファン17の左側に配設された熱交換器で、該熱交換器18は、後述のラジエータ19、オイルクーラ20、インタクーラ21、コンデンサ22等により構成され、エンジン冷却水、作動油等の冷却すべき流体の熱交換を行なうものである。そして、熱交換器18は、例えば支持枠体(図示せず)に組付けられることにより1つのユニットとして構成され、旋回フレーム5を構成する左張出しビーム9上に取付けられることにより、冷却ファン17と左,右方向で対面している。
19はラジエータで、該ラジエータ19は、エンジン15のウォータジャケット(図示せず)に配管等を介して接続され、エンジン15との間で循環するエンジン冷却水の熱を、冷却ファン17によって供給された冷却風中に放熱することにより、このエンジン冷却水を冷却するものである。
20はラジエータ19と対面して設けられたオイルクーラで、該オイルクーラ20は、冷却ファン17による冷却風の流れの方向においてラジエータ19よりも上流側に配置されている。そして、オイルクーラ20は、油圧ショベル1に搭載された各種油圧アクチュエータから作動油タンク(図示せず)へと戻る作動油の熱を冷却風中に放熱することにより、この作動油を冷却するものである。
21はオイルクーラ20と対面して設けられたインタクーラで、該インタクーラ21は、冷却風の流れの方向においてオイルクーラ20よりも上流側に配置されている。そして、インタクーラ21は、エンジン15に設けられた過給機(図示せず)に配管等を介して接続され、過給機によって吸入される吸入空気の熱を冷却風中に放熱することにより、この吸入空気を冷却するものである。
22はインタクーラ21の下側に設けられたコンデンサで、該コンデンサ22は、キャブ13内の空気を調和する空気調和装置に用いられるもので、蒸発器、コンプレッサ、冷媒タンク(いずれも図示せず)を含む冷媒系統の途中に配置されている。そして、コンデンサ22は、コンプレッサによって圧縮された冷媒の熱を冷却風中に放熱することにより、この冷媒を液化させて冷媒タンクに還流させるものである。また、コンデンサ22の左側にはバッテリ23が配設されている。
24はエンジン15と熱交換器18との間に設けられたファンシュラウドで、該ファンシュラウド24は、例えば熱交換器18のラジエータ19に取付けられ、冷却ファン17を外周側から取囲んでいる。そして、ファンシュラウド24は、冷却ファン17の回転によって発生する冷却風を、熱交換器18のコンデンサ22、インタクーラ21、オイルクーラ20、ラジエータ19へと導くものである。
25はキャブ13とカウンタウエイト14との間に位置して旋回フレーム5に設けられた建屋カバーで、該建屋カバー25は、旋回フレーム5に搭載されたエンジン15、油圧ポンプ16、熱交換器18等を収容するものである。
ここで、建屋カバー25は、図2ないし図4に示すように、エンジン15の前側に立設され旋回フレーム5の左,右のサイドフレーム11,12間に亘って左,右方向に延びた前面板25Aと、エンジン15を挟んで前面板25Aと前,後方向で対面した後面板25Bと、左サイドフレーム11に沿って立ち上がり前,後方向に延びた左側面板25Cと、右サイドフレーム12に沿って立ち上がり前,後方向に延びた右側面板25Dと、これら前面板25A、後面板25B、左,右の側面板25C,25Dの上側を覆う上面板25Eとにより大略構成され、全体として略長方体の箱状に形成されている。この場合、左側面板25Cと右側面板25Dとは、旋回フレーム5に対しヒンジ部材等を介して回動可能に支持され、エンジン15、熱交換器18等のメンテナンス時に開,閉されるドアとして形成されている。
26は旋回フレーム5の下面側に設けられたアンダカバーで、該アンダカバー26は、左縦板7と右縦板8との間、左縦板7と左サイドフレーム11との間、右縦板8と右サイドフレーム12との間に着脱可能に取付けられている。そして、アンダカバー26は、建屋カバー25の上面板25Eと上,下方向で対面し、建屋カバー25を下側から閉塞するものである。
27は建屋カバー25内に設けられた隔壁(ファイヤウォール)で、該隔壁27は、図3及び図4に示すように、旋回フレーム5の右縦板8から上向きに立上り、エンジン15の排気マフラ15Aを避けるように屈曲しつつ建屋カバー25の上面板25Eまで延びている。そして、隔壁27は、建屋カバー25内を後述のエンジン室29とポンプ室32とに仕切ることにより、例えば油圧ポンプ16と油圧ホース16Aとの接続部等から作動油が飛散したとしても、この作動油が高温となったエンジン15、排気マフラ15A等に付着するのを阻止するものである。
28はラジエータ19と建屋カバー25の上面板25Eとの間に設けられた仕切材で、該仕切材28は、ラジエータ19の上面に沿って建屋カバー25の前面板25Aと後面板25Bとの間を前,後方向に延びている。そして、仕切材28は、ラジエータ19と建屋カバー25の上面板25Eとの間の隙間を塞ぎ、冷却ファン17によって後述のエンジン室29内に取込んだ冷却風が、当該隙間を通じて冷却ファン17の上流側に逆流するのを阻止するものである。
29は隔壁27によって建屋カバー25内に仕切られたエンジン室で、該エンジン室29は、建屋カバー25の前面板25A、後面板25B、左側面板25C、上面板25E、アンダカバー26及び隔壁27によって取囲まれた空間として形成されている。そして、エンジン室29内には、排気マフラ15Aを含むエンジン15、冷却ファン17、熱交換器18が収容されている。
ここで、図3等に示すように、エンジン室29を画成する左側面板25Cの上側部位、上面板25Eのうち仕切材28よりも左側の部位には、エンジン室側空気流入口30がそれぞれ形成されている。一方、上面板25Eのうち仕切材28よりも右側の部位には、エンジン15の真上に位置してエンジン室側空気流出口31が形成されている。また、アンダカバー26のうちエンジン15の下側部位にも、エンジン室側空気流出口31が形成されている。
そして、エンジン15が作動して冷却ファン17が回転すると、図3中に矢示F1で示すように、各エンジン室側空気流入口30を通じてエンジン室29内に外気が取込まれる。そして、エンジン室29内に取込まれた外気が、冷却風となってコンデンサ22、インタクーラ21、オイルクーラ20、ラジエータ19を冷却すると共にエンジン15、排気マフラ15Aを冷却した後、エンジン室側空気流出口31を通じて外部に排出されることにより、エンジン室29内に収容されたエンジン15、熱交換器18等を冷却することができる構成となっている。
32は隔壁27によって建屋カバー25内に仕切られたポンプ室で、該ポンプ室32は、建屋カバー25の前面板25A、後面板25B、右側面板25D、上面板25E、アンダカバー26及び隔壁27によって取囲まれた空間として形成されている。そして、ポンプ室32内には、隔壁27によってエンジン15の排気マフラ15Aから隔絶された状態で、油圧ポンプ16が収容されている。
ここで、ポンプ室32を画成するアンダカバー26のうち油圧ポンプ16の下側部位には、ポンプ室側空気流入口33が形成されている。一方、上面板25Eの右端側には、前,後方向に延びるポンプ室側空気流出口34が形成されている。そして、ポンプ室32内の上部位置には後述の貫流ファン35が設けられる構成となっている。
35は冷却ファン17とは別個にポンプ室32内に設けられたポンプ用ファンとしての貫流ファン(クロスフローファン)で、該貫流ファン35は、ポンプ室32の上部位置、即ち、右側面板25Dと上面板25Eとの角隅部に設けられ、旋回フレーム5の右サイドフレーム12に沿って前,後方向に延びるように配置されている。
ここで、貫流ファン35は、図3ないし図5に示すように、前,後方向に延びるケーシング36と、該ケーシング36に回転可能に支持され前,後方向に延びる円筒状の羽根車(ロータ)37と、ケーシング36の一端側に取付けられ羽根車37を回転させるモータ38とにより大略構成されている。
この場合、ケーシング36は、前,後方向で対面する一対の側板36Aと、各側板36A間を連結し羽根車37の外周側に配置された断面円弧状の湾曲板36Bと、羽根車37を挟んで湾曲板36Bとは反対側に配置され各側板36A間を連結する仕切板36Cとにより構成されている。そして、ケーシング36は、仕切板36Cによって仕切られる吸気口36Dと排気口36Eとを有し、ケーシング36の吸気口36Dはポンプ室32内に開口し、ケーシング36の排気口36Eは、ポンプ室側空気流出口34を通じて外部に開口する構成となっている。
そして、貫流ファン35は、モータ38によって羽根車37を図3中の矢示A方向に回転させることにより、図3中に矢示F2で示すように、ポンプ室側空気流入口33を通じてポンプ室32内に外気を取込み、この外気を冷却風としてケーシング36の吸気口36Dから排気口36Eへと導いた後、排気口36Eからポンプ室側空気流出口34を通じて建屋カバー25の外部に排出するものである。
このように、隔壁27によってエンジン室29とポンプ室32とを仕切ることにより、冷却ファン17によってエンジン室29内に取込んだ冷却風をポンプ室32内に導入することができない場合でも、冷却ファン17とは別個にポンプ室32内に設けた貫流ファン35によって、ポンプ室32内に外気を取込むことができる構成となっている。
また、貫流ファン35を、ポンプ室32の上部位置、即ち、建屋カバー25の右側面板25Dと上面板25Eとの角隅部に、右サイドフレーム12に沿って前,後方向に延びるように配置することにより、貫流ファン35を構成する羽根車37の長さ方向に沿って広い範囲に冷却風を発生させ、ポンプ室32内に大量の冷却風を取込むことができる構成となっている。
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、この油圧ショベル1は、下部走行体2によって作業現場まで自走し、上部旋回体3を旋回させつつ作業装置4を用いて土砂の掘削作業等を行う。
ここで、本実施の形態では、建屋カバー25内に隔壁27を設けることにより、建屋カバー25内を、排気マフラ15Aを含むエンジン15、熱交換器18等を収容するエンジン室29と、油圧ポンプ16を収容するポンプ室32とに仕切る構成としている。
このため、例えば油圧ポンプ16と油圧ホース16Aとの接続部等から作動油が飛散したとしても、この作動油が高温となったエンジン15、排気マフラ15A等に付着するのを隔壁27によって阻止することにより、失火等を防止することができ、油圧ショベル1の信頼性を高めることができる。また、エンジン15の作動時に発生する騒音がエンジン室29の外部にポンプ室32側から漏れるのを、隔壁27によって遮蔽することができるので、油圧ショベル1の周囲の作業環境を良好に保つことができる。
次に、油圧ショベル1の稼動時にエンジン15によって冷却ファン17が回転すると、図3中に矢示F1で示すように、各エンジン室側空気流入口30を通じてエンジン室29内に外気が取込まれる。そして、エンジン室29内に取込まれた外気は、冷却風となってコンデンサ22、インタクーラ21、オイルクーラ20、ラジエータ19を冷却すると共にエンジン15、排気マフラ15Aを冷却した後、エンジン室側空気流出口31を通じて外部に排出される。このように、エンジン室29内に収容されたエンジン15、熱交換器18等は、冷却ファン17によってエンジン室29内に供給される冷却風によって効率良く冷却することができる。
このとき、エンジン室29とポンプ室32との間は隔壁27によって仕切られているため、冷却ファン17によってエンジン室29内に取込んだ冷却風を、エンジン室29からポンプ室32へと導入することはできない。
これに対し、本実施の形態では、ポンプ室32内に冷却ファン17とは別個に貫流ファン35を設けている。従って、貫流ファン35のモータ38によって羽根車37を回転させることにより、図3中に矢示F2で示すように、ポンプ室側空気流入口33を通じて外気をポンプ室32内に取込み、この外気をケーシング36の吸気口36Dから排気口36Eへと導いた後、ポンプ室側空気流出口34を通じて建屋カバー25の外部に排出することができる。
従って、ポンプ室32内に供給された冷却風によって油圧ポンプ16を冷却することにより、ポンプ室32内の温度上昇を抑えることができ、油圧ポンプ16に設けられた電装部品(図示せず)を保護することができるので、これら電装部品や油圧ポンプ16の信頼性を高めることができる。また、貫流ファン35は作動音が小さいため、油圧ショベル1の周囲に漏れる騒音を一層低減することができる。
しかも、本実施の形態では、貫流ファン35を、ポンプ室32の上部位置、即ち、建屋カバー25の右側面板25Dと上面板25Eとの角隅部に、右サイドフレーム12に沿って前,後方向に延びるように配置している。これにより、貫流ファン35を構成する羽根車37を前,後方向に長くすることができるので、当該羽根車37の回転によってポンプ室32内に大量の冷却風を取込むことができ、ポンプ室32内の温度を効率良く低減することができる。
また、貫流ファン35を、右側面板25Dと上面板25Eとの角隅部に前,後方向に延びるように配置することにより、ポンプ室32内のデッドスペースを利用して貫流ファン35を設けることができ、ポンプ室32内の機器収容スペースを無駄なく活用することができる。
なお、上述した実施の形態では、建屋カバー25を構成する右側面板25Dと上面板25Eとの角隅部(ポンプ室32の上部位置)に、貫流ファン35を前,後方向に延びるように設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図6に示す変形例のように、貫流ファン35を、ポンプ室32の下部位置、即ち、建屋カバー25の右側面板25Dとアンダカバー26との角隅部に、右サイドフレーム12に沿って前,後方向に延びるように設ける構成としてもよい。
この場合には、例えば建屋カバー25の上面板25Eにポンプ室側空気流入口33′を設けると共に、右側面板25Dの下端側にポンプ室側空気流出口34′を設ける構成とする。これにより、貫流ファン35の羽根車37が矢示A方向に回転すると、矢示F3で示すように、ポンプ室側空気流入口33′を通じてポンプ室32内に取込んだ外気を、ケーシング36の吸気口36Dから排気口36Eへと導いた後、ポンプ室側空気流出口34′を通じて建屋カバー25の外部に排出することができ、ポンプ室32内の温度を低減することができる。
また、上述した実施の形態では、熱交換器用ファンとしてエンジン15によって回転駆動される冷却ファン17を用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば油圧モータ、電動モータ等の駆動源によって回転駆動されるファンを用いる構成としてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、建設機械として油圧ショベル1を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン、ホイールローダ等の建設機械に広く適用することができる。
本発明の実施の形態による油圧ショベルを示す正面図である。 図1に示す油圧ショベルを左後側からみた外観斜視図である。 エンジン、油圧ポンプ、建屋カバー、隔壁、貫流ファン等を図1中の矢示III−III方向からみた拡大断面図である。 旋回フレーム上にエンジン、油圧ポンプ、建屋カバー、隔壁、貫流ファン等を配置した状態を図3中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。 貫流ファンを単体で示す斜視図である。 貫流ファンの取付位置の変形例を示す図3と同様な拡大断面図である。
符号の説明
1 油圧ショベル(建設機械)
5 旋回フレーム
15 エンジン
16 油圧ポンプ
17 冷却ファン(熱交換器用ファン)
18 熱交換器
25 建屋カバー
27 隔壁
29 エンジン室
32 ポンプ室
35 貫流ファン(ポンプ用ファン)

Claims (3)

  1. 支持構造体をなすフレームと、該フレームに搭載されたエンジンと、該エンジンによって駆動される油圧ポンプと、前記フレームに搭載され冷却すべき流体の熱交換を行う熱交換器と、該熱交換器に外部からの冷却風を供給する熱交換器用ファンと、前記フレーム上に設けられ前記エンジン、前記油圧ポンプ及び前記熱交換器を収容する建屋カバーとを備え、前記建屋カバー内には、該建屋カバー内を前記エンジン及び前記熱交換器を収容するエンジン室と前記油圧ポンプを収容するポンプ室とに仕切る隔壁を設けてなる建設機械において、
    前記ポンプ室には、外部から冷却風を取込んで前記油圧ポンプを冷却するポンプ用ファンを前記熱交換器用ファンとは別個に設ける構成としたことを特徴とする建設機械。
  2. 前記ポンプ用ファンは貫流ファンにより構成し、該貫流ファンは前記ポンプ室の上部位置または下部位置に設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
  3. 前記貫流ファンは前記フレームの前,後方向に沿って配置する構成としてなる請求項2に記載の建設機械。
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