JP2000037728A - タイヤ用加硫金型及びこれを用いたタイヤの製造方法 - Google Patents

タイヤ用加硫金型及びこれを用いたタイヤの製造方法

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JP2000037728A
JP2000037728A JP10206205A JP20620598A JP2000037728A JP 2000037728 A JP2000037728 A JP 2000037728A JP 10206205 A JP10206205 A JP 10206205A JP 20620598 A JP20620598 A JP 20620598A JP 2000037728 A JP2000037728 A JP 2000037728A
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Masayuki Matsui
正行 松井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加硫時に金型とタイヤトレッドとの間に閉じ
込められた空気等のガスを金型外部に容易にかつ確実に
排出することができる加硫金型及びこれを用いたタイヤ
の製造方法を提供することにある。 【解決手段】 この発明のタイヤ用加硫金型1は、タイ
ヤのトレッド成形面2aを有し、トレッド成形面2aに排気
手段13を設け、かつ、トレッド成形面2aの表面粗さが25
〜75μmRy の範囲であることを特徴とする。また、こ
の発明のタイヤの製造方法は、上記加硫金型1を用いて
グリーンタイヤを加硫することにより、タイヤのトレッ
ドと加硫金型のトレッド成形面2aとの間に存在するガス
を速やかに排気手段13を通じて金型1の外部に排出し
て、タイヤのトレッドに欠陥が発生するのを防止するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、タイヤ用加硫金
型及びこれを用いたタイヤの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】タイヤの製造工程の一つである加硫工程
は、未加硫ゴムで成形されたグリーンタイヤを下側金型
内に挿入し、このタイヤの内部からブラダーを膨らませ
るとともに、上側金型を下側金型上に被せてグリーンタ
イヤを閉じ込め、タイヤの外面が金型の成形面に圧着さ
れた状態でタイヤの内部又は外部から加熱して行うのが
一般的である。
【0003】そして、この加硫は、金型とタイヤトレッ
ドとの間に存在する空気や、加硫時に発生する反応ガス
などのガスをこれらの間から金型外部に完全に排出し
て、タイヤ表面が金型成形面に密着した状態で行われる
のが理想とされるが、実際には、上記ガスの一部が、タ
イヤの外面と金型の成形面との間に閉じ込められたまま
残留する場合があり、かかる場合には、タイヤ表面が金
型成形面に密着した状態で加硫することができないた
め、加硫タイヤのトレッド部踏面にはいわゆるベアと呼
ばれるゴム欠損が生じやすく、これは、加硫タイヤの表
面外観を悪化させるため好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、この問題を
解決するための種々の手段が開発されている。例えば、
トレッドパターンがブロックパターンであるタイヤ用の
加硫金型では、各ブロック陸部に対応する金型のトレッ
ド成形面の位置に2個以上のガス抜け用のベントホール
を設ける方法が知られており、この方法を採用すれば、
金型とタイヤトレッドとの間に存在する空気等のガスが
ベントホールを通じて速やかに金型外部に排出されるた
め、金型とタイヤトレッドとの間に残留しにくくなっ
て、金型外部への排出が容易になる。
【0005】しかしながら、上記方法は、各ブロック陸
部に対応する金型のトレッド成形面の位置に2個以上の
ベントホールを設けているため、加硫後のタイヤのトレ
ッド部踏面にはいわゆるスピューと呼ばれる多数の突起
物が発生することになり、これは、製品タイヤの表面外
観品質が大幅に損なわれ商品価値が低下するという問題
がある。
【0006】さらに、前記金型を用いて複数本のグリー
ンタイヤを次々に加硫する場合には、ベントホール内に
生じたスピューの中には、加硫後のタイヤを取り出す際
にタイヤから分離してベントホール内にそのまま残留す
る場合があり、この場合には、ベントホールの目詰まり
を生じて十分な排気ができなくなるため清掃・除去作業
が必要となるが、前記方法は、ベントホールの設置数が
多く、ベントホールの目詰まりが生じる割合が高いた
め、清掃・除去作業を比較的頻繁に行わなければならな
いという問題点もあった。
【0007】また、上記スピューの数を低減するため、
各ブロック陸部に対応する金型のトレッド成形面の位置
に設けるベントホールの配設数を減らす方法も提案され
ているが、この場合には、金型内を真空引きするなどの
排気手段を併用しなければならず、これは、加硫設備の
改造や金型の改造及び加工が必要となり、加えて、製造
工程でのメンテナンス工数が大幅に増加することとな
り、結果として、タイヤの生産性が大幅に低下するとい
う問題があった。
【0008】このため、発明者は、タイヤの生産性等を
低下させることなく、上記スピュー等の突起物の発生数
を低減すべく鋭意検討を行ったところ、以下の知見を得
た。
【0009】即ち、金型のトレッド成形面は、その表面
粗さが従来では0.5 〜7.5 μmRyの範囲になるように
仕上げ加工するのが一般的であるが、この表面粗さだ
と、金型とタイヤトレッドとの間に存在するガスを、タ
イヤ表面と金型成形面との間で生じる圧着力によって、
これらの間から前記ガスを外方に押し出し、金型外部へ
完全に排出するのが難しいこと、言い換えれば、前記表
面粗さが、金型とタイヤトレッドとの間に存在するガス
の金型外部への排出しやすさと大きく関係していること
を見出した。
【0010】この発明の目的は、金型のトレッド成形面
の表面粗さを適正に制御することにより、金型のトレッ
ド成形面に設けるベントホールの数を増加させず、か
つ、真空引き等の排気手段を用いずに、金型とタイヤト
レッドとの間に存在する空気や反応ガス等のガスを金型
外部に容易にかつ確実に排出することができる加硫金型
及びこれを用いたタイヤの製造方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明のタイヤ用加硫金型は、タイヤのトレッド
成形面を有する加硫金型において、トレッド成形面に排
気手段を設け、かつ、トレッド成形面の表面粗さを25〜
75μmRy の範囲にしたものである。尚、表面粗さは、
JIS B 0601(1994)に規定されている最大高さ(Ry )を
意味する。
【0012】また、排気手段としては、トレッド成形面
にベントホールを設けることが好ましい。特に、トレッ
ド成形面が、タイヤのトレッドにブロック陸部を形成す
るためのパターンを有する場合には、トレッドのブロッ
ク陸部に対応するトレッド成形面の位置に各1個以上、
好ましくは各1個のベントホールを設けることがより好
ましい。さらに、ベントホールの直径は0.3 〜0.9 mmの
範囲であることが好ましい。
【0013】この発明のタイヤの製造方法は、上記タイ
ヤ用加硫金型を用いてグリーンタイヤを加硫することに
より、タイヤのトレッドと加硫金型のトレッド成形面と
の間に閉じ込められたガスを金型外部へ排気手段を通じ
て排出して、タイヤのトレッドに欠陥が発生するのを防
止するものである。
【0014】また、少なくとも1本のグリーンタイヤの
加硫後、他の少なくとも1本のグリーンタイヤの加硫前
に、加硫金型のトレッド成形面をプラズマ洗浄処理する
ことが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。図1は、この発明に
従う代表的なタイヤ用加硫金型を含む加硫金型アセンブ
リーの要部断面、図2はトレッド金型部材及び金型ホル
ダーの要部断面、図3はトレッド金型部材の成形面のパ
ターンの一部を示したものであり、図中1は加硫金型、
2はトレッド金型部材、3及び4はサイド金型部材、5
及び6はビードリング部材である。
【0016】図1の加硫金型1は、タイヤ加硫工程にお
いて用いられる金型であり、タイヤのトレッド部、両サ
イドウォール部、及び両ビード部を成形するための成形
面2a、3aと4a、及び5aと6aをそれぞれ有するトレッド金
型部材2、上下サイド金型部材3と4、及び上下ビード
リング部材5と6とで主に構成されている。
【0017】ここで、加硫金型はアルミニウム材料で構
成するのが好ましい。さらに、上記加硫金型1は、トレ
ッド金型部材2を保持するための金型ホルダー7と、ト
レッド金型部材2に求心方向及び遠心方向への移動力を
付与するアウターリング8と、トレッド金型部材2及び
サイド金型部材3,4に加硫熱を与えるための上下プラ
テン9及び10とともに金型アセンブリー11を構成する。
【0018】上下プラテン9及び10には、金型を加熱す
るため発熱体12が埋設されている。
【0019】そして、この発明の主な特徴は、加硫金型
1のトレッド成形面2aに排気手段13を設け、かつ、トレ
ッド成形面2aの表面粗さを25〜75μmRy の範囲にする
ことにある。
【0020】即ち、トレッド成形面2aの表面粗さの値
を、従来(0.5 〜7.5 μmRy )よりもある程度大きく
設定して、表面に梨地状の均一な凹凸を形成することに
よって、この成形面2aに実質的な排気通路を形成し、ト
レッド成形面2a、具体的には、その前記排気通路上に排
気手段13を設けることによって、加硫時に金型のトレッ
ド成形面2aとタイヤの外面との間に閉じ込められた空気
や反応ガス等のガスが、上記排気通路を通って排気手段
13に向かって容易に移動することが可能となり、これに
よって、上記ガスを排気手段13から金型外部に確実に排
出することができる。
【0021】尚、トレッド成形面2aの表面粗さを25〜75
μmRy の範囲に限定したのは、上記範囲よりも小さい
場合には、トレッド成形面2aの表面に形成される凹凸が
小さすぎるため、この凹凸表面では、前述した排気通路
としての機能を発揮できるほどの通路スペースを十分に
確保できず、金型のトレッド成形面2aとタイヤの外面と
の間に閉じ込められた空気や反応ガス等のガスが排気手
段13の位置まで移動することができなくなり、前記ガス
を金型外部へ排出できなくなるからであり、また、上記
範囲よりも大きい場合には、トレッド成形面2aの表面に
形成される凹凸が大きくなりすぎるため、未加硫ゴムが
加硫中に凹所に流れ込む現象を引き起こして上述した排
気通路を塞いでしまう傾向があり、この結果、前記ガス
を金型外部へ十分に排出できなくなるからであり、加え
て、トレッド成形面2aの表面に形成される凹凸がそのま
まタイヤのトレッド部踏面に転写されるため、タイヤの
負荷転動時にトレッド部踏面の凹部からクラックが生じ
やすくなるからである。
【0022】また、トレッド成形面2aの表面粗さを25〜
75μmRy の範囲にする手段としては、例えば、トレッ
ド金型部材2を鋳造し、そのトレッド成形面2aを、機械
加工仕上げとバフ仕上げとにより表面粗さを 2〜15μm
y の範囲に表面微細加工した後、ステンレスビーズ等
を用いてブラスト加工及びエッチング加工によってトレ
ッド成形面2aの表面粗さを25〜75μmRy の範囲にする
方法が好ましいが、この方法だけには限定されない。
【0023】さらに、排気手段としては、トレッド成形
面、特に表面の凹所が延在する任意の位置にベントホー
ル13を設けることが好ましい。
【0024】また、トレッド成形面2aに、タイヤのトレ
ッドにブロック陸部を形成するためのパターンを有する
加硫金型の場合には、トレッド金型部材2の成形面2a
の、ブロック陸部を成形するための部分14が、図3に示
すように窪んだ形状となるため、各ブロック陸部内で、
その踏面と金型のトレッド成形面2aとの間で空気等のガ
スが閉じ込められやすく、各ブロック陸部の踏面にベア
等の製造欠損が発生しやすい。
【0025】このため、かかる場合には、トレッドのブ
ロック陸部に対応するトレッド成形面2aの位置14にベン
トホール13を設けることが好ましい。
【0026】尚、1個のブロック陸部に対応する前記成
形面2aに配設するベントホール13の数は2個以上設けた
方が、閉じ込められた前記ガスを金型外部へ排気するこ
とだけを考慮する場合には好ましいが、加硫後のタイヤ
にスピューが多数発生するとともに、加硫金型1に設け
たベントホール13の詰まりの発生頻度が多くなることに
なる。
【0027】このため、トレッドのブロック陸部に対応
するトレッド成形面2aの位置14に各1個のベントホール
13を設けることがより好適である。この場合、ブロック
陸部に複数の切込み入れるいわゆるリブレット加工を施
すときでも、1個のベントホールを設ければ十分であ
る。
【0028】さらに、上記排気手段は、モールドがフル
モールドではなく、割モールドでかつ各セグメントに複
数のピースを埋め込むことによって成形面2aのパターン
を形成するような構成を有する、いわゆるインサーター
モールド(パターンモザイク)の場合には、ピース間の
隙間を通じて加硫金型の外部へガスを排出できるので、
あえてベントホール13を設ける必要はない。
【0029】また、ベントホール13の直径は、スピュー
の発生を抑制するため、0.3 〜0.9mmの範囲にすること
が好ましい。尚、ベントホール13の直径を上記範囲に制
限するための手段としては、例えばベントホール内にベ
ントピース又はマイクロベントピースと呼ばれる軸方向
に小孔が貫通した小片を打ち込んで孔径を小さくする方
法を用いることができる。
【0030】次に、タイヤの加硫工程を説明すると、未
加硫ゴムで成形されたグリーンタイヤを加硫金型1に装
着し、グリーンタイヤの両サイドが上下サイド金型部材
3及び4の成形面3a及び4aに圧着するとともに、分割さ
れたトレッド金型部材2を作動させてその成形面2aに圧
着し、その後、内部(例えば、ブラダー内に充填される
高温のスチーム)と外部(例えば、プラテン9及び10に
埋設した発熱体12)から加熱することによって加硫を行
う。
【0031】この発明のタイヤの製造方法は、上記加硫
金型1を用いることによって、加硫時に、タイヤのトレ
ッドと加硫金型1のトレッド成形面2aとの間に閉じ込め
られたガスを上記排気通路及び排気手段13を通じて金型
外部へ十分に排出することができ、この結果、タイヤの
トレッドに欠陥が発生するのを防止できる。
【0032】また、加硫金型1は、その成形面に上述し
たような凹凸加工を施しても、複数本のグリーンタイヤ
を次々に加硫成形していくと、成形面は加硫ゴムの滓等
が付着し、この付着物が積み重なるなどによって汚れて
くる。
【0033】そのため、従来は、成形面の洗浄処理とし
て、ガラスビーズやプラスチックビーズなどによる機械
的な研磨方法を採用していたが、この方法では、研磨を
繰り返し行うと、特にアルミニウム材料からなる場合
に、成形面の凹凸形状が消失するという問題があった。
【0034】そのため、この発明のタイヤの製造方法で
は、特に1個の上記加硫金型で複数本のグリーンタイヤ
を次々に加硫成形する場合には、少なくとも1本のグリ
ーンタイヤの加硫後、他の少なくとも1本のグリーンタ
イヤの加硫前に、加硫金型のトレッド成形面の洗浄処理
として、プラズマ洗浄処理法、ドライアイス法又はレー
ザー法等の非機械的な洗浄処理方法を採用すれば、成形
面の凹凸形状が消失せずに維持でき、これにより、トレ
ッド成形面に、新たに所定の表面粗さの凹凸形状を形成
する工程が不要となり、生産性が向上する。
【0035】尚、プラズマ洗浄処理法は、真空処理槽内
に酸素ガスを導入し、高周波で励起してプラズマ状態を
生起させ、励起したイオン状の活性基の酸素が汚れ成分
を酸化させて炭酸ガスと水に分解し、あるいは無機物を
灰化して除去することによりトレッド成形面を洗浄する
方法である。ドライアイス法は、5.0 mm以下のドライ
アイス粉末を、噴射圧力5.0 kgf/cm 2 前後で汚れ部に向
かって噴射し、汚れ物を急激に冷却し、汚れ物が熱収縮
することによって物理的に汚れ物を除去する方法であ
る。レーザー法は、高ピーク出力のレーザーパルスを汚
れ部に照射し、パルスエネルギーが汚れ物に浸透し、そ
の部分のエネルギーレベルは瞬時に上昇し、汚れ物が分
解・剥離することにより、トレッド成形面を洗浄する方
法である。
【0036】尚、上述したところは、この発明の実施形
態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の
変更を加えることができる。例えば、この発明では、加
硫金型のトレッド成形面について、その表面粗さ及びガ
ス排気手段について規定したが、同様に、上下サイド金
型の成形面等についても適用できるのは言うまでもな
い。
【0037】
【実施例】次に、この発明に従うタイヤ用加硫金型を用
いてグリーンタイヤを加硫してタイヤを製造し、そのタ
イヤの性能を評価したので以下に説明する。
【0038】実施例1は、加硫金型が図1に示す断面を
有し、そのトレッド成形面2aに梨地加工を施して、トレ
ッド成形面2aの表面粗さを36〜45μmRy の範囲とし、
かつ、トレッドのブロック陸部に対応するトレッド成形
面2aの位置14に孔径が0.6 mmである各1個のベントホー
ル13を設けたものである。そして、上記加硫金型を用い
てグリーンタイヤを加硫成形した。尚、その他のタイヤ
製造工程は常法にて行った。
【0039】比較例1のタイヤは、トレッド成形面2aに
ベントホールを設けないことを除いて実施例に示した金
型1とほぼ同様な構造を有する金型を用いて加硫成形し
たものである。
【0040】比較例2のタイヤは、トレッド成形面に従
来の仕上げ加工を施して、その表面粗さを 2〜7 μmR
y の範囲とすることを除いて実施例1に示した金型1と
ほぼ同様な構造を有する金型を用いて加硫成形したもの
である。
【0041】従来例1のタイヤは、トレッド成形面に従
来の仕上げ加工を施して、その表面粗さを 2〜7 μmR
y の範囲とし、トレッドのブロック陸部に対応するトレ
ッド成形面の位置に孔径が0.6 mmである各1個のベント
ホールを設けるとともに、さらに、金型内を真空引きに
よるガス抜きをして加硫成形したものである。
【0042】上記各加硫金型を用いて製造したタイヤ
は、いずれもトレッド部をいわゆるキャップアンドベー
ス構造とし、トレッド部に、図3に示すトレッド形成面
2aのパターンに対応したブロックパターンを有し、タイ
ヤサイズを205/55R16 とした。
【0043】各供試タイヤは、トレッド部踏面における
ベアー発生率(%)を測定することにより性能を評価し
た。ベアー発生率(%)は、タイヤ1本内のトレッドブ
ロックに発生する欠点数ヲ数えることとし、この値が小
さいほど性能が優れていることを表している。表1に、
この測定結果を示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果から、実施例1に示す加硫金型
で製造したタイヤは、真空引きを行って加硫する従来例
1に示す加硫金型で製造したタイヤと同様に、ベアの発
生がない良好な表面外観を有している。
【0046】次に、実施例1で使用した1個の加硫金型
アセンブリー11を用いて 本のグリーンタイヤを次々に
加硫し、その後、加硫金型1の成形面2a等をプラズマ洗
浄処理した後にさらにグリーンタイヤを加硫成形して製
造したタイヤについて、実施例1と同様にベア発生率
(%)を測定し、評価した。
【0047】比較のため、加硫金型の成形面の洗浄処理
として、従来行っているグラスビーズを用いた研磨によ
る洗浄処理を行った場合と比較した。尚、加硫金型の成
形面の洗浄処理は、1800本のグリーンタイヤを加硫成形
するごとに行った
【0048】その結果、従来法の場合には、プラスチッ
クビーズを用いた研磨による洗浄処理を約30〜35回行っ
たとき、又は、グラスビーズを用いた研磨による洗浄処
理を5〜6回行ったときに、金型のトレッド成形面に形
成した梨地状の凹凸面が消失し、これによって製造した
タイヤは、そのトレッド部踏面にベアの発生が顕著に認
められたが、プラズマ洗浄処理したこの発明方法の場合
には、洗浄処理を何回行っても、金型のトレッド成形面
に形成した梨地状の凹凸面が維持され、タイヤのトレッ
ド部踏面にベアの発生は認められなかった。
【0049】
【発明の効果】かくして、この発明によれば、加硫金型
のトレッド成形面の表面粗さを適正に制御することによ
り、金型のトレッド成形面に設けるベントホールの数を
増加させず、かつ、真空引き等の排気手段を用いずに、
金型とタイヤトレッドとの間に閉じ込められる空気や反
応ガス等のガスを金型外部に容易にかつ確実に排出する
ことができ、これによって、トレッド部踏面の外観が良
好なタイヤの製造が可能になるとともに、金型に設ける
ベントホールの数を従来に比べて少なくすることができ
るので、ベントホールの清掃等を行う回数も低減でき、
その結果、生産性が向上する。
【0050】また、1個の加硫金型を用いて複数本のグ
リーンタイヤを次々に加硫する場合には、加硫金型の成
形面をプラズマ洗浄処理することによって、金型のトレ
ッド成形面の表面凹凸形状を適正形状のまま維持するこ
とができるので、新たにトレッド成形面に表面凹凸形状
を形成する処理が不要となり、この結果、製造コストの
低減等が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タイヤ用加硫金型アセンブリーの要部断面図で
ある。
【図2】加硫金型のトレッド金型2と金型ホルダー7を
抜き出して示した断面図である。
【図3】トレッド金型2の成形面2aの一部を抜き出した
ときの図である。
【符号の説明】 1 加硫金型 2 トレッド金型部材 3 上側サイド金型部材 4 下側サイド金型部材 5 上側ビードリング 6 下側ビードリング 7 金型ホルダー 8 アウターリング 9 上側プラテン 10 下側プラテン 11 金型アセンブリー 12 発熱体 13 ベントホール 14 トレッド成形面2aの部分

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤのトレッド成形面を有する加硫金
    型において、 トレッド成形面に排気手段を設け、かつ、トレッド成形
    面の表面粗さが25〜75μmRy の範囲であることを特徴
    とするタイヤ用加硫金型。
  2. 【請求項2】 排気手段が、トレッド成形面に設けたベ
    ントホールである請求項1に記載のタイヤ用加硫金型。
  3. 【請求項3】 トレッド成形面は、タイヤのトレッドに
    ブロック陸部を形成するためのパターンを有し、トレッ
    ドのブロック陸部に対応するトレッド成形面の位置にベ
    ントホールを設けてなる請求項2に記載のタイヤ用加硫
    金型。
  4. 【請求項4】 トレッドのブロック陸部に対応するトレ
    ッド成形面の位置に各1個のベントホールを設けてなる
    請求項3に記載のタイヤ用加硫金型。
  5. 【請求項5】 ベントホールの直径は0.3 〜0.9 mmの範
    囲である請求項2、3又は4に記載のタイヤ用加硫金
    型。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載のタイヤ用加硫金型
    を用いてグリーンタイヤを加硫することにより、タイヤ
    のトレッドと加硫金型のトレッド成形面との間に閉じ込
    められたガスを金型外部へ排気手段を通じて排出して、
    タイヤのトレッドに欠陥が発生するのを防止することを
    特徴とするタイヤの製造方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも1本のグリーンタイヤの加硫
    成形後、他の少なくとも1本のグリーンタイヤの加硫成
    形前に、加硫金型のトレッド成形面をプラズマ洗浄処理
    することを特徴とする請求項6に記載のタイヤの製造方
    法。
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Cited By (4)

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JP2002240042A (ja) * 2001-02-15 2002-08-28 Bridgestone Corp タイヤ加硫成型用金型
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