JP2000034185A - 無機組成物とその製造方法、それを用いた肥料と土壌改質剤 - Google Patents
無機組成物とその製造方法、それを用いた肥料と土壌改質剤Info
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Abstract
質剤あるいは肥料を提供する。 【解決手段】主成分がMgO、SiO2、CaO、P2O
5からなり、MgOを1〜20重量%、SiO2を30〜
50重量%含有する非晶質の無機組成物であって、好ま
しくは、P2O5が1〜12重量%であり、モル換算した
ときの(CaO+MgO)/(SiO2+P2O5)の比
が、1.2〜2.5である無機組成物と、それを含有す
る土壌改質剤と肥料。
Description
のケイ酸分を必要とする作物に有用な土づくり資材並び
に肥料として用いることのできる無機組成物、およびそ
の製造方法に関する。
からケイカル、並びにケイ酸カリ肥料が用いられてい
る。ケイカルはスラグを原料として製造され、Si
O2、CaO、Al2O3を主成分とする、主としてアル
カリ分とケイ酸を補給するための土壌改質剤である。し
かしケイカルは塩酸可溶性ケイ酸分が30重量%を越え
るものの、実際の土壌のpHに近い5〜7程度の領域で
は溶出量が極端に減少し、ケイ酸分の供給源としては非
常に効率の悪い資材である。
当たり200kgと大量に施肥しなくてはならず、それ
に要する労力が農家の大きな負担になっている。ケイカ
ルは肥料の三要素のいずれをも含まない資材であるた
め、他の肥料と混合して使用するのが一般的であり、例
えばようりん40kgをケイカル200kgと混合して
散布するのが広く用いられている処方である。ようりん
は、それに含まれるケイ酸分の中性に近いpH域での溶
出性が高い事が知られており、燐酸質肥料であると同時
にケイ酸質の供給源となっていることが認められてい
る。
ケイカルに比べると高いと言われているが、ようりんに
比べるとpH5〜7では劣っており十分とは言えない。
ケイ酸カリ肥料も、ケイカルの場合と同様に、ようりん
と混合して施肥されることが多く、ここでもようりんが
ケイ酸質の供給源としての役割を果たしている。
いことを改善するために各種の試みがなされ、中でもケ
イ酸カリ肥料の溶出性が比較的高いことに着目してカリ
成分を加える方法に基づいた、例えばケイ燐酸カリを主
成分とする新規肥料組成物(特公平1−24759号公
報)や緩効性熔成ケイ酸カリ苦土肥料の製造法(特公平
2−23514号公報)が開示されている。
しやすくし、ケイ酸質の溶出性を改善するが、その反
面、カリ原料が高価であるため得られた製品も高価にな
る、十分に高いケイ酸溶出性を確保するにはカリ含有量
を高くしなければらなず不経済である、カリウムが強ア
ルカリであるため製造設備の炉材を浸食する、カリを加
えると溶融物の粘度が上昇するため操業しにくく、それ
を下げようとして温度を上げるとカリが揮散する等の欠
点を有している。
性が高く、植物吸収性が高い事が知られている。市販さ
れているようりんに含まれるSiO2は20〜25重量
%程度であるが、ケイ酸含有量を増やすとその溶出率が
低下する事が知られている。すなわち、溶成燐肥の一般
的な原料配合にケイ石を加えて加熱溶融・急冷して、2
%クエン酸水溶液へのケイ酸の溶出性を測定した試験例
(工業化学雑誌第60巻1109頁1957年)によれ
ば、2%クエン酸水溶液(初期pHが約2)へのケイ酸
溶出量は30重量%程度で頭打ちになると記載されてい
る。
Hが4の酢酸ソーダ緩衝液を用いた可溶性ケイ酸の評価
法が、植物吸収性との相関性が高いと記載されている
が、実際の土壌のpHはもっと中性に近く、たまたま試
験に使用した組成物のこの方法による溶出性が植物吸収
性と一致したと解釈するべきと思われる。ケイ酸質の溶
出性試験に関しては未だ公定法がなく、様々な方法が提
案されている。
で有効な、特に実際の土壌のpH=5〜7付近で溶出性
の高いSiO2を30重量%以上含む無機組成物を提供
することを目的とする。また、本発明は、燐を含有させ
ることにより施用前に燐肥と混合しなくてもよい、ケイ
酸を主体として、燐、アルカリ分を含む資材を提供する
ことを目的とする。 更に、本発明は、通常のようりん
製造設備を用いて容易に製造することができ、カリを含
んでいないので安価に製造できる、稲等の土壌中にケイ
酸分が必要とされる作物に用いられるケイ酸質肥料並び
に土壌改良材を提供することを目的とする。
O2、CaO、P2O5を主成分とし、前記成分の総計中
にMgOを1〜20重量%、SiO2を30〜50重量
%含有し、しかも非晶質の無機組成物である。また、P
2O5を1〜12重量%含むことが好ましく、モル比(C
aO+MgO)/(SiO2+P2O5)が1.2〜2.
5であることを特徴とする無機組成物である。更に、4
重量%クエン酸ソーダ緩衝液(pHの初期値が5.5)
へのケイ酸の溶出率が50%以上であることを特徴とす
る無機組成物であり、NMR−29Siを測定した時にケ
ミカルシフト値が−80ppm以上−72ppm以下で
あり、その半値幅が13ppm以上23ppm以下であ
ることを特徴とする無機組成物である。
溶融して得られる溶融物を、急冷することを特徴とする
前記の無機組成物の製造方法である。
ることを特徴とする肥料、並びに土壌改質剤である。
5以上の高いpH域で高い溶出性を持つSiO2を含む
組成を探求した結果、同じ組成であってもその結晶性に
よって、溶出性が大きく変化すること、そして、特定組
成を有する非晶質の組成物が前記高pH域でケイ酸溶出
性を示すことを見い出し、なされたものである
aO、P2O5からなり、MgOを1〜20重量%、Si
O2を30〜50重量%含有し、しかも非晶質であるこ
とを特徴とする無機組成物である。本発明において、無
機組成物の主成分は、MgO、SiO2、CaO、P2O
5から構成され、その合計量は87重量%以上、好まし
くは90重量%以上あれば良い。従来公知のケイ酸溶出
性を有するものの多くは、例えばケイ酸カリ肥料の如く
に、カリウムを主成分として含有するのに対し、本願発
明の無機組成物はこれを主成分として有していないとい
う特徴がある。これにより、製品価格が高くなる、製造
設備の炉材を浸食する、操業しにくい等の欠点を解消す
ることが出来る。
めるために非晶質であることが必須である。非晶質の程
度については、本発明者らの実験的検討結果によれば、
NMR−29Siのケミカルシフト値(以下、単にNMR
−Siという)について、半値幅が10ppm以上の拡
がりを有するものであれば充分である。
30重量%以上である。これより少ないと、十分なケイ
酸溶出量が確保できず、ケイ酸質資材或いは肥料として
の価値が減少する。50重量%を越えると大幅にケイ酸
溶出性が下がり、中性に近い領域での溶出性が悪くな
る。32〜45重量%が好ましい範囲である。
効果やケイ酸溶出率を増大させる効果があり、また肥料
成分としても有効なので、適当量含有させる必要があ
る。1重量%以下ではこれらの効果が十分ではなく、2
0重量%をこえると施用した植物の肥効成分の吸収性に
拮抗作用を生じ、不都合である。上記バランスから、7
〜18重量%が好ましい範囲である。
1〜12重量%であることが好ましい。P2O5は、1重
量%以下では溶融物の融点が上昇しケイ酸の溶出率が低
くなりやすくなると共に、ケイ酸分とのバランス上リン
分が不足するためリン肥料を混合散布する必要が生じる
ことがある。一方、12重量%を越えると、ケイ酸の必
要量を散布するとP2O5の適切な施用量を超える場合が
生じることがあり好ましくない。ケイ酸の溶出率を高く
し、リン肥料の混合散布を必要とせず、更に適切なP2
O5の施用量を維持できるということから前記範囲が選
択され、4〜10重量%の範囲が一層好ましい。
換算した(CaO+MgO)/(SiO2+P2O5)比
が1.2〜2.5であることが好ましい。前記比が1.
2より小さくなるとケイ酸溶出量が減少する一方、2.
5を超えるとSiO2含有量の低下や融点の上昇とケイ
酸溶出性の低下が起こることがある。1.3〜2.0が
好ましい範囲である。
成する前記の成分の他に、微量成分として有効な硼素や
マンガンを含有させることもできる。硼素やマンガンの
存在は、後述する製造方法において溶融温度の低下や溶
融物の流動性の増加の効果があるし、得られる無機組成
物の非晶質化を促し、ケイ酸の溶出性を助長する効果も
ある。また、不可避的に混入する鉄酸化物やアルミニウ
ムの酸化物などが含まれてもよい。しかし、アルミニウ
ムについては、肥料効果が無く、有効成分の含有量を低
下させ、また、量が多くなるとケイ酸分の溶出性に悪影
響を及ぼすので、Al3O3の量は2重量%以下に抑制す
ることが好ましい。
緩衝液(pHの初期値が5.5)へのケイ酸分の溶出率
は50%以上、好ましい組成範囲の無機組成物では70
%以上であるという特徴を有し、また、NMRによる29
Siの結合状態の測定結果によれば、−80ppm以上
−72ppm以下にケミカルシフト値が見られ、またそ
の半値幅は13ppm以上23ppm以下を示す。ここ
で、本発明の溶出率とは、前記クエン酸緩衝液中に溶出
したケイ酸の量を、無機組成物中の全SiO2量に対し
て百分率で表したものである。
イ酸分の溶出性を調べる方法としては、前記したとおり
に、2%クエン酸水溶液(pHが約2)を用いる方法、
pHの初期値が4の酢酸ソーダ緩衝液を用いる方法が知
られているが、いずれも溶出時のpHが低く、土壌のp
Hに近いpH=5〜7付近でのケイ酸の溶出性の評価方
法としては不適切である。本発明者らは、いろいろ検討
した結果、4重量%クエン酸緩衝液(pHの初期値が
5.5)を用いる方法が好適であることを見出したもの
である。この方法により、肥料、土壌改質剤の土壌への
ケイ酸分の溶出性について、その評価が可能となる。
は、4重量%クエン酸緩衝液(pHの初期値が5.5)
を用いることを特徴とし、次に例示するように行えば良
い。即ち、多量の肥料或いは土壌改質剤の場合につい
て、前記の肥料或いは土壌改質剤より約100gのサン
プルを従来公知の方法で採取し、前記サンプルを振動ミ
ルで粉砕し、目開き150ミクロンの篩下とし、可溶性
ケイ酸の評価試料とする。前記評価試料を1gはかりと
り、クエン酸水溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液を加
えてpHを5.5に調整した4重量%クエン酸ソーダ緩
衝液150mlを加え、30℃水浴中で1時間揺動す
る。前記溶液をろ紙でろ過して得られるろ液を純水で希
釈した後、ろ液中に含まれるSiO2量をICP(誘導
結合プラズマ発光分光法)で測定する。
物を振動ミルで粉砕して、目開き150ミクロンの篩下
とし、例えば、日本電子製GX270を用いて、マジッ
クアングルスピニング下にハイパワーデカップリングを
組み合わせたモードで10秒間隔に約8000回の積算
を行い、ケミカルシフトの調整としてポリジメチルシラ
ンを−33.8ppmとして、測定すればよい。尚、ア
ダマンタンを用いて13Cの高磁場側共鳴ピークの半値幅
が0.147〜0.072ppmとなる様に調整し、こ
の条件下で調整したときに、単結晶シリコンの半値幅は
0.7ppmであった。本発明の無機組成物は、前記条
件で測定したときに、得られるNMR− 29Siが−80
ppm以上−72ppm以下にケミカルシフト値を示
し、その半値幅が13〜23ppmの間で様々な値を示
す。
て、そのチャート上のピーク形状は略組成によって決ま
るが、製造方法によっても影響される。特に、後述する
本発明の製造方法によれば、同じ組成物であってもより
ピークの半値幅の大きいものが得られる。
の溶出率とNMR−Siのケミカルシフト値が相関する
事を見いだしたものであり、具体的には、−80ppm
以上−72ppm以下にケミカルシフト値を有し、その
半値幅が13ppm以上23ppm以下である無機組成
物は、ケイ酸分のpH=5.5(初期値)のクエン酸緩
衝液溶出率が70%以上である。
定を行うことのみで、前記溶出率を容易に推定すること
ができ、手間のかかる可溶性ケイ酸の評価を省略するこ
ともできる。クエン酸溶液を用いるケイ酸の溶出性の測
定においては、溶液中の共存イオンの影響や、溶出後の
溶液のpHの変化、溶出したケイ酸の再重合等分析上の
いろいろな問題が生じるが、NMR−Siの測定におい
ては前記煩わしさがない。
の方法に関しては、従来公知の方法に比較して、正確性
においても優れているという効果を有している。即ち、
NMR−Siのケミカルシフト値はSiO4の4面体構
造のつながりの状態を反映し、半値幅は原子配置のラン
ダムさを表していると考えられる。原子配置のランダム
さ、すなわち非晶質状態を判別する方法としては、一般
にX線回折装置を用いて回折パターンを見る方法があ
る。しかし、同じ組成の試料でX線回折で同じ様なブロ
ードなパターンが得られた試料であっても、ケイ酸の溶
出性が異なっている場合があった。また、他のガラス化
状態の判別法として、光学顕微鏡を用いブロモホルムを
滴下し透過光下で試料粒子一個一個の状態を調べて、そ
の個数からガラス化状態を定量的に把握する方法が知ら
れている(工業化学雑誌63巻477頁1960年)
が、この方法は非常に手間のかかる方法であった。
は、原料として、燐鉱石、蛇紋岩、ケイ石、石灰石、フ
ェロニッケル鉱滓、フェロマンガン鉱滓、各種高炉滓、
各種製鋼滓、製リンスラグ、フライアッシュ等のP
2O5、CaO、MgO、或いはSiO2を含有する通常
の原料類を利用することができる。上記原料の中にはア
ルミナ分(Al2O3)を含むものもあるが、Al2O3の
存在はケイ酸溶出率を悪化させ、またAl2O3含有量が
増加すると他の成分の含有量が実質的に減るので、Al
2O3含有量の増大は好ましくない。Al2O3が含まれて
いない原料を使用するか、またはAl2O3が含まれてい
る原料は少量に限定して使用し、得られる無機組成物中
にするAl2O3量が2重量%以下とすることが好まし
い。
物が所望組成となるように、即ち、MgOを1〜20重
量%、SiO2を30〜50重量%含有するように、好
ましくはP2O5が1〜12重量%であるように、更に好
ましくは、モル比(CaO+MgO)/(SiO2+P2
O5)が1.2〜2.5となるように、配合し、高温で
溶融する。
電気炉、アーク炉、高周波加熱炉等の電気炉、或いは平
炉を初めとするいろいろな燃焼ガス炉等が使用できる。
溶融温度は、組成にもよるが1350℃以上が望まし
い。目標とする組成を有する原料が完全に溶融する温度
より、およそ150℃以上高い温度で溶融すると、溶融
温度から結晶化の進まない温度までの間で十分な冷却速
度がとれるので好ましい。前記溶融炉のうち、後述する
とおりに、溶融液を急冷することができ、非晶質化した
無機組成物を容易に得ることができることから電気炉、
並びに平炉が選択される。
晶質化を達成し、ケイ酸の溶出性を高めるために必須で
ある。急冷は、一般には、炉から抜き出した溶融液に溶
融液の20〜40倍の重量の水を吹き付ける方法や、多
量の水中に浸漬する方法等を適用することによって行わ
れる。本発明の無機組成物を得る際の冷却方法として
は、溶融温度から100℃までの所要時間は20秒以下
好ましくは10秒以下とすることがよく、特に、原料が
完全に溶融する温度の上下200℃の間を5秒以内とす
る事が望ましいので、このため、ジェット水流を当てて
冷却する方法が好ましい。更に、ジェット水流を用いる
冷却方法は、溶融液より砂状物を直接に得られ、後工程
としての粉砕を省略することもできるという効果も得ら
れる。
改質剤として利用できるが、更に、必要に応じて粉砕や
造粒をすることにより、施肥の際に取り扱い易くした形
態にして供給することもできる。また、必要に応じて、
窒素、カリなどの他の肥料を混合して、所望の組成の複
合肥料とすることもできる。
を更に詳細に説明する。
岩、フェロニッケル鉱滓、ケイ石、炭酸カルシウム(和
光純薬製)を、それぞれ1.57g、3.65g、0.
34g、1.95g、5.17g混合し、白金坩堝に入
れて、電気炉内に置き1500℃で加熱溶融した。電気
炉から取り出した溶融物をすばやく水中に投入して組成
物を得た。
O、CaOをそれぞれ5.6重量%、36.5重量%、
16.0重量%、37.4重量%含んでいた。従って、
モル比(CaO+MgO)/(SiO2+P2O5)は
1.64である。
ン下の粉として、以下の評価に用いた。4%クエン酸ソ
ーダ緩衝液(pHの初期値が5.5)への溶出ケイ酸量
(以下、C−SiO2量と呼ぶ)は30.9%、溶出率
(以下、ク溶率と呼ぶ)は85%だった。NMR−Si
の測定を行ったところ、ピーク位置は−73.3pp
m、半値幅は16.0ppmだった。
ッケル鉱滓、ケイ石、石灰石を、それぞれ25.0k
g、31.9kg、3.4kg、21.5kg、39.
3kg混合し、100kVAの直流アーク式電気炉に投
入し通電して加熱溶融した。電気炉のタップ口から流れ
出た溶融物に水流を吹き付け、急冷・水砕した。
O、CaOをそれぞれ7.7重量%、38.7重量%、
14.3重量%、34.9重量%含んでいた。従って、
モル比(CaO+MgO)/(SiO2+P2O5)は
1.40である。
ン下の粉を評価に用いた。4%クエン酸ソーダ緩衝液
(pHの初期値が5.5)へのC−SiO2量は35.
9%、ク溶率は93%だった。NMR−Siの測定を行
ったところ、ピーク位置は−76.5ppm、半値幅は
18.6ppmだった。
ッケル鉱滓、ケイ石、炭酸カルシウム(和光純薬製)
を、それぞれ2.19g、3.28g、0.34g、
1.70g、5.34g混合し、実施例1と同じ操作に
より組成物を得た。
O、CaOをそれぞれ7.7重量%、32.9重量%、
14.3重量%、40.9重量%含んでいた。従って、
モル比(CaO+MgO)/(SiO2+P2O5)は
1.80である。
ン下の粉を以下の分析に用いた。4%クエン酸ソーダ緩
衝液(pH=5.5)へのC−SiO2量は30.1
%、ク溶率は91%だった。NMR−Siの測定を行っ
たところ、ピーク位置は−73.1ppm、半値幅は1
3.8ppmだった。
ッケル鉱滓、ケイ石、炭酸カルシウムを、それぞれ1.
10g、2.14g、0.34g、2.76g、7.1
3g混合し、実施例1と同じ操作により組成物を得た。
O、CaOをそれぞれ4.0重量%、37.5重量%、
9.6重量%、45.3重量%含んでいた。従って、モ
ル比(CaO+MgO)/(SiO2+P2O5)は1.
60である。
ン下の粉を以下の分析に用いた。4%クエン酸ソーダ緩
衝液(pH=5.5)へのC−SiO2量は32.0
%、ク溶率は85%だった。NMR−Siの測定を行っ
たところ、ピーク位置は−74.6ppm、半値幅は1
4.0ppmだった。
岩、フェロニッケル鉱滓、ケイ石、炭酸カルシウム(和
光純薬製)を、それぞれ2.19g、3.00g、0.
34g、2.99g、3.56g混合し、白金坩堝に入
れて、シリコニット電気炉内に置き1500℃で加熱溶
融した。電気炉から取り出した溶融物を水中に投入して
組成物を得た。
O、CaOをそれぞれ7.6重量%、44.0重量%、
13.1重量%、31.3重量%含んでいた。従って、
モル比(CaO+MgO)/(SiO2+P2O5)は
1.12である。
ン下の粉を以下の評価に用いた。4%クエン酸ソーダ緩
衝液(pH=5.5)へのC−SiO2量は4.0%、
ク溶率は9%だった。NMR−Siの測定を行ったとこ
ろ、ピーク位置は−83.0ppm、半値幅は21.3
ppmだった。
4重量%クエン酸緩衝液(pHの初期値が5.5)への
溶出率が50%以上であり、土壌中への可溶性ケイ酸を
多く含むという特徴を有し、しかもその組成中にはカリ
ウム等のアルカリ金属元素を含有しないので製造しやす
いという特徴を有するので、土壌中のケイ酸分が有用な
働きをする作物、特に稲作用の土づくり資材あるいは肥
料として有用である。
壌中への可溶性ケイ酸を多く含むという特徴や組成物中
に燐酸分を含んでいるという特徴を有するので、施肥量
を少なくでき、燐酸質肥料とケイ酸質肥料との混合が不
要となり、農家における省力化が可能となること、ケイ
酸質の吸収性が良いので作物の病虫害発生が抑えられる
こと、各種の肥料成分の吸収が良くなり収量が増加する
こと、緩効性であるから肥あたりを起こさないこと、水
には難溶なので、雨水に流亡せず肥料散布の回数を減ら
せること等の数々の利点を有するという特徴がある。
Claims (8)
- 【請求項1】主成分がMgO、SiO2、CaO、P2O
5からなり、MgOを1〜20重量%、SiO2を30〜
50重量%含有し、しかも非晶質であることを特徴とす
る無機組成物。 - 【請求項2】P2O5が1〜12重量%であることを特徴
とする請求項1記載の無機組成物。 - 【請求項3】モル換算したときの(CaO+MgO)/
(SiO2+P2O5)の比が、1.2〜2.5であるこ
とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の無機組成
物。 - 【請求項4】全SiO2中の4重量%クエン酸緩衝液
(pHの初期値が5.5)への溶出率が50%以上であ
ることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記
載の無機組成物。 - 【請求項5】NMR−29Si測定時のケミカルシフト値
が−80ppm以上−72ppm以下であり、かつ半値
幅が13ppm以上23ppm以下であることを特徴と
する請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の
無機組成物。 - 【請求項6】原料を所望組成に配合し、加熱溶融して得
られる溶融物を急冷することを特徴とする請求項1、請
求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記載の無機組
成物の製造方法。 - 【請求項7】請求項1、請求項2、請求項3、請求項4
又は請求項5記載の無機組成物を含有することを特徴と
する肥料。 - 【請求項8】請求項1、請求項2、請求項3、請求項4
又は請求項5記載の無機組成物を含有することを特徴と
する土壌改質剤。
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