JPH04243992A

JPH04243992A - 溶成複合肥料

Info

Publication number: JPH04243992A
Application number: JP2788391A
Authority: JP
Inventors: Hidekazu Ikeda; 英一池田; Takashi Fukuzawa; 隆福澤; Keisuke Suzuki; 圭介鈴木; Kazuo Izumida; 泉田　和男; Kosuke Takeuchi; 宏介竹内
Original assignee: Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Current assignee: Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority date: 1991-01-29
Filing date: 1991-01-29
Publication date: 1992-09-01

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】【０００１】【産業上の利用分野】本発明は、Ｐ２　Ｏ５　、ＭｇＯ
およびＫ２　Ｏの枸溶性成分と高含量の可溶性ＳｉＯ２
　成分を有する溶成複合肥料に関する。【０００２】【従来の技術】周知のように、ホウ素やマンガンの存在
又は不存在の溶成燐肥や金属冶金の際に副生する珪酸カ
ルシウムスラグは土壌改良材として使用されている。他
方、溶成燐肥に枸溶性カリ成分を含有する溶成燐酸加里
肥料（特公昭３０−３７０　号）　やりん鉱石と硫酸加
里を主原料として塩基度１．７　〜２．４　の枸溶性加
里燐肥の製造方法も公知である（特公昭４６−２１７６
２　号。）。また、枸溶性加里溶成燐肥の造粒物の製造
法についても提案がある（特公昭５０−１６２６５　号
。）　【０００３】【発明が解決しようとする課題】現在、土壌改良材とし
て溶成燐肥、珪酸カルシウムおよび珪酸カリウムなどを
適宜混合して用いられているが、今日、農家の人手不足
に伴い、施肥の省力化および合理化が現場より強く要望
されている。【０００４】他方、最近では特に安全でうまい米づくり
が米作農家の生残り策として懸命に取り組まれているこ
とから、より合理的な土壌改良材の要求がある。しかし
、このような要求に対して、前記各公報に係る複合肥料
はいずれも応えることができず実施されてはいない。【０００５】すなわち、かかる複合肥料は肥効成分のバ
ランス（例えば、７溶性ＭｇＯおよび可溶性ＳｉＯ２　
が低い）がとれていないためこれを施肥する場合、他の
肥料と混合せざるを得ず、結局、通常の溶成燐肥と同様
の用い方となるにも拘わらず経済性も悪くなるという問
題があるためと思われる。【０００６】本発明は、上記のような農家の実情と従来
の土壌改良材に鑑み、製造技術上の観点から合理的な土
壌改良材を鋭意研究した結果、開発に至ったもので上記
の課題に応える新しい複合肥料を提供することを目的と
している。【０００７】【課題を解決するための手段】すなわち、本発明により
提供される溶成複合肥料は、モル比（ＣａＯ＋ＭｇＯ＋
Ｋ２　Ｏ）／（Ｐ２　Ｏ５　＋ＳｉＯ２　）＝１．３１
〜１．９　およびモル比ＭｇＯ／ＳｉＯ２　＝０．８　
〜１．２　の範囲にある砂状ガラス化物が、枸溶性肥効
成分としてＰ２　Ｏ５　＝５〜２０ｗｔ％、ＭｇＯ＝２
０〜３０ｗｔ％、Ｋ２　Ｏ＝１〜１０ｗｔ％、および可
溶性肥効成分としてＳｉＯ２　＝３０〜４０ｗｔ％にあ
ることを構成上の特徴とする。【０００８】以下、本発明につき詳述する。本発明に係
る溶成複合肥料は、２０００μｍ　の篩を全通する程度
の砂状ガラス化物で、通常の砂状溶成燐肥の規格とほぼ
同様なものである。【０００９】さらに、本発明に係る複合肥料は、運搬、
貯蔵および施肥の際、粉塵公害を避けるべく、所望の結
合剤で造粒したものが好ましい。造粒物は、運搬、貯蔵
に耐えるだけの強度は必要であるが、施肥後は迅速に水
崩壊性のものでなければならない。このために、前記砂
状ガラス化物をさらに粉砕した粉末に結合剤又は／及び
結合剤を含む水溶液を添加して造粒し０．５　〜５ｍｍ
φ好ましくは１〜４ｍｍφの範囲の大きさを有する造粒
物とする。この場合、ガラス化物の粉末度はブレーン比
表面積が５００　〜３０００ｃｍ２　／ｇ　で−４４μ
ｍ　のものが１０〜６０％であることが好ましい。この
ように、砂状ガラス粉末は相矛盾する造粒特性を満すこ
とは仲々困難であるが、粉末度の調整と水溶性結合剤、
例えば、ＭＣ、ＣＭＣ、ＰＶＣ、廃糖蜜、醗酵、廃液な
どの有機結合剤、硫酸マグネシウムなどの無機質結合剤
を１種又は２種以上適宜選択して造粒物とすることがで
きる。【００１０】本発明に係る溶成複合肥料は枸溶性肥効成
分としてＰ２　Ｏ５　５〜２０ｗｔ％、ＭｇＯ２０〜３
０ｗｔ％、Ｋ２　Ｏ１〜１０ｗｔ％であるが、好ましく
はＰ２　Ｏ５　１０〜１５ｗｔ％、ＭｇＯ２０〜２５ｗ
ｔ％、Ｋ２　Ｏ２〜５ｗｔ％の範囲である。さらに、他
の枸溶性成分としてＢ２Ｏ３　１ｗｔ％以下、ＭｎＯ２
ｗｔ％以下、銅、亜鉛、モリブデン等の微量要素を必要
に応じ含有したものであってもよい。また、可溶性肥効
成分としてＳｉＯ２　が３０〜４０ｗｔ％以上あり、好
ましくは３０〜３５ｗｔ％の範囲にある。【００１１】このように、肥効成分として枸溶性ＭｇＯ
が２０ｗｔ％以上、可溶性ＳｉＯ２　が３０ｗｔ％以上
保証していることが本発明の特徴の一つとなっている。高苦土成分は米の食味を改善するものであり、高可溶性
シリカは稲の生長および耐性に必要なもので特に水稲土
壌の改良に好適である。【００１２】上記の如き、枸溶性および可溶性を示す砂
状ガラス粉末は２つの塩基度、すなわちモル比（ＣａＯ
＋ＭｇＯ＋Ｋ２　Ｏ）／（Ｐ２　Ｏ５　＋ＳｉＯ２　）
＝１．３　〜１．９　、好ましくは１．４　〜１．７　
、モル比ＭｇＯ／ＳｉＯ２　＝０．８　〜１．２　、好
ましくは０．９　〜１．１　の範囲にあることが本発明
の他の特徴となっている。【００１３】本発明に係る複合肥料は、以下に示すよう
な方法で製造できるが、これは通常の溶成燐肥と格別に
異なることなく同様な操作で得ることができる。すなわ
ち、Ｐ２　Ｏ５　源、ＭｇＯ源、Ｋ２　Ｏ源およびＳｉ
Ｏ２　源等を適宜選択し、溶成ガラス組成が前記の範囲
内となるように配合する。【００１４】Ｐ２　Ｏ５　源としては、例えば燐鉱石、
溶成燐肥等、ＭｇＯ源としては蛇絞岩、かんらん岩、ニ
ッケルスラグ、マグネシア、珪酸マグネシウム等、Ｋ２
　Ｏ源としては炭酸カリウム、水酸化カリウム、珪酸カ
リウム等のカリウム塩或はカリウム含有鉱物、ＳｉＯ２
　源としては珪石、珪岩、砂、珪華、高炉スラグ、製鋼
スラグ、フエロアロイスラグ、製燐スラグなどが挙げら
れる。更に、他の原料成分には、塩基度調整のためのＣ
ａＯとして石灰石、生石灰、消石灰、珪酸カルシウム等
、微量要素源としてコレマナイト、マンガン鉱、ＭｎＯ
２　副生物、その他、銅、亜鉛、モリブデンを必要に応
じ用いることができる。【００１５】かかる原料を前記のように配合設計した混
合物を電気炉又は平炉の如き加熱溶融炉で溶融した後、
出湯しながら水砕、乾燥し、要すれば粉砕、分級して製
品とする。更に本発明では、上記で得られた砂状ガラス
化物をさらに所望の粉末度に粉砕したのち所望のバイン
ダーにて造粒し、水崩壊性良好な造粒品とすることが好
ましい。特に、硫酸マグネシウム（ＭｇＳＯ４　・６Ｈ
２　Ｏ）を主剤とする結合剤をガラス粉末１００　重量
部当りＭｇＳＯ４　換算で１〜７重量部配合し、これを
７０〜１２０　℃で造粒乾燥すると水崩壊性良好なもの
が得られる。なお、造粒操作は、転動、押出、圧縮ある
いはこれらの併用等の方法で適宜造粒することができる
。【００１６】【作用】本発明に係る溶性複合肥料が上記構成のような
組成的特徴を有するのは、次の２つの理由によるもので
ある。その一つは現在の水稲農業で求められている美味
い米作りと省力化、低コストの合理的土壌改良に応える
ために設計されたものであり、本発明に係る複合肥料だ
けで施肥すればよく、従来のように混合施肥をすること
を不可欠としない。【００１７】他は製造上の要請に基づくものであって、
溶融特性にすぐれているために流動性よく容易に加熱炉
から出湯して水砕できるものである。【００１８　】【実施例】以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。実施例１〜３表１に示す各原料の配合物を電気炉（１００ＫＶＡ）　
で加熱溶融した後、水砕、乾燥、粉砕および分級して、
いずれの試料も２０００μｍ　篩全通の砂状ガラス化物
を得た。【００１９】得られた各試料の分析をしたところ、表２
に示す結果が得られ、複合肥料となりうるものであるこ
とが判った。【００２０】【００２１】【表２】【００２２】実施例４〜８表３に示す原料配合物を実施例１と同様な方法で加熱溶
融および水砕したところ、表４に示す砂状ガラス化物が
得られた。このガラス化物の分析値から複合肥料に好適
であることが判った。【００２３】【００２４】【００２５】比較例１〜５表５に示す原料配合物を実施例１と同様な方法で加熱溶
融して冷却後、溶融物の分析を行ったところ表６の結果
を得た。【００２６】【００２８】実施例９〜１０実施例２および５の砂状ガラス化物をボールミルで粉砕
して得たブレーン比表面積２１００ｃｍ２／ｇ　、−４
４μｍ　が５８ｗｔ％のガラス粉末をそれぞれにつき１
００重量部、工業用硫酸マグネシウム（ＭｇＯ：２５重
量％）５重量部配合した混合物を皿型造粒機（径８００
ｍｍ　、深さ１００ｍｍ　、回転数１２ｒ．ｐ．ｍ　、
傾斜角５２°）　に入れてメチルセルローズ０．５ｗｔ
　％を含む水溶液をスプレーしながら１〜４ｍｍとなる
まで造粒した。次いで、得られた造粒物を１００　±５
　℃で水分が１重量％以下となるまで乾燥した。【００２９】乾燥造粒物を１〜４ｍｍ中のものに整粒し
て回収し、これを分析したところ表７の結果が得られた
。【００３０】【００３１】なお、造粒した肥料の崩壊性試験は、次の
方法によった。 ■水中崩壊性試験供試肥料を２０００ミクロンの網ふるいでふるい分け、
ふるい上に残ったものを試料とする。試料５０粒をふる
い上に並べて、適当な大きさの容器中に置き、試料が十
分水に浸るまで静かに水（室温）を注ぐ。一夜静置後、
ふるいを静かに取り出してふるい上に残在する未崩壊粒
を数え、その残在割合（百分率）を求める。【００３２】■土壌中の崩壊性試験試料５０粒を１００ｍｌ　容のビーカに採り、乾土（１
０００ミクロンの網ふるいを全通したもの）５０ｇを加
えて混合し、使用土壌の最大容水量の６０％になるよう
に水を加えた後、ビニール等で密閉し、一週間放置する
（以下「土壌処理」という。）。土壌処理したものを全
量（試料及び土壌）２０００ミクロンのふるい上に均一
にあけ、適当な大きさの容器中で静かに水（室温）を注
ぐ。１夜静置後、ふるいを静かに取り出してふるい上に
残在する未崩壊粒を数え、その残在割合（百分率）を求
める。 ■平均圧壊強度木屋式硬度計（最小目盛０．１ｋｇ）により測定し、造
粒物２０個の平均値として表わす。【００３３】【発明の効果】本発明に係る溶成複合肥料は、カリ成分
を含有する高苦土および可溶性高シリカ成分を特徴とす
るものであって、従来のように混合施肥することなく、
この肥料のみで特に水稲土壌の改良に好適なものである
。また、本発明に係る溶成複合肥料は溶融特性が良好な
ために工業的に有利に製造することができる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　モル比（ＣａＯ＋ＭｇＯ＋Ｋ２　Ｏ）
／（Ｐ２　Ｏ５　＋ＳｉＯ２　）＝１．３　〜１．９　
およびモル比ＭｇＯ／ＳｉＯ２　＝０．８　〜１．２　
の範囲にある砂状ガラス化物が、枸溶性肥効成分として
Ｐ２　Ｏ５　＝５〜２０ｗｔ％、ＭｇＯ＝２０〜３０ｗ
ｔ％、Ｋ２　Ｏ＝１〜１０ｗｔ％、および可溶性肥効成
分としてＳｉＯ２　＝３０〜４０ｗｔ％にあることを特
徴とする溶成複合肥料。
【請求項２】　　枸溶性肥効成分としてＢ２　Ｏ３　１
ｗｔ％以下、ＭｎＯ２ｗｔ％以下を含有する請求項１記
載の溶成複合肥料。
【請求項３】　　請求項１又は２記載の溶成複合肥料で
ある砂状ガラス粉末を、水溶性バインダーで造粒してな
る溶成複合肥料。