JP2000034029A - 電池用電極の供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マガジンから電極を１枚ずつ確実に取り出す
電池用電極の供給装置を提供する。 【解決手段】 電池用電極の供給装置は、マガジン２の
上端開口部に一対の爪２４を備えており、これら爪２４
はマガジン２からバキュームハンド２８により電極Ｅが
取り出される際、電極Ｅの外縁に引っ掛り、その２枚取
り出しを確実に阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池などの渦
巻き型電池用電極を製造ラインに供給するための供給装
置に関する。

【０００２】

【関連する背景技術】この種の電池用の電極は薄板状を
なしていることから、マガジン内に積み重ねて収容さ
れ、そして、バキュームハンドによりマガジンの上端開
口から１枚ずつ吸着して取り出され、その製造ラインに
移送される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、電極の製造
時に発生する電極のバリや電極自体の面の平滑性は、マ
ガジン内にて上下の電極同士に引っ掛かりや、これら電
極の一体的な密着を招く。このような電極の引っ掛りや
一体的な密着はマガジンから電極を２枚同時に取り出し
てしまう要因となる。同時に取り出された２枚の電極の
うち、下側の電極はバキュームハンドに吸着されていな
いので、製造ラインへの移送中に、落下により損傷や変
形を受け、また、製造ラインに電極が２枚同時に供給さ
れてしまうと、製造ラインの運転停止を招いてしまう。

【０００４】本発明は上述の事情に基づいてなされたも
ので、その目的とするところは、マガジンから電極を１
枚ずつ確実に取り出すことができる電池用電極の供給装
置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】電池用電極の供給装置
（請求項１）はマガジンの上端開口部に電極の取り出し
の際、その電極の外縁に接触する爪を備えている。バキ
ュームハンドは、マガジン内の最上位にある電極を吸着
し、そして、爪に接触しながらマガジンから取り出す。

【０００６】爪は電極の外縁から延出するタブを避けた
位置にて、その外縁に接触するのが好ましい（請求項
２）。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１を参照すると、電池用電極の
供給装置は中空の角柱状をなすマガジン２を備えてい
る。マガジン２は水平な矩形枠４上に前板６、後板８及
び一対の側板１０を立設して形成され、その内部は上端
が開口した電極収容室として形成されている。

【０００８】前板６は上下一対のヒンジ１２を介して一
方の側板１０に連結され、これらヒンジ１２を中心に回
動して開閉可能となっている。前板６は後板８に比べて
その幅が短く、他方の側板１０との間に所定幅の隙間を
確保している。この隙間はベース板４から前板６の上端
縁に亘って上下に延びている。

【０００９】側板１０の上部は斜めに切り欠かれ、マガ
ジン２の上端開口を上方に向けて拡開している。

【００１０】図１に示されているようにマガジン２内に
は多数の薄板状電極Ｅが詰め込まれている。電極Ｅは例
えば渦巻き型二次電池の製造に使用される電極であっ
て、その一側縁からタブＴが延出している。図２に示す
ように電極Ｅはマガジン２内にて、マガジン２の底を構
成する昇降底１４上に積み重ねられており、この昇降底
１４はエレベータ（図示しない）に支持され、マガジン
２内を昇降することができる。

【００１１】マガジン２内へのタブ付き電極Ｅの詰め込
みは前板６を開いた状態で行われ、そして、これら電極
ＥのタブＴは前板６と側板１０との間の前述した隙間を
通じ、マガジン２から突出される。

【００１２】マガジン２には前後一対の爪ユニット１６
が設けられており、これら爪ユニット１６は前板６及び
後板８の上部にそれぞれ取り付けられている。爪ユニッ
ト１６はマガジン２の電極収容室を挟んで対称に配置及
び構成されているので、以下には前板６の爪ユニット１
６についてのみ説明する。

【００１３】爪ユニット１６は前板６の上部外面から水
平に突出した一対のブラケット１８を備え、これらブラ
ケット１８間に揺動部材２０がピン２２を介して回動自
在に支持されている。揺動部材２０は前板６の上端縁を
僅かに越えて延び、その上端に爪２４が一体的に形成さ
れている。爪２４はマガジン２の軸線側に向けて楔形状
をなし、その先端縁が前板６の直上にあり且つ前板６か
らマガジン２内に僅かに突出する突出位置に付勢されて
いる。つまり、揺動部材２０の下端と前板６との間には
圧縮コイルばね等のばね部材２６が配置され、このばね
部材２６は揺動部材２０の回動付勢を介して、爪２４を
前記突出位置に保持している。

【００１４】マガジン２の上方にはバキュームハンド２
８が配置されており、バキュームハンド２８はバキュー
ム源（図示しない）に接続され、そして、３軸ロボット
（図示しない）により上下及び水平方向に移動可能とな
っている。

【００１５】バキュームハンド２８はマガジン２の上方
から下降し、マガジン２内の取り出し位置に位置付けら
れている最上位の電極Ｅを吸着する。この後、バキュー
ムハンド２８はその上昇に伴い、吸着した電極Ｅをマガ
ジン２の上端開口から取り出す。この際、電極Ｅの両側
縁は爪２４の先端縁に下側から接触し、揺動部材２０を
そのばね部材２６の付勢力に抗しながら回動させる。こ
れにより、取り出される電極Ｅは図２中２点鎖線で示す
ように爪２４を外側に押し開きながら、これら爪２４の
間を通過し、マガジン２から取り出される。即ち、バキ
ュームハンド２８は一対の爪２４による取り出し抵抗に
打ち勝ち、電極Ｅをマガジン２から取り出すことにな
る。

【００１６】それ故、前述したバリや一体的な密着に起
因し、バキュームハンド２８に吸着された上側の電極Ｅ
と一緒にその下側の電極Ｅが２点鎖線で示すように取り
出されようとしても、上側の電極Ｅが一対の爪２４間か
ら抜け出すと、これら爪２４は揺動部材２０の復帰回動
を受けて、その先端縁が下側の電極Ｅの側縁に引っ掛
り、上側の電極Ｅから下側の電極Ｅを分離し、マガジン
２内に戻す。従って、バキュームハンド２４はマガジン
２から電極Ｅを１枚ずつ確実且つ円滑に取り出すことが
でき、取り出した電極Ｅを電池製造ラインに向けて安定
して移送することができる。この結果、電極Ｅの２枚取
り出しに起因する電極の落下、そして、その落下による
電極Ｅの損傷や変形が防止される。なお、電極Ｅの取り
出し後、前述したエレベータはマガジン２の昇降底１４
を電極Ｅの厚み相当する距離だけ上昇させ、次の電極Ｅ
を取り出し位置に位置付ける。

【００１７】一対の爪２４はそのタブＴを避けた位置に
て、電極Ｅの側縁に接触、つまり、引っ掛りるので、爪
２４がタブＴを損傷したり、変形させたりすることもな
い。

【００１８】本発明の実施にあたり、爪２４は２個に限
らず、１個でもよいし、または、３個以上であってもよ
い。また、爪２４はマガジン２の上端開口の直上に限ら
ず、マガジン２の内部にあってもよい。更に、爪自体の
先端がある程度の可撓性を有していれば、爪を固定して
配置することも可能である。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように電池用電極の供給装
置（請求項１）は、マガジンの上端開口近傍に爪を設け
てあるから、マガジンから電極を１枚ずつ確実且つ円滑
に取り出すことができ、その２枚取り出しに起因する電
極の損傷及び変形を防止できる。爪は電極のタブと干渉
しないので（請求項２）、タブが爪により損傷を受けた
り、変形したりすることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例の電池用電極の供給装置を示す斜視図
である。

【図２】図１のマガジンの縦断面図である。

【符号の説明】

２ マガジン ２０ 揺動部材 ２４ 爪 ２６ ばね部材 ２８ バキュームハンド Ｅ 電極 Ｔ タブ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上端にて開口し、薄板状の電極を積み重
   ねて収容するマガジンと、 前記マガジンの上端開口から前記電極を吸着して取り出
   すバキュームハンドと、 前記マガジンの上端開口近傍に設けられ、前記マガジン
   から電極が取り出される際、その電極の外縁に接触する
   爪とを具備したことを特徴とする電池用電極の供給装
   置。
2. 【請求項２】 前記電極は外縁から延出するタブを有
   し、 前記爪は前記タブを避けた位置にて前記電極の外縁に接
   触することを特徴とする請求項１に記載の電池用電極の
   供給装置。