JP2000033714A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク流路内の気泡を効果的に除去して印字
ヘッドにインクを供給することができるインクジェット
記録装置を提供する。 【解決手段】 インクタンク21、第1のインク流路1
3,23、印字ヘッドのマニホールド11および第2の
インク流路16,26からなる循環流路内でインクを強
制的に循環することにより、インク中の気泡をインクタ
ンク21内で浮力により分離する循環パージを行うもの
において、インク循環用ポンプ22の回転方向を短時間
だけ変化させて、通常インクを流す順方向と逆方向にイ
ンクを流す。これにより、インク流路内に付着している
気泡に揺さぶりを与え、除去しやすい状態とし、その気
泡をインクとともにインクタンクに回収し、浮力により
分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを噴射して
印字動作を行うインクジェット記録装置に関し、特に、
インクタンクと印字ヘッド間のインク流路内の気泡を除
くための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクを入力信号にもとづい
て噴射し印字動作を行うインクジェット記録装置とし
て、印字ヘッドのアクチュエータにインクを導き、前記
入力信号に応じた圧電素子、電歪素子等のアクチュエー
タの撓みや、発熱素子による局部的なインクの沸騰を利
用して、インクを加圧噴射するものが知られている。
【0003】ところが、印字ヘッドのアクチュエータに
インクを導くインク流路内において壁面に何らかの原因
で気泡が付着して溜まる場合がある。その気泡がアクチ
ュエータ内に進入すると、アクチュエータ内の圧力を上
昇させようとしても、圧力が前記気泡に吸収されてしま
い、圧力を十分に高めることができず、インクの噴射が
うまく行われない。これは、空気の体積弾性率がインク
のそれよりも極端に小さいことによるものであり、印字
品質に悪影響を与える。
【0004】そこで、インク流路の内壁面等に気泡が付
着している場合に、簡単な操作でその気泡を取り除き、
アクチュエータへの気泡の進入を防止することを目的と
して、例えば特開昭56−75867号公報に記載され
るように、インクタンクと、印字ヘッドのアクチュエー
タにインクを分配するマニホールドとの間とを、往路お
呼び復路からなる循環流路で結び、その循環流路内でイ
ンクを強制循環させることでインク流路の壁面に付着し
ている気泡を除く循環パージを行うことが知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、そのような
ものにおいて、循環流路内の壁面などに付着している気
泡を効果的に除去するためには、インクの流速を速くす
ることが望ましいが、インクの流速を速くすると、イン
ク流路内のインク液圧が高まり、その液圧上昇のために
印字ヘッドのノズル孔内でインクが表面張力によって形
成しているメニスカスを壊し、インクが漏れ出る原因と
なりやすい。そのため、インクの流速を、気泡を効果的
に除去することができる程度まで速くすることができ
ず、インクを循環させるだけで気泡を完全に除去するこ
とはできないのが現状である。
【0006】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、インク流路に付着している気泡をより効果的に除去
することができるインクジェット記録装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1の発明は、インクを噴射して印字動作を行う複数のア
クチュエータを有する印字ヘッドと、その複数のアクチ
ュエータに供給するインクを収容するインクタンクと、
そのインクタンクから供給されたインクを前記複数のア
クチュエータに分配するマニホールドと、前記インクタ
ンクから前記マニホールドにインクを供給する第1のイ
ンク流路と、前記マニホールドから前記インクタンクに
インクを回収する第2のインク流路と、前記インクタン
ク、第1のインク流路、マニホールドおよび第2のイン
ク流路からなる循環流路においてインクを循環させるこ
とによりその循環流路内の気泡を除く循環パージを行う
インク循環手段とを備えるインクジェット記録装置にお
いて、前記インク循環手段は、前記循環パージを行う際
に、前記循環流路内のインクの流れ方向を変更可能であ
ることを特徴とする。
【0008】この発明によれば、循環パージを行う際
に、インクの流れ方向を変えることで、インクの流速が
大きく変化せしめられ、その流速の大きな変化によって
インク流路内の内壁面等に付着している気泡に対し揺さ
ぶりが与えられ、インクの流れによって気泡が除去され
やすい状態とされる。インクの流れによって除去された
気泡は、インクタンクに回収され、印字ヘッド側に進入
することはなくなる。この場合、インクの流れ方向を変
えて流速差を大きくして揺さぶりを与えているから、イ
ンクの流速を単純に高めて揺さぶりを与える場合に比べ
て、インク流路内の圧力はそれほど高まらず、そのため
印字ヘッドのノズルからインクが漏れ出るという不具合
も生じない。
【0009】上記構成において好ましくは、前記インク
循環手段は、第1のインク流路に設けられ正逆回転可能
なインク循環用ポンプとし、インク循環用ポンプの回転
方向を変更するという簡単な制御でもって、簡単に循環
流路内においてインクの流れ方向が変更され、付着して
いる気泡に対し揺さぶりが与えられる。
【0010】また、上記構成において好ましくは、循環
パージを行う際に、通常インクを循環する順方向に流す
時間よりも短時間だけ、その順方向と逆方向にインクを
流すことで、付着している気泡に揺さぶりを与えるよう
にすることで、インクの流れによって除去された気泡が
速やかにインクタンクまで運ばれ、インク流路内におい
て、除去された気泡が逆戻りしたり、停滞したりするこ
とがなくなる。
【0011】請求項4の発明は、インクを噴射して印字
動作を行う複数のアクチュエータを有する印字ヘッド
と、その複数のアクチュエータに供給するインクを収容
するインクタンクと、そのインクタンクから供給された
インクを前記複数のアクチュエータに分配するマニホー
ルドと、前記インクタンクから前記マニホールドにイン
クを供給する第1のインク流路と、前記マニホールドか
ら前記インクタンクにインクを回収する第2のインク流
路とを備え、前記インクタンク、第1のインク流路、マ
ニホールドおよび第2のインク流路からなる循環流路に
おいてインクを循環させることによりその循環流路内の
気泡を除く循環パージを行うインクジェット記録装置に
おいて、前記循環パージを行う際に、循環されるインク
に振動を付与する振動付与手段を備えることを特徴とす
る。ここで、振動の振幅や振動数については特に制限さ
れず、インクを振動させて、インク流路内に付着してい
る気泡に揺さぶり(衝撃を含む)を与えることができる
ものであればよい。
【0012】この発明によれば、循環パージを行う際
に、振動付与手段にて、循環されるインクに振動が付与
され、その振動によって、インクを介してインク流路内
の内壁面等に付着している気泡に対し揺さぶりが与えら
れ、循環パージによるインクの流れによって気泡が除去
されやすい状態とされる。よって、気泡はインクの流れ
によって除去されて、インクタンクに回収され、印字ヘ
ッド側に気泡が進入することはなくなる。この場合、循
環されるインクに振動を付与して、揺さぶりを与えてい
るだけであるから、インクの流速を単純に高めて気泡を
除去しようとする場合に比べてンク流路内の圧力は高め
る必要はなく、そのため印字ヘッドのノズルからインク
が漏れ出るという事態も起こらない。
【0013】上記構成において好ましくは、前記振動付
与手段は、前記第1のインク流路に設けられることで、
循環パージ中、第1のインク流路に振動を付与し第2の
インク流路を経て気泡を回収することができ、印字ヘッ
ドに供給するインクに含まれる気泡をきわめて少なく
し、気泡による印字不能を少なくすることができる。
【0014】また、上記構成において好ましくは、前記
第1または第2のインク流路は、フレキシブルなチュー
ブにて構成し、振動付与手段にて前記インクチューブに
振動を付与することで、インクチューブ内において循環
するインクが振動することになり、付着している気泡に
揺さぶりを与え、効果的に気泡を除去することができ
る。
【0015】また、上記構成において好ましくは、前記
インクチューブには、インク循環用ポンプが設けられ、
そのインク循環用ポンプの下流側に設けられインクチュ
ーブに間欠的に接触する動作部材により、インクチュー
ブを振動させることで、内部を循環しているインクに振
動を付与する。
【0016】さらに、上記構成において好ましくは、前
記動作部材は、回転駆動されるカム部材で、循環パージ
開始後、1〜2回転することで、インクの循環を損なう
こともなく、循環しているインクに振動を付与すること
ができる。
【0017】請求項9の発明は、複数のノズル孔をノズ
ル面に開口し、各ノズル孔からインクを噴射する複数の
アクチュエータを備える印字ヘッドと、その複数のアク
チュエータに供給するインクを収容するインクタンク
と、そのインクタンクから供給されたインクを前記複数
のアクチュエータに分配するマニホールドと、前記イン
クタンクから前記マニホールドにインクを供給する第1
のインク流路と、前記マニホールドから前記インクタン
クにインクを回収する第2のインク流路と、前記インク
タンク、第1のインク流路、マニホールドおよび第2の
インク流路からなる循環流路においてインクを循環させ
ることによりその循環流路内の気泡を除く循環パージを
行う循環ポンプ手段と、前記印字ヘッドのノズル面を覆
う吸引キャップを有し、前記印字ヘッドよりインクを吸
引する吸引パージを行う吸引パージ手段と、前記循環ポ
ンプ手段を動作してインクを循環させる前記循環パージ
を行う際に、吸引パージ手段を動作して吸引パージを行
わせるパージ制御手段とを備えることを特徴とする。
【0018】この発明によれば、循環パージを行う際
に、その循環パージに加えて、吸引パージ手段による吸
引パージも併せて行われることとなり、その結果、循環
パージと吸引パージとの相乗効果により、インクタンク
から、第1のインク流路、マニホールド及び第2のイン
ク流路を経てインクタンクに戻る循環流路内の流速が速
くなり、インク流路の壁面等に付着している気泡が除去
されやすくなり、除去された気泡はインクタンクに回収
される。なお、通常のインクジェット記録装置と同様
に、噴射不良を回復するために吸引パージを行った際
に、ワイパー部材にて印字ヘッドのノズル面がワイピン
グされることで、各ノズル内にインクのメニスカスが形
成されるので、印字品質に影響を与えることもない。
【0019】上記構成において好ましくは、前記パージ
制御手段は、前記循環パージのうち一定時間だけ、前記
吸引パージ手段に吸引パージを行わせることで、インク
の噴射不良の回復のために行う通常の吸引パージよりも
少ない時間の吸引パージでよく、無駄なインクの消費を
回避することができるとともに、インク流路だけでな
く、アクチュエータの壁面等に付着している気泡を、通
常の吸引パージを行うのと同程度に除去することができ
る。
【0020】特に、循環パージの最初から一定時間だ
け、前記吸引パージ手段に吸引パージを行わせること
で、効果的にインク流路全体にわたって気泡を除去する
ことができる。
【0021】請求項12の発明は、複数のノズル孔をノ
ズル面に開口し、各ノズル孔からインクを噴射する複数
のアクチュエータを備える印字ヘッドと、その複数のア
クチュエータに供給するインクを収容するインクタンク
と、そのインクタンクから供給されたインクを前記複数
のアクチュエータに分配するマニホールドと、前記イン
クタンクから前記マニホールドにインクを供給する第1
のインク流路と、前記マニホールドから前記インクタン
クにインクを回収する第2のインク流路と、前記インク
タンク、第1のインク流路、マニホールドおよび第2の
インク流路からなる循環流路においてインクを循環させ
ることによりその循環流路内の気泡を除く循環パージを
行う循環ポンプ手段と、前記印字ヘッドのノズル面を覆
う吸引キャップを有し、前記印字ヘッドよりインクを吸
引する吸引パージを行う吸引パージ手段と、前記循環パ
ージを行う際に、前記印字ヘッドのノズル面を前記吸引
キャップにより覆って前記ノズル面と前記吸引キャップ
との間に閉空間を形成するパージ制御手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0022】この発明によれば、循環パージを行う際
に、吸引パージ手段の吸引キャップにて印字ヘッドのノ
ズル面を覆い閉空間を形成することによって、循環パー
ジを行う際に循環するインクの圧力に抗する圧力が印字
ヘッドのノズル孔に作用している。よって、インクの流
速を速くしても、印字ヘッドのノズル孔内のインクのメ
ニスカスの破壊が抑制され、インクの漏れが防止される
ので、インクの流速を速めてパージ効率の向上を図るこ
とができる。特に、吸引キャップが印字ヘッド内のイン
クを吸引して吸引パージを行う吸引パージ手段の一部を
兼ねており、閉空間を形成するために特別なキャップ装
置を設ける必要がない。
【0023】上記構成において好ましくは、前記吸引キ
ャップが、開閉手段に連係され、吸引キャップが印字ヘ
ッドのノズル面を覆い閉空間を形成するとき前記開閉手
段が閉じることで、循環パージを行う際には閉空間を形
成することができ、かつ、吸引キャップが吸引パージ手
段としての機能も備え果たすことができる。
【0024】また、上記構成において好ましくは、前記
パージ制御手段は、前記循環パージを行う際に、前記閉
空間を形成する動作と、前記吸引パージ手段を動作して
前記印字ヘッドからインクを吸引する吸引パージを行う
動作とを前後して行うことで、閉空間を形成することに
よりノズル孔内のインクのメニスカスを維持してインク
の流速を速くすること、また、循環パージと吸引パージ
とでインクの流速を速くすることの相乗効果により、イ
ンク流路の壁面等に付着している気泡を除去しやすくで
きる。
【0025】請求項15の発明は、複数のノズル孔をノ
ズル面に開口し、各ノズル孔からインクを噴射する複数
のアクチュエータを備える印字ヘッドと、その複数のア
クチュエータに供給するインクを収容するインクタンク
と、そのインクタンクから供給されたインクを前記複数
のアクチュエータに分配するマニホールドと、前記イン
クタンクから前記マニホールドにインクを供給する第1
のインク流路と、前記マニホールドから前記インクタン
クにインクを回収する第2のインク流路と、前記インク
タンク、第1のインク流路、マニホールドおよび第2の
インク流路からなる循環流路においてインクを循環させ
ることによりその循環流路内の気泡を除く循環パージを
行う循環ポンプ手段と、印字停止時に前記印字ヘッドの
ノズル面を覆い、前記ノズル孔内のインクが乾燥するの
を防止する保存キャップ手段と、前記保存キャップ手段
にて前記印字ヘッドのノズル面を覆った状態で、前記循
環ポンプ手段を動作し前記循環パージを行うパージ制御
手段とを備えることを特徴とする。
【0026】この発明によれば、循環パージを行う際
に、保存キャップ手段にて印字ヘッドのノズル面を覆い
閉空間を形成することによって、前述の吸引キャップを
使用する場合と同様に、インクの流速を速めてパージ効
率の向上を図ることができる。特に、印字ヘッドのノズ
ル孔内のインクが乾燥するのを防止する保存キャップ手
段が循環パージの際の閉空間を形成することで、閉空間
を形成するために特別なキャップ装置を設ける必要がな
い。
【0027】請求項16の発明は、インクを噴射して印
字動作を行う複数のアクチュエータを有する印字ヘッド
と、その複数のアクチュエータに供給するインクを収容
するインクタンクと、そのインクタンクから供給された
インクを前記複数のアクチュエータに分配するマニホー
ルドと、前記インクタンクから前記マニホールドにイン
クを供給する第1のインク流路と、前記マニホールドか
らインクタンクにインクを回収する第2のインク流路
と、前記インクタンク、第1のインク流路、マニホール
ドおよび第2のインク流路からなる循環流路においてイ
ンクを循環させる循環ポンプ手段とを備え、前記循環ポ
ンプ手段により前記循環流路においてインクを循環させ
ることによりその循環流路内の気泡を除く循環パージを
行うインクジェット記録装置において、前記第2のイン
ク流路に設けられ、前記循環パージの際に前記第2のイ
ンク流路を連通する一方印字動作の際には前記第2のイ
ンク流路の連通を遮断するバルブ手段と、前記循環パー
ジを行う前段階又は前記循環パージが終了した後段階
に、前記バルブ手段にて第2のインク流路の流れを抑制
した状態とし、前記循環ポンプ手段を一定時間だけ駆動
する補助パージを行わせるパージ制御手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0028】ここで、「第2のインク流路の流れを抑制
した状態」とは、第2のインク流路におけるインクの流
れを完全に遮断するだけでなく、インク流路の断面積を
流路断面積よりも小さくなるように絞り込み、インクが
流れる量を少なくすることも含まれる。この発明によれ
ば、循環パージによって、インクタンクとマニホールド
との間でインクを循環させ、循環流路内の気泡を除く。
その循環パージの前段階又は循環パージが終了した後段
階に、パージ制御手段による制御にて、バルブ手段で第
2のインク流路の流れを抑制した状態として、前記循環
ポンプ手段を一定時間だけ駆動する補助パージが行われ
る。この補助パージにおいて、バルブ手段が、第2のイ
ンク流路においてインクの流れを抑制する抵抗となるの
で、第1のインク流路を含めて循環流路内の圧力が高め
られる。その結果、第1のインク流路の壁面や印字ヘッ
ドの圧力室等に付着している気泡がインクの流れによっ
て印字ヘッドのノズル孔から外部に押し出される。な
お、その動作後、通常のインクジェット記録装置におい
て吸引パージを行った場合と同様に、ワイパー部材等に
て印字ヘッドのノズル面を払拭することで、各ノズル内
にメニスカスが形成され、以降の印字性能に影響を与え
ない。
【0029】上記構成において好ましくは、前記印字ヘ
ッドのノズル面と対向するキャップを有するキャッピン
グ手段を備え、前記制御手段にて、前記補助パージを行
う際に、前記キャッピング手段を駆動し、前記キャップ
を前記ノズル面と対向することで、循環パージを行う前
段階又は循環パージが終了した後段階において、補助パ
ージによって、印字ヘッドのノズル孔を通じて気泡と共
に外部に押し出されるインクがキャップに受けられ、イ
ンクによる周囲の汚損が回避される。
【0030】また、上記構成において好ましくは、前記
バルブ手段が、開閉バルブで、前記補助パージを行う際
に、第2のインク流路の連通を遮断するものであり、循
環パージを行う前段階又は循環パージが終了した後段階
において、開閉バルブにて第2のインク流路の連通が遮
断され、循環ポンプ手段の一定時間だけの駆動により、
第1のインク流路内の圧力が効率よく高められる。
【0031】また、上記構成において好ましくは、前記
キャッピング手段が、印字ヘッドのノズル面と対向する
キャップおよびそのキャップよりインクを排出するポン
プを有し、前記制御手段が、前記補助パージを行う際
に、前記循環ポンプ手段の駆動に加えて、前記ポンプの
駆動を行わせることで、キャップからインクを排出する
ことができる。ここで、ポンプの駆動は、キャップより
インクを排出することができれば足り、循環ポンプ手段
が駆動している間、常時行われている必要はない。
【0032】さらに、上記構成において好ましくは、前
記キャッピング手段が、印字ヘッドのノズル面と対向す
るキャップおよびそのキャップよりインクを排出するポ
ンプを有し、前記制御手段が、前記補助パージを行う際
に、前記循環ポンプ手段を一定時間だけ駆動した後、前
記インクを排出するポンプの駆動することで第1のイン
ク流路内の圧力が高められ、インク流路の壁面等に付着
している気泡が除去されやすくなり、印字ヘッドのノズ
ルを通じて外部に押し出される。その後、ポンプの駆動
が行われ、キャップよりのインクの排出が行われる。こ
こで、前記ポンプを駆動させる時間は、キャップよりイ
ンクが排出されるように、例えば補助パージを終了する
直前の一定時間だけで足りる。
【0033】また、上記構成において好ましくは、前記
キャッピング手段が、印字停止時又は印字休止時に印字
ヘッドのノズル面を覆いノズル孔内のインクの乾燥を防
止する保存キャップを有する保存キャップ手段であるこ
とで、補助パージにために特別にキャップ手段を設ける
必要がない。
【0034】請求項22の発明は、インクを噴射して印
字動作を行う複数のアクチュエータを有する印字ヘッド
と、その複数のアクチュエータに供給するインクを収容
するインクタンクと、そのインクタンクから供給された
インクを前記複数のアクチュエータに分配するマニホー
ルドと、前記インクタンクから前記マニホールドにイン
クを供給する第1のインク流路と、前記マニホールドか
らインクタンクにインクを回収する第2のインク流路
と、前記インクタンク、第1のインク流路、マニホール
ドおよび第2のインク流路からなる循環流路においてイ
ンクを循環させる循環ポンプ手段とを備え、前記循環ポ
ンプ手段により前記循環流路においてインクを循環させ
ることによりその循環流路内の気泡を除く循環パージを
行うインクジェット記録装置において、前記第2のイン
ク流路に設けられ、前記循環パージの際に前記第2のイ
ンク流路の流れを抑制する一方印字の際には前記第2の
インク流路の連通を遮断するバルブ手段を備えることを
特徴とする。
【0035】この発明によれば、循環パージにおいて、
インクタンクとマニホールドとの間でインクを循環させ
て循環流路内の気泡を除くこととあわせて、一時的にバ
ルブ手段にて第2のインク流路の流れを抑制した状態と
して、インク流路の内の圧力を高め、インク流路の壁面
や印字ヘッドの圧力室等に付着している気泡をインクと
ともにノズルから押し出す。なお、印字が行われる際に
は、バルブ手段にて第2のインク流路の連通が遮断さ
れ、第1のインク流路をとおしてインクが供給され、印
字機能が損なわれることはない。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に沿って説明する。
【0037】図1は第1の実施の形態のインクジェット
記録装置の概略構成を示す。図1に示すように、印字ヘ
ッド1を備えるヘッドユニット2がキャリッジ3に搭載
されている。そして、前記印字ヘッド1およびキャリッ
ジ3の動作は、図示しないマイクロコンピュータによっ
て制御され、印字動作時には、印字媒体(図示せず)に
対し印字を行う印字エリアにおいてキャリッジ3が往復
移動すると共に、印字ヘッド1は、印字データに基づい
て複数のアクチュエータが選択的に駆動され、インクが
噴射されて印字が行われる一方、印字休止時には、キャ
リッジ3が印字エリア外の回復エリア内に移動するよう
になっている。印字ヘッド1は、通常の印字ヘッドと同
様に、後述するマニホールド11からインクが供給され
る複数の圧力室を備え、その圧力室内のインクにアクチ
ュエータにより噴射エネルギーを与えるものである。ア
クチュエータは、公知のように、圧電素子、電歪素子等
の撓みや、発熱素子による局部的なインクの沸騰を利用
して、インクを加圧噴射するものが用いられる。各圧力
室の噴射口即ちノズル孔は、印字ヘッド1の下面(ノズ
ル面)に開口している。
【0038】前記ヘッドユニット2は、印字ヘッド1の
上面に接着されたマニホールド11と、該マニホールド
11のインク流入口部11aに一端部が接続され他端部
にジョイント部材12が設けられた第1のヘッド側イン
クチューブ13と、前記マニホールド11のインク流出
口部11bに一端部が接続され他端部にジョイント部材
15が設けられた第2のヘッド側インクチューブ16と
を備える。マニホールド11のインク流入口部11aと
インク流出口部11bは、印字ヘッド1の全アクチュエ
ータの圧力室にわたって設けたインク溜まり部11cの
両端に連通されている。なお、前記インク流出口部11
bおよびジョイント部材12には、インク中のゴミを捕
捉するフィルタ部材14、17が設けられている。
【0039】一方、前記キャリッジ3には、ヘッドユニ
ット2が搭載された状態で、前記ジョイント部材12に
着脱可能に連結されるジョイント受け部材18が設けら
れている。
【0040】ジョイント受け部材18には、第1のタン
ク側インクチューブ23の一端部が接続され、そのチュ
ーブ23の他端はインクタンク21に接続されている。
チューブ23の途中には正逆回転可能なインク循環用ポ
ンプ22が設けられている。ジョイント部材15には、
第2のタンク側インクチューブ26の一端部が接続さ
れ、そのチューブ26の他端はインクタンク21に接続
されている。チューブ26の途中に開閉バルブ25が設
けられている。
【0041】インク循環用ポンプ22は、図示のもので
はチューブ23を可撓性のもので構成し、複数のローラ
等の押圧部材でそのチューブの一部をチューブの長手方
向に順次押しつぶすことで、インクを流動させる形式の
ものであるが、このほか公知の種々の形式のものが用い
られる。開閉バルブ25は、電磁石、モータ等によって
動作されもので、通常の印字が行われるときには閉じら
れ、循環ポンプ22が駆動されるときには開かれる。
【0042】両タンク側チューブ23、26は、インク
タンク21の底部両端に相互に離れて開口している。そ
の両チューブ23、26の開口部の間においてインクタ
ンク21内には、複数の仕切21aが設けられ、第2の
タンク側チューブ26からインクタンク21内に入った
インクは、仕切21aを迂回しながら蛇行して第1のタ
ンク側チューブ23へ流れる際に、インク中に含まれる
気泡を浮力により分離するようになっている。インクタ
ンク21は上面を大気に開口しており、分離した気泡を
放出することができる。
【0043】また、印字エリアの側方の回復エリアに
は、印字ヘッド1内のインクを吸引する吸引パージ装置
31が設けられている。吸引パージ装置31は、印字ヘ
ッド1のノズル面を覆う吸引キャップ32と、該吸引キ
ャップ32に吸引パイプ33を通じて接続される吸引用
ポンプ34と、吸引キャップ32を印字ヘッド1のノズ
ル面に対して接近および離隔する方向に移動する公知の
移動手段(図示せず)とを備え、公知のように吸引キャ
ップ32で印字ヘッドのノズル面を覆い、インクを吸引
してパージを行うものである。
【0044】前記インク循環用ポンプ22、開閉バルブ
25及び吸引パージ装置31には、マイクロコンピュー
タからなるパージ制御手段27が連係され、該パージ制
御手段27にて、インク循環用ポンプ22、開閉バルブ
25及び吸引パージ装置31の制御が行われ、インク内
に溜まった気泡を除去し印字ヘッド1の良好なインク噴
射状態を確保するようになっている。
【0045】上記のように構成すれば、印字ヘッド1に
インクを充填する際、パージ制御手段27による制御に
て、吸引キャップ32が移動手段(図示せず)により前
進せしめられて印字ヘッド1のノズル面を覆い、また開
閉バルブ25が開放されるととともに、インク循環用ポ
ンプ22が回転駆動される。これにより、インクは、イ
ンクタンク21から、第1のタンク側インクチューブ2
3、第1のヘッド側インクチューブ13を経て、マニホ
ールド11のインク溜まり部11cに供給され、第2の
ヘッド側インクチューブ16及び第2のタンク側インク
チューブ26を経て、前記インクタンク21に戻され
る。その後、開閉バルブ25が閉鎖されるともとに、イ
ンク循環用ポンプ22が第1のタンク側インクチューブ
23を閉塞しない状態で停止される。そして、吸引用ポ
ンプ34が駆動されることにより、インク溜まり部11
c内のインクが吸引キャップ32を通して吸引され、印
字ヘッドの各圧力室にインクが充填される。印字動作時
には、印字ヘッド1でのインク噴射による圧力低下によ
り、インクがインクタンク21から、第1のタンク側イ
ンクチューブ23、第1のヘッド側インクチューブ13
を経て供給される。
【0046】インクタンク21、第1のタンク側インク
チューブ23、第1のヘッド側インクチューブ13、マ
ニホールド11のインク溜まり部11c、第2のヘッド
側インクチューブ16、第2のタンク側インクチューブ
26、インクタンク21からなる循環流路の壁面等に付
着した気泡は、その循環流路に強制的にインクを流動さ
せることにより、除去される。
【0047】すなわち、循環パージが行われる際には、
パージ制御手段27による制御にて、インク循環用ポン
プ22が駆動されるとともに開閉バルブ25が開放さ
れ、インクタンク21から、第1のインク流路を構成す
る第1のタンク側インクチューブ23および第1のヘッ
ド側インクチューブ13を通じてマニホールド11のイ
ンク溜まり部11cにインクが供給され、該インク溜ま
り部11cから、第2のインク流路を構成する第2のヘ
ッド側インクチューブ16および第2のタンク側インク
チューブ26を通じて、インクタンク21に回収され
る。回収されたインクがインクタンク21内の仕切21
aを蛇行する間に、インク中に含まれる気泡が浮上して
大気に放出される。そして、気泡の少ないインクが、第
1のタンク側インクチューブ23を通じて印字ヘッド1
に供給されるように構成されている。
【0048】その循環パージを行う際に、インク循環用
ポンプ22の回転方向が短時間だけ変更され、そのイン
クの流れ方向の変更によって、インクチューブ23,1
3,16,26内の壁面等に付着している気泡に揺さぶ
りが与えられ、インクの流れによって気泡が除去されや
すい状態とされる。そのようなインクの流れ方向の制御
は、パージ制御手段27にてインク循環用ポンプ22の
回転方向を制御することで行われるが、その制御の態様
としては、例えば、インク循環用ポンプ22(毎分20
回転程度)を、通常インクが流れる順方向にインクが流
れるように20回転させ、その20回転後に逆方向に1
回転させ、それから、再び順方向に20回転させるとい
うことが繰り返し行われる。
【0049】このように、通常インクを流す順方向と逆
方向にインクを流すことにより、前記循環流路内のイン
クの流速に変化を生ぜしめ、インクの流速が大きく変化
することで、インク流路を形成するインクチューブ1
3,16,23,26の内壁面に付着している気泡に対
し揺さぶりが与えられ、それらの気泡が除去されやすい
状態とされる。また、インクを逆方向に流すのは、短時
間だけであるので、インクの流れによって除去された気
泡が、インク流路内において、逆戻りしたり、停滞した
りすることがなく、速やかに第2のインク流路16、2
6を通じてインクタンク21まで運ばれる。
【0050】特に、第1のタンク側インクチューブ23
に設けたインク循環用ポンプ22を利用して、インクを
流す方向を変更するようにしているので、それに近い第
1のタンク側インクチューブ23及びそれに連続する第
1のヘッド側インクチューブ13側において壁面等に付
着している気泡は効果的に揺すぶられ、除去されやすい
状態とされる。すなわち、このように、インク循環用ポ
ンプ22を利用することで、印字ヘッド1にインクを供
給する側のインクチューブ23,13内の壁面等に付着
している気泡を除去するのが有利となる。
【0051】また、インクの流れ方向を変化させて、イ
ンクの流速を大きく変化させるようにしているので、イ
ンク流路(インクチューブ13,16,23,26)内
の圧力をそれほど高めることもない。よって、印字ヘッ
ド1のノズル孔に形成されているインクのメニスカスを
破壊し、インクが漏れ出るということもない。
【0052】吸引パージ手段31は、公知のように印字
ヘッド1のノズル面に吸引キャップ32を密着させて印
字ヘッドの圧力室からインクを吸引することで、圧力室
内の気泡を除去するものであるが、この動作は、前述の
循環パージと独立に行ってもよいく、また、後述する実
施の形態のように循環パージと関連して行ってもよい。
【0053】図2と図3は、第2の実施の形態を示すも
のである。前記実施の形態と同一部分には同一の符号を
付してその説明を省略する。
【0054】本実施の形態では、循環されるインクに振
動を付与する振動付与手段41が設けられる。振動付与
手段41は、インク循環用ポンプ22の下流側に設けら
れ、例えば図3に示すように、インクチューブ23に当
接する当接部42aを有する動作部材すなわちカム部材
42を用い、該カム部材42に一体的に設けられたギヤ
部(図示せず)に噛み合うピニオン部材43と、該ピニ
オン部材43を回転駆動する駆動手段としてのステップ
モータ44とにより構成される。第1のタンク側インク
チューブ23は、カム部材42との間欠的な接触で振動
しやすいように、可撓性材料にてフレキシブルに形成さ
れている。
【0055】振動付与手段41は、循環パージを行う際
(たとえば1分間程度行われる)に、循環パージ開始後
に、パージ制御手段41による制御にてステップモータ
44が駆動されることで、カム部材42が1〜2回転さ
れ、当接部42aがインクチューブ23を間欠的に弾い
て振動を与え、循環しているインクに振動(揺さぶり)
を付与するようになっている。
【0056】循環パージは、前述の実施の形態と同様に
インク循環ポンプ22を駆動し、開閉バルブ25を開放
した状態で、インクタンク21、第1のタンク側インク
チューブ23、第1のヘッド側インクチューブ13、マ
ニホールド11のインク溜まり部11c、第2のヘッド
側インクチューブ16、第2のタンク側インクチューブ
26、インクタンク21からなる循環流路にインクを強
制循環させて行う。その循環パージを行う際に、インク
循環用ポンプ22の下流側でカム部材42が間欠的にフ
レキシブルなインクチューブ23に接触し、インクチュ
ーブ23を振動させ、インクチューブ23内の壁面等に
付着している気泡に揺さぶりが与えられ、インクの流れ
によって気泡が除去されやすい状態とされる。そして、
インクの流れによって除去された気泡は、インクの流れ
と共にインクタンク21に回収され、分離される。
【0057】特に、第1のタンク側インクチューブ23
に振動を付与するようにしているので、印字ヘッド1へ
のインク供給側となる、第1のタンク側インクチューブ
23およびそれに連続する第1のヘッド側インクチュー
ブ13側において壁面等に付着している気泡が効果的に
揺すぶられ、除去されやすい状態とされる。すなわち、
このように、インク循環用ポンプ22の下流側において
振動を付与することで、印字ヘッド1にインクを供給す
る側のインクチューブ23,13内の壁面等に付着して
いる気泡を効果的に除去し、戻り側のインクチューブ1
6,26を通してその気泡を回収することができる。そ
の結果、印字動作中に、印字ヘッド1に供給するインク
内の気泡をきわめて少なくすることができ、気泡による
印字不能をなくすことができる。
【0058】また、循環するインクに振動を付与するこ
とで、付着している気泡に揺さぶりを与えるようにして
いるので、インク流路(インクチューブ13,16,2
3,26)内の圧力をそれほど高めることもない。よっ
て、印字ヘッド1のノズル孔に形成しているメニスカス
を破壊し、インクが漏れ出るということもない。
【0059】なお、前記実施の形態においては、振動付
与手段41として、カム部材42をステップモータ44
にて回転駆動することで振動を付与するようにしたもの
を用いているが、そのほか、例えば、カム部材を一定角
度範囲において揺動させるようにすることもできる。こ
のようにすれば、回転させる場合に比べて、必要スペー
スが少なくなり、省スペースを図る上で有利となる。ま
た、カム部材を設けることなく、キャリッジに当接部を
設け、キャリッジを移動させることで当接部にてインク
チューブを弾き、振動を付与するようにすることも可能
であるし、また、市販の各種のバイブレータを使用する
こともできる。本発明の第3の実施の形態は、パージ制
御手段27により循環パージの実行とともに吸引パージ
も実行するもので、図示すると図1と同様になる。
【0060】印字休止時において、キャリッジ3が印字
エリアから回復エリアに移動した状態で、循環パージが
行われる際には、前述の実施の形態と同様に、パージ制
御手段27による制御にて、開閉バルブ25が開放され
ると共に、インク循環用ポンプ22が回転駆動され、イ
ンクタンク21から、第1のタンク側インクチューブ2
3、第1のヘッド側インクチューブ13、マニホールド
11のインク溜まり部11c、第2のヘッド側インクチ
ューブ16及び第2のタンク側インクチューブ26を経
て、前記インクタンク21にインクが戻るようにインク
が強制的に流される。そしてチューブ内壁面に付着して
いる気泡はインクの流れとともにインクタンク21に運
ばれ分離される。
【0061】それに加えて、その循環パージを行う際
に、パージ制御手段27による制御にて、循環パージの
最初から一定時間だけ、吸引パージ装置31が駆動せし
められて、前記循環パージに併せて吸引パージを行うよ
うになる。すなわち、循環パージが開始されると同時
に、吸引キャップ32が図示しない移動手段により前進
せしめられて印字ヘッド1のノズル面を覆い、その状態
で、吸引用ポンプ34が駆動されて、吸引キャップ32
を通じて印字ヘッド1内の気泡をインクとともに吸引す
る吸引パージが行われ、それから、一定時間経過後、吸
引ポンプ34の駆動が停止され、吸引キャップ32が後
退せしめられる。このようにパージ制御手段27による
制御により、循環パージの最初から一定時間だけ、吸引
パージが併用されるので、循環流路内だけでなく、印字
ヘッドの圧力室の気泡が除去される。また、循環パージ
と吸引パージとの相乗効果により、第1のタンク側イン
クチューブ23、第1のヘッド側インクチューブ13内
の流速が高められる。そのようにインクの流速が速まる
ことで、インクチューブ13、23の内壁面に付着して
いる気泡が除去されやすくなる。なお、キャリッジ3が
印字エリアに戻る際には、インクの噴射不良回復のため
の通常の吸引パージが終了した場合と同様に、ワイパー
部材(図示せず)にて印字ヘッド1のノズル面がワイピ
ングされ、印字ヘッド1の各ノズル内でインクのメニス
カスが形成される。
【0062】よって、第1のヘッド側インクチューブ1
3及び第1のタンク側インクチューブ23側において付
着している気泡が印字ヘッド1に供給されるという事態
が回避され、良好な印字状態が確保される。
【0063】また、循環パージの際に行う吸引パージ装
置31による吸引パージは、循環パージの最初から一定
時間だけ行われるだけであり、通常の吸引パージの場合
よりも吸引されるインク量は少ないので、循環パージに
吸引パージを併用することでインクが無駄に消費される
ということもない。さらに、最初の部分において前述の
ように流速が速められることで、早期に気泡が除去され
やすくなり、全体の気泡除去が短時間に行われる。
【0064】また、本実施の形態においては、循環パー
ジに併用する吸引パージ手段としては、通常の吸引パー
ジを行う吸引パージ手段を利用しているが、本発明はそ
れに限定されるものではなく、循環パージを行う際の吸
引パージのみを行う専用の吸引パージ手段を、前記通常
の吸引パージ手段とは別に設けることもできる。
【0065】図4は、第4の実施の形態を示すものであ
る。本実施の形態は、印字ヘッドのノズル面と吸引キャ
ップとの間に閉空間を形成することによって、循環パー
ジを行う際のインクの流速を速くすることができるよう
にしている。
【0066】具体的には、吸引パージ手段31のパイプ
33に開閉手段たとえばバルブ35が設けられ、その吸
引パージ装置31および開閉手段35は、インク循環ポ
ンプ22および開閉バルブ25とともに、パージ制御手
段27に連係されている。パージ制御手段27は、イン
クの噴射不良の場合に行われる通常のパージ動作のほ
か、循環流路内の気泡を除く循環パージを行う際に、吸
引キャップ32が印字ヘッドのノズル面を覆うとき開閉
手段35が閉じて、吸引キャップ32とノズル面との間
に閉空間を形成するようになっている。
【0067】前述の実施の形態のように印字ヘッド1に
インクを充填する際、および印字ヘッドの圧力室内のイ
ンクを吸引する際には、吸引用ポンプ34の駆動を有効
にするために、パージ制御手段27による制御にて、開
閉手段35は開放される。
【0068】インクチューブ23,13,16,26
(特にインク供給側となるインクチューブ23,13)
内の壁面等に付着している気泡を除くために、循環パー
ジが行われる際には、まず、キャリッジ3が印字エリア
から回復エリアに移動して印字休止状態とされる。それ
から、パージ制御手段27による制御にて、インク循環
用ポンプ22が駆動されると共に開閉バルブ25が開放
され、インクタンク21から、第1のタンク側インクチ
ューブ23、第1のヘッド側インクチューブ13、マニ
ホールド11のインク溜まり部11c、第2のヘッド側
インクチューブ16及び第2のタンク側インクチューブ
26を経て、前記インクタンク21にインクが戻るよう
にインクが強制的に流され、チューブ内壁面に付着して
いる気泡はインクとともにインクタンク21に運ばれ、
除去される。
【0069】それに加えて、循環パージを行う際に、パ
ージ制御手段27による制御にて、吸引パージ装置31
の吸引キャップ32で印字ヘッド1のノズル面を覆うと
ともに開閉手段35が閉じられ、ノズル面と吸引キャッ
プ23との間の空間が密閉空間とされる。開閉手段35
が閉じられるのは、キャップ23が前進する際その内の
空気が印字ヘッドのノズル内に押し込められないよう
に、密閉空間を形成するのと同時またはその直後である
ことが望ましい。これにより、循環流路内のインクの流
速を、インクチューブ13,16,23,26の内壁面
に付着している気泡が除去されやすくなる程度に高めて
も、上記密閉空間内の空気がその圧力に対抗するので、
ノズル内のインクのメニスカスが破壊されることがな
く、インクが漏れ出るおそれがない。特に、吸引キャッ
プ23は公知のようにゴム等の弾性材料で製作されてい
るから、ノズル面に少し強く当てることで圧縮され、そ
れにともない上記密閉空間も圧力がわずか上昇して、循
環流路内のインクの流速を一層高めてもインクのメニス
カスを破壊することがなくなる。
【0070】キャリッジ3が循環パージ後に印字エリア
に戻る際には、インクの噴射不良回復のための通常の吸
引パージの場合とは異なり、ワイパー部材(図示せず)
にて印字ヘッド1のノズル面をワイピングすることを省
略することもできる。
【0071】よって、第1のヘッド側インクチューブ1
3及び第1のタンク側インクチューブ23側において付
着している気泡が印字ヘッド1に供給されるという事態
が回避され、良好な印字状態が確保される。
【0072】また、循環パージを行う際に、吸引パージ
装置31による吸引パージを行うのではなく、吸引キャ
ップ32にて印字ヘッド1のノズル面を覆っているだけ
であるので、気泡を除くためにインクが無駄に消費され
るということもない。
【0073】本発明の第5の実施の形態は、上記の密閉
空間を形成するのに保存キャップを利用する。図示しな
いが図4において吸引ポンプ34、開閉手段35、パイ
プ33を省略し、吸引キャップ32を保存キャップに置
き換えたものである。保存キャップは、公知のように印
字ヘッドのノズル面に密着してノズル孔内のインクが乾
燥するのを防止するもので、空気の漏れがなく、上記密
閉空間を形成するには好適な部品である。循環パージに
おいて、第4の実施の形態とは開閉手段35の制御がな
くなるだけで、実質的に同様の作用を奏する。
【0074】本発明の第6の実施の形態は、循環流路内
の圧力を高め第1のインク流路の壁面や印字ヘッドの圧
力室等に付着している気泡をインクの流れによって印字
ヘッドのノズル孔から外部に押し出すものである。図示
すると図1と同様になる。
【0075】本実施の形態の吸引パージ装置31は、パ
ージ制御手段27に連係され、インクの噴射不良の場合
に行われる吸引パージ動作のほか、後述する補助パージ
において印字ヘッド1のノズル孔から押し出されたイン
クを受け、排出する機能も行う。
【0076】すなわち、前述の実施の形態の循環パージ
を行う前段階又は前記循環パージが終了した後段階にお
いて、開閉バルブ25を閉じた状態で、インク循環用ポ
ンプ22を駆動する補助パージを行うことで、インクチ
ューブ23,13内の圧力を高め、インク流路の壁面等
に付着している気泡が除去されやすくし、その除去され
た気泡が印字ヘッド1のノズル孔を通じて外部に押し出
されるようにしている。その際、そのインクによる周囲
の汚損を防止するために、吸引パージ装置31を駆動し
て、押し出されるインクを吸引キャップ32で受けるよ
うになっている。この場合、吸引キャップ32は、印字
ヘッドのノズル面に密着している必要はなく、対向して
いるだけでもよい。
【0077】印字ヘッド1にインクを充填する動作、お
よび印字ヘッドの圧力室内のインクを吸引する吸引パー
ジは、第1の実施の形態と同様に行われる。
【0078】印字休止時において、循環パージが行われ
る際には、キャリッジ3が印字エリアから回復エリアに
移動した状態で、第1の実施の形態と同様に循環流路に
おいてインクが強制的に流され、その循環路中の気泡は
インクとともにインクタンク21に運ばれ、除去され
る。
【0079】それに加えて、循環パージを行う前段階又
は循環パージが終了した後段階に、開閉バルブ25にて
第2のインクチューブ26の連通が遮断され、その状態
で、循環ポンプ22が一定時間だけ駆動される補助パー
ジが行われる。この補助パージによって、第1のヘッド
側インクチューブ13および第1のタンク側インクチュ
ーブ23のインク流路内の圧力が高められ、インク流路
の壁面等に付着している気泡が、循環パージを行うより
もさらに除去されやすくなる。その結果、インク流路の
壁面および圧力室内の気泡は、インクとともに印字ヘッ
ド1のノズル孔から外部に押し出される。このとき、印
字ヘッド1のノズル面は、吸引キャップ32にて覆われ
ており、押し出されたインクは、吸引キャップ32から
パイプ33を経て排出される。このとき、吸引キャップ
32からインク排出のために吸引ポンプ34を駆動す
る。
【0080】これによって、循環パージと補助パージと
の相乗効果により、第1のタンク側インクチューブ2
3、第1のヘッド側インクチューブ13の内壁面やマニ
ホールド11のインク溜まり部11c、印字ヘッドの圧
力室に付着している気泡が効果的に除去され、気泡が印
字ヘッド1の圧力室を閉塞したり、アクチュエータによ
る圧力を吸収してしまうという事態が回避され、良好な
印字状態が確保される。
【0081】なお、循環パージを行う前段階又は循環パ
ージが終了した後段階における補助パージを繰り返すこ
ともできる。すなわち、循環パージが終了した後段階に
おいて補助パージを行い、それから再度循環パージを行
うようにすることもできる。
【0082】前記実施の形態においては、循環パージを
行う前段階又は前記循環パージが終了した後段階におい
て、補助パージを行う際に、開閉バルブにて第2のイン
ク流路の連通を遮断して、前記循環ポンプを一定時間だ
け駆動するようにしているが、本発明はそれに限定され
るものではなく、インク流路内の圧力を高めれば、壁面
等の付着している気泡が離れやすくなることから、例え
ば開閉バルブに代えて、絞り部を有する弁回路を用い、
補助パージを行う際に、第2のインク流路におけるイン
クの流れを絞り、第2のインク流路の流れを抑制するこ
とでインク流路内の圧力を高めるようにすることもでき
る。なお、この場合においても、弁回路は、印字動作を
行う際には、第2のインク流路の連通を遮断して、印字
動作を阻害しないようにする必要がある。
【0083】本実施の形態においては、キャッピング手
段として、通常の吸引パージを行う吸引パージ手段を利
用しているが、本発明はそれに限定されるものではな
い。すなわち、積極的の吸引を行わせなくても、少なく
とも押し出されたインクを周囲を汚染することなく処理
できればよいので、補助パージを行う際に印字ヘッドの
ノズル面をキャップにて覆う専用のキャッピング手段
を、前記通常の吸引パージ手段とは別に設けることもで
きる。そのほか、印字停止時又は印字休止時に印字ヘッ
ドのノズル面を覆いノズル面の乾燥を防止する保存キャ
ップを有する保存キャップ手段を利用することもでき
る。それらの場合であっても、キャップ内のインクを排
出するポンプを設け、循環ポンプを一定時間だけ駆動し
た後、漏れ出たインクを排出するために、前記ポンプの
駆動して、キャップを利用してインクを排出させるよう
にすることも可能である。また、ノズルから押し出され
たインクを多孔質材、容器等に直接受けるようにしても
差し支えない。
【0084】なお、前記各実施の形態においては、キャ
リッジを、印字エリアにおいて印字媒体に沿って往復移
動させながら印字媒体に印字を行うインクジェット記録
装置に適用したものについて説明したが、本発明は、そ
れに限定されるものではなく、キャリッジが媒体に沿っ
て移動しないものにも適用することができる。
【0085】また、インクタンク21には、そのインク
タンク内のインクの減少にともなってインクを補給する
大容量のメインタンクを接続するようにしてもよい。
【0086】各実施の形態は、それぞれ単独に実施する
だけでなく、任意に組み合わせて実施するすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第3および第6の実施形態のイ
ンクジェット記録装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態のインクジェット記録
装置の概略構成を示す図である。
【図3】第2の実施形態の振動付与手段を拡大した図で
ある。
【図4】本発明の第4の実施形態のインクジェット記録
装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 印字ヘッド 2 ヘッドユニット 3 キャリッジ 11 マニホールド 13 第1のヘッド側インクチューブ 16 第2のヘッド側インクチューブ 21 インクタンク 22 インク循環用ポンプ 23 第1のタンク側インクチューブ 25 第2のタンク側インクチューブ 26 パージ制御手段 31 吸引パージ装置 32 吸引キャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平10−25289 (32)優先日 平成10年2月6日(1998.2.6) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−126552 (32)優先日 平成10年5月11日(1998.5.11) (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを噴射して印字動作を行う複数の
    アクチュエータを有する印字ヘッドと、 その複数のアクチュエータに供給するインクを収容する
    インクタンクと、 そのインクタンクから供給されたインクを前記複数のア
    クチュエータに分配するマニホールドと、 前記インクタンクから前記マニホールドにインクを供給
    する第1のインク流路と、 前記マニホールドから前記インクタンクにインクを回収
    する第2のインク流路と、 前記インクタンク、第1のインク流路、マニホールドお
    よび第2のインク流路からなる循環流路においてインク
    を循環させることによりその循環流路内の気泡を除く循
    環パージを行うインク循環手段とを備えるインクジェッ
    ト記録装置において、 前記インク循環手段は、前記循環パージを行う際に、前
    記循環流路内のインクの流れ方向を変更可能であること
    を特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記インク循環手段は、前記第1のイン
    ク流路に設けられた正逆回転可能なインク循環用ポンプ
    であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット
    記録装置。
  3. 【請求項3】 前記インク循環手段は、前記循環パージ
    を行う際に、通常インクを循環する順方向に流す時間よ
    りも短時間だけ、その順方向と逆方向にインクを流すも
    のであることを特徴とする請求項1または2記載のイン
    クジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 インクを噴射して印字動作を行う複数の
    アクチュエータを有する印字ヘッドと、 その複数のアクチュエータに供給するインクを収容する
    インクタンクと、 そのインクタンクから供給されたインクを前記複数のア
    クチュエータに分配するマニホールドと、 前記インクタンクから前記マニホールドにインクを供給
    する第1のインク流路と、 前記マニホールドから前記インクタンクにインクを回収
    する第2のインク流路とを備え、 前記インクタンク、第1のインク流路、マニホールドお
    よび第2のインク流路からなる循環流路においてインク
    を循環させることによりその循環流路内の気泡を除く循
    環パージを行うインクジェット記録装置において、 前記循環パージを行う際に、循環されるインクに振動を
    付与する振動付与手段を備えることを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記振動付与手段は、前記第1のインク
    流路に設けられていることを特徴とする請求項4記載の
    インクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記第1または第2のインク流路は、フ
    レキシブルなチューブにて構成され、 前記振動付与手段は、前記チューブに振動を付与するも
    のであることを特徴とする請求項4記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  7. 【請求項7】 前記インクチューブには、インク循環用
    ポンプが設けられ、 前記振動付与手段は、前記インク循環用ポンプの下流側
    に設けられインクチューブに間欠的に接触する動作部材
    であることを特徴とする請求項6記載のインクジェット
    記録装置。
  8. 【請求項8】 前記動作部材は、回転駆動されるカム部
    材で、循環パージ開始後、1〜2回転されるものである
    ことを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装
    置。
  9. 【請求項9】 複数のノズル孔をノズル面に開口し、各
    ノズル孔からインクを噴射する複数のアクチュエータを
    備える印字ヘッドと、 その複数のアクチュエータに供給するインクを収容する
    インクタンクと、 そのインクタンクから供給されたインクを前記複数のア
    クチュエータに分配するマニホールドと、 前記インクタンクから前記マニホールドにインクを供給
    する第1のインク流路と、 前記マニホールドから前記インクタンクにインクを回収
    する第2のインク流路と、 前記インクタンク、第1のインク流路、マニホールドお
    よび第2のインク流路からなる循環流路においてインク
    を循環させることによりその循環流路内の気泡を除く循
    環パージを行う循環ポンプ手段と、 前記印字ヘッドのノズル面を覆う吸引キャップを有し、
    前記印字ヘッドよりインクを吸引する吸引パージを行う
    吸引パージ手段と、 前記循環ポンプ手段を動作してインクを循環させる前記
    循環パージを行う際に、吸引パージ手段を動作して吸引
    パージを行わせるパージ制御手段とを備えることを特徴
    とするインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記パージ制御手段は、前記循環パー
    ジのうち一定時間だけ、前記吸引パージ手段に吸引パー
    ジを行わせるものであることを特徴とする請求項9記載
    のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記パージ制御手段は、前記循環パー
    ジの最初から一定時間だけ、前記吸引パージ手段に吸引
    パージを行わせるものであることを特徴とする請求項1
    0記載のインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 複数のノズル孔をノズル面に開口し、
    各ノズル孔からインクを噴射する複数のアクチュエータ
    を備える印字ヘッドと、 その複数のアクチュエータに供給するインクを収容する
    インクタンクと、 そのインクタンクから供給されたインクを前記複数のア
    クチュエータに分配するマニホールドと、 前記インクタンクから前記マニホールドにインクを供給
    する第1のインク流路と、 前記マニホールドから前記インクタンクにインクを回収
    する第2のインク流路と、 前記インクタンク、第1のインク流路、マニホールドお
    よび第2のインク流路からなる循環流路においてインク
    を循環させることによりその循環流路内の気泡を除く循
    環パージを行う循環ポンプ手段と、 前記印字ヘッドのノズル面を覆う吸引キャップを有し、
    前記印字ヘッドよりインクを吸引する吸引パージを行う
    吸引パージ手段と、 前記循環パージを行う際に、前記印字ヘッドのノズル面
    を前記吸引キャップにより覆って前記ノズル面と前記吸
    引キャップとの間に閉空間を形成するパージ制御手段と
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  13. 【請求項13】 前記吸引キャップは、開閉手段に連係
    され、 前記吸引キャップが印字ヘッドのノズル面を覆い閉空間
    を形成するとき、前記開閉手段が閉じることを特徴とす
    る請求項12記載のインクジェット記録装置。
  14. 【請求項14】 前記パージ制御手段は、前記循環パー
    ジを行う際に、前記閉空間を形成する動作と、前記吸引
    パージ手段を動作して前記印字ヘッドからインクを吸引
    する吸引パージを行う動作とを前後して行うことを特徴
    とするインクジェット記録装置。
  15. 【請求項15】 複数のノズル孔をノズル面に開口し、
    各ノズル孔からインクを噴射する複数のアクチュエータ
    を備える印字ヘッドと、 その複数のアクチュエータに供給するインクを収容する
    インクタンクと、 そのインクタンクから供給されたインクを前記複数のア
    クチュエータに分配するマニホールドと、 前記インクタンクから前記マニホールドにインクを供給
    する第1のインク流路と、 前記マニホールドから前記インクタンクにインクを回収
    する第2のインク流路と、 前記インクタンク、第1のインク流路、マニホールドお
    よび第2のインク流路からなる循環流路においてインク
    を循環させることによりその循環流路内の気泡を除く循
    環パージを行う循環ポンプ手段と、 印字停止時に前記印字ヘッドのノズル面を覆い、前記ノ
    ズル孔内のインクが乾燥するのを防止する保存キャップ
    手段と、 前記保存キャップ手段にて前記印字ヘッドのノズル面を
    覆った状態で、前記循環ポンプ手段を動作し前記循環パ
    ージを行うパージ制御手段とを備えることを特徴とする
    インクジェット記録装置。
  16. 【請求項16】 インクを噴射して印字動作を行う複数
    のアクチュエータを有する印字ヘッドと、 その複数のアクチュエータに供給するインクを収容する
    インクタンクと、 そのインクタンクから供給されたインクを前記複数のア
    クチュエータに分配するマニホールドと、 前記インクタンクから前記マニホールドにインクを供給
    する第1のインク流路と、 前記マニホールドからインクタンクにインクを回収する
    第2のインク流路と、 前記インクタンク、第1のインク流路、マニホールドお
    よび第2のインク流路からなる循環流路においてインク
    を循環させる循環ポンプ手段とを備え、 前記循環ポンプ手段により前記循環流路においてインク
    を循環させることによりその循環流路内の気泡を除く循
    環パージを行うインクジェット記録装置において、 前記第2のインク流路に設けられ、前記循環パージの際
    に前記第2のインク流路を連通する一方印字動作の際に
    は前記第2のインク流路の連通を遮断するバルブ手段
    と、 前記循環パージを行う前段階又は前記循環パージが終了
    した後段階に、前記バルブ手段にて第2のインク流路の
    流れを抑制した状態とし、前記循環ポンプ手段を一定時
    間だけ駆動する補助パージを行わせるパージ制御手段と
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  17. 【請求項17】 さらに、前記印字ヘッドのノズル面と
    対向するキャップを有するキャッピング手段を備え、前
    記パージ制御手段にて、前記補助パージを行う際に、前
    記キャッピング手段を駆動し、前記キャップ前記ノズル
    面と対向する位置とすることを特徴とする請求項16記
    載のインクジェット記録装置。
  18. 【請求項18】 前記バルブ手段は、開閉バルブで、前
    記補助パージを行う際に、第2のインク流路の連通を遮
    断するものであることを特徴とする請求項16記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  19. 【請求項19】 前記キャッピング手段は、前記アクチ
    ュエータの動作によりインクを噴射するノズル孔が開口
    する印字ヘッドのノズル面と対向するキャップおよびそ
    のキャップよりインクを排出するポンプを有し、前記パ
    ージ制御手段は、前記補助パージを行う際に、前記循環
    ポンプ手段の駆動に加えて、前記ポンプの駆動を行わせ
    るものであることを特徴とする請求項17記載のインク
    ジェット記録装置。
  20. 【請求項20】 前記キャッピング手段は、前記アクチ
    ュエータの動作によりインクを噴射するノズル孔が開口
    する印字ヘッドのノズル面と対向するキャップおよびそ
    のキャップよりインクを排出するポンプを有し、前記パ
    ージ制御手段は、前記補助パージを行う際に、前記循環
    ポンプ手段を一定時間だけ駆動した後、前記ポンプの駆
    動を行わせるものであるところの請求項17記載のイン
    クジェット記録装置。
  21. 【請求項21】 前記キャッピング手段は、印字停止時
    又は印字休止時に印字ヘッドのノズル面を覆いノズル孔
    内のインクの乾燥を防止する保存キャップを有する保存
    キャップ手段であるところの請求項17記載のインクジ
    ェット記録装置。
  22. 【請求項22】 インクを噴射して印字動作を行う複数
    のアクチュエータを有する印字ヘッドと、 その複数のアクチュエータに供給するインクを収容する
    インクタンクと、 そのインクタンクから供給されたインクを前記複数のア
    クチュエータに分配するマニホールドと、 前記インクタンクから前記マニホールドにインクを供給
    する第1のインク流路と、 前記マニホールドからインクタンクにインクを回収する
    第2のインク流路と、 前記インクタンク、第1のインク流路、マニホールドお
    よび第2のインク流路からなる循環流路においてインク
    を循環させる循環ポンプ手段とを備え、 前記循環ポンプ手段により前記循環流路においてインク
    を循環させることによりその循環流路内の気泡を除く循
    環パージを行うインクジェット記録装置において、 前記第2のインク流路に設けられ、前記循環パージの際
    に前記第2のインク流路の流れを抑制する一方印字の際
    には前記第2のインク流路の連通を遮断するバルブ手段
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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