JP2005047055A - 液滴吐出ヘッド用キャップ - Google Patents

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Abstract

【目的】吸引シーケンス後に吐出口面に残留する液体の量を減少させ、吸引シーケンス後のワイピング処理の際に残留液体が飛散したり、ワイピングに使用したワイパー等に付着した液体が増粘して次回のワイピング処理の際にワイピング不良を起こすような不具合を防止する。
【構成】液滴吐出ヘッド用キャップ2100の略四角形の底部2110の隣り合う二角2113、2114の近傍に、キャップ内空間250を大気と連通させるための大気連通口2103、2104を設ける。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置等における液滴吐出ヘッドの吐出機能を回復維持するのに好適な液滴吐出ヘッド用キャップ及び該キャップを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、インクジェット記録ヘッド等の液滴吐出ヘッドは広く研究されており、インクジェット記録装置等に搭載されて一般に普及している。インクジェット記録ヘッド等の液滴吐出ヘッドにおいては、吐出口面に形成された吐出口(ノズル口)からの液体(インク中溶媒等)の蒸発によって吐出口近傍の液体粘度が上昇したり、吐出口(ノズル口)に紙粉等の異物が付着したりすると、液滴が正常に吐出しない、いわゆる不吐出や、液滴の吐出方向が偏向する、いわゆるヨレといった不具合が発生することがある。
【0003】
そのため、インクジェット記録装置には、吐出口からの液体滴(インク中溶媒等)の蒸発を抑えるための液滴吐出ヘッド用キャップや、増粘してしまった液体(インク)を吐出口から吸引排出するための吸引手段や、吐出口面に付着した液体や紙粉等の異物を掃拭除去(ワイピング)するためのワイピング手段などを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置が装着されている。
【0004】
図10は一般的な液滴吐出ヘッド用キャップの図11中の矢印V方向から見た模式的平面図であり、図11は図10中の線11−11に沿って見た液滴吐出ヘッド用キャップを液滴吐出ヘッドと共に示す模式的縦断面図である。図10及び図11において、100は液滴吐出ヘッドとしてのインクジェット記録ヘッドであり、101はヘッド100の吐出口(ノズル口)が配された吐出口面であり、210は吐出口面101との密着性を確保するために一般的にはゴム等の弾性材料で形成された液滴吐出ヘッド用キャップである。前記液滴吐出ヘッド用キャップ210は底部211を有している。
【0005】
前記液滴吐出ヘッド用キャップ210は、カムやモータ等から成る周知のキャップ駆動手段により、図11中の両矢印G方向(吐出口面101に対して当接・離間する方向)に移動可能なように構成されており、図11に示すような吐出口面101に当接するキャッピングポジションと該吐出口面101から離間した不図示の離間ポジションとの間を往復移動することができる。
キャップ210の底部211には吸引口212が設けられており、この吸引口212に接続された吸引チューブ220には吸引手段(負圧発生源)としての吸引ポンプ225が接続されている。吸引ポンプ225は、キャップ210が上記キャッピングポジションに位置しているときに、吸引口212を介してキャップ210と吐出口面101との間に形成されるキャップ内空間250を負圧にするための吸引動作を行う。
【0006】
また、キャップ210の底部211には大気連通口213が設けられており、この大気連通口213に接続された大気連通チューブ230には大気連通制御手段としての大気連通弁235が接続されている。この大気連通弁235は大気連通口213を介して上記キャップ内空間250を大気と連通させるか否かを制御するためのものである。なお、液滴吐出ヘッド(インクジェット記録ヘッド)100の吐出口面101に形成された不図示の吐出口(例えば、所定の配列を成して形成された複数の吐出口、吐出口列)は、キャップ210によってキャッピングされる位置に配設されている。また、多くの場合、図10及び図11に示すように、キャップ内空間250にはインク吸収性の多孔質材から成る吸収体240が配設されている。
【0007】
次に、上述のように構成された液滴吐出ヘッド用キャップ210を備えた一般的な液滴吐出ヘッド用回復装置の吸引シーケンスについて簡単に説明する。
吸引シーケンスを実行する際は、先ず、キャップ210を上記離間ポジションに位置させて、液滴吐出ヘッド100をキャップ210と対向する位置まで移動させてくる。次に、上記キャップ駆動手段によって、キャップ210を上記キャッピングポジションにまで移動させる。その後、大気連通弁235を閉じる。そして、吸引ポンプ225を動作させることによりキャップ内空間250を負圧にする。
【0008】
すると、インクジェット記録ヘッド100の吐出口(ノズル口)からインクが吸引排出される。吐出口から吸引排出されてきたインクは、一旦インク吸収体240内に吸収されるが、すぐさま、吸引ポンプ225の吸引作用によって吸引ポンプ225内に吸引される。その後、大気連通弁235を開いてキャップ内空間250を大気と連通させる。この場合、多くの回復装置では、大気連通弁235を開放した後にも吸引ポンプ225を動作させることにより、キャップ内空間250(特にインク吸収体240内)に吸収されているインクを吸引ポンプ225内に吸引することが行われる。そして、最後に、上記キャップ駆動手段によってキャップ210を上記離間ポジションにまで移動させる。なお、吸引ポンプ225内に吸引されたインクは、吸引ポンプ225のポンプ内インク排出動作によって、回復装置外へと排出される(図11中の矢印W参照)。
【0009】
以上が上述のように構成された回復装置の一般的な吸引シーケンスであるが、このような吸引シーケンスを実行すると、多くの場合、吐出口から吸引排出されたインクの一部が吐出口面(ノズル口面)101に残ってしまう。そして、吐出口面101に残ったインクが吐出口を覆ってしまうようなことがあると、上述したような液滴吐出(インク吐出)における不吐出やヨレといった不具合が発生してしまうことがある。そこで、このような不具合を回避するために、多くのインクジェット記録装置では、吸引シーケンスを実行した後に吐出口面(ノズル口面)101に残ったインクを不図示のワイピング手段を用いてワイピングすることによって、上記不吐出やヨレといった不具合の発生を防止するようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では、デジタルカメラ等で撮影した画像をA6サイズ等の比較的小さな用紙にプリントすることを主な用途とする、かなり小型のインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)が製品化されるようになってきている。このようなプリンタにおいては、製品を小型化するために、製品内に収容しておくインクの量をできるだけ少量にすることが要求される。従って、必然的に、上述したような吸引シーケンスによって吐出口から吸引排出されるインクの量についても、できるだけ少量に抑えることが要請される。
【0011】
このような要求に対しては、例えば、吸引口212と吸引ポンプ225の間の吸引チューブ220に負圧チャージ弁(負圧導入用開閉弁)を設け、該負圧チャージ弁を閉じた状態で吸引ポンプ225を動作させることによって予め負圧を蓄えておき、その後負圧チャージ弁を開いて蓄えられた絶対値の大きい負圧(以下、単に、高い負圧あるいは高負圧と称する)を一気にキャップ内空間250に作用(導入)させると共に、ごく短時間の後に大気連通弁235を開くという吸引シーケンス(以下、高負圧吸引と称する)を実行することが有効である。その理由は、このような吸引シーケンス(高負圧吸引)によれば、高い負圧をごく短時間キャップ内空間250に作用させることで、吐出口から吸引されるインクの量を低減させつつ、吐出口近傍の増粘してしまったインクや吐出口内の気泡等を効果的に吸引除去することが可能になる点にある。
【0012】
しかしながら、上述したような一般的な液滴吐出ヘッド用回復装置において高負圧吸引を行うと、後述するような理由から、吐出口面101に残るインクの量が増大してしまう。この吐出口面101に残るインクの量が増大してしまう理由は以下のとおりである。すなわち、高負圧吸引では、負圧チャージ弁を開いてからごく短時間の後に大気連通弁235を開くため、大気連通弁235の開放時には、まだかなりの高い負圧がキャップ内空間250に残っている。そのため、大気連通弁235を開くと、かなり高速な空気流が大気連通口213からキャップ内空間250に流れ込んでくる。負圧チャージ弁の開放によって吐出口(ノズル口)から吸引排出され、大気連通弁235の開放時にキャップ内空間250(上記多孔質材等から成るインク吸収体240が占めている部分を含む)に存在しているインクは、この流れ込んでくる高速な空気流によってキャップ内空間250の様々な場所へと飛び散る。
【0013】
特に、大気連通口213近傍に多くのインクが存在している場合には、多くのインクが飛び散り、吐出口面(ノズル口面)101とキャップ210とが当接している部分にまで飛び散ってそこに付着してしまう。すると、その後に吸引ポンプ225をさらに動作させても、インク吸収体240内に吸収されているインクは吸引ポンプ225内へと吸引されるが、そうでないインクは吸引されないため、キャップ210を上記離間ポジションに移動させた後でも吐出口面101に上記付着したインクが残ってしまう。特に、吐出口面101とキャップ210とが当接していた部分のなかでも、大気連通口213に近い領域に、上記付着してしまったインクが残ってしまう。
【0014】
このような理由から、上述のような一般的な回復装置において高負圧吸引を行うと、高負圧吸引を行わない場合に比べて、吐出口面(ノズル口面)101に残るインクの量が増大してしまう。吐出口面101に残るインク量が増大すると、吸引シーケンス後に多くの場合行われるワイピングの際に、吐出口面101に残ったインクが機内に飛び散ってしまったり、ワイピングに用いるワイパーブレード等に付着したインクが放置中に増粘し、次回のワイピングの際にワイピング不良を起こしてしまうといった不具合が発生する。
【0015】
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、吸引シーケンス後に吐出口面に残ってしまう液体の量を少量に抑えることができ、それによって、吸引シーケンス後に多くの場合に行われるワイピングの際に、吐出口面に残った液体が飛び散ったり、ワイピングに用いるワイパーブレード等に付着した液体が放置中に増粘し、次回のワイピングの際にワイピング不良を起こしたりする不具合の発生を防止できる液滴吐出ヘッド用キャップを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、キャップ内空間を大気と連通させるための大気連通口を有する、液滴吐出ヘッドの吐出口をキャッピングするための液滴吐出ヘッド用キャップにおいて、略四角形の底部を有し、該略四角形の隣り合う二角の近傍に前記大気連通口を設けることを特徴とする。
【0017】
【作用】
本発明によれば、吐出口面とキャップとによって形成されるキャップ内空間に大気連通口を介して流入してくる空気の流れ経路を適切にすることができ、それによって、吸引シーケンス後に吐出口面に残ってしまう液体(インク)の量を少量に抑えることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。
図1は本発明を適用した液滴吐出ヘッド用キャップの一実施例を有する液滴吐出ヘッド用回復装置を備えたインクジェット記録装置の概略構成を例示する模式的斜視図である。図1において、インクジェット記録装置は、記録紙等の被記録材を記録位置へ送り込むための給紙部1と、被記録材を搬送(紙送り)するための紙送り部2と、記録手段として使用される液滴吐出ヘッド(インクジェット記録ヘッド)100を搭載して被記録材に沿って移動(主走査)するためのキャリッジ4と、液滴吐出ヘッド100の液滴吐出性能を適正に維持回復するための液滴吐出ヘッド用回復装置5と、を備えている。キャリッジ4は、ガイドシャフト6に沿って往復移動可能に案内支持されており、キャリッジモータ7を駆動源として図1中の両矢印A方向に移動するように駆動される。
【0019】
液滴吐出ヘッド用回復装置5は、非記録時に液滴吐出ヘッド100の液滴吐出部を覆うためのキャップ2100を有するキャッピング手段、液滴吐出部(吐出口面)を拭き取り清掃するためのワイピング手段、並びに、液滴吐出部をキャッピングした状態で吐出口から液体を吸引する吸引手段などを具備している。
本実施例においては、記録手段としての前記記録ヘッド100は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また、記録ヘッド100は、前記電気熱変換体により印加される熱エネルギーによってインク内に膜沸騰を生じさせ、その時に生じる気泡の成長、収縮による圧力変化を利用して吐出口よりインクを吐出させ、記録(プリント)を行うものである。
【0020】
図2は図1中の液滴吐出ヘッド用回復装置5の構成を示す模式的斜視図である。図2において、液滴吐出ヘッド用回復装置5は、回復手段としてのキャッピング手段20、ワイピング手段30及び吸引手段40を備えている。これらの回復手段は回復装置5のベース部10上に配設されている。図2中の両矢印Aは、液滴吐出ヘッド100を搭載したキャリッジ4の移動方向を示す。ゴムやエラストマー等の弾性材料から成るキャップ2100は、液滴吐出ヘッド100の吐出口面101(その吐出口82)を密閉するためのものであり、剛体であるキャップホルダ22に取り付けられており、記録を行わないとき、あるいは吸引回復(吸引シーケンス)を行うときにキャップ駆動手段によって吐出口面101と密着する位置へ移動させられる。
【0021】
図2において、ワイピング手段30は、液滴吐出ヘッド100の吐出口面101に付着した液体(インク)や紙粉等の異物を拭き取り除去するためのものであり、吐出口面101に摺擦可能なワイパー31をワイパーホルダ32に取り付け、該ワイパーホルダ32を吐出口面101に対して当接離間方向及び摺擦方向に移動させることによりワイピング動作を行うように構成されている。
上記吸引手段40は、液滴吐出ヘッド用キャップ2100に吸引チューブ220を介して接続された吸引ポンプ225によって構成されている。
【0022】
図3は本発明を適用した液滴吐出ヘッド用キャップの第1実施例を示す模式的平面図であり、図4は図3の液滴吐出ヘッド用キャップを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置を図3中の線4−4に沿って示す模式的縦断面図であり、図5は図3の液滴吐出ヘッド用キャップを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置を図3中の線5−5に沿って示す模式的縦断面図である。図3〜図5において、2100は、ゴム等の弾性材料から構成される液滴吐出ヘッド用キャップであり、四角に曲線部(R部)を有する略長方形(四角形)の底部2110を有する。
【0023】
液滴吐出ヘッド用キャップ2100は、対向位置にある液滴吐出ヘッド100の吐出口面101(例えば複数の吐出口が所定の配列を成して形成された面)に対して、不図示のキャップ駆動手段によって密着状態と離間状態との間で移動駆動されるものであり、図4及び図5はキャップ2100が吐出口面101に当接(密着)した状態を示す。この密着した状態では、キャップ2100と吐出口面101との間にキャップ内空間250が形成されている。
【0024】
液滴吐出ヘッド用キャップ2100の略長方形の底部2110を形成する四角形の一短辺2111の両端角(四角形の隣り合う二角)2113、2114のそれぞれの近傍には、大気連通口2103、2104が設けられている。これらの大気連通口2103、2104のそれぞれには大気連通チューブ2303、2304が接続されており、これらの大気連通チューブ2303、2304は図5に示すようにJ部において1本の大気連通チューブ2300へ結合されている。
この結合された大気連通チューブ2300には、大気連通口2103、2104を介してキャップ内空間250を大気と連通させるか否かを制御する大気連通制御手段としての大気連通弁235が接続されている。
【0025】
図3中の線H−Hはキャップ2100の略長方形の底部2110を図示左右方向(図示の例では長辺方向)に略二等分する線であり、大気連通口2103、2104を結んだ線(図3中の線5−5)と平行な線である。キャップ2100の略長方形の底部2110の上記線H−Hによって二分される領域であって、大気連通口2103、2104が設けられていない側の領域に、吸引口2102が設けられている。この吸引口2102には吸引チューブ220が接続されている。
【0026】
吸引チューブ220には負圧チャージ弁223及び吸引ポンプ225が接続されている。負圧チャージ弁223は吸引ポンプ225によって生成された負圧をキャップ内空間250に導入するための開閉弁で構成されており、吸引ポンプ225は例えばピストンポンプで構成されている。つまり、液滴吐出ヘッド用キャップ2100には、吸引口2102を介してキャップ内空間250を負圧にすべく吸引動作を行う吸引ポンプ225から成る吸引手段が接続されている。また、キャップ内空間250を形成するキャップ2100の内部には、液体吸収性を有する多孔質材から成る液体吸収体2400が配設されている。本実施例では、この液体吸収体(例えばインク吸収体)2400は、吸引口2102を覆うように、かつ、大気連通口2103、2104を覆わないように配設されている。
【0027】
次に、図3〜図5に示すように構成された液滴吐出ヘッド用キャップ2100を備えた液滴吐出ヘッド用回復装置による吸引シーケンスについて説明する。先ず、液滴吐出ヘッドとしてのインクジェット記録ヘッド100を、液滴吐出ヘッド用回復装置5のキャップ2100と対向する位置にまで移動させてくる。次いで、前述のキャップ駆動手段によって、キャップ2100を吐出口面101に当接するキャッピングポジションへ移動させる。そして、負圧チャージ弁(負圧導入弁)223及び大気連通制御手段235を閉じる。負圧チャージ弁223は吸引ポンプ225とキャップ内空間250との連通・遮断を制御するための開閉弁である。また、大気連通制御手段としての大気連通弁235はキャップ内空間250と大気との連通を制御するための開閉弁で構成されている。
【0028】
そして、吸引手段としての吸引ポンプ225による吸引動作を開始し、負圧チャージ弁223より吸引ポンプ225側の領域に負圧を蓄える。負圧の程度が所定値まで高くなったところで負圧チャージ弁223を開くことにより、高負圧を一気にキャップ内空間250に作用(導入)させる。これによって、液滴吐出ヘッド(インクジェット記録ヘッド)100の吐出口82からインクが吸引排出されてくる。この吸引排出されてくるインクは、キャップ内空間250(インク吸収体2400が占めている部分を含む)に広がるが、キャップ2100の略長方形の底部2110の四角(角隅部)の近傍ではインクの存在率が最も低く、ほとんどの場合、吸引排出されてくるインクは四角の近傍まで広がることはない。
【0029】
このような状態において、上記負圧チャージ弁223の開放からごく短時間の後で大気連通弁235の開放動作が行われる。この大気連通弁235の開放の瞬間にもキャップ内空間250は依然として負圧が高い状態にあるので、大気連通弁235の開放に伴って、大気連通口2103、2104からキャップ内空間250へかなりの高速で空気が流入してくる。
【0030】
この高速の空気流は、先ず吐出口面101に向かって流れる(図5中の矢印S10及び矢印S20)が、大気連通口2103、2104が略四角形の隣り合う二角(図示の例では短辺の両端角)2113、2114の近傍に設けられているので、図3中に矢印Rで示した方向へ流れていくことができない。また、この高速の空気流は、大気連通口2103、2104の両方から流入してくるため、図3中に矢印T1及びT2で示す方向へは少量の空気しか流れない。さらに、この高速の流入空気は、吸引ポンプ225の吸引口2102を介した吸引作用によって、図3中に矢印S11及びS21で示すように、吸引口2102に向かって吐出口面101と略平行に流れ、最終的には吸引ポンプ225内へ吸引される。
【0031】
キャップ内空間250に上述したように広がっているインクはこの高速の空気流によって飛び散るが、大気連通口2103、2104が隣り合う二角2113、2114の近傍に配置されているため、以下に説明する3点の理由から、吸引シーケンス後に吐出口面(ノズル口面)101に残ってしまうインクの量を少量に抑えることができる。
すなわち、1点目の理由は、上述したように、大気連通弁235を開放した時に、大気連通口2103、2104の近傍に存在しているインクの量が少ないことである。
【0032】
2点目の理由は、大気連通弁235の開放に伴ってキャップ内空間250に流入してくる空気が、上述したように、図3中の矢印Rの方向へは流れていくことができず、また、図3中の矢印T1及びT2の方向へは少ししか流れないため、大気連通口2103、2104に近い部位に位置する吐出口面101とキャップ2100とが当接している部位に付着してしまうインクが極めて少ないことである。3点目の理由は、大気連通弁235の開放に伴ってキャップ内空間250に流入してくる空気が、図3中の矢印S11及びS21で示すように、吸引口2102に向かって吐出口面101と略平行にかなりの高速で流れるため、大気連通弁235の開放時にキャップ内空間250に上述したように広がっているインクのうちの多くが、この吐出口面101と略平行に流れる高速の空気流によって、吐出口面101にほとんど付着することなく、吸引口2102に向かって飛び散り、この空気流とともに吸引口2102から吸引ポンプ225内へと吸引されることである。
【0033】
以上のような3点の理由から、吸引シーケンス後に吐出口面101に残ってしまうインク量を少量に抑えることが可能になる。なお、吸引ポンプ225をピストンポンプで構成する場合は、該吸引ポンプ225のピストンが上記負圧を蓄えるための吸引動作開始(ピストンの移動開始)以降移動し続け、大気連通弁235が開いた後も移動することによって、キャップ内空間250(特に、キャップ内空間250内のインク吸収体2400)内に吸収されているインクはピストンポンプ225内へ効果的に吸引される。最後に、前述のキャップ駆動手段によってキャップ2100を前述の離間ポジションへ移動させる。また、ピストンポンプ225内に吸引されたインクは、周知のピストンポンプ225内のインク排出動作(ピストンの反対方向への移動、弁の切り換え、その他)によって、液滴吐出ヘッド用回復装置5の外部へ排出される(図4中の矢印W参照)。
【0034】
以上のような、液滴吐出ヘッド用キャップ2100の構成、並びに該キャップ2100を用いる液滴吐出ヘッド用回復装置5の構成によれば、吸引シーケンス後に吐出口面101に残ってしまう液体(インク)の量を少量に抑えることができ、前述したような一般的な回復装置における不具合の発生を防止することができる。なお、高負圧吸引を効果的に行うためには、負圧チャージ弁223を開放する時のキャップ内空間250の負圧を約30kPa以上に選定するとともに、大気連通弁235を開放する時のキャップ内空間250の負圧を該負圧チャージ弁223開放時の負圧(約30kPa以上)の約50%、すなわち約15kPa以上に選定することが好ましい。また、より好ましくは、負圧チャージ弁223開放時のキャップ内空間250の負圧を約50kPa以上に選定するとともに、大気連通弁235の開放時のキャップ内空間250の負圧を負圧チャージ弁223開放時の負圧(約50kPa以上)の約70%、すなわち約35kPa以上に選定することが望ましい。
【0035】
また、以上説明した実施例においては、吸引ポンプ225の吸引動作開始から負圧チャージ弁223開放までの時間や、負圧チャージ弁223開放から大気連通弁235開放までの時間などを適宜調整することによって、負圧チャージ弁223開放時のキャップ内空間250の負圧の高さや、大気連通弁235開放時のキャップ内空間250の負圧の高さなどを調整することができる。
以上説明した実施例によれば、吸引シーケンス後に液滴吐出ヘッド100の吐出口面101に残ってしまう液体の量を少量に抑えることができ、それによって、吸引シーケンス後に多くの場合に行われるワイピングの際に、吐出口面に残った液体が飛び散ったり、ワイピングに用いるワイパーブレード等に付着した液体が放置中に増粘し、次回のワイピングの際にワイピング不良を起こしたりする不具合の発生を防止できる液滴吐出ヘッド用キャップ及び液滴吐出ヘッド用回復装置が提供される。
【0036】
図6は本発明を適用した液滴吐出ヘッド用キャップの第2実施例の模式的平面図であり、図7は図6の液滴吐出ヘッド用キャップを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置の吸引手段を図6中の線7−7に沿って示す模式的縦断面図であり、図8は図6の液滴吐出ヘッド用キャップを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置を図6中の線8−8に沿って示す模式的縦断面図であり、図9は図6の液滴吐出ヘッド用キャップを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置を図6中の線9−9に沿って示す模式的縦断面図である。
【0037】
図6〜図9において、ゴム等の弾性材料から構成されるキャップ2100は、第1実施例の場合と同様、四角に曲線部(R部)を有する略長方形の底部2110を有している。キャップ2100の略長方形の底部2110の四角形の一短辺2111の両端角(隣り合う二角)2113、2114の近傍には、それぞれ、大気連通口2103、2104が設けられている。これらの大気連通口2103、2104は、キャップ2100の底部2110内の位置Kで示した場所において一つの大気連通口に結合されている。結合された大気連通口には大気連通チューブ230が接続されており、大気連通チューブ230には大気連通制御手段としての大気連通弁235が接続されている。この大気連通弁235は、大気連通口2103、2104を介してキャップ内空間250を大気と連通させるか否かを制御するための開閉弁で構成されている。
【0038】
また、キャップ2100の底部2110の第1実施例と同様の位置には吸引口2102が設けられており、この吸引口2102には吸引チューブ220が接続されている。吸引チューブ220には負圧チャージ弁223及び吸引ポンプ225が接続されている。吸引ポンプ225は、吸引口2102を介してキャップ内空間250を負圧にする吸引動作を行うための吸引手段を構成している。また、キャップ内空間250には、液体(インク)吸収性の多孔質材から成るインク吸収体2400が配設されている。このインク吸収体2400は、第1実施例の場合と同様、吸引口2102を覆うように、かつ大気連通口2103、2104を覆わないように配設されている。
【0039】
図6〜図9に示すような第2実施例に係る液滴吐出ヘッド用キャップ2100及び液滴吐出ヘッド用回復装置5によれば、前述の第1実施例の場合と同様の吸引シーケンスを実行することにより、吸引シーケンス後に吐出口面101に残ってしまう液体の量を少量に抑えることができ、それによって、吸引シーケンス後に多くの場合に行われるワイピングの際に、吐出口面に残った液体が飛び散ったり、ワイピングに用いるワイパーブレード等に付着した液体が放置中に増粘し、次回のワイピングの際にワイピング不良を起こしたりする不具合の発生を防止できる液滴吐出ヘッド用キャップが提供される。
【0040】
この第2実施例に係る液滴吐出ヘッド用キャップ2100によれば、前述の第1実施例に比べて、回復装置の小型化を図りつつ、特に図3中の矢印R方向及び矢印T1、T2方向の大きさを小さくしながら、吸引シーケンス後に吐出口面101に残るインク量を少量に抑えることができ、従って、A6サイズ等の比較的小さな用紙にプリントすることを主な目的とする小型のインクジェットプリンタ等においては上述の効果を更に好ましい態様で発揮できるものである。なお、前述の実施例においては、キャップ2100の底部2110が略長方形であり、略長方形(四角形)の一短辺の両端角(隣り合う二角)の近傍に大気連通口2103、2104を設ける場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、底部2110の形状は略正方形もしくは略台形などの形状であっても良く、本発明はこれらもその範囲内に含むものである。
【0041】
また、大気連通口2103、2104は略長方形の一短辺の両端角近傍ではなく、一長辺の両端角近傍に設けても良く、本発明はこのような構成もその範囲内に含むものである。但し、長辺の長さと短辺の長さとの差が大きい略長方形の底部を有するキャップにおいては、一長辺の両端角近傍に大気連通口を設けると、両端角近傍の大気連通口からキャップ内空間に流入してくる空気が図3中の矢印T1及びT2で示した方向に相当する方向へと流れ、互いにぶつかり合って乱流化し、キャップ内空間に広がっているインクを吐出口面に付着させることが発生する可能性がある。そのため、長辺の長さと短辺の長さとの差が大きい略長方形の底部を有するキャップにおいては、一短辺の両端角近傍に大気連通口を設けることが好ましい。
【0042】
また、前述の実施例では、キャップ2100の底部2110に大気連通口2103、2104を設ける場合を説明したが、大気連通口を設ける位置は必ずしも底部に限定されるものではなく、キャップ2100の側部に設ける構成にしても良い。さらに、吸引口2102についても、必ずしもキャップの底部に設ける必要はなく、キャップの側部に設けても良い。本発明は、このような大気連通口又は吸引口の配置構成もその範囲内に含むものである。
【0043】
また、前述の実施例では、略四角形の底部2110の隣り合う二角の近傍に配置された大気連通口2103、2104を結ぶ直線と平行な線H−Hによってキャップ2100の底部2110を略二等分した際の、大気連通口2103、2104が設けられていない側の領域に吸引口2102を設ける構成を説明したが、場合によっては、大気連通口が設けられている側に吸引口を設ける構成を採用しても良く、本発明はこのような構成もその範囲内に含むものである。ただし、近傍に大気連通口が設けられている二角を両端とする辺に近い位置に吸引口を設けることは、本発明の効果をある程度低下させることになり、常に好ましいといえるものではない。
【0044】
また、前述の実施例では、吸引口2102の数を1個(単数)としたが、これは複数の吸引口を設ける構成にしても良い。複数の吸引口を設ける場合には、複数の吸引口のそれぞれに対応する吸引ポンプを使用しても良いし、複数の吸引口を介して単数(1個)の吸引ポンプによりキャップ内空間に負圧を作用させるように構成しても良い。
さらに、前述の実施例においては、単数の大気連通弁(大気連通制御手段)235を用いる場合を説明したが、これは、例えば、図5中に2303及び2304で示した大気連通チューブのそれぞれに大気連通弁を接続するように構成しても良い。
【0045】
加えて、前述の実施例では、キャップ内空間250内に配設するインク吸収体2400を、大気連通口を全く覆わないように配設する場合を例に挙げて説明したが、場合によっては大気連通口を覆うように配設しても同様の効果を発揮することができ、また、大気連通口を半分程度覆うように配設しても良く、本発明はこのような構成もその範囲内に含むものである。
ただし、キャップ内空間250に配設される吸収体が空孔率の低い材質で形成されている場合には、大気連通口を完全に覆ってしまうように吸収体を配設することは、キャップ内空間に流入する空気の速度を低下させることになるため、好ましくない。
【0046】
さらに、前述の実施例では、吸引シーケンスにおいて高負圧吸引を実行する場合を説明したが、本発明は、高負圧吸引を用いる場合に顕著な作用効果を発揮するものの、高負圧吸引を用いない場合においても同様の効果を発揮するものであり、本発明は吸引の高低によって限定されるものではない。
また、前述の実施例では、液滴吐出ヘッド100がインクジェット記録ヘッドである場合を例に挙げて説明したが、本発明は、液滴吐出ヘッドがインクジェット記録ヘッドである場合に限定されるものではなく、液滴吐出ヘッドであれば、インクジェット記録ヘッド以外の場合にも同様に適用することができ、それらも本発明の範囲内に含まれるものである。また、以上の実施例では、被記録材に対して相対移動させながら液滴を吐出する液滴吐出ヘッド100に対して使用される液滴吐出ヘッド用キャップの場合を例に挙げて説明したが、本発明は、被記録材の全幅又は一部をカバーする長さを有し、1ライン分一括して液滴を吐出する液滴吐出ヘッドに対する液滴吐出ヘッド用キャップの場合にも同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。
【0047】
以上説明した実施例においては、以下に列挙するような本発明の実施態様が記載されている。
実施態様1:キャップ内空間250を大気と連通させるための大気連通口を有する、液滴吐出ヘッド100の吐出口をキャッピングするための液滴吐出ヘッド用キャップ2100において、略四角形の底部2110を有し、該略四角形の隣り合う二角2113、2114の近傍に前記大気連通口2103、2104を設けることを特徴とする液滴吐出ヘッド用キャップ。
【0048】
上記実施態様1の構成によれば、吸引シーケンス後に吐出口面に残ってしまう液体の量を少量に抑えることができ、それによって、吸引シーケンス後に多くの場合に行われるワイピングの際に、吐出口面に残った液体が飛び散ったり、ワイピングに用いるワイパーブレード等に付着した液体が放置中に増粘し、次回のワイピングの際にワイピング不良を起こしたりする不具合の発生を防止できる液滴吐出ヘッド用キャップが提供される。
【0049】
実施態様2:前記キャップ内空間に負圧を作用させるための吸引口を有することを特徴とする実施態様1に記載の液滴吐出ヘッド用キャップ。
実施態様3:前記略四角形は四角に曲線部を有する略正方形あるいは略長方形であることを特徴とする実施態様1又は2に記載の液滴吐出ヘッド用キャップ。
実施態様4:前記略四角形は四角に曲線部を有する略長方形であり、該略長方形の一短辺両端二角の近傍に前記大気連通口を設けることを特徴とする実施態様1〜3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド用キャップ。
【0050】
実施態様5:大気連通口が前記底部に設けられることを特徴とする実施態様1〜4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド用キャップ。
実施態様6:前記二角の近傍の大気連通口を結んだ線と平行な線によって前記略四角形を略二等分した際の前記大気連通口が設けられていない側に、前記吸引口を設けることを特徴とする実施態様2〜5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド用キャップ。
実施態様7:前記吸引口が前記底部に設けられることを特徴とする実施態様2〜6のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド用キャップ。
【0051】
実施態様8:キャップ内空間を大気と連通させるための大気連通口を有する、液滴吐出ヘッドの吐出口をキャッピングするためのキャップを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置において、前記キャップは略四角形の底部を有し、該略四角形の隣り合う二角の近傍に前記大気連通口を設けることを特徴とする液滴吐出ヘッド用回復装置。
上記実施態様8の構成によれば、吸引シーケンス後に吐出口面に残ってしまう液体の量を少量に抑えることができ、それによって、吸引シーケンス後に多くの場合に行われるワイピングの際に、吐出口面に残った液体が飛び散ったり、ワイピングに用いるワイパーブレード等に付着した液体が放置中に増粘し、次回のワイピングの際にワイピング不良を起こしたりする不具合の発生を防止できるキャップを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置が提供される。
【0052】
実施態様9:前記キャップは前記実施態様2〜7のいずれかの構成を有することを特徴とする実施態様8に記載の液滴吐出ヘッド用回復装置。
実施態様10:前記キャップ内空間を前記大気連通口を介して大気と連通させるか否かを制御する大気連通制御手段を有することを特徴とする実施態様8又は9に記載の液滴吐出ヘッド用回復装置。
実施態様11:前記キャップ内空間を負圧にするべく前記吸引口を介して吸引を行う吸引手段を有することを特徴とする実施態様9に記載の液滴吐出ヘッド用回復装置。
【0053】
実施態様12:前記キャップ内空間に液体を吸収するための吸収体を配設することを特徴とする実施態様8〜11のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド用回復装置。
実施態様13:前記吸収体は前記吸引口を覆うように配設されることを特徴とする実施態様12に記載の液滴吐出ヘッド用回復装置。
実施態様14:前記吸収体は前記大気連通口を覆わないように配設されることを特徴とする実施態様12又は13に記載の液滴吐出ヘッド用回復装置。
実施態様15:前記吸引手段によって前記キャップ内空間を負圧にした後、前記大気連通制御手段によって前記キャップ内空間を大気と連通させることを特徴とする実施態様8〜14のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド用回復装置。
【0054】
実施態様16:前記キャップ内空間に絶対値が所定値以上の負圧を一気に作用させた後、前記キャップ内空間の負圧の絶対値が前記所定値の所定割合以上である間に、前記キャップ内空間を前記大気連通制御手段によって大気と連通させることを特徴とする実施態様8〜15のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド用回復装置。
実施態様17:前記所定値が約30kPaであり、前記所定割合が約50%であることを特徴とする実施態様16に記載の液滴吐出ヘッド用回復装置。
実施態様18:前記所定値が約50kPaであり、前記所定割合が約70%であることを特徴とする実施態様16に記載の液滴吐出ヘッド用回復装置。
【0055】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、吸引シーケンス後に吐出口面に残ってしまう液体の量を少量に抑えることができ、それによって、吸引シーケンス後に多くの場合に行われるワイピングの際に、吐出口面に残った液体が飛び散ったり、ワイピングに用いるワイパーブレード等に付着した液体が放置中に増粘し、次回のワイピングの際にワイピング不良を起こしたりする不具合の発生を防止できる液滴吐出ヘッド用キャップが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した液滴吐出ヘッド用キャップの一実施例を有する液滴吐出ヘッド用回復装置を備えたインクジェット記録装置の概略構成を例示する模式的斜視図である。
【図2】図1中の液滴吐出ヘッド用回復装置を示す模式的斜視図である。
【図3】本発明を適用した液滴吐出ヘッド用キャップの第1実施例を示す模式的平面図である。
【図4】図3の液滴吐出ヘッド用キャップを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置を図3中の線4−4に沿って示す模式的縦断面図である。
【図5】図3の液滴吐出ヘッド用キャップを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置を図3中の線5−5に沿って示す模式的縦断面図である。
【図6】本発明を適用した液滴吐出ヘッド用キャップの第2実施例を示す模式的平面図である。
【図7】図6の液滴吐出ヘッド用キャップを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置を図6中の線7−7に沿って示す模式的縦断面図である。
【図8】図6の液滴吐出ヘッド用キャップを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置を図6中の線8−8に沿って示す模式的縦断面図である。
【図9】図6の液滴吐出ヘッド用キャップを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置を図6中の線9−9に沿って示す模式的縦断面図である。
【図10】一般的な液滴吐出ヘッド用キャップの模式的平面図である。
【図11】図10の液滴吐出ヘッド用キャップを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置を図10中の線11−11に沿って示す模式的縦断面図である。
【符号の説明】
4 キャリッジ
5 液滴吐出ヘッド用回復装置
20 キャッピング手段
30 ワイピング手段
40 吸引手段
82 吐出口
84 液路
85 電気熱変換体
100 液滴吐出ヘッド(インクジェット記録ヘッド)
101 吐出口面(ノズル口面)
2100 液滴吐出ヘッド用キャップ
2110 キャップの底部
2102 吸引口
2103、2104 大気連通口
220 吸引チューブ
223 負圧チャージ弁
225 吸引ポンプ
2300、2303、2304 大気連通チューブ
235 大気連通制御手段(大気連通弁)
2400 吸収体(インク吸収体)
250 キャップ内空間
2111 略四角形の底部の一辺(一短辺)
2113、2114 略四角形の底部の隣り合う二角

Claims (1)

  1. キャップ内空間を大気と連通させるための大気連通口を有する、液滴吐出ヘッドの吐出口をキャッピングするための液滴吐出ヘッド用キャップにおいて、
    略四角形の底部を有し、該略四角形の隣り合う二角の近傍に前記大気連通口を設けることを特徴とする液滴吐出ヘッド用キャップ。
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