JP2006312262A - 液滴吐出ヘッド用回復装置及び回復方法 - Google Patents

液滴吐出ヘッド用回復装置及び回復方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 埃等の異物を吐出口に付着させたり、吐出口内部にまで進入させたりすることなく、吸引動作の後に吐出口面に残留するインクの量を少量に抑えることができる液滴吐出ヘッド用回復装置及び回復方法を提供する。
【解決手段】 キャップ210を吐出口面101に当接させることでその間に形成されるキャップ内空間250を吸引手段225により負圧にしているときに、該キャップ内空間に装填されたインク吸収体240を吐出口面には接触するが吐出口には接触しないように構成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、インクジェット記録ヘッドなどの液滴吐出ヘッドの吐出性能を維持回復するための液滴吐出ヘッド用用回復装置及び回復方法に関する。
インクジェット記録ヘッド等の液滴吐出ヘッドは広く普及しており、インクジェット記録装置等において使用されている。液滴吐出ヘッドにおいては、液滴(インク滴)を吐出する吐出口(ノズル口)からのインク中溶媒の蒸発によって吐出口内のインクの粘度が上昇したり、吐出口にインクや埃等の異物が付着したりすると、インク滴が正常に吐出されない吐出不良(不吐出を含む)や、インク滴の吐出方向が偏向するヨレなどの不都合が発生する可能性がある。
そのため、インクジェット記録装置等においては、吐出口からのインク中溶媒の蒸発を抑えるためのキャップ、溶媒蒸発により増粘したインクを吐出口から吸引排出するための吸引手段、吐出口付近に付着したインクや埃等の異物を掃拭除去するためのワイピング手段などを備えた液滴吐出ヘッド用回復装置が装着されている。
前記キャップは、カムやモータ等からなる周知の着脱手段によって吐出ヘッドの吐出口面に対して接離方向に駆動可能に構成されており、吐出口面に当接するキャッピングポジションと吐出口面から離間される離脱ポジションとの間で往復移動することができる。キャップには吸引口が設けられており、該吸引口には吸引チューブを介して前記吸引手段である吸引ポンプが接続されている。キャップが前記キャッピングポジションにあるときに吸引ポンプを作動させることにより、キャップと吐出口面との間に形成されるキャップ内空間を負圧にすることにより、吐出口からインクを吸引排出する吸引動作を行うことができる。
このような吸引動作によって、吐出口からインクと共に増粘インクや気泡等を吸引排出することで吐出口内のインクをリフレッシュすることができ、それによって、液滴吐出ヘッドの吐出性能を維持回復させることができる。このような吸引動作(吸引シーケンス)を実行した後では、多くの場合、吐出口から吸引排出されたインクの一部が吐出口面に残留することになる。このような残留インクによって吐出口が覆われると、前述のような吐出不良や吐出ヨレといった不都合が生じることがあるため、多くの場合、吸引シーケンスの後に前記ワイピング手段によって吐出口面上の残留インクを拭き取り除去することが行われている。
特開2000−203060号公報
それでも、多くのインクが吐出口面に残ってしまうと、吸引シーケンス後に行われるワイピングの際に、吐出口面に残ったインクが機内に飛び散ったり、ワイパー等に付着したインクが放置中に増粘して次回のワイピングの際にワイピング不良を起こすなどの不都合が発生することがある。このような不都合を解消することを目的として、特許文献1(特開2000−203060号公報)には、キャップを前記キャッピングポジションよりもさらに吐出口面に接近させることによりキャップ内に装填されたインク吸収体を吐出口に当接させた後に吸引ポンプを動作させることで、吐出口面に残留するインクの量を少量に抑えるようにした技術が開示されている。
しかしながら、インク吸収体を吐出口に当接させると、インク吸収体上の埃等の異物が吐出口に付着したり、吐出口内部まで進入したりして、前述のような不吐出やヨレといった不都合が発生することがある。本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、埃等の異物を吐出口に付着させたり、吐出口内部にまで進入させたりすることなく、吸引動作の後に吐出口面に残留するインクの量を少量に抑えることができる液滴吐出ヘッド用回復装置及び回復方法を提供することである。
本発明による液滴吐出ヘッド用回復装置は、上記目的を達成するため、液滴吐出ヘッドの吐出口を覆うために吐出口面に当接可能なキャップと、前記吐出口面と前記キャップとの間のキャップ内空間を負圧にするための吸引手段と、を備える液滴吐出ヘッド用回復装置において、前記キャップ内空間に、前記吸引手段が前記キャップ内空間を負圧にしているときに前記吐出口面には接触するが前記吐出口には接触しないインク吸収体を装填することを特徴とする。
本発明による液滴吐出ヘッド用回復方法は、上記目的を達成するため、液滴吐出ヘッドの吐出口を覆うために吐出口面に当接可能なキャップと、前記吐出口面と前記キャップとの間のキャップ内空間を負圧にするための吸引手段と、を用いる液滴吐出ヘッド用回復方法において、前記キャップ内空間に、前記吸引手段が前記キャップ内空間を負圧にしているときに前記吐出口面には接触するが前記吐出口には接触しないインク吸収体を装填し、前記吸引手段によって前記キャップ内空間を負圧にした後、前記大気連通制御手段によって前記キャップ内空間を大気と連通させることを特徴とする。
本発明による別の液滴吐出ヘッド用回復方法は、上記目的を達成するため、液滴吐出ヘッドの吐出口を覆うために吐出口面に当接可能なキャップと、前記吐出口面と前記キャップとの間のキャップ内空間を負圧にするための吸引手段と、を用いる液滴吐出ヘッド用回復方法において、前記キャップ内空間に、前記吸引手段が前記キャップ内空間を負圧にしているときに前記吐出口面には接触するが前記吐出口には接触しないインク吸収体を装填し、前記キャップ内空間に絶対値が所定値以上の負圧を一気に作用させた後、前記キャップ内空間の負圧の絶対値が前記所定値の所定割合以上である間に、前記キャップ内空間を前記大気連通制御手段によって大気と連通させることを特徴とする。
本発明によれば、キャップ内空間に、吸引手段がキャップ内空間を負圧にしているときに吐出口面には接触するが吐出口には接触しないインク吸収体を装填する構成を採るので、インク吸収体の埃等の異物が吐出口に付着したり、吐出口内部にまで進入したりして、液滴吐出ヘッドの不吐出や吐出ヨレを生じさせることなく、吸引シーケンス後に吐出口面に残留するインクの量を少量に抑えることができる液滴吐出ヘッド用回復装置及び回復方法が提供される。
それによって、吸引シーケンスの後に多くの場合行われるワイピングに際し、吐出口面に残ったインクが飛び散ったり、ワイパー等に付着したインクが放置中に増粘して次回のワイピングの際にワイピング不良を起こすなどの不都合を解消することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図1は本発明の一実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回復装置を備えたインクジェット記録装置の斜視図である。図1において、インクジェット記録装置は、記録紙等の被記録材を記録位置へ送り込むための給紙部1と、被記録材を搬送するための搬送部2と、液滴吐出ヘッドであるインクジェット記録ヘッド100を搭載して被記録材に沿って移動するキャリッジ4と、液滴吐出ヘッド100の液滴吐出性能を適正に維持回復するための液滴吐出ヘッド用回復装置5と、を備えている。キャリッジ4は、ガイドシャフト6に沿って往復移動可能に案内支持されており、モータ7を駆動源として図1中の両矢印A方向に移動する。
回復装置5は、非記録時に吐出ヘッド100の吐出口を覆うためのキャップ210を有するキャッピング手段、吐出口が配された吐出口面を拭き取り清掃するためのワイピング手段、並びに、吐出口をキャッピングした状態で該吐出口から液体を吸引する吸引手段などを具備している。
本実施形態における吐出ヘッド100は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドであって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また、吐出ヘッド100は、電気熱変換体により印加される熱エネルギーによってインク内に膜沸騰を生じさせ、その時に生じる気泡の成長、収縮による圧力変化を利用して吐出口よりインクを吐出させ、記録を行うものである。
図2は図1中の液滴吐出ヘッド用回復装置5の構成を示す斜視図である。図2において、回復装置5は、回復手段としてのキャッピング手段20、ワイピング手段30及び吸引手段40を備えている。これらの回復手段は回復装置5のベース部10上に配設されている。図2中の両矢印Aは、吐出ヘッド100を搭載したキャリッジ4の移動方向を示す。ゴムやエラストマー等の弾性材料から成るキャップ210は、吐出ヘッド100の吐出口面101(図4)に密着して吐出口を密閉するためのものであり、剛体であるキャップホルダ22に取り付けられており、記録を行わないとき、あるいは吸引回復を行うときに駆動手段によって吐出口面101と密着可能な位置へ移動させられる。
図2において、ワイピング手段30は、吐出ヘッド100の吐出口面に付着した液体や紙粉等の異物を拭き取り除去するためのものであり、吐出口面に摺擦可能なワイパー31をワイパーホルダ32に取り付け、ワイパーホルダ32を吐出口面に対して当接離間方向及び摺擦方向に移動させることによりワイピング動作が可能なように構成されている。
吸引手段40は、キャップ210に吸引チューブ220を介して接続された吸引ポンプ225によって構成されている。
図3は第1の実施形態のキャップの平面図であり、図4は第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回復装置の縦断面図である。図3及び図4において、100は液滴吐出ヘッドであるインクジェット記録ヘッドであり、101は液滴(インク)を吐出するための吐出口が配設された吐出口面である。吐出口面101における吐出口は、複数の吐出口を所定ピッチで配列した1列又は複数列の吐出口列として配設しても良く、単数又は複数の吐出口を適宜配設しても良い。210は吐出口を密閉するために吐出口面101に密着可能なキャップである。キャップ210の少なくとも周辺当接部は吐出口面101との密着性を確保するためにゴム等の弾性材料で形成されている。
キャップ210は、カムやモータ等からなる着脱手段によって図4中の矢印G方向に往復移動可能であり、図4に示すように吐出口面101に当接するキャッピングポジションと、不図示の離間ポジションとの間を往復移動することができる。キャップ210には吸引口212が設けられており、吸引口212は吸引チューブ220を介して吸引ポンプ225に接続されている。吸引ンプ225は、キャップ210が上記キャッピングポジションに位置しているときにキャップ210と吐出口面101とによって形成されるキャップ内空間250を負圧にするべく、吸引口212を通して吸引動作を行う。
キャップ210には大気連通口213が設けられており、大気連通口213に接続された大気連通チューブ230には大気連通弁235が設けられている。この大気連通弁235は、キャップ内空間250を大気と連通させるか否かを制御するためのものである。つまり、前記大気連通弁235は、キャップ内空間250を大気と連通させるか否かを制御する大気連通制御手段を構成するものである。液滴吐出ヘッド100の吐出口は、キャップ210によってキャッピングされる範囲内に配置されている。キャップ内空間250には、多孔質材等のインク吸収体240が装填されている。
図3及び図4において、多孔質材からなるインク吸収体240の吐出口面101側の面に凹部Cが形成されている。この凹部Cは、キャップ210が図4に示すような吐出口面101に当接するキャッピングポジションに位置しているときに吐出口面101に対向する面の中央部に形成されている。また、液滴吐出ヘッド100の吐出口面101に配された吐出口は(不図示)は、キャップ210がキャッピングポジションに位置するときにインク吸収体240の凹部Cと対向する位置に配されている。
以下に、第1の実施形態に係る液体吐出ヘッド用回復装置の吸引シーケンス(吸引動作)について説明する。吸引シーケンスを実行する際は、まず、液滴吐出ヘッドであるインクジェット記録ヘッド100をキャップ210と対向する位置へ移動させる。次に、キャップ210を吐出口面101に対して接離させる着脱手段によって、該キャップ210を図4に示すような吐出口面101に当接するキャッピングポジションまで移動させる。このキャッピングポジションにおいては、インク吸収体240の前記凹部Cの周りの部位Dと吐出口面101との間の距離は約0.3mmである。
言い換えると、キャップ210やインク吸収体240のサイズや形状等は、図4のキャッピングポジションのときにインク吸収体240の凹部Cの周りの部位Dと吐出口面101との間の距離(隙間)が約0.3mmになるように設定されている。従って、このとき、インク吸収体240は、吐出ヘッド(記録ヘッド)100の吐出口面101及び吐出口のいずれにも接触していない。
もし、このときにインク吸収体240が吐出口面101に接触していると、その分キャップ210の吐出口面101に対する当接圧が弱まることになり、キャップ210と吐出口面101との当接部分に若干の隙間が生じる可能性があり、そのため、放置中における吐出口からのインク中溶媒蒸発防止効果が弱まってしまう場合があり、好ましくない。キャップ210を上記のキャッピングポジションに移動させた後、大気連通弁235を閉じる。次いで、ピストンポンプである吸引ポンプ225の吸引動作(ピストン移動)を開始する。
すると、インクジェット記録ヘッド100の吐出口からインクが吸引排出されてくる。このとき、ピストンポンプ225は、記録ヘッド100の吐出口からインクが吸引排出される速度(単位時間あたりに吸引排出されるインクの量)よりも、ピストンポンプ225の吸引速度(単位時間あたりのピストン移動量にポンプシリンダの断面積を乗じた値)の方が圧倒的に大きくなるように動作しているので、ピストンの移動に伴い、キャップ内空間250の負圧の絶対値が増加していく。それに伴って、ゴム等の弾性材料で構成されるキャップ210は、吐出口を密閉したままキャップ内空間250の体積が減少する方向に弾性変形していく。
キャップ210は、吐出口面101に対する当接圧が所定値になるように構成されたバネ等を含む押圧手段(不図示)によって該吐出口面に押圧されており、上記キャッピングポジションに位置しているときでも、図4中の矢印Gで示す上下方向に約2mm程度は移動可能である。そのため、キャップ210は、上記弾性変形に伴って図4中の矢印GUの方向へ上昇していく。そして、キャップ内空間250の負圧の絶対値が30kPa程度まで強まると、インク吸収体240の図3及び図4に示す部位D(以下、吸引時吐出口面接触部Dと称する)が吐出口面101に接触する。
インク吸収体240の吸引時吐出口面接触部Dが吐出口面101に接触すると、この吸引時吐出口面接触部Dに対向する吐出口面101の部位(以下、吐出口面101のインク吸収体接触部と称する)に残されている液体(インク)は、インク吸収体240内に吸収されることになる。そのため、吸引シーケンスの後に吐出口面101のインク吸収体接触部に残るインクの量を極めて少量に抑えることができる。一方、インクジェット記録ヘッド100の吐出口は、上述したように、インク吸収体240の凹部Cに対向する位置に配されているため、このようにインク吸収体240の部位Dが吐出口面101に接触するときでも、該インク吸収体240が吐出口に接触することはない。
吐出口面101のうちのインク吸収体240が接触しない部分にはある程度のインクが残ってしまうことになる。しかし、前述のように吐出口面101のインク吸収体接触部(インク吸収体240と接触する部位)に残るインクの量が極めて少量になるため、総合的には、吸引シーケンス後に吐出口面101に残ってしまうインクの量を十分少量に抑えることができる。インク吸収体240の吸引時吐出口面接触部(吸引時に吐出口面101に接触する部位)Dが吐出口面101に接触した後、すなわちキャップ内空間250の負圧の絶対値が30kPa程度にまで達した後に、大気連通弁235を開いて該キャップ内空間を大気と連通させる。
キャップ内空間250を大気と連通させると、該キャップ内空間の負圧は「0」(=大気圧)となり、弾性変形していたキャップ210は元の状態に戻る。すなわち、インク吸収体240の吸引時吐出口面接触部Dは吐出口面101から離れる。大気連通弁235を開けた後も、ピストンポンプ225のピストン移動を継続させ、キャップ内空間250の内部のインク(特にインク吸収体240に吸収されているインク)を吸引ポンプ225内へ吸引する。最後に、上記着脱手段によってキャップ210を吐出口面101から離間した離脱ポジションへ移動させる。
以上のような、液滴吐出ヘッド用回復装置及び回復方法によって、埃等の異物が吐出口に付着したり、吐出口内部にまで進入したりすることなく、吸引シーケンス後に吐出口面101に残留するインクの量を少量に抑えることができる。なお、ピストンポンプ225内に吸引されたインクは、該ポンプ内のインク排出動作(ピストンの反対方向への移動、弁の切り換え、その他の排出動作)によって回復装置5から排出される(図4中の矢印W参照)。
図5は第2の実施形態のキャップの平面図であり、図6は第2の実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回復装置の縦断面図である。第1の実施形態においては、ピストンポンプ225のピストン移動によって記録ヘッド100の吐出口面101に配設された吐出口からインクを吸引排出させつつ、キャップ内空間250の負圧の絶対値を増加させていき、該キャップ内空間の負圧の絶対値が30kPa程度に達した後に大気連通弁235を開放するように構成されている。
これに対し、本実施形態においては、絶対値が30kPa以上の負圧を一気にかつ極く短時間だけキャップ内空間250に作用させることにより、吐出ヘッド100の吐出口から吸引排出されるインクの量を第1の実施形態よりも少なく抑えつつ、必要かつ十分な吸引効果を発揮するように構成される。本実施形態によれば、吸引シーケンス後に吐出口面に残ってしまうインクの量を第1の実施形態と同等もしくはそれ以上に少量に抑えることができる。
図5及び図6において、第2の実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回復装置は、吸引チューブ220のピストンポンプ225より上流側の部位、すなわち吸引チューブ220の吸引口212とピストンポンプ225との間の部位に負圧チャージ弁223が設けられている点で図3及び図4の第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回復装置と相違しているが、その他の点では実質的に同じ装置構成をしており、それぞれ対応する部分を同一符号で示し、それらの詳細説明は省略する。
以下に、第2の実施形態に係る回復装置の吸引シーケンスについて説明する。図5及び図6において、まず、インクジェット記録ヘッド100をキャップ210と対向する位置へ移動させる。次に、キャップ210を吐出口面101に対して接離させる着脱手段によって、該キャップを図6に示すように吐出口面101に当接するキャッピングポジションへ移動させる。このとき、インク吸収体240の吸引時吐出口面接触部Dと吐出口面101との間の距離は第1の実施形態の場合と同様に約0.3mmである。従って、このときには、インク吸収体240は吐出口にも吐出口面101にも接触していない。キャップ210をキャッピングポジションに移動させた後、負圧チャージ弁223及び大気連通弁235を閉じる。
そして、ピストンポンプ225のピストン移動を開始させて負圧チャージ弁223の上流側に負圧を蓄積していく。所定の絶対値の大きい負圧(以下、単に高い負圧あるいは高負圧と称する)が蓄積された後、負圧チャージ弁223を開き、この負圧を一気にキャップ内空間250に作用させる。このとき、すなわち負圧チャージ弁223を開放した直後のキャップ内空間250の負圧の絶対値は30kPa以上である。言い換えると、このときのキャップ内空間250の負圧(絶対値)が30kPa以上になるような負圧が蓄積されるまで、負圧チャージ弁223を閉じた状態でピストンポンプ225のピストン移動を継続し、その後に負圧チャージ弁223を開放する。
そのため、負圧チャージ弁223を開放すると、インクジェット記録ヘッド100の吐出口からインクが吸引排出されてくるのとほぼ同時に、インク吸収体240の吸引時吐出口面接触部Dが吐出口面101に接触する。従って、吐出口面101のインク吸収体接触部においては、インク吸収体240の吸引時吐出口面接触部Dが接触した後で、インクジェット記録ヘッド100の吐出口から吸引排出されてくるインクが、キャップ内空間250の内部であって吐出口面101のインク吸収体接触部と対向する部分に流れてくることになる。そのため、吸引シーケンスの後に吐出口面101のインク吸収体接触部に残るインクの量を、第1の実施形態の場合よりもさらに少量に抑えることができる。
また、インクジェット記録ヘッド100の吐出口は、第1の実施形態の場合と同様、インク吸収体240の凹部Cに対向する位置に配置されているので、このとき(吐出口からインクが吸引排出されてくるとき)においても、インク吸収体240が吐出口に接触することはない。インクを吸引排出した後であって上記負圧チャージ弁223の開放から極く短時間の後に、大気連通弁235を開放してキャップ内空間250を大気と連通させる。この大気連通弁235を開放するタイミングは、インク吸収体240の吸引時吐出口面接触部Dが負圧チャージ弁223開放直後にすでに吐出口面101に接触しているため、キャップ内空間250の負圧値に依存することなく自由に設定することができる。
すなわち、第1の実施形態の場合のようにキャップ210の図4中の矢印GU方向への上昇量を間接的に決定するキャップ内空間250の負圧値に依存することなく、自由に設定することができる。従って、吸引シーケンス本来の目的を達成するのに必要かつ十分な量のインクを吸引排出するように設定することができる。ここで、吸引シーケンス本来の目的とは、インクジェット記録ヘッド100の吐出口から、吐出口近傍の増粘インクや吐出口内の気泡等を吸引除去することである。そのため、吸引シーケンスによってインクジェット記録ヘッド100の吐出口から吸引排出されるインクの量を、第1の実施形態の場合よりも少なく抑えつつ必要かつ十分な吸引効果を得ることができる。
そして、大気連通弁235を開放した後もピストンポンプ225のピストン移動を継続させることで、キャップ内空間250の内部のインク、特にインク吸収体240に吸収されているインクをピストンポンプ225内へ吸引する。最後に、前記着脱手段によってキャップ210を前記キャッピングポジションから前記離脱ポジションへ移動させる。なお、図5及び図6を参照して説明した本実施形態における吸引シーケンスを「高負圧吸引」と称する。
このような第2の実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回復装置及び回復方法によれば、吸引シーケンスによって記録ヘッド100の吐出口から吸引排出されるインクの量を第1の実施形態の場合よりも少なく抑えつつ、埃等の異物が吐出口付近に付着したり、吐出口内部まで進入したりすることなく、吸引シーケンス後に吐出口面101に残留するインクの量を少量に抑えることができる。ピストンポンプ225内に吸引されたインクは、該ポンプ内のインク排出動作(ピストンの反対方向への移動、弁の切り換え、その他の排出動作)によって回復装置5から排出される(図6中の矢印W参照)。
このような高負圧吸引を効果的に行うためには、負圧チャージ弁223を開放する時のキャップ内空間250の負圧(絶対値)を30kPa以上にするとともに、大気連通弁235を開放する時のキャップ内空間250の負圧(絶対値)を上記負圧チャージ弁開放時の負圧(絶対値)の50%、すなわち15kPa以上にすることが好ましい。より好ましくは、負圧チャージ弁223を開放する時のキャップ内空間250の負圧(絶対値)を50kPa以上にするとともに、大気連通弁235を開放する時のキャップ内空間250の負圧(絶対値)をこの負圧チャージ弁開放時の負圧(絶対値)の70%、すなわち35kPa以上にすることが望ましい。
以上説明した第2の実施形態においては、吸引ポンプ225の吸引動作を開始してから負圧チャージ弁223を開放するまでの時間や、負圧チャージ弁223を開放してから大気連通弁235を開放するまでの時間等を適宜調整することによって、負圧チャージ弁223を開放する時のキャップ内空間250の負圧や、大気連通弁235を開放する時のキャップ内空間250の負圧を調整することができる。
なお、前述の第1及び第2の実施形態においては、キャップ210がキャッピングポジションに位置していても、吸引ポンプ225がキャップ内空間250を負圧にしていないときには、インク吸収体240が吐出口面101に接触しない場合について説明した。しかし、吐出口面101にインク吸収体240が接触しても、接触の程度が若干であれば、キャップ210の吐出口面101に対する当接圧が弱まって該キャップと該吐出口面が接触している部分に隙間が生じることはなく、そのため、放置中における吐出口からのインク中溶媒の蒸発防止効果が弱まってしまうようなことはない。従って、吸引ポンプ225がキャップ内空間250を負圧にしているとき以外であっても、若干であれば、インク吸収体240が吐出口面101に接触しても構わない。
また、前述の第1及び第2の実施形態においては、吸引ポンプ225がキャップ内空間250を負圧にしたときに生じるキャップ210の弾性変形によってインク吸収体240が吐出口面101に接触する場合について説明したが、本発明はこのような場合に限定されるものではない。本発明は、例えば、前記キャッピングポジションよりも上方(図4中の矢印GU方向)に別に吸引ポジションを設け、吸引ポンプ225の吸引動作開始前に前記着脱手段によってキャップ210をこの吸引ポジションへ移動させることで、インク吸収体240が吐出口面101に接触するように構成しても良く、このような構成によっても同様の作用効果を奏するものである。
さらに、前述の第1及び第2の実施形態においては、凹部Cを有する単数の部材からなるインク吸収体240をキャップ内空間250に装填する場合を示したが、このインク吸収体は複数の部材から構成されていても良い。本発明は、例えば、第1及び第2の実施形態におけるインク吸収体240の吐出口面接触部を除いた部分に相当する平板形状をしたインク吸収体の上に、吐出口面接触部に相当するドーナツ形状などの中抜き形状をしたインク吸収体を重ねて配置し、このような2個の部材からなるインク吸収体をキャップ内空間に装填するように構成しても良い。
また、前述の第1及び第2の実施形態においては、キャップ210に設ける吸引口212及び大気連通口213をインク吸収体240の凹部Cに対向する位置に配置する場合を示したが、キャップの吸引口及び大気連通口は必ずしもインク吸収体の凹部に対向する位置に配置する必要はない。さらに、前述の第1及び第2の実施形態においては、液滴吐出ヘッド100がインクジェット記録ヘッドである場合を例に挙げて説明したが、本発明における液滴吐出ヘッドはインクジェット記録ヘッドに限定されるものではなく、液滴を吐出するヘッドであれば他の方式のものでも良い。
以上説明した実施形態によれば、キャップ内空間に、吸引手段がキャップ内空間を負圧にしているときに吐出口面には接触するが吐出口には接触しないインク吸収体を装填する構成を採るので、インク吸収体の埃等の異物が吐出口に付着したり、吐出口内部にまで進入したりして、液滴吐出ヘッドの不吐出や吐出ヨレを生じさせることなく、吸引シーケンス後に吐出口面に残留するインクの量を少量に抑えることができ、それによって、吸引シーケンスの後に多くの場合行われるワイピングに際し、吐出口面に残ったインクが飛び散ったり、ワイパー等に付着したインクが放置中に増粘して次回のワイピングの際にワイピング不良を起こすなどの不都合を解消することができる液滴吐出ヘッド用回復装置及び回復方法が提供される。
なお、以上の実施形態では、キャリッジに搭載された液滴吐出ヘッドを使用するシリアルタイプの記録装置における液滴吐出ヘッド用回復装置及び回復方法の場合を例に挙げて説明したが、本発明は、副走査のみで記録するラインタイプの記録装置など、他の記録方式の記録装置における液滴吐出ヘッド用回復装置及び回復方法に対しても同様に適用可能なものであり、同様の作用効果を奏するものである。また、本発明は、液滴吐出ヘッドを用いる装置であれば、1個の吐出ヘッドを用いる装置、異なる色のインクを用いる複数の吐出ヘッドを用いる装置、あるいは同一色彩で異なる濃度のインクを用いる複数の吐出ヘッドを用いる装置、さらには、これらを組み合わせた装置の液路吐出ヘッド用回復装置及び回復方法の場合にも、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。
本発明の一実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回復装置を備えたインクジェット記録装置の斜視図である。 図1中の液滴吐出ヘッド用回復装置の構成を示す斜視図である。 第1の実施形態のキャップの平面図である。 第1の実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回復装置の縦断面図である。 第2の実施形態のキャップの平面図である。 第2の実施形態に係る液滴吐出ヘッド用回復装置の縦断面図である。
符号の説明
1 給紙部
2 搬送部
4 キャリッジ
5 液滴吐出ヘッド用回復装置
20 キャッピング手段
22 キャップホルダ
30 ワイピング手段
31 ワイパー
32 ワイパーホルダ
40 吸引手段
100 液滴吐出ヘッド(インクジェット記録ヘッド)
101 吐出口面
210 キャップ
212 吸引口
213 大気連通口
220 吸引チューブ
223 負圧チャージ弁
225 吸引ポンプ(ピストンポンプ)
230 大気連通チューブ
235 大気連通制御手段(大気連通弁)
240 インク吸収体
250 キャップ内空間
C 凹部

Claims (8)

  1. 液滴吐出ヘッドの吐出口を覆うために吐出口面に当接可能なキャップと、前記吐出口面と前記キャップとの間のキャップ内空間を負圧にするための吸引手段と、を備える液滴吐出ヘッド用回復装置において、
    前記キャップ内空間に、前記吸引手段が前記キャップ内空間を負圧にしているときに前記吐出口面には接触するが前記吐出口には接触しないインク吸収体を装填することを特徴とする液滴吐出ヘッド用回復装置。
  2. 前記インク吸収体は、前記吸引手段が前記キャップ内空間を負圧にしているとき以外は前記吐出口面に接触しないことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド用回復装置。
  3. 前記キャップの少なくとも前記吐出口面との当接部は弾性材で形成され、前記インク吸収体は、前記吸引手段が前記キャップ内空間を負圧にするときの前記キャップの当接部の弾性変形によって前記吐出口面に接触することを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッド用回復装置。
  4. 前記キャップ内空間を大気と連通させるか否かを制御する大気連通制御手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッド用回復装置。
  5. 液滴吐出ヘッドの吐出口を覆うために吐出口面に当接可能なキャップと、前記吐出口面と前記キャップとの間のキャップ内空間を負圧にするための吸引手段と、を用いる液滴吐出ヘッド用回復方法において、
    前記キャップ内空間に、前記吸引手段が前記キャップ内空間を負圧にしているときに前記吐出口面には接触するが前記吐出口には接触しないインク吸収体を装填し、前記吸引手段によって前記キャップ内空間を負圧にした後、前記大気連通制御手段によって前記キャップ内空間を大気と連通させることを特徴とする液滴吐出ヘッド用回復方法。
  6. 液滴吐出ヘッドの吐出口を覆うために吐出口面に当接可能なキャップと、前記吐出口面と前記キャップとの間のキャップ内空間を負圧にするための吸引手段と、を用いる液滴吐出ヘッド用回復方法において、
    前記キャップ内空間に、前記吸引手段が前記キャップ内空間を負圧にしているときに前記吐出口面には接触するが前記吐出口には接触しないインク吸収体を装填し、前記キャップ内空間に絶対値が所定値以上の負圧を一気に作用させた後、前記キャップ内空間の負圧の絶対値が前記所定値の所定割合以上である間に、前記キャップ内空間を前記大気連通制御手段によって大気と連通させることを特徴とする液滴吐出ヘッド用回復方法。
  7. 前記所定値が約30kPaであり、前記所定割合が約50%であることを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出ヘッド用回復方法。
  8. 前記所定値が約50kPaであり、前記所定割合が約70%であることを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出ヘッド用回復方法。
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JP2012116002A (ja) * 2010-11-29 2012-06-21 Seiko Epson Corp クリーニング装置、液体噴射装置及びクリーニング方法
JP2012116001A (ja) * 2010-11-29 2012-06-21 Seiko Epson Corp クリーニング方法、クリーニング装置及び液体噴射装置
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