JP2000032966A - 容器封入食品の殺菌処理方法 - Google Patents
容器封入食品の殺菌処理方法Info
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Abstract
酸素剤などの保存料を一切用いることなく長期保存が可
能となる容器封入食品の殺菌処理方法を提供すること。 【解決手段】 容器1内に少なくとも米や肉や野菜など
の食材2と水や汁などの液体3とを入れ、フィルム4で
封止し、電子レンジなどの加熱調理器で加熱可能とした
容器封入食品の殺菌処理方法であって、前記液体3を満
水状態として容器1をフィルム4で封止し、この容器封
入食品Aに少なくとも1000気圧以上の超高圧処理を
施し、このフィルム4に水抜き穴5をあけて液体3が適
量となるように水抜き処理し、次いで95℃以上で加熱
処理し、前記水抜き穴5を封止する容器封入食品の殺菌
処理方法。
Description
菌処理方法に関するものである。
ら、例えば、容器内に米と水とを入れ、フィルムで封止
し、電子レンジで加熱可能とした容器封入食品が提供販
売されており、この容器封入食品は、購入者が家庭の電
子レンジで加熱するだけの簡単調理で炊き立てのご飯が
できあがるために非常に好評である。
で細菌が繁殖してしまうことを防止するために、製造段
階において100℃程度で加熱することによる殺菌処理
を行っている。
処理により栄養摂取型の細菌は略殺菌されるが、芽胞と
称される所謂非栄養摂取型の細菌の卵までは殺菌されず
に残ってしまうことが確認されている。
理することで殺菌できることも確認されているが、12
0℃もの高温で加熱処理してしまうと、米の食味が損な
われて品質が低下しまうために100℃程度での加熱処
理とせざるを得ないという現状があった。
することを抑制し、保存期間を延ばすための保存料を容
器内に混入する方式が採用されている。
酸などの酸味料や、エージレス(商品名)などの脱酸素
剤が用いられるのが一般的であるが、この保存料を用い
ることによって以下のような問題を生じることが確認さ
れている。
味)が損なわれてしまう。
また、フィルムとの止着部分からも酸素が入り込むこと
のないような完全密封止着が必要で、フィルムや容器が
コスト高となるため割高な製品となってしまう。
解決すべく開発されたもので、上記問題点の要因である
酸味料や脱酸素剤などの保存料を一切用いることなく長
期保存が可能となる画期的な容器封入食品の殺菌処理方
法を提供するものである。
明の要旨を説明する。
食材2と水や汁などの液体3とを入れ、フィルム4で封
止し、電子レンジなどの加熱調理器で加熱可能とした容
器封入食品の殺菌処理方法であって、前記液体3を満水
状態として容器1をフィルム4で封止し、この容器封入
食品Aに少なくとも1000気圧以上の超高圧処理を施
し、このフィルム4に水抜き穴5をあけて液体3が適量
となるように水抜き処理し、次いで95℃以上で加熱処
理し、前記水抜き穴5を封止することを特徴とする容器
封入食品の殺菌処理方法に係るものである。
上で1分以上保持する超高圧処理としたことを特徴とす
る請求項1記載の容器封入食品の殺菌処理方法に係るも
のである。
1毎調理加熱することで95℃以上とすることを特徴と
する請求項1,2のいずれか1項に記載の容器封入食品
の殺菌処理方法に係るものである。
耐熱性菌の芽胞を殺菌し、この直後に更にこの芽胞の殺
菌を完全にすべく前記加熱処理を行うことを特徴とする
請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器封入食品の殺
菌処理方法に係るものである。
ィルムとなる前記フィルム4上にトップフィルム6を重
合状態に止着することを特徴とする請求項1〜4のいず
れか1項に記載の容器封入食品の殺菌処理方法に係るも
のである。
込み片部7が形成される切り込み7Aを前記フィルム4
に形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1
項に記載の容器封入食品の殺菌処理方法に係るものであ
る。
熱処理を行い、この水抜き穴5を前記加熱処理を行う際
の蒸気抜き穴として機能させることを特徴とする請求項
1〜6のいずれか1項に記載の容器封入食品の殺菌処理
方法に係るものである。
(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてそ
の作用効果を示して簡単に説明する。
水状態としてこの容器1をフィルム4で封止する。
1000気圧以上の超高圧処理を施して、容器1内の細
菌及び芽胞に殺傷ダメージを与える。
り容器1内には空気が残らないため、容器1内に空気が
残っていることが原因で容器1内に超高圧処理による圧
力が均一に加わらなくなり、この超高圧処理による殺菌
処理が不十分となってしまうことが防止されて、超高圧
処理が極めて効果的に行われることになる。
あけて液体3が適量となるように水抜き処理する。
ジが細菌及び芽胞に残っているうちに容器封入食品Aを
95℃以上で加熱処理して殺菌する。
加熱処理によって膨張する食材2の膨張スペースが容器
1内に良好に確保されるし、消費者が容器封入食品Aを
開封する際に液体3が不用意に容器1外へ流出してしま
うこともなく、取扱性も良好となる。
抜け切らないうちに更に細菌及び芽胞を95℃以上に加
熱して殺菌するので、容器1内の細菌及び芽胞を極めて
効果的に殺菌できることになる。
果的に殺菌処理されるから、保存料として、酸味料や脱
酸素剤を使用することなしに長期保存が可能となり、ま
た、保存料を使用しないことにより食材2の食味(風
味)を損なうことも、商品が割高となったりすることも
ないなど秀れた容器封入食品の殺菌処理方法となる。
上保持する超高圧処理とすれば、この超高圧処理により
容器1内の細菌及び芽胞に対して一層効果的な殺傷ダメ
ージが与えられることになる。
上で調理加熱すれば、食材2を他の容器に移し替えるこ
となく、超高圧処理を行った後でそのまま容器1毎加熱
処理できるため、殺菌処理が一層能率良く行われること
になる。
内の耐熱性菌の芽胞を殺菌し、この直後に更にこの芽胞
の殺菌を完全にすべく前記加熱処理を行えば、耐熱性菌
の芽胞を一層効果的に殺菌でき、更に長い保存期間の実
現が可能となる。
フィルム4上に単にトップフィルム6を重合状態に止着
することで水抜き穴5を封止する構成とすれば、この水
抜き穴5封止を簡易に行えることになり、一層実用的と
なる。
ブロック7が形成される切り込み7Aを前記フィルム4
に形成することで水抜き穴5を形成すれば、この水抜き
穴5を簡易に設計実現可能となり、また、この切り込み
片部7を切り起こした状態で水抜き穴5を形成すれば、
この切り込み片7が蓋の作用を果たして水抜き穴5から
細菌や細菌を含んだ水などが侵入しにくくなるなど、一
層実用的となる。
記加熱処置を行い、この水抜き穴5を加熱処理を行う際
の蒸気抜き穴として機能させれば、前記フィルム4を容
器1から剥がさずに加熱調理しても水抜き穴5から良好
に蒸気が抜け出て容器封入食品Aが破裂してしまうこと
がなく、また、フィルム4を容器1から剥がしたり、容
器1やフィルム4にその他の蒸気孔などを形成すること
による細菌の侵入もないなど、一層実用的となる。
いて説明する。
ような、容器1内に食材2としての米(以下米2と称
す。)と液体3としての水(以下水3と称す。)を入
れ、フィルム4で封止し、電子レンジなどの加熱調理器
で加熱可能とした容器封入食品Aの殺菌処理方法に適用
している。また、水3は、45℃以上の湯を採用してい
る。
の超高圧処理を施す。
と、図1の(c)に示すように、例えば高圧発生装置9
などにより容器封入食品Aに3000気圧以上で1分以
上保持する。このように、45℃以上のお湯に3000
気圧以上の圧力を施すと、この湯(水3)中の細菌は略
死滅することが確認されている。また、この状態を1分
以上保持することで、容器1内の耐熱性菌の芽胞に対し
ても殺菌若しくは殺傷ダメージを与えることができる。
(b)に示すように、容器1内の水3を満水状態として
この容器1をフィルム4で封止し、容器1内に空気が存
在しない状態とする。このように容器1内の空気を無く
するのは、容器1内に空気が残っていることが原因で容
器1内に均一に圧力が加わらなくなり、この超高圧処理
による殺菌処理が不十分となってしまうことを防ぐため
である。また、このように単に容器1内の水3を満水状
態とすることにより容器1内の空気が除去でき、この空
気を含まない状態の容器封入食品Aを構成することが簡
易に行われる。
き穴5をあけて水3が適量となるように水抜き処理す
る。
る記載は、消費者が容器封入食品Aを開封する際に、水
3が不用意に容器1外へ流出するなど取扱性に支障とな
ることのない水3量であり、且つ容器1内に、加熱調理
に際して米2が水3を吸って膨張する余裕を生じる量で
あって、米3の炊き上がりが良好となる量でもあること
を意味している。
示すように、起伏自在な切り込み片部7が形成される切
り込み7Aを前記フィルム4に形成することで構成して
いる。従って、この水抜き穴5は簡易に設計実現可能と
なる。
ように、ストロー10などを利用して水3を抜き、容器1
内の水3を適量とする。
と、前記超高圧処理によって容器1内の細菌並びに耐熱
性菌の芽胞を殺菌し、この直後に更に加熱調理器11など
により米2を容器1毎95℃以上で調理加熱する。
る記載は、前記超高圧処理による殺傷ダメージが細菌及
び芽胞に残っている時間内であることを意味している。
このように前記超高圧処理による殺傷ダメージが細菌及
び芽胞に残っているうちに加熱処理を行うことで、容器
封入食品A内の細菌を限りなくゼロに近い数にまで殺菌
できることが、確認されている。
て同時に製品化に当たっての前調理を施している。
がって)いるご飯を家庭の電子レンジなどで再加熱する
商品とするか,半完成状態のご飯を家庭用の電子レンジ
などで加熱して炊き上がらせる商品とするかにより二通
りにの調理を選択する。即ち前者のような商品とする場
合には、この加熱処理によって食材(本実施例では米)
2を完成状態にまで調理し、後者のような商品とする場
合にはこの加熱処理によって食材2を半完成状態にまで
調理する。
に、前記水抜き穴5を閉塞せずに加熱処理を行い、この
水抜き穴5を加熱処理を行う際の蒸気抜き穴として機能
させ、加熱処理中に容器封入食品Aが破裂してしまうこ
とを防止している。即ち、加熱処理に際し、容器1内の
蒸気が水抜き穴5から外部へ逃げようとする作用で切り
込み片部7が起動して水抜き穴5が蒸気抜き穴として機
能する。従って、この水抜き穴5を水抜き用しても蒸気
抜き用としても機能させるため、その他に容器やフィル
ム4に余分な穴を開けて細菌が侵入することがないな
ど、非常に実用的な構成となる。
に冷えると自動的に切り込み片部7が伏動して閉塞され
るからこの切り込み片7が水抜き穴5の蓋の作用を果た
して水抜き穴5から細菌や細菌を含んだ水などが侵入し
にくくなる。
ように、インナフィルムとなる前記フィルム4上にトッ
プフィルム6を重合状態に止着して水抜き穴5を封止
し、殺菌処理完了並びに商品完成となる。
ば、容器封入食品A内の細菌を限りなくゼロに近い数に
まで殺菌することができた。
り従来例のような保存料を使用することなく、長期保存
が可能となる容器封入食品Aを完成できたため、保存料
を使用することによる従来の欠点を解決でき、米2本来
の風味があり、且つ割高な商品ともならない極めて商品
価値の高い容器封入食品Aを実現できることとなった。
少なくとも1000気圧以上の超高圧処理を施して、容
器内の細菌及び芽胞に殺傷ダメージを与え、次いで、こ
の超高圧処理による殺傷ダメージが細菌及び芽胞に残っ
ているうちに容器封入食品を95℃以上で加熱処理して
殺菌するから、容器内の細菌及び芽胞を極めて効果的に
殺菌できることになる。
果的に殺菌処理されるので、保存料として、酸味料や脱
酸素剤を使用することなしに長期保存が可能となり、ま
た、保存料を使用しないことにより食材の食味(風味)
を損なうことも、商品が割高となったりすることもない
など秀れた容器封入食品の殺菌処理方法となる。
に液体を満水状態として容器内には空気が残らないよう
にしており、容器内に空気が残っていることが原因で容
器内に前記超高圧処理による圧力が均一に加わらずにこ
の超高圧処理による殺菌処理が不十分となってしまうこ
とが防止されるので、超高圧処理が極めて効果的に行わ
れることになる上、前記加熱処理に際しては、水抜き処
理により水分が適量となっているから、加熱処理によっ
て膨張する食材の膨張スペースが容器内に良好に確保さ
れるし、消費者が容器封入食品を開封する際に水が不用
意に容器外へ流出してしまうこともなく取扱性も向上す
るなど秀れた容器封入食品の殺菌処理方法となる。
理を、3000気圧以上で1分以上保持すことにより容
器内の細菌及び芽胞に対して一層効果的な殺傷ダメージ
が与えられることになり、一層実用的となる。
を、食材を容器毎95℃以上に調理加熱することで、食
材を他の容器に移し替えることなく、超高圧処理を施し
た後でそのまま容器毎加熱処理できるため、殺菌処理が
一層能率良く行われることになり、一層実用的となる。
理によって容器内の耐熱性菌の芽胞を殺菌し、この直後
に更にこの芽胞の殺菌を完全にすべく前記加熱処理を行
うことにより、耐熱性菌の芽胞を一層効果的に殺菌で
き、更に長い保存期間の実現が可能となる。
ムとなる前記フィルム上に単にトップフィルムを重合状
態に止着することで水抜き穴を封止する構成とするか
ら、この水抜き穴封止を簡易に行えることになり、一層
実用的となる。
な切り込み片部が形成される切り込みを前記フィルムに
形成することで水抜き穴を形成するから、この水抜き穴
を簡易に設計実現可能となり、また、この切り込み片部
を切り起こした状態で水抜き穴を形成すれば、この切り
込み片が蓋の作用を果たして水抜き穴から細菌や細菌を
含んだ水などが侵入しにくくなるなど、一層実用的とな
る。
塞せずに前記加熱処置を行い、この水抜き穴を加熱処理
を行う際の蒸気抜き穴として機能させるため、前記フィ
ルムを容器から剥がさずに加熱調理しても水抜き穴から
良好に蒸気が抜け出て容器封入食品が破裂してしまうこ
とがなく、それだけ処理能率が向上し、また、フィルム
を容器から剥がしたり、容器やフィルムにその他の蒸気
孔などを形成することによる細菌の侵入もないなど、一
層実用的となる。
ある。
Claims (7)
- 【請求項1】 容器内に少なくとも米や肉や野菜などの
食材と水や汁などの液体とを入れ、フィルムで封止し、
電子レンジなどの加熱調理器で加熱可能とした容器封入
食品の殺菌処理方法であって、前記液体を満水状態とし
て容器をフィルムで封止し、この容器封入食品に少なく
とも1000気圧以上の超高圧処理を施し、このフィル
ムに水抜き穴をあけて液体が適量となるように水抜き処
理し、次いで95℃以上で加熱処理し、前記水抜き穴を
封止することを特徴とする容器封入食品の殺菌処理方
法。 - 【請求項2】 前記超高圧処理は、3000気圧以上で
1分以上保持する超高圧処理としたことを特徴とする請
求項1記載の容器封入食品の殺菌処理方法。 - 【請求項3】 前記加熱処理は、前記食材を容器1毎調
理加熱することで95℃以上とすることを特徴とする請
求項1,2のいずれか1項に記載の容器封入食品の殺菌
処理方法。 - 【請求項4】 前記超高圧処理によって容器内の耐熱性
菌の芽胞を殺菌し、この直後に更にこの芽胞の殺菌を完
全にすべく前記加熱処理を行うことを特徴とする請求項
1〜3のいずれか1項に記載の容器封入食品の殺菌処理
方法。 - 【請求項5】 前記水抜き穴の封止は、インナフィルム
となる前記フィルム上にトップフィルムを重合状態に止
着することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
記載の容器封入食品の殺菌処理方法。 - 【請求項6】 前記水抜き穴は、起伏自在な切り込み片
部が形成される切り込みを前記フィルムに形成したこと
を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器
封入食品の殺菌処理方法。 - 【請求項7】 前記水抜き穴を閉塞せずに前記加熱処理
を行い、この水抜き穴を前記加熱処理を行う際の蒸気抜
き穴として機能させることを特徴とする請求項1〜6の
いずれか1項に記載の容器封入食品の殺菌処理方法。
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-
1998
- 1998-07-18 JP JP21967998A patent/JP3881782B2/ja not_active Expired - Lifetime
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