JP2683227B2 - 食材の殺菌方法 - Google Patents
食材の殺菌方法Info
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Description
特に固形食材を使い捨て容器に収容したまま蒸気にて加
熱殺菌し、減圧冷却した後汁分又は水分を充填し、さら
にレトルト殺菌してそのまま出荷することができる食材
の殺菌方法に関する。
るにともない、食材の殺菌方法もますます多様化しつつ
ある。この中でレトルト殺菌は代表的かつ基本的な殺菌
技術の一つであり、このレトルト殺菌では固形食材をプ
ラスチックやアルミラミネートシート製の袋等に汁分と
共に充填密封し、レトルト釜にて加熱殺菌処理する。
は、固形食材と汁分とを密封した袋を通して同時に加熱
処理するため、固形食材と汁分のそれぞれに適した殺菌
処理を独立して行うことができなかった。また袋を通し
て加熱するため処理時間が数十分乃至数時間と長くなり
がちで、袋の厚みが厚い程長い処理時間を必要としてい
た。このため、食材及び汁分が長時間高温に曝されるこ
とによる品質劣化や風味低下等が問題となっていた。
べく新規な殺菌方法を先に提案した(特願平6−208
548号)。この殺菌方法は、固形食材と汁分を別々に
殺菌処理した後に出荷用の袋に充填するもので、固形食
材の殺菌処理用に小容量の専用リテーナを使用し、この
リテーナを複数個殺菌釜に収容して固形食材を殺菌す
る。
すると、固形食材をリテーナから出荷用の袋へ移し替え
る工程が別途必要になり、かつ、使用済リテーナを再使
用に備えて洗浄する工程やリテーナの洗浄装置、さらに
はリテーナの循環移動装置等が必要となる。
れたもので、その目的とするところは、リテーナを使用
せずに、かつ、固形食材と汁分をそれぞれに適した条件
で殺菌することができ、殺菌後は直ちに出荷可能な殺菌
方法を提供することにある。
を有する耐熱性の使い捨て容器に固形食材を収容する工
程、前記使い捨て容器を殺菌釜に収容する工程、前記殺
菌釜を真空にする工程、前記殺菌釜に高温高圧蒸気を導
入し所定の短時間保持することにより前記固形食材を殺
菌する工程、前記殺菌釜を減圧し前記固形食材を冷却す
る工程、前記殺菌釜から前記使い捨て容器を取出し、該
容器に汁又は水を充填する工程、前記使い捨て容器の開
口部を蓋板で密閉する工程、及び密閉した使い捨て容器
をレトルト殺菌する工程を有する。
種類に応じて設定する。またレトルト殺菌の加熱温度と
圧力は、汁分又は水の殺菌に最適な条件に設定する。固
形食材の殺菌条件は、後のレトルト殺菌による再殺菌を
見込んで、その殺菌条件をやや緩めに設定することで食
材の品質劣化を最小限にできる。
菌し、製品として包装し出荷する最終段階まで内容物の
移し替えが不要で、従って殺菌工程から出荷工程に至る
間の工程の簡略化と汚染機会の最少化を図れる。
説明する。
うにベルトコンベア等の搬送手段によって連続的に搬送
されてくる使い捨て容器1に、固形食材aを投入機2の
所定箇所から1パック分だけ定量投入し、食材a入りの
使い捨て容器1を複数個まとめて殺菌釜3に収容する。
使い捨て容器1は耐熱性を有する例えばアルミ箔製の容
器で、かつ、蒸気が入りやすいように上端が広く開口し
ているものが望ましい。また通常のレトルト食品の包装
に使用されるプラスチック製容器も使い捨て容器1とし
て使用可能である。
可能な開閉口3a,3bを備えた中空筒状の水平な缶体
を使用でき、この殺菌釜3に食材入り使い捨て容器1を
複数個収容した後、両端の開閉口3a,3bを密閉して
固形食材aの殺菌を行なう。開閉口3a,3bは、ボー
ルバルブ形式やスライドバルブ形式などを採用できる。
殺菌釜3の内部では、固形食材a入りの容器1が1列で
隙間なく隣接した状態で収容される。
真空ポンプに接続された減圧配管5と、蒸気供給弁6を
有し図示しない蒸気発生源へ接続された蒸気供給配管7
と、排気弁8を有し大気へ開放する排気管9と、真空ブ
レイク弁10とフィルタ11を介して大気を殺菌釜3に
導入する大気導入管12とが接続される。また、殺菌釜
3の底部にドレン弁13及びトラップ14を有するドレ
ン管15が接続される。
排気して殺菌釜3内を真空にする工程、高温高圧蒸気
を殺菌釜3内に導入し所定の短い時間蒸気を殺菌釜3内
に保持する工程(例えば130℃〜150℃で5秒〜5
分)、殺菌釜3から排気して殺菌釜3内を大気圧又は
真空まで減圧する工程、真空まで減圧した場合は殺菌
釜3内に大気を導入して真空ブレイクする工程の順番に
行なう。
うに予め殺菌釜3内を真空にしておくことにより、固形
食材a内部の微小空孔が脱気され、食材aの隅々まで蒸
気が一気に回り、均一かつ効果的な殺菌ができる。また
のように殺菌釜3内を減圧することにより固形食材a
の温度を急速に低下させることができ、固形食材aが余
熱によりオーバークッキングされるのを防止する。大気
圧まで減圧すると食材aの温度は約100℃まで低下す
る。また真空まで減圧すれば温度低下はさらに大きくな
る。このように効果的な殺菌が短時間でなされ、かつ余
計な熱が食材aに作用しないので、食材aの品質劣化や
加熱し過ぎによる煮崩れ等を防止できる。
対側の開閉口3bから容器1を取り出し、別工程で殺菌
処理した汁分又は水分bを、充填機・包装機4によって
容器1内に充填し、容器1の上端開口をシール蓋板16
で密封して中間製品又は最終製品として取出し、その
後、さらにレトルト殺菌処理を行なう。レトルト殺菌の
条件は汁の種類等によって異なるが、凡そ100℃〜1
20℃で10〜20分である。レトルト殺菌を終えた容
器1は、そのまま常温で出荷され、商業流通網に流され
る。なお、殺菌釜3の開閉口3bから充填機・包装機4
に至るエリアは二次汚染を防止するためクリーンブース
C内に設置するのが望ましい。
行なう最終的殺菌であると同時に、汁分又は水分bを未
殺菌で容器1に充填する場合にあっては、その汁分又は
水分bを殺菌するためのものでもある。レトルト殺菌は
主として高圧により殺菌するもので強い加熱を特に必要
とせず、このため固形食材aの品質劣化を最小限に止め
ることができる。固形食材aにとってはレトルト殺菌は
二度目の殺菌になるので、場合によっては最初の殺菌釜
3での殺菌条件をやや緩和しておき、レトルト殺菌によ
り所望の殺菌状態に到達するようにしてもよい。この場
合は固形食材aの熱による品質劣化をさらに低減でき
る。
が、本発明は前記実施例に限定されることなく種々の変
形が可能である。例えば殺菌釜3は両端に開閉口3a,
3bを持つものの他、一ヶ所にのみ開閉口を備えここか
ら固形食材aを出し入れする構造であってもよい。また
本発明は米の殺菌炊飯にも適用可能であり、この場合は
固形食材aとしての米を水洗浄しかつ所定量だけ吸水さ
せ、水切りして使い捨て容器1に投入し、殺菌釜3で蒸
煮にて殺菌炊飯し、充填機・包装機4で所定量の水を充
填し密封した後レトルト殺菌する。炊飯前の米に対する
吸水量や炊飯後の容器1に対する充填水量を加減するこ
とによって、常温流通可能なおいしい無菌米飯や無菌お
かゆができる。
をリテーナの代わりに使用して固形食材の殺菌を最初か
ら最後まで行なうので、固形食材の移し替えが一切不要
になり、従来のリテーナを使用した殺菌方法に比べて殺
菌装置の構成及び保守が簡単になる。また固形食材と汁
分とを別々に殺菌するため、それぞれに最適な殺菌条件
の設定が可能である。また固形食材は、殺菌釜内をいっ
たん真空にした後蒸気を導入して殺菌されるので、短時
間にて効果的な殺菌が可能であり、従って食材の品質劣
化や煮崩れを防止できる。さらに蒸気導入後に殺菌釜を
減圧して食材を急速冷却するので、余熱が食材に残ら
ず、余熱によるオーバークッキングを防止できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 開口部を有する耐熱性の使い捨て容器に
固形食材を収容する工程、 前記使い捨て容器を殺菌釜に収容する工程、 前記殺菌釜を真空にする工程、 前記殺菌釜に高温高圧蒸気を導入し所定の短時間保持す
ることにより前記固形食材を殺菌する工程、 前記殺菌釜を減圧し前記固形食材を冷却する工程、 前記殺菌釜から前記使い捨て容器を取出し、該容器に汁
又は水を充填する工程、 前記使い捨て容器の開口部を蓋板で密閉する工程、及び
密閉した使い捨て容器をレトルト殺菌する工程を有する
ことを特徴とする食材の殺菌方法。 - 【請求項2】 前記汁又は水を、予め殺菌した後、前記
使い捨て容器に充填することを特徴とする請求項1記載
の食材の殺菌方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15948995A JP2683227B2 (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | 食材の殺菌方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15948995A JP2683227B2 (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | 食材の殺菌方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH099937A JPH099937A (ja) | 1997-01-14 |
JP2683227B2 true JP2683227B2 (ja) | 1997-11-26 |
Family
ID=15694890
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15948995A Expired - Lifetime JP2683227B2 (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | 食材の殺菌方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2683227B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
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JP5077556B2 (ja) | 2008-01-10 | 2012-11-21 | 東洋製罐株式会社 | 容器詰め食品の殺菌方法および充填システム |
DE102011121171A1 (de) * | 2011-12-16 | 2013-06-20 | Hipp & Co | Verfahren zur Sterilerhitzung von Lebensmitteln |
JP6715222B2 (ja) | 2017-09-22 | 2020-07-01 | 株式会社日阪製作所 | 包装食品の製造方法 |
JP2019214403A (ja) * | 2018-06-12 | 2019-12-19 | 株式会社日阪製作所 | 包装食品用容器 |
TW202100339A (zh) | 2019-03-04 | 2021-01-01 | 日商可樂麗股份有限公司 | 包裝容器及使用其之蒸氣殺菌製品 |
EP4074623A4 (en) | 2019-12-11 | 2024-01-17 | Kuraray Co | PACKAGING CONTAINER FOR STERILIZATION |
-
1995
- 1995-06-26 JP JP15948995A patent/JP2683227B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH099937A (ja) | 1997-01-14 |
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