JP2000032718A - 永久磁石電動機 - Google Patents

永久磁石電動機

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JP2000032718A JP10198768A JP19876898A JP2000032718A JP 2000032718 A JP2000032718 A JP 2000032718A JP 10198768 A JP10198768 A JP 10198768A JP 19876898 A JP19876898 A JP 19876898A JP 2000032718 A JP2000032718 A JP 2000032718A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 永久磁石電動機において、マグネットトルク
とリラクタンストルクを併用してモータの高トルク化、
低コスト化を図る。 【解決手段】 回転磁界を発生する固定子1の内部に回
転子10を有する永久磁石電動機において、固定子1か
らの磁路について一方のq軸から他方のq軸へ所定の路
幅を確保するように、回転子10には断面蒲鉾形のマグ
ネット11をd軸の近傍に同回転子10の外周に沿って
当該極数分だけ等間隔に埋め込むとともに、これらマグ
ネット11を囲むように一定間隔で細長い孔12を形成
し、前記隣接するマグネット11の磁化方向を逆向きと
してマグネットトルクを発生させる。また、前記磁路幅
の確保と前記マグネット11および断面バスタブ曲線形
状の細長い孔12によりd軸、q軸インダクタンスの差
を大きくし、リラクタンストルクを発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気調和機や自
動車等に用いるモータの永久磁石電動機に係り、特に詳
しくはマグネットトルクおよびリラクタンストルクを有
効利用する永久磁石電動機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】永久磁石電動機は、例えば図10に示す
ように、回転磁界を発生する24スロットの固定子1内
に回転子2を有しており、この回転子2には当該永久磁
石電動機の極数(4極)分だけの永久磁石3が外径に沿
って円周方向に配置されている。なお、4はシャフト用
の中心孔である。また、回転子2を無駄なく利用するた
めに、マグネットの量を多くすることによってマグネッ
トトルクを大きくし、大きなトルクを発生する永久磁石
電動機を得ることができる。
【0003】一方、例えば図11に示すように、マグネ
ットを用いないリラクタンスモータが既に提案されてお
り、このリラクタンスモータは前記永久磁石電動機と同
様の24スロットの固定子1内に回転子5を有してい
る。
【0004】この回転子5の外周は凹凸形状になってお
り、この凹凸部が当該リラクタンスモータの極数(4
極)分だけ等間隔に形成されている。これにより、固定
子1からの一方(q軸)の磁束がその凸部を介して回転
子5内を通り易く、他方(d軸)の磁気が凹部(フラッ
クスバリア)により回転子5内を通りにくくなる。この
ような磁束の通り方により、回転子5内がリラクタンス
不均一なり、またその凸部に突極部が形成され、固定子
1の回転磁界とあいまって回転子5が回転する。
【0005】したがって、永久磁石電動機は、マグネッ
トを使用する分リラクタンスモータより大きいトルクを
得ることができ、リラクタンスモータは、マグネットを
使用しない分永久磁石電動機よりコストが安価に済む。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記永
久磁石電動機においては、永久磁石3が固定子1からの
磁路を阻害するためリラクタンストルクはほとんど発生
せず、つまりリラクタンストルクの寄与が殆ど見られな
い。しかも、高トルク、高効率化を図るために、希土類
の永久磁石等を使用すると、モータのコストがより高く
なってしまう。
【0007】また、前記リラクタンスモータにおいて
は、回転子5に設けた凹部(フラックスバリア)が無駄
なスペースになっているばかりかマグネットトルクの発
生がないため、どうしても高トルク、高効率化が望めな
い。
【0008】このように、永久磁石電動機およびリラク
タンスモータにあっては、トルクおよびコスト面を勘案
すると、トルクの有効的な利用に限りがある。
【0009】この発明は前記課題に鑑みなされたもので
あり、その目的はリラクタンストルクを発生させ、マグ
ネットトルクと組合せて高トルク、低コストのモータを
得ることができるようにした永久磁石電動機を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明は回転磁界を発生する固定子の内部に回転
子を有する永久磁石電動機において、前記回転子には、
固定子からの磁路について一方のq軸から他方のq軸へ
所定の磁路幅を確保するように、断面蒲鉾形のマグネッ
トをd軸の近傍に前記回転子の外周に沿って当該極数分
だけ等間隔に埋め込むとともに、該マグネットを囲むよ
うに一定間隔で細長い孔を形成してなり、前記隣接する
マグネットの磁化方向を逆向きとしてマグネットトルク
を発生させ、かつ、前記磁路幅の確保と前記マグネット
および細長い孔とによりd軸、q軸インダクタンスの差
を大きくしてリラクタンストルクを発生させるようにし
たことを特徴としている。
【0011】この場合、前記マグネットの断面蒲鉾形
は、円弧曲線と断面バスタブ曲線とを組合せ、かつ該断
面バスタブ曲線の側辺が前記q軸に平行となるように同
断面バスタブ曲線の折り曲げ角度を鈍角とし、前記細長
い孔は前記断面バスタブ曲線形状のフラックスバリアと
するとよい。
【0012】前記回転子は、電磁鋼板を自動プレスで打
ち抜くとともに、金型内で自動積層してなるコアであ
り、該自動積層したコアを当該中心孔と前記細長い孔と
の間でq軸上あるいはd軸上にリベットを通してかしめ
るとよい。
【0013】この発明は回転磁界を発生する固定子の内
部に回転子を有する永久磁石電動機において、前記回転
子には、固定子からの磁路について一方のq軸から他方
のq軸へ所定の磁路幅を確保するように、円弧曲線と断
面バスタブ曲線とを組合せ、かつ該断面バスタブ曲線の
側辺が前記q軸に平行となる角度で折り曲げてなる断面
蒲鉾形のマグネットをd軸の近傍に前記回転子の外周に
沿って当該極数分だけ等間隔に埋め込むとともに、該マ
グネットを囲むように断面バスタブ曲線形状の孔を前記
中心孔に近づけて形成してなり、前記隣接するマグネッ
トの磁化方向を逆向きとしてマグネットトルクを発生さ
せ、かつ、前記磁路幅の確保と前記マグネットおよび細
長い孔とによりd軸、q軸インダクタンスの差を大きく
してリラクタンストルクを発生させるようにしたことを
特徴としている。
【0014】この場合、前記回転子は、電磁鋼板を自動
プレスで打ち抜くとともに、金型内で自動積層してなる
コアであり、該自動積層したコアを前記マグネットの孔
と前記断面バスタブ曲線形状の孔との間でd軸上にリベ
ットを通してかしめるとよい。
【0015】また、前記マグネットと前記回転子の外周
との間隔および前記断面バスタブ曲線形状の孔の両端部
と前記回転子の外周との間隔は、当該コアシートの厚さ
の1倍から3倍の範囲にするとよい。
【0016】前記断面バスタブ曲線形状の孔の底部分あ
るいは前記断面バスタブ曲線形状の孔の両側辺部分もし
くは前記断面バスタブ曲線形状の孔の全てにはマグネッ
トを埋め込み、該マグネットを前記断面バスタブ曲線に
よって囲んだマグネットの磁束の向きに磁化、着磁する
とよい。
【0017】前記マグネットはファライト磁石あるいは
希土類磁石にするとよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
1ないし図9を参照して詳しく説明する。なお、図中、
図10および図11と同一部分には同一符号を付して重
複説明を省略する。
【0019】この発明の永久磁石電動機は、d軸方向に
IPM方式でマグネットを埋め込む一方、そのマグネッ
トを囲むようにフラックスバリアを設け、かつ一方のq
軸から他方のq軸への磁路幅を広く確保すれば、マグネ
ットトルクの発生だけなく、リラクタンストルクを有効
に発生させることができるという永久磁石電動機および
リラクタンスモータの利点を生かせば、高トルク化、低
コスト化が図れることに着目にしたものである。
【0020】そのため、図1および図2に示すように、
この永久磁石電動機の回転子10は、固定子1からの一
方(一方のq軸から他方のq軸へ)の磁路を確保するよ
うに(図2の波線矢印参照)、蒲鉾形状のマグネット1
1を回転子10の外周に沿って当該極数分等間隔に埋め
込む一方(電気角でほぼπの位相差を有するように埋め
込む一方)、そのマグネット11を囲む形に細長いフラ
ックスバリアの孔12を形成してなる。なお、隣接する
マグネット11は異極とする。
【0021】また、固定子1において、例えば外径側の
巻線をU相、内径側の巻線をW相、その中間の巻線をV
相としている。さらに、24スロットの固定子1には三
相(U相、V相およびW相)の電機子巻線が施されてい
るが、スロット数や電機子巻線が異なっていてもよい。
【0022】前記マグネット11は、蒲鉾形の円弧部分
を外周に沿うように配置されている。またマグネット1
1の外形は、その円弧曲線と断面バスタブ曲線とを組合
せてなり、かつその断面バスタブ曲線の側辺がq軸に平
行となるように同断面バスタブ曲線の折り曲げ角度が鈍
角になっている。したがって、前記フラックスバリアの
細長い孔12は断面断面バスタブ曲線形状となる。
【0023】一方、前記マグネット11の量は、従来の
永久磁石電動機より少なく、かつマグネット11と断面
バスタブ曲線形状の孔12との間隔は一定値xとし、固
定子1からの磁気を一方のq軸から他方のq軸へと通り
易くしている(図2の波線矢印参照)。これは、その磁
路の磁気抵抗を小さくし、q軸インダクタンスLqを大
きくすることになる。
【0024】また、マグネット11は、透磁率が小さく
フラックスバリアとして働き、さらに断面バスタブ曲線
形状の孔12がフラックスバリアであることことから、
固定子1からの磁束が一方のd軸から他方のd軸へ通り
にくくなる。これは、その磁路の磁気抵抗を大きくし、
d軸インダクタンスLdを小さくすることになる。した
がって、LdとLqとの差が大きくなり、リラクタンス
トルクが有効に発生する。
【0025】また、回転子10の外周とマグネット11
との間隔は、後述するコアシート10aの厚さをtとす
ると、tから3tの範囲内とする。同様に、回転子10
の外周と断面バスタブ曲線形状の孔12の両端部との間
隔はtから3tの範囲内にするとよい。これにより、後
述するコア製造時にバリ等の発生もなく、精度よくコア
を製造することができ、またマグネット11の磁束の漏
洩、短絡も防止することができ、つまりマグネットトル
クの向上に寄与する。
【0026】ここで、モータコストについて考えると、
コストはマグネット11の大きさに依存する。したがっ
て、マグネット11の使用量を少なくし、マグネット1
1を小さくして一方のq軸から他方のq軸への磁路幅を
より広くすると、リラクタンストルクを大きくすること
ができ、つまりマグネット11の減少分をリラクタンス
トルクで補うことができ、ひいては高トルク化、低コス
ト化を実現することができる。
【0027】また、マグネット11としては、フェライ
ト磁石や希土類磁石を用いる。この場合、フェライト磁
石は低コスト化に有効であり、希土類磁石は高トルク化
に有効となる。
【0028】ところで、回転子10の製造においては、
コアプレス金型を用いて自動プレスで電磁鋼板を打ち抜
き、金型内で一体的に形成するコア積層方式(自動積層
方式)を採用する。
【0029】図3および図4に示すように、このプレス
加工工程では、回転子10のコアを打ち抜くが、シャフ
ト用の中心孔4、永久磁石11を埋設する孔11aおよ
び断面バスタブ曲線形状の孔12を打ち抜いたコアシー
ト10aを積層してかしめる。このかしめは、積層した
コアの両端側に蓋をするとともに、かしめ用のリベット
13を孔13aに通して行う。したがって、前記コアシ
ート10aのプレス加工時に、リベット13を通す孔1
3aも打ち抜くことになる。
【0030】そして、自動的にプレス、積層して得た回
転子10のコアの孔にIPM方式でマグネット11を埋
め込み、このマグネット11を磁化、着磁する。なお、
マグネット11は、d軸方向に磁化、着磁し、かつ隣接
するマグネット11の磁化、着磁の向きを逆にする。
【0031】また、前記リベット13を通す孔13a
は、中心孔4と孔12と孔12の間(フラックスバリア
の間)でq軸上に設けられている。したがって、リベッ
ト13の材料としては、透磁率の大きい磁性体を用い
る。これは、固定子1からの磁束が一方のq軸から他方
のq軸へ通り易くなり(図3の波線矢印参照)、q軸イ
ンダクタンスが大きくなるからである。
【0032】このように、マグネットトルクおよびリラ
クタンストルクを有効に発生させ、しかもマグネット1
1の使用量を削減することにより、低コスト化を実現す
ることができるとともに、リラクタンストルクを発生さ
せて高トルクを維持することができる。
【0033】また、前述により形成される回転子10を
組み込んでDCブラシレスモータとし、例えば空気調和
機の圧縮機モータ等として利用すれば、コストをアップ
することなく、空気調和機の性能アップ(運転効率の上
昇)を図ることができる。
【0034】図5ないし図7はこの発明の変形実施の形
態を説明する回転子の概略的平面図である。なお、図
中、図3と同一部分には同一符号を付して重複説明を省
略する。また、固定子1については図1を参照された
い。
【0035】図5に示す回転子20は、断面バスタブ曲
線形状の孔12の底部分にマグネット21をIPM方式
で埋め込んだ構成になっている。なお、他の構成部分に
ついては図3と同一である。
【0036】この場合、マグネット21の磁化、着磁を
前記孔12で囲まれているマグネット11の磁化方向に
合わせ、つまり同マグネット11の磁束に重なるように
マグネット21を磁化、着磁する。すると、マグネット
21は当該マグネットトルクに寄与する一方、断面バス
タブ曲線形状の孔12のうちマグネット21を埋め込ん
でいない孔とともに、フラックスバリアの機能を発揮す
る。
【0037】したがって、この変形例では、図3に示す
場合よりもマグネットトルクを大きくすることができる
とともに、リラクタンストルクを大きくすることができ
るため、高トルク化、高効率化が図れる。
【0038】図6に示す回転子30は、断面バスタブ曲
線形状の孔12の側辺部にマグネット31をIPM方式
で埋め込んだ構成になっている。なお、他の構成部分に
ついては図3と同一である。
【0039】この場合、前記マグネット31の磁化、着
磁を前変形実施例と同様に行うことにより、埋め込んだ
マグネット31は当該マグネットトルクに寄与する一
方、断面バスタブ曲線形状の孔12のうちマグネット3
1を埋め込んでいない孔とともに、フラックスバリアの
機能を発揮する。
【0040】したがって、この変形例では、図3に示す
場合よりもマグネットトルクを大きくすることができる
とともに、リラクタンストルクを大きくすることができ
るため、高トルク化、高効率化が図れる。
【0041】さらに、図7に示す回転子40は、断面バ
スタブ曲線形状の孔12にマグネット41をIPM方式
で埋め込んだ構成になっている。なお、他の構成部分に
ついては図3と同一である。
【0042】この場合、マグネット41の磁化、着磁を
前述した変形実施例と同様に行うことにより、埋め込ん
だマグネット41は当該マグネットトルクに寄与する一
方、断面バスタブ曲線形状の孔12のうちマグネット4
1を埋め込んでいない孔とともに、フラックスバリアの
機能を発揮する。
【0043】したがって、この変形例では、図3に示す
場合および前記変形例に示す場合よりもマグネットトル
クを大きくすることができるだけでなく、リラクタンス
トルクを大きくすることができるため、より高トルク
化、高効率化が図れる。
【0044】図8はこの発明の変形実施の形態を説明す
る回転子の概略的平面図である。なお、図中、図3と同
一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。ま
た、固定子1については図1を参照されたい。
【0045】図8に示す回転子50は、コアをかしめる
ためのリベット51を断面バスタブ曲線形状の孔12と
中心孔4との間でd軸上に配置した構成になっている。
なお、リベット51と中心孔4との間隔およびリベット
51と孔12との間隔はコアシート10aの厚さtより
大きくする。また、リベット51の材料としては透磁率
の大きい磁性体を用いるとよい。なお、この変形例は、
図5ないし図7に示す回転子20,30,40に適用す
ることができる。また、回転子20,30,40,50
の製造としては、前述した方法をそのまま適用すること
ができる。
【0046】このように、マグネット21,31,41
をマグネット11の補助的なものとしたので、当該マグ
ネットトルクを大きくすることができ、またその補助的
なマグネットが残りの孔(空気層)とともにフラックス
バリア機能を発揮することから、当該リラクタンストル
クに影響を与えずに済み、ひいては高トルク、高効率化
を図ることができる。
【0047】図9はこの発明の他の実施の形態を説明す
る回転子の概略的平面図である。なお、図中、図3と同
一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。ま
た、固定子1については図1を参照されたい。
【0048】この発明は図8に示すリベット13が狭い
箇所に通っており、製造面で支障を来すこともあること
から、マグネット11を囲む断面バスタブ曲線形状の孔
(フラックスバリア)を中心孔4に近づけ、マグネット
11と断面バスタブ曲線形状の孔との間でd軸上でリベ
ットを通している。
【0049】そのため、この回転子60は、断面バスタ
ブ曲線形状の孔61をマグネット11からより離して
(図3に示す一定値xの大きさ)配置し、コアをかしめ
るためのリベット62を断面バスタブ曲線形状の孔61
と中心孔4との間でd軸上に通す構成になっている。な
お、リベット62とマグネット11との間隔およびリベ
ット62と孔61との間隔はコアシート10aの厚さt
より大きくする。また、リベット51の材料としては透
磁率の大きい磁性体を用いるとよい。
【0050】したがって、マグネット11と孔61との
間隔、つまり磁路幅が広くなることから、q軸インダク
タンスが大きくなり、ひいてはリラクタンストルクを大
きくすることができる。
【0051】また、この実施例は、図5ないし図7に示
す回転子20,30,40に適用することができる。さ
らに、回転子60の製造は前述した方法を適用すること
ができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この永久磁石電動
機の請求項1記載の発明によると、回転磁界を発生する
固定子の内部に回転子を有する永久磁石電動機におい
て、前記回転子には、固定子からの磁路について一方の
q軸から他方のq軸へ所定の磁路幅を確保するように、
断面蒲鉾形のマグネットをd軸の近傍に前記回転子の外
周に沿って当該極数分だけ等間隔に埋め込むとともに、
このマグネットを囲むように一定間隔で細長い孔を形成
してなり、前記隣接するマグネットの磁化方向を逆向き
としてマグネットトルクを発生させ、かつ、前記磁路幅
の確保と前記マグネットおよび細長い孔とによりd軸、
q軸インダクタンスの差を大きくしてリラクタンストル
クを発生させるようにしたので、マグネットトルクとリ
ラクタンストルクを組合せてモータトルクを得ることが
できるため、高トルク化および低コスト化を図ることが
でき、例えば、マグネットの使用量を減らしてマグネッ
トのコア占有率を下げることにより、リラクタンストル
クを上げ、高トルク、低コストのモータを実現すること
ができるという効果がある。
【0053】請求項2記載の発明によると、請求項1に
おけるマグネットの断面蒲鉾形は、円弧曲線と断面バス
タブ曲線とを組合せ、かつこの断面バスタブ曲線の側辺
が前記q軸に平行となるように同断面バスタブ曲線の折
り曲げ角度を鈍角とし、前記細長い孔は前記断面バスタ
ブ曲線形状のフラックスバリアとしてなるので、請求項
1の効果に加え、d軸インダクタンスとq軸インダクタ
ンスとの差が大きくなることにより、モータトルクに対
するリラクタンストルクの寄与が大きくなり、ひいては
高トルク化が望むことができる。
【0054】請求項3記載の発明によると、請求項1に
おける回転子は、電磁鋼板を自動プレスで打ち抜くとと
もに、金型内で自動積層してなるコアであり、この自動
積層したコアを当該中心孔と前記細長い孔との間でq軸
上あるいはd軸上にリベットを通してかしめるようにし
たので、請求項1の効果に加え、そのリベットを透磁率
の大きい磁性体とすることにより、リラクタンストルク
を大きくすることができ、ひいては高トルク化が望める
という効果がある。
【0055】請求項4記載の発明によると、回転磁界を
発生する固定子の内部に回転子を有する永久磁石電動機
において、前記回転子には、固定子からの磁路について
一方のq軸から他方のq軸へ所定の磁路幅を確保するよ
うに、円弧曲線と断面バスタブ曲線とを組合せ、かつ該
断面バスタブ曲線の側辺が前記q軸に平行となる角度で
折り曲げてなる断面蒲鉾形のマグネットをd軸の近傍に
前記回転子の外周に沿って当該極数分だけ等間隔に埋め
込むとともに、このマグネットを囲むように断面バスタ
ブ曲線形状の孔を前記中心孔に近づけて形成してなり、
前記隣接するマグネットの磁化方向を逆向きとしてマグ
ネットトルクを発生させ、かつ、前記磁路幅の確保と前
記マグネットおよび細長い孔とによりd軸、q軸インダ
クタンスの差を大きくしてリラクタンストルクを発生さ
せるようにしたので、マグネットトルクとリラクタンス
トルクを組合せてモータトルクを得ることにより、高ト
ルク化および低コスト化を図ることができ、特に、一方
のq軸から他のq軸への磁路幅を広くし、つまりリラク
タンストルクを大きくすることによって高トルク、低コ
ストのモータを実現することができるという効果があ
る。
【0056】請求項5記載の発明によると、請求項4に
おける回転子は、電磁鋼板を自動プレスで打ち抜くとと
もに、金型内で自動積層してなるコアであり、この自動
積層したコアを前記マグネットの孔と前記断面バスタブ
曲線形状の孔との間でd軸上にリベットを通してかしめ
るようにしたので、請求項4の効果に加え、そのリベッ
トを透磁率の大きい磁性体とすることにより、リラクタ
ンストルクを大きくすることができ、ひいては高トルク
化が望めるという効果がある。
【0057】請求項6記載の発明によると、請求項2ま
たは4において、前記マグネットと前記回転子の外周と
の間隔および前記断面バスタブ曲線形状の孔の両端部と
前記回転子の外周との間隔は、当該コアシートの厚さの
1倍から3倍の範囲としたので、請求項2または4の効
果に加え、自動プレスによってコアを製造する際にバリ
等の発生をなくし、品質のよいコアを製造することがで
きるため、コアの歩留まりの向上、ひいてはモータの低
コスト化が図れるという効果がある。
【0058】請求項7記載の発明によると、請求項2ま
たは4において、前記断面バスタブ曲線形状の孔の底部
分あるいは前記断面バスタブ曲線形状の孔の両側辺部分
もしくは前記断面バスタブ曲線形状の孔の全てにマグネ
ットを埋め込んでなり、このマグネットを前記断面バス
タブ曲線によって囲んだマグネットの磁束の向きに磁
化、着磁してなるので、請求項2または4の効果に加
え、断面バスタブ曲線形状の底部分に埋め込んだマグネ
ットが当該マグネットトルクを補助し、つまり当該マグ
ネットトルクがより大きくなり、高トルク化に寄与する
という効果がある。
【0059】請求項8記載の発明によると、請求項1,
2または4におけるマグネットは、フェライト磁石ある
いは希土類磁石としたので、請求項1,2または4の効
果に加え、モータコストやトルクを考慮して入手の容易
なファライト磁石あるいは希土類磁石を選択することが
できるとともに、当該マグネットトルクおよびリラクタ
ンストルクの大きさを勘案して適応的なトルクおよびコ
ストのモータを実現することができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示す永久磁石電動機
の概略的平面図。
【図2】図1に示す永久磁石電動機を説明するための回
転子の概略的平面図。
【図3】図1に示す永久磁石電動機を説明するための回
転子の概略的平面図。
【図4】図1に示す永久磁石電動機を説明するための回
転子の概略的側断面図。
【図5】この発明の変形実施の形態を示す永久磁石電動
機の概略的平面図。
【図6】この発明の変形実施の形態を示す永久磁石電動
機の概略的平面図。
【図7】この発明の変形実施の形態を示す永久磁石電動
機の概略的平面図。
【図8】この発明の変形実施の形態を示す永久磁石電動
機の概略的平面図。
【図9】この発明の他の形実施の形態を示す永久磁石電
動機の概略的平面図。
【図10】従来の永久磁石電動機の概略的平面図。
【図11】従来のリラクタンスモータの概略的断面図。
【符号の説明】
1 固定子 4 中心孔(シャフト用) 10,20,30,40,50,60 回転子 11 マグネット(蒲鉾形) 11a 孔(マグネットの埋設孔) 12,61 孔(断面バスタブ曲線形状のフラックスバ
リア) 13,51,62 リベット 13a 孔(リベット通し孔) 21,31,41 マグネット t コアシートの厚さ x 一定値(マグネット11と孔12との間隔)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転磁界を発生する固定子の内部に回転
    子を有する永久磁石電動機において、前記回転子には、
    固定子からの磁路について一方のq軸から他方のq軸へ
    所定の磁路幅を確保するように、断面蒲鉾形のマグネッ
    トをd軸の近傍に前記回転子の外周に沿って当該極数分
    だけ等間隔に埋め込むとともに、該マグネットを囲むよ
    うに一定間隔で細長い孔を形成してなり、前記隣接する
    マグネットの磁化方向を逆向きとしてマグネットトルク
    を発生させ、かつ、前記磁路幅の確保と前記マグネット
    および細長い孔とによりd軸、q軸インダクタンスの差
    を大きくしてリラクタンストルクを発生させるようにし
    たことを特徴とする永久磁石電動機。
  2. 【請求項2】 前記マグネットの断面蒲鉾形は、円弧曲
    線と断面バスタブ曲線とを組合せ、かつ該断面バスタブ
    曲線の側辺が前記q軸に平行となるように同断面バスタ
    ブ曲線の折り曲げ角度を鈍角とし、前記細長い孔は前記
    断面バスタブ曲線形状のフラックスバリアとしてなる請
    求項1記載の永久磁石電動機。
  3. 【請求項3】 前記回転子は、電磁鋼板を自動プレスで
    打ち抜くとともに、金型内で自動積層してなるコアであ
    り、該自動積層したコアを当該中心孔と前記細長い孔と
    の間でq軸上あるいはd軸上にリベットを通してかしめ
    るようにした請求項1記載の永久磁石電動機。
  4. 【請求項4】 回転磁界を発生する固定子の内部に回転
    子を有する永久磁石電動機において、前記回転子には、
    固定子からの磁路について一方のq軸から他方のq軸へ
    所定の磁路幅を確保するように、円弧曲線と断面バスタ
    ブ曲線とを組合せ、かつ該断面バスタブ曲線の側辺が前
    記q軸に平行となる角度で折り曲げてなる断面蒲鉾形の
    マグネットをd軸の近傍に前記回転子の外周に沿って当
    該極数分だけ等間隔に埋め込むとともに、該マグネット
    を囲むように断面バスタブ曲線形状の孔を前記中心孔に
    近づけて形成してなり、前記隣接するマグネットの磁化
    方向を逆向きとしてマグネットトルクを発生させ、か
    つ、前記磁路幅の確保と前記マグネットおよび細長い孔
    とによりd軸、q軸インダクタンスの差を大きくしてリ
    ラクタンストルクを発生させるようにしたことを特徴と
    する永久磁石電動機。
  5. 【請求項5】 前記回転子は、電磁鋼板を自動プレスで
    打ち抜くとともに、金型内で自動積層してなるコアであ
    り、該自動積層したコアを前記マグネットの孔と前記断
    面バスタブ曲線形状の孔との間でd軸上にリベットを通
    してかしめるようにした請求項4記載の永久磁石電動
    機。
  6. 【請求項6】 前記マグネットと前記回転子の外周との
    間隔および前記断面バスタブ曲線形状の孔の両端部と前
    記回転子の外周との間隔は、当該コアシートの厚さの1
    倍から3倍の範囲とした請求項2または4記載の永久磁
    石電動機。
  7. 【請求項7】 前記断面バスタブ曲線形状の孔の底部分
    あるいは前記断面バスタブ曲線形状の孔の両側辺部分も
    しくは前記断面バスタブ曲線形状の孔の全てにはマグネ
    ットを埋め込み、該マグネットを前記断面バスタブ曲線
    によって囲んだマグネットの磁束の向きに磁化、着磁し
    てなる請求項2または4記載の永久磁石電動機。
  8. 【請求項8】 前記マグネットは、ファライト磁石ある
    いは希土類磁石とした請求項1,2または4記載の永久
    磁石電動機。
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