JP2000026877A - グリース組成物 - Google Patents

グリース組成物

Info

Publication number
JP2000026877A
JP2000026877A JP19185798A JP19185798A JP2000026877A JP 2000026877 A JP2000026877 A JP 2000026877A JP 19185798 A JP19185798 A JP 19185798A JP 19185798 A JP19185798 A JP 19185798A JP 2000026877 A JP2000026877 A JP 2000026877A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
kinematic viscosity
acid
oil
grease
grease composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19185798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4112692B2 (ja
Inventor
Masahiko Yamazaki
雅彦 山崎
Atsushi Kuraishi
淳 倉石
Atsushi Yokouchi
敦 横内
Michiharu Naka
道治 中
Hisayuki Osawa
久幸 大澤
Takashi Okaniwa
隆志 岡庭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Kyodo Yushi Co Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Kyodo Yushi Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd, Kyodo Yushi Co Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP19185798A priority Critical patent/JP4112692B2/ja
Publication of JP2000026877A publication Critical patent/JP2000026877A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4112692B2 publication Critical patent/JP4112692B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価でありながらも、高温での使用に際して
適用箇所の潤滑寿命の長寿命化をもたらすグリース組成
物を提供する。 【解決手段】 分子中に1個以上のヒドロキシル基を有
する炭素数12〜24の脂肪酸と炭素数2〜12の脂肪
族ジカルボン酸のリチウム塩からなる増ちょう剤を、4
0℃における動粘度が300〜500mm2 /sの鉱油
と、40℃における動粘度が20〜300mm2 /sの
合成炭化水素油とを必須成分とし、かつその40℃にお
ける動粘度が60〜200mm2 /sである基油に配合
してなることを特徴とするグリース組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種産業機械や車
両、電気機器等に組み込まれる転がり軸受等に封入され
るグリース組成物に関し、特に高温での長寿命化を図っ
たグリース組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】各種産業機械や車両、電気機器等に組み
込まれる転がり軸受等には、潤滑性を付与するためにグ
リース組成物が封入される。使用されるグリース組成物
は、供される軸受の種類によって異なり、例えば自動車
のホイールハブ用軸受には、リチウム石鹸を増ちょう剤
とし、鉱油を基油とするグリースが従来より用いられて
いる。このグリースは、増ちょう剤及び基油ともに安価
であり、汎用グリースとして広く使用されている。一
方、近年では、装置や機器の小型軽量化や高速化に伴い
グリース組成物にも高温耐久性が要求されている。ま
た、メンテナンスフリー化の要求が大きく、例えば大型
長距離トラック等においては10年100万kmのメン
テナンスフリーという厳しい要求も出てきている。更
に、コストダウンの要求も多大である状況にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような各種の
要求は今後も引き続き高まることが予想され、特にコス
トダウンと高温における長寿命化の要求は年々厳しくな
っており、軸受メーカーにとっても最重要課題の一つと
なっている。本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、特に安価でありながらも、高温での使用に
際して適用箇所の潤滑寿命の長寿命化をもたらすグリー
ス組成物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、基油の一部に
鉱油を使用することでコストダウンの要求に応えるとと
もに、高温での長寿命化に対してはグリースの基油を酸
化劣化の少ないものとすると同時に、グリースの流動性
を長期にわたり安定させることが重要であり、そのため
には特定の動粘度を有する鉱油と合成炭化水素油とを組
み合わせることで基油の蒸発量を抑え、かつ特定の増ち
ょう剤を使用することが有効であることを見い出し、本
発明を完成するに至った。即ち、上記の目的は、本発明
に係る、分子中に1個以上のヒドロキシル基を有する炭
素数12〜24の脂肪酸と炭素数2〜12の脂肪族ジカ
ルボン酸のリチウム塩からなる増ちょう剤を、40℃に
おける動粘度が300〜500mm2 /sの鉱油と、4
0℃における動粘度が20〜300mm2 /sの合成炭
化水素油とを必須成分とし、かつその40℃における動
粘度が60〜200mm2 /sである基油に配合してな
ることを特徴とするグリース組成物により達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明のグリース組成物に
関して詳細に説明する。本発明においては、基油とし
て、安価な鉱油と、耐熱性能の上で有利な合成炭化水素
油とを必須成分とする混合油を用いる。鉱油は、40℃
における動粘度が300〜500mm2 /s、好ましく
は400〜450mm2 /sのものを使用する。この動
粘度は、グリースに使用される一般的な鉱油の動粘度よ
りはかなり高く、これにより基油全体としての蒸発を抑
える。従って、40℃における動粘度が300mm2
s未満では、蒸発抑制効果が得られない。一方、40℃
における動粘度が500mm2 /sを越える場合は、低
温下での始動性が悪くなる。また、鉱油は、上記の動粘
度であれば、その種類は特に限定されるものではなく、
グリースの基油として通常使用される鉱油を使用でき
る。中でも、減圧蒸留、溶剤脱歴、溶剤抽出、水素化分
解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精錬等に
より精製した鉱油が好ましい。
【0006】一方、合成炭化水素油としては、40℃に
おける動粘度が20〜300mm2/s、好ましくは2
5〜75mm2 /sのものを使用する。40℃における
動粘度が20mm2 /s未満では高温下での蒸発減量が
多く、早期にグリースが固化してしまう。一方、40℃
における動粘度が300mm2 /sを越える場合は、ス
ラッジが発生したり、低温下での始動性が悪くなる。ま
た、合成炭化水素油は、上記の動粘度であれば、その種
類は特に限定されるものではなく、グリースの基油とし
て通常使用される合成炭化水素油を使用できる。好まし
い合成炭化水素油としては、例えばノルマルパラフィ
ン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、
1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンとのコオ
リゴマーなどのポリ−α−オレフィンまたはこれらの水
素化物などを例示できる。
【0007】本発明のグリース組成物においては、基油
は上記鉱油と合成炭化水素油とを必須として含むが、更
に基油としての40℃における動粘度が60〜200m
2/s、好ましくは150〜200mm2 /sである
ことを特徴とする。40℃における動粘度が60mm2
/s未満では、高温下での蒸発減量が多く、早期にグリ
ースが固化してしまう。一方、40℃における動粘度が
300mm2 /sを越える場合は、低温下での始動が悪
くなる。従って、上記鉱油と合成炭化水素油との配合割
合は、基油とした時に上記動粘度となるように適宜選択
される。但し、コストの面では鉱油の割合を多くした方
が有利であり、耐熱性の観点からは合成炭化水素油の割
合を多くした方が有利である。
【0008】また、基油には上記鉱油と合成炭化水素油
の他にも、必要に応じて、グリースの基油として通常使
用されるような潤滑油を配合することもできる。好まし
くは、以下に例示するような芳香族系、エステル系また
はエーテル系の合成潤滑油である。前記芳香族系油とし
ては、例えばモノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼ
ン、ポリアルキルベンゼンなどのアルキルベンゼン、あ
るいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレ
ン、ポリアルキルナフタレンなどのアルキルナフタレン
などが挙げられる。前記エステル系油としては、例えば
ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケー
ト、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、
ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、
メチル・アセチルリシノレートなどのジエステル、ある
いはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリ
テート、テトラオクチルピロメリテートなどの芳香族エ
ステル油、さらにはトリメチロールプロパンカプリレー
ト、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエ
リスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリ
スリトールベラルゴネートなどのポリオールエステル、
さらにまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混
合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエス
テルなどが挙げられる。前記エーテル系油としては、例
えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピ
レングリコールモノエーテルなどのポリグリコール、あ
るいはモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジ
フェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペ
ンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノ
アルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフ
ェニルエーテルなどのフェニルエーテルなどが挙げられ
る。中でも、エステル系油、エーテル系油が好ましい。
その他にも、トリクレジルフォスフェート、シリコーン
油、パーフルオロアルキルエーテル油などの合成潤滑油
も使用することができる。
【0009】本発明のグリース組成物における増ちょう
剤は、分子中に1個以上のヒドロキシル基を有する炭素
数12〜24の脂肪酸と炭素数2〜12の脂肪族ジカル
ボン酸のリチウム塩からなる。上記炭素数12〜24の
ヒドロキシ脂肪酸としては、最も好ましいものは12−
ヒドロキシステアリン酸であるが、その他のものも全て
使用し得る。その他の使用し得るものとしては、例えば
12−ヒドロキシラウリン酸、16−ヒドロキシパルミ
チン酸などを挙げることができる。また、上記炭素数2
〜12の脂肪族ジカルボン酸としては、アゼライン酸が
最も好ましいが、その他のものも全て使用し得る。その
他の使用し得るものとしては、例えばセバシン酸、シュ
ウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸などを挙げ
ることができる。ここで、炭素数12〜24のヒドロキ
シ脂肪酸と炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸との比
率は、炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸が20〜4
0重量%とすることが好ましい。この比率が20重量%
未満または60重量%を越える場合には、熱的に安定な
増ちょう剤が得られず、グリース組成物の高温での長寿
命化を実現できない。
【0010】そして、上記炭素数12〜24のヒドロキ
シ脂肪酸と炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸とを、
例えば水酸化リチウムなどのリチウム化合物と反応させ
ることにより本発明で使用する増ちょう剤が得られる。
このような増ちょう剤は、一般的にはリチウムコンプレ
ックスと呼ばれており、リチウム石鹸と比べて耐熱性に
優れるという特徴を有する。この増ちょう剤であるリチ
ウムコンプレックスのグリース組成物中の配合量はグリ
ース性状が得られる範囲であれば特に制限されるもので
はなく、通常5〜35重量%である。
【0011】本発明のグリース組成物は上記の基油およ
び増ちょう剤を必須成分とするが、供される軸受が円す
いころ軸受等のように滑り部分がある場合には、テルル
のジチオカルバミン酸塩とリン酸エステル、もしくはモ
リブデンのジチオカルバミン酸塩と亜鉛のジチオカルバ
ミン酸塩とを組み合わせて添加することが好ましい。こ
れらは極圧剤として知られている添加剤であるが、上記
の基油および増ちょう剤との組み合わせにおいて特に高
い効果を示す。テルルのジチオカルバン酸塩としては、
例えばジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジブチルジ
チオカルバミン酸テルル、ジメチルジチオカルバミン酸
テルル等を挙げることができる。リン酸エステルは酸性
リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性亜リン酸エス
テル等を含み、例えばジフェニルモノデシルフォスファ
イト、トリオクチルフォスフェート、トリクレジルフォ
スフェート等を挙げることができる。モリブデンのジチ
オカルバミン酸塩としては、例えばジアルキルジチオカ
ルバンミン酸モリブデン、ジアリールジチオカルバミン
酸モリブデン等を挙げることができる。亜鉛のジチオカ
ルバミン酸塩としては、例えばジブチルジチオカルバミ
ン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチル
ジチオカルバミン酸亜鉛等のジアルキルカルバミン酸亜
鉛等を挙げることができる。
【0012】これらの添加剤の配合量は、グリース全量
に対して0.5〜10重量%程度が好ましい。配合量が
0.5重量%未満では、その効果が得られない。一方、
配合量が10重量%を越える場合には、増量に見合う効
果の向上が得られず不経済であるとともに、基油や増ち
ょう剤の占める量が相対的に少なくなり、潤滑性能を低
下させる。ところで、極圧剤を添加すると、一般的には
基油の蒸発量が多くなる傾向にあるが、本発明のグリー
ス組成物は上述したように基油が蒸発し難く、極圧剤を
添加しても蒸発量の増加を抑えることができる。従っ
て、円すいころ軸受等のように滑り部分を有する軸受に
も、従来よりも優れた高温耐久性を付与することができ
る。
【0013】本発明のグリース組成物には、更に、従来
よりグリース組成物に添加される下記添加剤等を配合す
ることができる。 〔極圧剤〕上記したテルルのジチオカルバミン酸塩とリ
ン酸エステル、もしくはモリブデンのジチオカルバミン
酸塩と亜鉛のジチオカルバミン酸塩との組み合わせの他
に従来公知の極圧剤を併用することにより、耐荷重性や
極圧性を更に向上させることができる。例えば以下の化
合物を使用することができる。有機金属系のものとして
は、ジチオリン酸モリブデン等の有機モリブデン化合
物、ジチオリン酸亜鉛、亜鉛フェネート等の有機亜鉛化
合物、ジチオカルバミン酸アンチモン、ジチオリン酸ア
ンチモン等の有機アンチモン化合物、ジチオカルバミン
酸セレン等の有機セレン化合物、ナフテン酸ビスマス、
ジチオカルバミン酸ビスマス等の有機ビスマス化合物、
ジチオカルバミン酸鉄、オクチル酸鉄等の有機鉄化合
物、ジチオカルバミン酸銅、ナフテン酸銅等の有機銅化
合物、ナフテン酸鉛、ジチオカルバミン酸鉛等の有機鉛
化合物、マレイン酸スズ、ジブチルスズスルファイド等
の有機スズ化合物、あるいは、アルカリ金属、アルカリ
土類金属の有機スルホネート、フェネート、ホスホネー
ト、金、銀、チタン、カドミウム等の有機金属化合物も
必要なら使用できる。硫黄系化合物としては、ジベンジ
ルジスルフィド等のスルフィドあるいはポリスルフィド
化合物、硫化油脂類、無灰系カルバミン酸化合物類、チ
オウレア系化合物、もしくはチオカーボネート類等を使
用ことができる。また、その他、塩素化パラフィン等の
ハロゲン系の極圧剤、あるいは、二硫化モリブデン、二
硫化タングステン、グラファイト、PTFE、硫化アン
チモン、窒化硼素などの硼素化合物等の固体潤滑剤を使
用することができる。
【0014】〔防錆剤・金属不活性化剤〕防錆剤とし
て、例えば以下の化合物を使用することができる。即
ち、有機スルホン酸のアンモニウム塩、バリウム、亜
鉛、カルシウム、マグネシウム等アルカリ金属、アルカ
リ土類金属の有機スルホン酸塩、有機カルボン酸塩、フ
ェネート、ホスホネート、アルキルもしくはアルケニル
こはく酸エステル等のアルキル、アルケニルこはく酸誘
導体、ソルビタンモノオレエート等の多価アルコールの
部分エステル、オレオイルザルコシン等のヒドロキシ脂
肪酸類、1−メルカプトステアリン酸等のメルカプト脂
肪酸類あるいはその金属塩、ステアリン酸等の高級脂肪
酸類、イソステアリルアルコール等の高級アルコール
類、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル、2,5
−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メ
ルカプトチアジアゾール等のチアゾール類、2−(デシ
ルジチオ)−ベンゾイミダゾール、ベンズイミダゾール
等のイミダゾール系化合物、あるいは、2,5−ビス
(ドデシルジチオ)ベンズイミダゾール等のジスルフィ
ド系化合物、あるいは、トリスノニルフェニルフォスフ
ァイト等のリン酸エステル類、ジラウリルチオプロピオ
ネート等のチオカルボン酸エステル系化合物等を使用す
ることができる。また、亜硝酸塩等も使用することがで
きる。金属不活性化剤として、例えばベンゾトリアゾー
ルやトリルトリアゾール等のトリアゾール系化合物を使
用することができる。
【0015】〔油性剤〕油性剤として、例えば以下の化
合物を使用することができる。即ち、オレイン酸やステ
アリン酸等の脂肪酸、オレイルアルコール等の脂肪酸ア
ルコール、ポリオキシエチレンステアリン酸エステルや
ポリグリセリルオレイン酸エステル等の脂肪酸エステ
ル、リン酸、トリクレジルホスフェート、ラウリル酸エ
ステルまたはポリオキシエチレンオレイルエーテルリン
酸等のリン酸エステル等を使用することができる。
【0016】以下の実施例により、本発明のグリース組
成物をより明確にすることができる。但し、本発明はこ
れら実施例により何ら制約されるものではない。 (実施例1〜4、比較例1〜4)表1および表2に示す
如く増ちょう剤、基油および添加剤を配合して試験グリ
ースを作製した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】そして、各試験グリースをSPCC板上に
5mmの厚さに塗布し、160℃の恒温槽にて250時
間加熱して加熱前後の重量からその蒸発減量を測定し
た。同時に、加熱前後の混和ちょう度の変化を測定し
た。また、加熱後の全酸化も測定した。表3に各測定結
果を示す。
【0020】
【表3】
【0021】表3から、基油が特定の動粘度を有する鉱
油と合成炭化水素油とを含み、かつリチウムコンプレッ
クス石鹸を増ちょう剤とする実施例の試験グリースは、
比較例の試験グリーに比べて蒸発減量が少なく、ちょう
度変化も小さく、また全酸化も小さいことから、高温で
の耐久性に優れることが判る。また、特定の添加剤(極
圧剤)を添加することにより(実施例3、4)、全酸化
が更に改善されることがわかる。
【0022】更に、上記各試験グリースについて、以下
に示す高温高速軸受耐久試験を行った。即ち、円すいこ
ろ軸受(呼び番号:30205)に各試験グリースを
2.0g封入し、内輪回転6800rpm、軸受外輪温
度120℃、ラジアル荷重10kgf、アキシャル荷重
150kgfの条件で連続回転させた。軸受外輪温度が
130℃を超えた時、もしくはモータ過電流となった時
を焼き付き寿命とした。試験結果を表4に示す。
【0023】
【表4】
【0024】表4から、実施例の試験グリースを封入し
た円すいころ軸受は、高温高速耐久性能に優れることが
わかる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のグリース
組成物は、基油が特定の動粘度を有する鉱油と合成炭化
水素油とを含み、かつリチウムコンプレックス石鹸を増
ちょう剤とすることで、安価であるにもかかわらず、高
温耐久性を格段に向上させることができ、特に高温、高
速回転で使用させれる転がり軸受等に好適である。更
に、テルルのジチオカルバミン酸塩とリン酸エステル、
もしくはモリブデンのジチオカルバミン酸塩と亜鉛のジ
チオカルバミン酸塩とを組み合わせて添加することによ
り、特に円すいころ軸受等のように滑り部分がある軸受
の高温耐久性を従来よりも改善させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 135/18 C10M 135/18 137/04 137/04 139/00 139/00 Z 169/02 169/02 // C10N 10:02 10:04 20:02 30:08 40:02 50:10 (72)発明者 倉石 淳 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 横内 敦 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 中 道治 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 大澤 久幸 神奈川県藤沢市辻堂神台1−4−1 協同 油脂株式会社内 (72)発明者 岡庭 隆志 神奈川県藤沢市辻堂神台1−4−1 協同 油脂株式会社内 Fターム(参考) 4H104 BB18B BB19B BG10C BH03C DA02A EA02A EB02 FA01 FA02 FA06 LA04 PA01 QA18

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に1個以上のヒドロキシル基を有
    する炭素数12〜24の脂肪酸と炭素数2〜12の脂肪
    族ジカルボン酸のリチウム塩からなる増ちょう剤を、4
    0℃における動粘度が300〜500mm2 /sの鉱油
    と、40℃における動粘度が20〜300mm2 /sの
    合成炭化水素油とを必須成分とし、かつその40℃にお
    ける動粘度が60〜200mm2 /sである基油に配合
    してなることを特徴とするグリース組成物。
  2. 【請求項2】 テルルのジチオカルバミン酸塩とリン酸
    エステル、もしくはモリブデンのジチオカルバミン酸塩
    と亜鉛のジチオカルバミン酸塩とを組み合わせて添加し
    たことを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
JP19185798A 1998-07-07 1998-07-07 グリース組成物及び転がり軸受 Expired - Fee Related JP4112692B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19185798A JP4112692B2 (ja) 1998-07-07 1998-07-07 グリース組成物及び転がり軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19185798A JP4112692B2 (ja) 1998-07-07 1998-07-07 グリース組成物及び転がり軸受

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000026877A true JP2000026877A (ja) 2000-01-25
JP4112692B2 JP4112692B2 (ja) 2008-07-02

Family

ID=16281668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19185798A Expired - Fee Related JP4112692B2 (ja) 1998-07-07 1998-07-07 グリース組成物及び転がり軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4112692B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006132314A1 (ja) * 2005-06-09 2006-12-14 Ntn Corporation ハブベアリング用グリースおよびハブベアリング
JP2006342260A (ja) * 2005-06-09 2006-12-21 Ntn Corp ハブベアリング用グリースおよびハブベアリング
JP2008163216A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Idemitsu Kosan Co Ltd グリース
JP2012013232A (ja) * 2011-08-29 2012-01-19 Sumitomo Heavy Ind Ltd 食品工場用の変速機
JP2016000767A (ja) * 2014-06-11 2016-01-07 日本精工株式会社 グリース組成物および転がり軸受

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006132314A1 (ja) * 2005-06-09 2006-12-14 Ntn Corporation ハブベアリング用グリースおよびハブベアリング
JP2006342260A (ja) * 2005-06-09 2006-12-21 Ntn Corp ハブベアリング用グリースおよびハブベアリング
JP2008163216A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Idemitsu Kosan Co Ltd グリース
JP2012013232A (ja) * 2011-08-29 2012-01-19 Sumitomo Heavy Ind Ltd 食品工場用の変速機
JP2016000767A (ja) * 2014-06-11 2016-01-07 日本精工株式会社 グリース組成物および転がり軸受

Also Published As

Publication number Publication date
JP4112692B2 (ja) 2008-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1388584B1 (en) Grease composition and grease composition-sealed bearing
JP4532799B2 (ja) グリース組成物およびグリース封入軸受
JP3370829B2 (ja) 潤滑グリース組成物
JP2004300449A (ja) グリース組成物
JP4946868B2 (ja) 潤滑油組成物
JP4342034B2 (ja) 潤滑油組成物
JP4118624B2 (ja) 防錆グリースおよび該グリース封入軸受
JP4112692B2 (ja) グリース組成物及び転がり軸受
JPH08188790A (ja) 潤滑油組成物及びグリース組成物
JP2018154818A (ja) グリース組成物
JP2001323293A (ja) 含油軸受および該軸受に用いられる潤滑油
KR20050022236A (ko) 볼조인트용 그리스 조성물
JPH1036870A (ja) 軸受油組成物
JP3567959B2 (ja) グリース組成物
JP2006342359A (ja) 転がり軸受
JPH11181465A (ja) グリース組成物
JP3687708B2 (ja) 転動装置用グリース組成物
JP3567957B2 (ja) グリース組成物及び転がり軸受
JP3539465B2 (ja) グリース組成物
JPH11228985A (ja) グリース組成物
JP3284821B2 (ja) 電動回転機
JPH08188788A (ja) 電動機
JP2000026874A (ja) 転がり軸受
JP3736596B2 (ja) グリース組成物及び転がり軸受
WO2023182533A1 (ja) グリース組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050727

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050914

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060424

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070418

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070612

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070628

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080410

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110418

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120418

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130418

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130418

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140418

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees