JPH08188788A - 電動機 - Google Patents

電動機

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JPH08188788A
JPH08188788A JP7003763A JP376395A JPH08188788A JP H08188788 A JPH08188788 A JP H08188788A JP 7003763 A JP7003763 A JP 7003763A JP 376395 A JP376395 A JP 376395A JP H08188788 A JPH08188788 A JP H08188788A
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grease
grease composition
electric motor
base oil
compound
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JP7003763A
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English (en)
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Toyohito Uematsu
豊翁 上松
Shigeki Komatsuzaki
茂樹 小松崎
Yoshio Kobayashi
良男 小林
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】潤滑性と酸化安定性を改善した高速・長寿命グ
リース組成物を用いたころがり軸受を備えた電動機を提
供する。 【構成】ポリオールエステル油とアルキルフェニルエー
テル油を80:20〜20:80の重量比で配合したベ
ース油とジアルキルジチオカルバミン酸塩系化合物とヒ
ンダードフェノール系化合物を90:10〜10:90
の重量比で組合わせた複合酸化防止剤を0.2 〜5重量
%添加したリチウム石鹸,リチウムコンプレックス石鹸
及びジウレア化合物を増ちょう剤とするグリース組成物
をころがり軸受に用いた電動機。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的大口径で高速回
転に使用されるころがり軸受又は軸受構成の一部又は全
部にセラミックスであるころがり軸受を用いた高速回転
用の電動機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】機械部品や電動機等に使用されるころが
り軸受の交換期間或いは寿命は、ころがり軸受に充填さ
れる潤滑グリースの性能に大きく影響される。このよう
な機械部品や電動機等のころがり軸受の潤滑グリースに
は、増ちょう剤としてリチウム石鹸,リチウムコンプレ
ックス石鹸等の金属石鹸類,ジウレア等のウレア化合
物,ベース油として鉱油の他、ポリ−α−オレフィン
油,ポリオールエステル,ポリフェニルエーテル等の合
成油等を用い、更に、グリースの特性改良のためのアミ
ン系,フェノール系など酸化防止剤,防錆剤、また用途
によっては極圧剤等の各種添加剤を配合したものが使用
されている。特に、酸化防止剤については、グリースの
熱酸化安定性の向上のため必須の添加剤であり、殆どの
グリースに添加されている。具体的には、フェニル−α
−ナフチルアミンに代表されるアミン系酸化防止剤、
4,4−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノ
ール)に代表されるフェノール系酸化防止剤等が使用さ
れる。酸化防止剤や防錆剤の添加効果は、増ちょう剤,
ベース油の種類の他、ころがり軸受材料,使用温度,軸
受のタイプ,軸受サイズ,使用条件等によって大きく異
なることが知られている。
【0003】近年、各種機器,電動機等の小型軽量化,
高速化に伴い潤滑グリースは高温,高荷重,高速といっ
た過酷な条件で使用されると共にメンテナンスフリー化
への要望が一段と強くなっている。特に、車両の高速化
への対応のためインバータ制御電車,チョッパー制御電
車では、高速回転の電動機が多く採用されてきている。
これらの電動機は、ブラシや整流子等が不要となること
から、専らころがり軸受のみが保守管理の対象となるた
め電動機の検修回帰の延長が強く要望されている。ころ
がり軸受のメンテナンスは、潤滑グリースの性能に大き
く影響されたためグリース交換期間の長い、いわゆる長
寿命グリースが強く要求されている。車両用電動機のこ
ろがり軸受は、内径50mm以上の比較的大口径のものが
使用されており、グリース潤滑の許容回転速度dmN値
40〜45×104 〔ころがり軸受のピッチ円径dm
(mm),回転数N(min-1)〕を大幅に超える高速条件と
なり保守間隔は短くならざるをえず、より長寿命グリー
スを用いた高速電動機が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、電動機の
高速化は、軸受温度が高くなり、従来の潤滑グリースで
は酸化安定性や潤滑寿命の点で満足できるものがなく電
動機の保守間隔は短かくなる。グリースが酸化劣化する
と滴点,剪断安定性,ちょう度,べース油の分離特性等
の性状が大きく変化し、軸受からグリースが漏洩し軸受
の寿命が極端に低下する。更に、潤滑の主役をなすべー
ス油が酸化劣化すると蒸発量増加によるベース油分の減
少,スラッジの生成,粘度の増加などによって潤滑機能
が失われるのみならず、酸化劣化によって生成した有機
酸などによって軸受の腐食などを引き起こす。従って、
電動機のメンテナンスフリー化を進めるには、グリース
の酸化劣化を抑制することは当然重要であるが、軟化せ
ず軸受からのグリース自身の漏洩がなく、軸受内におけ
るグリースの流動性を保ち、ベース油が軸受潤滑部へ充
分供給されること等が重要課題となる。これらの改善に
特開平1−259097 号公報に記載される末端基が芳香族基
主体のジウレア化合物を増ちょう剤とし、ベース油にア
ルキルジフェニルエーテルを使用した潤滑グリースが有
効であるが、この増ちょう剤を用いたグリースは、軸受
内におけるグリースの流動性に劣り、高速条件では軸受
潤滑部への潤滑グリースの流動不足やベース油の供給不
足から比較的大口径のころがり軸受では、早期に軸受が
焼き付いてしまうといった問題がある。潤滑部への潤滑
グリースの流動不足や錆止め性の改善に、特開平5−982
80号公報にアルキルジフェニルエーテルを必須成分と
し、かつ40℃の動粘度が90〜160mm2/s である
ベース油と末端基が芳香族系炭化水素の割合が70〜9
5モル%からなるジウレア化合物を増ちょう剤とするグ
リース組成物とこの配合成分に錆止め添加剤として有機
スルフォン酸塩,亜硝酸塩及びHLBが1.5〜9の非イ
オン界面活性剤からなるグリースが開示されている。特
開平5− 140576号公報では、高温耐久性と低温始動
時における異音発生,錆止め性を改善のため、ポリ−α
−オレフィンとアルキルジフェニルエーテルを混合ベー
ス油に脂肪族ジウレア化合物,錆止め添加剤にバリウム
スルホネートを配合したグリースが開示されている。リ
チウムグリースに関し特開昭63−162791号公報,特開平
5−86392号公報に高温下における耐酸化劣化特性と寿命
特性の改善が開示されている。これらの発明は、いずれ
も軸受内径30mm以下の小形軸受ではかなり長寿命が期
待できるが、車両等の電動機に使用されるような軸受内
径50mm以上の比較的大口径軸受で、且つ高速回転で
は、グリースの流動性不足のため潤滑部へのグリースの
移動が充分でない。また、遠心力による飛散が多く潤滑
部へのベース油の供給不足や蒸発損失の増大等により早
期に潤滑不良となり電動機軸受を交換すると言った多大
な労力と時間を必要とすると言う問題があった。
【0005】本発明の目的は、軸受内径50mm以上の比
較的大口径のころがり軸受を備えたグリース潤滑の許容
回転速度dmN値40〜45×104 の高速条件に使用
される電動機においてグリースの流動性,潤滑部へのベ
ース油の供給性が良好で、油膜形成能に優れ且つ、蒸発
損失の少なく耐酸化劣化等に優れた潤滑グリースをころ
がり軸受に用いることにより、車両用電動機の長期メン
テナンスフリー化を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両等のよう
に軸受内径50mm以上の比較的大口径軸受で高速回転と
なる電動機の長期メンテナンスフリー化を達成すべく潤
滑グリースの長寿命化を鋭意研究を重ねた結果、特定の
合成油をブレンドしたベース油と特定の酸化防止剤を組
合わせ添加することにより、高温での酸化安定性,潤滑
性に優れた長寿命グリースが得られることを見出し、本
発明に到達したものである。
【0007】本発明の第一の要点は電動機のころがり軸
受の潤滑油に合成油の混合ベース油を使用することであ
る。混合ベース油の一つの合成油は、ネオペンタンの炭
素骨格をもつ多価アルコールと炭素数5〜18の脂肪酸
から合成されるポリオールエステル又は炭素数4〜10
の脂肪族モノカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸の混合酸
とトリメチロールエタン,トリメチロールプロパン,ペ
ンタエリスリトール,ジペンタエリスリトールの多価ア
ルコールからなるコンプレックス型ポリオールエステル
である。脂肪酸の具体例としては酪酸,吉草酸,ヘキサ
ン酸,ヘプタン酸,オクタン酸,2−エチルヘキサン
酸,イソオクタン酸,ノナン酸,イソノナン酸,デカン
酸,イソデカン酸,ステアリン酸等が例示される。ま
た、多価アルコールの具体例としてはトリメチロールエ
タン,トリメチロールプロパン,ペンタエリスリトー
ル,ジペンタエリスリトール等が例示される。さらにも
う一つの合成油は、置換基の炭素数10〜22であるア
ルキルジフェニルエーテル又はアルキルポリフェニルエ
ーテルのアルキルフェニルエーテル油である。アルキル
ジフェニルエーテル又はアルキルポリフェニルエーテル
の性状は、置換基の炭素数及び付加モル数によって異な
る。本発明の電動機軸受に使用される混合ベース油はポ
リオールエステル又はコンプレックス型ポリオールエス
テルとアルキルフェニルエーテルが80〜20:20〜
80の重量比で含有されるベース油である。グリース全
量に対する混合ベース油の含有量は特に限定しないが、
高速で長寿命を得るためには80〜90重量%が好まし
い。
【0008】本発明の第二の要点は、電動機のころがり
軸受の潤滑油に酸化防止作用効果の異なる複合酸化防止
剤の配合である。酸化防止剤として、ジアルキルジチオ
カルバミン酸塩化合物とヒンダードフェノール系化合物
を90〜10:10〜90の重量比の混合物をグリース
に添加することによりグリースの酸化安定性の大幅な改
善を図ることができた。
【0009】ジアルキルジチオカルバミン酸塩化合物の
具体例としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛,ジ
エチルジチオカルバミン酸亜鉛,ジブチルジチオカルバ
ミン酸亜鉛,ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム,
ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム,ジブチルジチ
オカルバミン酸ナトリウム,ジエチルジチオカルバミン
酸ニッケル,ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル,ジ
メチルジチオカルバミン酸銅,ジエチルジチオカルバミ
ン酸鉄,ジエチルジチオカルバミン酸セレニウム,ジエ
チルジチオカルバミン酸テレニウム及びブチルキサント
ゲン酸亜鉛等が挙げられる。
【0010】ヒンダードフェノール系化合物の具体例と
しては、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−
6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリ
ノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−
テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチルヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレ
ン−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレン−ビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)−ヒドロ
シンナアミド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、ビ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル
ホスホン酸エチル)カルシウム等が例示される。
【0011】複合酸化防止剤はグリース全量に対して
0.2 〜5重量%添加が好ましい。0.2 重量%未満の
添加量では耐酸化劣化の改善は僅少であり、5重量%を
超えても耐酸化劣化はそれほど改善されない。
【0012】ジアルキルジチオカルバミン酸塩化合物
は、銅或いは銅合金材を腐食や変色させる場合がある。
このような材料の共存下で使用する場合には、必要に応
じて腐食防止のための添加剤を配合することが望まし
い。腐食防止剤としてベンゾトリアゾール,ベンゾトリ
アゾール系化合物が有効であり、その配合量はグリース
全量に対して0.01 〜2重量%が好ましい。
【0013】本発明で使用する増ちょう剤としては、公
知のリチウム石鹸,リチウムコンプレックス石鹸及びジ
ウレア化合物である。増ちょう剤及びその配合量は潤滑
グリースの使用条件によって任意に選定すべきである
が、高速条件で比較的大口径軸受を使用する電動機軸受
用としては10〜20重量%またはNLGIちょう度で
No.2程度ものが好ましい。
【0014】さらに、電動機の使用条件によっては必要
に応じて防錆剤,油性剤,極圧剤及び固体潤滑剤などを
潤滑グリースに添加することができる。
【0015】本発明は、特定のグリース組成物をころが
り軸受に用いた電動機であるが、グリースに使用される
本発明の混合ベース油及び複合酸化防止剤からなる潤滑
油は、ころがり軸受,滑り軸受等の潤滑や作動油にも適
用でき各種機器や装置等のメンテナンスフリー化に大き
く貢献できる。
【0016】
【作用】本発明の、車両等のように軸受内径50mm以上
の比較的大口径軸受で高速条件となる電動機軸受に充填
される潤滑グリース組成物は、そのベース油をポリオー
ルエステルとアルキルフェニルエーテルを所定の割合で
配合した混合ベース油とすることで耐熱性,酸化安定性
及び潤滑性の面で優れたものになる。また、ジアルキル
ジチオカルバミン酸塩化合物とヒンダードフェノール系
化合物を組合わせた複号酸化防止剤を配合することによ
り銅及び銅合金材,鉄材の共存下においても混合ベース
油の蒸発損失,粘度,全酸価等の変化を大幅に抑制でき
るので電動機の長期メンテナンスフリー化が達成でき
る。
【0017】比較的軸受口径が大きい場合、潤滑グリー
スから分離するベース油の分離特性が重要となる。ベー
ス油としては蒸発損失,酸化劣化の少ないベース油を潤
滑面に適量ずつ長期にわたって供給し続けることであ
る。このためには、増ちょう剤の熱酸化安定性,剪断安
定性とベース油の保持性などが重要となる。これらの特
性に優れたリチウム石鹸,リチウムコンプレックス石
鹸,ジウレア化合物の使用と、ジアルキルジチオカルバ
ミン酸塩化合物とヒンダードフェノール系化合物の複合
酸化防止剤の添加によって、増ちょう剤の耐酸化劣化を
大幅に改善でき、長期にわたってベース油をころがり軸
受の潤滑面に供給できるので、潤滑グリースの長寿命化
によるころがり軸受の交換期の延長が実現できるので電
動機の長期メンテナンスフリー化を達成できるものであ
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により詳
しく説明する。なお、評価試験方法は次の通りである。
【0019】評価試験方法 (1)蒸発量試験 グリースを約20gをガラス製ビーカ,鋼製皿,銅鋼製
皿及びSi34セラミックス製皿に秤量し、150℃の
恒温槽中に静置し加熱前後の重量変化から蒸発量の経時
変化を測定した。この試験での蒸発量は、ベース油中の
軽質分と酸化劣化によって生成する揮発性物資の蒸発が
含まれるが、酸化劣化が大なるほど揮発性物質の生成が
増加するため蒸発量は大きくなる。
【0020】(2)全酸価測定 鋼板(厚さ2mm×長さ50mm×幅40mm)にグリースを
3mmの厚さに塗布し、これを150℃の恒温槽中に静置
して加熱劣化試験後、グリースから抽出したベース油を
JIS K 2501の方法により全酸価を測定し、加
熱劣化試験前後の変化を求めた。
【0021】(3)ころがり軸受による高速回転試験 車両用電動機に使用されるNU314形円筒ころ軸受に
グリース5gを充填し、下記に示す条件で、軸受温度が
試験温度より10℃上昇するまでの運転時間をグリース
の潤滑寿命時間とした。
【0022】回転数:8,000rpm 荷重:500kgf 試験温度:100℃ (実施例1〜13及び比較例1〜21) リチウム石鹸グリース 表1に示すアルキルフェニルエーテルとポリオールエス
テルを50:50の重量%で配合した混合ベース油
(1)とジアルキルジチオカルバミン酸塩系化合物のジ
ブチルジチオカルバミン酸ニッケル(大内新興化学
(株)製:ノクラックNBC)とヒンダードフェノール
系化合物のペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕(イルガノックス1010:CIBA
−GEIGY社製)を50:50の混合重量比で組合わ
せた複合酸化防止剤(2)を1重量%含有したリチウム
石鹸グリースの検討結果を示す。表2に比較例のリチウ
ム石鹸グリースであり、酸化防止剤を1重量%含有した
ものを示す。これらのリチウム石鹸グリースを鋼,銅及
びSi34セラミックス製皿及び板に塗布し、150℃
の恒温槽中で静置し、600時間加熱し試験後の蒸発量,
全酸価及び潤滑寿命を測定した。表3に実施例1〜13
の結果を示す。表4に比較例1〜21の結果を示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】リチウム石鹸グリースの製造は、下記の方
法で製造した。
【0028】アルキルジフェニルエーテル油全量410
g中にステアリン酸180gを加え、撹拌しながら完全
に溶解する温度(80〜90℃)まで加熱した。この温
度で水酸化リチウム28gと熱水56gの混合物を添加
し、攪拌しながら95〜100℃で1時間ケン化反応させ
た。次に、撹拌しながら約210℃まで加熱し5分間保
持した後、ポリオールエステル油410gを加え、撹拌
冷却した。これを基グリースとした。
【0029】この基グリース891gを取り、酸化防止
剤9gを添加し、撹拌しながら100℃まで加熱した後、
室温まで撹拌冷却した。次に、三本ロールミル機で2〜
3回混練し、NLGIちょう度グレードNo.2のリチウ
ム石鹸グリースを調整した。 (実施例14〜26及び比較例22〜26)表1及び表
5に示す混合ベース油と複合酸化防止剤を含有したリチ
ウムコンプレックス石鹸グリースを実施例1と同様に、
鋼,銅及びSi34セラミックス製皿及び板に塗布し、
150℃の恒温槽中で静置し、600時間加熱し試験後
の蒸発量,全酸価及び潤滑寿命を測定した。表6に実施
例14〜26及び比較例22〜26の結果を示した。
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】実施例14〜26,比較例22〜26のリ
チウムコンプレックス石鹸グリースは、下記の方法で製
造した。
【0033】アルキルジフェニルエーテル油全量435
g中に12−ヒドロキシステアリン酸106.6gとア
ゼライン酸23.4gを加え、撹拌しながら80〜90
℃まで加熱溶解した。この温度で水酸化リチウム26.
1gと熱水52.2gの混合物を添加し、攪拌しながら
95〜100℃で1時間ケン化反応させた。次に、撹拌
しながら約210℃まで加熱し5分間保持し、ポリオー
ルエステル油435gを加え、撹拌冷却した。これを基
グリースとした。この基グリース891gを取り、酸化
防止剤9gを添加し、撹拌しながら100℃まで加熱し
た後、室温まで撹拌冷却した。次に、三本ロールミル機
で2〜4回混練し、NLGIちょう度グレードNo.2の
リチウムコンプレックス石鹸グリースを調整した。
【0034】(実施例27〜39及び比較例27〜3
1)表1及び表5と同じ混合ベース油と複合酸化防止剤
を含有したジウレアグリースを実施例1と同様に鋼,銅
及びSi34セラミックス製皿及び板に塗布し、150
℃の恒温槽中で静置し、600時間加熱し試験後の蒸発
量,全酸価及び潤滑寿命を測定した。表7に実施例27
〜39及び比較例27〜31の結果を示した。
【0035】
【表7】
【0036】実施例27〜39及び比較例27〜31の
ジウレアグリースは下記の方法で製造した。
【0037】アルキルジフェニルエーテル油420g中
に4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート78.
8g を加え、撹拌しながら70〜75℃まで加熱溶解
した。70〜75℃でポリオールエステル油420g中
で溶解したオクチルアミン81.2gの混合物を添加し、攪
拌しながら95〜100℃で1時間反応させた。次に、
撹拌しながら約170℃まで加熱し、30分間保持した
後、室温まで撹拌冷却した。これを基グリースとした。
【0038】この基グリース891gを取り、酸化防止
剤9gを添加し、撹拌しながら100℃まで加熱した後、
室温まで撹拌冷却した。次に、三本ロールミル機で2〜
4回混練し、NLGIちょう度グレードNo.2のジウレ
アグリースを調整した。
【0039】(実施例40〜51)ペンタエリスリトー
ルテトラカプリレート(CIBA−GEIGY社製:レ
オルーブLP3200)とジアルキルテトラフェニルエーテル
((株)松村研究所社製:S−3230)を50:50
の重量%で配合した混合ベース油(1)と表8に示す複
合酸化防止剤(2)としてジアルキルジチオカルバミン
酸塩系化合物とヒンダードフェノール系化合物を50:
50の重量比で混合した酸化防止剤1重量%を添加した
リチウム石鹸グリースを実施例1と同様の方法で調整し
た。このグリースを銅及びSi34セラミックス製皿及
び板に塗布し、150℃の恒温槽中で静置し、600時
間加熱し試験後の蒸発量,全酸価及び潤滑寿命を測定し
た。これらの結果を表8に併記した。
【0040】
【表8】
【0041】(実施例52〜60)モノアルキルトリフ
ェニルエーテル((株)松村研究所社製:S−3102)
とトリメチロールプロパントリエスター(コンプレック
ス型ポリオールエステル,CIBA−GEIGY社製:
レオルーブLT451)を50:50の重量比で配合し
た混合ベース油(1)に表9に示す複合酸化防止剤
(2)のジアルキルジチオカルバミン酸塩系化合物とヒ
ンダードフェノール系化合物の組合わせで50:50の
重量比で組合わせた複合酸化防止剤1重量%を添加し、
実施例27と同様の方法でリチウムコンプレックス石鹸
グリースを調整した。このグリースを銅及びSi34
ラミックス製皿及び板に塗布し、150℃の恒温槽中で
静置し、600時間加熱し試験後の蒸発量,全酸価及び
潤滑寿命を測定した。これらの結果を表9に併記した。
【0042】
【表9】
【0043】(実施例61〜87)モノアルキルテトラ
フェニルエーテル((株)松村研究所社製:S−310
1)とペンタエリスリトールトリエステル(コンプレッ
クス型ポリオールエステル,CIBA−GEIGY社
製:レオルーブLPE602)を50:50の重量比で
配合した混合ベース油(1)に複合酸化防止剤(2)の
ジアルキルジチオカルバミン酸塩系化合物とヒンダード
フェノール系化合物を表10に示す混合比で組合わせた
複合酸化防止剤1重量%を添加し実施例27と同様の方
法でリチウムコンプレックス石鹸グリースを調整した。
このグリースを銅及びSi34セラミックス製皿及び板
に塗布し、150℃の恒温槽中で静置し、600時間加
熱し試験後の蒸発量,全酸価を測定した。これらの結果
を表11に示した。
【0044】
【表10】
【0045】
【表11】
【0046】(実施例88)ペンタエリスリトールテト
ラエステル(コンプレックス型ポリオールエステル,ア
デカファインケミカル社製:エフコルーブ100Z)と
アルキルジフェニルエーテル((株)松村研究所社製:
モレスコハイルーブLB−100)を50:50の重量
比で配合した混合ベース油(1)と表12に示す混合比
の複合酸化防止剤(2)を0.1 〜6重量%を添加した
リチウムコンプレックス石鹸グリースを実施例2と同様
な方法で調整した。このグリースを銅製皿及び板に塗布
し、温度150℃で600時間の加熱を行い蒸発量及び
全酸価を測定した。結果を表12に併記した。
【0047】
【表12】
【0048】(実施例89〜100)トリメチロールプ
ロパントリカプリレート(Reolub LT3000),ペンタエリ
スリトールテトラヘプタネート(Reolubu LP2800)及び
ペンタエリスリトールテトラエステル(コンプレックス
型ポリオールエステル油,アデカファインケミカル社
製:エフコルーブ100Z)とアルキルジフェニルエー
テル((株)松村研究所社製:モレスコハイルーブLB
−100)を表13に示す配合比の混合ベース油(1)
に複合酸化防止剤(2)ジアルキルジチオカルバミン酸
塩系化合物のジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(大
内新興化学(株)製:ノクラックNBC)とヒンダード
フェノール系化合物のペンタエリスチリル−テトラキス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕(CIBA−GEIGY社製:
イルガノックス1010)を50:50の重量比で1重
量%添加し、実施例1と同様な方法でリチウム石鹸グリ
ースを得た。これらのグリースの潤滑寿命試験を実施
し、結果を表13に併記した。
【0049】
【表13】
【0050】(実施例101〜113,比較例32〜3
6)電車の駆動電動機に使用されているものと同型の出
力300kWのかご型誘導電動機を用い、回転数6,0
00rpm,運転時間100hの条件で実施例14〜26
と比較例22〜26のリチウムコンプレックス石鹸グリ
ースについてころがり軸受の温度上昇及びグリースの付
着状況を調べた。その結果を表14に示した。
【0051】
【表14】
【0052】以上の実施例から明らかなように、ポリオ
ールエステル油とアルキルフェニルエーテル油からなる
混合ベース油とアルキルジチオカルバミン酸塩系化合物
とヒンダードフェノール系化合物を組合わせた酸化防止
剤を含有したリチウム石鹸,リチウムコンプレックス石
鹸及びジウレア化合物を増ちょう剤に用いたグリース組
成物は、比較例のグリースに比し高温の条件においても
蒸発量及び全酸価の変化が少なく熱酸化安定性に優れて
いる。また、実機相当の誘導電動機によるころがり軸受
の温度上昇も低い。
【0053】
【発明の効果】本発明の潤滑グリース組成物をころがり
軸受に用いた電動機は、従来のグリースを用いた電動機
では対応できない高温・高速の使用条件においてもメン
テナンスフリー化を達成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C10M 169/00 105:38 105:18 117:02 115:08 129:16 135:18) C10N 10:02 30:10 40:02 50:10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ころがり軸受を備えた電動機において、該
    軸受にグリース組成物として、ポリオールエステルとア
    ルキルフェニルエーテルの混合ベース油と,ジアルキル
    ジチオカルバミン酸塩とヒンダードフェノール系化合物
    の混合物の複合酸化防止剤を含有するグリース組成物を
    用いたことを特徴とする電動機。
  2. 【請求項2】請求項1において、該グリース組成物とし
    て、リチウム石鹸,リチウムコンプレックス石鹸,ジウ
    レア化合物のいずれかを含むグリース組成物を用いたこ
    とを特徴とした電動機。
  3. 【請求項3】請求項1において、該グリース組成物とし
    て前記混合ベース油として炭素数5〜18の直鎖又は分
    岐脂肪酸とトリメチロールプロパン,ペンタエリスリト
    ール及びジペンタエリスリトールから合成されるポリオ
    ールエステル、又は1塩基酸と2塩基酸の混合酸とトリ
    メチロールプロパン,ペンタエリスリトール,ジペンタ
    エリスリトールから合成されるコンプレックス型ポリオ
    ールエステルと置換基の炭素数6〜22のジアルキルフ
    ェニルエーテル油又はアルキルポリフェニルエーテルを
    80〜20:20〜80の重量比で含有するグリース組
    成物を用いたことを特徴とする電動機。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記複合酸化防止剤と
    してジアルキルジチオカルバミン酸塩とヒンダードフェ
    ノール系化合物を90〜10:10〜90の重量比で配
    合し、該複合酸化防止剤を0.2 〜5重量%含有するグ
    リース組成物を用いたことを特徴とする電動機。
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