JP2000026874A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2000026874A
JP2000026874A JP19184098A JP19184098A JP2000026874A JP 2000026874 A JP2000026874 A JP 2000026874A JP 19184098 A JP19184098 A JP 19184098A JP 19184098 A JP19184098 A JP 19184098A JP 2000026874 A JP2000026874 A JP 2000026874A
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oil
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grease
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JP19184098A
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Masahiko Yamazaki
雅彦 山崎
Atsushi Kuraishi
淳 倉石
Atsushi Yokouchi
敦 横内
Michiharu Naka
道治 中
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価でありながらも、高温耐久性に優れた転
がり軸受を提供する。 【解決手段】 内輪2と外輪4との間に配置した複数個
の転動体5を保持器6が保持し、内輪2と外輪4との何
れか一方の軸方向両端部にシール部材7,7を固定して
なる転がり軸受であって、40℃における動粘度が13
0〜1500mm 2 /sの鉱油と、40℃における動粘
度が10〜300mm2 /sの合成炭化水素油とを必須
成分とし、かつその40℃における動粘度が20〜40
0mm2 /sである基油に、ジウレア化合物からなる増
ちょう剤を配合してなるグリース組成物を封入したこと
を特徴とする転がり軸受。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種産業機械や車
両、電気機器等に組み込まれる転がり軸受に関し、特に
高温での軸受寿命の改善を図った転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】各種産業機械や車両、電気機器等に組み
込まれる転がり軸受は、例えば、図1に示されるよう
に、外周面に内輪軌道面1を有する内輪2と、内周面に
外輪軌道面3を有する外輪4とを同心に配置し、内輪2
の内輪軌道面1と外輪4の外輪軌道面3との間に配設し
た複数個の転動体としての玉5を保持器6が転動自在に
保持するとともに、外輪4の軸方向両端面に固定された
円輪状のシール部材7,7により封入グリース(図示せ
ず)を封止して概略構成される。一方、近年では、装置
や機器の小型軽量化や高速化に伴い、組み込まれる軸受
にも高温耐久性が要求されている。また、メンテナンス
フリー化の要求が大きく、例えば大型長距離トラック等
においては10年100万kmのメンテナンスフリーと
いう厳しい要求も出てきている。更に、コストダウンの
要求も多大である状況にある。コストダウンに関して
は、鉱油と基油とし、リチウム石鹸を増ちょう剤とする
汎用グリースを用いることで対応できるものの、この汎
用グリースは耐熱性能が低く、高温・高速化にはほとん
ど対応できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような各種の
要求は今後も引き続き高まることが予想され、特にコス
トダウンと高温耐久性の要求は年々厳しくなっており、
軸受メーカーにとっても最重要課題の一つとなってい
る。本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであ
り、特に安価でありながらも、高温耐久性に優れた転が
り軸受を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、封入するグリ
ース組成物として、基油の一部に鉱油を使用することで
コストダウンの要求に応えるとともに、高温での長寿命
化に対してはグリースの基油を酸化劣化の少ないものと
すると同時に、グリースの流動性を長期にわたり安定さ
せることが重要であり、そのためには特定の動粘度を有
する鉱油と合成炭化水素油とを組み合わせることで基油
の蒸発量を抑え、かつ耐熱性能に優れたジウレア化合物
を増ちょう剤とすることが有効であることを見い出し、
本発明を完成するに至った。即ち、上記の目的は、本発
明に係る、内輪と外輪との間に配置した複数個の転動体
を保持器が保持し、前記内輪と外輪との何れか一方の軸
方向両端部にシール部材を固定してなる転がり軸受であ
って、40℃における動粘度が130〜1500mm2
/sの鉱油と、40℃における動粘度が10〜300m
2 /sの合成炭化水素油とを必須成分とし、かつその
40℃における動粘度が20〜400mm2 /sである
基油に、ジウレア化合物からなる増ちょう剤を配合して
なるグリース組成物を封入したことを特徴とする転がり
軸受により達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の転がり軸受に関し
て詳細に説明する。本発明において、転がり軸受自体の
構成や構造に関しては特に制限されるものではなく、例
えば図1に示したような転がり軸受を例示することがで
きる。即ち、外周面に内輪軌道面1を有する内輪2と、
内周面に外輪軌道面3を有する外輪4とを同心に配置
し、内輪2の内輪軌道面1と外輪4の外輪軌道面3との
間に配設した複数個の転動体としての玉5を保持器6が
転動自在に保持するとともに、外輪4の軸方向両端面に
固定された円輪状のシール部材7,7により封入グリー
ス(図示せず)を封止して概略構成される
【0006】本発明は、上記したような転がり軸受に以
下のグリース組成物を封入したことを特徴とする。即
ち、基油には、安価な鉱油と、耐熱性能の上で有利な合
成炭化水素油とを必須成分とする混合油を用い、増ちょ
う剤として耐熱性能に優れたジウレア化合物を使用す
る。
【0007】先ず、基油について説明する。鉱油は、4
0℃における動粘度が130〜1500mm2 /s、好
ましくは350〜500mm2 /sのものを使用する。
この動粘度は、グリースに使用される一般的な鉱油の動
粘度よりはかなり高く、これにより基油全体としての蒸
発を抑える。従って、40℃における動粘度が130m
2 /s未満では、蒸発抑制効果が得られない。一方、
40℃における動粘度が1500mm2 /sを越える場
合は、低温下での始動性が悪くなる。また、鉱油は、上
記の動粘度であれば、その種類は特に限定されるもので
はなく、グリースの基油として通常使用される鉱油を使
用できる。中でも、減圧蒸留、溶剤脱歴、溶剤抽出、水
素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精
錬等により精製した鉱油が好ましい。
【0008】一方、合成炭化水素油としては、40℃に
おける動粘度が10〜300mm2/s、好ましくは1
5〜150mm2 /sのものを使用する。40℃におけ
る動粘度が10mm2 /s未満では高温下での蒸発減量
が多く、早期にグリースが固化してしまう。一方、40
℃における動粘度が300mm2 /sを越える場合は、
スラッジが発生したり、低温下での始動性が悪くなる。
また、合成炭化水素油は、上記の動粘度であれば、その
種類は特に限定されるものではなく、グリースの基油と
して通常使用される合成炭化水素油を使用できる。好ま
しい合成炭化水素油としては、例えばノルマルパラフィ
ン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、
1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンとのコオ
リゴマーなどのポリ−α−オレフィンまたはこれらの水
素化物などを例示できる。
【0009】また、基油は上記鉱油と合成炭化水素油と
を必須として含むが、更に基油としての40℃における
動粘度が20〜400mm2 /s、好ましくは100〜
250mm2 /sであることを特徴とする。40℃にお
ける動粘度が20mm2 /s未満では、高温下での蒸発
減量が多く、早期にグリースが固化してしまう。一方、
40℃における動粘度が400mm2 /sを越える場合
は、低温下での始動が悪くなる。従って、上記鉱油と合
成炭化水素油との配合割合は、基油とした時に上記動粘
度となるように適宜選択される。但し、コストの面では
鉱油の割合を多くした方が有利であり、耐熱性の観点か
らは合成炭化水素油の割合を多くした方が有利である。
【0010】更に、基油には上記鉱油と合成炭化水素油
の他にも、必要に応じて、グリースの基油として通常使
用されるような潤滑油を配合することもできる。好まし
くは、以下に例示するような芳香族系、エステル系また
はエーテル系の合成潤滑油である。前記芳香族系油とし
ては、例えばモノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼ
ン、ポリアルキルベンゼンなどのアルキルベンゼン、あ
るいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレ
ン、ポリアルキルナフタレンなどのアルキルナフタレン
などが挙げられる。前記エステル系油としては、例えば
ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケー
ト、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、
ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、
メチル・アセチルリシノレートなどのジエステル、ある
いはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリ
テート、テトラオクチルピロメリテートなどの芳香族エ
ステル油、さらにはトリメチロールプロパンカプリレー
ト、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエ
リスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリ
スリトールベラルゴネートなどのポリオールエステル、
さらにまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混
合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエス
テルなどが挙げられる。前記エーテル系油としては、例
えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピ
レングリコールモノエーテルなどのポリグリコール、あ
るいはモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジ
フェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペ
ンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノ
アルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフ
ェニルエーテルなどのフェニルエーテルなどが挙げられ
る。中でも、エステル系油、エーテル系油が好ましい。
その他にも、トリクレジルフォスフェート、シリコーン
油、パーフルオロアルキルエーテル油などの合成潤滑油
も使用することができる。
【0011】本発明では、増ちょう剤としてジウレア化
合物が用いられる。特に、下記一般式〔I〕で表される
ジウレア化合物が好ましい。
【0012】
【化1】
【0013】式中、R2 は炭素数6〜15の芳香族系炭
化水素基を表し、R1 、R3 は炭化水素基または縮合環
炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。ま
た、R 1 、R3 において炭化水素基は脂肪族炭化水素
基、芳香族炭化水素基の何れでもよく、縮合環炭化水素
基の炭素数は好ましくは9〜19、更に好ましくは9〜
13である。
【0014】この一般式〔I〕で表されるジウレア化合
物は、基油中で、R2 を骨格中に含むジイソシアネート
1モルに対して、R1 またはR3 を骨格中に含むモノア
ミンを合計で2モルの割合で反応させることにより得ら
れる。R2 を骨格中に含むジイソシアネートとしては、
ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、ビフェニレン
ジイソシアネート、ジメチルジフェニレンジイソシアネ
ート、あるいはこれらのアルキル置換体等を好適に使用
できる。
【0015】R1 またはR3 として炭化水素基を骨格中
に含むモノアミンとしては、アニリン、シクロヘキシル
アミン、オクチルアミン、トルイジン、ドデシルアニリ
ン、オクタデシルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルア
ミン、ノニルアミン、エチルヘキシルアミン、デシルア
ミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシ
ルアミン、ペンタデシルアミン、ノナデシルアミン、エ
イコデシルアミン、オレイルアミン、リノレイルアミ
ン、リノレニルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、
エチルシクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシル
アミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、ブチルシクロ
ヘキシルアミン、プロピルシクロヘキシルアミン、アミ
ルシクロヘキシルアミン、シクロオクチルアミン、ベン
ジルアミン、ベンズヒドリルアミン、フェネチルアミ
ン、メチルベンジルアミン、ビフェニルアミン、フェニ
ルイソプロピルアミン、フェニルヘキシルアミン等を好
適に使用できる。
【0016】またR1 またはR3 として縮合環炭化水素
基を骨格中に含むモノアミンとして、例えばアミノイン
デン、アミノインダン、アミノ−1−メチレンインデ
ン、などのインデン系アミン化合物、アミノナフタレン
(ナフチルアミン)、アミノメチルナフタレン、アミノ
エチルナフタレン、アミノジメチルナフタレン、アミノ
カダレン、アミノビニルナフタレン、アミノフェニルナ
フタレン、アミノベンジルナフタレン、アミノジナフチ
ルメタン、アミノビナフチル、アミノ−1,2−ジヒド
ロナフタレン、アミノ−1,4−ジヒドロナフタレン、
アミノテトラヒドロナフタレン、アミノオクタリンなど
のナフタレン系アミン化合物、アミノペンタレン、アミ
ノアズレン、アミノヘプタレンなどの縮合二環系アミン
化合物、アミノフルオレン、アミノ−9−フェニルフル
オレンなどのアミノフルオレン系アミン化合物、アミノ
アントラレン、アミノメチルアントラセン、アミノジメ
チルアントラセン、アミノフェニルアントラセン、アミ
ノ−9,10−ジヒドロアントラセンなどのアントラセ
ン系アミン化合物、アミノフェナントレン、アミノ−
1,7−ジメチルフェナントレン、アミノレテンなどの
フェナントレンアミン化合物、アミノビフェニレン、ア
ミノ−s−インダセン、アミノ−as−インダセン、ア
ミノアセナフチレン、アミノアセナフテン、アミノフェ
ナレンなどの縮合三環系アミン化合物、アミノナフタセ
ン、アミノクリセン、アミノピレン、アミノトリフェニ
レン、アミノベンゾアントラセン、アミノアセアントリ
レン、アミノアセアントレン、アミノアセフェナントリ
レン、アミノアセフェナントレン、アミノフルオランテ
ン、アミノプレイアデンなどの縮合四環系アミン化合
物、アミノペンタセン、アミノペンタフェン、アミノピ
セン、アミノペリレン、アミノジベンゾアントラセン、
アミノベンゾピレン、アミノコラントレンなどの縮合五
環系アミン化合物、アミノコロネン、アミノピラントレ
ン、アミノビオラントレン、アミノイソビオラントレ
ン、アミノオバレンなどの縮合多環系(六環以上)アミ
ン化合物等が好適に使用できる。
【0017】上記ジウレア化合物のグリース組成物中の
配合量はグリース性状が得られる範囲であれば特に制限
されるものではなく、通常5〜35重量%である。ま
た、転がり軸受が円すいころ軸受等のように滑り部分が
ある場合には、グリース組成物にテルルのジチオカルバ
ミン酸塩もしくはニッケルのジチオカルバミン酸塩を添
加することが好ましい。これらは極圧剤として知られて
いる添加剤であるが、上記の基油および増ちょう剤との
組み合わせにおいて特に高い効果を示す。特に好ましい
テルルのジチオカルバミン酸塩、ニッケルのジチオカル
バミン酸塩は下記一般式〔II〕で表され、とりわけ、炭
素数1〜18のアルキル基を有するジチオカルバミン酸
テルル、ジチオカルバミン酸ニッケルである。
【0018】
【化2】
【0019】具体的には、テルルのジチオカルバミン酸
塩としては、例えばジエチルジチオカルバミン酸テル
ル、ジブチルジチオカルバミン酸テルル、ジメチルジチ
オカルバミン酸テルル等を挙げることができる。一方、
ニッケルのジチオカルバミン酸塩としては、例えばジエ
チルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカル
バミン酸ニッケル、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケ
ル等を挙げることができる。また、テルルのジチオカル
バミン酸塩、ニッケルのジチオカルバミン酸塩の配合量
は、グリース全量に対して0.5〜10重量%程度が好
ましい。配合量が0.5重量%未満では、その効果が得
られない。一方、配合量が10重量%を越える場合に
は、増量に見合う効果の向上が得られず不経済であると
ともに、基油や増ちょう剤の占める量が相対的に少なく
なり、潤滑性能を低下させる。ところで、極圧剤を添加
すると、一般的には基油の蒸発量が多くなる傾向にある
が、上記グリース組成物は基油が蒸発し難いため、極圧
剤を添加しても蒸発量の増加を抑えることができる。従
って、円すいころ軸受等のように滑り部分を有する転が
り軸受にも、従来よりも優れた高温耐久性を付与するこ
とができる。
【0020】上記グリース組成物には、更に、従来より
グリース組成物に添加される下記添加剤等を配合するこ
とができる。 〔極圧剤〕上記したテルルのジチオカルバミン酸塩、ニ
ッケルのジチオカルバミン酸塩と他の従来公知の極圧剤
を併用することにより、耐荷重性や極圧性を更に向上さ
せることができる。例えば以下の化合物を使用すること
ができる。有機金属系のものとしては、ジチオカルバミ
ン酸モリブデン、ジチオリン酸モリブデン等の有機モリ
ブデン化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛、ジチオリン酸
亜鉛、亜鉛フェネート等の有機亜鉛化合物、ジチオカル
バミン酸アンチモン、ジチオリン酸アンチモン等の有機
アンチモン化合物、ジチオカルバミン酸セレン等の有機
セレン化合物、ナフテン酸ビスマス、ジチオカルバミン
酸ビスマス等の有機ビスマス化合物、ジチオカルバミン
酸鉄、オクチル酸鉄等の有機鉄化合物、ジチオカルバミ
ン酸銅、ナフテン酸銅等の有機銅化合物、ナフテン酸
鉛、ジチオカルバミン酸鉛等の有機鉛化合物、マレイン
酸スズ、ジブチルスズスルファイド等の有機スズ化合
物、あるいは、アルカリ金属、アルカリ土類金属の有機
スルホネート、フェネート、ホスホネート、金、銀、チ
タン、カドミウム等の有機金属化合物も必要なら使用で
きる。硫黄系化合物としては、ジベンジルジスルフィド
等のスルフィドあるいはポリスルフィド化合物、硫化油
脂類、無灰系カルバミン酸化合物類、チオウレア系化合
物、もしくはチオカーボネート類等を使用ことができ
る。リン酸系極圧剤としては、トリオクチルフォスフェ
ート、トリクレジルフォスフェート等のリン酸エステ
ル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性亜リ
ン酸エステル等のリン酸エステル系化合物を使用するこ
とができる。また、その他、塩素化パラフィン等のハロ
ゲン系の極圧剤、あるいは、二硫化モリブデン、二硫化
タングステン、グラファイト、PTFE、硫化アンチモ
ン、窒化硼素などの硼素化合物等の固体潤滑剤を使用す
ることができる。
【0021】〔防錆剤・金属不活性化剤〕防錆剤とし
て、例えば以下の化合物を使用することができる。即
ち、有機スルホン酸のアンモニウム塩、バリウム、亜
鉛、カルシウム、マグネシウム等アルカリ金属、アルカ
リ土類金属の有機スルホン酸塩、有機カルボン酸塩、フ
ェネート、ホスホネート、アルキルもしくはアルケニル
こはく酸エステル等のアルキル、アルケニルこはく酸誘
導体、ソルビタンモノオレエート等の多価アルコールの
部分エステル、オレオイルザルコシン等のヒドロキシ脂
肪酸類、1−メルカプトステアリン酸等のメルカプト脂
肪酸類あるいはその金属塩、ステアリン酸等の高級脂肪
酸類、イソステアリルアルコール等の高級アルコール
類、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル、2,5
−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メ
ルカプトチアジアゾール等のチアゾール類、2−(デシ
ルジチオ)−ベンゾイミダゾール、ベンズイミダゾール
等のイミダゾール系化合物、あるいは、2,5−ビス
(ドデシルジチオ)ベンズイミダゾール等のジスルフィ
ド系化合物、あるいは、トリスノニルフェニルフォスフ
ァイト等のリン酸エステル類、ジラウリルチオプロピオ
ネート等のチオカルボン酸エステル系化合物等を使用す
ることができる。また、亜硝酸塩等も使用することがで
きる。金属不活性化剤として、例えばベンゾトリアゾー
ルやトリルトリアゾール等のトリアゾール系化合物を使
用することができる。
【0022】〔油性剤〕油性剤として、例えば以下の化
合物を使用することができる。即ち、オレイン酸やステ
アリン酸等の脂肪酸、オレイルアルコール等の脂肪酸ア
ルコール、ポリオキシエチレンステアリン酸エステルや
ポリグリセリルオレイン酸エステル等の脂肪酸エステ
ル、リン酸、トリクレジルホスフェート、ラウリル酸エ
ステルまたはポリオキシエチレンオレイルエーテルリン
酸等のリン酸エステル等を使用することができる。
【0023】以下の実施例により、本発明の転がり軸受
をより明確にすることができる。但し、本発明はこれら
実施例により何ら制約されるものではない。 (実施例1〜4、比較例1〜4)表1および表2に示す
如く増ちょう剤、基油および添加剤を配合して試験グリ
ースを調製した。尚、各実施例及び比較例4でも用いた
ジウレア化合物は脂肪族ジウレア化合物である。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】そして、図1に示した玉軸受(呼び番号:
6305VV、内径25mm、外径62mm)に各試験
グリース3.4gを封入し、アキシャル荷重100kg
f、ラジアル荷重10kgfの負荷をかけた状態で、回
転数9000rpmで20時間連続回転、4時間休止を
交互に繰り返す回転パターンにより軸受耐久試験を行っ
た。尚、試験温度は回転時140℃であり、停止時は自
然冷却とした。表1および表2に試験結果を併記する
が、基油が特定の動粘度を有する鉱油と合成炭化水素油
とを含み、かつジウレア化合物を増ちょう剤とする試験
グリースを封入した実施例の玉軸受は、他の試験グリー
スを封入した比較例の玉軸受に比べて優れた耐久性能を
示すことがわかる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転がり軸
受は、基油が特定の動粘度を有する鉱油と合成炭化水素
油とを含み、かつジウレア化合物を増ちょう剤とするグ
リース組成物を封入したことで、安価であるにもかかわ
らず、優れた高温耐久性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の一実施形態を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 内輪軌道面 2 内輪 3 外輪軌道面 4 外輪 5 玉(転動体) 6 保持器 7 シール部材
フロントページの続き (72)発明者 横内 敦 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 中 道治 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J101 AA01 AA32 CA32 EA64 FA31 GA01 4H104 BA06A CE14B DA02A EA02A EB02 LA04 PA01 QA18

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と外輪との間に配置した複数個の転
    動体を保持器が保持し、前記内輪と外輪との何れか一方
    の軸方向両端部にシール部材を固定してなる転がり軸受
    であって、40℃における動粘度が130〜1500m
    2 /sの鉱油と、40℃における動粘度が10〜30
    0mm2 /sの合成炭化水素油とを必須成分とし、かつ
    その40℃における動粘度が20〜400mm2 /sで
    ある基油に、ジウレア化合物からなる増ちょう剤を配合
    してなるグリース組成物を封入したことを特徴とする転
    がり軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003099973A1 (fr) * 2002-05-29 2003-12-04 Nippon Oil Corporation Composition de graisse et palier a rouleaux

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