JP2008231311A - 転動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温で長時間使用してもグリース漏洩を起こし難く、焼付寿命にも優れ、高温高速で使用される機器の回転部位や摺動部位に好適な転動装置を提供する。
【解決手段】 ジアルキルジフェニルエーテル、エステル系合成油及びポリα−オレフィン油の少なくとも1種からなる基油に、それぞれ特定分子構造を持つジウレア化合物Aとジウレア化合物Bとを、ジウレア化合物A:ジウレア化合物B=50〜90:50〜10(モル%)で混合してなる増ちょう剤をグリース全量の10〜30質量%の割合で含有するジウレアグリース組成物を封入した転動装置。
【選択図】図1

Description

本発明は転動装置に関し、より詳細には、オルタネータや電磁クラッチ等の自動車電装部品や、アイドラプーリ等の自動車エンジン補機等のように高温高速で使用される機器の回転部位や摺動部位に好適な転動装置に関する。
自動車は小型軽量化や車室空間拡大の要望により、エンジンルーム空間の減少が余儀なくされており、更には静粛性向上のためにエンジンルームの密閉化が進んでいることから、上記各部品はより高温に晒され、耐熱性がより重要視されてきている。具体的には、従来は130〜150℃の温度で使用されていたが、近年では160〜200℃の高温下でも耐え得ることが要求されている。
そのため、封入されるグリースにもこれまで以上の耐熱性が要求され、各種の金属複合石けん、ナトリウムテレフタラメート、ベントンまたはウレア化合物を増ちょう剤とするグリースや、フッ素グリースが用いられることが多い。しかし、金属複合石けん系グリースは経時硬化性に大きな欠点があり、ナトリウムテレフタラメートグリースは油分離が大きく、ベントングリースは潤滑性に欠点があり、フッ素グリースは高価である等の欠点を抱えている。
ウレアグリースは、ジウレアグリース及びテトラウレアグリースが主流であり、前述のグリースと比べて種々の利点を有している。しかし、テトラウレアグリースは、長時間高温に曝されるとちょう度が硬化する現象が見られ、更にせん断速度の違いによりグリースが硬化したり軟化したりする。
また、ジウレアグリースは、イソシアネートと、その末端に結合するアミンとの組み合わせにより特性が大きく変化する。例えば、ジフェニルメタン基の両端に炭素数8のアルキル基を有するアミンが結合したジウレア化合物と、トリレン基またはビトリレン基の両端に炭素数8のアルキル基を有するアミンが結合したジウレア化合物とを併用したウレアグリース(特許文献1参照)、トリレン基、ジフェニルメタン基またはジメチルビフェニレン基の両端に、炭素数6〜18の直鎖の飽和アルキル基を25〜45モル%、シクロアルキル基を50〜70モル%、芳香族系炭化水素基を5〜25モル%の割合で有するジウレア化合物を増ちょう剤とするウレアグリース(特許文献2参照)、2種類以上の異なるジイソシアネートとアミンとを反応させて得られるジウレア化合物を増ちょう剤とするウレアグリース(特許文献3参照)、等が知られている。しかし、これらジウレアグリースでも、高温で長時間使用されるとちょう度変化によるグリース漏洩を起こしたりするため、今後益々高温での使用が想定される中、改善の余地がある。
特開平1−139696号公報 特開平6−88085号公報 特許第2777928号公報
本発明はこのような状況を鑑みてなされたものであり、特に高温で長時間使用してもグリース漏洩を起こし難く、焼付寿命にも優れ、高温高速で使用される機器の回転部位や摺動部位に好適な転動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は下記の転動装置を提供する。
(1)外面に軌道面を有する内方部材と、前記内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配置された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配設された複数の転動体とを備え、かつ、前記内方部材と前記外方部材との間に形成され前記転動体が配設された空隙部内に、ジアルキルジフェニルエーテル、エステル系合成油及びポリα−オレフィン油の少なくとも1種からなる基油に、一般式(1)で表されるジウレア化合物Aと、一般式(2)で表されるジウレア化合物Bとを、ジウレア化合物A:ジウレア化合物B=50〜90:50〜10(モル%)で混合してなる増ちょう剤をグリース全量の10〜30質量%の割合で含有するジウレアグリース組成物が充填されていることを特徴とする転動装置。
Figure 2008231311
(式中、Rはトリレン基またはビトリレン基であり、Rは炭素数6〜12の芳香族系炭化水素基であり、同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2008231311
(式中のRはジフェニルメタン基であり、Rは炭素数6〜12の芳香族系炭化水素基であり、同一でも異なっていてもよい。)
(2)前記ジウレアグリース組成物において、ウレア化合物A及びウレア化合物Bは、Rを含むジイソシアネート、Rを含むジイソシアネート、Rを含むアミン及びアミンRを含むアミンを同時に反応させて得られることを特徴とする上記(1)記載の転動装置。
(3)前記ジウレアグリース組成物が、全塩基価が100〜500mgKOH/gの過塩基性金属系清浄剤をグリース全量の1〜10質量%、金属を含まない硫黄−リン系極圧剤をグリース全量の0.1〜5質量%の割合で含有することを特徴とする上記(1)または(2)記載の転動装置。
(4)過塩基性金属系清浄剤がアルカリ土類金属のスルフォネート、フェネート及びサリチレートから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(3)記載の転動装置。
(5)硫黄−リン系極圧剤がチオフォスフェートまたはチオフォスファイトであることを特徴とする上記(3)記載の転動装置。
本発明の転動装置は、ジイソシアネート成分が異なる2種のジウレア化合物を特定比率で混合した増ちょう剤を含むジウレアグリース組成物を充填したため、他のウレアグリースを充填した転動装置と比べて、高温で長時間した場合でもグリース漏洩が少なく、焼付寿命も長く、高温高速下での信頼性により優れたものとなる。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明において転動装置の種類やその構造には制限がなく、転がり軸受やボールねじ、リニアガイド装置、直動ベアリング装置等が対象となる。尚、内方部材とは、転がり軸受で内輪、ボールねじではねじ軸、リニアガイド装置では案内レール、直動ベアリング装置では軸をそれぞれ意味する。また、外方部材とは、転がり軸受で外輪、ボールねじではナット、リニアガイド装置ではスライダ、直動ベアリング装置では外筒をそれぞれ意味する。
ここでは、転がり軸受の一例として、図1に断面図で示す玉軸受を挙げて説明する。図示される玉軸受1は、内方部材である内輪10と、外方部材である外輪11と、内輪10と外輪11との間に転動自在に配設された複数の玉13と、複数の玉13を保持する保持器12と、外輪11に取り付けられた接触形のシール14、14とで構成されている。また、内輪10と外輪11とシール14、14とで囲まれた軸受空間には、下記に示すジウレアグリース組成物Gが充填され、シール14により玉軸受1内に密封されている。そして、ジウレアグリース組成物Gにより、前記両輪10、11の軌道面と玉13との接触面が潤滑される。
尚、転がり軸受としては、玉軸受の他にも、例えば、アンギュラ玉軸受、自動調心玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受、スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受が挙げられ、同様のジウレアグリース組成物が封入される。
以下に、ジウレアグリース組成物について説明する。
[増ちょう剤]
増ちょう剤には、下記の一般式(I)で表されるジウレア化合物Aと、一般式Bで表されるジウレア化合物Bとの混合物を用いる。
Figure 2008231311
式中のRはトリレン基またはビトリレン基である。また、Rは炭素数6〜12の芳香族系炭化水素基であり、2つのRは同一でも、異なっていてもよい。具体的には、トリレンジジイソシアネートまたはビトリレンジイソシアネートと、アニリン、ベンジルアミン、トルイジン、クロロアニリン等の芳香族アミンを反応させることにより得ることができる。また、トリレンジジイソシアネートとしては2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート及びこれらの混合物等を使用でき、ビトリレンジイソシアネートとしては3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート等を使用できる。
Figure 2008231311
式中のRはジフェニルメタン基である。また、Rは炭素数6〜12の芳香族系炭化水素基であり、2つのRは同一でも、異なっていてもよい。具体的には、ジフェニルメタンジイソシアネートと、アニリン、ベンジルアミン、トルイジン、クロロアニリン等の芳香族アミンとを反応させることにより得ることができる。また、ジフェニルメタンジイソシアネートとしてはジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート等を使用することができる。
上記のジウレア化合物Aとジウレア化合物Bとの混合比は、ジウレア化合物A:ジウレア化合物B=50〜90:50〜10(モル%)、好ましくは70〜90:30〜10(モル%)である。ジウレア化合物Aが50モル%未満であると熱硬化が大きくなり、90%モル%超では油分離が大きくなり、好ましくない。
増ちょう剤の含有量は10〜30質量%、好ましくは15〜25質量%である。10質量%より少ないとグリース状態を維持することは困難となり、また、30質量%より多くなると硬くなりすぎて十分な潤滑状態を発揮することができない。
[基油]
基油には、ジアルキルジフェニルエーテル、エステル系合成油及びポリα−オレフィン油を、それぞれ単独で、あるいは2種以上を混合して用いる。
ジアルキルジフェニルエーテルは、下記一般式(A)で表される。
Figure 2008231311
式中のR、R及びRは、同一または異なる基であり、これらのうち一つは水素原子であり、他の二つはアルキル基であり、好ましくは炭素数8〜20、より好ましくは12〜14のアルキル基である。
エステル系合成油としては、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート等のジエステル、トリメチロールプロパンカプリレート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート等のポリオールエステル、トリメリット酸エステル、トリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油が挙げられる。
ポリα−オレフィン油は、下記一般式(B)で表される。
Figure 2008231311
式中のRはアルキル基であり、同一分子中に2種類以上の異なったアルキル基が混在してもよいが、好ましくはn−オクチル基である。また、nは3〜8の整数が好ましい。
基油動粘度は、40℃で15〜200mm/sであることが好ましい。潤滑特性、蒸発特性及び低温流動性を考慮すると、20〜150mm/sであることがより好ましい。
ジウレアグリース組成物には、各種性能を高めるために種々の添加剤を添加剤を適量添加することができるが、中でも下記に示す過塩基性金属系清浄剤及び硫黄−リン系極圧剤を添加することが好ましい。
[過塩基性金属系清浄剤]
過塩基性金属系清浄剤とは、全塩基価が100mgKOH/g以上、好ましくは150mgKOH/g以上の金属系清浄剤である。全塩基価の上限値は500mgKOH/g、好ましくは450mgKOH/gである。全塩基価が100mgKOH/g未満の場合は、高温長時間使用時にちょう度変化が大きくなり、一方、全塩基価が500mgKOH/gを超えるものの入手は困難である。尚、本発明において全塩基価とは、JIS K 2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」の7.に準拠して測定される過塩素酸法による全塩基価を意味する。
中でも、アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ金属土類サリシレートが好ましい。
アルカリ土類金属スルフォネートは、分子量約400〜600の潤滑油もしくは合成的にアルキル置換された芳香族化合物のスルフォン化物のアルカリ土類金属塩であり、前記金属塩としてはカルシウム塩、マグネシウム塩もしくはバリウム塩が用いられ、好ましくはカルシウム塩が用いられる。
アルカリ土類金属フェネートは、炭素数約8〜30のアルキル基が付加されたアルキルフェノールの硫化物のアルカリ土類金属塩であり、前記金属塩としてはカルシウム塩、マグネシウム塩もしくはバリウム塩が用いられ、好ましくはカルシウム塩が用いられる。
アルカリ土類金属サリシレートは、炭素数14〜18のα−オレフィンでフェノールをアルキル化してアルカリ金属塩とし、コルベ−シュミット反応でカルボキシル基を導入し、複分解等によりアルカリ土類金属塩としたものであり、前記金属塩としてカルシウム塩及びマグネシウム塩が用いられるが、好ましくはカルシウム塩である。
過塩基性金属系清浄剤の配合量は、グリース全量の1〜10質量%とすることが好ましく、より好ましくは3〜7質量%である。1質量%未満であると高温で長時間使用した時にちょう度変化が大きくなり、10質量%超であると油分離が大きくなる。
[硫黄−リン系極圧剤]
硫黄−リン系極圧剤としては、リン原子及び硫黄原子を有するものを意味し、チオフォスフェート類やチオフォスファイト類等のように分子中にリン原子及び硫黄原子の双方を有するものの他、例えばリン系極圧剤(分子中にリン原子を有するもの)と、硫黄系極圧剤(分子中に硫黄原子を有するもの)とを混合したものを含む。
チオフォスフェート類としては、チオリン酸エステルの基本構造を有する、例えば、トリフェニルフォスフォロチオネート(TPPT)等のチオリン酸エステルを用いることができる。チオフォスファイト類としては、(RS)3Pで表される有機トリチオフォスファイト等を用いることができ、例えば、トリブチルトリチオフォスファイトやトリ(2−エチルヘキシル)トリチオフォスファイトが挙げられる。
硫黄−リン系極圧剤の配合量は、グリース全量の0.1〜5質量%とすることが好ましく、より好ましくは1〜3質量%である。尚、リン系極圧剤と硫黄系極圧剤とを併用する場合は、両者の合計で前記配合量とする。0.1質量%未満では、高温長時間使用時にちょう度変化が大きくなり、一方、5質量%を超えると油分離が大きくなり、更に熱安定性が劣り、実用的でない。
〔その他添加剤〕
ジウレアグリース組成物には、その他にも、フェニル−1−ナフチルアミン等のアミン系、2,6−ジ−tert−ジブチルフェノール等のフェノール系、硫黄系、ジチオリン酸亜鉛等の酸化防止剤;アルカリ金属及びアルカリ土類金属等の有機スルフォン酸塩、アルキル、アルケニルこはく酸エステル等のアルキル、アルケニルこはく酸誘導体、ソルビタンモノオレエート等の多価アルコールの部分エステル等の防錆剤;脂肪酸、動植物油、モンタン酸ワックス等の油性向上剤;ベンゾトリアゾール等の金属不活性化剤等を添加してもよい。また、有機モリブデン等の上記以外の極圧剤を添加してもよい。これら添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない程度であれば特に限定されるものではない。
尚、ジウレアグリース組成物の製造方法には制限はなく、ジウレア化合物Aを増ちょう剤とするグリースと、ジウレア化合物Bを増ちょう剤とするグリースとを所定比率で混合してもよいし、基油中で、Rを含むジイソシアネート、Rを含むジイソシアネート、Rを含むアミン及びアミンRを含むアミンを同時に反応させてもよい。
上記のジウレアグリース組成物は、高温に長時間晒された場合でも他のウレアグリースに比べてちょう度変化が小さく、耐熱性に優れる。そのため、本発明の転動装置は、高温で長時間使用してもグリース漏洩が少なく、焼付寿命も長く、高温高速下での信頼性に優れたものとなり、オルタネータや電磁クラッチ等の自動車電装部品や、アイドラプーリ等の自動車エンジン補機等のように高温高速で使用される機器の回転部位や摺動部位に好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により、本発明が制約されるものではない。
(実施例1〜9、比較例1〜5)
表1〜3に示すように、増ちょう剤、基油及び添加剤を含む試験グリースを調製した。尚、実施例及び比較例3では、基油にジウレア化合物A及びジウレア化合物Bを形成するジイソシアネート及びアミンを一度に投入し、ジウレア化合物Aとジウレア化合物Bとを同時に合成した(同時混合)。また、比較例4、5では、ジウレア化合物Aを増ちょう剤とするグリースと、ジウレア化合物Bを増ちょう剤とするグリースとを所定比率で混合した。また、表中の基油及び増ちょう剤の各量、増ちょう剤、基油及び添加剤の各欄に記載された各成分の数値は、グリース全量に対するそれぞれの割合(質量%)である。
そして、内径8mm、外形22mm、幅7mmの鉄シール付き深溝玉軸受(図1参照)に各試験グリースを、軸受空間容積の50%を占めるように充填して試験軸受を作製し、下記の(1)グリース漏れ試験及び(2)軸受焼付試験を行なった。
(1)グリース漏れ試験
試験軸受を、軸受温度180℃、アキシアル荷重59Nの条件下で3000min−1の回転速度で回転させ(その他の条件はASTM D1741に準拠)、24時間後の軸受からのグリース漏れ率を測定した。結果を表1〜3に併記するが、漏れ率が10%以下を合格とした。
(2)軸受焼付試験
試験軸受を、軸受温度180℃、アキシアル荷重59Nの条件下で3000min−1の回転速度で回転させ(その他の条件はASTM D1741に準拠)、焼付が生じて外輪の温度が190℃に上昇した時点を焼付寿命とみなし、それまでの回転時間を計測した。結果を表1〜3に併記するが、比較例1の焼付寿命を1とする相対値で示す。
Figure 2008231311
Figure 2008231311
Figure 2008231311
表1〜3に示すように、ジウレア化合物A及びジウレア化合物Bの何れか一方を増ちょう剤とする試験グリース(比較例1,2)、あるいはジウレア化合物Aの比率が50モル%未満である試験グリース(比較例3)を充填した試験軸受に比べて、本発明に従い、ジウレア化合物Aの比率が50モル%である試験グリースを充填した実施例の試験軸受は、高温でのグリース漏れが少なく、焼付寿命にも優れることがわかる。また、比較例4では、過塩基性金属系清浄剤量が過剰である試験グリースを充填したため、焼付寿命に劣っている。また、比較例5では、硫黄−リン系極圧剤量が過剰である試験グリースを充填したため、グリース漏れ量が多く、焼付寿命にも劣っている。
本発明に係る転がり軸受の一例である玉軸受の構造を示す縦断面図である。
符号の説明
1 玉軸受
10 内輪
11 外輪
13 玉
G グリース組成物

Claims (5)

  1. 外面に軌道面を有する内方部材と、前記内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配置された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配設された複数の転動体とを備え、かつ、前記内方部材と前記外方部材との間に形成され前記転動体が配設された空隙部内に、ジアルキルジフェニルエーテル、エステル系合成油及びポリα−オレフィン油の少なくとも1種からなる基油に、一般式(1)で表されるジウレア化合物Aと、一般式(2)で表されるジウレア化合物Bとを、ジウレア化合物A:ジウレア化合物B=50〜90:50〜10(モル%)で混合してなる増ちょう剤をグリース全量の10〜30質量%の割合で含有するジウレアグリース組成物が充填されていることを特徴とする転動装置。
    Figure 2008231311
    (式中、Rはトリレン基またはビトリレン基であり、Rは炭素数6〜12の芳香族系炭化水素基であり、同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2008231311
    (式中のRはジフェニルメタン基であり、Rは炭素数6〜12の芳香族系炭化水素基であり、同一でも異なっていてもよい。)
  2. 前記ジウレアグリース組成物において、ウレア化合物A及びウレア化合物Bは、Rを含むジイソシアネート、Rを含むジイソシアネート、Rを含むアミン及びアミンRを含むアミンを同時に反応させて得られることを特徴とする請求項1記載の転動装置。
  3. 前記ジウレアグリース組成物が、全塩基価が100〜500mgKOH/gの過塩基性金属系清浄剤をグリース全量の1〜10質量%、金属を含まない硫黄−リン系極圧剤をグリース全量の0.1〜5質量%の割合で含有することを特徴とする請求項1または2記載の転動装置。
  4. 過塩基性金属系清浄剤がアルカリ土類金属のスルフォネート、フェネート及びサリチレートから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項3記載の転動装置。
  5. 硫黄−リン系極圧剤がチオフォスフェートまたはチオフォスファイトであることを特徴とする請求項3記載の転動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009209180A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Kyodo Yushi Co Ltd グリース組成物及びその製造方法
WO2010029889A1 (ja) 2008-09-09 2010-03-18 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 指標画像制御装置

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