JP2000025977A - 平滑性良好な複合材料ロール - Google Patents

平滑性良好な複合材料ロール

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JP2000025977A
JP2000025977A JP10208515A JP20851598A JP2000025977A JP 2000025977 A JP2000025977 A JP 2000025977A JP 10208515 A JP10208515 A JP 10208515A JP 20851598 A JP20851598 A JP 20851598A JP 2000025977 A JP2000025977 A JP 2000025977A
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silicon
fluorine
coating
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Sueo Nakamura
末男 中村
Yukihiro Ikegami
幸弘 池上
Hisao Koba
久雄 木場
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷時の紙の剥離性と耐摩耗性に優れると共
に、平滑性を向上した複合材料製のロールを提供する。 【解決手段】 ロール本体の表面に被膜を一体的に形成
してなる複合材料製ロールにおいて、複合材料を構成す
る樹脂の2次転移点(Tg)未満の温度で焼付硬化が可
能な共重合性含フッ素系モノマーとシリコンマクロモノ
マー及び他の共重合可能なビニル系モノマーを共重合し
て得られるフッ素とシリコンを含有するポリマーの重量
平均分子量が10,000〜20,000の範囲のもの
であって、1:5から5:1の比率で球状微粒子アルミ
ナを配合してなる塗料でロール表面を被覆し、一体的に
被膜形成せしめたことを特徴とする平滑性良好な複合材
料ロール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量、且つ、高剛
性を有するロールに関し、特に印刷機関係、製紙工業、
紙加工業等における搬送ロール、ガイドロール等のよう
に被処理物とロール表面との剥離性(または非粘着性)
及び耐摩耗性、さらには平滑性が要求されるロールに関
する。
【0002】
【従来の技術】印刷機関係、製紙工業、紙加工業におい
て使用されているロールは、これまで鋼鉄製かアルミニ
ューム製のものが主であった。また、ロールの表面処理
としてはクロムメッキが主に用いられていたが、最近、
フッ素樹脂を表面に焼付コートしたものも使用されるよ
うになってきている。
【0003】一方、近年産業の進歩により、上記のよう
なロールを使用する加工機の高速化が種々試みられてい
る。このような高速化の要求を満足すべく一部炭素繊維
複合材料(以下、CFRPと略記する。)を母材とした
ロールも使用されつつある。CFRPを母材としたロー
ルの場合、表面処理としてはクロムメッキ、ゴム被覆、
セラミックコート、フッ素系樹脂の焼付、テフロンシュ
リンクチューブ被覆等が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ロール母材が金属で製
作されている場合、重量が重く、そのため慣性モーメン
ト(GD2)が大きくラインスピードの加減速に時間を
要すること、ロールの回転が重く、非処理物に高い張力
がかかり、例えば薄ものの製品が作り難いこと、また、
印刷機の場合は印刷の際色合わせに不具合が発生する等
の問題があった。また、金属ロールの場合、CFRP製
ロールに比べて非弾性率が低くロールの自重たわみが大
きいことも問題視されていた。ロールの表面処理につい
ては上述したように種々あるが、例えば印刷機について
見てみると、殆どがクロムメッキされたものであり、イ
ンクの付着が激しく、汚れの問題、掃除の手間、さらに
は有機溶剤などを用いることによる掃除の際の環境上の
問題点があった。
【0005】その他の表面処理についても一般産業用途
に使用されていて、公知であるが、ゴム被覆ロール、セ
ラミックコートロール等は上述のごとき用途には不向き
である。フッ素樹脂をロール表面に焼付たものは、コス
ト高になること、また、アルミニューム製ロール等に処
理した場合でもロールの変形を来し、精度の高いロール
を作り難いなどの問題点があった。テフロンシュリンク
チューブの精度については特に問題はないが、チューブ
のコストが高いことなどの問題点があった。
【0006】特開平8−145044号公報には、軽量
で剛性に富み、且つ、被処理物に対する表面剥離性に優
れ、インクの付着性の少ない複合材料ロールが提案され
ているが、本発明は、剥離性と耐摩耗性と共に、さらに
ロールの平滑性を一層向上することによりインクの付着
性の少ない複合材料製ロールを提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロール本体の
表面に被膜を一体的に形成してなる複合材料製ロールに
おいて、複合材料を構成する樹脂の2次転移点(Tg)
未満の温度で焼付硬化が可能な共重合性含フッ素系モノ
マーとシリコンマクロモノマー及び他の共重合可能なビ
ニル系モノマーを共重合して得られるフッ素とシリコン
を含有するポリマーで重量平均分子量が10,000〜
20,000の範囲のポリマーに対し、1:5から5:
1の比率で球状微粒子アルミナを配合してなる塗料でロ
ール表面を被覆し、一体的に被膜形成せしめたことを特
徴とする平滑性の良好な複合ロール及びさらにその上を
球状微粒子アルミナを配合しない上記フッ素とシリコン
を含有するポリマーからなる塗料で被覆して、一体的に
被膜形成せしめ一層平滑性を良好にした複合材料ロール
を要旨とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるフッ素・シリ
コン含有ポリマーとしては、パーフルオロアルキル基ま
たはフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステ
ル系モノマーと、シリコン系マクロモノマー及び他の共
重合可能なビニル系モノマーを共重合して得られるポリ
マーが挙げられる。代表的なフッ素含有モノマーとして
はフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル
系でフルオロアルキル基が3〜17のものが挙げられ
る。
【0009】シリコン系マクロモノマーとしては、例え
ば東亜合成(株)製のAK−5、AK−40(何れも商
品名)などが挙げられ、他の共重合可能なビニル系モノ
マーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、スチレン、αメ
チルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ジメチルスチ
レン、ビニルトルエン、(メタ)アクリルアミド、N−
メチロール(メタ)アクリルアミド、ブトキシ(メタ)
アクリルアミド、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒド
ロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチル
−モノブチルフマレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、「プラクセルFMないしFAモ
ノマー」(商品名、ダイセル化学(株)製、カプロラク
トン付加モノマー)、ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、さらには、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル
酸ジブチル、イタコン酸ジエチルまたはイタコン酸ジブ
チル等である。これらをラジカル重合性開始剤を用い
て、通常の溶液重合法によりフッ素・シリコン含有ポリ
マーを得ることが出来る。
【0010】本発明で使用するフッ素・シリコン含有ポ
リマーの一成分として2−ヒドロキシル基含有モノマー
を共重合させてアクリルポリオールとした場合、これを
主剤としてポリイソシアネートを硬化剤として使用する
ことで、より耐久性は向上する。ポリイソシアネートと
して代表的なものには、トリレンジイソシアネート、キ
シレンジイソシアネートもしくはジフェニルメタンジイ
ソシアネートのような芳香族ジイソシアネート、テトラ
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、もしくはトリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネートのような脂肪族ジイソシアネート、またはイソホ
ロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4
−(ないし2,6−)ジイソシアネート、4,4′−メ
チレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)もしくは
1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサンの
ごとき脂環式ジイソシアネートなどのようなジイソシア
ネート類、あるいはこれらの各ジイソシアネート類と多
価アルコール類、イソシアネート基と反応する官能基を
有する低分子量のポリエステル系樹脂(油変性タイプの
ものをも含む。)または水等との付加物、さらにはビュ
レット体あるいは上記した各ジイソシアネート同志の
(共)重合体(オリゴマーも含む)等がある。
【0011】なお、フッ素・シリコン含有ポリマーは臨
界表面張力を低くし、新聞インクの剥離性の向上に役立
ち、さらに新聞紙との摺動抵抗を下げ、耐久性を向上す
る効果がある。ここに摺動抵抗は動摩擦抵抗で表現さ
れ、これが0.2以下の場合耐久性の向上に有効であ
る。該ポリマーの重量平均分子量は10,000〜2
0,000の範囲のものが好ましく、より好ましくは1
2,000〜18,000の範囲である。重量平均分子
量が10,000未満では耐摩耗性及び耐溶剤性に問題
が生ずる。また、20,000を超えた場合平滑性の向
上が見られない。該ポリマーの計算Tgの場合は20〜
80℃の範囲のものが好ましく、より好ましくは20〜
60℃の範囲である。20℃以下では耐摩耗性及び耐溶
剤性・タック性に問題が生ずる。また、60℃を超える
ものは平滑性の向上が見られない。
【0012】本発明は、上記フッ素・シリコン含有ポリ
マー成分に対し、1:5〜5:1の比率で、球状微粒子
アルミナを配合して、塗装樹脂系に耐摩耗性を格段に向
上させるところに特徴がある。球状微粒子アルミナは、
粒径30μm以下、望ましくは25μm以下、さらに望
ましくは粒径10μm以下の微細粉末で球状となってい
るものが、摺動性、耐摩耗性を得る面で好ましい。
【0013】また、例えば新聞印刷機に用いる場合にお
いて、静電気を発生して紙粉の付着による印刷不良をお
こすことを防止するため、ロールの表面に導電性を付与
することが望まれるが、表面電気抵抗を下げる方法とし
て、本発明の塗装樹脂系にカーボンブラックを1〜10
重量%の範囲で配合し、108オーム以下の表面電気抵
抗とすることにより問題を解決することが出来る。
【0014】次に、複合材料製ロールの製造法について
説明する。炭素繊維トウに代表される高強度、高弾性補
強繊維を用い、該繊維に熱硬化性樹脂を含浸させ加熱硬
化して素管を成形する。炭素繊維の種類としては、特に
限定するものではないが、より軽量で、且つ、剛性を上
げるためには、より弾性率の高い高弾性糸を使用するこ
とが好ましい。また、必要に応じガラス繊維、アラミド
繊維等を使用または併用することができる。
【0015】成形法としては、シートラッピング法、フ
ィラメントワインディング法、引抜成形法、レジントラ
ンスファーモールディング法等種々な方法があり、特に
限定するものではない。従って当然のことながら樹脂の
含浸方法もこれらの成形法によって一般的に行われてい
る方法に従ってなされる。また、使用する樹脂の種類は
特に限定はないが、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂
あるいはこれらを併用したものが一般的に用いられる。
【0016】上記シートラッピング法及びフィラメント
ワインディング法で成形されるものは、金属製マンドレ
ルにラッピングあるいはフィラメントワインドした後加
熱硬化して素管を成形する。引抜法により成形されるも
のは中空パイプ形状のダイスにて引抜成形し、素管を成
形する。レジントランスファーモールディング法によっ
て成形されるものは金属型あるいは樹脂型等にて成形さ
れる。
【0017】このようにして成形された素管は、ロール
の長さを決めるために丈決めを行った後ヘッダーまたは
ジャーナルを取り付ける。ヘッダーあるいはジャーナル
の接合は、接着接合、機械的接合、あるいは接着接合と
機械的接合の併用によって行う。しかる後、CFRPの
外周面の研磨及びベアリング嵌合い部、軸受部の仕上を
行う。ヘッダーまたはジャーナルの接合前にCFRP外
周面を研磨した後にヘッダーまたはジャーナルを接合
し、ベアリング嵌合い部、軸受部の仕上を行ってもよ
い。
【0018】その後バランス取りを行い、上述の球状微
粒子アルミナ配合塗料をコーティングして製品とする。
バランス取りはロールの長さ及び回転スピード等によっ
て静バランスまたは動バランス取りを行うが、輪転機ロ
ールのように高速で回転するものについては、動バラン
スを取る必要がある。ロール長が短いものあるいは回転
スピードの遅いものについては、静バランス取りで十分
である。
【0019】次に、本発明の球状微粒子アルミナ配合フ
ッ素・シリコン含有ポリマー塗料とその塗工法について
説明する。本発明の塗料の調製には、まず、フッ素・シ
リコン含有ポリマーに球状微粒子アルミナを配合分散
し、希釈して硬化剤と配合するか、またはフッ素・シリ
コン含有ポリマーに該アルミナを高濃度でブレンドして
マスターバッチを調整し、これとフッ素・シリコン含有
ポリマーを適宜比率をきめて調合し、シンナーで希釈し
た後、硬化剤を混合する方法を採ることができる。主剤
と硬化剤の比率は主剤のOH当量と硬化剤のNCO当量
が等しくなるように調合する。
【0020】塗工に際しては、粘度状態が表面塗装性に
大きく影響するのでフォードカップまたはイワタカップ
等で粘度の測定を行う。この場合の目安としては8〜2
5秒程度が好ましい。このように調合した塗料をスプレ
ー塗装器にて、研磨された複合材料製ロール表面に塗装
する。塗工に当たり塗料が霧化しにくく糸引き状の場合
は、希釈シンナーを適量追加して粘度の調整を行う。厚
めに塗装したい場合は、塗装後数分間放置し2度目の塗
装を行う。さらに厚塗りが必要な場合は同様の操作を数
回に亘って行う。
【0021】本発明において、球状微粒子アルミナ入り
のフッ素・シリコン含有ポリマー塗料で被覆された塗装
面は、本発明で目的とする平滑な面に仕上がるが、表面
の滑らかさをより必要とする場合は、該アルミナ入り塗
料で塗装した後、球状微粒子アルミナを配合していない
フッ素・シリコン含有ポリマー塗料で上塗りすると、表
面のインク剥離性及び耐摩耗性を良好に保ち、一層優れ
た平滑な表面被膜を得ることができる。この場合、該ア
ルミナ入り塗料で塗装後完全硬化する前に、上塗りする
ウエット・オン・ウエット塗装法と、下塗りが完全硬化
してからその表面を研磨し塗装するドライ・オン・ウエ
ット塗装法の何れも採用できる。しかし塗装作業の連続
性から、工数の削減出来るウエット・オン・ウエット法
がより好ましい。
【0022】塗装物の加熱硬化法については、塗装後1
0〜15分経過後に加熱を開始するか、または塗装厚さ
が厚い場合、時間を経過させて希釈シンナーが十分揮発
してから加熱するのが好ましい。加熱温度については短
時間にて処理したい場合は、比較的高温にて処理する
が、十分時間的余裕がある場合は、常温で時間をかけて
硬化しても被膜性能及び表面剥離性能の点で劣るもので
はない。
【0023】
【実施例】以下、実施例によりさらに本発明を具体的に
説明する。説明中「部」は重量部を示す。
【0024】(実施例1)内径93mm、外径100m
m、長さ2,000mmで、母材として三菱レイヨン
(株)製炭素繊維「パイロフィルTR40」(商品名、
繊維の縦弾性率24,000kg/mm2 )を使用し、
外表面がフッ素・シリコン含有ポリマーの塗料で被覆さ
れ一体的に被膜形成されたCFRP製印刷機用ロールを
製作した。
【0025】まず、フィラメントワインディング機を使
用し、外径93mmの鉄製マンドレル上に、エポキシ樹
脂で含浸された炭素繊維トウを巻き付け、1.5時間か
けて100℃に昇温し、2.5時間保持した後、1時間
かけて170℃に昇温し、4.5時間保持することによ
り加熱硬化して素管を形成した。このとき用いた素管の
マトリックス樹脂はエポキシ系樹脂であり、2次転移点
(Tg)は165℃であった。繊維の巻付角は塗装の平
滑性を良好な状態とするため、最外層繊維の配向をロー
ルの軸芯に対して90°方向になるように巻き付けた。
フィラメントワインディング機にて成形する場合、繊維
配向が90°以外のときは、繊維と繊維の交絡があるた
め表面の平滑性が損なわれるためである。成形された素
管を円筒研磨機にて研磨し、次にヘッダーのベアリング
嵌合部を62mmの内径に仕上げた。
【0026】この後、ロール表面をさらに#240のサ
ンドペーパーで仕上げ、表面の凹凸をとった後、2,
2,2−トリフルオロエチルメタアクリレート362.
4部、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート90
部、AK−5(東亜合成(株)製;シリコンマクロモノ
マーの商品名)2.4部、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート139.2部、メタクリル酸6部、アゾ系開始
剤10.8部からなるモノマー混合物をトルエン中で溶
液重合してフッ素・シリコン含有ポリマー(計算Tg6
0℃)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量は1
2,700で数平均分子量は8,800であった。該ポ
リマー100部に対し、カーボンブラック4部と10μ
mの平均粒径をもつ球状微粒子アルミナ100部を混合
分散させ、これにポリイソシアネート(スミジュールN
75:住友バイエルウレタン社製、商品名)をNCO/
OH=1/1(等量比)になるよう配合し、フォードカ
ップNo.4にて15秒に希釈し、スプレー塗装機にて
厚さ40μmになるよう塗装し、1時間放置後80℃で
60分間加熱し硬化した。得られた塗装表面は非粘着性
であり、表面硬度が高く新聞用輪転印刷機の搬送ロール
として用いたところ、平滑性が良好で、軽量高剛性で印
刷開始、停止時のロスが少なく、優れた性能を示した。
表1に表面粗さ計のデーターを示す。
【0027】(実施例2)実施例1と同様にして仕上げ
たCFRPロール表面を、さらに#240のサンドペー
パーで仕上げ、表面の凹凸をとった後、2,2,2−ト
リフルオロエチルメタアクリレート347.4部、ヘプ
タデカフルオロデシルメタクリレート90部、AK−5
(東亜合成(株)製;シリコンマクロモノマーの商品
名)2.4部、4−ヒドロキシエチルアクリレート15
4.2部、メタクリル酸6部、アゾ系開始剤10.8部
からなるモノマー混合物をトルエン中で溶液重合してフ
ッ素・シリコン含有ポリマーを得た。得られたポリマー
の重量平均分子量は12,500(計算Tgは28℃)
であった。該ポリマー100部に対し、カーボンブラッ
ク4部と10μmの平均粒径をもつ球状微粒子アルミナ
100部を混合分散させ、これにポリイソシアネート
(スミジュールN75:住友バイエルウレタン社製、商
品名)をNCO/OH=1/1(等量比)になるよう配
合し、フォードカップNo.4にて15秒に希釈し、ス
プレー塗装機にて厚さ40μmになるよう塗装し、1時
間放置後80℃で60分間加熱し硬化した。得られた塗
装表面は、非粘着であり表面硬度が高く新聞用輪転印刷
機の搬送ロールとして用いたところ、平滑性が非常に良
好で、軽量高剛性で印刷開始、停止時のロスが少なく、
優れた性能を示した。表1に表面粗さ計のデーターを示
す。
【0028】(実施例3)実施例1で用いたものと同様
のCFRPロール素管と、実施例1で用いたものと同様
の球状微粒子アルミナを配合したフッ素・シリコン含有
ポリマー系塗料及び球状微粒子アルミナを配合しないフ
ッ素・シリコン含有ポリマー系塗料を用意した。CFR
Pロール素管の表面を円筒研磨、サンドペーパー処理を
行った後、球状微粒子アルミナ含有塗料を実施例1と同
様にして、スプレー塗装を行い、約40μmの厚さに塗
装後、10〜20分室温で放置し、次いで球状微粒子ア
ルミナを配合していない塗料を同様にしてスプレー塗装
により30〜40μmの厚さに塗装した。1時間放置し
た後、80℃で60分間加熱硬化したところ、塗装表面
は非常に平滑で被膜性能も良好であった。
【0029】このようにして得られたロールの表面特性
調査として表面粗さを測定したところ、分子量down
ものはRmax3.64、Pz,D1.56、Pv1.
20であった。水との接触角について測定したところ、
101°と極めて高く、インク剥離性などに良好な性能
を有していることが判明した。このロールを新聞用輪転
印刷機用ロールに使用したところ、軽量でインクや、紙
粉の付着もなく、耐摩耗性があり、極めて良好なロール
であった。
【0030】(実施例4)実施例2で用いたものと同様
のCFRPロール素管と、実施例2で用いたものと同様
の球状微粒子アルミナを配合したフッ素・シリコン含有
ポリマー系塗料及び球状微粒子アルミナを配合しないフ
ッ素・シリコン含有ポリマー系塗料を用意した。CFR
Pロール素管の表面を円筒研磨、サンドペーパー処理を
行った後、該アルミナ含有塗料を実施例2と同様にし
て、スプレー塗装を行い、約40μmの厚さに塗装後、
10〜20分室温で放置し、次いで球状微粒子アルミナ
を配合していない塗料を同様にしてスプレー塗装により
30〜40μmの厚さに塗装した。1時間放置した後、
80℃で60分間加熱硬化したところ、塗装表面は非常
に平滑で被膜性能も良好なものであった。
【0031】このようにして得られたロールの表面特性
調査として表面粗さを測定したところ、Tgdownも
のはRmax3.16、Pz,D1.34、Pv0.8
4であった。水との接触角について測定したところ、1
02°と極めて高く、インク剥離性などに良好な性能を
有していることが判明した。また、このロールの表面被
膜特性調査として鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度は
5H以上あり紙搬送ロールに十分な硬度を有し、碁盤目
剥離テストの結果ではCFRP母材と強固に密着してい
ることが確認された。このロールを新聞用輪転印刷機用
ロールに使用したところ、軽量でインクや紙粉の付着も
なく、耐摩耗性があり、極めて良好なロールであった。
【0032】(比較例)重合開始剤量を4.8部とした
ほかは実施例3と同様の手法によりフッ素・シリコン含
有ポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量
は24,800(計算Tgは60℃)であった。実施例
3と同様の手法により球状微粒子アルミナ入り塗料の塗
装及び該アルミナなしの塗料の塗装を行った。本例で製
作されたロールを新聞用輪転印刷機用ロールに使用し
て、実施例1〜4で得られたロールと比較してみたとこ
ろインクの付着が見られた。表1に表面粗さ計のデータ
ーを示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明に係わる複合材料ロールは、従来
の複合材料製ロールに比べてロール表面が平滑であり、
ロール表面へのインクの付着蓄積もなく、新聞用輪転印
刷機ローラーのような高速処理分野への使用が可能であ
り、しかも従来のテフロンチューブの被覆等に比べて平
滑性が非常に良好で、工業的に優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08F 290/06 C08F 290/06 C09D 175/04 C09D 175/04 (72)発明者 木場 久雄 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 3F049 CA12 CA14 LA06 LB03 3J103 AA02 AA51 EA20 FA07 FA13 GA02 GA33 HA04 HA37 HA43 HA47 HA54 4F100 AA19B AA19H AA37B AA37H AD11A AH02B AH02H AK17B AK17J AK52B AK52J AK53A AK80B AL01B AT00A BA02 BA10A BA10B CC00B DA11 DE01B DE01H DG01A DH02A GB90 JA04B JA07B JK01 JK06 JK09 JK15B JL03 YY00B 4J027 AB10 AB28 AC03 AC04 AC06 AF05 AF06 AJ01 AJ06 AJ08 BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA10 BA12 BA13 BA14 CA14 CA25 CA36 CB09 CC02 CD08 4J038 CG141 CH011 CH251 DL101 GA12 GA15 HA216 KA20 MA14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール本体の表面に被膜を一体的に形成
    してなる複合材料製ロールにおいて、複合材料を構成す
    る樹脂の2次転移点(Tg)未満の温度で焼付硬化が可
    能な共重合性含フッ素系モノマーとシリコンマクロモノ
    マー及び他の共重合可能なビニル系モノマーを共重合し
    て得られるフッ素とシリコンを含有するポリマーの重量
    平均分子量が10,000〜20,000の範囲のもの
    であって、1:5から5:1の比率で球状微粒子アルミ
    ナを配合してなる塗料でロール表面を被覆し、一体的に
    被膜形成せしめたことを特徴とする平滑性良好な複合材
    料ロール。
  2. 【請求項2】 フッ素とシリコンを含有するポリマーの
    2次転移点(Tg)が20〜80℃の範囲のものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の平滑性良好な複合材
    料ロール。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2の平滑性良好な
    複合材料ロール上に球状微粒子アルミナを配合していな
    い請求項1または請求項2に記載のフッ素とシリコンを
    含有するポリマーからなる塗料で被覆し、一体的に被膜
    形成せしめたことを特徴とする平滑性良好な複合材料ロ
    ール。
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